長嶋担当科目の位置づけ
サウンドデザイン(長嶋)
- 2020前期(遠隔講義の特例)に関する情報
- シラバス ※変更されます(^_^;)
- 2020前期「サウンドデザイン」履修について ※履修登録前に必ず読んで下さい
- 「サウンドデザイン」の履修定員について
本来であればマルチメディア室のコンピュータ台数の制限で受講者数に限りがあります。これは この方法 でライセンスを与える人数の制限として継承されますので、以下の学生の受講については、定員を超えた場合には優先度を考慮した抽選(デザイン2回生を優先)とさせていただきます
- 他学科の学生 (今年はもっともpriorityを下げます)
- 4回生 (この科目は、「サウンドデザイン」→「メディア数理造形演習」→「音楽情報科学」と積み上げて学ぶ履修体系の基礎ですので、発展科目を履修しない4回生の履修についてはpriorityを下げます)
- 3回生 (同上。「サウンドデザイン」も「メディア数理造形演習」も履修せずに「音楽情報科学」を履修したい学生は、過去には事前に面談をした上で別途に毎週の特講を受けることで受け入れましたが今年は無理ですのでpriorityを下げます)
- 1回生において建築領域の専門科目を履修した学生 (主としてインタラクション領域/ビジュアルサウンド領域を志向する2回生を優先)
- COVID-19と戦いMax8を遠隔学習する方法
- 「サウンドデザイン」の進め方 (遠隔体制2020前期のみの特例)
- 全15週の分量を、濃い12週の「中身増し」で行います。前期末に特別に追加したりすることはありません
- 試験はありません。途中の課題1と、最終の課題2が成績評価において重視されますが、毎週の出席点の方をより重く評価します
- 本来の講義は「毎週金曜1限」にありますが、この時間にオンラインでアクセスする必要はありません。好きな時間に好きなだけ掘り下げられます
- この科目では「予習」は一切不要です。無駄に先走らず、「復習」によって、積み上げた事を確実にモノにしていきましょう
- 講義は毎週、基本的に以下の繰り返しで進めます
- 出席はとらない。後述の「レポート」をその週の出席としてカウントして、成績評価の出席点とする
- ここのページをブックマークしておけば、毎週のmanabaへのアクセスは不要 (manabaは長嶋から一斉連絡がある場合と、最後の授業アンケートだけ)
- 長嶋は(原則として)毎週火曜日の夕方までに、「第n週」(1≦n≦12)の教材をここのページの「話題メモ」のところに順に置く (これはずっと消えないので復習に活用できる)
- 学生はその週の教材に対応して学習(調査/考察/演習)して、結果を「レポート」として長嶋に出す。 提出期限はその週の金曜日の10:30であり、それ以降のメイルは無効とする
- 長嶋への「レポート」メイルは以下の条件を満たすこと。条件に合致していない場合は無効
- メイルは学生のSUACアドレスから送ること。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効
- Subject:(タイトル)には必ず「サウンドデザイン・レポート(1924000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を添えること
- レポートはメイル本文に記述する(形式は自由)。ワード/PPT等の文書を添付して提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となる。PDFに変換して添付するのも不可
学生のレポートのうち「感想/質問」は、このページ内に並べてお互いの考えを参考にする材料とする。そのために「ペンネーム:浜松花子」などと添えた場合にはそれを使い、ペンネーム記載が無い場合には学生の氏名を使う(これはナシにしました)- 必要に応じてレポートにデータをzipに圧縮して添付し提出する場合にはそれぞれの指示に従う
- 長嶋は必ず「レポート」メイルに対して後ほど(翌日あたりまでに)「受領」の返信を出すのでこれが提出確認となる
- 講義に関する質問などがあれば、 このページ にある「ZOOM会議」の場に参加したい、と長嶋にメイルするか、あるいは例えば「金曜1限」のコマの時間帯にライヴのZOOM会議を希望する(別に金曜1限でなくても可能)、という複数学生からの依頼メイルがあればなるべく長嶋も前向きに対応します(^_^)
- その他、講義の進め方で何か意見やアイデアがあれば気楽にメイルして下さい。なるべく対応したいと思います
- 教材YouTube動画 ※講義の中で紹介/参照します (全て一発撮り)
- 「Max8」ってのはこんなもの (21min)
- Arduinoの基礎のおさらい (32min)
- Arduinoからシリアル(USB)で出してMax8で受ける (15min)
- Max8のシリアル(USB)の例 : Felicaリーダ (9min)
- ArduinoとMax8を結ぶ3つの方法 (70min)
- TouchMIDI32と2種の6軸センサ (34min)
- leapmotionとmiraとLightPadBlock (30min)
- AKI-H8とPropellerとmbedとPAWセンサ (54min)
- Double MyoとMUSE (24min)
- 「サウンドデザイン」Maxパッチ作品集 (70min)
話題メモ
- 第1週(5/12〜5/15)
- 今週の教材動画(27min)
- 「人間には何故、聴覚があるのか」 ★ ★ ★
- 聴覚のちょっとした実験をやってみよう
- 耳の入り口を塞ぐと「体内のサウンド」が聞こえる(→無響室の恐怖)
- 耳の周囲をお椀状の掌で緩く覆うと・・・(→方向感覚)
- 視覚は「隠れている物は見えない」が、聴覚は「聞こえない音が聞こえてくる」という違い→やってみよう
- 「音」や「聴覚」について考察してみよう
- 音には「楽音」と「雑音」がある
- 人間は音楽だけでなくサウンドを「耳で聞く」のでなく、「脳で聞いている」(^_^)
- "hear"と"listen to"との違いは? (→"see"と"look at"と"watch"の違いは?)
- 視覚に比べて、聴覚は脳の「情動」・「感情」にダイレクトに訴えてくる
- 「Max」で出来ることのアウトラインのデモ(来週から少しずつ出来るように進めていきます)
→ Maxデモ解説movie(21min)
- 超簡単「プログラミング」環境
- 「音楽演奏情報」をプログラミング(→作曲)
- 「サウンド」をプログラミング(→音響生成)
- 音の3要素
- 「音響処理」をプログラミング(→エフェクト)
- 「グラフィック」をプログラミング(→アニメーション)
- 「画像処理」をプログラミング(→ライヴVJ)
- 「なぜMaxなのか」 → これらの作品 ★ ★ ★ ★ の大部分はMaxで出来ている !!
- デザイン学科のターゲットと長嶋担当科目「サウンドデザイン」「メディア数理造形演習」「音楽情報科学」の関係
- 「インタラクション」「インタラクティブ」 → 「アルゴリズム」「プログラミング」の必要性と面白さ
- 宿題(1)
- 今週の出席にあたる、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。manabaは使いません
- 内容としては、(1)今週の内容の「感想」(新たな発見)、(2)質問、(3)関連して調査/考察してみた話題(サウンドデザインに関するもの) などです。(3)でネットを調べて得た情報は必ず出展のURLを付記して下さい
- 分量はおよそ200文字〜500文字ぐらいを目安とします。長大な文書は不要です
- レポートはメイル本文として記述して下さい。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
- 提出期限は5/15(金)曜日の10:30です。それ以降のメイルは無効となり今週は「欠席(未提出)」となります
- メイルは学生のSUACアドレスから送って下さい。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効です
- Subject:(タイトル)には必ず「サウンドデザイン・レポート(1924000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を記載して下さい
- 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど(翌日あたりまでに)返信します。これが毎回の提出確認(証拠)となるので前期末まで保管しておいて下さい
- 宿題(2)
- 来週までに、 これ に従って、皆さんの手元のパソコン(Mac/Windows)に、英語版のMax8をダウンロードしてインストールしておいて下さい
- 体験利用(1ヶ月だけ保存可能)するためのユーザ登録を求められても別にしなくて大丈夫です
- そこに9月まで期間限定のライセンスを入れる方法については来週のページで紹介する予定です
- 第1週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- 人間の聴覚について音楽を耳で聞いていると思っていたがそれは間違いで脳で聞いていることに驚いた。また人間は言葉を話すから聴覚が発達したと思うが、人間よりも聴覚が優れた生き物はなにを聞き取るために聴覚が発達したのだろうか?
→ 言葉よりも前に、進化生物学的にはヒトがまだ弱い動物だった時代に自分を襲う動物の危険を察知するために聴覚が発達しました。現在でも暗い夜中にちょっとした物音にビクッとするのは、脳の古皮質に刻み込まれた聴覚的本能のためです。生物によって感覚が異なって発達している進化論的現象については調べてみると面白い話題がたくさんあります- 耳が聞こえずらい時例えばイヤホンをしている時などに自分の声が勝手に大きくなってしまう現象は自分の声が聞こえている音楽とおなじボリュームになるように脳が機能しているからなのではないだろうか?人と会話する時も耳が悪い人は声が大きくなりがちだということから聞こえている音の大きさによって自分が発する音(声)の大きさが変わってくるのだと思う。
→ 「マスキング効果」について調べてみましょう。「耳鳴り」(聴覚の病気)対策のために常に小さな音を鳴らす装置を耳に取り付けるのも、パニックになっている脳を騙す効果のためです- 音は脳で聞いているものであって、そのため「情動」や「感情」に訴えてくるという話を聞いて今までの人生のいろんなことが腑に落ちました。同じ映像でも音響が違えば感じ方が変わるし、映画よりもミュージカルのほうがドラマチックな印象を受けるといった現象。古今東西どこでもとにかく合唱コンクールは感動するといった現象の核心に迫れたような気持ちです。
→ いつも後期「メディア数理造形演習」の中で学生に紹介している秘蔵動画があります。2009年にSUACで開催した 文化庁メディア芸術祭浜松展 のメインとなったシンポジウム「音楽がアニメーションをどう変えるか Animation Metamorphoses」で、『カウボーイビバップ』『Genius Party』(BABY BLUE)監督の渡辺信一郎さん、『攻殻機動隊S.A.C』監督の神山健治さんを迎えて、その両作品の音楽を制作した作曲家の菅野よう子さんが、それぞれのアニメ作品の一シーンに、オリジナルとは違う音楽を色々に「当てる」という驚異の企画がありました。文化庁に事前予約して全国から集まった菅野よう子ファンでSUAC講堂は完璧に満席となり、ステージ上では菅野さんがアドリブでピアノを弾きました。これは秘蔵動画なので、「メディア数理造形演習」を受講した学生しか観ることが出来ません- 小売店や飲食店などで店内にローテンポな曲を流している時とアップテンポな曲を流しているときではお客さんの滞在時間が大きく変わるそうですよ。前者が圧倒的に長いとか…。 (回転率を高めたければBGMのテンポを調整する) 作品にサウンドを利用する際には、テンポ感で印象を操作してもいいかもしれませんね。しかし、こういう話を聞くと、利用してやろうと思う反面アップテンポな曲を流す店に長居しづらくなりますね。回転率を上げる目的からきた選曲なのではないかと勘ぐってしまいます。
→ 音楽のテンポというのは不思議なもので、それを聞いている人間の体調や心理状態でだいぶ「速い/遅い」の印象が変わります。また、作曲やアレンジにおいて、ちょっとだけテンポを変えても効果や印象が変わります。クラシックの同じ曲が、オーケストラや指揮者によって、どれだけ違うテンポで演奏されているか、というのを調べるだけで論文が書けます- 耳を塞ぐと聞こえる音は体内の血流などであるということを初めて知り、無響室という場所も初めて知り興味を持った。調査してみた結果、無響室には、完全無響室と半無響室があるということがわかった (出典)。 それらに違いが生じる理由は硬い床の有無であるということから、音の反射が耳に伝達することで音が聞こえるのであると、実感した。
→ 無響室の真逆といえば「豊富な残響」です。石で出来た西欧の教会はものすごく残響が長く続き、音が残りつつ重なることで宗教音楽のハーモニーが発達しました。一方、地震や台風によって建築物が長続きしないアジア(モンスーン地域)では、壊れても危険の少ない木と紙で出来た日本建築の室内にはほとんど残響が無く、そこで生まれた伝統音楽は刹那的な音と音の「間(ま)」を重視した音楽になりました。響きの環境の差が異なった音楽文化を生み出してきたわけです- 視覚には隠れているものを見る力はないが、聴覚には聞こえない音も聞く力があるという話も興味深かった。「ひとつだけ手に入るなら聴覚が欲しい」と言う全盲の人が多いという話を聞いたことがあるが、私はそれは聴覚に上のような特徴があるからだと考察した。
→ 視覚障害者の聴覚は驚異的に発達していて、見えていないのに人混みを抜けたり出来るという話があります- 耳の周りを手で覆った時、覆う手の形を変えると聞こえる音の高さが違うことに気づいた(手を軽くのせるように覆うと音が高く聞こえ、耳に沿うように覆うと音が低く聞こえる)。軽快な曲だと楽しい気持ちになったり、ゆったりした音楽だとリラックスした気持ちになったりとお店などで何気なく流れているBGMによっても感情やお店のイメージが左右されることがあるので確かに聴覚は感情に訴えかけやすいというのは共感した。また私は子供のころピアノを習っていたことがあるせいか日常生活でピアノの音を聞くと安心するのでそういう点でも関係あるのではないかと思った。
→ 覆う手の形を変えると変化しているのは「音の高さ」でなくて「音色」です。完全に耳を塞ぐのでなく隙間がある場合、覆う手は一種の低域通過フィルタのような効果となります。軽くのせた場合には高域の周波数成分まで通過するので明るい音色となり、耳全体を覆うと高域が減衰して低域の周波数成分だけになるので暗い音色(低音)になります。このフィルタはMaxで実際に体験してもらいます- 今回の講義の中で、聴覚が視覚に比べて脳の情動・感情にダイレクトに訴えかけるというところが気になりましたので、それについての感想です。私は今まで、人は視覚による情報に一番影響を受けるとだけ思っていました。しかし、ふと映画の予告編映像を思い浮かべると、「ババン!」とか「ドン!」とかいった音に、私たちは物凄く注目して、そのシーンをかっこいいと思ったり、一体どうなるの!?と気になったりしてしまいます。もしそういう音がないのとでは、全然印象が変わると思いました。こういうことが、音は感情を引き付けることを表しているのでしょうか?
→ 突然に聞こえる音に対して注意喚起/危険察知する、という本能的な反応です。ちなみにそういう危機に対する生物全般の本能的リアクションには大きく2種類あり、「闘争」か「逃走」かを瞬時に判断します(fight or flight)- 視覚と聴覚の違いについて少し調べました。視覚は180度しか見えませんが、聴覚は360度感じ取れること。スピードの速い時間の変化やわずかな違いも聴覚のほうが優れて察知できること。これらのことを知り、聴覚が私達の安全を守る事にとっても、重要な存在であることを思いました。音の伝わり方では、「音→耳→電気信号→脳で蓄積された言葉などのデータと照らし合わせて認識」とあることから、音を意味ある音として認知するには、耳だけでなく脳の存在が大事だと知り、面白かったです。 (参照1) (参照2)
→ 音楽的な要素で言えば、人間はサウンドの大きさの変化には鈍感ですが、高さ(ピッチ)の変化については敏感です。映画など映像作品においてはそういう音響心理学/音楽心理学的な理論が、ノウハウとして色々と活用されています- 先生の授業はわかりやすくて、とっても面白いと思いました。かつて聴覚心理学に関する面白い現象を勉強しました。それは、特定な刺激の範囲内で、他の刺激をフィルタリングしながら、自分の聴覚注意を集中する脳の能力、 cocktail party effect という現象です。この現象により、「音を脳で聞いている」と説明できます。
→ マスキング効果だけであれば、多人数でがやがやしているカクテルパーティの中、遠くで小声で自分の悪口を言っているのが聞こえる筈がないのに、聞き分けられてしまう・・・というのは面白いですよね。「注意(集中)して聞き分ける」という場合もありますが、「無意識下に自分の名前などのキーワードにひっかかって注意が喚起される」というメカニズムが面白いと思います- 昔から、ドラマとゲームのサウンドデザイン過程でよく聴覚心理学の知識を使ってきて、聴覚心理学の分野は重要だと思います。もっと勉強して、Maxの実践に応用したいです。先生の質問について。「hear」で強調しているのは、耳に入ってくる音です。「listen to」で強調しているのは、注意して聞いている音です。
→ 正解です。hearは「聞こえる」、listen toは「聞く」or「聴く」という言い方もありますね- 視覚に比べて、聴覚は五感中の二感(聴覚、触覚)を動かすことができます。耳は20Hz未満の音は知覚できませんが、触覚で感じることができます (音響心理学) 。これが、ライブハウスの公演中に、音楽の低周波成分が強くなると、聴衆の没入感が強められる原因だと思います。
→ ライブハウスの重低音はボディソニックとして、骨伝導として、さらに皮膚への振動として、まさに「触覚」にも効いてますね。「触覚」についても色々と調べると面白いことがたくさんあります。僕の作った このシステム が研究室にあるので、いずれ体験してみて下さい- 聴覚を模様で書き表す実験をやってみたら、どこに行ったか分からなかった腕時計の針音が聞こえてきて見つけることができた。普段は意識していないようなかすかな音も聞き分けることができる耳の繊細な機能に驚いた。
→ 「やってみよう」と書いたところで実際にやっていない人も多いのですが、この感想は貴重です。感覚に関することは、基本的に「自分で実際にやってみる」ことが何より重要だと思います- 疑問に思ったのは加齢によって聞きとれる周波数が変わってくるということだ。脳や耳にどんな変化が起こって機能が低下してしまうのだろう。また、加齢によって逆に聞き取れる周波数の音などはないのだろうか。授業の発展として個人的に気になった。
→ 加齢によって可聴帯域は狭くなり、高音が聞こえなくなります。英国のパブで、若者が騒いで老人が落ち着いてビールを飲めないので、若者だけに聞こえるサウンド(モスキート[蚊]音:15000Hz付近)を出す装置を稼働させたら若者が不快で逃げ出して平穏になった、という話があります。携帯アプリでも「モスキート音」はあると思います。また、ウォークマンやiPodなどで大音量を聞き続けていると若者でも難聴になり高音が聞こえなくなります。ミュージシャンの職業病でもあります。このように失われた高域の聴力は、どんな薬でも手術でも回復せず、一生、聞こえない人になるので注意しましょう- 人間などの脊椎動物以外で聴覚を有する動物について調べてみた。人間のほかに、同種間コミュニケーションとして聴覚を有している動物とは、昆虫類らしい。例えば夏にはセミ、秋にはコオロギやキリギリスがメスを誘引するために様々な手段で音を発している。それぞれ、同種の発する音の周波数を鼓膜機関にある聴受容細胞で聞き分けているらしい。昆虫は言語を聞き分ける人間よりも、特定の音に対する聴覚を発達させ、繁殖方法を確立してきた種だということが分かった。夏の公園ではセミがしきりに鳴いている音は人間にとっては雑音でも雌のセミにとっては楽音なのかもしれない。
→ いい調査ですね。「言葉」よりも前に、ヒトの聴覚は「求愛の手段」と「母子の愛情交換」としてとても重要な働きがあります。昆虫でも動物でも、いいサウンドを出す雄が選ばれて雌とペアになり子孫を残す、というのは基本です。「イケメン」より「イケ音」が重要なのです- そういえば私は多少耳が動かせる(左の方が容易)のですが、家族にそれをいうと気持ち悪がられます。あれは耳介というらしいですね。あれが動く動物と動かない動物の差とかはあるのでしょうか?
→ うーむ、耳介を動かせる友達は僕も見たことがありますが、それは聴覚とちょっと違うので詳しくは知りません(^_^;)。せっかくなので調べて続報してみて下さい- 音響心理学について調べた際、音響兵器というものにたどり着きました。名前に兵器とついていて恐ろしく感じましたが、人間が不快に感じる音を利用することで命に危険を及ぼさず相手を撃退することができるというもので、とても驚きました。デモの鎮圧などに使われ、海上自衛隊にも搭載されている護衛艦があるそうです。緊急時のサイレンも人の危機感を高めるためにわざと不快に聞こえるような和音になっています。これらの方法は聴覚から情動や感情に影響を受けやすい人間であるから有効であるのかなと思いました。 (参照1) (参照2)
→ 「音響兵器」というのはけっこう歴史があって、密漁船を撃退させるというのはまだ可愛いもので、20世紀には実際に「それを聞いたら人間が発狂して死ぬ」という兵器を真面目に追求していた国もありました。携帯の緊急通報のアラームも意図的に緊張感と不快感(不安感)を追求したものです- 以前、音響専門の学科がある大学で無響室に入ったことがあるのですが、小さなノイズがかかっているような感じでした。今回の授業でそれが体内から発生している音であることを知りました。その音も聞こえない、完全に無音である状況を作るということはできるのでしょうか?
→ 人間は生きているので呼吸もするし血流も流れます。なので無響室で外部からのサウンドが消えたら自分の生体サウンドが聞こえてしまうわけなので、これは消せません(^_^;)。空気中だとサウンドが伝わるからと真空にしても、生体サウンドは骨伝導で聞こえます(^_^;)。つまり完全に無音である状況とは生命が無い状態なので、実現したとしても既にその人は死んでます- 普段聞いている音は耳から入ってきている音だけでなく、骨伝導による音もあるということを初めて知り、興味を持ちました。耳をふさいだ時に聞こえてくる血液や心臓などの体内の音は、空気の振動によって伝わっているわけではないので、骨伝導によるものなのではないかと考えました。また、自分の声を直接聞くのと録音したものを聞くのとでは違って聞こえるのも骨伝導音と気導音が関係していて、音の伝わり方の違いはとても面白いと感じました。耳が不自由な方もこめかみあたりの骨を振動させることで音が聞こえるとおっしゃっていましたが、骨伝導を利用することで音程だけでなく、言葉も伝えることができるのでしょうか。 出展:骨の振動で音を聴く「骨伝導」
→ 骨伝導では環境音や楽音(音楽のサウンド)だけでなく、もちろん言葉も伝わります。会話音声は極端には母音がなくて子音だけでも伝わるので、病気により声帯を除去した人でも「人工咽頭」装置などで会話が出来ます- 音は真空にしない限り周りの音を無くすことはできないが、無響室というのがあるのは知らなかった。壁の形や素材を工夫することによって音を吸収してしまうなんて興味深いと思った。ずっとはいたくないけど少し体験したいと思った。耳の構造はあまり詳しく知らなかったので、どういう過程で脳に伝わっていくか理解出来た。しかし「モスキートーン」というのをよく聞くが、それが聞こえる仕組みは耳の中のカタツムリみたいな器官が長いからなんですか?先に行くほど細くなるので聞こえる人は聞こえない人より細い所があるからなんですか?そこが気になりました。
→ カタツムリの管は入り口がもっとも太く(低音を検出)、先に行くほど細く(高音を検出)なっていて、それぞれの場所の神経が内部の液体の振動に共鳴してサウンドの対応した周波数成分を検出します。老化の難聴とか大音量を聞いての難聴ではその神経機構が不調になってきて脳に信号が伝わらなくなるものと考えられています- 初回の動画では、maxやプログラミングの話の前に聴覚についての話から始まったことに少し驚きました。しかし音を聞くために私たちが持っている耳についても知っておくことで、これから音を作っていくのにあたり新しい発見があるかもしれないと思いました。耳を塞いだ時に聞こえる音が体内のサウンドだとは今まで考えたことありませんでした。けどやってみたら確かに体の中で何かが動く音が聞こえてきて、また脳のマスキングの話も参考にして体内の音を一度聞いたものは無視するようにしたら別の音が聞こえてきたりと楽しかったです。でも聞こえたからといってそれが具体的に何の音なのかはわかりませんでした。けれど私が聞いた音をそのまま誰かにも聞いてもらう方法はないので相談もできません。この先、誰かが聞いた音を、その人が聞いた通りに録音してデータ化することは可能になるのでしょうか。
→ 血流のサウンドだけでなく、「筋音」というのもあります。人間の全身を包んでいる筋肉は全てが完全に弛緩することはないので、筋音によって健康状態がわかります。例えば静かな環境で歯を食いしばってみるとその音がかなり聞こえるでしょう- 今回の話を聞いて、昔海に遊びに行った時、姉が「貝殻を耳に当てると海の音が聞こえる」と教えてくれて聞いていたことを思い出しました。気になって調べて見ると、体内の音が貝殻の中で反響していてそれが海の音に似ているからという説が出てきました (出典) 正直調べてもあまり良いサイトが見つからなかったのですが、少なくとも貝殻から海の音がしているわけでは無かったのです。しかし私は、科学的根拠があるとしても海に落ちている貝殻を拾って耳に当てたら海の音がする、というのはとても美しい情景だと感じます。
→ 耳の外側(外耳)を貝殻のような中空の容器で覆うと、その空間にわずかに響く体内音響が共鳴するので、ほとんど「海の音」のように聞こえるかもしれません。胎児が母親の子宮で聞いている音はそういうザーッというホワイトノイズなので、乳児に聞かせると泣き止むというのも有名な現象です- 耳を塞ぐと心臓の音や血液の流れる音が聞こえるというのは、音が聞こえないように塞いでるのに体の中の音が聞こえるので不思議だなと思いました。私は横向きで枕に耳を押し付けて寝るのですが、あまり眠くない時だと心臓の音が聞こえてしまい返って寝れなくなるという事が時々ありました。片耳だけでも気分が悪くなりそうだったので、両耳を塞いだり無響室に入ったりしたらすごく辛いだろうなと思いました。 無響室に関するサイト を見ていたら、無響室は世界で1番静かな場所で、Microsoft社の無響室はギネス記録にもなっているというのを見てびっくりしました。人が聞き取れる最小の音圧レベルが0dBでこの無響室は-20.6dBと書いてあり、想像もつきませんでした。夜家族が寝た後1人で自分の部屋にいるとすごく静かで、自分が立てる物音以外の音は全然気になりませんが、無響室の存在を考えると夜の自分の部屋にもたくさんの音が存在しているんだなぁと思いました。
→ 「-20.6dB」というとおよそ「100分の1」です- 今まで視覚と聴覚では視覚の方が人に影響を与えると思っていたけれど今回の授業を見て、音は脳で聴いていて、情動や感情に訴えかけてくるという事を知り、なるほどなと思いました。小さい頃に行ったことのある場所の景色は覚えていなかったけれど、大きくなってもう一度その場所を訪れた時に、そこに流れていた魅力的な音楽を覚えていたことがありました。視覚からの情報を忘れていても、聴覚からの情報を覚えていたということに納得しました。
→ 視覚を扱う脳の領域と、聴覚を扱う脳の領域とは、当然ですが近いので、「エピソード記憶」は視覚情報と聴覚情報とが絡んだ形で構成されています。一方を忘れていたようでもう一方からエピソード記憶が蘇る、というのは素晴らしいことです(^_^)- 普段聴いている音は耳より脳で聴いており、聴覚は視覚より感情を強く感じられると知り驚いた。最近外に出ないため音でわくわくしたり安心したりすることが多く娯楽として音楽をよく聞くが、これは感情が揺さぶられてる実例なのかなと思った。
→ 112文字で淡白なレポートです。この程度しか考察が無いというのは情けないです- 名作映画、ドラマ、アニメには作品テーマやシーンを象徴する名曲がつきものだと思う。「千と千尋の神隠し」という映画で、主人公が電車に乗るシーンで流れる曲を聴くと感傷的な気分になる。映像では表現しきれないような主人公の葛藤や心の成長が曲から感じられる。実家の近くの図書館では閉館時が迫ってくると、感傷的な音楽が流れてきて「もう帰ろう」という気持ちにさせてくる。一方、SUACの図書館では閉館間近に情熱的なクラシックが流れてきて、その音楽にのせられてノリノリで読書をしてしまい閉館に気づけなかったことがあった。よってサウンドによる演出は、映像作品でも現実の施設でも情報伝達に大きな役割を担っているのではないだろうか。
→ もちろん映像作品においてサウンドや音楽の役割というのはとても大きいですが、この前期の「サウンドデザイン」ではそこまで深入りすることは出来ません(それだけで卒制や修論のテーマです)。最初から完全にサイレントを意識して造られた映像作品/映画というのもありますので調べてみて下さい。とんでもないチャレンジになります- 視覚は見える範囲が決まっているが、聴覚は360度聞こえているということに納得をしました。確かに後ろの時計や冷蔵庫の音、またよく聴くと外からのたくさんの音が聞こえてきました。また、無響室に入ると自分の「体内のサウンド」しか聞こえないと知り、本当に無音というのは聞けないということが意外でした。
→ 145文字で淡白なレポートです。この程度しか考察が無いというのは情けないです- デザイン学科2年生のホ ユンソクと申します。韓国から参りました。私は大学に進学する前からメディアアート作品の音響について興味がありました。どうやって音声を制作するのか興味があり、音を使って何かのテーマについて表現することが凄いと思いました。Max8とArduinoの動画を見ても、まだどういうプログラムなのか確実にはわかりませんが、授業に従って活用できる能力を身につけたいと思います。来週の授業もよろしくお願い致します。
→ 交換留学で韓国のホソ大学からSUACに来た先輩の中には、4回生の長嶋ゼミに参加して、さらにホソ大学を卒業してからSUAC大学院に来て長嶋に弟子入りして、修了後に日本のデザイン会社に就職して、さらに現在では「チームラボ」に転職して頑張っている人もいます。彼はこの「サウンドデザイン」から始まって「メディア数理造形演習」→「音楽情報科学」と学んで、Maxプログラミングやインタラクティブなシステムデザインをマスターしました(^_^)。この科目はあなたの他にも、SUAC研究生として長嶋ゼミに所属、まだCOVID-19のため来日できませんがゼミZOOM会議などを通して、北京から参加している留学生もいますので、一緒に頑張ってください- 視覚は認識することによって今まで見えていなかったものが見えたり、別のものに見えたりすると思います。例えばルビンの壺では壺にしか見えなかった絵が横顔にも見えるという一言でその絵を横顔だと認識することができます。聴覚も本質は同じで認識によって大きく聞こえ方が変わるということに面白く感じました。視覚と違って面白いと感じたところは、認識することによって、その音が逆にミュートされるということです。確かにそこにあるはずの音を脳が取捨選択して認識させる、私達の無意識下で行われる脳の働きに関心を抱きました。
