SUACメディアデザインウィーク2024 サテライトイベント
Final Lecture/Workshop by YN
2023年12月 produced by 長嶋洋一
Today is the first day of the rest of your life.
概要
SUAC(静岡文化芸術大学)にて開催している「メディアデザインウイーク(MDW)」は今回も2024年2月頃にMDW2024として開催予定ですが、その関連(サテライト)イベントとして2023年12月に、SUACでの教員最終年度(24年目)となる長嶋洋一(デザイン学部/大学院デザイン研究科 教授)の「最終レクチャー/ワークショップ」を開催します。 12月16日(土)の午後には、(1)持ちネタからテーマを公募しての「Openレクチャー」(一般公開)と、(2)ミニライヴとして大学院生・王福瀛(修了制作)と長嶋洋一の2作品(いずれも世界初演)のComputer Musicライヴ・パフォーマンスを行います。 12月17日(日)の午前〜午後は、2008年から2023年まで過去に13回開催してきた、事前登録参加者に限定したMDW「スケッチング」ワークショップの最終回を「総まとめ」として行います。
開学(2000年4月)の2年前から静岡県のSUAC設立準備財団と共にカリキュラム編成に参加してきた関係で、開学前年の1999年秋には浜松駅前のホールにて、「新大学(SUAC)のデザイン教育」を紹介する一般市民向けの公開レクチャー講演を担当しました。 本イベントは24年前のこのスタート時の公開レクチャーに対応した一般市民向けの報告として、また卒業生や過去のMAF・MDWワークショップ参加者に向けた報告でもあり、SUAC学内向けには「長嶋洋一・最終講義」という意味もあります(年度末「最終講義」はありません)。
- 会場
- 静岡文化芸術大学 (駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください)
- 参加費
- 無料
- 日程と参加申込方法
- 2023年12月16日(土)
※「ライヴを愛する」立場から、インターネット中継などはありません。わざわざ来てくれた、同じ空気を共有する方々に語りかけます。スナップ写真はOKですが録画や録音はご遠慮ください
- 13:30 - 16:30 Open Lecture
Googleフォームでの事前申し込みにご協力下さい- 17:00 - 17:30 Mini Live
特になし(恐縮ですがライヴ(30分以内)は原則として立ち見にてご覧下さい。会場の椅子は立ち見が困難な方のため少数だけ準備します)- 2023年12月17日(日)
- 10:00 - 16:00 Workshop
専門性が高く、特殊な機器を貸し出してのワークショップのため、参加に必要な条件(パソコン持参必須)については後述の「ワークショップ参加申込方法」をよく読んで下さい。このワークショップのみ、事前登録した参加者に限定して開催し、見学や当日の飛び込み聴講には対応しておりません
- 学生インタラクティブ・インスタレーション作品の展示は、本編のメディアデザインウイークとして2024年2月上旬に開催の予定です
- 問い合わせ先
- SUAC 長嶋研究室 (会場で設営しているために当日のメイルは受けられません)
公開レクチャー
- 会場 静岡文化芸術大学 南377中講義室
駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください
このマップに従って「南棟」にある2つのエレベータ(その中間あたりの1階に飲み物の自販機あり)のいずれかに乗って3階にどうぞ(階段もあります)
構内に案内の看板などは立てませんので自力で到着して下さい- 日時 2023年12月16日(土) 13:30〜16:30
- 13:00 開場
- 13:00〜13:25 参考展示体験OK
- 13:30〜16:30 公開レクチャー
- 16:30〜16:55 参考展示体験OK
- 17:00 閉場 (→ミニライヴ会場[隣の部屋]を開場)
- 講師 長嶋洋一 (SUACデザイン学部/大学院デザイン研究科 教授) nagasm.org profile
- 概要
