基礎演習E(長嶋担当回) 2020年前期

(参考)「インタラクティブ」なシステムとは

(参考)長嶋担当科目の位置づけ

(参考)「サウンドデザイン」の関連領域

インタラクション領域の2回生で今回「基礎演習E」を履修する学生は、同じ2020年前期に開講する「サウンドデザイン」(長嶋)も並行して受講することを推奨します。もともと「サウンドデザイン」は、去年、2019年後期の「基礎演習E」を受講した学生に、その発展のために強く受講を推奨している科目なので、これを履修しないと今回の「基礎演習E」から発展させる「足場」が得られません。質問があれば長嶋にメイルで問い合わせて下さい
デザイン「よろずZOOM相談」について

「科目ガイダンス」長嶋担当分 (5/15)

初回の5/15の冒頭30分に「科目ガイダンス」というのがあって、5/5に受けたメイルで的場先生から以下のように教員に依頼がありました。
1回目の授業では、ガイダンスの時間も設けていますが、ここでは、この授業を取るとどんな事が学べるのか、どんな作品が作れるのか等を、ビジュアルの資料を使って具体的に説明したいと思います。
個々の「発想を学ぶ」については、特に詳細に説明する必要はないと思いますが、「技法を学ぶ」の5回については、それぞれでどんなことが身につくのか、できるだけ予備知識のない学生にもイメージが湧きやす形の資料があると望ましいです。
ということで、皆さん自分の担当に関して、パワーポイントの1ページ以上に相当する、ビジュアル要素を含む説明資料を今週中にお送りいただけますとありがたいです。
僕はパワポを持たず使わずなので、ここへのリンクを依頼しました。 まずは以下の画像をクリックして出てくるPDFを眺めてください。 これは長嶋ゼミの学生が制作したインスタレーション作品の一部です。

「発想を学ぶ」長嶋担当分(5/19〜5/22)では、上記の作品を含む、皆さんの先輩、SUACデザイン学生のインスタレーション作品(僕が制作を支援したり展示発表イベントをプロデュースしたもの)など、現在のところ [58+57+57+57+8=] 237作品を紹介したページから解説しつつ紹介して、そこから皆さんの「発想」を展開していただく計画です。 ここではその中からダイジェストとして、3作品だけYouTube記録を紹介しておきますので、暇があれば、頑張ればこんなものが作れる、と思って眺めてみて下さい。

さて、「技法を学ぶ」の長嶋担当回で身につく技法ですが、単に「電池を繋いでLEDを点灯させる」とか、単に「ArduinoにセンサとLEDを繋いで反応させる」という入門的な世界と、これらのインタラクティブな作品を実際に実現できる世界との関係には、ちょっとしたギャップがあります。 この部分は色々なテクニックもあり、さらにブレッドボード(電子部品を挿すだけの実験試作用の道具)では通用しない、電子回路テクノロジーの常識など、多くのノウハウがあります。 具体的にその詳細を「基礎演習E」の段階でマスターするのは不可能ですが、今後のためにそのような視点を持つことはデザインにおける一つの「技法」であり、「技法を学ぶ」の長嶋担当回で身につくものとなります。

的場先生 「発想を学ぶ1」(5/15) の補足

上の作品「つながるヒト」は、前田侑穂さん(SUAC大学院に進学、後に実習指導員もしました)が学部4回生のときに、「SUAC展2009」で発表した作品です。 ちなみにこの作品は、翌2010年に大垣で開催された「Make大垣meeting」にSUAC代表として参加し、3人の1回生とM1になった前田さんと共にSUAC学生のインスタレーション作品を発表展示するとともに国内のMakerと交流しました。 その様子は フォトレポート参加学生レポート で知ることが出来ます。

的場先生の解説では簡単のために「磁石とスイッチと電池とLED」としてありましたが、実際には違います。 この作品については このページ のいちばん下から2番目に記録がありますが、実際の動作の様子の YouTube記録動画 を見て下さい。 磁石とスイッチであれば、パッと点灯して、パッと消えるだけですが、ここで前田さんがやりたかったことは、「じわ〜〜っ」と点灯して、消える時にはパッと消える、というものでした。 人と人が繋がるときのじわじわくる嬉しさと、離れてしまうときの切なさ、というコンセプトは美しいと思います。 そして、望月先生指導の3Dプリンティングを活用して完全に同一の造形が並ぶようにしたのも重要な点です。

そのため、この内部にはそれぞれ、トランジスタ1個を用いた簡単な電子回路が入っています。 前田さんのアイデアを実現するために電子回路を実験/試作して、僕が最初の基板をサンプルとして作って、あとは前田さんが一つずつ半田付けを真似して基板を量産し、完成させました。 ですので、「基礎演習E」の範囲では、パッと点灯してパッと消えるものは出来ますが、この作品のようなものは(それほど難しいものではありませんが)もっと先の段階での挑戦になります。

「発想を学ぶ」長嶋担当分 (5/19〜5/22)