→ 重要な視点ですね。ここで「認識」と書かれている概念ですがその用語はちょっと曖昧(広すぎる)ので、「意識」とか「注意」という概念と考えてみると広大な世界が広がります。「無意識下にサウンドを聞いている」などという現象など、知覚認知において重要な視点です。興味があれば「下條信輔」先生(この分野の世界的権威。SUACにも講演に来てくれました)の著書(検索すると出てきます。新書なので安いです)をじっくり読んでみて欲しいです- あまり関係ないかもしれませんが、昔トリビアの泉という番組で「OIL OIL OIL.」とかくとサザエさんのEDのようになるというものをやっていました。音楽を聞く前は書いても全くそのように聞こえなかったのですが、お手本を聞いた後ではどんなペースで書いてもそこにあるはずのないサザエさんのEDの音程が聞こえてくるようになりました。聴覚も視覚と同じように思い込みや脳の認識による「錯覚」なようなものがあるのかもしれないと思いました。
→ すいません、「OIL OIL OIL.」というのとサザエさんのEDというのが全くわからないので(^_^;)この話についてはノーコメントです- 今回の授業で人間の聴覚は、私の思っていたよりも優れていることがわかりました。聞こえるものを記していくワークに取り組んでみたら普段は意識していない音が聞こえてきて、自分の耳は知らないうちにこんなに膨大な量の音を拾っているのだと驚きました。
- 人間よりも聴覚のいい動物はたくさんいて、人間と共存している動物も多いですが、それらの動物にとって人間社会の音は大きすぎたりするのでしょうか。それにより聴覚が衰えることもありますか。
→ 自然現象の中には、人間社会が作れないほど大きな音があります。雷鳴とか火山の爆発とか。なので、瞬間的に巨大な音については、動物にとって人間社会は大したことはありません。ただし、一日中、機械が動いているとか、一日中、道路をクルマが走っているとか、あるいは本来であれば静かな夜間にも家屋の外の空調機がずっと騒音を出しているとか、そういうストレスはあるかもしれません- 私は最近よく話題にあがるバイノーラル音声は、なぜ録音物なのにあれほどに立体的に聞こえるのかを調べました。バイノーラル録音は人間の頭部から肩口までを表したダミーヘッドのマイクによって行われています。それは、人間の聞く音には耳たぶや肉体に反射した音も入るからだとわかり、音に関しての学びがまた一つ深くなりました。 (出展)
→ バイノーラルのためのダミーヘッドマイク(ノイマン製の100万円以上するもの)は開学の2000年からSUACにあります(^_^)。これを怪しく活用した作品を、SUACの2日間のワークショップで作り上げた記録は ここ にあります。 また、 バイノーラルを制作のテーマに選んだ学生 (USJに就職)の途中経過を聞いて悶絶する長嶋ゼミ学生の風景は ここ と ここ にあります。 その学生のプロジェクトに触発されて僕が学会発表した論文は ここ にあります- (第1週レポートの未提出者は4名でした。未提出が続くと単位になりませんし、1週目の内容をパスして2週目から合流というのもその後に続きません。途中で脱落して不可となってGPAを悪化させないためにも、該当者は履修登録期間のうちに登録をキャンセルすることも検討してみて下さい [長嶋] )
- 第2週(5/19〜5/22)
- 今週の教材動画(75min)
- レポート課題についての注意点 : 同じ週のレポート同士については不問ですが、「過去の週に既に出ていたのとまったく同じ質問」が繰り返された場合、その人は過去の週のレポートと長嶋コメントをちゃんと読んでいなかった証明となるので「減点」します。長嶋が皆んなのレポートを全て手作業でこのページに紹介し、その全てにコメントしている理由は、お互いの意見/コメント/議論を共有することで成長して欲しいからなので、そこに参加する努力を怠って読んでいない人のペナルティです
- 「なぜMaxなのか」 → ★ ★ ★ ★ ★ に紹介されている先輩などのインスタレーション作品について調べて、レポート課題の中で「感想」・「私ならこう[改良/発展]する」などを紹介してみて下さい。これは今後のレポートでも、特にネタが無くて文字数が少ない場合には活用して下さい。ただし過去に質問/コメントがあったことを繰り返すと上記のように減点となりますので注意です。また、「基礎演習E」でも「発想を学ぶ」のコーナーで同じようなテーマを設定していますが、両方を履修している人が両方に同じネタを書くことは厳禁ですので別ネタを探して下さい
- Max8の期間限定SUACライセンス設定
- 前回の宿題(2) : 「これに従って、皆さんの手元のパソコン(Mac/Windows)に、英語版のMax8をダウンロードしてインストールしておく」・・・という作業は完了しているでしょうか。まだの人は速やかに作業して、トラブルが起きた人は長嶋にメイルして解決しておいて下さい。手元にMaxが無いと今後の授業についていけず、単位になりません
- 手元に「体験版」のMaxがインストール出来た人は、タイトル「Max8遠隔学習希望」として、氏名と学籍番号を長嶋にメイルして下さい。返信にて「key」データ(zip)を送ります(夕方から翌朝まではメイル途絶するので翌日に返信します)。
- この「key」データには「SUACの教育ライセンス契約」情報が含まれており、流出すると大学の社会的責任となってしまうので注意して下さい。作業が終わったらzipも解凍した残りも手元に残さず必ず消去して下さい
- PCはネットに接続した状態にしておきます
- 過去にMax8で個人的にユーザ登録してしまった人は「LogOff」しておきます
- もしMax8が起動されていた場合にはいったんQuit(終了)しておきます。Close(閉じる)でなくQuitです
- zipを解凍すると、必要なデータ(txtファイル)と、そのデータの置き場所に関するPDFがあるので、これに従って必要なデータを正しい置き場所にコピーします。
- Windowsの人はエクスプローラ(IEでなくファイルの場所を見るもの)で、「C:\Program Files\Cycling ’74\Max8\」の場所に、解凍した「txtファイル」を移動(コピー)させます。この場所には「Max.exe」もあると思います(たぶん)
- MacでOSX 10.15 Catalinaの人はこれに従ってズラズラ出てくるエラー対策をしておいて下さい
- Macの人は、解凍した「txtファイル」を「/Library/Application Support/Cycling '74/Max 8/Authorization/」に移動(コピー)させるのですが、たぶんこのフォルダは存在しないので、管理者パスワードを求められつつ作る必要があります。まずデスクトップをクリックしてメニューの「移動」から「フォルダへ移動」として出てきたウインドウに「/Library/Application Support/Cycling '74/Max 8/Authorization/」を入れると、「/Library/Application Support」になります。そこで「新しいフォルダを作る」ということでそこに「Cycling '74」というフォルダを作り、さらにその中に「Max 8」というフォルダを作り、さらにその中に「Authorization」というフォルダを作ったら、そこに解凍した「txtファイル」を移動(コピー)させます
- (Windows/Mac共通) その後にMax8を起動すると、最初にオーソライズ処理が裏で進行して、パッチウインドウの右上に黄緑色で出ていた「ユーザー登録してね」のメッセージが消えて、期間限定の正規登録版として動作します。これを確認して下さい
- ここまでがうまく行かなかった人は先に進めないので、早期に長嶋にメイルして下さい。これまで何人もZOOMで支援しましたのでZOOMアプリも入れておいて下さい
- 「サウンドデザイン」で学ぶことの全体像について - 今年はマルチメディア室ではないので一部が異なります
- アプリケーションなど
- Mac OSX に慣れる・Windowsとのデータ連携
- Max7/Max8 : メインの環境、なんでも出来る
- QuickTime7 Pro : 各種データの相互変換(コンバータ)としての活用
- GarageBand : 著作権の心配なくお手軽に音楽を制作(^_^)
- GarageBandでオリジナルのサウンドトラックができる - Windowsの人は何か適当に同等品をどうぞ。フリーでも探すとあります
- サウンドファイル、ムービーファイルなどの相互変換と活用
- Maxでアルゴリズム(プログラミング)の発想を学ぶ
- Maxで音楽やサウンドの生成・編集ができる (→映像作品のサウンドトラック)
- Maxで音楽と同期したPICT/PNG画像のアニメーションができる
- Maxでリアルタイム画像処理ができる ※→後期「メディア数理造形演習」
- Maxで外界(物理世界)とインターフェースできる → インスタレーション、ゲーム ※→後期「メディア数理造形演習」
- 「サウンドデザイン」で扱わないこと
- スピーチ(音声合成) → 英語であれば画面上の任意の英語を発音させる事はカンタン(Mac)
- シーケンスソフト(本格的「音楽打ち込み」ソフト) → Webで自習できる、音楽理論の解説は希望により補講形式で対応、GarageBand(Macに付属)だけは紹介する
- 「初音ミク」その他(ボーカロイド) → Webで自習できる、究めたい人はゼミ等での特訓には対応する
- 用語の確認 - 「Max」(元々のMIDI[ソフト音源])・「Max/MSP」(リアルタイム・サウンド処理)・「Max/jitter」(リアルタイム・グラフィクス) - 現在では一体化されているのであまり気にしなくてもOK
- (参考) Maxの起源
- Max8プログラミング part1 - Maxを立ち上げて編集して終了する
- システム環境設定でサウンドを「内蔵スピーカ」にすると音が出る(ヘッドホン必要)
- Maxを立ち上げる
- 「File」 → 「New Patcher」で新しいパッチ(Maxのプログラム)を作る ※キャンバスは真っ白(^_^)
- サンプルなど既にあるMaxパッチ(拡張子maxpat)を叩けば、Maxアプリケーションも起動される
- Maxでは文字は「直接入力」にしておくこと(日本語NG)
- Maxの「部品」はオブジェクトと行って、パッチウインドウの上に並んでいる
※まだ習っていないオブジェクトをむやみに呼び出さないこと(トラブルの元)- とりあえず「変数」オブジェクトをパッチに置いてみよう
- Maxのプログラミングはオブジェクト同士を線で繋ぐだけ
- 「全てのオブジェクトを丸暗記」なんてナンセンス、最小限のオブジェクトだけで相当のことが出来る
- オブジェクトの上にあるのが「入力」、オブジェクトの下にあるのが「出力」
※「入力」同士、「出力」同士は繋げない- オブジェクトのパッチウインドウ内での位置は関係ない。お互いの接続情報だけが重要(配置は好きなように)
- 「編集モード」と「実行モード」(パッチウインドウの左下の角にある「鍵付きの箱」アイコン) ※ショートカット「Command+E」
- Maxで絶対に禁止なのは「無限ループ」 ※パッチが保存できないだけでなく重大なトラブルになるので注意
- パッチの保存「拡張子はmaxpat」 ※ショートカット「Command+S」
- ショートカット「Command+C」「Commande+V」「Command+D」「Command+A」「Command+X」「Command+Z」「Command+W」はWindows等と同じ
- Maxの終了 ※ショートカット「Command+Q」
- サンプルデータのダウンロードと解凍と保存について - Windowsの人もたぶん同じことは出来ると思いますが知りません(^_^;)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング part2 - Maxの基本操作
- オブジェクトを呼び出す (※まだ取り上げないものは呼び出さないこと)
- Maxで絶対に禁止なのは「無限ループ」
- (整数)変数 - 入力にも出力にもなる
- 縦スライダー、横スライダー - 入力にも出力にもなる
- ツマミ(回転ボリューム) - 入力にも出力にもなる
→ 変数の「インスペクタ」(Command+I)で自由に色を設定する- オブジェクトの細かい設定はインスペクタ(プロパティ) ※ショートカット「Command+I」 → (例)フォントサイズ、色、・・・
- オブジェクトには複数の入力端子や複数の出力端子がある場合があるが、特に重要なのは「左端」の入力
- 初回からシンセサイザ(ピアノ)を作ってみよう
- makenote - MIDI発音情報(on/off)の生成 → ※「音の長さ」(Duration)と「打鍵の強さ」(Velocity)
- noteout - MIDIノートの出力(発音) → MIDIチャンネル(音色ごとの系列)
- pgmout - 音色の変更 → MIDIチャンネルを合わせる
- インクリメンタ/デクリメンタ - 例外的に変数と「たすきがけ」可能、1つずつ上下できる
- 楽器パートの「音色」は「pgmout」で設定する(しないとdefaultはピアノ、あるいは直前の設定の音色で演奏される)
- 「音色」の数字と楽器名の対応
- 鍵盤 - 入力にも出力にもなる → ※「打鍵の強さ」(Velocity)
- トグル(0/1) - 入力にも出力にもなる
- Maxの情報は「bang」と「データ」(数)と「メッセージ」(文字列)
- Maxのグレーのコードを情報が流れるのは「イベント」の時だけ
- int - 整数を保持するメモリ
- bang - データでなくイベント(きっかけ)
- オブジェクトの第2インレット以降は保持されるだけ( → 初期値は変更される)
- 全てのオブジェクトは、左端の第1インレットによって出力が出る
- ↑「+」でこれを試してみよう
- 加算オブジェクト「+」
- 剰余オブジェクト「%」
- 変数オブジェクトは「メモリ」でもある → 入力が保持されている ※入力があれば出る、bangでまた出る
- 定数オブジェクト
- 定数「1」と加算「+」で「インクリメンタ」を作る
- metro - 「時間」の基準(メトロノーム)
- ここまでの道具だてで「時計(タイマー)」が出来る(^_^)- 「%」と「/」の活用
- 1秒カウンタで時計(タイマ)を作る
- 来週の予告
- Maxでドラムマシン+α[自動演奏]を作っていこう
- ドラムの楽器を理解する ※(例年は)途中で音楽室に移動して実際にドラムを長嶋が叩いて紹介します
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。詳細は基本的には先週の「宿題」のところと同じです。内容としては、感想、質問、「なぜMaxなのか」関連 などです。分量はおよそ150文字〜300文字ぐらいを目安とします。提出期限は5/22(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週やってみたMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい(PCの環境を壊すことがあるので余計なことをすると失敗/後悔します)
- 補足(1)
今週の教材ムービーの中で「jitter」を世界に先駆けて2002年8月にSUACで発表した、という話を紹介しましたが、その際には手際よく写真などを紹介できませんでした。ところが後で、 こんなページ をまとめていた事を発掘したので紹介しておきます。IAMAS御一行様がトラックで電源ケーブルとローカルLANを敷設する機材一式をSUAC中講義室に持ち込み、日本全国からコアな「Max使い」たちが全員、自分の愛機PowerBookを持参して集った熱い夏・・・という写真がずらっと並んで一気に見れますので、興味のある人はじっくり見て下さい- 補足(2) (今週の教材ムービーを一発撮りしている途中でフト思い付いたものの盛り込めなかったので補足です)
「音色」の数字と楽器名の対応 のところで、「pgmout」の番号のずっと上の方に効果音シリーズがあり、そこに「海辺に寄せる波」と「鳥の声」と「ギターのフレットノイズ」がありました。 過去にMaxでそれらを使った音響自動生成パッチ(ランダムで生成する)を作った事例を紹介します。
まずは上の画像の下にあるコントローラでサウンドをスタートさせて、さらに画像をクリックして拡大して眺めつつサウンドを聞いてみて下さい。 これは2000年頃にちらちらっと作っていたシンプルなMaxパッチ(Max2かMax3あたり)で、「random」とMIDI音源だけで自動生成(アルゴリズム作曲)しているサウンドなのです。(^_^)
そして次に、上の画像の下にあるコントローラでサウンドをスタートさせて、さらに画像をクリックして拡大して眺めつつサウンドを聞いてみて下さい。 これも同様に2000年頃にちらちらっと作っていたシンプルなMaxパッチで、こちらも「random」とMIDI音源だけです。 これら2つのパッチには「seashore」と「forest」という名前を付けていました。 このサウンドを録音したのは2017年の年末で、1106研究室のお仕事Mac miniの周囲の風景とデスクトップの様子は以下のようなものでした。
Maxパッチを作った2000年ころのMacと言えば、まぁMSPは出ていたもののMac自体の非力さから音質等に制限があり、もちろん2002年に発表されたjitterも無かったので、Computer Musicパフォーマンスについては、外部にこの「サウンドキャンバス」のようなMIDI音源モジュールを使用することが一般的でした。 今回、Macの内蔵音源で鳴らしてみたら、やはりチープさの本質は変わっていなかったので、このように外部に楽器メーカのMIDI音源を使うという方法はいまだ現役です。
上のパッチが「seashore」です。 MIDIのプログラムチェンジの123番に「seashore」という音色があり、これを2トラックを使って、それぞれランダムに、音量、ピッチ、定位(パンポット)に揺らぎをもたせて鳴らしているだけの、まったくもってシンプルの極致のパッチです。
上のパッチが「forest」です。 こちらもMIDIのプログラムチェンジの124番「鳥の声」を、同様にランダムに、音量、ピッチ、定位(パンポット)に揺らぎをもたせて鳴らしているのですが、ポイントはもう1種類の謎のサウンドです。 これは僕のイメージとしては、森林に潜む謎の動物の鳴き声のつもりなのですが、実はこの音色は、121番の「ギターのフレットノイズ」というやつです。 これを通常音域の使い方とは別に、鳴き声イメージで出してみているのですが、どうでしょうか。 Maxはこんなことも出来てしまうのです。(^_^)
- 第2週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- Max8を実際に少し使ってみて、本当に自由度が高そうなソフトだなと思いました。シンプルなソフトで、先輩方の作品のように実際手に触れられるものとbangやスライダーなどのオブジェクトをリンクさせれば発想力だけで楽しめるものが作れるというところに魅力を感じます。
→ まだ1週目ですが、可能性は感じられたと思います。今後にご期待ください- Sample8の演習は、「分のウィンドウ」に「/ 60」と「% 60」を繋げ「時間のウィンドウ」と「新たな分のウィンドウ」を作る。 そして「新たな分のウィンドウ」に数値を24に変えて同じことを繰り返す。というふうに作ったので、Sample9でもっと無駄を省いて画面がスマートになる方法を知ってこの先は効率のことも考えられるようになりたいなと思いました。(同様の感想たくさん)
→ プログラミングの世界ではMaxに限らず常ですが、「あること」を実現する方法(アルゴリズム)というのはいくらでも存在します。ただしその中に、よりシンプル/スマート(美しいと呼ぶ人もいます)な方法というのは、「誰にでも分かりやすい」・「後で改訂しやすい」・「間違いが起きにくい」などのメリットがあり、さらに手法によっては効率が10倍とか100倍とかに向上する場合もあるので、つねに「もっとシンプル/スマートにならないか」と意識するのはとても重要です- プログラミングはしたことないのでMaxを触ってみるのはワクワクしました。プログラミングと聞くと難しいコードのようなものを打っていくイメージですが、Maxのようにパッチを繋げて完成させるというのが視覚的にも仕組みがわかりやすいなと思いました。今のプログラミングソフトはMaxのようなものが多いんですか?
→ 現在でもプロのプログラミングの世界では、「難しいコードのようなものを打っていく」というのが基本です(^_^;)。オブジェクトを並べて線で繋ぐ、というMaxのユーザインターフェースは1990年に発表された時にはとにかく世界的に新鮮でしたが、ようやく現在ではMatLabとか、あるいは子供の教育用のレゴ(マインドストーム)やScratchなど、だいぶ追いかけて同様のものが出てきました- 動画を見て実際に最後のストップウォッチを何とか1人で作てみました。60分を超えてからの問題は、60で割ったものに「%60」をつけたらあまりが出るのでそれで解消出来ました。私は時間の方も同じように今度は3600で割って同じようにやっていったのですが、先生の解答だと「/60」に更に「/60」を繋げていてそっちの方が見やすかったです。やはりプログラミングをする際はなるべくシンプルにするのを目指した方がいいなと思いました。先生はプログラミングをする際何かを気をつけていることはありますか?
→ 僕は話し言葉としては日本語とやや英語ぐらいしか出来ません(読んで発音するのは歌詞で慣れているので、意味は不明でも独語・ラテン語・仏語・マジャール(スロバキア)語・古英語など読めます)が、コンピュータ言語については企業にいた時代から含めれば200種類ぐらいは実際に活用してきました。ただし意識的にスグに忘却して、新たなプロジェクトで再度必要になったらマニュアルを読んで思い出す(いま現役なのは10-20種類ぐらい)というところです。そういうプロなので、気をつけているというよりも無意識下に「なるべくシンプル」は基本中の基本です。3600で割るというのは誰でも最初にやりますが、「秒」を「日」にするのに一気に謎の大きな数を使うというのは色々と問題が起きるので、「秒」→「分」→「時」→「日」などの階層的な構造を意識するというのも重要です- 私はかつて「puredata」を勉強しました。puredataのオブジェクトには「hotinlet」と「coldinlet」があります。puredataとMaxとは似ていると言いますが、もしオブジェクトの方式が違っていたら、プログラムは同じようには実行されません。Maxのオブジェクトにはこのようなinletがありますか。 よろしければ、教えていただけませんか。
→ Puredataというのは、Maxにとっては「兄弟」にあたるものですが、Puredataの方はいまだにフリー(無料)で頑張ってます。フランスの国立音楽音響研究所IRCAMの二人の研究者、David ZicarelliとMiller Pucketteにより開発され、二人の師匠であるMax Mathews博士の名前をとってMaxとなったこのソフトは、後にDavid ZicarelliはCyclig'74社を起業してMax(最初はMac専用)の普及に貢献し、一方Miller Pucketteはオープンソースの方針を貫いてずっとフリーで世界の研究者/専門家にpuredataとして提供してきました。なので両者の基本的なコンセプトは共通です。このあたりは、僕が国際会議の欧州出張中に調べつつ書いた PureData日記 も参考にして下さい。 質問にあった、Puredataの「hotinlet」と「coldinlet」ですが、Maxではそのような用語を使っていないものの、概念としては共通です。 Maxのオブジェクトでは(puredataでも同じ)、左端の入力が入ると出力を出す、つまり「hotinlet」です。 それ以外の入力(右端とか途中)については、その入力があっても何も出力されず、入力情報はオブジェクトの内部に上書きストアされるだけで、これが「coldinlet」です。 ちなみにMaxのオブジェクトでは(puredataでも同じ)、出力がいくつもあった場合には、右端がまず出力され、途中がそれに続き、最後に左端からの出力が出ます。この「right to left outlet order」も両者で共通です。 ここ も参考にして下さい。- 前回のレポートコメントについてになりますが、耳を覆った時の違いは音色だったのですね。手が一種のフィルターのような効果を果たすというのは初めて知りました。
→ 耳を覆った手がフィルタになるだけでなくて、実は人間の「声色」というのも同じ原理です。声帯から出る音はかなりのノイズ成分を豊富に含んだサウンドですが、これが口腔の形状によってフィルタがかかって、各種の母音が形成されます。試しに「アーーーーーー」と声を伸ばして、そこで口腔(要するに口の中の空間)を色々に変形させると、母音が変わったり音色が変わるでしょう。これも全て同じ現象です- 今回の内容では全く知識のない自分にとって様々な楽器の音や効果音、打鍵の強さなど細かいところまで操作できることがまず驚きでした。うまく使いこなせるようになったらかなり表現の幅が広がるのだろうと思いながらも正直理解するのでいっぱいで質問するところまではまだ行っていません。無限ループだけはしないように復習をしつつ先輩方の作品から自分なりに吸収できるように勉強したいと思います。
→ そこからでOKです。次回はさらに面白い展開をしますのでご期待下さい- SUACインスタレーション(4)の「音と一体になれ!」についての質問と意見です。ペンを差し込むと内部のスイッチがONになると書いてありますが、どういう仕組みでONになるのでしょうか? 私だったら、リンゴとパイナップルの他に思いつく限り多くの果物も選択肢に設け、歌われた果物を数ある選択肢の中から瞬時に判断して選び取るといったゲーム性をつけたい。間違った果物を選ぶと画面に表示されているピコ太郎のパーツが1つずつ消えていき、すべて消えると音楽が止まりゲームオーバーになる。また、PPAPの他に曲名に果物の名前が入っている曲に時々切り替わり、メロディを聞いて曲名に使われている果物を選ぶ変則パターンをいれても面白そう。
→ ちょうどピコ太郎が世界的に話題になったタイミングで、自分のライヴ顔画像にサングラスを合成する、という部分が実はとても頑張ったところでもあります。リンゴ等の造形を粘土で作って着色しました ★ ★ ★ ★ が、あの鉛筆を差し込む穴の中にマイクロスイッチ(小さな突起があって押されるとONになる)を仕込んであり(筒状の「穴」の壁面からちょっとだけ丸い突起が出ているので、鉛筆を差し込むと鉛筆はその突起を押しつつ通過して穴の向こう側まで飛び出る)、そのスイッチ信号をArduinoで検出してMaxに送っています。これはMaxを活用したインスタレーションでは定番のテクニックです。ゲーム性を盛り上げる提案はいずれも面白いと思いますので、今後、自分のプロジェクトとして、ぜひやってみて下さい- 今回MAXを初めて体験しましたが、私の想像以上に面白い機能が備わっていると感じました。中でもsample4は「音色とは何か」を考えさせらるようなきっかけになりました。まず、私がsample4で驚いたことは音にビブラートが付いていたことです。しかも、楽器によってビブラートに差があります。ほとんどないように聞こえるものもあれば、バリバリ聞こえるものもある。なぜ私がそれに驚いたかと言いますと、音色にビブラートが含まれると言う考え方が今までなかったからです。どちらかと言うと表現の一つ、みたいに考えていました。それも間違ってはないと思いますが、でも確かに例えばヴァイオリンなんかにビブラートがなかったら何の音色かわからなかったと思います。つまり、ビブラートも楽器の「らしさ」を出すための一つの要素だったことが私にとって大発見でした。
→ いい視点ですね(^_^)。ここで鳴らしているMIDI音源は、大部分が実際の楽器音をサンプリングしたものなので、バイオリンでもフルートでも、人間が演奏すれば自然に加わっているビブラートは楽器のキャラクタとして音色の一部を構成しています。ちなみに、本来ビブラートなどはかかる筈が無い自然楽器のサウンドにMax等を使って意図的にビブラートを加える、ということも出来ます。僕が20世紀に発表した作品だと、 作品"Great Acoustics" ★ ★ の一部では、パイプオルガンの半即興演奏に対して、そのサウンドをライブサンプリングしてビブラート等を加えて協奏しました。 作品"Piano Prayer" ★ ★ の一部では、ビブラートなど有りえないピアノの半即興演奏に対して、そのサウンドをライブサンプリングしてビブラート等を加えて揺することで、ひめゆり部隊の少女たちの死んで行く不安さを表現しました。- トランペットとトロンボーンを比べてみても面白い発見をしました。お互いの適正音域を超えるとロングトーンの音色にも違いが見られるのですが、被っている音域ではロングトーン自体にはそれほど音色の違いが見られないのです。では、どこが違うと言いますと、発音が違います。発音の違いがそれぞれの楽器の「らしさ」を与えているのです。電子音と本物の楽器の音はもちろん違います。本物の音はもっと豊かに響くし、楽器それぞれ「音色」がちゃんと違います。しかし、それは当たり前なのです。楽器はそれぞれ大きさや構造が違います。音色が違って当然です。でも電子音は違います。出力される器械は一つです。だから、特に近しい楽器だと音色自体の区別が難しいと思います。それを、音の揺らぎや発音などの違いなども使ってそれぞれの楽器が持つ音色を表現しているのはとても面白いと感じました。
→ 楽器音の特徴としてもっとも人間が敏感なのは、ロングトーンで続いている部分だけでなく、音の立ち上がり部分、つまり吹奏楽器なら息を吹き込む瞬間、弦楽器なら弓で音を鳴らし始める瞬間、などがとても重要です。今回のPCから鳴っている「楽器音」というのはとてもチープなものですが、楽器メーカが本気で作っている電子楽器音では、ブラインドテスト(ホールで実際に本格的なスピーカ群を駆動した場合)をしてみると本物の楽器と違いがわからないレベルのものもあります- 今回初めてmaxに触れて、まだわからないことはたくさんあるがこのソフトでできることが数えきれないほどあるのだろうと楽しみも広がった。このmaxは、決められた枠の中に打ち込んでいくのではなく、ナンバーなどのボックスを追加していき、それを自分で自由自在に線で繋いでいけるのが、まるでホワイトボードにマグネットを並べてそれをペンで繋いでくような、アナログに近い感覚がありとても魅力を感じた。最後のアラームの問題を自分なりに解決した( 画像 )。自分でもかなりごちゃごちゃとして無駄が多いように感じた。パッチ9を見たらとてもすっきりまとまっていて、特に24で割ることに気づけなかったのが悔しい。けれど、プログラミングを一度自分で悩んで考えるのも、個人的にはかなり楽しかった。
→ 苦闘の跡が良くわかります(^_^;)。でも、スグに解答例を見ないで自力で考える(パズルみたいなもんです)ことはとても重要です。例年、デザインの学生はこの「プログラミングの壁」を越えていく者と、諦めて他の道を探すしかない者とに二分されるので、頑張って壁を越えてください- ループさせてしまうとパソコンが使い物にならなくなることからこのソフトを使うのが少し怖くなった。時間を測るシステムを使って一秒より短い(例え0.1秒など)時間を測るシステムはどの様に配置したら出来るのかまた作ることは可能なのか疑問に思い自分なりにやってみました。metroの0を一つ増やしてみやのですがそれで正しいのか分かりません…