全体で3時間の枠のうち、30分は「自己紹介」・「(途中)ショートブレイク」・「質疑応答」などを予定していて、実質的には2時間半ほどの講演となります。 長嶋がSUACでの24年間の活動の中で積み上げてきた成果/話題は厖大なものがあり、講演のテーマ選択に困りました。 そこで、以下のように「テーマ案」を列記して、参加希望のGoogleフォームの選択項目(複数指定OK)として指定していただき、希望の多いテーマで準備することにしました。 テーマには「大ネタ」として60分程度のボリュームのある項目、「小ネタ」として30分のボリュームに圧縮可能な項目とがあり、全体として例えば「大ネタ2件+小ネタ1件」とか「大ネタ1件+小ネタ3件」などと柔軟な構成が可能です。
ちなみにここで選ばれなかったテーマについては、本イベントを離れて、希望があれば「特別講義」・「招待講演」・「公開レクチャー」などの場で全て対応可能ですので、別途に長嶋までメイルにてご相談下さい。 基本的には「依頼された講演/ワークショップは、旅費さえ出れば最低限(アカデミック相場)の報酬で全て受ける」という基本姿勢は1991年の技術士事務所の開設からずっと続けていることで、これまでにも多くの実例があります(詳しくは ここ を参照して下さい)。- 参加希望のGoogleフォーム
- こちらです(Googleフォームでは、送信者のお名前とメイルアドレスの記入を必須とさせていただきますが、この個人情報については責任をもって終了後に削除いたします)
- アンケートは2023年12月4日(月)に締め切りましたが、参加希望とフォーム記入いただいた方に優先して着席いただきます(当日飛び込みで会場満杯の場合には立ち見をお願いします)ので、引き続き参加希望Googleフォームは当日朝8時まで受け付けます
- アンケート結果
- 講演テーマの選択について
以下のテーマのうち、(大:A)は60分相当の大ネタ、(小:B)は30分相当の小ネタですが、Googleフォームにおいては興味があるものをいくつでもチェックボックスにマークして結構です。 基本的には「多くのリクエストがあったテーマ」とさせていただきます。 以下のテーマ案の並びについては順不同(アトランダム)ですので必ず全体を見渡してみて下さい。★印は参考情報へのリンクです
- A-1 SUACインタラクティブデザインの24年間 (大)
2000年4月に開学して学内は新入生(1期生)だけ、という翌月には「大学公開デー」で学生と教員が共同制作したインスタレーション作品を発表して以来、他大学とも交流しつつ、多くのインスタレーション作品を実現し公開展示発表を続けてきました。長嶋が制作を支援したプロジェクトだけで約300作品ほどになりますが、その歴史について紹介します。 ★ ★
- A-2 SUACメディアアートフェスティバル(MAF)の10年間(2001-2010) (大)
SUAC開学翌年の2001年から10年間、メディアアートフェスティバル(MAF)をプロデュースして、SUAC学生作品の展示公開、他大学の学生作品の公開などのイベントを継続しました(2005年/2010年は「メディアアートシンポジウム」)。特に2009年には「文化庁メディア芸術祭」併催となり、「菅野よう子」企画には全国からの来場者が殺到しました。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- A-3 Sabbatical2004とSabbatical2016 (大)
SUACの短期サバティカル(学外研修)制度を利用して、2004年にはパリ58日間(うちアムステルダムとリンツに1週間ずつ)の研究所滞在/講演/公演など、2016年には37日間6カ国7都市のツアー(学会発表/公演/レクチャー等)に行きました(SUACの制度が現在では変更になりました)。その成果について報告します。 ★ ★
- A-4 国際会議NIME04(SUAC開催) (大)
2004年6月、大会委員長として国際会議NIME(New Interfaces for Musical Expression)をSUACで開催し、海外・国内それぞれ約200人が参加しました。外務省/文化庁/国際交流基金やヤマハ/ローランドなどの後援/協賛を受けて、学生有志スタッフと共に全ての事務作業を手作業で行ったその全貌について紹介します。 ★
- A-5 インタラクティブデザインを支えるOpenSourceテクノロジー (大)