「発想を学ぶ」長嶋担当分 (5/19〜5/22)のレポートと、それに対する長嶋のコメント

  • SUACインスタレーション(4)に掲載されていた『スノードーム・ギア』についての感想と、私なりの発展について考えたい。アクリル板を使うことで、作品そのものだけでなく影まで楽しめるのは面白いアイデアだと思った。内部の水が漏れない構造も、緻密な設計と作業が求められたことと思う。私が要素を加えるのなら、モチーフと色だ。まずはモチーフ。普通のスノードームは、家などのモチーフが中に入れられており、そこで白い粉末が動くことで雪が降っているような演出がされている。この作品においても、小さなチャームを入れることで、よりスノードームらしさが生まれるのではないか。次に色について。透明な水だけでなく、色付きのオイルを用いて2層にするのも面白いのではないかと感じた。イメージとしてはオイル時計が近い。色をつけることで見栄えすると同時に、影絵にした時にも透明な部分と半透明な部分が生まれるため、面白い模様が出来上がるのではないだろうか。
    この作品は、SUACにレーザーカッターが導入されたからこそ実現できました。アクリル板を寸分たがわずきっちりと切り出すことで、「正確な歯車」・「中空(外周だけ)の歯車」・「中空の歯車」・「正確な歯車」を造形して、それらを貼り合わせることで初めて実現できるものです。中に充填する液体についてはオイルも面白いと思います。過去の学生で「ラバライト」(→ぜひ検索して調べてみて下さい)の制作に挑戦した人がいましたが、温めた液体が上下に動く美しさというのは簡単には実現せず、色々なオイルと材料を調べて、まさに化学の実験のようになりました。「オイルねた」というのは相当に奥が深いです
  • 工学的なことは少し疎いので授業についていけるか少し心配です。でも、自分なりに楽しさを見つけてワクワクするようなものをデザインしてみたいです! SUACインスタレーション(2)で紹介があった「はやくスシになりたい」が個人的に好きだなと思ったのですが、これを私なりに作り替えるとしたら、ブロック型の土台となる土(作品内でのシャリの位置)の上に草むらや花畑、海などのステージ(作品内でのネタの位置)を置くことでその場面に見合った可愛らしい映像が流れたらワクワクしそうだなあと考えました。ブロックやステージのパーツは触り心地もフワフワしてたりザラザラしてたりツルンとしてたらもっと楽しそうだなと思います!
    「はやくスシになりたい」は動態保存しているので希望があれば実物を触れます。作者の野口さんはOLしながら作家としても活動していて、この作品は野口さんの個展や展示で東京に行ったり、ロンドンでの国際会議に持参して海外の専門家にも好評でした(^_^)。ちなみにこの作品の「ゲタ」(寿司を置く台)は陶器ですが、SUAC陶芸部だった本人の作品です。提案のようにジオラマのようにして各種のネタを配置するというのもいいと思います。作りたかったら協力します(インスタレーションを貸し出して記録映像など撮れます)ので申し出て下さい
  • 先輩方の面白い作品が多数紹介されており、楽しく動画を視聴させていただきました。中でも気になったのが、リアルなハチの集団の作品です。多数のハチが一斉にこちらを睨むのは、とても威圧感がありますね。ハチたちの警戒心が伝わってくるようでした。こっちへくるな!というメッセージにも感じます。さらにハチたちの何匹かが上下に動くとより生物感が出そうだと思いました。おそらくそれを実現するのはとても大変でしょうけど。これは自分の勝手な意見ですが、「集団」というのは面白いテーマだと思います。例えば大勢のハチが皆バラバラに動いていたら、また違った印象を受けますし、逆に一匹だけこちらを向いているというのも、何か作者の意図が感じられます。在学中に一度は挑戦してみたいテーマです。
    あのハチは細い針金で台座から上に配置されているので、わずかにフラフラとは上下動します。「集団」(「数」で勝負)というのはアートの世界では基本中の基本です。かつて京都市芸術祭で、少子化で廃校になった市内の小学校跡地を会場とした展示にインスタレーション作品を展示しましたが、その時に体育館を全部使った、ある作家の作品は圧巻でした。手作りの小さな「蛙」の造形がずらっと置かれているだけなのですが、その数が1000個以上だったのです。入り口から足を踏み入れた瞬間、1000匹の蛙がこちらを向いている・・・という風景は絶景でした。SUACの先輩の作品でも、「数」にこだわった作品 は、なかなかの力作で迫力があります
  • 掲載されている多くの作品を見た中で特に「ハコロ」が気になりました。次第に大きくなっていく箱をたどって、最終的には実際に大きな箱のような空間に入ることで、360度からくる情報に包まれ、その場の空気感を大いに感じることが出来るのだろうと思いました。さらには、持ち上げるとひかり、映像が変わるという仕組みも面白いと感じました。もし、自分がこの作品にアイデアを継ぎ足すならば、持ち上げたときに鳴る音を「その言葉をイメージして作った音」に変えると、視覚だけでなく、さらに聴覚からも感じることが出来て面白いのではないかと考えました。
    なるほど、そのアイデアはMaxだったのでまったく可能でした。ただし3人が夏休み中かかって制作したこの作品は、全ての造形から動画とBGMまでを制作したところで精一杯でした。あのチャイムみたいな音は僕がササッとその場で間に合わせに作ったものでした。3人とも空間造形学科(建築系)の学生で「サウンドデザイン」を受講していなかったので、サウンドも自在に録音した音を鳴らせる・・・とまで気付かなかったかもしれません
  • どの作品もユニークな発想のものが多くて見ていてワクワクしました。中でも気になったものは、「Planet of jewels」で写真から見て高級な雰囲気が出ていて気になって見て見ました。私の考えではせっかく隣にボタンがあるので、そのボタンを押すと地球儀の白い国々の中で一つの国がオレンジに点滅し、地球儀がふっと暗くなり、地球儀自体にその選ばれた国の写真が何枚も移り変わるように流れたら面白いかなと思いました。その映し出し方も、地球儀の360度全部に映されることで、手で回すのを自然な流れで誘導できたのでは?と思った。(動画内だと「これ回すの?」とか、ボタンの役割と地球儀の関係性ってなんだろう?と客にはてなを感じさせている気がした) また、隣にあった説明も目の視力が悪い自分からするともう少し大きく強調してもいいかなと感じました。全体を黒い箱に収めている構成はすごく素敵でGANTZみを感じさせられました。
    「GANTZみ」というのがまったく不明ですが(^_^;)、一般的によくある話ですが、この作品(これは僕が支援したものではない)を実現するまでの制作者の苦労を知らないから気楽に言えるのだなぁ・・・という感慨があります。いろいろな意見は意見として尊重しますが。YouTube記録動画だけでなく、Flashのプレゼンにあるように、元々は「世界の宝石についての情報をスマートに見せたい」というコンセプトが発端です
  • この演習で学ぶ技術によって、デザインして作ることができる範囲が広がると感じた。様々な作品を見て、視覚的や聴覚的に動きのある作品が多く、自分もそのようなデザインをできる技術を、この授業でしっかり習得したいと思った。「小鳥のさえずりアラーム時計 〜おはようチュンチュン〜」という作品を見て、ランダムに違う小鳥の鳴き声が起こしてくれるというシステムによって、家の中でも気持ちよく起きられると感じた。私は朝起きるのが苦手で、アラームの音も聞こえないことがしばしばあるので、私だったら、音に加えて振動もするようなシステムを作りたいと考えた。また、音量もだんだん大きくなるようにしたいと考えた。
    音だけでなく振動を加えることも可能ですが、実際に制作してみるには色々と技術的な課題が出てきます。だいたい振動したらヤワな電子回路は接触不良になったりするのでハンダ付け必須となります。音量が次第に大きくなるというのはプログラミングで容易です
  • デザインといえば平面的なものというイメージがあったがこの授業では自分で体験したりできる立体的なものが多く紹介されていたので自分のデザインの知識が広がると思った。小鳥のさえずりアラーム時計において自分は小鳥の泣き声が時間帯によって変わる鳩時計の様にすると面白いと思った。朝は起きたばかりの小鳥の声で夜は小鳥が眠い声を出すという1日の生活を小鳥の声と共に過ごせるものにしてみると良いと思った。