→ 無限ループや「ゼロで割る」という事をしたら問題が起きるのはMaxに限らず全てのプログラミング環境に共通の真実です。問題なくmetroの時間を設定する方法は次回に紹介する予定なので、先走りはやめましょう(^_^;)。Maxの時間の単位は「ミリ秒」なので「metro 1000」で1秒(1000ミリ秒)です。「metro 10000」なら10秒ごとになります。0.1秒であれば「metro 100」、0.01秒であれば「metro 10」ですが先走りはやめましょう- 「ゆらぎ」という作品を見て、高齢者の方の足腰の運動に画面の動きを取り入れるシステムが、高齢者の足腰の老化を防ぐとともに、彼らにデジタルによる温かみを伝えられると感じました。もし私がこのように動きに画面が対応するシステムを作るとしたら、子供の手遊びで、同時に何本の指で押したかに対応して画面が動く作品にしたいと考えました。
→ 同時に何本もの指で押す・・・というのを検出することも可能です。足腰も重要だし、両手の指を別々に使う/動かすというのもとても重要です- Maxの登場が当時大きな衝撃を与えたのと同じように、私もその存在を知って、電子音楽に対するイメージが大きく変わりました。今まで電子楽器といえばシンセサイザーが思い浮かびましたが、Maxでは鍵盤はもはやいりません。モノに縛られず、音の装飾も自由な音楽を実現できたのはすごいと思います。文字を打つのではなく、視覚的にプログラミングできるところも、操作しやすくていいなと感じます。
→ そうです。Maxは何でも出来る魔法の道具なのです。ただしもっとも必要なのは、それを使う人の想像力と創造力と妄想力です- SUACインスタレーションでは「Augmented Garden」を視聴して心地よい気分になりました。砂の感触、流れや模様など、視覚と触覚が音楽と組み合わさっていて、より自然っぽさや音の美しさを感じる作品と感じました。展示場所が暗がりになっていたので、さらに砂の中に蛍のように光る素材など入れる効果を付けても綺麗かもと思いました。
→ 触感とセットになっているところがいいと思います。SUACで初めて開催したメディアアートフェスティバルでしたが、新聞が取材に来て 紙面 に載ったのも、SUAC学生の作品ではなくて慶應SFCのこの作品でした- また、自然の音について調べたなかで、日本人と西洋人で脳での音の聞き方が少し違うことを知りました。日本人はより自然の音から季節や気持ちなど意味を見出していることに共感しましたし、面白いと思いました。 (参照)
→ 日本人というよりアジア圏に共通です。モンスーン気候の風土は、全てのものに生命が宿るとか、自然の中のそこかしこに神が宿る・・・というような文化を醸成しました- 教材ムービーの中で「jitter」をわたしが生まれた頃くらいにSUACで発表したという話を聞き、すごく羨ましくなりました。地面に配線などを張り巡らせて、実際にパソコンを使いながら教えてもらえるだなんて、夢のようだと思います。教室にたくさんの人が入っていて、熱い眼差しで説明を聞く写真からも熱量が伝わってくる気がしました。
→ あの時にSUACに日本中から集った若者が、今では色々な領域で日本のテクノロジーアートを引っ張っていると思うと胸熱です(^_^)- プログラミングもしたことがなく、パソコン操作も苦手なので正直ものすごく不安です。動画を見て、ループはしないのに気をつけようと思いました。Maxの操作で想像したよりもたくさんのことが出来るみたいでとても驚いていますが、とても楽しみです。
→ 英語みたいなのを打ち込むよりは直感的で、Maxのプログラミングでは理系でなく文系でも多くの人が「壁」を越えているので頑張って下さい- サイトを確認したのが遅かったため、先生にkeyを教えてもらうメールを送るのが遅くなってしまい、まだMAXのkeyがまだわからない状態です。なのでMaxを使ってみた感想ではなく動画を見た感想を今週のレポートとして書きました。来週からは火曜日にはすぐサイトを確認しようと強く思いました。よろしくお願いします。
→ さきほどキーを送りましたが、前日/当日になってのリクエストは8人もいました(^_^;)。ちゃんと早めにチェックをお願いします。ちなみに次回の内容は超・盛り沢山なので月曜にはアップすべく僕も頑張っています- 今回初めてMaxを触りましたが、やれることが本当にたくさんだと思いました。Sample4でのシンセサイザを作ってみようでは、数字を変えてピアノから声までたくさんの種類の音が出せたのは面白いです。個人的にギターフレットノイズがあることに驚いたし、このような細かい音でリアルな演奏に聞こえるのだとも考えました。また補足でギターフレットノイズを鳴き声にしてしまう発想にMaxの使い道の広さを感じました。適正音域は、正しいと本物のようになるけれど、反対に別の音にしてしまうのも楽しそうです。プログラミングはとにかく文字を書いていく難しい作業という発想だったのでMAXの仕組みは自分でもやってみようと思えました。
→ 「適正音域は、正しいと本物のようになる」というのを拡張して、「適正音域をわざと外して別の音にしてしまう」という発想の転換は、サウンドデザインの世界では他にも色々に拡張できるので、どこか頭に置いておきましょう- 今までAdobeのAuditionは使ったことがあったのですが、Auditionだとファイルから既に録った音を入れて編集すればいいのである程度の手順を踏んで制作していましたが、Max8は新規ファイルを開いたら真っ白だったので、その時点で2つの音を扱うソフトの違いを感じました。ぱっと見た感じでは何から始めればいいのか分かりませんでしたが逆になんでもできるのかなと思いました。音に関係している、プログラミング、と聞いたときはAuditionや上から下まで文字が並んだJavaScriptの画面のような感じかと思っていましたが全然違いました。でも、文字ではなく視覚的で、白いキャンバスに絵を描いていく感じに見えたので楽しそうだなと思いました。
→ Auditionはプレミアと同様に「タイムラインにコンテンツを並べていく」というもので、出来上がった作品は「スタートボタンを押す」以外に何も出来ません。Maxは「何でも出来る」ので、極端にはワープロやブラウザだって作れてしまいます- 動画の最後にあったストップウォッチを再現する問題は、時間のところは/ 3600でできたのですが分のところが分からなくて答えを見たら、sample08より1つ間にオブジェクトが増えていて、私はオブジェクトを増やさないでできる方法だけを考えていて増やすという発想がありませんでした。まだ慣れていないというのもあるのかもしれませんが授業が終わる頃にはもっと柔軟な発想で考えれるようになりたいです。
→ オブジェクトを増やしてもパッチのサイズも全体の処理量もほとんど増えないので、人間がわかりやすく、論理的に追いかけられるように作るのがポイントです- 「forest」の音が私が思う森(熱帯雨林やジャングルなど)そのものだったのでここまで自然な音ができることに驚きました。下に載っていたパッチを見てすごく複雑だ…と思いましたが、ここまで自分で作れたらきっと楽しいし表現の幅も広がると思うので毎回の授業を頑張ろうと思いました。
→ あのパッチは別に複雑ではないのです。来週以降にもっともっと凄いのがばんばん出てきますのでご期待ください- Max 8がこんなに自由度のあるプログラムなのかと驚きました。ショートカットキーも他のプラグラムと同じことが多く使いやすいと思いました。今週の授業で感じたことは、inspector(command+I)を使って自由にデータを変えることができる点、makenoteだけでも楽しめることができる点、自分が何を表したいのか(最終にどのような結果を求めているのか)しっかり考える必要があるプログラムということでした。実は、私はsample08の日・時間・分・秒のプログラミングに失敗しました。その原因は、日・時間・分・秒の結果が出るための工夫が足りなかったからだと思います。日(=24時間)、時間(=60分)、分(=60秒)、秒(60以上は表現できない)という簡単な仕組みですが、導き出すためには考えが不足していたと思います。少し悔しいところもありましたが、次からはいろいろ試して成功したいと思います。
→ あそこまではまぁ簡単なのですが、実はその先もあります。興味のある人は考えてみて欲しいのですが、「日」の上になると出てくる「月」というのは、1ヶ月が30日だったり31日だったり28日だったりするのですが、ここに立ちはだかるのがその上の「年」に関する「閏年(うるう年)」です。つまり2月が28日である年と、2月が29日である年のルールは皆さん知っているでしょうか。基本ルールは「西暦が4で割り切れる年は閏年(366日)、そうでない年は365日」です。ただしここに100年に一度の特例があり、「西暦が100で割り切れる年は例外として閏年ではない(365日)」というのがあります。ただしさらに400年に一度の特例があり、「西暦が400で割り切れる年はさらに例外として閏年(366日)」というのがあります。400年に一度なんてのは想像しにくいですが、僕は実際に西暦2000年という「例外中の例外」の年にもプログラミングを教えていて、なかなか貴重な体験をしました- 私は今回の講義で特に、シンセサイザーの仕組みに興味を持ちました。長さや音量は数値によってしか変えることができないと思っていましたが鍵盤の位置でも変えることができ、とても感動しました。noteout 1とpgmout 1は同じチャンネルとのことでしたが、シンセサイザーと繋がっている箇所がないのに、pgmoutの値によって音色が変化するのは、pgmoutの値を変えることで連動してnoteoutの値も変化しているということでしょうか。また、どちらのオブジェクトもなければ音色を変えることはできないのでしょうか。まだ分からないことばかりですが、Maxは様々なことに活用できそうなので今後の講義で疑問をなくし、発想や表現を広げていきたいです。
→ MIDIのチャンネルごとに、異なった設定(音色その他)のシンセサイザが定義できます。1チャンネルのシンセサイザに対して「pgmout 1」で音色番号を送り、そして「noteout 1」で発音情報(この音が鳴った)というのを送るのです。音色の初期値はピアノ(pgmout=1)となっていて、最後に設定された音色番号に上書きされます。段々に慣れていきましょう- 今回の授業で初めてMaxを使用しましたが、とてもプログラミングとは思えない手軽さに驚きました。私は一年次の情報処理でのJavaScriptにかなり苦戦してからプログラミングに苦手意識をもっていたのですが、Maxは基本はコードをつなげたりオブジェクトに機能を入力したりするだけで様々な機能を気軽に楽しめるので、プログラミングという分野でも前向きに取り組むことができると思います。そしてサウンドデザインの範囲ではないですがMax自体は30年ほど前から存在するということで、その当時から大まかな形態が変化していないことに感動しました。デザインには機能性が求められるといいますが、こういうことなのだなと感じました。
→ あらゆるものが刻々と変わってしまって過去の蓄積が継承されないこの時代、Maxの基本的なコンセプトが継承されていることを「デザインには機能性が求められる」と看破するとは素晴らしいです- 時計を自身で作成する際に、定数0を使ってリセットする方法を思いつき試してみましたが、うまくいきませんでした。これを使った方法があるのでしょうか。もしあるようでしたら、簡単なヒントをいただきたいです。自身の課題に設定したいです。
→ パッチを開いた時に色々な変数を初期化する方法は次回のサンプルに出てきます。とりあえずは刻々とカウントアップする変数に定数ゼロを与えれば初期化できます- 前回のレポートでバイノーラル録音について質問した者です。丁寧な回答ありがとうございました。長嶋先生の論文を拝読しましたが、まずダミーヘッドでの録音が古典的ということに驚きました。Maxでも音声が作成できるということで、なにかの機会にチャレンジしたいです。昨今では「リアル以上」が求められるという点で、心理学とより密接な関係性が出てくると思います。リアルな音声と、それを表現したバイノーラル音声を聞いた時では差があるのか気になりました。
→ Maxでサウンドを扱う、というのはこの前期のMaxプログラミングの3つの柱の2番目ですのでおいおいやります。「心理学」と絡んだ発展については、ちょうど今、3回生が僕の「音楽情報科学」で始めたところですので来年に履修して下さい- 時計の問題で、私は全ての値をもとの数字から計算するように組んだので、無駄が多くなってしまいました。もっとオブジェクトが増えたときに、ミスを見逃したり修正が難しくなったりすると思います。それを防ぐためにもシンプルな考え方ができるように練習したいです。
→ 最初はどんどんオブジェクトが増えるので大変ですが、実はMax歴30年の僕はたいしてオブジェクトを覚えていません。忘れたらヘルプを引く・・・という技を活用しています。これも今後、紹介します。基本的なオブジェクトで相当のことが出来るというのが重要なことです- SUACインスタレーションでは、ICカードバトラーが気になりました。ICカードの固有情報を読み取ってスコアを生成するとありますが、読み取った際に一枚ずつ計算しているのでしょうか? あるいはあらかじめキャラクターとスコアの組み合わせを何通りか結果を作っておいて、生成した値に近いものを表示しているのでしょうか? また、キャラクターだけでなく技のカードも作って対決させられるようにしたらもっと面白くなるかなと思いました。
→ ICカード(Suicaなど)には全て、メーカ(Sony)の製造番号として世界中にその1枚だけ、という情報が書き込まれています。これを読み取って、その製造番号から「あるルール」でスコアを生成しているので、ランダムでなくそのカードごとに固有のスコアがあり、それを両者のカードで比較して勝負させています。ただし僕は「あるルール」を切り替える機構も作ったので、例えば今日と明日でそれを変更すると、今日と明日では勝負は違う結果になることも可能です- 今回の授業はMax8を起動させたりシステムを理解するのに必死で授業の理解があまり追いつきませんでした。でも何とか立ち上げることができたし、これから資料や参考作品などを見返してMax8の使い方やどのように作品に生かしていけるかをしっかり学んでいきたいです。レポートの内容ももう少し濃いものにしたかったのですが時間がなくてとりあえず出席確認のためにメッセージを送らせていただいています。申し訳ありません、、。
→ まだあなたはギリギリ、追いついているので頑張って下さい。先週レポートを出さなかった4人のうち3人は履修登録を抹消して消えました- 映像まで手掛けられ表現の幅が本当に広いなと思い「Max/jitter」に特に興味が惹かれました。YouTubeで作品を調べてみると昔みたprocessingの動画に雰囲気が似ているように思いました。processingなどさまざまなソフトがあるなかでどのソフトがどのような特色を持っていて使うタイミングはいつがベストなのかかんがえるのは大変難しそうです。色々と試していくうちに自分の使いやすいソフトがなんなのか見つけていきたいと思いました。また、ピアノの音でベーゼンドルファーのことは知らなかったが演奏を聞いてみると97鍵だと重みが変わってきてだいぶ印象が変わりました。ベーゼンドルファー以上にキーの高さや、音自体の変化、緩急が簡単につけられるデジタルツールの音はとても可能性が広がっているのだと改めて感じました。
→ 「ベーゼンドルファー」です(^_^;)。Processingについて興味があれば僕の Processing日記 を参照して下さい。ProcessingとMaxとで連携(通信)した事例もあります- forestの謎の生き物はパッと聞いただけではフレットノイズとは思えませんね。以前ホルンを吹いていたことがあるので動物の鳴き声を楽器で再現することは珍しくないと知っていますが、この謎の生き物の場合は本物のギターでは多分出ない音…ですよね。ファンタジーなゲームなどでも「リアルだけど現実にはない音」というのがいっぱいあって、いつもどうやって作ったのか気になります。midi音源だけでも意外な音が隠れていそうですね、じっくり探してみます。
→ 名前としては知られた楽器でも、通常音域外にすると意外なキャラが出てきます。クラシックでお馴染みの管楽器や弦楽器であっても、例えば相当に低い音域では、怪談に使えそうな「もののけ」にもなったりしそうです- 第3週(5/26〜5/29)
- 今週の教材動画(85min)
- 本日のサンプルパッチ(1)
- Max8プログラミング part3 - 自動演奏とドラムマシン
- 前回の思い出し - 1秒カウンタで時計(タイマ)を作る (sample09)
- MIDIの10チャンネルは打楽器トラック専用(1〜9チャンネル、11〜16チャンネルは楽器トラック) (sample10)
- MIDI 10チャンネルの音高と打楽器名の対応
- 「metro」と「1」と「+」と「% 8」と「select」で簡易シーケンサが出来る (sample11)
- metroで絶対に禁止なのは「時間ゼロ」
→ 変数の「インスペクタ」(Command+I)で変化の最小値を設定する- select - 特定の値でヒットしてbangを出す
→ 左端出力から順に指定した数値にヒットしたらbangが出る
→ 右端出力は「どれにもヒットしなかった時に出る、入力の数値」※ここだけbangではない → イモヅル式に次段のselectに繋げる- 簡易シーケンサとMIDIの10チャンネルで簡易ドラムマシンが出来る (sample12, sample13)
- 「16ビート」の簡易ドラムマシン (sample14)
- 「Maxドラムマシン」のためのドラム講座/リズム(ビート)講座 (今年は音楽室が無いので軽くパスします(^_^;))
- バスドラム(BD) 36
- スネアドラム(SD) 38
- ハイハット(HH) 44
- オープンハイハット(OH) 46
- クラッシュシンバル 49
- ライドシンバル
- タム(HT/MT/LT/FT)
- リムショット
- ハンドクラップ
- 8ビート、16ビート、シャッフル/バラード(12ビート)
- リズムの基本は4ビート(BD, SD, BD, SD)
- SDの場所はどんなリズムでも同じ(合いの手で裏拍に入り、ライヴなら手を叩くところ)
- 8ビート = 4ビート(BD, SD, BD, SD)のそれぞれとその合間にHHを計8個入れるのが基本
- 8ビートを8ビートらしく感じるには8つのHHと合わせて隣接したところでBDを連続で蹴る
- 16ビート = 8ビートのそれぞれとその合間にHHを計16個入れるのが基本
- 16ビートを16ビートらしく感じるには16個のHHと合わせて隣接したところでBDを連続で蹴る
- 騎馬民族由来のシャッフル/バラードのリズムは1拍を2の累乗でなくて3分割する
- 12ビート = 4ビート(BD, SD, BD, SD)のそれぞれとその合間にHHを2個ずつ、計12個入れるのが基本
- key - PCのキーボードで押されたキーのASCIIコードを得る → selectでそのイベントがbangになる!!
- 「左」「右」キーで「合いの手」入り(ライヴ演奏)ドラムマシンが出来る (sample15)
- 「上」「下」「左」「右」キーで「合いの手」入り(ライヴ演奏)ドラムマシンが出来る (sample16)
- gate - 制御入力により情報を振り分ける(2入力なら単純なスイッチ) - sample17
→ 「gate」は特例的オブジェクトであり、左端入力は出力振り分け先を指定するだけ(何も出ない)で、実際には右端入力があればダラダラと指定振り分け先から出力されるので注意- counter - 3つのモード (インクリメンタの進化形) - sample17
→ 第1パラメータが「モード」(0=up, 1=down, 2=updown)
→ 第2パラメータが最小値(整数)
→ 第3パラメータが最大値(整数)- 本日のサンプルパッチ(2)
- Max8プログラミング part4 - プログラミングをスッキリさせる重要な概念いろいろ
ここが「Maxプログラミング」のある意味で天王山です。頑張って乗り越えると楽しい世界が拓けるので頑張ろう
- send と receive - sample18
- patcher (サブパッチ) による階層化・構造化 - 「プログラミング」の肝 - sample19, 20, 21
- loadbang - パッチが開かれた時にbangを出す→初期化 - sample22
- preset - パッチ内の全ての変数を記憶するプリセットボタン - sample23
- ショートカット「Command+K」 - 実行時不可視(hide on Lock)
- ショートカット「Command+L」 - 実行時可視(show on Lock)
- ある先輩の作品例 - "OB1.zip"
- 中級編の補足(頑張る人のために)
- 長嶋が初めて「Max」の解説記事を書いた本
→ 長嶋の書いた本の中の この本 (図書館にある)- その中の「アルゴリズム作曲」のところをWebに置いたのがこれ
→ この本は1999年出版と古いので、Maxのバージョンも古いことに注意。ただし当時のパッチはMax7でも読み込んでMax7版に書き出せるので以下に紹介する- この記事にあるMaxパッチ「***.max」をMax版に書き出したもの(をまとめたzip)はこれ。「***.maxpat」となり、Max7で開けられる。ただしMIDIインターフェースを接続していないとMIDI入力モノは何もしない(^_^;)。MIDI出力モノはdefaultのソフトシンセが鳴る
- ↑このサンプルの最後の3つのパッチは今回の課題にも応用可能
ただしかなり上級編。その最後の実際例が↓- (参考)長嶋が1995年に作曲・公演した作品 "David" に実際に使ったパッチのうちの一部
- そのパッチがこれ
- 当時のノートパソコンの画面は小さかったのでこれで画面一杯(^_^;)
- このパッチを走らせた後には、MIDIチャンネルボリュームや音色が変更されているので、「Max7をQuit」すると音源が初期化される
- センサ関係の入力や、パフォーマンスで鳴らす部分はカットしてある
- 使い方は後日、講義の中で解説するカモ
- 来週の予告
- ベースを付ける
- アドリブピアノを付ける
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。詳細は前回と同じです。内容としては、感想、質問、1週目の「なぜMaxなのか」関連 などです。分量はおよそ150文字〜300文字ぐらいを目安とします。提出期限は5/29(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
- 第3週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- プログラミングして音楽を作っていたが、自分が演奏して録音したものをそれに合わせてミックスできるのだろうか? それが出来れば1人でバンドが完結するのかなと思いました。
→ 今回はあまり扱いませんが外部に接続したMIDI楽器の演奏情報をまるまる記録(録音)する「seq」(シーケンサー)というオブジェクトで自分の演奏をレコーディングできます。また次回以降に扱うMSP(Maxの音響処理)で自分の楽器演奏のサウンドをレコーディング(サンプリング)できます。なので「1人で完結するバンド」は容易です。今回のレポートは81文字と規定より少ないのでプチ減点です- ドラムマシーンを作る過程が理解できたり、次はどうなるだろうと考えながら講義を聞いたりすることが楽しかったです。そこで、疑問があります。前回と今回で習ったことを使って、ピアノの音階を指定して、伴奏を作ることはできますか。また、selectの先にさらにmetroとselectを繋いで、長い範囲の繰り返しを作ることはできますか。
→ まさにそれを次回にやります(^_^)。「selectの先にさらにmetroとselectを繋いで」というのはたぶん間違っていますが、今回の1小節とか2小節のループを色々と繋いで長いループにするというのは妥当な考え方です。試作したパッチを送ってくれれば添削します- makenoteとnoteoutのつなぎ方のような、左の入力や右の入力などの使い分けがよくわかりません。入力、出力の、左右それぞれの意味はどのようになっているのですか。
→ 第2週のレポートの中にあった質問で回答した内容と重複しますが、Maxのオブジェクトでは左端の入力が入ると出力を出します。それ以外の入力(右端とか途中)については、その入力があっても何も出力されず、入力情報はオブジェクトの内部に上書きストアされます。それぞれの意味は編集モードでオブジェクトのそれぞれの入力端子の上にアイコンを持っていくと英語で表示されます。さらにオブジェクトを選択した状態でそのオブジェクトの「ヘルプ」(これ自体もパッチです)を引くと、それぞれの入力(引数)の詳しい解説があります。これは次回に解説します。ちなみにMaxのオブジェクトでは、出力がいくつもあった場合には、右端がまず出力され、途中がそれに続き、最後に左端からの出力が出ます。これを「right to left outlet order」と言います- Max consoleの重要性がわかりました。これから、Maxの制作中で、Max consoleを開けておくことを心がけていきたいと思います。
→ エラーが表示されるだけでなく、「print」オブジェクトによって、途中経過のデータを表示させることが出来るというのもMax consoleの重要な役割りです。僕はいつも画面の隅に置いています- 今回はMaxプログラミングの天王山ということで、ややこしくて重要な情報がたくさん出てきました。動画を見るだけではとても理解できなかったので、Sample23のパッチを模倣して8ビート版を作ってみました。動画で見ていたときは”よく分からないがすごい“と思っていた物がなぜそうなるのか理解できてきてきて楽しかったです。ところでその途中で気になったのですが、Sample23ではpresetの下に変数のオブジェクト[> ](←のような)が繋げてあったのですが、presetの左から二番目の出力に繋がっていました。あれはあそこに繋げないといけないものなのでしょうか?
→ presetの出力は4つありますが、左から2番目の出力端子にカーソルを持っていくと「左上の入力から与えられたりボタンをクリックして呼び出された「Recalled Preset Number」がここから出る、と表示されます。そのためにここに繋いでいます。左端の出力は異なる意味を持ちます(ヘルプで調べてみましょう)- 最後の方で紹介していた先輩の作品ですが、丸とか波線などで音を形にして表示しているので視覚的に見ることができ音楽を聴くだけより楽しめていいなと思いました。ただ、編集モードにした瞬間鳥肌が立ちました。恐ろしい線の量ですね…。今回の授業は覚えることがたくさんあったので実際に自分で作ってみないと理解できなかったです。今回のことを使えば、より見やすくすっきりとしたパッチが作れるので今後活用します。作業している時「send 1」というパッチを作るとエラーが出てしまいました。「send」や「receive」の後に数字を持ってくるのはなぜいけないのですか?
→ 「send」や「receive」の後には、基本的に自由な名前のパラメータを定義できますが、パラメータ名として「単なる数字だけ」は数値データと間違うために禁止で、半角文字と組み合わせて「d1」とか「1d」などとして下さい- 動画を見ながら同じように編集してみたりしましたが、ついていくのがやっとでまだ理解できてない点も多いので、何回もやりながら使いこなせるようにしたいです。Max8のようなソフトを今まで触ったことがなかったので、selectを使うことで一度スイッチを入れればずっと演奏が続くドラムマシンに感動しました。Max8を音を扱うソフトだと思っていたので、OB1.zipのように視覚的にも楽しい作品も作れることに驚きました。難しいことをやっているのかと思いましたが基本は今回までに習ったことだと分かったので、ここを乗り切れば楽しくなると思って頑張ります。
→ Maxはサウンドだけでなくアニメーションも出来て、さらにはリアルタイムに3D-CGレンダリングとかまで出来る、優れものです。過去に「サウンドデザイン」を受講した学生の最終課題(つまりはあなた方の7月末と同じ)の一部は、 「サウンドデザイン」Maxパッチ作品集(70min) として既に置いてありますので、これを眺めてみて下さい。頑張れば、ここまで、あと2ヶ月で出来るようになります(^_^)- 先生の授業はとっても面白いと思います。先生の作品「David」を拝見して、ショックを受けました。使い方を知りたいです。先生の解説を楽しみにしております。そして、先輩のMax(OB1.zip)作品は凄いと思います。もしLEDスクリーンで再生すれば、衝撃的な視覚効果を生むかもしれません。
→ 「David」パッチのプログラミングはそれ自体が「作曲」なのですが、ちょっとここに簡単に書けないので、他にも希望があれば解説特講のZOOMレクチャーをやりましょう- 今週の授業に関して、二つ質問があります。オブジェクト「gate」の右端入力はgated massagesを取り込みます。この入力はどのようなメッセージなのですか。そして、「gate」のhelpの中の「advanced項目」についてです。オブジェクト「gate 3 2」の最後の数字「2」 は、右端入力によってこの数値を変えられますか。この部分がちょっと気になりました。
→ 第一の質問ですが、「gate」の右端入力としては、数値、メッセージ、bang、など「何でもOK」です。オーディオ信号(今後、やります)に関しては別に「gate~」があるのでここには入れないで下さい。第二の質問ですが、まず「gate 3 2」とした場合の第2パラメータの意味ですが、「gate」が呼ばれた際の初期状態は「全てのgateが閉じている」(左端入力はゼロ)です。これに対して、「gate」が呼ばれた際の初期状態としてどこかの出力を開けておきたい場合に第2パラメータを指定するので、「gate 3 2」であれば3系統に出力を振り分けるgateで、そのうち2番目、つまり真ん中の出力が開いていることになります。そして質問について回答すると、これは初期状態の設定値であること、そして「gate」は特殊で右端入力を出力に振り分けるオブジェクトであることから、この「初期状態の設定値」を書き換えることは出来ません(初期状態なので後で書き換える意味が無い)- 最初は画面がごちゃごちゃしてて混乱したが、終わる頃にはとてもスマートなプログラミングになって驚いた。%8が省略できたり、patcherによって隠せたりとするのでとても魅力的に感じた。しかし隠れているだけでそのプログラミングは存在して、そして基礎があるからこそ発展してスマートになっていくと思うので、段階をしっかり踏んで丁寧に覚えた上でスマートな画面作りをしたい。子パッチの配置を逆にしても親パッチが対応したりと、とても親切な設計だが甘えすぎてもいけないなと思った。
→ 単に「箱を繋いでプログラミング」というような真似っこの体系は他にもあるのですが、Maxの「子パッチの配置を逆にしても親パッチが対応したり」というアレは、まさに「きちんとしたプログラミング体系」であれば当然ですが、なかなか出来ないことです。しかしアレがある事で、我々は安心して高度な・複雑なアルゴリズムの構築に挑戦できるわけです(^_^)- ドラムマシンを作る際に、8ビートや16ビートのドラムを叩くタイミングの理解が難しく不安に感じた。音楽的知識も必要になると思ったのでドラムやギターの基礎知識ぐらいはつけたい。質問ですが、既存の楽曲でこういうものが学びやすいというオススメなどはありますか?