基本的には「文系」のSUACデザイン学生であっても素晴らしいインタラクティブシステムを実現してきた状況の秘密について解説します。日本企業が「ものづくり」「秘伝」「伝承」などと美化して知識を秘匿し停滞/没落してきた時代に、世界は「皆んなで一緒に知識を交換して成長しよう」というオープンな文化が醸成されていたのです。 ★
- A-6 生体情報センシングの世界 (大)
1990年代からコラボレータの照岡正樹氏[(公)ルイ・パストゥール医学研究センター]と共同で多くの生体情報センシングを追求してきました。過去にはComputer Musicの「新楽器」というアプローチから始まったものの、その後はバイオフィードバックの道具としてリハビリ/ウェルネス分野への展開へと発展しました。 ★ ★ ★
- A-7 ロシア人との交流(ロシア国民はいい人だ) (大)
2009年にParisで行ったTutorialに受講者としてロシアから参加した研究者との交流は、2010年にYekaterinburgでの国際電子音響音楽コンクール(審査員・レクチャー3回・ガラコンサート公演)への参加、2016年の欧露ツアーでの数回のレクチャー/ワークショップ等に発展しました。ロシア国内もロシア国民も平和だった時代の状況を紹介します。 ★ ★ ★ ★ ★ ★
- B-1 SUAC学生の学外遠征の記録 (小)
SUAC学生とのプロジェクトは学内での発表だけでなく、「インターカレッジ」に遠征しての発表や、「Makerフェア」に遠征しての発表など、多くの「旅」の充実した記録も残しました。 ★
- B-2 海外出張の記録/上手い海外旅行の行き方 (小)
SUACでの24年間は、ほぼ毎年1-2回の海外出張の記録でもあります(学生が自費で同行したのは計8回)。旅行社に頼まずに効果的な海外旅行を実現する手慣れたテクニックを紹介します。 ★ ★
- B-3 我が第二の故郷「沖縄」 (小)
1999年に技術士としてのお仕事(講習)で行って以来、これまでに沖縄に25回ほど行っていて(沖縄本島だけでなく宮古島・石垣島・久米島その他多数)、沖縄について熱く語るリクエストは歓迎です。 ★
- B-4 ウェルネス・エンタテインメントとは (小)
「ウェルネス」や「ウェル・ビーイング」は21世紀のキーワードとなりましたが、その背景や最先端の状況について簡単に紹介します。関連して2023年8-9月に発表参加した国際会議AM2023(エディンバラ)についても報告します。 ★
- B-5 「乗り鉄」のお話 (小)
国内だけでなく海外でも「鉄道の旅」を愛好しています。YekaterinburgからMoscowまでの「シベリア横断鉄道」の旅、またヨーロッパ各地を結ぶ鉄道網の活用などについて紹介します。 ★
- B-6 Computer Musicとは (小)
長嶋のメインフィールドど真ん中のテーマで、90分15週の授業で半年にわたって紹介できる内容のごくごくサワリだけを紹介します。 ★ ★ ★
- B-7 メディア心理学/錯覚の世界 (小)
インタラクティブ・マルチメディアを扱うMaxにとって、錯覚などメディア心理学/基礎心理学の世界は格好の題材だという話題提供と共に、「新しい錯覚を発掘しよう」と呼びかけます。 ★
- B-8 「スケッチング(Sketching)」とは (小)
長嶋のメインフィールドど真ん中のテーマで、90分15週の授業で半年にわたって紹介できる内容のごくごくサワリだけを紹介します。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- B-9 国際会議ICMC/NIME (小)
これまで何度となく発表参加(研究発表、作品公演、チュートリアル)してきたComputer Music関係の2つの国際会議(ICMC/NIME)について紹介します。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- B-10 「大学教員」というお仕事 (小)
サラリーマンから退社独立して技術士になり約10年間はいくつかの大学で非常勤講師を担当し、2000年からは兼職としてSUAC専任教員を担当してきました。その「やり甲斐」をお話しします。 ★
- B-11 ハンダ付け/電子工作バンザイ (小)