    平面のデザインなどというのはごく一部の基礎的な世界であり、造形も伴って実際に人間との接点を持つところから面白いインタラクションが始まります。アラーム時計のキットと小鳥のサウンドmp3再生のArduinoを組み合わせたこのシステムの範囲では、Arduinoが現在時刻を知ることは出来ないので、さらに高度なシステム設計をしないと実現できません
  • インスタレーション作品=幅広いものである、ということは理解していたつもりでしたが、予想以上の作品の多さ、複雑さ、面白さに驚きました。沢山ある作品の中で特に私が気になったのは「風見屏風」です。整然と並んだ風車の美しさもありながら、自分の手をかざした場所だけ回るという仕組みがどうなっているのかとても気になります。また、さらにこの作品を面白いものにするなら、風車が回ると同時に音(鈴の音など)が鳴って、視覚に加えて聴覚からも面白い作品にできるのではないかと考えました。電子回路の作成などの数学的作業に少し苦手意識がありますが、出来る限りインスタレーションを感じられる作品を作ることができたらいいなと基礎演習Eの講義に期待しています。
    「風見屏風」は、あの台の中にビデオカメラがあって、手をかざした「影」の部分を画像認識しています。そして画像を10×10=100の領域に分割して、影になった領域に対応したプロペラを回して、その風で竹ヒゴと和紙で出来た風車が回る・・・という仕込みです。この作品はSUACにほぼ動態保存してあるので、頑張って修復すると動作を再現できます
  • SUACインスタレーション(3)のページにある「The end of days」という作品を見て、この日記は元々ある7日間の出来事しかないと解釈したので、ここから自分が書けるもの、また他の人が書いた日記が見れるようなアプリケーションや機械にすればもっと面白くなるかなと思いました。具体的にはパソコンなどの電子機器に記録したい日の出来事を文字に打ち込み、映像や写真も一緒に入れます。そしてその文字をI Aが朗読しながら映像や写真をスライドショーなどにしてその出来事を振り返れるようにします。また、それは自分だけでなく(自分で選択した)他の人にも見せたり、見ることが出来るというものです。写真と一緒に流す音楽やI Aの声を自分で選択もできたら面白いかなと思いました。
    すいません、文中の「I A」というのが不明でよくわかりませんでした
  • 掲載されていた過去の作品をみて、特に興味を持ったのは「はやくスシになりたい」です。それぞれのネタたちに性格やストーリーがあることも、なんとも言えないキャラクターの表情も魅力的でとても心を掴まれました。映像の中で使われている音も興味を持てるような音が多くて、作品の見せ方が上手だなと思いました。台の上に置くことでネタちちの映像を見ることが出来るという仕組みも面白いなとおもったし、動画の中で動いているキャラクターがぬいぐるみになっていることで、実際に手で触ることもできるので、キャラクターに愛着が湧くと思います。私がもし作り替えるとしたら、この作品はすごく素敵だなと思ったのですが、題名ともう少し関連つけてもいい気がしました。だから、それぞれのぬいぐるみが置いてあって説明書きがされている場所を、寿司屋の皿とかに変えて、「はやくスシになりたい」という題名の雰囲気をもっと出すのもいいのではないかなと思いました。
    ぬいぐるみではなくて、それぞれフェルトで手作りしています。針をチクチクと刺していくと出来上がる造形です。作者は冬休み中かかって15種類の全てのネタを作り上げ(下宿にいるとサボるからと僕の研究室に毎日来て作業しました)、さらに15のキャラクタそれぞれの動画をFLASHで制作しましたが、そこで時間が来て作品発表したので、その時点ではサウンドが無いサイレントでした。その後、春休みに自主制作として全てのmovieに効果的なサウンドを入れることで立派な作品に仕上がりました。その努力と根性は素晴らしいものです
  • メイキング等で先輩方の作品ができあがるまでの紆余曲折を見て、私も自分の作りたい物を粘り強く追いかけたいなと思いました。「心 臓 音」という自分の拍動を見ることができる装置は、胎児のエコー写真を見るみたいに、自分の命を愛しく思うきっかけとなるという意味で情操教育にも役立つかも知れないと思い興味が湧きました。しかしその方向で対象を小中学生に絞るとすると今のリアルな見た目のままではとっつきにくくなってしまう気がするので、動きはリアルなままだとしても見た目はポップにデフォルメして、薄ぼんやりと光らせてみたり相性を見ながら音を付けてみても良いのかなと思いました。
    けっこう「心臓ネタ」というのはこの世界では定番クラスに多くて、SUAC学生でもリアルな心臓(動くもの)をシリコンゴムとかで作ったりしています。「見た目はポップにデフォルメ」ってのは、言うのは易しいですが実際にはセンスが問われます。イメージイラストが見たいです
  • 人が動いたり、触ったりすると動く作品や、物の動きを読み取って光が動いたり、何かが振動したりする作品など見てて楽しいものばかりでした。特に気になった作品は、SUAC インスタレーション(1)の「REproduction」です。この形は何とも言えないですね。小さな空間でもこの存在感は不思議です。造形物にセンサーが付いているのでしょうか。石を入れるとサウンドと共に光っているのは魅力的でした。私が発展させてみたいと思うものは石です。石にも機能をつけるのはどうでしょうか。この石が入ったら◯◯色になって、◯◯音がなるという感じです。沢山作ることは難しいと思いますが例えば3種類ぐらいに分けて、青なら水の音がするなど面白いのでは思いました。また、2つ3つと投げ入れると混色したり、音が変化する仕組みなども加えたらより面白くなりそうだなと思いました。
    この、一瞬「男子用小便器」(^_^;)に見えるインスタレーションですが、竹ヒゴ+紙の造形にシリコン樹脂を何回も重ねて固めた後で1ヶ月ぐらい埃まみれになって削り上げてあのすべすべフォルムにしました。石の投げ込み口に石が当たるレバーとスイッチがあって検出して、あとはパソコンからサウンドを生成しつつ、内部の白熱電球の輝度制御をしています。石ごとに識別できるようにRFIDを使う・・・というのは、言うのは簡単ですがRFIDセンサが適当に投げ込む石を確実にセンシングしにくいのでなかなか難問です
  • インタラクションの作品はどれも思わず体験したり使ったりしたくなるような作品ばかりでインタラクションデザインにとても興味が湧きました。掲載されている作品の中で私はカラーオーケストラという作品が気になりました。キューブを積み上げていくことで音やリズムが変わっていくというのが面白いアイデアだなと感じました。この作品を私なりに発展させるとしたら、一つ一つのキューブをよく子供の遊び道具とかにある大きなスポンジ積み木ぐらいの大きさにしてもっと体を使って遊べるようにし、LEDの部分も台全体が色んな色に光るようにしたら綺麗ではないかなと思いました。
    「インスタレーション」作品です。「カラーオーケストラ」はなかなか力作で、これを制作したリュ君(韓国ホソ大学から交換留学でSUAC長嶋ゼミへ。帰国卒業後にSUAC大学院に来て長嶋に弟子入り)は現在はチームラボに転職成功して活躍しています。キューブの1個ごとに全て異なる電子回路が入っていて、台の8箇所のコネクタと接続することで認識する仕組みです。いくつ積み上げても全て個別に認識するというのが技術的にはなかなか面白いテーマとなりました
  • SUACインスタレーション(4)の ”「いらない」と言われた子たち” についての感想と意見です。画面に映るこどもの心情がクレヨンで描いたようなイラストになっていて、子どもの繊細さ、残酷さをよく表しているなと感じた。 プレゼン資料 のモデリング作業のところをみると、目標とする形は必ずしもできるわけではなく、組み込む部品を考慮する必要があると知り、プログラミングだけでなく、造形を工夫できるスキルも高めていきたいと考えた。先生の席と教卓も作って、座った先生によって子ども同士の反応も変わるようにすれば指導者の大切さを伝えることができそう。また、人形をしまっておく家形の箱を設けて、入っていた家によって人形の性格が変わるようにしたら、演出としてはおもしろいと思う。ただ、家庭環境が人格形成に影響を与えることは ほとんどないらしい ので、事実に対して何かを問う作品だという面では悪い手の加え方かもしれない。演出と事実のバランスが難しいですね...。