→ うーーーむ。他にも希望があれば解説特講のZOOMレクチャーをやりますが。ネットで「初心者のためのドラム講座」みたいなタイトルで検索すると、最近であればプロミュージシャンからアマチュア愛好家まで、親切丁寧なYouTubeレクチャーとかがあると思うので探してみて下さい。「この曲のドラムはどうなっている?」という質問(これはなかなか高度な「耳コピ」という作業です)にも対応できます- 動画を見ながらcounterやsend-receiveと子パッチを使ってなんとか簡単な8ビートのドラムを作ることができました。動画を見返しながらやったのでかなり時間がかかってしまいましたが、その分達成感がありました。しかし、まだ使いこなすところまで行っていないので、復習をして身に着けていきたいです。
→ 自分で理解して作れた、というのはとても重要なことです。たまに、僕が提示したサンプルパッチをただ実行させただけなのに「理解できない」と言ってくる人がいますが、それは当然の報いです- 「David」の動画を拝見しました。この動画が25年前のもので、その当時でもMaxを使ってデジタルアートのパフォーマンスができてしまうことに驚きました。このプログラミングで使われていたテクニックについてもう少し詳しく知りたいです。
→ これで「David解説特講」希望者は2人目となりました。あと1人、出てきたら、解説特講のZOOMレクチャーを企画したいと思います- 今回の授業で、色々な手法が出てきましたが、receiveとsendが便利でした。制作中、線がごちゃごちゃしてしまい、間違って選択し消してしまうことが多かったので、解消できるのが有難いです。また、合いの手を入れられるのも好きです。キーボードと音を対応させられるので、言葉をしゃべらせたり歌うのもできそうと想像が膨らみます。あとドラムをつくるときに、ビートとテンポがよく分からなかったので、見つけた このサイト でも色々試しているところです。
→ 「合いの手」は、「再生するだけの音楽」から「参加する音楽」(インタラクティブ)への進化なのでとても重要です。参考サイトのサンプルは8ビートのようで実は16ビートですが、いろいろ参考にして下さい- 「key」を使ってキーボードの多様な数字を「Select」する,「gate」は「Select」の中にある数字の流れ順番を決めて変わったサウンド(変奏)ができるわけではないか、と思いました。「Command+K」と「Command+L」を使って見せたいところだけ見せることで、Maxを使うことができない人のために見やすくすることができると思いました。また「Build collective/application」を使うとmaxを知らない周りの人に自分が作ったデータを送りやすくなると思いました。ある先輩の作品例 - "OB1.zip"を見て、何年前のある駅で先輩作ったような作品を見たことを思い出しました。その作品は音声に合わせてLEDの画面に光が入ったり消したりした作品だったんですが、この駅で見た作品もMaxを使って制作したことではないかと思いました。どんどん複雑な作業になり、頑張らないとどんどん難しいことになると思います。もっと頑張って理解できるようにします。来週の授業もよろしくお願い致します。
→ その駅の展示作品については、おそらくMaxではないような気がしますが、あとは全体の把握はOKです。頑張っていきましょう- 今回の講義は、新しい内容がたくさん出て来てついて行くだけで精一杯でした。何度も動画を見て復習することで、しっかり理解して自分でもプログラミングが出来るようになりたいです。sample17でgateに1、2、3以外の数を入力したらどこもカウントされなくなるのか気になったのですが、やってみたところ最後にカウントされていたところがずっとカウントされていました。これは、数がどこにも対応していなかったためgateで止まり、出力されなかったということでしょうか。
→ 実験してみたのですが、例えば「gate 3」の場合、左端入力が1なら「出力1」、左端入力が2なら「出力2」、左端入力が3以上なら「出力3」、となりました- 一通り教材動画とサンプルパッチで学んだだけでは理解ができないところもあったので、何度も見返してわからないところを1つずつ解決していった。 すると、だんだんと理解できてくる過程で嬉しく、楽しい気持ちになった。今後、プログラミングの壁にぶつかってしまってもこの気持ちを思い出して、諦めずに挑んでいきたい。質問ですが、先生は作品制作でプログラミングがうまくいかずに壁にぶつかった経験はありますか。経験がありましたらその時のエピソードを教えていただきたいです。
→ プログラミング歴が40年以上(プログラミングのプロとなって35年以上)である身にとって、「プログラミングがうまくいかずに壁にぶつかった経験」を思い出すというのは至難の技なのですが(^_^;)、サエない時にはうまく解決できず、そういう時には無理に続けず寝るとか気分転換・・・というのは王道です。特にやってはイケナイのは「徹夜」です。皆んなの中には「頑張る」=「徹夜」と勘違いしている人もいるかもしれませんが、ことプログラミングに限れば、無理に続けたり徹夜したり、というのはまったく駄目です。むしろサッサと寝て、早起きして、冴えた頭で取り組むのがbestだと思います- 先輩の作品"OB1.zip"を見ましたが、Maxでアニメーションを作れるのは視覚的にも楽しめるので興味深かったです。ただ編集モードにはおどろきました。今回はたくさんの概念や使い方を学びましたが、どれも覚えないとこれからつまづきそうなので復習を重ねていきます。プログラミングもですが、今回のドラムマシンで先生が音を調節しているのを見て、サウンドの正しさというか、このサウンドがいいというタイミングの見つけ方も知っていきたいです。
→ あれは簡単にやっているようですが、「このサウンドがいいというタイミング」というのは、実はその人の感性に依存しているので、僕が何気にやっているのを真似することは難しいです。僕は学生時代(高校〜大学)から社会人時代の初期まで、ずっと色々なバンドでドラムをしていたので、何か新しい曲を聞けばスグに叩けます(今は無理かも)し、身体が基本的なビートのパターンを知っているからです。ネットで「初心者のためのドラム講座」みたいなタイトルで検索すると、最近であればプロミュージシャンからアマチュア愛好家まで、親切丁寧なYouTubeレクチャーとかがあると思うので探してみて下さい- 今回はドラムマシンとパッチをスッキリさせる方法について学びました。私はいつかドラムを叩いてみたいと思っていましたが、叩くには楽器も場所も必要だし、叩けるようになるまでの練習も必要です。ですが、Maxでプログラムをすれば自分の好きなビートを叩いてくれるドラムが完成します。さらに自分がキーボードを叩いて合いの手を入れることも可能です。Sample15のkeyの楽器の音をバスドラやスネアに変えて自動演奏と合わせて叩いて遊んでみましたが、これはリズム感を掴む勉強にもなりましたし、何より楽器ができなくても簡単に演奏する楽しさを得られます。Max demoでもいくつかプレイヤーも演奏して楽しむ趣旨のゲームがありましたが、私もそう行ったゲームを作りたいと思いました。
→ 従来の音楽演奏においては、それぞれの楽器をマスターするための「練習」というのが必ず壁になっていたのですが、Maxのように自在に何でも出来るようになると、もっとも肝心なのは、「生まれてくる音楽/サウンド」がイケてるかイケてないか、を聞き分ける「耳」(感性)の勝負となる、という事実です。少なくとも身体的訓練の部分ではかなり手抜きできるのですが、その分、システムが生成している音楽を漫然と「是」とするのでない厳しいチェックがあってこその音楽オリジナリティとなります。頑張りましょう- ドラムの知識は全くないのでどれがかっこいいリズムなのかはあんまりわからないのですが、サンプル13でダイアルをスネアドラムやハイハットなどにいろいろ繋いでみるとリズムが変わっていくのがやったことのない楽器を体験できているような楽しさがありました。また先週のコメントで「なるべくシンプルは基本中の基本」とおっしゃっていたので、パート4の方法から無駄な部分を整理できるようになりたいと思いました。
→ 別にセオリー通りのドラムパターンでなくても、自分が聞いていてOKであればOK、というのも真実なので、音楽的経験とか音楽的知識についてはあまり心配しなくていいです。ただし「美しいものは美しい」・「楽しいものは楽しい」と感じるセンスは全てのデザイナに求められるものなので、その感性は磨いて下さい- 今回の授業を受けて、最初は理解するのが大変で何度も同じ部分を再生しては繰り返し見て、理解するのにかなり苦戦していたのですが、だんだん理解できてくると凄く面白くて楽しかったです。いろいろと理解できるようになったら凄く楽しいんだろうなと感じます。今は正直ついていくのがやっとですが、これからも頑張っていきたいと思います。ドラムマシンを作るのがとても面白くて興味深かったですが、ビートの理解が難しくて混乱しました。授業を重ねるごとにMaxについての新しいことを知ることができ、とても楽しいです。聞くだけではなくて見て楽しめる作品がMaxで作ることができるということにすごくワクワクしました。
→ 次回はドラムにベースを加えて、さらにピアノや三味線でメロディーを入れる方法をやって、最後にはアドリブピアノの生成までやりますのでご期待ください- 前回で初めてmaxに触れたのに、今週でもう覚えることがたくさんあって正直圧倒されてしまった。先週までで、これからもっと複雑なプログラミングになったら画面がごちゃついてわかりにくいのではと少し疑問に思っていたのだがsendとreceiveやサブパッチを知って納得した。そして実行時不可視と先輩の作品を見て、今までプログラミングは裏でやるものだと思っていたが見せるプログラミングもあるのだと衝撃を受けた。しかし私は音楽に関してこれまで触れたことがなく、リズムの良し悪しがよくわからず、これから作曲していけるかがまだ不安である。
→ 「作曲」についてはこの科目の必須目標ではないのであまりプレッシャーを感じる必要はありません。コンピュータ(Max)の助けを借りると、なんだか作曲したみたいな気持ちになる・・・という一種のエンタテインメントを楽しむ、ということでも十分です。ただしその先には、自分が全てを決定する(「神」となる)というプログラミングの素晴らしい世界が待っているので、逃げないことが大切です- 前回のレポートからProcessingについて興味を持ちリンクを貼っていただいたProcessing日記を拝見しました。わたしはプログラムの知識不足のため理解できないところもありましたが、透明度を設定できるところ等をみてMaxと同様に表現の幅が広そうだと感じました。グラフィックデザインの分野でサイケデリックな表現や幾何学形態の表現のアイデアを出すときであったり、アニメーションの心理描写を表すような時に使ってみると面白そうだと思いました。今回の授業内容は内容が濃く、動画を見つつやっていくのがやっとなのですが何度も見返して復習し身につけていきたいです。最終的に綺麗な形で表せていたのが気持ち良かったです。
→ MaxでもProcessingでも、「サイケデリックな表現や幾何学形態の表現」というのは一つのアピールポイントで、そういうのを「数理造形」(数学的な表現や物理現象から生まれる「美」を追求)という世界です。そして「サウンドデザイン」の発展系として後期にある科目が、僕の「メディア数理造形演習」です(^_^)。例えば この動画 では、僕が手作りしたオリジナルのセンサの情報に応じてMaxがサウンドとグラフィックをリアルタイムに「生成」(movieの「再生」ではないところが重要)していますが、このライヴ・グラフィック生成はシンプルな数学的表現による「フラクタル」(一部を拡大しても同じパターン無限に出てくる)です- Davidのパッチ拝見しました。定数やbangをポチポチしながら一個一個わかる範囲で確認をしました。最初はあまりの細かさに面食らいましたが今まで授業で出てきたオブジェクトたちの組み合わせも結構多かったので「ここのグループはこの仕事をしている!」「このオブジェクトの意味はわからないけどこういう仕事をしてそうだ」というのが分かると嬉しいですね。メロディもハーモニーもあまり知識がないので自分がこれを一から作って綺麗な音色にするのはまだ数年かかると思いますが、音を出す機能だけでも2ヶ月頑張って習得できる希望が見えました。
→ 次回に紹介する「table」を多用しているので、その部分はまだですが、「David」の仕掛けのほとんどは解説したものの応用です。・・・と思ったら、あと「BGM」パートでMIDIチャンネルごとにクレシェンドとデクレシェンドを実現している「チャンネルボリューム」も紹介しておらず、その音量データを刻々と変化させるための「line」オブジェクトもまだでした(^_^;)- パソコンのキーボードにドラムやギターの音を割り当ていくと、自分でカスタムした楽器を作るようで面白かったです。それぞれの音にパッチを作ってさらに複雑にしていけば、通常オーケストラでするような音楽を一人で演奏できると思うと、コンピューターで作る音楽の無限の可能性を感じました。
→ 提出もギリギリ最後なら文字数もギリギリ不足です(あなたは先週も提出が「2020-05-22 (金)10:30」と最後でした)。おそらくあなたは他の学生に比べてそれぞれのMaxパッチを実際に自分の手で調べるというよりも、単に僕の提供したサンプルパッチを「なぞって」実行しているか、あるいは教材動画を見ているだけなのでは・・・と危惧します。その程度の取り組みだと、今後の展開(→これによってMaxは飛躍的にその可能性が拡大していきます)について行けない心配がありますので、ここで心を入れ替えてきちんと取り組んで下さい- 第4週(6/2〜6/5)
- 今週の教材動画(77min)
- (補足) Maxオブジェクトの入力端子/出力端子の意味とオブジェクトの「ヘルプ」について
- Maxのオブジェクトでは左端の入力が入ると出力を出す
- それ以外の入力(右端とか途中)については、その入力があっても何も出力されず、入力情報はオブジェクトのパラメータ(初期値として表示されている場合にはその数値)に上書きしてストアされるだけ
- 入力端子/出力端子それぞれの意味は、編集モードでオブジェクトのそれぞれの端子の上にアイコンを持っていくと英語で表示される
- 全てのMaxオブジェクトは、編集モードでオブジェクトを選択した状態で「ヘルプ」メニューから「○○○(オブジェクト名)のヘルプを開く」で、そのオブジェクトの「ヘルプ」(これ自体もパッチ)が出てきて、それぞれのパラメータの詳しい解説がある
- ヘルプ自体もパッチなので、それを編集モードにして必要な部分をコピーして、自分のパッチにペーストできる !!
- 注意ヘルプからコピペで必要なものをゲットした際に、ヘルプが一部でも改変されると(オブジェクトが動いただけでも)ヘルプパッチを閉じる時に「保存しますか?」と聞かれるが、ここでYESとするとせっかくのヘルプが変わってしまうので「保存せず閉じる」とすることが重要注意
- Maxのオブジェクトでは、出力がいくつもあった場合には、右端がまず出力され、途中がそれに続き、最後に左端からの出力が出る。これを「right to left outlet order」と言う
- (補足) 「Max console」について
- 「ウインドウ」メニューにある「Max console」は、常に開いておくことを推奨する
- 何かエラーがあると赤色で表示してくれるので気付きやすい
- Maxパッチ内のあらゆるデータ等は、「print」オブジェクトに繋ぐと「Max console」で表示されるので、動作を確認できる
- 「print」オブジェクトに表示する情報を区分する方法もある → (例) 「print data1」としたらどうなるか??
- (補足) ドラムマシンを「芋づる式」に繋げたいというアイデアの質問について ★
- 「20200527_select_1.maxpat」ではうまく行かない・・・と質問がありました
- その方針で無理やりにやるなら「20200527_select_2.maxpat」という感じです(あまり推奨しない)
- でも、長いパターンを作るなら「20200527_select_3.maxpat」の方がいいと思います
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング part5 - 「自動演奏マシン」にベースとピアノも付けよう
- 前回の復習(send/receiveとサブパッチを用いたドラム) - sample24
- 楽器パートの「音色」は「pgmout」で設定すること。でないと直前の設定の音色で演奏されてしまう
→「loadbang」から「pgmout」で設定しておけば必ず希望する音色になる
→「音色」の数字と楽器名の対応- 同時に鳴るピアノを追加 - ただの「random」だと音楽っぽくなくて駄目(^_^;) - sample25 → 後でちゃんとやります
- 8ビートでどのようにも使えるベースを入れてみる - sample26
→基準となる音(基音)とそのオクターブ上、あと「完全5度」(半音7つ分)上の音、というのがベースの基本- 8ビートでそれっぽいピアノを入れてみる - sample27
→基音をドとすれば、「ド」・「ファ」・「ソ」・「シb」でちょっとブルーノートっぽいテイスト
→ベースの音と喧嘩していない事が重要- 琉球音階で三味線を鳴らしてみる - sample28
→基音をドとすれば、「ド」・「ミ」・「ファ」・「ソ」・「シ」が琉球音階(スケール)
→スケールが正しければそれぞれの音階の出現順序はどれでもOK
→ランダム選択でもOK?- ピアノのスケール(音階)をいろいろ試してみるパッチ - sample29
→8ビートのどこで鳴るかを選択
→何の音を鳴らすかを選択
→その全体をプリセットでまとめて記憶できる- Max8プログラミング part6 - 「テーブル」の活用テクニック
- table - フレーズを描けるテーブル(配列/行列) - 入力と出力の対応を設定する
- 「table」はインスペクタでpatchと共に保存に設定変更すること(defaultでは保存されないので注意)
- 「table」はインスペクタでサイズ(x軸)とレンジ(y軸)を設定する
- sample30 : Pianoサブパッチにtableを置いてみただけのサンプル → 保存とレンジを設定してみよう
- sample31 : tableの保存とレンジを設定してドレミファソラシドを生成
- sample32 : 「if $i1>10 then $i1」オブジェクトは「10より大きい入力の時だけそれを出力する」→休符が作れる(^_^)
- sample33 : tableで設定したスケールの中からランダムに選んでアドリブ生成
- sample34 : tableで設定したスケールの幅により、出現する音階の登場する確率をコントロールできる
- 来週の予告
- 今回までは「音楽データ」でしたが、次回からMaxで「サウンド」そのものを扱います(MSP)
- 「何か(お気に入りの曲の一部など)のサウンドデータ」を用意して下さい(次々回あたりで使います)
長くない(10秒〜20秒程度の)サウンド断片(WAV, AIFF, mp3)をいくつか- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。詳細は前回と同じです。内容としては、感想、質問、1週目の「なぜMaxなのか」関連 などです。分量はおよそ150文字〜300文字ぐらいを目安とします。提出期限は6/5(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
- 第4週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- 前回の補足の内容が充実していて見応えのある授業でした。ヘルプパッチを保存しないことと、楽器パートの「音色」は「loadbang」から「pgmout」で設定することは今回聞いた重要事項の中でもうっかり忘れてしまいそうな雰囲気があるので、しっかり脳に刻み込もうと思います。ピアノを追加する際には、ただ使うだけでは粗雑な印象だった「random」が、「table」を用いることで上手く他の音と折り合いを付けることが出来ていて、Maxにおける組み合わせの工夫の可能性を感じました。そして息継ぎという概念をすっかり忘れていたので、打ち込みでも休符をつくると良いというのは目からうろこで大変参考になりました。
→ 経験的なノウハウをさりげに散りばめていますので、このように重要な事項を抜き出してメモしておくのは有効だと思います(^_^)- 芋パッチで、自ら考え変えることができ勉強になりました。子パッチやGATEを使う方法までは思いつけたのですが、音の頭から切り替わるとこから、先生を見よう見まねでやっていました。複数の命令のセットが合わさるとこんがらがりそうになるので、変数を見える化するクセをつけたり、子パッチで整理したりして気を付けたいです。琉球音階で、ランダムでもいい感じのメロディーが聞こえました。ランダムだとやっぱり飽きなくて面白いので、今後も沢山つかえる予感がします。
→ 自分で考えてスマートな簡略法(たいていスマートになると性能まで上がります)を発見するというプログラミングは最高のゲームです。なので僕はこれまでゲーム(作り手の設置したレールの上しか動けない)というものをしてこなかったのですが、この世に無かったシステムを新たに生み出す、という最上のゲームの方が楽しいからなのです- 今週の授業には、実用的なテクニックが含まれていました。今後のMax制作の中で、これらのテクニックを身につけることは必要だと思います。新しいオブジェクトに対して、Maxのヘルプパッチを参考するのは良い方法です。オブジェクトを選択してマウスの右バタンをクリックすると、ヘルプパッチが出現しますが、この機能は便利です。「message」の中にどんな内容を入れて(selectやsetやsymbolなど)ヘルプを引いても、特定のヘルプパッチでなく、全てメッセージのヘルプパッチが現れますが、これは「message」は情報入力モジュールということで説明できると思います。今週の授業を通して、「sence of breathing」の重要性もわかりました。サウンドアートも美術作品も、「休止」を使うと、もっと芸術性が上がります。
→ メッセージオブジェクトは、「定数」や「文字列」を格納して左端入力をbangすると、その中身が出力されるというのが元々の意味でしたが、Maxの進化とともに途中で機能が大幅に変化しました。メッセージオブジェクトの右端入力に数値や文字列やbangを入力すると、その中身が上書きされるようになったので、「入力される情報を表示させる」という機能も持ちました。さらにそこで左端入力をbangするとそれが出てくるので、「入力をいったん溜めておいて後でそれを出力する」という使い方も出来るようになりました- 説明を聞くと仕組みを納得できるのですが、自分だけでこうしてみようと派生してパッチを作れるほどではないのでついていけるのか焦り始めました。ヘルプでオブジェクトの確認ができるのは私にとって力強いので有効活用しながら何度もやって慣れていくしかないのかなと思っています。またTableを使うことでホールトーンスケールの間隔が全音で統一されているのが図式的に表されたように自分の想像したスケールと実際のパッチがあっているのかを視覚的に確かめられるので音の位置がイメージしやすくなるのではないかと思いました。
→ まだまだ始まったばかりなので、僕が動画でサクサクとその場でやっているように出来ないからといって焦る必要はありません。僕はMaxプログラミングをもう25年以上もやっているのです(^_^;)。Tableオブジェクトが「情報の可視化」に役立つ、というのはその通りです。現在のところは「あらかじめ定数を見やすく設定する道具」という使い方だけですが、実はさらに「刻々とテーブルの値を外部から変化させる」という技もあるので、インタラクティブなヒューマンインターフェースとして使える道具でもあるのです。これは次回の動画でちょっとだけ紹介したいと思います- 今回はMaxを使って音楽を生成するに近い体験ができておもしろかった。最初はただのランダムに音がなってあまり音楽感がなかったが、tableでフレーズを書いたり、休符をつけたり、発現する音の確率を操作できたりと、だんだんとランダムな音でも音楽感が出てくるようになってきて面白かった。これを、今回習ったことを使って、一小節ごとコード内で音がランダムに出るようにし、定番のコード進行でコードを並べれば、だいぶそれっぽい音楽が作れるのではないだろうか。今度挑戦してみたい。
→ 1小節ごとにコードが進行して、そのコードに対応して音楽的に妥当なベースやメロディーが自動生成される・・・というのは、僕がトヨタ中央研究所から依頼されて行った研究そのものです。ここでは自動運転車のセンサ(危険防止のため多数のセンサが外界の情報を検出しています)に対応して、つまり「周囲の風景/環境に対応」して自動生成される音楽的要素が変化するようにしました。興味があれば 僕の学会発表論文 を読んでみて下さい。これをちゃんと理解できる人は学会でもあまりいませんでした。(^_^;)- 今回の講義は始めに前回の復習が出来、自分が何を再確認する必要があるのかが分かりました。理解が足りていなかった部分をもう一度やり直そうと思います。「table」の保存や「loadbang」から「pgmout」の設定などがとても大切なことだと分かりました。今後使うときに忘れてしまわないように毎回意識しようと思います。前回の講義で「gate」は情報を振り分けるものだとありましたが、sample29の[piano_part]に使われていた「gate」にはどのような役割があるのでしょうか。
→ 「gate」は、「gate 2」とすれば2系統に、「gate 3」とすれば3系統にデータを振り分けるのに使えますが、単に「gate」とすると、左端入力が1なら右端入力が出力に出て、左端入力が0なら出ない、という文字どおり「ゲート(門)」として機能します。sample29の[piano_part]に使われていた「gate」はこれで、selectから8つのビートごとにbangが出てきて、「数値とincdec[上下させるボタン]」で設定した高さの音をbangが叩いて出てきますが、これをgateの右入力で受けています。すると、そのgateの左端入力にあるトグルスイッチ(クリックすると[ON/OFF]=[1/0]が交互に変化)からの値がON(1)であれば、そのビートのタイミングでその高さの音が鳴ります。これで8つのビートごとに自由な音の高さを設定して、休符(鳴らない)の場合にはトグルをOFF(0)にしておけばいいわけです- 今回はドラムパターンに加えて音階が入ってくるというものだったが、私のイメージではまたドラムパターンの時のように音階を設定して繋げて…を繰り返すのを想像していた。しかし、「table」という便利なパッチがあって驚いた。視覚的に見て大体の音の高さが分かるし、そのたびに好きな音に変換できるのはいいなと感じた。今回、ブレスの話から「熊蜂の飛行」という曲を連想してしまった。楽譜に休符なしでびっしり音が入っている曲だが、小さい頃この曲を聴いた時何かがすごい速さで迫ってくる感じで怖いなと感じていたのを思い出した。ブレスのない曲はずっとは聴いていたくないなと感じると思うので最終課題でサウンドを作るときは気をつけようと思います。
→ 今回の僕の話でブレスに反応してくれた人が多くて嬉しいです。ただしまったく真逆な演奏技法として「循環奏法」というのがあります。僕がレクチャーとライヴを行ったアムステルダムの研究所STEIMでのライヴで間近に鑑賞しましたが、コンピュータとのセッションでサックスを演奏するプレイヤーが、ロングトーンでなく細かいパッセージ(タンギングの連続)を演奏する時に、鼻から吸った息を口腔に溜めて少しずつ出しながら演奏する(演奏しながら同時に鼻から吸いつつ音を出し続ける)ことで、約30分間(!!!)ずっと音が途切れる「ブレス」をしないで、ひたすら16分音符/32分音符の機関銃掃射のような即興演奏を完璧に続けました。- 作品を作る上で、loadbangで音色を初期化しないと前に開いたパッチの音色がそのまま反映されてしまうということを、頭に入れておきたい。前回作れるか疑問に思ったピアノの伴奏を実際に作ることができ、また作れる音の幅が広がって、楽しさを実感した。繰り返しの範囲を増やす点(芋づる式に繋げること)についても前回より理解を深められたので、その2つの点の復習としてピアノで実際に伴奏を作ることに挑戦し、上手く作ることができた。
→ 今回紹介した「芋づる式」は全て8ビートのパターンでしたが、例えば4ブロックのうちの1ブロックだけ7ビートにしておいて(途中に「このパターンは7ビート」という合図の打楽器かフレーズを仕込んでおく)、毎回次々にランダムにブロックが選ばれるようにすると、「8ビートなのにたまに突然に7ビートになる」(^_^;)という、フリージャズの世界では定番の緊張感のある音楽に一気に変貌します。僕はそういう作品を某大学の音楽科の学生にコンサートで演奏してもらった事がありましたが、「いつ変拍子になるか」と待ち構える緊張感は、シンプルな8ビートが続くだけの音楽とはまったく別の世界となったのが面白かったです- 琉球音階で三味線を鳴らして沖縄を表現していたので違う音階で違う楽器を使う事で外国の音楽や沖縄以外の日本の伝統音楽を表現できると思いました。ピアノは息を吸う必要はないけど他の楽器(ラッパなど)は息を途中で吸う必要があるので自分で制作するときにそれらの楽器を使うときはキオつけようと思った。
→ 琉球音階は東南アジアの各地に似たテイストの伝統音楽の文化があります。一方、日本の伝統音楽の音階というのは実は調べていくととんでもなく大変ですが、調べただけ収穫があるので調べる価値はあります。僕は雅楽の「笙」の演奏家と組んだ 作品 で雅楽を勉強し、別の機会には尺八の大師範やお琴の師匠と組んだ 作品 で邦楽について調べて・・・といろいろ勉強しましたが、とんでもなく深い世界で楽しい経験でした- 配置の点では、ひとつのタグにまとめてしまわず、あえて分けて子パッチに繋げて別に飛ばすことで線がすっきりするということを学びました。「少ないコマンドにまとめるからスマートに見える」のではなく「配線数が少なかったり配置が整っているからスマートに見える」のだとわかりました。パッチの解説動画を見ながら「ここはselectだろうな」って思ったところにselectのコマンドが入ったりするので、少し理解進んできた証拠かなと思います。最初はなぜこのプログラミングだけで曲が奏でられるのかと不思議でしたが、ここまで授業を重ねてくると奏でられる理由がわかってきました。まだ追いつくことに必死ですが少し楽しむ心も出てきました。
→ いわゆる古典的な「作曲」というのはイメージする音を楽譜に書き付けていく(「打ち込み」[DTM]も原理的にはこれと同じ)のですが、Maxが得意なのは「アルゴリズム作曲」というもので、「ライヴに音楽を生成するプログラム」を作るという立場です。プログラムの一部にランダムの要素を盛り込むと、演奏するたびに異なった音楽が出現する可能性(琉球音階からランダムに選んでも沖縄っぽい音楽というのが好例)が出てきて、「固定的な音楽を再生する」という古典的な音楽の概念から飛躍することになります。さらに楽器としてセンサなどの自由度を盛り込むと、演奏者の即興性やその場限りの偶然性を生かすことも可能になります- 琉球音階は、三味線の音で本当に沖縄のように感じました。ランダムでも沖縄っぽく感じられ、また飽きないです。先生の言っていた「ブルーノート」が何かわからず調べました。「ブルースやジャズで使用される音階」とあったので音階を調べると「ヨナ抜き音階」や「中国の音階」など様々でした。実際に聞くと確かにそのように聞こえるものもあって興味深いです。tableでフレーズを書くときに「if $i1>7 then bang」のように確率的に休符をつけるのは確かに息苦しくなくて、より人間的なライブのようでした。
→ 休符を入れるタイミングに重み付きランダムを入れる、というのはこの世界では定番ですが、実際に人間の即興演奏との違いがわからないようにさらに色々なテクニックを駆使するという楽しみがあります。Maxのパッチで生成した音楽を録音して(高級な自動演奏ピアノを鳴らして実際にコンサートホールで収録)、「果たしてこのピアノの即興演奏は本当に人間が演奏したものか?」というテストが行われたのは1990年代のことです- 「Max console」は自分のオリジナル曲を作る時、必ずエラーが出ると思うので開いておいてチェックします。「Print」は自分が望む数値が出るか確認ができる点もある(データをチェックできる)と思いました。オブジェクトの「ヘルプ」はとても有用な機能だと思いました。まだ慣れていないところが多く使い方を忘れてしまいますが、「ヘルプ」の説明を確認しそれから活用できると思いました(ヘルプは編集しないように注意します!)。「Table」と「Key」はインタラクティブなオブジェクトだと思いました。Maxの「Table」と「Key」を活かして、Maxを使えない人でも音楽を聞きながら入れたい音を入れて変奏することもできると思いました。
→ この「サウンドデザイン」の最終課題では、一種のゲームのようなインタラクティブなMaxパッチを制作してもらいますが、まだ外部にセンサやコントローラを接続しない範囲となるので、ほぼ全員が実際に「Key」を活用することになります- 今回はドラムに加えベースとピアノを合わせられるようになった。馴染みのないドラムやベースに比べピアノはなんとなくわかるので今回の授業は頭に入りやすかった。私はサンプルの音を聞いて何も違和感を感じていなかったが、先生の「息苦しい」という表現を聞いて確かに実際に演奏するなら休みが欲しいなと、新しい発見だった。またtableという新しいオブジェクトで、音階を目に見える形で調節できてわかりやすかった。次回のアニメーションが、プログラミングとどのように関係していくかが楽しみです。
→ アニメーションは「次回」でなくもうちょっと先ですが、みっちりやりますのでご期待下さい。tableをライヴのコントローラとして使う事例は次回に紹介します(紹介demoだけでパッチは配りません(^_^;))- プログラミングの授業でif文をやりましたが、Max8でもifができるとは思いませんでした。ifを使えば休符ができるというのも文字だけのプログラミングじゃなくてサウンドを使ったMax8のプログラミングならではだなと思いました。休符がないと息苦しいというのは言われるまで気づきませんでしたが、意識するとたしかに詰まって聞こえました。音楽の授業でリコーダーくらいしか楽器を演奏したことがなかったので息継ぎについて気にしてませんでしたが、誰かに自分の作品を聴いてもらうことを考えると相手が心地よく聞けるサウンドを作るのも大切なんだと思いました。randomもtableを使えば、全くのランダムではなくある程度自分で調節できるので表現の幅が広がりそうだなと思いました。
→ 「if文」どころか、実はやりたければJavascriptで処理を記述する事も出来ます。Maxが得意な「アルゴリズム作曲」の領域では、現代音楽の世界でかつてちょっと流行した「確率統計音楽」というのが簡単に実現できることになります。「ランダム=でたらめ」という事でなく、ある確率である事象が出現する、その塩梅をアルゴリズムによって自在に制御できるという発想で、「1/fゆらぎ」とか「カオス」とか「遺伝アルゴリズム」とか「ファジイ」とか「深層学習」とか、およそコンピュータ科学の世界で提案された数理的なアイデアはほとんどコンピュータ音楽の世界にも導入されています。僕が1993年に作曲・公演した 作品 では、全ての楽器音を「カオス」のアルゴリズムで生成していましたが、「どこがカオスか分からない」というのが大多数の感想でした(;_;)- SUACインスタレーション(4)の“エンドレスサウンド”の写真を開くと、この作品と同じ授業で作られた他の作品も 一緒に拝見 することができた。物理現象によって音が鳴る楽器・音具よりも入力信号によって電子音が鳴る楽器・音具の方が、比較的演奏方法や形態の自由度が高そうだと感じた。また、作品の概要欄に無限音階が使われていると書いてあったので、 無限音階 をネットで調べて、今まで学んだことの応用の範囲内で無限音階のパッチを作ろうと試みた。試行錯誤を重ねてみたけれども、違和感を感じる完成度になってしまった。どのように調整すれば違和感のない無限音階に聞こえるのでしょうか?