「ブレッドボード」を使っている限り、信頼性の無い「シロウト電子工作」の域を出ません。正しく半田付けしたシステムは海外で20年駆使しても頑健です。ハンダ付けの世界を紹介します。 ★
- B-12 「学会」とは (小)
なかなかその中にいないと不思議な「学会」ですが、色々と面白い/ユニーク/変態的/超真面目な世界でもあります。長嶋が所属してきた学会について、いくつか紹介します。 ★
- B-13 「国際会議」とは (小)
国際会議には「海外に行く」という不純な動機だけでない魅力があります。国内開催も含めて、主催者/査読者も経験している立場から、国際会議の有効な「攻略法」について紹介します。 ★
- B-14 「ジャミーズ娘+」メイキング (小)
新入生5人と楽器玩具「ジャミネータ」を改造し、遠征したステージでパフォーマンスまで行ったプロジェクトについて紹介します。 ★
- B-15 「ネジマキウォール」メイキング (小)
「SUACインスタレーション」史上、最大規模となったインスタレーション作品を5人の1回生と作り上げたプロジェクトについて紹介します。 ★
- B-16 「虎の穴」の話 (小)
2000年の新大学SUACスタートと共に個人的に「飛び級」プロジェクトとして学生有志と進めてきた「虎の穴」について紹介します。 ★ ★
- B-17 「博士号」の話 (小)
社会人博士を目指して修士課程をスキップして2014年に博士課程に入学し、6年間かけて博士号を取得しましたが、その収穫は素晴らしいものでした。 ★
- B-18 「技術士」とは (小)
「情報工学部門」「電気電子部門」の技術士として企業の技術指導/経営指導を行ったり、技術士補(技術士第一次試験合格者)を指導して技術士にしたり、秘密なあれこれをしてきたお話(ここだけのオフレコ)をチラッとします。
- 参考展示(オリジナル新楽器を体験しよう)
- 公開レクチャー会場の片隅に、長嶋が過去に製作したオリジナル新楽器から以下の2種類を展示します
- この「展示」は単に眺めるだけでなく、開場から公開レクチャー開始までの時間と、公開レクチャー終了から閉場までの時間に、実際に「演奏」を体験できます(一種のインスタレーション)
- 新楽器「光の絃」
- 新楽器「Pella-min」
- 「テルミン」とは? ★
- 名称の由来は"Propeller"プロセッサ(8個の内部32bitCPUが並列動作)を活用したテルミンという意味
- SHARPの赤外線距離センサ8個のループを二重 + [ブルーLED→光センサ]*8個を左右に並べたテーブル、計32チャンネルのテルミン(MIDI出力)
- Parallax社"Propeller"プロセッサ活用に関する学会発表など ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- 開発時の動作確認の様子(今回の展示形態) ★
- 作品公演 - 2009年・国立音大でのコンサート ★ ★
- ロシア公演(持参が困難)のため[4+4]チャンネル限定の新versionを製作(秋月電子"AKI-H8"、DoubleMYOと共に)
→2010年・エカテリンブルクでのコンサート ★ ★
→2011年・オスロ(NIME2011)でのコンサート ★
→2011年・東京電機大(ACMP2011)でのコンサート ★- 参考展示(自作基板を手に取って眺めてみよう)
- 公開レクチャー会場の片隅に、長嶋が過去に製作した基板の中から以下の4種類を展示します
- この「展示」は単に眺めるだけでなく、手に取って、裏返して、25年経過しても劣化しない「長嶋のハンダ付けの技」を確認できます
- 電源アダプタを切り離しているものの、再度これを繋げば全てのシステムが現在でも稼働する「現役」です
- それぞれの基板(システム)の解説・回路図・ファームウェアのソースコードなどは、 参考展示ページ からのリンク先で公開していて(Open Source)、誰でも再現することが可能です が相当に難易度が高いので良い子は真似しないようにしましょう
- 確実な動作を目指すなら「ハンダ付け」を身に付けよう
- 関連資料
ミニライヴ
- 会場 静岡文化芸術大学 南378中講義室
このマップに従って「南棟」にある2つのエレベータのいずれかで3階にどうぞ。階段もあります
公開レクチャー会場の隣ですが入口はぐるっと回った南側のみです。公開レクチャーの終了後に開場しますので、レクチャー会場の後方出口を出てスグ隣から入場できます
