春休みの宿題

2012年3月 長嶋洋一


院生の見崎さんが卒業を前に院生室を片付けしていて、僕から借りていたブツを返却に来ました。 これは彼女がM1の前期に「ユニバーサルデザイン特論」の「演習」で制作した、 福祉遊具とでも言うべき一種のインスタレーション作品のために作ったものです。

以下の写真にあるように、Gainerから約1メートルのケーブルが4系統、伸びていて、 その先に4個のグリップ(女性でも握れる弱いもの)があります。 各グリップを握ると、その曲げの程度をジョイスティックで連続量として検出できる、 というセンサシステムです。 Gainerですので、MaxでもFlashでもProcessingでも使えます。 ケーブルは3メートル程度までは延長改造可能です。

「同時に4個のグリップの握り具合をモニタできる」という機能から、 これを活用した、新しいインスタレーション・ゲーム・その他の応用システムを構想して、 その企画書(pdfで1枚、イメージスケッチ含む)を提出して下さい、というのが、 新学期からM2になる伊熊さん・田畑さん、M1になる鈴木さん・小畑さん、への宿題です。 新4回生Comm系の人については、必須でなく興味のある人は提出して下さい。 (新3回生以下の応募も歓迎)

これは、はじめに何かブツがある、という、デザインプロセスのうち「シーズ指向」のデザインとなります。 「シーズ指向」の好例としては、ジャミネータを改造したプロジェクトもありました。 メディア造形の1回生もこんな事をやって成長しています。キミたちも負けてられません。

期限は4月5日まで。 ベスト企画書の人に、実際に作品制作のためにこのシステムを貸し出します。 ちなみに見崎さんの作品では、グリップの握り具合に対応して音階が鳴る「楽器」として、 複数の人が一緒にメロディーを鳴らそうとする、リハビリ等に効果的な福祉遊具を目指しました。