    インスタレーションではよくありますが、センサとか電子部品を格納する必要性から、自由なフォルムだけで作品を作り上げることができない制約があります。そのあたりのバランスを考慮して作り上げるのもまた楽しいのです
  • 今までインタラクション領域がどのようなデザインをしているのか気になってはいましたが基礎E展だけではより深いところまでわからないこともありました。長嶋先生のインタラクションの先輩方の作品紹介ページや先生方の作品をWEB上でも見ることが出来たのはとても良かったです。ものにもう一工夫加えて人を楽しめたり、何かを感じさせるインタラクション領域のデザイン活動により興味を持つことができました。1番印象に残った作品は先輩の作品の3D万華鏡です。日々進化する技術を応用していけばこれからもっと楽しめる手のひらサイズのインタラクションデザインが生まれると思ったからです。
    「万変鏡」でしょうか。メイキングを発掘しました。 研究室で製作中 (1) (2) 作品制作の大塚さんと中身
  • SUACインスタレーションの中で今自分が気になっていることに一番近いのがScreen Pondでした。この作品は影や音に反応して逃げるというものでしたが、何も持っていないと逃げるけど餌を持っていたら逆によってくるという風にしたり、スクリーンの代わりに大きな壁に投影すれば追いかけっこなど遊びの範囲を広げられたりして面白くなるかなと思いました。また、この作品でProcessingというプログラミング言語があることを初めて知りました。聞いたことが無かったので調べてみると電子アートやヴィジュアルデザインのための言語ということでした。デジタルアートに興味があるので身に着けてみたいと思ったのですがこの言語を取り扱う授業はありますか?
    SUACでは「サウントデザイン」で僕がMaxを扱っていることもあり、これまでProcessingについてはoptional(興味ある学生が自主的に勉強して活用)でした。「Screen Pond」の乗松くんもProcessing(オープンソースなので無料)を自力で習得し、僕はゼミで支援しました。僕のゼミに来れば指導できます。「サウンドデザイン」の方にも書きましたが、Processingについて興味があれば僕の Processing日記 を参照して下さい。ProcessingとMaxとで連携(通信)した事例もあります
  • 様々な作品があったので、ひとつひとつ見ていくのが楽しかったし、自分が作ってみたい作品のイメージがつかみやすくなった。私は、インスタレーション(3)の『誰かを待つ街』が気になった。ぼんやりと光る街が、綺麗でありながらも少し切ない気持ちになり、舞台背景を知って、納得した。もう少し光を強くして、寝室などに置き、本を読むときだけ近づく、といったような使い方ができるのではないかと考えた。家の中に、人のシルエットなどを入れて、人が近づくごとにシルエットが増えていくようにして、街の賑わいを変えていくと面白いのではないだろうか。ライトの色も、オレンジから黄色というように、徐々に明るく楽しそうな雰囲気にできると、即座に変化がわかるのではないかと思う。
    この作品では多数のLEDを個別に点灯させる必要があるために、それぞれ「赤色」・「橙色」・「黄色」などのLEDを仕入れて制作しました。個々のLEDをRGBタイプとして自在に色合いを変化させるというアイデアは言うのは簡単ですが、それだとLEDの数が3分の1になって、造形の「あちこちにたくさんの灯り」というコンセプトがだいぶ寂しくなります。かといって全てをRGBタイプにしたら回路規模が3倍になり、コストや手間を考えると発表までの制作期間が限られている課題制作では「未完成」という破綻のリスクがあります。全ては企画段階での検討とスケジューリングが重要です
  • 様々な作品が紹介され、面白かったです。「座 -Ambient Cycle / Domestic Cycle-」という作品が印象的でした。普段見えない、聞こえない、感じられないものを体感できるようにするのがこの領域の醍醐味ではないかと私は思います。普段の見え方と違う見せ方をするというのもあるかと思います。この作品は聞こえない音を振動で体感できるもののようですが、白くて丸いのが卵のようで命の神秘を感じられそうだなと勝手に思いました。ぬくい温かさがあるとより心地よさそうです。エルネスト・ネトの作品のように巨大で包み込むようなスケールでできたら面白そうだなと感じました。
    「エルネスト・ネト」という人を知らなかったのですが、画像検索したら凄いのが出てきました。このあたりの世界は素材/材料にかなりお金がかかりそうですが頑張って下さい。過去には卒制の材料費で数十万円ほどかけた先輩もいました。卒制のスタートはまずバイトの嵐です
  • SUACインスタレーションを見て、光、音、平面、立体、映像などいろいろな要素を組み合わせて表現できるのがインタラクションの魅力だなと感じました。授業動画の中で説明していたShockingという作品が印象に残りました。動画内で話されていた上部の仕組みやなぜこの形なのかという話は制作に関わった人からしか聞けない貴重な話でした。少し元の作品とは違った感じになってしまうのですが、紐を引っ張っていくことで料理を完成させていく感じにしたら面白いんじゃないかと思いました。重さの関係もあると思いますが紐の先端や見えるところが光るようにして、光った紐を順番に引っ張っていくとだんだん料理ができあがっていき、スクリーンに野菜を切っていたり煮込んでいる様子を映し、音声も合わせたら自分で料理をしている雰囲気が味わえ、途中で何を作っているか当てられるかなどクイズのようにも楽しめると思いました。
    その企画案の実現は容易だと思います。ただし「多数のLEDがうじゃうじゃと大蛇のように光る(個別に制御)」というのはとんでもなく大変です。SUACインスタレーション(1)の「段虎」という3人組(1期生でトップ集団)の挑戦は、当初計画では3色だったのが1色だけで時間切れになりましたが、それでも240個のLEDをコンピュータで個別制御することを狙いました。その結果は あらえっさっさの日記 の「2002年8月14日(水)」と「2002年8月15日(木)」にありますが、こんな感じです。→
  • 私が特に気になったのは「iSCREAM」という作品です。食べ物のアイスクリームと自分の叫びという意味を掛けているのはすぐ分かりましたが、一見可愛らしいアイスから聞こえてくる思ったより本気の叫び声に思わず笑ってしまいました。いろんなシチュエーションでの叫び声があったり、二つ同時に聞けたりするのもシュールで面白いと思ったのですが、叫び声にもう少し変化を持たせると状況がわかりやすかなと思いました。(小指をぶつけたシチュエーションならいたーい!とか喜んでいるならやったー!とか言葉を叫ぶ・一つ一つ違う人の声にしてみるなど。)
    これは和田ゼミの学生作品なので僕は詳細はあまり知らないです。和田先生はホラーが大好きなので、ホラー系を志向する学生はぜひ和田先生に教えを請いましょう
  • 今長嶋教授のゼミで製作中のGPSからMaxへWiFi送信を行い、プロジェクションマッピングを行うインスタレーションはどのような形で完成するのかワクワクしました。凡庸な考えかもしれませんが、あの場でダンサーの動きに合わせてプロジェクションマッピングを施したら面白いだろうなと思いました。あの機器が複数あったらさらに映し出す映像の幅が広がりそうですね。
    コロナのためにこの自主制作が完成するかどうかは見通し不明です。ちなみにこの学生は宮田先生のゼミなのですが、他の世界も体験したいと長嶋ゼミには「準ゼミ」として3回生の時から参加して、あれこれ大きく成長してきました。3つのGPS衛星からの信号によって高精度な位置計測ができるので、もしかすると出会いの広場で複数地点まで検出できるかもしれません。ただし例えばA/B/Cの3人を追跡したとすると、AさんとBさんが一瞬、同じ場所で交錯すると、取り違える可能性が出てきます。これをどうしたらいいか、というのは良問です(対応可能)