恐縮ですがライヴ(30分以内)は原則として立ち見にてご覧下さい。会場の椅子は立ち見が困難な方のため少数だけ準備します
- 日時 2023年12月16日(土) 17:00〜17:30
隣の部屋の公開レクチャーが終了してから開場します。それまでは準備のため入場できません- 出演 王福瀛・長嶋洋一
- 概要
ミニライヴとして大学院生・王福瀛(修了制作)と長嶋洋一の2作品のComputer Musicライヴ・パフォーマンスを行いますご注意 ライヴ・グラフィックス投射のために会場は公演中ほぼ真っ暗となります。そして表現の一環として、一部で激しくスクリーンが明滅しますので、苦手な方はサングラスやアイマスクをご持参ください
- プログラムノート
長嶋洋一タイトル
"Profound Recursion"曲目紹介
新楽器"Dodecahedron"を用いたインタラクティブ・マルチメディア・ライヴパフォーマンス作品。自然界の一つの本質であるRecursive(再帰性)をテーマとして、リアルタイムのサウンド生成とグラフィック生成のアルゴリズムに採用した。 Max8/Gen環境下でライヴ生成される背景音響パートは、(1)「たすき掛けフィードバック」相互作用により生成する2系統の音響信号処理モジュールと、(2)小数点以下乱数の正弦波ピッチ発生モジュールを同時に20系統、発生/消滅させる音響クラスター生成モジュールからなる。
新楽器"Dodecahedron"(正12面体に計10個の赤外線距離センサを搭載)からのパフォーマンス情報に対応したライヴ生成サウンドパートでは、3種類のMax8/GenによるOscillatorSyncアルゴリズムに従って擬似的フォルマント合成音響を生み出す。
スクリーン上のライヴ・グラフィクスパートは2.5次元フラクタルのアルゴリズムに基づきMax8/jitter/Genによってリアルタイム生成され、新楽器のパフォーマンス情報に対応したパラメータ変化によって、ライヴ生成サウンドと共に生き物のような動きを生み出す。
王福瀛タイトル
"方圆"曲目紹介
新楽器"八方"を用いたインタラクティブ・マルチメディア・ライヴパフォーマンス作品。"八方"も"方圆"も、中国の解釈ではすべてを包み込むという派生的な意味を持ちます。新楽器のデザインでは、形として八角柱を使い、八角柱の各辺が方角に対応することから「八方」と名付けました。センサー設計では、4個のアナログ距離センサーと20個のデジタル光センサーを使用しています。20個のパチンコボールを使用して、木製筐体(レーザーカッターで制作)に衝突する効果音を発生させたり、光センサーを覆ってセンサーの状態パラメーターを変化させたりします。アナログとデジタルの組み合わせを意識した構成です。
作品は"和"と"破"の2つのセクションに分かれています。
"和"の部分は、易経の万物の変化に関する解釈、「“刚柔相推,变在其中矣;系辞焉而命之,动在其中矣”。すなわち万物の発展には定数と変数があり(定数には従うべき規則あり、変数には従うべき規則なし)、定数には変数が含まれ、変数には定数が含まれる」から発想を得ました。ビジュアルデザインでは、Max8/jit.genを使用して、関数をリアルタイム計算することによって、視覚イメージの変化の効果を生成します。黒と白の線と背景の融合は、"和"のテーマである調和のあり方を反映するように変形します。サウンドデザインでは、Max8のマルチチャンネルを使用し、新楽器"八方"に搭載された20個の光センサーによって音の周波数を変化させ、距離センサーによって加算変調のパラメーターを変化させることで、様々な音響効果を実現しています。
"破"の部分は、中国の慣用句 "不破不立"からインスピレーションを得ました。ビジュアルデザインでは、Max8/jit.genを使用して、様々な関数の計算とリアルタイム変調によって、視覚効果として「生成された粒子が常に分離・再編成され、新たな秩序を生み出す」ことを表現しました。サウンドデザインでは、Max8/genを使用して10個のサウンド生成モジュールを作り、新楽器"八方"の光センサーでリアルタイム制御して効果音を生成しています。
「スケッチング」ワークショップ
- 会場 静岡文化芸術大学 南377中講義室