→ 「無限音階」とは、連続音で無限に上昇し続ける/無限に下降し続けるという「シェパード・トーン」という有名な「錯聴」(聴覚的な錯覚)を離散的な音階として実現するもので、あなたが作ったような感じで、これまで登場した道具だけでも作ることが出来ます。あなたのパッチには1つの重大なミスと1つの弱点があります。前者ですが、「makenote」のパラメータのうち「velocity」は MIDI規約によって「0〜127」という範囲に規定されているので、それを上回る値を入れても反応しません。あなたのパッチはvelocyty=159まで入っているので、想定する効果が出ていません。後者としては、あなたは3オクターブの音源で実現しようとしていますが、効果的なシェパード・トーンのためには、音域全体をカバーする事が有効です。つまりオクターブずつ「+ 36」・「+ 48」・「+ 60」という3ブロックしかないのは弱点で、MIDI音源で効果的な無限音階を作るパッチでは「+ 0」から「+ 108」まで10オクターブぐらい揃えたいところです。ちなみにあなたのようにtableを使わなくても、数学的に演算することで実現は可能です。有名な作曲家のJean-Claude Risset自身が作ったとされるMaxパッチ(まさにここまで学んだ道具だけでtableすら使っていない)を僕は持っていますが、まだここでは提供しません。せっかくなのでもう少し頑張ってみて下さい- 今回の授業では、前回よりももっとたくさんのことが出来るようになっていて、音を制作していくことについて少しずつ知れているような気がしてとても楽しかったです。説明を理解することができても、いざ自分で作ろうとするとまだまだです。今までの授業分も含めて、色々と理解して覚えなくてはいけないことも増えているので、一度全部の動画の復習がてら確認して、Maxの操作方法をしっかり習得してスラスラ使えるようになりたいと思います。ヘルプでオブジェクトを確かめられるのがすごく助かるなと感じたので上手に使っていきたいです。
→ 僕の教材ページはずっと残してありますので、期間限定で消えてしまうmanabaと違って、いつでも復習できます。しばらくして忘れてしまっても、過去にやった事はちょっと触ると思い出すものなので、活用して下さい- 出てくる用語やシステムを確かめながら進めているとすごく時間がかかってしまった。今までの動画が残っていたので最終的にはわかったのだが、自分でノートをまとめて理解していかないとさらにコンテンツが増えたときについていけないので、取り組み方を変えたい。これまでloadbangの必要性があまり分からなかったが今回の授業のように多くの音を組み合わせた複雑なになってくると動作の途中で設定が変わってしまった場合に、次回起動時に初期化できないので、大切な機能だということが分かったし、自分で楽器の音色を設定するときにも忘れないように使っていきたい。あと、tableで音の入出力をグラフのようにして視覚化できるのは面白いと思った。このtableの機能では音に応じて変化する、以前の先輩のpresetを用いたアニメーションのような動きは出来ないのだろうか。おそらくこれからゲームとかアニメーションに生かせるMaxの使い方を学べると思うので、今は基礎的な知識をしっかり身に着けたい。
→ tableをライヴのコントローラとして使う事例は次回に紹介しますが、これは実際に「刻々と演算されている値を表示」することにもなっています。ただしtableをグラフィック表示器として使うのは、やや特殊な方法を使うこととタイミング設計が中級レベルなので、あまり推奨しません。刻々と変化するデータを可視化するオブジェクトというのは、まだ紹介していませんがたくさんあるので、そちらを使うことを推奨します- Maxがサウンドとグラフィックをリアルタイム生成していた 動画 を拝見しました。あまり普段聞かないような音とモノクロの画面で、不気味な世界観が表せているのが面白いと思いました。形の繰り返しの表現は単調になってしまいがちだと思っていましたが、周りのグラデーションであったり、図形自体の大きさ、個数によってこんなに数学的表現は多様なものなんだと知れワクワクしました。六個のボタンで操作しているようでしたが、画面に表示しているデザインや音声を誰が早く再現できるのかといった、タイムトライアル形式のゲームは脳も使うし周りにいる人も観戦してておもしろそうだなとふと思いました。今回の授業で音楽を作っているという感覚が前回よりも増して内容が面白かったです。ヘルプパッチを出したりtableを使ったりと使う機能が増えてきて情報が自分の中で混沌とし始めたので一度整理し、クリアな理解を目指したいです。
→ あのコントローラはボタンではなくて、ウレタンのセンサです。そして全部で10個あります(10本指の全部に対応)。興味があれば僕の学会発表論文 (1) (2) を読んでみて下さい- 今回の授業で習ったテクニックで数種類の楽器を同時に扱うことができるようになり、表現の幅がぐっと広がったような感じがしました。tableでは点の上下がそのまま音の上下になるので、私のようなピアノにあまり馴染みがない人は鍵盤よりもこちらの方が直感的に操作しやすいのではないかと感じました。授業では単音のみの自動演奏でしたが、自分で和音でも作ってみたいと思います。
→ 和音となるとコードの知識(音楽理論)が必要になります。だいぶ昔には、「サウンドデザイン演習」の講義時間にやった事もありましたが、僕がホワイトボードに五線譜を書き出すと、バッタリと寝る学生が続出したので断念しました(^_^;)。ゼミ等の場で、希望する学生が毎週1106研究室に集まってきて 音楽理論特訓講座 をやった事もありますが、遠隔体制の今年は無理そうです- 第5週(6/9〜6/12)
- 重要なお知らせ(確認)
今年はCOVID-19のために遠隔授業となっていますが、ここまで進めてみて、実は「例年より中身が濃い」と実感しています。普段であれば、マルチメディア室で皆んながMacの前に座り、僕は講師席のMacを教室前後のプロジェクタ→スクリーンに出しつつ、マイクを使ってここでの教材動画のように「解説しつつライヴでMaxプログラミング」を進めていくのですが、金曜1限ということもあって、学生の一部はベッタリと寝ていたりしているのを看過して進めています(身体が物理的に出席していれば「出席」となる)。しかし今期は、毎回レポートを出すことで、皆んなもそれぞれ考えているのと、僕も気合を入れて全てのレポートにコメントを書いているので、皆さんはここに書かれている他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントを全てしっかり読み返して考察することで、例年にないハイレベルの修得を実現できると思います。一部の内容はマルチメディア室でないためにカットしていますが、その分、今週からの「サウンド生成」あたりでは、例年は深入りしていなかった新ネタもぶっ込んでいるので、皆さんのMaxの知識は先輩を一部、超えたところに到達する予定です。この意味であらためて確認しておきますが、このページに小さな文字で展開されている、皆さんのレポートとそれに対する長嶋コメント(→関連情報リンク)を、ぜひ「復習」としてじっくり読んで活用してみて下さい。- 補足 (今週の教材ムービーを6/6に一発撮りした後に、まだ重要なオブジェクトの紹介が残っている事に気付いて6/8に一発撮りしました)
- 今週からは「Maxでサウンド」。こちらは先週までの「MaxでMIDI音源を鳴らす」の続きなので、冒頭にて「補足」
- その教材動画(14min)
- 追加で紹介する重要なMaxオブジェクトとは、「int」・「float」・「delay」・「pipe」の4つ
- サンプルパッチは無し。超簡単なのでYouTube動画と一緒にプログラミングして理解しよう
- 目標は「鍵盤で弾いた音の上に和音を乗せてコードを弾く」というのを拡張して「コードをアルペジオで弾く」(^_^)
- 「int」 - 右端入力に入った整数を保持していて(常に最新のものに上書きされる)、左端入力のbangでそれが出てくる
- 「float」 - 右端入力に入った実数(浮動小数点数)を保持していて(常に最新のものに上書きされる)、左端入力のbangでそれが出てくる
- 「delay」 - bang入力されると、設定値(msec単位)だけ経過するとbang出力が出てくる
- 「pipe」 - 整数が入力されると、設定値(msec単位)だけ経過してその値が出てくる (→floatはHelp参照)
- 今週の教材動画(78min)
- (補足) MIDI情報を記録(レコーディング)できる「seq」オブジェクトの簡単な紹介
- ここではあまり深入りしませんが、「seq」(シーケンサ)オブジェクトを紹介します
- 興味のある人はヘルプから調べてみましょう
- Macでの実演となりますが、Windowsではちょっと難儀するかもしれません(過去にはWindowsでは出来なかったのですが現在は不明です)
- 「MIDIデバイス」の設定の部分がちょっとTrickyです
- 書き出した「MIDIファイル」の再生にQuickTimePlayer7も活用できますが、Windowsの人はこれは出来ません(他の方法があると思いますが長嶋は知りません)
- (補足) Tableオブジェクトは「情報の可視化」にも役立つ
- いま3回生の「音楽情報科学」という科目で「錯覚」について議論しています
- それに関連して、去年の「音楽情報科学」で学生が見つけてきた 錯視動画(アニメGIF) をMaxでインタラクティブにした事例を紹介します
- 上の動画は全体として回転しているように見えますが、個々の点をよく眺めると単に中心と外との「単振動」をしているだけです
- ただし、それぞれの単振動のタイミング(位相)がある関係になっているために全体が動くように見える錯覚です
- さらにちょっとズルいのは、モーションブラーの画像効果を加えている事です(^_^;)
- そこで長嶋が作った「インタラクティブに操作できるバージョン」のMaxパッチを紹介します
- ここで使っているアニメーションの手法は「サウンドデザイン」の後半で紹介します
- このパッチにはサブパッチがありません。見えているだけのオブジェクトで、シンプルに作っています
- ただし、タイミング制御の部分とtableのアクセスに中級編のテクニックがあるので、パッチは配布しません(^_^;)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでサウンドを生成する(MSP) Part 1
- Maxの機能(MIDI情報処理)をサウンドに拡張させたMSP(Max Signal Processing)
- サウンドのグループはメニューの「+」(Add Object)の「Audio」というところにあるが、授業で紹介していない余計なものは触らないこと
- 基本は「マイク」(Audio Input)と「スピーカ」(Audio Output)のアイコン - 必ず同時にONになる(片方だけOFFは出来ない)
- サウンド(Audio)の情報は「灰色の線」でなく「黄色と黒の縞模様の線」である
- 「灰色の線」は何かイベントがあった時にだけ情報(bang、データ、メッセージ等)が流れるが、「黄色と黒」のAudioは「毎秒44100データ」がずっと流れ続けている(無音でも流れている)
- マイク入力とオーディオメーター/レベルメーター
- 無限ループほど致命的ではないものの、やってはいけないのがハウリング - マイクを直接スピーカに繋がないこと !!!
- マイク入力をDigitalレベルメータに繋いで「声のスイッチ」を作る - sound001
すでに登場した「if」オブジェクトの第1入力は「$i1」と書いたが、これは「整数」(integer)なので「i」だった。DigitalのAudioレベルメーターの出力(0.0〜1.0)は「浮動小数点数(実数)」(floating point)なので、その場合の「if」の第1入力は「$f1」と書く。これを混同して「$i1」にすると小数点以下の値が切り捨てられてゼロのままになるので注意- アナログのレベルメータもある - sound002
実はDigitalのAudioレベルメーターでもそうだが、このアナログAudioレベルメーターの「目盛り」というのはリニア(普通に音量のパワー値)ではない。サウンドのダイナミックレンジは相当に広いので、対数変換して「デシベル」(db)で表示している。興味のある人は「音圧」とか「デシベル」で検索して調べてみて- サウンド生成(シンセサイズ)の基本は「cycle~」から - sound003
あまり説明なく新しいオブジェクトが登場しているが、必要に応じてヘルプで調べてみること。Audioレベル調整の「gain~」の左端入力には、オーディオのライン(黄色と黒)が接続されるだけでなく、ゲイン調整の数値(0〜157)のデータ(灰色)も接続できる。サウンドの波形を表示しているオシロスコープ(scope~)は、単に新しい「scope~」を呼び出すと、うまく可聴帯域の信号が表示されない。このパッチに置かれた「scope~」は、インスペクタでちょうど表示されるように初期値を調整しているので、このオブジェクトを自分のパッチにコピペすることを推奨する- 「cycle~」(サイン波)は特定の周波数成分「だけ」を持つのに対して、対極的な「noise~」(ホワイトノイズ)は全ての周波数成分を持っている(ピッチ感が無い)
- MIDI鍵盤と周波数との関係「mtof」 - sound004 (実は「ftom」もある)
MIDIのノートナンバは整数だが「mtof」で変換出力される周波数(ピッチ)は浮動小数点数(実数)なので、小数点の付いた「number」で受けていることに注意。(実は「フォルマント兄弟」が発見/報告した裏技で、「mtof」の入力は整数に限定されておらず、ここに浮動小数点数(実数)を与えると、12等分平均律とは異なる音律の音階に対応した周波数もちゃんと補間して計算出力してくれる)- 「12等分平均律」と「純正律」とを聞き分けられるか? - sound005
左側3和音の生成ブロックと、右側3和音の生成ブロックとの違いをしっかり理解しよう。左側3和音の生成ブロックでは、MIDI鍵盤から与えられた基音(ド)と、基音から半音4つ上の第3音(ミ)と、基音から半音7つ上の第5音(ソ)のMIDI音高に対して、それぞれ12等分平均律のピッチを求めて「cycle~」に与えているので、「平均律の長3和音(メジャー)」となる。右側3和音の生成ブロックでは、MIDI鍵盤から与えられた基音(ド)のMIDI音高に対する平均律の基準ピッチをまず求めて、第3音(ミ)は基音の「ちょうど5/4倍」というピッタリの整数比(4:5)の純正長3度として、第5音(ソ)は基音の「ちょうど3/2倍」というピッタリの整数比(2:3)の純正完全5度として、それぞれのピッチを「cycle~」に与えているので、「純正律の長3和音(メジャー)」となる。純正な和音はまったく濁り(ビート:唸り)が無いことを確認しよう。中央の大きなトグルで左右のブロックのON/OFFをしているが、そこにある「!- 1」というのは、「1→0」・「0→1」と、トグルの入力を反転させる演算なのでここで覚えておいて損はない(けっこう使う)
(→興味のある人は長嶋が書いた 音律について を調べてみよう)- シンセサイザのために色々な「原波形」ジェネレータを見てみよう - sound006
「selector~」というのは、左端入力の選択番号(ゼロだと全てOFF)に対して、入力のAudio信号から選択して出力する「オーディオのスイッチ」のこと。複数のAudio入力から1つを選択するためには、それぞれに乗算の「*~」を入れてそれらの出力を全てミックスしておいて、どれかの 「*~」の右端入力だけを1にして他は必ずゼロにする、という方法もある。どちらを使うかは好みの問題だが、「selector~」だと誤って2つ以上の信号がミックスされる可能性は無いのがメリット- 「サイン合成」の考え方:整数次倍音を加えて全体で一つの音色とする(加算方式) - sound007
多数のスライダーでそれぞれの整数倍音成分の強度を変えるサブパッチ「add-sine」の中は古いバージョンのMaxの時代に作ったのでゴチャゴチャしているが(^_^;)、そのままBlack Boxとして使用可能。この中にある「line~」というのは「line」オブジェクトのAudio版で、入力された数値を滑らかに出力するもの。詳細はヘルプで調べてみて- シンセサイザの音色操作(減算方式) - 倍音を多く含んだ原波形にフィルタ(LPF)をかける - sound008
ここで突然に登場した「filtergraph~」と「biquad~」とのペアについては、詳細に解説すると「biquad~」(バイクワッド・ディジタルフィルタ)だけで電子情報工学科の半年分の講義ぐらいの深い内容があるので、このままBlack Boxとして使用すること。単体で「filtergraph~」や「biquad~」を呼び出しても実際的な設定値になっていないので、このパッチにあるペアをそのまま自分のパッチにコピペすることを推奨する。ヘルプで調べるなら「filtergraph~」のところ(必ず「biquad~」に繋がっている)に具体例がある- 異なったカットオフ周波数の2つのLPFがあると「声帯」のシミュレーションが出来る(フォルマント合成) - sound009
- 楽音の音量を時間的変化させる(エンベロープ) - sound010
ここで突然に登場した「function」オブジェクトは、時間的に変化するデータをインタラクティブなグラフとして設定/調整できる便利なもの。過去に先輩のインスタレーション作品で、多数の3色LEDを全て個別に詳細に調光制御することで人形の心理的な表現を行うのに活用したこともある。詳細はヘルプを参照のこと。「function」の左端入力には、グラフ全体の所要時間(msec単位)を規定する「setdomain」パラメータや、スタート合図のbangが入る。注意点として、第1出力はtableのように「xを与えて対応するyを読み出す」のに使うので、エンベロープ(時間的変化)出力を「line」形式でbangにトリガされて出力するのは第2出力であること。これを受けた「line~」の出力をオーディオ(biquad~)の出力を受けた「*~」(オーディオ乗算)の右入力に与えることで、Audio信号全体の大きさを時間的に変化させている(アナログシンセ時代には電圧制御アンプ「VCA」だった)- 音量と音色(フィルタのカットオフ)をそれぞれ時間的変化させる (→伝説の「Moogシンセサイザー」そのもの) - sound011
ここではsound010のVCAに加えて、アナログシンセ時代には電圧制御フィルタ「VCF」だった機能が加わっている。sound008では「filtergraph~」と「biquad~」とのペアで設定されるフィルタのカットオフ周波数は固定(マウスで動かすだけ)だったのに対して、「function」オブジェクトでカットオフ周波数についてもエンベロープ(時間的変化)をかけている。サブパッチ「filter1」の中には「scale」オブジェクトもあるが、これはヘルプで調べること。さらに、鍵盤で弾いたピッチに応じてカットオフ周波数のレンジを移動させるために「r fre」である周波数を受けているが、これは「r fre」をダブルクリックして現れたペアの「s fre」を探すと謎が解ける
「アナログシンセサイザー」の古典中の古典、Moogシンセサイザーの生みの親である Robert Moog博士は、2004年にSUACで開催した(僕が大会委員長) 国際会議NIME04 の基調講演者として来日し、SUAC講堂でトークしてくれました。僕はMoog博士(テレミンも開発)の"Theremin"という著書にサインをもらいました(^_^)。以下はその時のスナップ写真です ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★- 今日のお話(サウンドを作り出す)という事に興味のある人は、SUAC図書館にもある長嶋の著書 コンピュータサウンドの世界 (絶版になったものの長嶋研究室に研修に来た静岡県工業試験場の研究員がPDF化してくれました)を参考にしてみましょう
- 来週の予告
- Max(MSP)によるサウンド信号処理として、「サンプリング」や「エフェクト」を扱います
- 「何か(お気に入りの曲の一部など)のサウンドデータ」を用意して下さい(次回に使います)
長くない(10秒〜20秒程度の)サウンド断片(WAV, AIFF, mp3)をいくつか- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。詳細は前回と同じです。分量はおよそ200文字〜400文字ぐらいを目安とします。提出期限は6/12(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
- 第5週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- 今回のsample1と以前作っていたものを繋げて、手を叩くことで演奏を始めたり止めたりするパッチを作りました。マウスなどの装置を使わず自分の体だけで操作できるようになって面白いと感じました。マイクのオンオフの切り替えも音でできるようにしようと数値を変えてもう一つ繋げたのですが、うまくできませんでした。この場合どのように繋げたらよいのでしょうか?
→ まず最初に、添付してくれたMaxパッチのファイル名が「手onoff.maxpa」となっていましたが、英語圏のソフトであるMaxでは、パッチのファイル名やフォルダ名は「半角英数字」限定だ・・・と既に書いていましたので、これは失格です。ファイル名やフォルダ名にスペースや全角文字(漢字やカナ)は絶対に使わないで下さい。そのパッチの中身ですが、マイクのレベル判定のトグルでもう一つのマイク(Audio)をON/OFFする、という構想は無意味です。sample1では動画でも触れたように、細かく何度もON/OFFを繰り返すのでスイッチとしては未完成なのですが、これを解決する「不応期」アルゴリズムについて、次回の冒頭に「補足」として紹介しますのでお待ち下さい- モスキート音について調べてみました。コンビニの若者たむろ防止に使われているのは知っていたのですが、犬や猫、虫にも効果があることは知りませんでした。ネット通販でモスキート音発生装置がいくつも売られており、さらにアプリまであることに驚きました。様々な場所で使われているモスキート音ですが、動物用の音まで聞こえてしまう人から不快だと苦情もあるようです。便利なものですが場所や時間帯によっては使用が難しい場合もあるのだと分かりました。 参考資料 : (1) (2) (3)
→ モスキート音のアプリはおそらく10年か15年前からあります。僕はもう聞こえないので関係ないですが、敏感な人は体調不良になる可能性があるのであまり悪用はしないで下さい(^_^;)- 今週の授業ではとても実用性のあることを習ったと感じています。シンセサイザーの中で、減算方式と加算方式は最も基本的な部分であり、そして多様性があります。Robert Moog博士が創造したMoogシンセサイザーは有名な減算方式シンセサイザです。その中で、博士が設計したダイナミック・トランジスタ・ラダー(梯子状)フィルタ(Dynamic transistor ladder filter)はとても素晴らしいと思います。減算方式では、フィルタの性能が音色の多様性を決定することができます。Moogラダーフィルタは包絡線を調整できるだけでなく、このフィルタの共鳴機能は他の機能と組み合わせて使用すると、ダイナミックで刺激的なサウンドを生成することができます。かつて、Moog台形フィルタの資料を調べるとき、Claude Heiland-Allen作ったPure DataのためのMoog台形フィルタを発見しました。現在、不明な原因で、元のウェブページにアクセスできませんでした。このファイルをメールでアップロードします。
→ Moogシンセサイザーの「肝」の部分は、まさにそのフィルタ(VCF)にあります。Maxでは簡単にやっていますが、ICも無い時代にトランジスタだけであのフィルタを創造したMoog博士は、まさに天才です(^_^)。なお、僕はMax派でほとんどPureDataを使わないので、とりあえずデータは受け取っておきます- 「12等分平均律」について、一つ質問があります。ビートの効果は波形の位相が逆であるので,相殺した成分があるの原因ですか。この部分はよくわかりません。よろしければ、教えていただけませんか。
→ ここでのビートは位相には関係ありません。12等分平均律では、純正律のようにきちんとした整数比になっていないので、その誤差の分だけ「唸り」が生じます。わずかな差の周波数の2つのサインを加算した場合、その結果は「和積の公式」によって、その周波数のサインと、「周波数の差」のコサインとの積になります。この「とても小さい周波数のコサイン」が乗算されていることで、合成音の全体に低周波の振幅変調がかかるために、全体として低い周波数の「唸り」を感じることになります。生まれた時から12等分平均律の音しか聞いていない現代人は、この唸りを一種のトレモロ効果(音が豊かになる)のように慣れ親しんでいるので、逆にまったく唸りのない純正な響きを聞くと、その空虚な感じに不安感を抱くようです。本当に純正な響きの音楽の素晴らしさは、これを理解したその先に広がっています- 授業の中で先生が12平均律は入試にも利用されたと言っておられましたが、12平均律は前期集中講義の数学概論でもピタゴラス音律と比較して指数関数によってより均等に周波数比を分割できるようになった音律として紹介されていました。一見関係のなさそうな授業でも、学びというのはどこかで繋がっている物なのだなと感じて嬉しくなりました。しかし12等分平均律と純正律はレベルメーターによってかろうじて違いが理解できたものの、私は耳が良くないので普通に聞いただけではあまり変わらないように聞こえてしまいました。音楽は得意分野ではありませんが、座学の知識だけでなく実践でも理解できるようになりたいです。
→ 音楽の基盤のところには数学があります。ピタゴラスの時代から音楽と数学は共通の「教養」でした。半音(オクターブを等比で12個に分割した「12乗根2」)を100セントと言います(1オクターブは1200セント)が、音楽の専門家で耳のいい人でも聞き分けられるのは10数セントまでです。僕は子供の頃にバイオリンを習っていた(安サラリーマンの親父はピアノを買えずバイオリンを選択)おかげで、数セント以下まで聞き分けられるので、 音律について に書いたような、数セント以下の違いが音楽的に意味を持つ55種類の「音律」も聞き分けられます。バイオリンはギターのようにフレットが無いので、常に出しているピッチを耳で聞いて補正するために音感(ピッチを聞き分ける能力)が成長します。これに対して音感が悪いのはピアノを習っていた人で、無条件にその鍵盤を弾けばその音が出てくれる筈・・・という他人任せのためです。合唱指揮者だった僕は、このピアノ上がりの人たちの音感の悪さ(ハーモニーを聞く耳が貧弱)に苦労してきました- モスキート音を知らなかった頃、駐輪場の入り口で毎回高音が鳴っているのを一緒にいた祖母に伝えたところ聞こえないと言っていたので自分が耳鳴りをおこしているのだと思っていたことを思い出しました。ある一定の周波数を超えると音は変わらずなっているはずなのにどんなに聞こうと意識しても聞こえなくなってしまうあのもどかしいさと自分も年を重ねたら今聞こえている周波数の音も聞こえなくなってしまうのかという不思議な感じは原理を理解していても慣れないなと感じます。
→ まぁ、爆発など急激な理由がなければ聴力の低下は突然でなく次第に少しずつ聞こえなくなっていくので、あまり気にならないと思います。人間の「状況の変化への対応能力」というのは相当に凄いので- 今回の授業は音が波形として可視化されていて分かりやすく、とても面白かったです。エンベロープ(ADSR)を使うことでただ一定の音量や長さの音ではなく、本物の楽器らしい音を作ることが出来るため、機械っぽさを感じないような音楽も作ることが出来そうだと感じ、いろいろ試してみたいと思いました。補足の内容になりますが、「delay」と「pipe」の違いはbang入力、出力かそうでないかということだけなのでしょうか。また、「pipe」を使えば「delay」と「int」のように二つのオブジェクトを使わなくて済みますが、あえて「delay」と「int」を使うということはないのでしょうか。
→ いい質問です(^_^)。あの「補足」の例(アルペジオ)だけで言えば、「delay」と「int」を使わずに「pipe」を並べるだけで済むのでシンプルですが、それ以上の発展はありません。「delay」と「int」を使うのは、もっと多くのいくつものデータを扱う際に、そのタイミングを正しく調整する局面で、そうなると「pipe」では無理です。例えばこの後で登場するアニメーションでは、metroで生成される一定間隔の時間(タイムスロットと言います)ごとに、(1)まず最初にスクリーンをクリアして、(2)次に背景画像を描画して、(3)次に画像Aを描画して、(4)次に画像Bを描画して、・・・というようにきちんとタイミングを設計します(後に描画したものが上に描かれる)。こういう場合に活躍するのが「delay」と「int」の技(あと「trigger」オブジェクト[短縮系は「t」だけ])なのです。- 周波数を上げて高い音を出すところで、実家で飼っている犬がすごく怖がっていました。やはり音に敏感ですね。私も聞いていてすごい気分悪くなったので、パブの話のモスキートサウンドはすごく若者は嫌がるなと感じました。今回の音や声のスイッチは今後の制作に使えそうだなと思いました。今回は音の大きさでオンオフしていましたが、さらに何か特定の言葉や音とかに絞ってスイッチをオンオフするものを作ったりするのはこれを応用してできたりしますか?