  • 私は、プロジェクトマッピングのような形でしか空間を演出できないと思い込んでいましたが、今回先輩方や同級生の様々な作品を見て、オブジェクト自体は小さくても空間をデザインすることは十分に可能なのだと気づきました。気になった作品はMirror-ushiです。水中に棲むウミウシの透明感やひんやりした感覚が視覚的に伝えられるデザインが面白いと感じましたが、その変化を与えるのがウミウシに触れること(触覚)なので体験者に空間により没入させられるのかなと考えました。ウミウシのタッチする順番でストーリー性のあるムービーを流したり、放っておいたら謎の言語でお喋りさせたりして個々のウミウシをキャラクター化することで、触れるということにウミウシとの「ふれあい」という意味を持つので、より体験者に深い経験をさせることも可能なのではと思いました。
    この作品は造形にかなりの時間がかかったのですが、見た目はだいぶウミウシっぽくなったものの、実際には真空成形を使ったので、肝心の「触感」はまったくウミウシっぽくなくて、完全にカチカチに硬いです(^_^;)。本当は「柔らかい素材」もあれこれ実験したのですが、なかなか難しかったのです
  • 作品のコンセプトを実現するために、電子部品を利用すると実現のための自由度も高く、実現させたときの完成度も上がるなと感じました。ただし、ただ利用するだけでなく、その他の電気の通わない部品(木のパーツや外見を作る造形)が良くできていないと、安っぽく見えてしまうのかなとも思いました。今回紹介していただいた作品の中で、特に気になった作品が、「Revolution-J」や「花音(CANON)」などの、楽器が入力装置になっている事例です。紹介された作品で気になったものは、どれも入力装置に力の入った作品でした。体験型のインスタレーションではなによりも人に近く触れるものだと思うので、そこの発想を大切にしたいなと思います。そういった作品を作るために、機械の分解などもやってみたいのですが、一般家庭では難しいでしょうか?
    造形が重要、というのは電気仕掛けに限らず重要です。SUACデザイン学生が伝統的に他の美大などに比べて弱いのが、そのフィニッシュワーク(最後の仕上げ)です。機械を分解したり改造したりするのは自由(自己責任)ですが、特に「強電」(コンセントに差し込むような機器)は感電/火災の危険があるので止めて下さい。これは僕の「技法」の回にも話題にする予定です。「楽器」・「改造」については、僕が学会で発表した論文 を参考にしてみて下さい
  • 先輩方の根気強く作品に取り組む姿が印象的でした。私も妥協せず試行錯誤を繰り返していく作品作りをせねばと思います。SUACインスタレーション(2)の「電車で音を出すサウンドインスタレーション」が面白いと思いました。金属パイプの音が心地よく、ずっと聞いていられる、見ていられるような魅力を感じます。自分が何かするとしたら、電車とレールをもう1個増やして2人で走らせることが出来るようにしても面白いと思いました。増やした方の電車が鳴らすのは、木など別の素材の音にしてみたいです。また金属パイプが叩かれて上に上がって下がる時に、下にあるものを叩いて更に音が鳴る仕組みがあっても面白いと思いました。プラレールらしさという魅力は無くなってしまいますが、レールの色を青から白に変えても素朴さが増して良いと思います。
    この作品を制作した嶋田クンはSUAC出身ではなく、京都の美大を卒業した後で長嶋への弟子入りを志願してSUAC大学院に来ました。すでにグラフィック/映像や造形の力はあったところに、コンピュータを活用したインタラクティブデザインを学び、修了後はSUACデザインの実習指導員をしながらコンペ入選を続けて、最終的には横浜の美大の先生になりました。この作品の難しさは、電池を内蔵して自走するプラレールを改造して、プラスチック製のレールに銀紙を敷き詰めて電気を供給し、プラスチック製の車輪に銅箔を巻いてモーターに給電して、外部から電車模型のように「操縦」してしまったところにあります。そしてあの「鳴る造形」の美しさは、彼の持ち味を生かした作品になっていると思います。金属パイプに比べて木製などでは音が貧弱で音量としてたぶん負けます
  • 先輩たちの作品をみて、電子工学の技術と知識があるだけでかなり造形の幅が広がることが改めてわかってとてもわくわくしています。一番印象に残った作品は「Hakoro」です。サウンドや投影もそうですが、空間演出にもこだわっていてどこか不気味というか、危ない雰囲気があってとても引き込まれました。また「Chessでポン!」をみて、まったく別の作品になってしまうのですが、自分だったらオセロにして造形よりゲームとしての機能に力を入れたい、とインスピレーションがわきました。白と黒で置いた時の音をそれぞれ2つに分けて鳴るようにして実際にゲームができるようにしたら面白いのではないかと思いました。また、ボードゲームで視覚だけじゃなく聴覚で戦況を感じるということはそうそうないと思うのでかなり新鮮に新鮮に感じるんじゃないかなと思います。
    「電子工学の技術と知識」というのは基本的にSUACでは科目としてちゃんとは教えません(工学部ではない)ので、ある程度は自分で頑張るか、あるいは教員に頼るところが必要です(大学院まで来れば長嶋は指導します)。「Chessでポン!」はコンピュータまでの部分は僕が協力したものの、8×8=64個のスイッチを含む造形を「壊れないように人間の強力な力を受け取る」という仕組みと共に2回生2人と3回生の3人組で頑張って制作しました。その模様は あらえっさっさの日記 の「2002年8月14日(水)」と「2002年8月15日(木)」にありますが、こんな感じです。→
  • 先輩方の作品は視覚や聴覚、全身を使ったものなど幅広く、発想が何より大切なことがわかりました。特に興味を持ったのは、Suacインスタレーション(4)の「蠱膜」です。スクリーンが手で押し込められているので、視覚だけでなく触覚も加わってより気持ち悪そうでした。この作品は距離に応じた量の蟲が湧き出るようになっているとのことでしたが、もし自分だったら、押し込んだ手の距離で蟲の大きさや種類が変わっても面白いかなと思いました。またこの作品名は「蠱膜」ですが出てくるものを変える(花や星など)と、気持ち悪いだけでなく、いろいろな感情になれる仕組みだと思いました。
    この作品は僕はほとんどノータッチだったのですが、何よりも「素材」の選択と造形(きちんとした強度)がまず肝心で、その上でセンシングのテクニックとともにコンテンツとしての面白さを追求した、という力作です。やはり「触覚」(物理的に自然なリアクションが返ってくる)というのは重要で、これを非接触の画像認識でやったら、ちっとも面白くならないのです
  • 第12回卒展の奥川萌さんの作品、「iSCREAM」が非常にユーモアで面白いと感じた。アイスクリームの外観がとてもリアルで、近づいてみないと本物ではないことに気づかないと思った。非常にカラフルで美味しそうであり、「ああわたしも某アイスクリーム屋さんに行きたいな」と思わせてくれた。アイスクリームを置いている台座と看板の色が2色に絞られているので、統一感があり、女子がすごく好きな雰囲気を出せていると感じた。スタンドとアイスクリーム本体が離れることで音声が再生される仕組みのようだが、具体的にどういう作りで作られたのか興味が湧いた。動画の後半ではスタンドとアイスクリームが接触しているのに音が再生されてしまっていたので、調整が難しい仕組みなのかも知れないと思った。
    これは和田ゼミの学生作品なので僕は詳細はあまり知らないです。スタンドの部分にスイッチがあって、アイスクリームで押されていたスイッチが戻るのを検出しているのだと思いますが、そのあたりはうまく工夫しないと誤動作することになり、この手の作品では誤動作すると一気に醒めてしまうので、なかなかリスクがあります。しかし体験型のインスタレーション作品であれば、誤検出したとしてもやり直せばいいのでまだマシです。僕がやっているComputer Musicの世界では、コンサート会場でライヴ・パフォーマンスをしているので、一瞬でも誤検出したら音楽がストップしたり余計な音が鳴ったりして公演が成立しなくなるので、オリジナルのセンサ/楽器のデザインにおいて、信頼性の追求は格段にレベルが高いものとなります