このマップに従って「南棟」にある2つのエレベータのいずれかで3階にどうぞ。階段もあります- 日時 2023年12月17日(日) 10:00〜16:00
- 講師 長嶋洋一 (SUACデザイン学部/大学院デザイン研究科 教授) nagasm.org profile
- 概要
2001年から2010年まで長嶋が企画/開催した「SUACメディアアートフェスティバル」(MAF)の最後3年間、そしてその後に開催されている「SUACメディアデザインウィーク」(MDW)において、「スケッチング(物理コンピューティング)ワークショップ」として、ゲスト講師と長嶋によるハンズオン・ワークショップを開催してきました。 今回はその最終回として、前半では参加者全員に新触覚/触感センサ「 PAW-double 」を提供して、それぞれ持参のパソコンのMax8によって応用アプリケーション開発を体験することで、コンピュータ音楽だけでなくウェルネス・エンタテインメント(リハビリ/福祉)など、最新の研究領域について理解する事を目的とします。 また後半では、これまで約35年間、Computer Musicの領域で新楽器開発・作曲・公演を続けてきた長嶋の「Max秘技」を伝授することを目指し、最後に参加者全員によるディスカッションを行います。
過去のワークショップ(1日半)では、参加者を3-4名ずつのグループに分けて、共同で企画/試作による作品制作を行ってきましたが、今回(1日)は従来と違って、参加者それぞれが自分一人で実験/試作を行う形式となります。各自のMax8習熟度に応じて、長嶋との個別の質疑/相談などにも対応します。 なお、これまでの「初心者もOK」はナシとなり、「中級/上級」のMax8活用者が主対象となります。 過去にはSUACのマルチメディア室(Mac部屋)で開催しましたが、今回は参加者それぞれがパソコン(Max8.3.3以降をインストール/オーソライズ済)の持参を条件としますので、「この場でMax8というものを知ってみたい」という初心者は対象外となります。 希望者は下記の申し込み要項をよく読んで応募してみて下さい。 なお、今回はMax8.5で追加された新機能RNBOについては触れません(別の機会を検討中)。- お土産
このワークショップの参加者への「お土産」として、オープンソース文化の反映として、「長嶋がこれまでに開発してきた全てのソースコード類(1990〜2023)」(約20GB)をプレゼントします。そのカテゴリとしては、Max、AKI-80、AKI-H8、Arduino、Propeller、NucleoF401RE、Processing、SuperCollider、Myoなどであり、これまでに開発してきた多数の機器に内蔵されているマイコン類のファームウェアのソースコード、これまでに公演/展示してきた長嶋作品の全てのMaxパッチや関連ソースコード、「実験中」とある仕掛かり状態のMaxパッチ、長嶋の担当する講義で学生が課題作品として開発したMaxパッチ、学生の自主制作やMAFなどイベントで展示した作品に関するソースコードやMaxパッチ、筋電センサ"Myo"を解析/ハックして同時に2個/3個使用できるためのXcodeソース、過去に参加したワークショップで入手したサンプル類などがあります。著作権などの関係でWeb全公開できない資料の私的譲渡ですので、条件に同意いただいた方にプレゼントします。 詳しい解説は ここ にあります- 内容予定(変更される可能性があります)
- 09:50 開場・受付開始
- 10:00〜10:30 オープニング : ワークショップの進め方/参加者の自己紹介
- 10:30〜12:00 「PAW-double」を配布(→トリミング)、応用プログラミングへの手法、実験タイム
- 12:00〜13:00 休憩+交流タイム
- 13:00〜13:30 Maxテクニック伝授(1) : Firmata+maxuino
- 13:30〜14:00 Maxテクニック伝授(2) : jitterとGEN
- 14:00〜15:20 各自の実験/試作タイム
- 15:20〜16:00 各参加者の実験/試作の発表会、ディスカッション
- 16:00 終了
- 過去のMAF/MDWワークショップの募集とその様子
- MAFワークショップ2008の募集 → その様子
- MAFワークショップ2009の募集 → その様子
- MASワークショップ2010の募集 → その様子