→ 犬の聴覚(感度)はたしか人間の1万倍?とかなので(調べて下さい)、イジメになるので注意して下さい(^_^;)。特定の言葉というのはまさに「音声認識」となるのでちょっとMax単体でやるのは難問ですが「フレーズ単位のサウンドクリップを比較する」ということであれば(事前に本人の発音を録音登録しておけば)可能です。今回紹介した「フィルタ」の中にある「バンドパスフィルタ」(特定の中心周波数だけを通過させる)のレゾナンス(通過させる帯域の狭さ)を上げて、その出力レベルを判定に使えば、「ある帯域のサウンド」(高い音、特定のピッチ、低い音など)で反応するサウンドスイッチは実現可能です。例えばドラム演奏の生サウンドを入力して、シンバルやバスドラムなど特定の楽器に反応させるのは出来ます- 今回のパッチで、高校の物理で習った音の波形について、実際に音の高さと共に見ることができて面白かった。サイン波や過去に解いた数学の過去問など、数学の知識も使って見ることができる講義で、過去に習ったものが活かされた気がして楽しかった。フィルターによって周波数を変えると、同じ音階で同じような楽器の音でも、雰囲気が全然違う音になった。それが、人間の声も口と鼻で違うフィルターに通されて発せられていると言うお話は、とても興味深く、音の世界の深さを改めて実感した。
→ フィルターは自分の口で実験できるのでとても直感的です。上手な「歌まね芸人」が聞いていてそっくりなのは、元の歌手(真似されている人)とは身体の構造が微妙に違うので、口腔あたりのフィルタをうまく操作して「似せている」のです- 今回は音のボリュームや周波を動かしたりと、自分が当初サウンドデザインの授業でイメージしていたものと近いことができました。純正律と平均律の入試問題を実際解いたことがあるのですが、今回音の違いを聞いて、きれいな整数比を使った純正律は音がうならないとわかり今になって二つの音律の違いに納得できました。パッチ10からのシンセサイザについては正直まだ理解ができませんでした。動画を反復して見ながらもう一度自分の手を動かしてもう少し考えてみたいと思います。
→ あの入試問題では、まったく計算しないで「吹奏楽の経験から、こうです!」という珍回答があってなかなか採点に困ったという話があったとかなかったとか(^_^;)。吹奏楽とか合唱とかの人は純正な響きを体感として知っているので、無意識にも微調整して(吹奏楽器は呼気量でピッチを微調整可能)部分的には純正なハーモニーを実現しています。ただし12等分平均律に物理的に調律されたピアノがあるともう純正なハーモニーは実現できず、お手上げです。古楽(ルネサンスやバロック)の鍵盤楽器(ハープシコードなど)は平均律でなく各種の 音律 に調律しているので、音楽の中で大事な和音は純正に響くようにしています- 今までも音を扱う内容でしたが、今回の動画はサウンドを自分で作る、デザインするという面が強く、まさにサウンドデザインだなと感じました。sample006の波が目で見えるのが面白いなと思いました。高校で物理基礎を習った時は綺麗なカーブの波ばかりだったので、鋸歯状波や矩形波のような形を見て驚きました。特に矩形波の直角もあるけどカーブもある、綺麗な四角という訳でもないという形を見て周波=曲線や直線のみの構成という概念が変わりました。聞こえてくる音の波の形がどうなっているかを考えたことがなかったので目に見えない音が目に見える波になるのが面白かったです。
→ 矩形波ですが、電子回路とかソフトウェアとしては完全にクッキリとした長方形にしたいのですが、考えてみれば時間ゼロで電圧がLからHまでジャンプするというのはエネルギー的に不可能なので、あのように実際の信号はアナログ的にボヨヨンとバウンドするのです- sound005で「12等分平均律」と「純正律」は違うように聞こえました。私はうなりが無いのに少し違和感を感じます。数学の試験で音の問題が出題されたのはその二つに関わりがあるということなので、数学も逃げずに理解していきたいです。また、sound007で例として名前が上がったハモンドオルガンを調べてみましたが、その仕組みが思った以上に奥が深く、ドローバーの組み合わせで音色が大きく変わっていくのが興味深かったです。今回もとにかく復習していきます。ハウリングには気をつけていきたいです。
→ 「うなりが無いのに少し違和感を感じる」というのは現代人においては普通のことなので心配無用です。ヨーロッパの巨大な教会などの残響豊富な空間が、少年合唱隊などの賛美歌やミサの純正な響きで満たされた瞬間のあの至福感は、むしろ現代では滅多に経験できない「異次元」のものなのですが、生きている間に一度でも経験してみて欲しいです。ハモンドオルガンというのは音楽の歴史の中でも異彩を放つ素晴らしい楽器です。YouTubeでも、日本語だけでなく英語で「Hammond Organ」で検索したら物凄い数の動画(解説、内部の紹介、各種ジャンルの音楽演奏、等々)が出てきますので楽しんでみて下さい。ジャズやブルースではあのサウンドが必須です- 最近IOT技術の発達で音でOn/Offできる照明などがありますが、「if $f1 > 0.5 then bang」はそれと同じような機能をすると思いました。私は音楽の音量を大きくして聴く場合が多いですが、まだ1万5千ヘルツの周波数は聞こえます。聴力が衰えないように注意します。今週の内容として気づいたことは、「声」は「周波数」となっていることでした。声や楽器はただの音だと単純に考えたからです。「mtof」(midi to frequency)のようにMIDIを周波数で変換したり、人の声の波長を周波数で変換することで「あいうえお」の音も実現できると思いました。来週の授業もよろしくお願い致します。
→ 同じピッチで「あーいーうーえーおー」と歌うとき、そのピッチ(音高)は一定ですが、母音ごとに「音色」が異なっています。その音色は、声帯から出てくるノイズを豊富に含んだサウンドに対して複数のフィルタがかかっているような状態です。人間の口腔内は複雑な形状をしているので、複数のカットオフ周波数をもったフィルタによる共鳴が同時に起きている、という現象です。「子音」はさらに、音素の頭の部分に付加される、ノイズの多い成分で、エンベロープとしては一瞬で消えるような特性です- シーケンスは録音、記憶、どう言うべきなのでしょうか。過去の音声が速度などを変えて自由に再生できることにより、同じ音を二重の音で鳴らすこともできて、ピアノにはできない異次元な音声も表現できそうだと思いました。
→ シーケンスはMIDI演奏情報をイベントの時刻とともに「記録」するもので、再生時に時間軸を圧縮伸長できるものです。カラオケでピッチを上下させてもテンポが変わらないのはカラオケデータがMIDIシーケンスだから(テンポを変えずに記録を再生しつつピッチだけ上下させる)です。これとは別に、自分の演奏サウンドをサンプリングするという話題を来週に紹介しますが、僕のComputer Music作品では、「演奏者の生サウンドをコンピュータにサンプリングして、それを後から色々に変容させて出てくる[自分のちょっとだけ過去の演奏]と自分とでライヴ即興セッションする」というタイプがそこそこ多いです。例えば 作品"Mycoplasma" ではソプラノの朗読音声、 作品"tegoto" では17弦箏/13弦箏のお師匠さんの演奏(邦楽の「手事物」というスタイルに準拠)、 作品"Berlin Power" では僕が吹くバスリコーダーの音を用いていますが、全て事前に録音したサウンドはまったく無くて、その場のステージ上でライヴサンプリングした音響を素材として加工しつつ生成させています。- 以前に受けた映像の授業で動画編集を行った際に、音声を教会風の響きにする機能がありました。その時と純正律の音が似ていたので、あれがうなりだったのだとわかりました。電子音と自然の音の違いを楽しんでいきたいと思います。Maxの知識も入れながら音楽の知識も入れるのは少し苦戦しています。質問ですが、声をスイッチにするという話がありましたが、if文などで細かく周波数などを設定することにより、特定の音にスイッチを絞るということは可能なのでしょうか?
→ 何人か上のコメントに書きました。複数のBPFで周波数帯域を分割すれば、その出力レベルをif文で判定することで可能です- sound009の説明の時にお話しされていた”人間の声は鼻腔と口の空間のフィルタを通している”ということから関連させて、 上手な発声方法 について調べてみました。口の開き具合によって口の中の空間が変わり、発声が変わるそうです。中国語の授業で発音を習ったときに、間違った発音は口の形を見ればわかると言われたことと繋がったような気がします。また、口の中に高さをつけて倍音を生んで声を響かせる 口腔共鳴 というものもあるそうです。今週の講義ではフィルタを変化させることで音の性質も変わることをMaxで体験したこともあって、プレゼン時などは口の形や口の中の高さに気をつけて綺麗な発声をしていきたいと強く感じました。
→ 「発声」と「発音」と、あと「姿勢」と「呼吸」ですね。僕はボイストレーナーでもあるのでそのあたりはまずまず詳しいです- モスキート音で耳の年齢を測れるアプリがあり、それを友達とやったところ友達の耳年齢が1桁代だったのに対し自分は30代だったので授業で戻らないと聞いて自分は一生30代の耳から衰えていくのかと思うと悲しくなった。耳を大切にしようと思った。アプリの話の続きになるが、人間に聞こえる音は皆知っていると思うが、他にも犬や猫に聞こえる程度の音があり、自分は犬の音が聞こえたので、その当時は自分は犬なのではないかと疑った。
→ 今からでも遅くはないので耳を大切にしましょう(劣化のスピードは抑えられる)。犬の音が聞こえた時には「犬並みの(秀れた)聴覚があった」という事です- 今回の授業を受けて、初めに先生が例年より濃いと言っていたのを聞いて安心しました。どうしても遠隔なので、例年より内容が疎かになってしまうのではないかと思っていたのですが、たしかに金曜一限だと私は眠くて集中できないと思うけど、遠隔になることで好きな時間に集中して授業を受けられたり、途中で止めて巻き戻したり、過去の動画を見返したり自分のペースで学べるので、着実に理解できる気がします。キーボードのスイッチだけではなく、声のスイッチが新たに増え、いろいろな可能性が広がるなと思いました。鋸歯状波や矩形波、方形波や三角波など、たくさんの紹介があったけれど、音も独特で形も独特なことに面白さを感じました。
→ この前期にはPCのキーボードとマウスと声のスイッチ程度ですが、これが「あらゆるインターフェース」に拡張されれば、インタラクティブな面白い作品が自在に作れるようになる・・・という「Maxの可能性」にご期待下さい- 純正律と12等分平均律という言葉を初めて耳にした。リンクや説明を読んで、完全五度を基本単位にして上昇させていった音は基準となる音自体は違くても「オクターブ」として人間が似ていると感じるヘルツの組み合わせから相対的に同じ音のように感じられ、音階が形成されているのだと分かった。正直自分でかみ砕いたこの理解もあっているのかわからないし、そのあとの計算までにはまだ到達できていないけれど、今まで何となく理解していた音階の概念が分かった気がするし、電子的に音を扱う授業なので今回周波数の調和について少しでも知れてよかった。
→ その理解でOKです(^_^)。人間のピッチの知覚というのは一直線の定規のようなものではなくて、オクターブ上の音は同じ音と感じるので、「音の螺旋」という構造と言われます。一周に12音の場所があり、一周回ってくるとまた同じような仲間のグループでありつつオクターブだけ上に上昇しています。このような「12個の場所」のことをpitch classと言い、同じpitch classに属する音は同等だという事からコードの理論はスタートします。等間隔 を繰り返して一周に12個の場所を設ける方法は、「半音ずつ」と「完全5度(7半音)ずつ」という2種類しかない(11半音と5半音は対称系の逆回りなので実質的には同等)というのが、音楽理論の基礎で、つまりは「5と7は素数なので12と互いに素」という数学的真理がその基底にあります- 前回勉強したtableの周期やタイミングを使って、音が自由に動き回るような様子を視覚的に表せるのが面白かった。リンクの錯視動画のようにカラフルにしてエフェクトを付けてみるのも面白かったし、例えば、動きのある点一つ一つに人形の手や足を対応させて、音に合わせて踊るとか、グラフィックの工夫次第でもっと面白くできるのかもしれないなと思う。技術的にまだ難しいけれど、アイデアが膨らむ機能なのでいつか使ってみたい。
→ Maxでは音楽/サウンドとグラフィクスを本質的に「同期」にプログラミングできるので、そのような展開は自由です- フィルターをつかい波形を変化させて演出するのは楽しかったです。今回調べた中で、ハモンドオルガンが、教会だけでなくビートルズやピンクフロイドなどロック音楽に使われていたことが意外でした。私の父も以前バンドマンで、キーボード担当なのですが「今のキーボードはこんなにもコンパクトで安いけど、昔は巨大でものすごい高価だったんだよ」とよく懐かしんで話してました。それは、このモーグシンセのことかもと興味を持ちましたし、博士のドキュメンタリー映画予告編を見て、また家族でも見てみたいなと思いました。
→ ピンクフロイドだけでなく、「プログレ」時代のバンドはほぼ全てがハモンドオルガンを弾いていました。ロックバンドのギタリストはノッてくるとステージでギターを叩き壊すのが一つのパフォーマンスですが、EL&Pのキース・エマーソンはステージでハモンドB-3を壊すために持ち上げようとしてぎっくり腰になった???・・・という話は真偽不明ですがとても有名です。あれは到底、持ち上がらない重量です- 今回からサウンドを取り扱うということでした。ですが、今回なぜか音の入力も出力もできませんでした。自分で作ったパッチも頂いたどのサンプレパッチも音を出しても何も反応せず、またcycle~をつなげたパッチからも音が出ませんでした。試しに過去のドラムのパッチを開いて実行してみたのですが、そちらの方は問題なく音が出ました。何か確認すべき設定事項などあるのでしょうか。
→ MIDI音源とサウンドでは内部的にまったく異なったところから音を生成するので、ZOOMでの相談アポを入れて下さい。たぶんWindowsなのでは???と思いますが、システムのサウンドの設定か何かが必要だと思います- 某大学のテストですが、私もなぜだか過去問か何かで解いた覚えがありました。純正律の長調の和音は第三音が低いので計算するまでもなく純正律のミの方が振動数がちいさいのではないかという知識が当時役に立った思い出があります。今回平均律と純正律の和音を聞き比べましたが、生の楽器で聞くよりもより平均律の気持ちの悪さが顕著に聞こえました。おそらくそれは出た音にあまり音の豊かさがないためあまり倍音がなっていないことが原因なんじゃないかと思いました。その分より一つの音程がクリアに聞こえるので、ハーモニーディレクターのように使えそうだなと思いました。
→ 「純正律の長調の和音は第三音が低い」のではなくて、「平均律の長調の和音は第三音が高くて純正な響きがしない」というのが正しい事実です。純正な第3音は386セントほどなのに対して400セント、つまり誤差14セントというのは耐えられない大きさで、これをヴォルフ「狼の唸り」と呼びます。生の楽器では音色に多くの倍音があるので、まぁぐちゃぐちゃに誤魔化されているということです- 第6週(6/16〜6/19)
- 業務連絡
この「サウンドデザイン」を受講している2回生の大部分は、去年後期の「基礎演習E」または今年前期(現在)の「基礎演習E」を履修しています。今年は遠隔ということもあり、「基礎演習E」の長嶋担当回については、去年の後期と今年の前期ではだいぶ品揃えを変えているので、去年後期の「基礎演習E」を受講した人は、ぜひ来週(6/23〜6/26)の 基礎演習Eの長嶋担当回 をチェックしてみて下さい。去年に獲得した知識の確認だけでなく、新たな知見もきっとあります。- 今週の教材動画(80min)
- (補足) 「不応期」アルゴリズム
- 「マイク入力をスイッチにする」にキチンと使える「技」
- 人間の神経細胞(ニューロン)で起きていることと同じ現象 - 生物が生きていくために必要な反応
- bangだけでなくセンサ等のデータ入力でも「不応期」は重要
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでサウンドを生成する(MSP) Part 2
- 「サンプリング」してみよう - sound012.maxpat
- 「サンプリング」とはバッファメモリにサウンドファイルをレコーディングすること
- メモリの確保「buffer~」
- メモリへの記録「record~」
- メモリからの再生「play~」
- スピードや時間的方向を変えて再生してみよう
- 「ゴジラが吠える」サウンドを作ろう
- ペットボトル(特に「いろはす」!!)は最高のサウンド素材
- ディジタルサウンドの「エフェクト」について ★
- 長嶋がMaxサウンド作曲で依頼された事例紹介 → 宇宙人音楽と人体音楽の作曲事例報告
- オペラで「宇宙人の声」を生成
→ これがその パッチ- SONY ネットMDウォークマンラジオCM 「人体の音楽」編 のために自分の身体生理情報から作曲
- 長嶋洋一 「電子音響音楽作品」サンプルも参考にどうぞ
- サウンドファイルの種類と特徴
- 「音楽ファイル」には大きく3種類ある
- 「MIDIファイル」 --- 音楽演奏情報を記録したデータファイル。再生系でサウンド合成(シンセサイズ)する必要がある。サイズが非常に小さい (*.mid)
- 「サウンドファイル」 --- サウンドをそのままサンブリングしたデータファイル。非圧縮だとかなり大きくなる (*.wav, *.aif)
- 「mp3ファイル」 --- サウンドファイルを人間の聴覚特性を利用して最大限に圧縮(サイズを1/11とかに)している (*.mp3)
- Max8プログラミング - Maxでサウンドを生成する(MSP) Part 3
- 「buffer~」からファイルへの書き出し - sound013.maxpat
- ファイルから「buffer~」への読み込み
- ピッチ加工したサウンドの書き出し例 - sound014.maxpat
- 自分の声(ロングトーン)でハモるには?? - sound015.maxpat
- 直接サウンドファイルを書き出す「sfrecord~」 - sound016.maxpat
まず最初に「open」して書き出すファイル名を指定
次に「1」(トグルが便利)で録音開始、「0」で終了してそこまでの長さのサウンドファイルとなる- 直接サウンドファイルを再生する「sfplay~」
まず「open」、あるいはパッチと横並びに置かれたサウンドファイルを直接指定しておく
「1」の入力で再生スタート
終了すると右端からbangが出る → loopさせたい場合にはこれで入力「1」を再度bangする- フェードイン、フェードアウト - sound017.maxpat
「*~」に入れている数値を生成している「line」オブジェクトをヘルプで調べてみよう- 来週の予告
- サウンドのエフェクトいろいろ
- その翌週から「Maxでライヴ・グラフィック」(→アニメーションやゲームが作れる)に入ります
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。詳細は前回と同じです。分量はおよそ200文字〜400文字ぐらいを目安とします。提出期限は6/19(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
- 第6週のレポートと、それに対する長嶋のコメント
- 宇宙人の声を表現することができ、さらに自分の声と混ざって自分が宇宙人になったような声がだせることが知れて面白かった。自分の体の筋肉の動きに反応して音を出すことができることも興味深かった。一般的に曲が流れてそれに合わせてダンスをするが、もし自分が人体音楽の創作をするなら、ダンスを踊ることで音楽が作られる装置を作ってみたいと思った。また、人体音楽とは離れるが、ものによって叩いた時の振動が違うことを利用して、自分の身の回りのものを楽器にすることができる装置を作ることはできるのかを知りたい。
→ かつてヤマハがMIBURIという身体動作センサ楽器を出した(両手首、両肘、両肩の角度をセンシング)のですが、無理矢理に音階に割り当てる不自然さとあまりに高価だった(繊細なセンサのため膨大な開発費用)ことで、まったく流行ることなく消えました。このMIBURIは、まさに「音楽に合わせて身体を不自然に[当て振り]している」ようにしか見えませんでした。僕はそのセンサ部分だけを切断して電気信号を取り出してオリジナルの身体動作センサを開発して、1995〜2000年頃に、「身体動作が音楽を生成させ進行させる」という形の、このようなインタラクティブ作品に使用しました → ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 「自分の身の回りのものを楽器にする」というのは、2年後期の「インタラクティブプロダクト演習」(的場+伊豆+長嶋+非常勤)が、まさにそのテーマなので、ぜひ受講してオリジナル楽器を作ってください。完全に「造形だけ」(からくり程度)の学生もいますが、「サウンドデザイン」を受講した学生は「センサ→Maxでサウンド生成」という本格的な作品を作り上げた前例があります(^_^)。Moog博士が来日してSUACで講演した、と上の方で書いた、その「NIME」という国際会議は、そのような「新しい楽器、新しい音楽インターフェース」を研究する専門家の国際会議で、僕は研究発表sessionでの参加に加えて、2003年モントリオール、2005年バンクーバー、2007年ニューヨーク、2011年オスロ、のコンサートsessionで採択された新作を公演しています。ここでは紹介できないので個人的に送りますが、2006年のNIME(パリ)のコンサートで、「ものによって叩いた時の振動が違うことを利用して、自分の身の回りのものを楽器にした」という素晴らしい演奏の記録動画を見て下さい。これは本当に素晴らしい作品/公演です。もちろんMaxを駆使しています(^_^)
→ コメントへの返信ありがとうございます。実際に自分が疑問に思ったことを実行している方がいて、そしてそのコンサートを見て、素晴らしい作品だと感じました。彼は棒の長さを利用したものを楽器として使っていましたが、身の回りにあるようなもの(机や調理器具)を使ってメロディーを奏でることができたら、より多くの人がなじみやすい作品ができるのではないかと考えました。同じものでも叩く位置によってドレミといった音階を表現したり、異なるものを叩くと音色が変わったりする作品を、できるのであれば、実際に作ってみたいと思いました。- 今回はbufferなどサンプリング関連のコマンドをたくさん学べて、実際に声を出しながら体験できる感覚的に分かりやすい授業でした。ロングトーンでハモる体験などは、自分の声同士がハモるという普通にやれば手間のかかるであろうことが一瞬で出来てとても楽しかったです。電子音響音楽作品サンプルとして紹介されていた中では、私は"Coin's Journey"が一番気に入りました。最初にシンプルなコインの落ちる音から入って、だんだん加工が入り盛り上がったり。突然休符が入ったかと思うと最初の音からは想像もつかない音が流れ出したり、少ない音からなっていてもなお展開にドラマ性を感じるのがおもしろかったです。余韻の残る終わり方も素敵だなと思いました。
→ "Coin's Journey"について、頑張って資料を発掘して、 こんなページ を作りましたので、ぜひご覧ください。僕が2004年の7-9月に58日間、欧州に行ったのですが、そのうちパリで開催されたMOTUSワークショップで作曲しました。このmp3サウンドはステレオですが、実は「アクースモニューム」という、フランス独自のシステムで「再生」というよりも「演奏」するために作曲しています。客席を多数のスピーカ(別々に駆動される)が取り囲んでいるのですが、一例として、客席からみて前方の左右にスピーカがあり、また客席の後方にも左右にスピーカがあると想像してみて下さい。僕は自分の作曲の中で、ある特徴的な音が「左から右に吹っ飛ぶ」ように仕組んでいたとします。この音が鳴るタイミングで、あらかじめ大きくしてある「前方ペア」の音量スライダーを下げつつ、同時にあらかじめ小さかった「後方ペア」の音量スライダーを上げたとするとどうなるでしょうか。その特徴的な音は、客席の聴衆の頭の上を「左前方から右後方に吹っ飛ぶ」ことになるのです。音源はステレオのCDですが、あのコンソールは音をミックス「入力」するのでなく、客席を取り囲む多数の(音響特性の違う)スピーカ群にサウンドを送り出す「出力」コントローラなのです。写真と解説を参照して、ぜひその雰囲気を想像してみて下さい(^_^)- "Ogress2"についての感想です。曲の始めがフェードイン、終わりがフェードアウトしていくように聞こえて、詩の世界観がだんだんと近づいてきて最後にはだんだんと去って行くように感じ、単に曲を聞いたというよりも詩の世界観を体験したという印象を受けた。序盤の水の音はポチャリと不規則に鳴る音だったのに対し、3分15秒頃から水が淡々と流れる音に変わり、4分30秒頃には速く激しく流れる水の音になったことで、不安感が強くなっていき、場面展開を感じた。7分15秒頃から、全ての音がこちらに向かって来るように感じて緊張感が高まった。8分5秒くらいから聞こえる笙の音が、日本らしさや荘厳さを連想させ、詩のイメージに合っていると感じた。
→ この曲はフィナーレの「滝」に向かって、最初の水滴からせせらぎになって、次第に大河になっていくように、「水」関係の膨大なサウンドライブラリから編集しました。SUAC図書館の受付デスクの後ろには、この「業務用(ライセンス付き)サウンドライブラリ」(海外製。映画やテレビにも使えるCD全50数枚のセットで価格は50万円ほど。開学の2000年に依頼して購入してもらいました)があり、学生は貸し出しでなく図書館で視聴(→必要なものはUSBにコピー)できます。その全てをmp3化したライブラリ(DVDROMで4枚組、計20GBほど)と全てのタイトルのリスト(紙)は長嶋研究室(→貸し出し可)とGWSにありますので、ぜひ活用して下さい- 過去のレポートに日本人と西洋人が音を聞く時の脳の違いについての記述があったことで、西洋人がこの曲"Ogress2"を聞いたらどのような印象を受けるのかが気になった。また、鑑賞した人の抱いた印象が、文化の違いによって異なった先生の作品がありましたら教えていただきたいです。