「技法を学ぶ」長嶋担当週 (6/23〜6/26)

「技法を学ぶ」長嶋担当週(6/23〜6/26)のレポートと、それに対する長嶋のコメント

  • Arduinoなど、今はとても便利になって、私たち文系の人間にとって少しハードルは下がってきているのだなと感じた。それでも私はどうしても工学的なジャンルは苦手であり、AB共通の部分ですら何度も反芻しないと理解できない部分が多々あった。こうした機器において、安定かつ安全に動作するというのは何より大切にすべきことなのだと、過去の作品などを見て感じた。私は実際の機器というよりは、インスタレーションでもVRやゲームなどの方面に興味があるが、そこにおいてもバグなく正常に動くというのが第一だと思っているので、考え方の部分は大いに活かしたい。
    VRやゲームなど、アプリケーションのソフトウェア部分だけを制作する場合には、プラットフォームになっているハードウェア部分は「正常に動く」のが前提となるわけですが、実はそのハードウェアにもバグがある可能性というのがあります。初代のファミコンは生産の世代ごとにそれぞれハードウェアのバグがあり、その全てのバグを回避するための「ノウハウ集」というドキュメントを任天堂と契約して(数千万円)入手しないと、「全ての世代のファミコンで誤動作しない」ゲームが開発できない・・・という謎のライセンス・ビジネス(契約したメーカだけがファミコンのソフトを作れる「暖簾」制度)がありました。僕はたまたまその内実の詳細を熟知していて、とても面白い話があるのですが、マルチメディア室の講義なら話せるものの、遠隔の今年、ここには書けません(^_^;)
  • 基礎から応用まで幅広い知識のエッセンスがあり、電子部品への接し方の一端が掴めた授業でした。電子工作をやっている途中、軽く繋いでいく中でも少しずれるだけで電気が流れなくなったりしたので、ブレットボードが信用ならないというのは理解出来ました。中学時代に技術の授業で基盤へのはんだ付けはやったことがあるのですが、LEDやトランジスタ等の足を直接繋いでいる資料が多くて作品作りのはんだ付けは難しそうだと感じました。そして「時分割多重化」を使った先輩の作品を見ていると、その製作においてのあまりの手間に気が遠くなりましたが、その分圧倒されるような作品が出来ていて、方向性の定まった努力は実を結ぶなと思いました。私も自由に発想して、下調べをしっかりしたうえで意欲的に作品作りに取り組みたいなと思いました。
    やはりいかにLEDが1個だけ微妙に明滅したとしても、それに対して数十個とか数百個のLEDが全体として明滅するという迫力の方がずっとアピールします。そして、1個のハンダ付けに対してそれが数十個とか数百個になると、単にハンダ付けの回数(時間)がかかるだけではなくて、多重化するためのハードウェアの増設と対応するソフトウェアのテクニックが必要になり、さらに作品全体のスケールが大きくなれば、「配線」がとても長くなり(過去の学生作品では購入したケーブル[電線]がメートルでなくキロメートルになった事も)、そうなればその先の部分で信頼性を確保する「ノイズ対策」も必要になります。だからこそ、造形や空間演出まで含めたそのような作品が圧倒的な存在感となるのです(^_^)
  • 「電気」について詳しく触れたことがなかったので、注意点や重要性をこれからの制作作りで気をつけたいと思いました。強電と弱電の違いでは強電だと感電する恐れがあることや、電源電圧と信号電圧についてでは、アメリカなどで日本製品を使うと電圧が違うため発火や爆発の恐れがあることなど注意することが多いことを改めて認識することができました。電子回路(弱電)の電源についてでは、モーターだけでなく、LEDも多数使用すると、消費電力が大きいため電圧と電力を考えて選択しないと安定しないことや、電源周りでは受動電子部品「コンデンサ」が活躍することなどを初めて知りました。特に、コンデンサのケミコンやパスコンをつけるこですごく安定したものになることは事例を見ていても分かったので、万が一に備えて作品制作で使用する時必ずつけるようにしたいと思いました。
    僕は常に電子部品(ICとかセンサとか)には必ず1個ずつパスコンを付ける習慣なので、「特売1000個・袋入り」みたいなものを常備しています。バラで買うとそこそこするので「10個入り」とか「50個入り」とかがお勧めです。パスコンには向きが無いので、電子部品の電源ピンと最寄りのGNDとの間に繋ぎます。一方ケミコンは「極性がある」(逆に繋ぐと壊れます)ので、胴体に「-」(マイナス)と描かれているピンをGNDに繋いで、もう一方を電源に繋ぎます。これらのコンデンサは電子回路の設計動作とは関係ない「おまじない」なので効果がわかりにくいのですが、世界中の過酷な環境で自作のシステムを使ってきた経験から、僕は「お守り」として付けることを強く推奨します。ちなみにArduinoのボード上にもチップ部品のケミコンやパスコンがいくつも載ってますし、皆さんが使っているスマホ/タブレット/PC内の基板にも、多数のチップ部品のケミコンやパスコンが載っています。これらの部品は日本のメーカが圧倒的シェアで、見えないところですが実は世界のITを支えています
  • 電子工作をする場合、弱電と強電を見分けることが必須であり、強電を扱うときは命に関わるということを肝に命じておきたい。高校物理で習ったコンデンサが電源周りで活躍することを知り、電子部品それぞれの役割や使い方について理解することの重要性を認識した。今までこの基礎演習Eで使ってきたブレッドボードは、接触不良や電圧の変動など、様々なトラブルの原因になりうることを知り、確実なに動作するシステムを作る上ではハンダ付けが必要であることを知ったのと同時に、電子部品が繊細だということを学んだ。
    高校の物理で登場するコンデンサは、電磁場という教材のためにかなり無理して現実離れしたものなのですが、実はコンデンサはアナログでもディジタルでも、電子工学の領域の重要な「縁の下の力持ち」だと知ってください
  • ブレッドボードは信頼性が低いことや単3で4本を繋ぐのはプロの目線では失格だということを知り、教材で送られてきたものだから信頼性があると思い込んでしまっていたことを反省した。自分で危険を判断できるような必要最低限の知識は身に付け、事故や部品の破壊やトラブルを起こさないように徹底していきたい。インスタレーション作品は自由度が高い分、コンセプト・造形・視点をよく考えたり、制作時間・制作費用・技術の折り合いをつけたりしなければならない。だから、過去の先輩方の作品の制作プロセスをよく観察して、自分がつくる作品の制作プロセスをうまく構築できるように努力していきたい。来週から基礎演習Eは作品制作期間に入るが、来週までに改めて一通りSUACインスタレーションや授業で紹介された作品の制作プロセスに目を通しておきます。
    今の時代、「電子工作ショップ」で商品として売っているからちゃんとしたものだろう・・・というのは誤りなので注意しましょう。Arduinoの出る前に、国内でも世界でもインタラクティブなシステムを支えた「Gainer」というボードがありました。これはIAMASの小林さんが開発して世界に公開したものなのですが、スイッチサイエンスというちゃんとしたショップがオリジナルに販売していた「Gainer Mini」というボードが、「Gainerと互換」と謳っているものの実は互換性が欠けた製品でした。ちゃんと動く場合と動かない場合がある・・・という厄介な代物で(不良品というわけではない)、Arduinoが登場したことで世代交代としてGainerは消えたのですが、その末期にこういうヘンなもの(互換でないのにそう謳う代物)が出てきたことが加速したような気がしています
  • 電気や電源の事に関して全然知らなかったので、今回の動画を見て難しい事もありましたが自分の知らない世界が広がっていて面白かったです。今まで何も考えずにコンセントにアダプターを挿していて、外国にいく時は電化製品の扱いに気をつけることもなんとなく知っていましたが、ちゃんとしないと発火することもあると聞き、もし外国に行くことがあればしっかり調べようと思いました。今までの制作授業で初めてブレッドボードを知り、こういうものがあるのかと驚いていましたが、ブレッドボードに信頼性がないということを今回聞いてさらに驚きました。電気機器の不具合は接触不良ばかりかなと思っていましたが、周辺の照明機器からノイズが出ることもそのノイズが影響を及ぼすことも初めて知りました。中学の授業ではんだ付けを少しやりましたが(何を作ったかは覚えてないです)、当時はそんなに重要な作業だと思っていなかったのでまたここで再会するとは思っていませんでした。
    エレクトロニクス技術は進展しているので、ノイズについても強くなっている・・・と誤解されますがこれは逆で、最近では昔よりもノイズのトラブル(脅威)は増えています。ディジタル回路の電源や信号の電圧が+5Vだった時代と、高速化と微細化によってそれが+3.3Vになってきた時代、さらにこれから1.6Vになっていくのですが、電磁環境から飛び込んでくるノイズ(雑音)の電圧の大きさは昔から変わりません。ということは、システムの動作に対してノイズの電圧の脅威はより「拡大」しているわけなのです
  • 今年度の授業でブレットボードを使ってみて、LEDなどの線をうまく差し込めなかったりしたので、信用性が無いというのは納得できました。それに加えて、中学校ではんだ付けをしたことがあり、それに比べるとブレットボードでの体験は何か物足りないと感じ、「ハンダ付け」・「製作」・「解析・改造・修理」の写真を見て、難しそうだなと思う反面、とてもやりごたえがあり楽しそうだなとも思いました。また、 後ろから11個目のページ に記載されていた牛の肉の部位の作品などを見た時に、ハンダ付けはLEDやワイヤーなどの線同士でも行うということを知らず、すごく難しそうに見えましたが、その写真を見た時にとても綺麗にハンダ付けをされていて感動しましたし、自分もできるようになりたいと思いました。
    よく見つけましたね(^_^)。あれは 「スズメッキ線(錫でめっきした銅線)での空中配線」という技ですが、これはだいぶ難易度が高いので初心者にはお勧めできません。あの「牛の肉の部位の作品」では、それぞれの部位のところに光センサ(硫化カドミウムセル)を埋め込んでいるのですが、この部品のリード線は銅線でなく鉄線なので、とてもハンダ付けが難しいです。それもあって、学生には出来ないので僕がやりました。 このページ でも紹介していますが、こちらはフレームをスズメッキ線で組み立てて、そこに多数のLEDを付けるというもので、LEDのリードはまだハンダ付けしやすいですが、加熱しているとフレームが解体してしまう(^_^;)ので、やはりこちらもハイテクです