- MDWワークショップ2013の募集 → その様子 ・ 展示の様子
- MDWワークショップ2014の募集 → その様子 ・ 展示の様子
- MDWワークショップ2015の募集 → その様子 ・ 展示の様子
- MDWレクチャー2016の案内
- MDWワークショップ2017の募集 → その様子(1) ・ その様子(2)
- MDWワークショップ2018の募集 → その様子(1) ・ その様子(2)
- MDWワークショップ2019の募集 → その様子(1) ・ その様子(2) ・ その様子(3)
- MDWワークショップ2020の募集 → その様子(1) ・ その様子(2)
- MDWワークショップ2022の募集 → その様子
- MDWワークショップ2023の募集 → その様子
- SUAC学生作品などの事例
- 現在の申し込み状況
- 参加の条件/準備など
- 過去にはSUACマルチメディア室のMax8を使いましたが、今回は参加者(SUAC学生を含む)はそれぞれ「自分のパソコン」(Mac/Windows)を用意して、「Max8.3.3以降」をインストール/オーソライズしておく必要があります。ダウンロード/インストールしたMax8は、メイルアドレスをユーザー登録すると30日間は「お試し」期間として無料で全機能(Maxパッチの修正/保存)を利用できますが、この状態での参加は推奨しません。パーマネント(永久)かサブスクリプションでの登録をお勧めします
- 参加者に配布するセンサ"PAW-double"はホストのパソコンにUSB-Aで接続するケーブルと共に貸与します。これと異なるUSB-Cなどの場合にはUSB-A端子のある「USB変換ハブ」などを必ず持参して下さい。貸し出しはありません
- 「この場で初めてMax8に触れてみたい」という人は対象外です。既に実際に自分でMax8プログラミングが出来る、という人が最低限のレベルとなりますのでご了承ください。SUAC学生であれば、長嶋のデザイン学科専門科目「サウンドデザイン」で単位取得した学生が対象となります。それ以外の学生は次項★をクリアしている必要があります
- COVID-19で全国的/全学的にリモートとなった2020年前期には、Max8の提供元のCycling'74社がSUACにMax8の期間限定ライセンスを臨時発行して、長嶋の「サウンドデザイン」を履修する学生は自宅/下宿で この教材 でMax8のプログラミングをマスターして、「最終課題」のようなMaxパッチ(作品)を作成しました。 遠隔講義や期間限定ライセンスの部分は現在では無効ですが、 この教材 を追いかけてその内容が理解できるようになっている(このレベルのMax8操作、プログラミングが出来る)事★が、このワークショップの参加条件となります。 なお、「jitter」については未体験/初心者でも結構です(ワークショップの中で紹介します)
- 会場では参加者がゲストアカウントでインターネットに接続できるWiFi環境を提供する予定です
- 今回のワークショップにはリモート(ZOOMでの視聴参加)はありません
- 事前登録していない人がワークショップ当日に会場で見学するために入室する事は出来ません。SUACの学生(1/2回生など)で、ワークショップへの「参加」でなく興味があるので「見学」したい場合には、別途に長嶋に相談するアポを入れて下さい
- 会場の受け付け開始(開場)は09:50です
- 募集期間と応募方法
- 募集期間は、2023年12月15日(金) 12:00 までです。ただし定員(20人)に達したらこれ以前に募集を終了します。
- 一般の参加希望者(SUAC学生以外。他大学の学生は「所属機関」を「大学」と読み替えて、適宜記入して下さい)は、以下を 長嶋までメイルして下さい。 基本的には24時間以内に確認の返信を出します。24時間しても何も応答がなければ、2-3日後に再度、メイルして下さい。 8/27から9/3までの期間は長嶋の海外出張(Edinburgh)のためメイル途絶する可能性があります
- タイトル : SUAC MDW「スケッチング」ワークショップ参加応募
- 氏名
- 年齢
- 所属機関、部署名
- 連絡先(メイル)
- 参加の理由
- 簡単な自己紹介、自分の活動との関係