→ 僕が海外で公演してきた作品は全て「ライヴパフォーマンス作品」ですが、この曲"Ogress2"は「テープ作品」(再生するだけ)なので、たぶん海外では発表していなかったです。我々日本人が日本の伝統楽器(雅楽とか邦楽とか)の演奏を聞くと、例えばお琴の「春の海」を聞くだけでお正月気分になってしまいますが、海外の音楽家は独特のイメージ(良い意味で豊富なノイズと揺らぎを持つ)で日本の伝統楽器に接している印象があります。僕が1998年に京都で発表した 作品"Mycoplasma" (ソプラノの朗読音声をライヴ変調。上の方でも紹介しました)は、世界で初めてウイルス「マイコプラズマ」の全ゲノムが解析されたというニュースを受けて、当時の教え子だった塩川マイコ(神戸の「舞子」に住む)がそのニュース記事を読み上げて、マイコ自身の声がウイルスのように増殖していく・・・という駄洒落のようなテーマで作曲したのですが、自分としてはコンセプチュアルな作品なのでそれほど思い入れはありませんでした。ところが、関西に在住して10数年間、日本の現代芸術の状況をフランスに発信し続けているフランス人の芸術評論家が、「あなたのこの作品は、これまでの作品と違って(^_^;)、とっても良かった」と絶賛してくれました。彼女のこの言葉が強烈な記憶として残っています- 男性と女性の声が大体1オクターブ違うと聞いて、自分の声も加工したら父や兄の声に近くなるのではと思い、録音した声の速度を少しずつ遅くして再生してみました。そうするとそっくりというわけではないですが4.3から4.5秒くらいで兄が笑うときに出す高い声に似たものができて面白かったです。
→ これはいい実験ですね(^_^)。性別の異なる兄弟でも、近親者であれば体格などから声質は似てきますので、声帯が性別でオクターブ違うとしても、口腔の形状などから似てくるというのは事実だと思います- 私は電子音響音楽3曲を聴いて、"Coin's Journey"が一番好きです。素材はガラスとコインがぶつかる音だけなのにそう思えないくらい様々な音で作曲されており、またとても立体感のあるサウンドで驚きました。関連してアークスモニウムの演奏風景の動画を探していたところ、 こんな動画 次の動画 (https://www.youtube.com/watch?v=YMW02Dn-hGU)を見つけました。私たちがいつも見ている映画とは違う独特のライブ感があってとても面白いと感じました。
→ この動画で「演奏」しているのは、僕もお友達ですが、檜垣さんですね(^_^)。僕もパリのコンサートでは、このようにコンソールの前に立って「演奏」しました。なかなか面白い体験でした。 このページ で追体験してみて下さい- 今回覚えたことから、声や物音などを録音・変化させ、素材を自由に作れるのがとても楽しかったです。"Coin's Journey"の資料と音楽を聞きました。音質の良いヘッドホンで聞いたので、ステレオの左右の揺れのクラクラ感がかなりきました。これを、資料写真の客席で聴くとアトラクションに乗ってる感じになりそうと想像します。ガラスとコインの固くて冷たい無機質な音から緊張感や宇宙っぽさを感じ、終始宇宙船に乗ってるかの様でしたし、最後のコインの音で夢から醒めた感覚になりました。やはりコインの音しか使ってないのが面白いと思い、様々な変化ができるMAXだからこそ、何か制約があるのも面白いなあと思いました。
→ いろいろな素材を叩いたり擦ったりして多種の音響素材を活用する・・・というのは定番なのですが、この時には敢えて「コインの音だけ」限定にとてもこだわった記憶があります。この曲に関しては、僕の作曲事例としては滅多にない事ですが、 このページ の「2004年8月9日(月)」から「2004年8月22日(日)」の記載とともに追いかけると、実際にどうやってこの音響を作っていったか、が判るので、興味があれば追いかけてみて下さい- 今週の授業で、インタラクティブサウンド作品の創作インスピレーションを受けました。先生の「宇宙人音楽と人体音楽」という課題に興味があります。「Globolink」と「Globolizer」パッチで、「phasor~」と「sah~」が正弦波を変調して、サイエンスフィクション的な効果が現れました。この部分が巧妙なデザインだと思います。演目中に、宇宙人音楽とクラシックオペラが結合して、驚くべきロマンチックな効果がありました。
→ この「宇宙人音楽」作曲の依頼が来たときには、こんな面白いことを受けない理由がない、と飛びつきましたが、なかなかハードな日々の中で、とても面白い体験となりました。作曲から公演までの怒涛の1ヶ月の記録は このページ にあります- 人体音楽の作品に生命の美しさを感じました。心臓の鼓動音は最も原始的なリズムです。人体の心拍と筋電情報を得て、音楽に転換することは面白い課題だと思います。もし機会があったら、MiniBioMuse-Iを実験したいです。筋電情報はどのようにサウンドに変換されるのか、この部分がちょっと気になります。
→ この「人体音楽」作曲の依頼が来たときにも、こんな面白いことを受けない理由がない、と飛びつきました。僕のオリジナル筋電センサについては、 このページ および、その後は このページ にまとめてあるので参照してみて下さい。「MiniBioMuse-I」は1106研究室にあるので、たぶん体験できると思います。普通の筋電センサは「筋肉の状態をデータでMaxに送る」だけなのですが、僕のオリジナルは、「筋電ノイズそのものをアナログ信号としても出力する」タイプで、 この動画 で聞こえている「ザーーーーッ」と聞こえる音は、Maxで生成している電子音ではなくて、まさに「筋電ノイズそのもの」のサウンドです- 今回の講義でサンプリングについて学び、録音したものの速度を変えることで様々な音色に変える体験ができ、とても楽しかったです。sample14の説明で、ボタンを押すと右から先に指示が流れるため、録音が始まると同時に再生が始まるとのことでしたが、recordを左側に置き、playを右側に置いたら再生が先に始まり、最初から録音されなくなってしまうのでしょうか。自分でやってみましたが、違いが感じられませんでした。これは、聞き取れない程度の差であるからなのか、最初から録音が出来ているからなのかが気になりました。また、"play~"と"sfplay~"はどちらもファイルを再生できるということは分かったのですが、この二つにどのような違いがあるのかがよく理解できなかったので教えていただきたいです。
→ いい実験をしましたね(^_^)。録音と再生のタイミングですが、Maxは基本的に1msec、つまり1000分の1秒のオーダで「順に処理している」ので、"play~"と"record~"のどちらをパッチ内で右側に置くか、という差は1000分の1秒のオーダです。厳密に言えば、再生の先頭データを録音しそこなう事もありますが、これはまさに「聞き取れない程度の差」なので心配いりません。パッチ内の配置で左右を気にするケースというのは、どちらが先であるかによって結果が真逆になる(「トリガ」を叩くように)という場合です。それから"play~"と"sfplay~"の違いですが、「"play~"は"buffer~"でメモリ中に定義されたサウンドデータ(先にファイルから読み出して格納)を再生する」のに対して、「"sfplay~"はサウンドファイルを指定してそのまま読み出しつつ再生する」という違いがあり、HDDであれば前者の方が100倍〜1000倍ほど高速です。ただしHDDでなくSDDであればほとんど速度の違いはなくなります。また、前者は再生の速度と方向を自在に指定できるのに対して、後者は基本的には「再生するだけ」(速度を変更するoptionはある)という違いがあります- 今回の授業で、例にあがった自己紹介の声も、エフェクトによって変化させると様々なバリエーションを生み出していたのが興味深かったです。"Ogress2"では、サウンドと詩のみであるからなのか、よりリアルに、その滝壺の場にいるような情景が思い浮かびました。笙の音が「舞ひおちる」の詩と重なって、今まさに落ちている時の音のように感じられました。また最初の水の垂れる音から、だんだんと流れる川のように早く激しくなったと思ったら急に水の音が止まる部分は、場面から意識を引き戻されるように感じました。この作品のように、音の強弱や緩急があると、自分の頭の中で流れていた映像もピタリと止まるのは面白かったです。
→ 「音の強弱や緩急があると、自分の頭の中で流れていた映像もピタリと止まる」というのは素晴らしい視点です。だいたい、聞きやすいボップスやロックやクラシックでは、ずっと音楽が心地よく「続く」ものですが、遠い昔にはハイドンが「突然びっくりさせる」という作品を作曲していましたし、現代音楽の世界では「予測を裏切る」というのが大きなテクニックなので、予想外の「瞬間」の演出、というのは大事な技法です- 自分の声を編集して宇宙人っぽくしたり、ノイズを混ぜたりなどの編集の仕方がわかり面白かったです。何か映像とかの音源を作る時にこういう面白い音を取り入れたいなと思いました。電子音響音楽の内の「Coin's Journey」についての感想です。イヤホンで聴いてみましたが、左右あちこちでコインの音が最初してすごく不思議な気持ちになりました。途中シュイーンみたいな感じの音とか鐘みたいな音が出てたりして、コインだけの音で作ってると知らないと絶対わかんないなと思いました。すごくこだわりを感じます。目を瞑って聴いてみるとなんだが宇宙に浮かんでるような、神秘的な感じがして面白い体験が出来ました。
→ この手の音楽で僕がよく活用するテクニックを紹介します。ある長さのモノラル・サウンド断片を作ると、それをステレオの左端から右端までゆっくり移動させます(全体にディクレシェンドをかけたサウンドをLeft Channelに、全体にクレシェンドをかけたサウンドをRight Channelにする)。いくつものサウンド断片が次々に登場する時に、この「ステレオの左端から右端までゆっくり移動」というのを全てに対して施しておくと、新たなサウンドが登場した時にはちょっと過去のサウンドは先に移動して左端を空けてくれているので、あまりギュウギュウに重なる(「3密」みたいなもの(^_^;))ことがなくて、全体の音像がスッキリしつつ深くなるのです- 電子音響音楽作品のサンプルを聞かせていただきました。"Bit Extra Issue"はフルート独奏曲からの素材のみとは思えないような作品ですでに完成されている曲から新しい作品を作るというのがとても面白いと感じました。確かに音色はフルートだけれど1分35秒ほどからの楽器らしくないような機械的な音の繰り返しが印象的で3分始めごろからの音がどんどん重なりあっていく部分はヘッドホンで聞くと頭の中にぐるぐる音が何重にも響き渡っているような不思議な感覚でした。全体を通して何か得体のしれない物に後ろから静かに追いかけられているような印象を受けたのですがどのようなイメージで作られたのか気になりました。
→ 「すでに完成されている曲から新しい作品を作る」というのは、平安時代の「連歌」からある、世界に共通のクリエイティブの手法です。元の素材となった作品"Epsia"を提供してくれた辻井先生もその遊び心で作曲してくれました。現代でも「前の人の描いた絵を受け取って一部を改変した作品を制作。それを次の人に渡す」という「連画」というプロジェクトの歴史はインターネットと共に長いです。「どのようなイメージで作曲したのか」という質問はとても苦手です。僕は最初から明確なテーマとかメッセージがあって作品を創造することは極めて稀です。"Bit Extra Issue"の場合でも、最初から目標とするイメージやサウンドがあるというわけではなくて、多数の試行錯誤を繰り返すうちに次第に全体の構想が出来上がってきて、途中からは僕はその音楽に導かれるように音を紡いで張り込む作業を続けていたりするのです- sound012でペットボトルの音を録音してみました。私の家は南アルプスの天然水を箱ケースで買っているので、ちょうど空いていたものを使いました。私の録音の仕方のせいなのか分かりませんが、自分の耳でペットボトルを潰すときに聞こえる音と録音されたものを等倍速で再生したものでも違って聞こえました。主観ですが、1500の時はガラスなどの硬いところを打つ雨音、6000の時は馬の走る音のように聞こえました。同じ音でも再生速度が変わってキーが上下するだけでこんなにも違う音に聞こえるのだと驚き、面白かったです。"Ogress2"の感想ですが最初の3分くらいで怖くてウインドウを閉じそうでした。夜に一人で聞いたのを後悔しました。お化け屋敷や幼い頃に読んだ怖い絵本を思い出すようなサウンドでした。
→ 怖い音楽ですいませんでした(_o_)。ペットボトルの実験は大事な経験ですね。マイクを至近にすると(音が割れない程度に注意)、ちょっと離れた自分の耳に届くサウンドとはだいぶ違ってきます。3秒間サウンドの再生時間の1500とか6000というのは単なるサンプルなので、300とか20000とかも実験してみて下さい- 今回の授業で筋電から奏でる音楽についての紹介がありましたが、アイドルグループの嵐がコンサートで筋電を使った大規模なパフォーマンスをしていたことを思い出しました。それぞれが担当楽器を決めて音を鳴らし、その動きとダンスを織り交ぜて音楽を奏でるパフォーマンスでした。それは筋肉の動きのみに反応していましたが、授業内の動画では筋電のノイズも取り入れており、それがさざ波のような音に聞こえたので人体のみで動画作品のサウンドエフェクトを全て作るということもできるのかもしれないと思いました。"Coin's Journey"をヘッドホンで聞きましたが、かなり立体的な音楽に一度ヘッドホンを外すぐらいには音が表す世界観に酔いました。コインが落ちる音、ということで感覚として入ってくるのは音だけでも脳内では前後左右にコインが落ちる様子が頭に浮かぶ不思議な体験もできました。聴覚から視覚を刺激するということも面白いと感じました。
→ 嵐のコンサートの「筋電を使ったパフォーマンス」というのは、Myoという海外製の筋電バンド(このサウンドデザインのページのいちばん上のあたりの写真で僕も嵌めています)を使ったもので、実際には筋電位(筋肉を使っている際の強弱データ)ではなくて、手のひらを「グー」・「パー」・「左に曲げる」・「右に反らす」・「脱力する」という5種類のジェスチャーをMyoが認識して送ってきた情報によって、いわば「4種類のスイッチ」としてあらかじめ用意したサウンドを鳴らす、というものだったようです。本来はMyoは片腕専用なのですが、僕は このように 独自解析して両腕で使えるようなシステムを作り、たとえばフランスのボルドーで このように パフォーマンスをしました(この時は同時に脳波バンドMUSEも装着していました)- 宇宙人音楽と人体音楽の作曲事例のオペラがコンピュータサウンドを活用していてとても面白い作品になっていると、動画で見ていても伝わった。ああいった舞台での機械音声は録音によるものでしかないという固定観念があったが、リアルタイムで音響合成することもできるのだと知った。そして校長先生が本当に宇宙人語を喋っているように見えて作品の一番面白い部分が崩れない仕上がりになっていた。またコンピュータサウンドを芸術作品に活用する一例としても見れ、もちろん既に様々な事例があると思うが、他にももっと面白いものをつくれると思いこれから先自分の創作にも取り入れてみたいと思った。
→ 公演の際にサウンドを鳴らすためには、録音でなければサンプラーという機械やソフトを使ってスタッフがステージのソデでタイミングを見計らって鳴らす、ということになります。ただし本当にbestなのは、演劇/ミュージカル/オペラ等であれば、「演者が自分でスイッチ/センサを操作する」というのが最適です。僕は過去に、見ず知らずの芸術家(劇団を主宰していてオリジナル演劇の公演活動をしている)からメイルで依頼されて、「超小型のスイッチをステージ上のあちこちに仕込んで、そこで演者が自分のタイミングでスイッチを踏んで、MIDI接続されたサンプラーに仕込んでいた多数のサンプルから鳴らす」システムというのを開発して提供しました。こういう活動の場合には「部品代+α」程度で儲けナシに製作提供して、何年後かに「ちょっと改訂して欲しい」という依頼にも応じて宅急便を往復させてきました- 声を録音して、それを早送りすることで声を高くしたり、遅くすることで低くしたりと、自由自在に操れてものすごく興味深くて面白かったです。日本語を喋っているのを後ろから再生すると、韓国語のように聞こえると言っていたところで、逆再生しても日本語に聞こえるように喋ってみたいなと思いました。なのでまず、「こんにちは」と喋ったものを後ろから再生して聴いてみると、「あぅぃちんのく」と聞こえました。なので今度は「あぅぃちんのく」と喋ってみてそれを後ろから再生すると、「ふくぉんにっちふぁっ」と聞こえました。頑張って聞けば「こんにちは」と聞くこともできるかもしれません。この場合イントネーションも反対になるので、強く言うところを調節したり、弱く話したりすると結構それっぽくなることに気づきました。すごく面白かったです。
→ 日本語の音素には母音と子音があるので、逆に再生したときにちゃんと聞こえるためには、ローマ字にしてから反転させるというのがセオリーなので、例えばKO N NI TI WAは逆にするとA WI TI N NO Kとなるので、上記の通りになります。イントネーションが反対になるというのも正解で、このあたりを追求すると、デザインの学生に多い「オノマトペ」ねたの新しい世界の可能性があるかもしれません- 今回もMaxでサウンドを生成するということでした。自分の声のピッチを変えてサウンドを生成することはとても楽しかったです。子供の頃、「ニンテンドー DSシリーズ」の録音した音のピッチや音色を変えられる機能でよく遊んでいたことを思い出しました。長嶋先生の「電子音響音楽作品」を拝聴しました。私は特に"Ogress2"が気に入りました。音にかなり立体感があるように感じました。右のほうでなっている、遠くで鳴っている、近くで鳴っている・・・これらがかなりリアリティに伝わってきて、臨場感あふれる音楽だと感じました。特に「舞い落ちてく」からは本当にすごいです。目を閉じて聞くと、だんだんとざわざわし、意識が遠のいていく。サウンドだけでここまで表現できるのかと圧巻されました。やはり音は臨場感やリアリティを出す最強の手段だと改めて感じました。臨場感あふれる良い映画はやはり音響が優れているものが多いと私は感じます。サウンドデザインの授業を通して、サウンドを扱う技術だけでなく、音に対する造形力、発想力、感受性を磨けていけたら、と鼓舞されました。
→ 当然ですがサウンドに対する感性というのは映像とかマルチメディアコンテンツのデザインを目指す学生にとっても重要ですので、この姿勢はいいことだと思います- 自分の声を電子音に変換して聴けたり、録音した声のピッチを変えてハモれるというのが面白かった。自分は、マッキーのこすれる音が昔から嫌いなのだが、その原因がピッチや音の速さを変化させることによって解消されるのか検証してみた。自分は擦音の音程が高すぎて嫌なのかなと予想していたが、オクターブ下げても嫌な感じは消えず、逆にオクターブ上げると不思議と嫌な感じが消えた。この嫌な感じというのも非常にあいまいで、結局自分では原因が分からなかったのだが、これから音を扱うときに人間が何となくいやだと感じる音例えば黒板を指でこする音のピッチ以外の共通点とか原因があるなら知っておきたいなと思った。
→ 直接的には僕はその解答を持ち合わせていません。というのも、「嫌な音」というのは相当に個人差があるためです。Maxという道具があるので実験・検証してみて下さい- 今回の授業では人間の声を電子音に変換させることについての作品を拝見した。しゃべっている声の周波数とか音が分かれば、その人の声をリアルに再現できるのかなとも思ったが、自分自身の声を録音して正確な音声でハモってみた時になんとなく違和感がすごかったことからも、リアルな人間の歌声には電子的には表しずらい不安定な要素(ブレスや音程の微妙なずれなど)が多く含まれているんだなと思った。
→ 自分の声を録音して再生すると、骨伝導とか口腔内の響きなど、自分だけに聞こえているいつもの音が無いので、たいていは自分の声としては違和感があることになります。ヤマハが作った「AIひばり」の気味悪さと違和感は、同時に映す美空ひばりの映像の生気なさに起因するのでちょっと別ですが、ボーカロイドを含めて、「合成した歌声」と「リアルな人間の歌声」との間に雲泥の差がある、という事実は永遠に続くような気がします- 動画で24:00のところは韓国語の発音よりもインド語のような感じだと思いました。またメモリの確保「buffer~」で自分の声を変化させたことが面白い体験でした。effect sampleの「f5khz.aiff」を聞いていて、映画でよく使われた効果音だと考えました。古いレコードを録音して音を流した感じです。宇宙人音楽と人体音楽の作曲事例で、宇宙人の声の創作(Globolinkのサウンドパッチ)を聞いて実際の宇宙人がいたらこんな感じではないかと思いました。「sfrecord~」は自分が録音したいところだけ(スタートしてストップできるので)録音できるので、便利だと思いました。
→ なるほど、韓国人が聞けばあれはインド語のように感じた・・・というのは面白いと思います(^_^)- 宇宙人音楽と人体楽曲の心拍サウンドの実験が面白かったです。音の一部の変化で大きなイメージの違いが生まれ、聴いていて頭の中で浮かんでくる映像にも変化があり、音のパンチによってこうもニュアンスが変わるんだと実感しました。最近の音楽はPVを見ながら一曲目を聴くことが多く自分で曲のイメージすることが数年前より減っているなと、目を瞑りながら聴いてふと思いました。もしかしたら映像のレベルが上がりビジュアル化されることで聞き手はイメージを持ちやすくはなるが逆に限定された捉え方になるのかもしれません。音楽を作ってる途中で表現したい方向とは違う方向に行って迷走しそうだと、この授業を受けていてたまに思うのですが手段が目的ではなく、表現したい自体ことがなんなのかをを見据えて取り組んでいきたいです。
→ その考察はとても重要だと思います。人間は聴覚情報よりも圧倒的に視覚情報に影響されるのですが、「限定された捉え方」に誘導されるとしたらとても困ったことなわけで、時には「敢えて目を瞑って聞いてみる」といいのかもしれませんね第7週(6/23〜6/26)
- 今後の予定について
第7週(残りは「第8週」〜「第12週」の5回)となったところで、この前期のこれからのおよその方向を紹介しておきます。当初から紹介しているように「サウンドデザイン」は全体として大きく3つのブロックがあり、「(1)MIDI音源(ソフトシンセ)を鳴らす」に続いて、今週で「(2)MSPで実サウンドを生成/処理する」まで終わります。残り5週ですが、「(3)Maxでアニメーション/インタラクティブ」という内容は3週で終わり、教材として提供できる内容はここまでとなって、あとは「最終課題の制作」→「全体での合評」となります。例年、僕は前期中に国際会議の出張などでたいてい1週はどこかで抜けるのですが、その週を「休講」でなく「課題制作日」として、学生はマルチメディア室に行ってそれぞれの課題制作を進めて実習指導員がフォローする・・・というのを続けてきました。今年は遠隔なのでこれが難しいのと「全体での最終合評」をライヴでやりにくいので、ちょっと変則的に以下のようにしたいと思います。つまり第11週は出席に相当する「感想」メイルの提出は不要で、第12週は簡単な説明付きで「最終課題Maxパッチ作品」を提出し、その全てが翌週の試験期間の火曜日に長嶋コメント付きで公開されます。これをお互いに鑑賞/評価した感想などの「最終レポート」を翌週の試験期間の金曜日までに提出することで全て完了、となります。「合評」という意味では、長嶋はさらにこの「最終レポート」に全てコメントを添えつつ翌週あたりにこのWebに公開するので、夏休みにお互いそれぞれの「最終レポート」(+長嶋コメント)まで読むことを希望します。最終課題については追って詳細を告知しますが、(1)オリジナルのサウンド(BGM/SE)と(2)Maxアニメーションに(3)インタラクティブな要素を加えた、一種のゲーム/インスタレーション(体験型マルチメディア作品)とも言えるMaxパッチというような感じになります
- 第7週(6/23〜6/26) - 今週。「MSPで実サウンドを生成/処理する」最終回
- 第8週(6/30〜7/3) - 「Maxでアニメーション」(1)
- 第9週(7/7〜7/10) - 「Maxでアニメーション」(2)
- 第10週(7/14〜7/17) - 「Maxでインタラクティブ」。これで教材提供は完了。さらに先に進みたい人は → 後期「メディア数理造形演習」へ !!
- 第11週(7/21〜7/24) - 最終課題の告知と「過去の先輩課題作品Maxパッチの一部」の提供。課題制作週(1)。それぞれ課題を制作しつつ長嶋に質問(メイル)する。長嶋は全体に有益なやりとりをこのWebに追記して紹介する。同じような「壁」に当たった学生の突破を支援するために複数の希望者がいれば「特講ZOOM指導」を適宜[金曜に限らず 長嶋予定 の空いているところにアポ]開催(このWebで告知)する ※出席に相当する「感想」メイルの提出は不要
- 第12週(7/28〜7/31) - 課題制作週(2)。それぞれ課題を制作しつつ長嶋に質問(メイル)する。長嶋は全体に有益なやりとりをこのWebに追記して紹介する。同じような「壁」に当たった学生の突破を支援するために複数の希望者がいれば「特講ZOOM指導」を適宜、開催(このWebで告知)。最終課題の提出期限は 7月31日(金)23:59
- 試験期間(8/4〜8/7) - 合評。長嶋が8/4にこのWebで全員の提出課題をコメント付きで(場合によっては修正/改訂/改良して)公開する。それを全て眺めて体験して、印象に残った人の作品に対する感想や「サウンドデザイン」受講の感想や「今後の方針/決意」などを「最終レポート」として提出(提出期限8月7日(金)23:59)
- その翌週あたり、長嶋はこの「最終レポート」に全てコメントを添えつつこのWebに公開するので、お互いにそれぞれの「最終レポート」(+長嶋コメント)まで読むことで「合評」とする
- 今週の教材動画(40min)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでサウンドを処理する(MSP)
- DJには必須アイテムの「groove~」オブジェクト - sound018.maxpat
- サウンドの音量変化に滑らかな「sine」を乗算する - sound019.maxpat - アニメーションの動き(単振動)でも活用する !!