  • 電子工作に辺り、一つ一つの部品の性能や特性を理解することがまず大切だと実感しました。私はサウンドデザインも同時に履修しているのですが、Maxは出力と入力がメインの為に「この情報がここに入力されたらおかしくなる」というのがわかりやすく、比べて電子工作は電池の種類や回路の繋ぎ方の組み合わせで何が悪いのか覚えて理解することが難しく感じました。目に見えないエラーが多いので、気を配ることが不可欠だと思います。そのために、ブレッドボードは試作にとても適しているのだとわかりました。作品として使うには信頼性は低いですが、回路の不備を見つけるにはとても役立つので、ブレッドボードは作品には使用できないがそういう役割のものと私なりに理解しました。一つの部品が作動エラーを起こした時の為に同じものを幾つか作っておくことや、お化け屋敷を作る際の膨大な量のLED部品の接続など、スケールが壮大かつ作動が安定している作品にとっての「手間」の重要性を知りました。先輩方の作品も、このような必要な手間をかけてこその作品だと思いながら見ると、また違った感動が味わえた気がします。人々を楽しませるためにかける「手間」に惜しむ理由はないとわかりました。
    あなたのブレッドボードの役割についての理解は正解です。僕の写真の中にもブレッドボードがたまに登場しますが、あれはハンダ付けで実際に制作する「前に」行う「実験」とか「検討」ということです。色々なLEDを仕入れて、実際に試しに点灯させてみて比較検討する・・・などという時に活躍します。あとは僕の基板で見て欲しいのは、多数の「IC」(黒いパッケージで多数の足が出ているもの)については、基板に直接にハンダ付けしていないというポイントです。ICごとにいちいち「ICソケット」という部品をハンダ付けして、そこにいちいちICを挿しています。これには理由があり、何らかのトラブル(信号のショートなど)でICが故障(永久破壊)する事があるため、ソケットであれば壊れたICを抜いて新品を挿せばいいからです。ICソケットの挿入電極はブレッドボードに比べて非常に安定して確実に「面」接触する構造になっているので、信頼性の点でも安心なのです
  • 工学的なものがとても苦手なのでAB共通の説明文を読んでも理解できてないと思います...。ボルトとかアンペアとか理科で習った覚えがありますが、昔からどうも苦手です。すいません。チームラボに転職した先輩が文芸大にいらしたのにビックリしました。チームラボの作品展示に行ったことがあるのですが、あの美しい光や映像なども複雑な工学でできているのかなと想像してしまいました。基礎的な電気回路も難しいと感じる私には理解できないほどのすごい構造になっていそうです。
    複雑で大規模なのですが、それを支えているのは「ブラックボックス」の考え方です。工学的な細かいことは専門家(教員)に任せてもOKですので安心して下さい
  • 電子部品や電圧などについて全くと言っていいほど知識が無かった自分には知らなかったことばかりの講義でした。それぞれ決まっている電圧や電池、バッテリーなどの電圧を知ることで事故を未然に防ぎ安定して安全に電気製品を使用する事ができるという事がわかりました。今回までの授業を受ける中でブレットボードに繋いだ際に不安定さを感じる事が多々あったのでブレットボードとハンダを使用する上での目的の違いも理解する事ができました。ひとつ疑問に思ったのは二種類あるACアダプタでスイッチ電源の方がコンパクトで安定化もされている優れたACアダプタのように感じるのに、いまだに降圧アダプタが使われている電気製品があるのかという事です。教えて頂けると嬉しいです。
    とてもいい質問です。歴史的にはずっと、ACアダプタと言えば降圧アダプタ(トランスと整流ダイオードとケミコンだけ)というものばかりでした。スイッチング電源というのは技術的に新しいもので、実現するための高性能の半導体や高性能の内部トランス用電磁素材(フェライトコア)の開発によって登場したのですが、高価な高性能機器でしか使えないほどコストが高かったのです。なので20世紀はほぼ全てが降圧アダプタであり、21世紀に入っても低コストの家電機器などではまだまだ「安い」ために主流(現役)です。IT機器の電源としてスイッチング電源がここまで普及してくれば、もう我々はスイッチング電源を迷わず選択すればいいのですが、過去の製品はいまだにシステム内部に3端子レギュレータの安定化回路が入っているので、つまり降圧アダプタに対応しているというわけです
  • ブレッドボードは電子回路の確認や練習のために使うには何回も部品を組み替えて回路を作ることができ、初心者にはとても使いやすいものではあるけれど実際に何かの作品として使う時にははんだ付けをしたものではないと少しの振動で部品が外れ、接触不良によって誤動作してしまうことがよくわかりました。また、現在は電気を使うことで家電などの生活が楽になるものやゲームなどの面白いものを作ることができるけど、電気を使う時は感電して命が危険に晒されることもあるためしっかりとした情報や知識が必要であることが改めてわかりました。海外のコンセントで電圧の違いによってドライヤーが発火したという話を聞いて日本の製品を海外のコンセントにさして使う時は、変圧器をつけるのを忘れないように気をつけようと思いました。
    いまコロナ自粛で問題となっているのは、幼児がコンセントに鍵など金属を突っ込むことと、部屋の埃がコンセント部分に溜まって湿気でショート→火災、というトラブルです。コンセントは身近ですが危険もあるので注意しましょう
  • 電気はショートしたり、発火したりと、危険であることを忘れてはいけないと改め思ったし、電子回路も+と-を逆につないだだけで永久破壊してしまうので、慎重にならなければならないとわかり、電子工作をする際は、気を付けようと思いました。ブレッドボードは、きちんとさしているのに、うまくつながらなかったりと、確かに誤動作が多いと感じたので、回路を考えながら組んだりするときに使うのはいいが、実際に何か作品を作るときはきちんとハンダ付けしたほうがいいのだとわかったと同時に、やはり手間をかけないと、完璧な作品はできないのだなと改めて感じました。
    そのとーーーーり。(^_^)
  • 電子工作の分野は、本当に苦手で理解するのも大変でした。今回のお話で頭に残しとこうと思ったのは、単三で6本(9v)がおすすめ、リチウム電池はイイモノだ、強電は長嶋教授に教わる、ブレッドボードは信用性弱、などです。文系の人でもできるような世界になってきたのは良いですが…わたし自身できるかと言われるとある程度頭で理解できますが、それを手に移すのはやっぱり難しく感じます…出来る人が凄いなと感じます。プロダクト系に進みますが、在学中に照明モノもチャレンジできる機会があったら是非ご指導願いたいです。そして先輩たちの作品を見て、皆ものすごく時間かけて体も張ってるのに楽しそうに協力し合ってるのを見てこれがインタラの良さなんだなと改めて思いました。文化祭でお化け屋敷をまたやるようでしたら、参加したいですね!
    照明モノの協力はいつでもOKです。間際になって慌てて・・・ということのないようにプロジェクトを進めましょう。今年は碧風祭はどうなるのか不明ですが(^_^;)、「お化け屋敷」は間違いなく碧風祭のキラーコンテンツです。やるならインタラですね。全面的に応援します(^_^)
  • 本日の講義を受けて、理工系の知識云々よりも、まずはコンピューター/エレクトロニクスを活用した作品を作ってみようという心意気と技術的な要点を押さえておくことが大切な時代になってきているのだなと思いました。また、先生の講義で小さいブレッドボードを使用した際、特に持って動かすときに接触不良でLEDが満足に点かなかったことが多々あったので、ブレッドボードの実際に現場に出たときの信頼性の低さとハンダ付けの重要さを改めて感じています。ディジタル電子回路の電源ですが、後段に安定化が必要なものだったり、極性があるものだったり、という破損・トラブルにつながりそうな事項はこれからの作品つくりのために頭に入れておきたいと思います。
    そうです。「作品を作ってみようという心意気」は沸々と湧いてきたでしょうか。湧いてきたら迷わず打診してください。応援します。過去のSUAC学生でも、最初はかなりショボい(段ボールを使ったりとか)ところからスタートしても、プロジェクトを重ねるうちに造形も立派に、そしてシステムもプログラミングも本格的なところまで、逞しく成長してきました。「やってみる」という一歩を踏み出さない限り、絶対に未来は拓けないのです
  • 専門の技術的な話は実際に手を動かしながら出ないとあまり理解できないので今日聞いたお話だけでは理解しきれないところが多くありました。とにかく安全面については気を付けなければいけないなと思いました。自分のやりたいことに実際どの技術が必要かつかめていませんが、ぜひはんだ付けは身に着けたいです。
    ページにも書きましたが、もしヤル気があるなら、この夏休みに「ハンダ付け」特訓を希望するのであれば応援します。「自分のやりたいことに実際どの技術が必要か」というのはとても難しい世界なのですが、まずは作家/デザイナという立場から「こんなものを実現してみたい」というアイデア(妄想OK)を展開することが大切です。そこで相談してくれれば、教員は専門家として「ではこんな技術をモノにしていこう」という提案ができます
  • 電気を使うときの知っておくべきことや電子回路やコンピューター技術を利用するときために必要な基礎的な知識を学んだので、今後のためにきちんと理解しておきたいです。ブレッドボードは部品を差し込むだけの手軽な装置で、試作段階で回路を組み替える場合があるときにはいいけれど、本格的な作品作りにははんだ付けでないと信頼性がないことが分かりました。コンデンサとコイルの働き違いなど、各部品の機能をきちんと理解したうえで適切に使い分けられるようになる必要があると思いました。また作品作りのための調査をきちんとした上で、今の技術をどう応用していくかという視点をもって取り組んでいきたいです。時分割多重化を使った先輩方の作品の工程を見て、LEDや配線の数に圧倒されました。技術や発想ももちろんですが、気が遠くなりそうなほど膨大な数の部品を使った作品を作りきったことも尊敬に値するものだと思います。