- SUAC学生は、以下を 長嶋までメイルして下さい。 基本的には24時間以内に確認の返信を出します。 8/27から9/3までの期間は長嶋の海外出張(Edinburgh)のためメイル途絶する可能性があります
- タイトル : SUAC MDW「スケッチング」ワークショップ参加応募
- 氏名
- 学科・領域
- 学年
- 学籍番号
- 連絡先(メイル)
- 参加の理由
- 自分の指向する作品制作/デザインとの関係
- 関連資料
- バイオフィードバック・アートからウェルネス・エンタテインメントへ (バイオメカニズム学会誌 「特集・バイオフィードバック再考」解説記事)
- 「日記シリーズ」などの記録
- Sketching in Hardware の記録 : 2008 2009 2012 2013 2015 2019
- フィジカル・コンピューティングとメディアアート/音楽情報科学
- シーズ指向による新楽器のスケッチング
- 改造による新楽器の創造
- コンピュータサウンドの世界
- 作るサウンドエレクトロニクス
- ウェルネス・エンタテインメントやバイオフィードバックを実現するフレームワーク/ツールキットとしてのメディアアート
- 特別企画 「Jaminatorを譲ります」
- このワークショップ参加者に限定したお話です。それ以外の方はこの募集への応募資格がありませんので注意して下さい
- まずは このページ をご覧下さい。このプロジェクトに関して、長嶋は数年かけて自費で多数のジャミネータをヤフオクから入手しました。これを無料でお譲りしたい・・・というお話です
- MIDI出力/加速度センサ内蔵/RGB-LED内蔵、と改造したジャミネータが5台あります。これはYouTube記録にあるようにステージで活躍したもので、そのまま動きます(1台ごとに有効なスイッチ類は異なります)
- それ以外に、ヤフオクでゲットしたジャンクのジャミネータがたぶん10数台あります。改造したものと同様に、どこかが接点不良となっている可能性が高いです。ちゃんと動作するように改造するためには このページ にあるような感じでいいのですが、まずは「どの接点が生きていてどこが使えないか」を1台ずつ調べる必要があります
- 大部分は裸のジャミネータですが、ごく少数の「ソフトケース」や専用の「箱」もあります
- これらを自宅に持ち帰るスペースが無いので、「断捨離」の一環として、ワークショップ参加者に無料提供したいのです
- SUACを窓口としてこれを業者(ヤマト/佐川など)経由で発送することは出来ません。(1)大きな袋を持参して入れてバス/列車で持って帰るか、(2)自分で用意した梱包材で梱包してSUAC隣のコンビニ(セブンイレブン/ファミリーマート)から発送手続きをするか、(3)運ぶためのクルマをSUAC駐車場内に乗り入れてのワークショップ参加は禁止ですが、ファミマの隣には有料駐車場「コインパークデニーズ浜松野口町店」があります
- 数に限りがあるのですが、参加者一人に1台とか早い者勝ちとかでなく、以下の優先度を設定します
- 別途に長嶋を呼んで「ジャミネータ改造大会」ワークショップを開催する、というところがあれば最優先します(数台とかの複数台数もぜんぜんOK)ので相談して下さい
- この改造ワークショップ応募を当日まで待ちます
- それが無かった場合には、基本的に申し込み順で、(1)動作している5台、(2)それ以外、から1人1台ずつ、当日に選んでいただきます
- ジャミネータの電池ケースは「単2電池6本」という仕様です。ただし改造ジャミネータでは「単3電池を入れて単2の大きさにする」というプラスチック製のアダプタにリチウム単3電池を入れて軽量化しました
- 当時はMIDI出力としましたが、今から改造するのであればArduinoMicroを使って、パソコンとはUSB接続しつつOSが「外部MIDI機器として認識する」というライブラリ(ArduinoMicroのみ対応)を使うのがbetterだと思います。このあたりは このページ の「Arduino-USBMIDI」のところに書いてあります。改造の相談にも乗ります
- ジャミネータだけでなく、長嶋研究室にはオリジナル(世界に1台)の楽器(MIDI出力)がいくつかあります( ★ ★ ★ )。これも関連ワークショップ開催に呼んでいただくのとセットでお譲りします。詳細は問い合わせて下さい
- この企画については状況の変化に応じて記載が変わっていく可能性があります