    「作りきる」というのは本当に大変なことです。僕も色々とだいぶ支援してきてますが、主役は学生自身で、まさに「歯を食いしばって」頑張ってきましたが、「それを楽しむ」というところもあるので、「数で攻める」ということへのチャレンジも逃げずに頑張って下さい
  • ブレッドボードはシステムに組み込むためのものではなく試験的に使うものであり、はんだ付けとは用途が違うものかと理解しました。また、ケミコンとパスコンは初めて聞きましたが、これらのように作品に少しでも事故や不具合を起こさない作業が大切であることを知りました。SUACインスタレーションの中で、"Cyber Kendang"は楽器なので物理的に当たらないようにするなど、電子回路の工夫が興味深かったです。実際に演奏されている動画をみましたが、叩いた瞬間に中心のLEDが強く光り、サウンドも重なって非現実的にみえました。
    "Cyber Kendang"については現在も1106研究室にあって動態保存、電源を入れれば叩くと光りますので、叩きにくるアポを入れて下さい。ただし一部のLEDが何かにひっかかって取れかけているカモです(^_^;)
  • 電子工作に今までほとんど触れてこなかったため、かなりの苦手意識を持って今期の基礎Eの授業を受けていましたが、少しずつ基礎的な電子回路の仕組みが理解でき始めたように感じます。実際に使っている中でブレッドボードに端子を差し込んでもすぐに取れてしまったり、しっかり差し込もうとして変な方向に力がかかって部品が変形してしまったりしたので、ブレッドボードの信頼性が低いというのは納得できると感じました。ハンダ付けは中学校の授業で少し学んだきりですが、ハンダ付けの正確性を学んだ今では、工夫によっては中学生のレベル以上の作品を作ることができたのかもしれない…と少し後悔しています。
    少しずつで大丈夫です
  • 私はインタラクション領域に進みたいと思っているのですが、具体的にどのような作品を作りたいかはまだ定まっていないため、今回は基礎的な知識から学べる機会としてとても勉強になりました。(このように文字でまとめてあると読み返して理解が出来るので電気工作に苦手意識がある私にとってありがたいです。)電気のような目に見えないエネルギーの仕組みを理解し、自分の発想と組み合わせてそれを操作していくことに怖さがあったのですが、前半の基礎から後半の専門的なことまで正しい知識を身につけることで今サウンドデザインでやっている知識とも結び付けて発想を広げることができる可能性を実感しました。
    怖くないので大丈夫です
  • 「ブレッドボードの信用のなさ」という内容に、私も前の授業で初めて扱ったブレッドボードは取り外しがしやすいのはいいと思うのですが、すぐに外れてしまったりと、安定しない印象でした。なのでブレッドボードはその場の間に合わせのように使うのが一番効率がいいように感じました。ほかにも、ディズニーのシンデレラ城な凸凹の壁面に、映像を映し出す技術を使って、光と映像の組み合わせで一つの空間が出来たら面白いなと思いました。
    プロジェクションマッピングはインタラ領域の大きなテーマです(^_^)
  • 弱電と強電について知ったり、電気のことを学び、強電は使い方次第では死ぬ恐れがあることや発火することがあることを知って電気の恐ろしさを再確認しました。その他にも、今回教わった気をつける点や、してはいけないことに注意して作品制作を注意して行いたいと思いました。電圧、電流、電子回路など高校で習ったことを少し思い出しながら見ていました。習ったとはいえ、実際に電気を使って何かを作ったことはないし、その時よりもより実践的なことを教えて頂いたので意識しながら制作したいと思います。授業を受ける前まではブレッドボードをすごいなあと思っていました。しかし、作品作りには信頼性がないことと試作にはブレッドボードが向いていることを知り、上手に使用していきたいと思いました。作品を作る時は、ハンダ付けすることの大切さがわかりました。
    東京消防庁のデータベースを見ると、「電気火災」、つまり漏電などが原因の火災だけで毎年、1000件ぐらいが起きているようです。注意しましょう
  • 日本と海外の国とでは電圧が異なるため、日本から持ってきた製品をそのまま接続してはいけないとよくわかりました。日本国内でも、西日本と東日本では周波数が違うために気をつける必要があると聞きます。制作は、そういった細かいことを知ることからすでに始まっているんだと身に染みてわかりました。 後ろから5個目 の、チーム「でんぷん」さんが作っていた作品が個人的に好きです。最後に載っていたYouTubeの動画を見て、仕組みがわかりました。モニターに出てくるものはクローバーや虫など、でんぷんが含まれていないものもあったので、いっそ全てをでんぷんが含まれているものに統一してみても面白いのではないかと思いました。(例…黄色はとうもろこし、緑は豆など)
    僕は知っててもここには書きませんが、世界の中でどうして日本だけ、電源が50Hz地域と60Hz地域とで分かれているのか、の原因(歴史)を調べてみるのも面白いと思います。過去には電源の周波数によって動作が決まる家電機器(洗濯機や冷蔵庫やレコードプレイヤーなど)があったので引越ししたら使えなくなったりしたのですが、最近ではインバータ電源(スイッチング電源の一種)となって電源周波数は関係なくなってきたので、最近の機器であれば気にしなくてよくなりました。チーム「でんぷん」の作品タイトルは「パンvsごはん」ということで、2人の体験者が持っているコントローラが、どちらもパンとおにぎりという「でんぷん」なのです。3D-CGで出てくる立体モデルは特徴的なフォルムを優先したようです
  • 今回の講義は理解するのに少し時間が掛かりましたが、適さない電圧をかける事の危険性は理解しました。インスタレーション作品においてはうまく作動しなかったら興ざめしてしまう、という点でエンタメ性と知識の正確さが求められる分野なんだとも感じています。また、信頼性を実現するためのコンデンサについてですが、特にパスコンが吸収する“パルスノイズ”とはどの様な時に起こるノイズなのか気になりました。(そもそもノイズが具体的にどの様な現象かもわからないです…。)
    まず、広義のノイズとしては、「電気/電子機器に対して本来の動作/機能でない異常な不具合などを起こす(電気的)現象一般」という感じになります。ここには、狭義の「瞬間的な電気信号による妨害」というまさにノイズ(一例としては乾燥した冬季に身体が触れてパチッとなる静電気放電の火花は誤動作の原因になります。あとは落雷の電気的ショックが伝搬したり、エアコン/冷蔵庫のコンプレッサー(大型モーター)がON/OFFした瞬間の電源ラインのパルスなど)だけでなく、電源電圧の変動(開発途上国の電源はとても不安定)や、さらに電源が「瞬停」といって10msecなど瞬間的に止まるトラブルなどもノイズの一種として加わります。高速で動作する電子機器はそのディジタル信号そのものが他の(アナログ)回路部分に対して「ノイズ源」ともなりうるのでなかなか厄介です。ケミコンが吸収するのは、主として電源ラインの比較的緩やかな電圧変動です。パスコンは逆に、ごく瞬間的に高い電圧のパルスが乗った場合にこれを吸収する働きとしてノイズ対策の「お守り」になります
  • テレビでアーティストが歌を歌う時に、自分の声で映像を映し出せる装置をパフォーマンスとして使えそうだと思った。強電は感電すると死んでしまうので、何があっても自分だけでは使わないようにしようと思った。自分は中学の時留学のためオーストラリアに行ったが、ホームステイだったので自分で日用品を持っていくことがなかったが、授業で海外にドライヤーを持ってってコンセントに指したら壊れると聞いて、自分も少し条件が違っていたら危なかったと思うとゾッとした。
    キミは「サウンドデザイン」も受講しているので、Maxを使いこなすようになれば、SUACの先輩の こんな作品 とか こんな作品 とか こんな作品 とか こんな作品 とかのように、「声」をインターフェースとした作品の実現が可能になります(^_^)
  • 今回電子工学について本当に基礎的なことを学んだのだと思うが、なかなか理解することは難しく動画を何回か巻き戻すなどして学習した。ただ、今後作品を制作する上で安全を確保するために必要である弱電と強電についての知識や、作品の完成度を高くするための知識は積極的に学ぶことができたと思う。ブレッドボードは構想を練るため、試行錯誤するためのものであり、発表する際や使用してもらう際に、作品が誤作動のない確実なものであるためにはハンダ付けを選択すべきという話は納得がいった。部品の長所と短所を考え、使い所を選択するのは今後作品を作る上で大切なことだと実感することができた。
    そのとーーーーり。(^_^)
  • 内容の核心からは外れるかもしれませんが、電線のよじる方向が決まっていて、正しくない方向へよじってしまうとネジを閉めた際に緩んでしまうという話が面白かったです。なるほど!と思うと同時に、浅はかな知識で電子工作をすることの危険性がよくわかりました。なお、今回の講義は馴染みのない単語がたくさん出てきて、聞き取るのに精一杯でしたが、ACアダプターの仕組みは大まかに理解しました。実例の中で特に面白そうと思ったのは、やはりハイテクお化け屋敷ですね。赤外線センサーを巧みに使っていて、すごいと思いました。センサーが反応すると頭上から何かが垂れ落ちてくる、とかも面白そうですね。ぜひ制作に参加してみたいです。
    「制作に参加してみたい」という意欲は買いますが、それだと結局は碧風祭「お化け屋敷」は実現しないのです。「何が何でもやるぞ!!」という人が複数、出現することが必要条件でした。過去にはそういう「学科」のノリが学年によっては生まれたのですが、最近では「領域」でそういうノリまでは行かないのが側で見ていてちょっと淋しいです

「作品を創る」パートでの長嶋支援

7月10日「企画案へのコメント大会」に関して

ザッとmanabaで皆さんの企画案を拝見したところですが、僕がコメントなり応援できそうなのは以下の皆さんのようです。 希望者は、僕にメイルしてくれれば、個別にやりとりしたいと思います。 ZOOMでのミーティングであれば、先輩作品などの事例も紹介できるかと思います。 いちいち皆さんの名前とかはここには書きませんので安心してメイルして下さい。

「作品を創る」パートでの長嶋支援の例

田中千尋さん

松本菜未さん

関連資料・リンク