- 非常に高速に音量変化させて歪ませる「AM(Amplitude Modulatiom)」 - sound020.maxpat
- サウンドそのものを遅延させる「delay~」 - sound021.maxpat
- 遅延させた「delay~」と元のサウンドをミックスすると豊かなサウンドに - sound022.maxpat
- 「tapin~」と「tapout~」のペアをつかって実現できる「FM(Frequency Modulatiom)」は強烈に歪む - sound023.maxpat
- シンセサイザのところで登場した「フィルタ」でのイコライジング - sound024.maxpat
- 「リバーブ」を実現した複雑なサンプル - reverb_example.maxpat
サンプルパッチの置かれたフォルダ内にある「yafr3.maxpat」を参照している(サブパッチとしてでなく)のでこれは消さないこと- 無限に上昇し続ける「Shepard Tone」の例(3回生「音楽情報科学」のために作ってみました) - sound025.maxpat
これは連続音のsine波で作ってみましたが、MIDI音源の「無限音階」として離散的に作ることも出来ます- 来週の予告
- いよいよ「Maxでライヴ・グラフィック」(→アニメーションやゲームが作れる)に入ります(^o^)
- 宿題 (教材動画を撮った後でここを書いたので動画中と違っているカモです。質問があればメイルでどうぞ)
- 今週の課題はいつもの「感想」メイルでなく、テーマは以下の三択(いずれか1つ)とします
それぞれの提出課題はいつものように並べて長嶋がコメントしますが、今回は初めて提出者の苗字とともに紹介します
- オリジナルに作った「自動演奏Maxパッチ」(PC内蔵のMIDI音源を鳴らす)(makenote→noteout というやつ)
- Maxパッチ単独で外部に参照データを持たないこと
- ごく簡単な解説をメイル本文として、パッチ「*****.maxpat」(ファイル名は半角英数字のみ)を添付する
- パッチのウインドウサイズは「1200*900」ピクセル以内とする
- 自動演奏をスタートさせる「トグル」をウインドウの左上に置く
- ループの長さは問わない。ランダムに続く自動生成パッチの場合には10数秒も聞いたところでやめる(^_^;)のでそのつもりで
- MIDI音源モノは、PCごとに、さらに聞く人の環境(イアホン/ヘッドホンなど)によってバランス/音色を含めて相当に違うと理解して作ること
- 直前に別の人のMIDI音源が演奏されていると音色その他が変わっているので必ず「loadbang」から初期設定すること
- パッチ内の「table」は必ず「パッチと共に保存する」インスペクタを指定しておくこと。忘れると「琉球テイスト」音楽が単なる「超低音連打」音楽になってしまう
- このカテゴリに関してはMaxプログラミングの未熟さは気にしないで挑戦すること。「試作」レベルでOK。長嶋が適宜パッチを修正改良してコメントする
- オリジナルに作った「不思議サウンド」(MSPで生成させた30秒以内の「サウンドドラマ」あるいは「電子音響音楽」)
- サウンドファイルの再生時間は「30秒以内」を厳守すること。超過したもの(規定違反)は受け取らないので(未提出扱い)注意
- サウンドファイルは「aiff」・「wav」・「mp3」のいずれかのファイル形式とする。長嶋コメントのところで紹介する際には全てmp3化する
- このカテゴリの提出はメイル添付は禁止!!! フリーのアップローダに上げてダウンロードURLをメイルする方式とする。やり方の分からない人は選択しないこと
- サウンド作品なので「作品タイトル」と、ごく簡単な解説をメイル本文として、ダウンロードURLもメイル末尾に記載する
- CD等の著作物はもちろん、ネットにある「フリー素材」を含めて、自分のオリジナルでないサウンド素材は絶対に使わないこと。つまりサウンド素材としては自分で録音したものだけ。あとは自分のパッチによりMSPでシンセサイズしたもの、自分のパッチ→MIDI音源で生成した音楽を「seq」でMIDIファイルとして保存してQuickTimeで再生した(やり方の分からない人はやらないこと)もの、などもOK
- このカテゴリに関しては長嶋は修正しようがないのでコメントだけとなる
- サウンド断片を単に切り張りして並べても簡単にループサウンド(ラッブ的、クラブ的、EDM的・・・)は出来るが、これは決して「不思議サウンド」ではないので評価は下がる
- 個人的にDTMソフトなどでサウンドデザインをしている人は自分の愛用するツールを使っても構わないが、サウンド素材についての条件は上記を厳守すること。またメイルの「ごく簡単な解説」のところに使用ソフトを明記すること
- ここまでやってきたMax(MSP)でのサウンドデザインに関する「考察」レポート
- 分量はおよそ500文字〜800文字ぐらいを目安とする。気持ちとしては「小論文」上等
- 単なる「感想」でなく「考察」であることに注意。ネット情報を安易にコピペ受け売り紹介する「まとめサイト」的な姿勢も違うことに注意
- 自分の考え、自分の提言、そういうオリジナルを強く期待したい
- ワード等でなく、これまでと同様にメイル本文中にplain textとする
- 提出期限は6/26(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
第7週の課題と長嶋のコメント
- 青木さん ★
- オリジナルに作った「自動演奏Maxパッチ」です。ドラムとピアノの伴奏は1小節の繰り返しで、マリンバのみ2小節の繰り返しにしました。
- 元パッチ : 1924002_org.maxpat
- (長嶋) 基本的にはきちんと出来ていますが、あちこちプチ改訂したものを「1924002_rev.maxpat」と作ってみましたので両者を比較してみて下さい。改訂したところは以下です。(1)制作時に試行するために変数とたすきがけにした「incdec」は、実行時には無駄になるのでカットしました。(2)タイミングを送るところですが、2つのcounterは一応ちゃんと動きますが、両者の「現在値」が違った場合にはズレるので、「% 16」によって1個で済むようにしています。(3)クラッシュシンバル[49]がマリンバのメロディーの途中に鳴るので先頭にずらしました。なお、ピアノやマリンバはきちんと作曲されているのを尊重して、「僕ならこうしてみる」というのは避けました
- 伊藤さん ★
- コロナで地元の納涼祭がなくなってしまったので、去年までの様子を思い出して作りました。でも、サブパッチにloadbangを入れても音色が変わってしまいます。違う音色は一緒に再生することはできないのでしょうか。全部同じ音色で鳴ってしまうのでどんな音になっているかも確認できませんでした。
- 元パッチ : 1924015_org.maxpat
- (長嶋) 太鼓が2パートと笛と歓声と、計4パートで「納涼祭」に挑戦ですね。4つのサブパッチが全てMIDIチャンネルが1チャンネルだったので、最後に設定された音色に書き換わってしまっていました。とりあえず2から5チャンネルまでに書き換えて、「1924015_rev.maxpat」と作ってみました。歓声のパートのノートナンバ(ピッチの数値)は初期値ゼロだったのを定数60にしていますが、他のパターンは変えていません。両者をよく比べてみて下さい
- 小山内さん ★
- サンプル28を参考にさせていただきました。アコースティックピアノを二つのパートに分けて演奏しています。課題の提出条件には注意したつもりですがうまく送れていない等不備がありましたら連絡お願いします。また確認、修正の方宜しくお願い致します。
- 元パッチ : 1924027_org.maxpat
- (長嶋) Maxコンソールを開いておくと、元パッチを呼び出した時にエラーメッセージが出ます。「receive」で2箇所、「send」で1箇所、本来は1つである筈の「引数(Arguments)」が余分だよ・・・と警告されました(^_^;)。またエラーは出ないものの、「patcher」の後の「引数(Arguments)」はサブパッチ名の1つだけなので、その後の「part 1」などの情報は暖かく無視されています。逆に「counter」の「引数(Arguments)」は、モード[0/1/2]と最小値と最大値の3つが必要です。このあたりを改訂して「1924027_rev.maxpat」と作ってみましたが、中身は耳を頼りにきちんと作曲できていると思います
- 富田さん ★
- 自分の好きな、魔女の宅急便の音楽をイメージして作りました。「♪あの頃は〜」と歌いたくなるような、楽しい気分になってもらえたらと思います。ただ、とてもシンプルなループなので、もうちょっと遊び心を入れたいところです。
- 元パッチ : 1824068_org.maxpat
- (長嶋) シンプルですが独特のいい感じだと思います。音色の初期設定が抜けていたのを補ったのと、MIDIベロシティ(音量)の最大値は200でなく127(7ビットの最大値)までなので改訂したものをを「1824068_rev.maxpat」と作ってみました。メロディーのピアノはとても単純なのですが、そのベロシティーが時間ともにゆっくり増減するので、単純に短くループしているのでなく、長いフレーズを即興的に歌っているような効果がありますね(^_^)
- 橋本さん ★
- 自動演奏maxパッチです。ドラム、ピアノ、三味線を合わせました。音楽については試行錯誤しながら自分で良いと思ったところに着地しただけなので理論的にはうまく説明できないです。すみません。
- 元パッチ : 1924087_org.maxpat
- (長嶋) 音楽に理論的な説明は無くてもいいのです。これを聞いて、宮古島の民謡居酒屋で、スタッフの演奏と一緒にお客さんが踊った風景を思い出しました(^_^;)。上記と同様に「makenote」の第1パラメータのvelocityが127を超えているのだけ修正した改訂版を「1924087_rev.maxpat」と作ってみましたが、あとは正しく作られています
- 元村さん ★
- 伴奏をマリンバ、メロディをグロッケンで演奏するパッチを作成しました。伴奏がぎこちない感じにならないように音によって音量や長さを変えてみました。ご確認、修正お願いします。
- 元パッチ : 1924114_org.maxpat
- (長嶋) いい感じに出来上がっています(^_^)。グロッケンの方で16分音符のために細かく刻んでいるのもいいですね。僕の改訂版「1924114_rev.maxpat」と比較して欲しいのですが、「makenote」の第2パラメータ(duration)を全て50にしてしまっています。というのも、マリンバやグロッケンシュピールなどの楽器は、ピアノやオルガン等と違って、「鍵盤を離す(ノートオフ)」の情報は無視して勝手に音量が残響のように継続するので、これを500にしても5000にしても変わらないのです。ピアノはONで打弦ですが、OFFでダンパーという消音器が弦に触れて消音するのでdurationが有効です。ちなみにグロッケンという楽器は、金属の剛体を叩くために、MIDIで指定するピッチと異なる特殊な倍音があり、そのつもりで聞くとホンキートンクというか「音痴」に聞こえる可能性がある、というユニークな楽器です。これについては僕は過去に このような研究 をして(SUAC学生に被験者になってもらって心理学実験をしたりして)音楽心理学の学会で発表しました。長大な研究ですが、興味があればチェックしてみて下さい(著作権の関係でリンクが切れるようになっているのですが、秘密を守れるならコンテンツが視聴できる「隠しページ」をこっそりお知らせします)
- 會田さん ★
- ドラムと2種類のギターでミステリアスな雰囲気の曲を作りました。
- 元パッチ : 1924001_org.maxpat
- (長嶋) ミステリアスだと思います。「base」というパートだけ(これはこんなに音域が高くてOK???)、定数(角の丸いメッセージオブジェクト)で与えるノートナンバの数値を角の尖ったオブジェクトの箱に入れていたので直しました。とりあえず改訂版を「1924001_rev.maxpat」と作ってみましたので比較して下さい
- 水島さん ★
- 本当はドラムをつけてみたかったのですが、ドラムのビートなどの構成の仕方がわからなかったのでドラムは断念して「オルゴール風」に方向転換しました。ちょっと曇ってる音色のピアノとオルゴールで構成して、なんとなく落ち着くような、聴いてて少し不思議な気持ちになるようなそんな曲を目指しました。
- 元パッチ : 1924108_org.maxpat
- (長嶋) 雰囲気がいいので、パーカッションを付けてみた改訂版が「1924108_rev.maxpat」です。これはバスドラムとスネアのようなロックドラムではないですね。最小音符の半分で刻みたかったので、metroを半分の250にして「counter 0 0 63」に入れ、これまでの楽器のために「/2」によって2で割って、さらに「change」を入れています。「change」は「直前の入力と同じ場合には出さない」ので、ちょうど元の「metro 500 → counter 0 0 31」と同じものが行きます。このテクニックは皆さん、ぜひ学んで下さい。そしてサブパッチの「percussion」では、ズラズラと64個のselectを並べずに、最小限の打楽器を叩いています(打楽器ごとの音量差も設定)ので、こちらも参考にして下さい
- 浦野さん
- Maxとは、求める誰しもに音を楽しむ権利を与えてくれるツールである。それはつまり、音楽を扱いながらも参加者に音楽的知識や技術を強要しないということだ。まずゲームなどのいわゆるインタラクティブなデザインにおいて音というのが重要な要素の一つであることは誰もが知るところであるが、デザインを学ぶ意欲のある人間の中に音楽的な知識を十分に持った人間がどれほどいるのかは疑問であるし、さらに言えばサウンドを用いたインタラクション作品に触れる全ての人が音楽的知識を持っている状態なんてものは夢のまた夢である。中には幼少期から楽器を習っていた、吹奏楽部や軽音部で音楽に親しみをもって触れたことがあるという人もいるかも知れないが、むしろ音楽に苦手意識を持っている人もいるだろう。例えば音楽の授業中や何か楽器を始めた時、指が上手く動かせなかったり音の違いを感じ取れなかったりして“向いていない”と諦めてしまった人が世の中にはたくさんいる。そんな中Maxは、作る側からみても使う側からみても音楽への参加のハードルを下げてくれるという特性を持っている。例えば、多くの“音楽を恐れる”人間が敬遠しがちな楽譜を用いた作曲では無くアルゴリズム作曲を得意としているため、信用ならない自分の音楽的センスではなく音楽の持つ可能性を信じる事が出来る。また、自分がどんな音を出しても誰に迷惑をかけるでもなく遊べるというのは音楽を恐れる人間に音を楽しむ余裕を与えてくれるものだ。そして、Maxが音楽初心者に優しいといえるもう一つの理由はパッチの流用が出来るところにある。自分一人では逆立ちしても無理なことでも、Maxを正しく理解し先人の作り上げた知恵を拝借すれば実現出来る。音楽を忌避し続けた人間に音の楽しさを思い出させることが出来るというのが、Maxを用いたサウンドデザインの秀逸な点なのではないか。
- (長嶋) 素晴らしい考察です。今はちょっと多数のレポートのコメントに追われているので苦しい(いま残り手持ち20数件)のですが、これは英訳して、Max8の開発者でありCycling'74のCEOであるDavid Zicarelliに送りたい名文です。世のMax使いが泣いて喜びそうな分析ですね(^_^)
- 法月さん ★
- tableを使用した自動演奏でジャズ風の音楽を制作しました。4ビート、ウォーキングベース、コードはJust The Two of Us進行を使用していますが、ドラムなどの音楽的知識が乏しいため多少間違いがあるかと思います。
- 元パッチ : 1924086_org.maxpat
- (長嶋) とりあえず「ベースのノートとコードを刻むピアノのノートは変更しない」という条件で、あちこちあちこち改訂したものを「1924086_rev.maxpat」と作ってみました。前後をよく比較してみて下さい。歯切れよくするためにdurationを短くしたり、ベースの部分もあれこれやってます。まぁこんなところでしょうか(^_^;)
- 王 さん ★ (2042001.mp3)
- 「お経を読む」というサウンドドラマを作りました。全ての素材は自分で録音したEnvironmental Audioサウンド素材です。sampler、resonators、delay、reverbなどのエフェクターを使いました。使用ソフトはAbleton Live 9です。
- (長嶋) いい感じだと思います(^_^)。研究生の王さんはCOVID-19のためにまだ来日できずに北京で待機していますが、中国も日本も「お経を読む」は共通でしょうね。ちょうど去年、僕の講義として この ような イベントがありました。その講師は日本のお経などの素材を録音して素敵なサウンドを作ったりDJパフォーマンスしています。興味があれば 彼のサイト のコンテンツも見てください
- 松場さん ★
- オリジナルに作った「自動演奏Maxパッチ」です。ドラム、ピアノ、ベースを使用しました。ピアノを意識して作成しましたが、少し単調になってしまったかと思います。確認お願いいたします。
- 元パッチ : 1924106_org.maxpat
- (長嶋) 元のパッチについては音楽的な破綻も一切なくて完成しているのですが、「少し単調になってしまった」というのは、実はこのコード進行は、「パッヘルベルのカノン」とか「クリスマス・イヴ(山下達郎)」とか、世界中にポピュラーな「カノン進行」の「前半だけ」だからです。その実例紹介としては こういうビデオ もあります。とりあえず前半を変えずに後半を補った改訂版を「1924106_rev.maxpat」と作ってみました。変更点を比較して、このテクニックは皆さん、ぜひ学んで下さい
- 許 さん ★ (1924098.mp3)
- 課題の種類:「オリジナルに作った不思議サウンド」。タイトル:"ERROR"。内容:「電子機械に急に問題が起きて、どんどん手で触ることさえできなくなって、結局その機械が止まってしまう」
- (長嶋) いい感じだと思います(^_^)。電子音の特性をうまく生かしています。昔のラジオの感じもいいです
- 田中さん ★
- ハーモニカとベースを中心にのんびりとした雰囲気を目指しました。ハーモニカとベースだけだと重たく感じたので打楽器と電話のベルを追加したのですが、単調なループになってしまいました。ご確認と修正お願いします。
- 元パッチ : 1924064_org.maxpat
- (長嶋) 「のんびりとした雰囲気」は良好だし、単調さを避けるための小技が光ってます(^_^)。修正ということではないですが、ベースをちょっと変えた改訂版を「1924064_rev.maxpat」と作ってみました。いちばん最後のベースを抜いてしまったのは「良くない修正」かもしれません
- 清水さん ★
- 芋づる方式を参考にし、ジャズテイスト(ちゃんとそう聞こえているか自信はありませんが)な曲を四小節作りました。ソロパートのサックスがかなりのっぺり聞こえてしまっていることと、ベースを本当はコントラバスのピッチカートのような音にしたかったのですが、うまくいかずピアノの音に妥協してしまったことが個人的な反省点です。
- 元パッチ : 1924052_org.maxpat
- (長嶋) 力作ですね。ドラムチャンネル(10チャンネル)は音色設定の「pgmout」は不要です。4小節の芋づる番号をメインパッチで生成してサブパッチに「s measure_num」と送ることで、サブパッチ同士の小節番号がズレるのを避けています。とりあえずあちこちやってみた改訂版を「1924052_rev.maxpat」と作ってみました。まだまだ改善の余地はありますが、まずは両者を比べてみて下さい
- 今井さん ★
- 暖かいほのぼのした雰囲気で作成しました。のんびり散歩しているイメージです。サンプル18を参考にしました。音の長さや音量、全体の速さなど、いろいろなものを試すうちに何がいいのかわからなくなってしまいました。ご確認、修正の方よろしくお願いします。
- 元パッチ : 1924018_org.maxpat
- (長嶋) ほのぼのです。音色の選択は正解だと思います。とりあえずちょっとだけ改訂?したものを「1924018_rev.maxpat」と作ってみましたが、まぁこれは好き好きですので修正でなくてちょっとした変更例ということで
- 松本さん ★
- 課題は自動演奏Maxパッチを選択し、何かが迫ってきて焦っているようなイメージで制作しました。使用したのはドラムとフィフスズリードとトレモロです。
- 元パッチ : 1924107_org.maxpat
- (長嶋) このパッチについては文句のつけどころはありません。完成しているのですが、「不安の演出と言えばディミニッシュコード」ということで、とりあえずピアノでdiminished 7thコードをランダムに乱打して、音量を増減させて左右定位(パンポット)を揺らす、という改訂版を「1924107_rev.maxpat」と作ってみました。「diminished 7thコード」というのは、12個の音のうち互いに短3度(半音3つ)ずつ離れた4つの音から構成される和音です。あくまで僕のは「付け足し」です
- 淺岡さん ★
- 自動演奏Maxパッチを作成しました。Up Down Counter を使って面白い音楽が作れないかなと思い、逆から聞いても違和感のないように調整しながら作りました。ドラム、シンセベース、クラリネットの音色を使ってコミカルなイメージを目指しています。
- 元パッチ : 1924003_org.maxpat
- (長嶋) 素晴らしい、これは凄いアイデアです。counterのモード2だと「8」とか「16」では折り返しの部分で「変拍子」になってしまうのですが、17beatsの周期のモード2でゼロ点を捨てることで、普通に16ビートの上下となっています。そこに、「回文」として矛盾のない音楽を作り上げているのは面白いです。これは見たことなかったなぁ。僕の改訂版「1924003_rev.maxpat」は、3つのサブパッチにsendするタイミング情報が無駄に別々に定義されているのをまとめた以外、まったくオリジナルに変更を加えていません。
(追記) こういうの を発見しました。やっぱりBachは偉大でした(^_^)- 小澤さん ★ (1924028.mp3)
- 夏も近づいてきたので肝試しをイメージして作りました。使ったツールはガレッジバンドです。自分の声を録音して引き伸ばしたり加工してセミっぽい感じがあらわせたように思います。
- (長嶋) 涼しくなりました。いいと思います(^_^)。ホラーは電子音響音楽あるいはサウンドドラマのテーマとしてなかなかに奥深いので、興味があればぜひ極めてください
第8週(6/30〜7/3)
- この上に並んでいる「第7週の課題と長嶋のコメント」については、皆んなそれぞれzipを解凍して、課題の「元」のパッチと、長嶋が「改訂」したパッチとを、よく比較検討してみましょう。色々なMaxプログラミングのテクニックなどがさりげに散りばめられています
- 去年後期の「基礎演習E」を受講していた人は、ぜひ今年の 基礎演習Eの長嶋担当回 もチェックしてみて下さい。去年に獲得した知識の確認だけでなく、新たな知見もきっとあります
- 今週の教材動画(51min)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでグラフィック/アニメーション(1)
- Maxでグラフィックの「舞台」となるのが「lcd」オブジェクト - lcd_01.maxpat
オブジェクトボックス内に「lcd」とすると出てくる
サイズは好きにできる ※今回の「サウンドデザイン」では、サイズを「横640ピクセル×縦480ピクセル」として下さい。それぞれの作品を互いに鑑賞/合評するために、このルールを守ってください
「lcd」内に、好きに落書きできる(^_^)
今日は「Draw/Paint系」について紹介するので、「lcd」はお絵描きのキャンバスとなる- 「lcd」のもっとも基本的なコマンド群 - lcd_02.maxpat
基本ルール : 「lcd」オブジェクトの左端入力にいろいろな情報(コマンド、パラメータ)を与える
コマンドは「message」オブジェクト(角の丸い箱)の中に記述する
「clear」コマンド → 画面がクリアされる
「pensize」コマンド → お絵描きするペンの太さ(縦横は同じにする)
「color」コマンド → ペンの色(0-255)
「writepict」コマンド → その画面をpngファイルとして書き出せる(^_^)- 「lcd」のスクリーンをサブパッチして、「表示するウインドウ」と「表示させるプログラム」とにスッキリ分離する - lcd_03.maxpat
サブパッチ内に「lcd」を置く
その「lcd」に情報を与えるために「r lcd_writing」(receive lcd_writing)で受ける
「receive」オブジェクトとラインを「不可視」にする(command + k)
メインパッチからは「s lcd_writing」(send lcd_writing)で必要な情報を送る
基本的に今回の「サウンドデザイン」ではこのスタイルを推奨する。サブパッチ名はサンプルのままだと皆んな同じになるので出来れば変更して!- 基本図形の描画のルール - lcd_04.maxpat
基本図形 - rect(矩形)とoval(楕円)とlinesegment(線分)
rect(矩形)とoval(楕円)には、それぞれにpaint(塗りつぶし)とframe(縁取り)がある
「lcd」内の座標の基準は「左上が(0,0)」、右に行くのがx、下に行くのがy (上ではないことに注意!)
4つの座標は「左上」と「右下」の座標。楕円の場合には「外接する長方形」の座標で記述する- 基本図形の座標を変数で指定する - lcd_05.maxpat
「message」オブジェクト内に座標を定数として置いたら動かせないしとても面倒
4つの座標を変数(整数)とする
「pack 0 0 0 0」 - 4つの変数入力を「スペースで区切ったメッセージ」にパックしてくれる ※出力するのは左端入力があった時だけ
「prepend」オブジェクト - メッセージの先頭に(スペースで区切って)指定の文字列(ここではpaintrectコマンド)をさらに追加する
ちなみにメッセージの末尾に追加するのは「append」オブジェクト- 描画した基本図形を動かしてみよう - lcd_06.maxpat
4つのどの座標を動かしても移動して表示したい
「trigger b b」はまず右のbangが出てから次に左のbangが出る
最初に「clear」することで残像が消えて動いてくれる
このマナー(最初にclear、その後にどんどん描画していく)は、Maxアニメーションで常に行う基本中の基本- 「左上」と「右下」でなく「左上」と「大きさ」で指定したくなる - lcd_07.maxpat
横幅と縦幅は「+ 50」(50は初期値なので変更されれば無意味となることに注意)の右入力で与える → その瞬間には変わらない
ついでにMIDI打楽器を同時に適当に叩くだけでリアリティがグンと増加することに注意- ランダムにカラフルな円を「自動描画」生成する - lcd_08.maxpat
- linesegment(線分)でなく「lineto」(次々に線分を描く)で「一筆描き」を自動生成 - lcd_09.maxpat
「lineto」のスタート地点を指定するのは「moveto」(初期値は(0,0))- ランダムに円を移動させるには、毎回まず「clear」する - lcd_10.maxpat
- 「random」よりも生物の動きに近い「drunk」(酔歩)を活用しよう - lcd_11.maxpat
- 「等速直線運動」は宇宙の基本 - lcd_12.maxpat
地球上では摩擦があるのでなかなか見られない
「力が働いていない」物理現象
counterのモード2をうまく画面サイズに合わせていることに注意- 「等速円運動」も宇宙の基本 - lcd_13.maxpat
地球と太陽、地球と月、・・・
「万有引力」による物理現象
円運動と言えばサイン(y)とコサイン(x)
Maxのsinとcosの角度の定義は「度」でなく「ラジアン」なので、一周は「2π」ラジアン
等速円運動を「遠くの真横」から見ると「単振動」という重要な現象になる(物理的には意味は同一)- 「放物運動」は地球上のあらゆる基盤 - lcd_14.maxpat
左右方向はcounterで等速の往復 (x座標)
上下方向は地球の中心に向かう重力が働くので「加速度運動」 (y座標)
y = - (1/2)・g・t^2 なので「二乗」が出てくる → 「* 1.0」の左右両方にx座標を入力すると二乗になっている
地球上の全ての生物はこの動きを無意識に予測して生きている
指揮者のタクトの打点もこれなのでオーケストラはピッタリ合わせられる- 「放物運動」の反射するところで適当な打楽器を鳴らすとリアリティ最高 - lcd_15.maxpat
視覚と聴覚が共同していることを実感しよう- 来週の予告
- Maxでグラフィック/アニメーション(2)です。Draw系でなく画像を動かします
- 自分の描いた静止画素材で、パラパラアニメや動かす処理を行いますので、絵心系の人は「お気に入りの絵」を用意して下さい。画像のサイズですが、この「サウンドデザイン」では巨大なサイズはパッチを皆んなで見るために禁止としています。72dpiで「横640ピクセル×縦480ピクセル以内」として下さい。ファイル形式はjpgかpng(透明あり)です
- 成果を共有(公開)する関係で、著作権のある画像は素材として使用禁止ですので注意して下さい
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。今週だけでなく、その上にある「第7週の課題と長嶋のコメント」のお互いの作品パッチ等への感想とか長嶋コメントに対する質問なども歓迎します。分量はおよそ200文字〜400文字ぐらいを目安とします。提出期限は7/3(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
第8週のレポート(と、それに対する長嶋のコメント)
- 前回の課題の感想です。全員分の作品を見させていただいたのですがそれぞれがイメージした雰囲気に合うように使われている楽器やリズムが工夫されていたので聞いていてとても楽しかったです。私は同じ楽器を2パートに分けたので音がちぐはぐしてしまうことはあまりないというか比較的想像しやすい音だったかと思いますが、他の作品でドラムと三味線など意外な組み合わせも聞くことができ、新しい発見でした。自分が想像した音通り実際に演奏することはとても難しいことですがそれを可能にできるというMaxの強みを今回改めて実感し、実際に作品作りに挑戦したりそれを聞いたりしてから考察を読むと「音楽的技術や知識に囚われずに音を楽しむことができる」という点がより納得できました。
→ その通りですね。コンピュータによって、普段だとありえないような異種格闘技の楽器セッションが簡単にできたり、さらに現実の楽器ではありえない音域とか音色の実験ができたりします。その先にはサウンドそのものを実際の物理的現象(振動)とは別の仮想的な宇宙で作り出すこともできます(^_^)- 前回の課題の全員の作品を見させていただいた。どの作品も、本人のイメージや意図が表現されていて、聞いていて面白かった。今まで習ったことを使っているのは皆同じだが、それぞれが異なる表現をして作った作品を見て、視野が広がった。今回の授業では、今まで音を扱ってきたMaxで、グラフィックの表現ができることを学んだので、新鮮な気持ちで楽しかった。新しく出てきたオブジェクトが多く使いこなせるか不安だが、授業の理解はできたので、最終課題に向けて今までの授業も復習し、理解を深めておきたい。
→ 「数理造形」(という程ではないですが、等速直線運動と等速円運動と放物運動)を乗り切れたのであれば大丈夫です。今回のDraw系グラフィックに続いて、次回は画像そのものを扱います。そして何より、Maxではアニメーションの描画と完全に同期したサウンドを生成できるので、その相乗効果にご期待ください- 前回の課題は独自の工夫があったり全体的に根気よく作られていてどれを見ても楽しかったです。淺岡さんや松場さん、王 さん、元村さんのコメントではまた新たなリンクが張られていて、それを見に行くことでさらに知見が深まりました。特に淺岡さんのコメントに追記されていた動画は、この機会がなかったら出会えなかったと思うしとにかく面白かったです。そして今回の授業は、ビジュアルの要素が追加されてMaxで出来ることがより分かりやすくなったので、最終課題のビジョンが徐々に見えてきたように思います。文系の自分としてはつい逃げたくなる部分はあるのですが、敬遠せずがんばりたいと思います。
→ Bachの「回文音楽」の素晴らしさはBachの偉大さのほんの一端です。自然界の運動は物理法則に従っているので、自然な動きを記述する数学は必要になります。ただしMaxプログラミングでは、物理運動を生成してくれる部分の数学に詳しくない文系でも、その成果をブラックボックスとしてちゃっかりいただいて活用すればいいのです。これはオープンソースの考えかた(皆んなで知的財産を共有して皆んなでHappyになろう)の常識であり、既存の成果を堂々と美味しくいただいて、さらに素晴らしいものを作って公開していけばいいのです(^_^)- 前回の課題ですが、どの作品も個性があってその人らしい音楽に仕上がっていて、聴いていてとても楽しかったです。楽器が手元になくても、誰でもやり方さえおさえれば様々な音楽を作ることができるのはすごく「Max」の強みだなと改めて感じました。先生の改訂版により理解も深まったので、またチャレンジしてみようと思います。今回からグラフィック表現でしたが、「機械的な動きが多いな」と見ていたのですが「drunk」はとても生物的で見ていて面白かったです。背景に空の絵を描き、蜂などの虫の絵をdrunkで動かせば普通の実写映像っぽいものができそうだなと感じました。
→ 「drunk」の動きは、パラメータを微調整すると本当に生き物に見えてきます。リアルな虫の絵やリアル?な微生物の絵をぜひ、蠢かせてください- 前回の課題を拝見させていただきました。どの作品にもそれぞれの個性が発揮あり、聴いていて楽しいものばかりでした。自分にはなかった発想や工夫を知ることができたので、これからの作品作りの参考にしていきたいです。私が一番驚いたのが浅岡さんの作品です。逆再生しても音楽として成立しており、さらにループさせても違和感が無く、凄い作品だと思いました。この課題を通して楽器の経験が無くても作曲できること、変わった楽器の組み合わせや現実離れしたサウンドが実現できることなどMaxの可能性を改めて感じられることができました。lcd_15では打楽器の音を両端に加えるだけでただの放物運動が生き生きとした動きに感じ、中途半端な所に入れると逆に違和感となり、聴覚と視覚がお互いに作用していることがよくわかりました。作品作りの際にはビジュアルだけでなく音を鳴らすタイミングにも注意していきたいです。
→ ロックやブルースなど一定テンポの音楽のドラマーのバスドラムとかスネアドラムには、ジャストのビートが良いかと言うとそうでもない(ダサい)可能性があり、全体は変えずにその打楽器についてのみ、ちょっとだけ「先に」叩くと「ノリ」になったり、ちょっとだけ「後に」叩くと「タメ」になったりします。アニメーション/映像に効果音として入れるサウンドのタイミングも同様に奥が深くて、ぴったりジャストが一番かというとそうでもないのです- 前回の課題のすべての作品を拝聴させていただきましたが、完膚なきまでに打ちのめされた、というのが率直な感想です。特にメロディパートが二つだけで構成されているような作品には舌を巻きました。普段、多重パートで構成される音楽ばかり聞いていたので、たった2パートで伴奏、ハーモニー、メロディーが完成されている作品は新鮮に感じられました。対して自分の作品はメロディーがダサすぎたのが反省点です。先生が修正してくださったものを聞き、リズムに変化をもたせたり、隙間を埋めることで推進力が生まれ、だいぶダサさが軽減されたように感じました。初めて作曲に挑戦しましたが、作曲することを通して、より音楽の楽しさを理解することができたと思います。もっと音楽のことを勉強したいと思いました。
→ いいことです。その「差」を感じ取れる、聞き取れる、というのは重要なスタートポイントです(^_^)。音楽といえば多数のパートがあったりハーモニーやメロディーが必要と思うのはまだまだ「狭い」です。古くは「グレゴリオ聖歌」という単一パートだけの音楽、あるいは日本では「追分」という素晴らしくシンプルな音楽があります。YouTubeで検索すればズラズラ出てくる時代ですので、ぜひ探求してみて下さい- もう一つの反省点として、あまりMaxで作った意味がない作品になってしまったというのが挙げられます。作曲するだけなら、もっと簡単にできるツールはたくさんあります。しかし、その多くのツールは楽譜が読めないといけなかったり、ある程度音楽知識がないと作成できなかったりします。対して、Maxは楽譜が読める必要がありませんし、階名すら知らなくとも作れます。「このタイミングでこれくらいの音程の音を鳴らしたい」という感覚で音楽が作れます。私は音楽センスが皆無なので、その方法でちゃんとした音楽を作れる気がしませんが、感覚型の方にとってはぴったりなツールかもしれません。また、一度音楽的な知識を捨て、例えば数列を作って音を並べる、と言ったことをやるとまた新たなメロディラインやスケールが生み出されたりして面白そうだと思いました。
→ 感覚的に、というのであれば、今週から始まったグラフィックを使って、「画面にでたらめに描いた図形に対応して音楽を生成するパッチ」なんてのも作れます。また「数列」に抵抗がないのであれば、「フィボナッチ数列の音楽(→黄金比)」とか「円周率の音楽」などというのもMaxで生成できます- 前回の皆さんのパッチ作品を見て、こんな音楽も作れるんだとか、指示のつなげ方などとても勉強になりました。特に淺岡さんの逆再生しても全く違和感ない音楽は、仕組みも含めとても面白かったですし、個人的には山内さんのピアノ音楽も美しく素敵だと思いました。先生の改良版を眺めると、数字を変更したり、%を使いまとめていることが印象的でした。効率の良さは計算から生まれるのだと感じました。そして、draw系の要素が入り、ゲームのイメージがしやすくなりました。色々試して、最終課題のイメージも膨らませていきたいです。
→ 僕の微修正に気付いてくれて嬉しいです。要するにシンプルにすれば間違いがなくなり、さらに自分のアイデアを自然に展開できるので、まさに simple is best なのです- 最初にclear、その後にどんどん描画していくというマナーを忘れないようにして、視覚と聴覚が共同することを意識しながら音のタイミングや音色にも力を入れたいと考えました。私は現代アートが好きなので、自動描画で好みの作品が生み出されて嬉しかったです。前回の課題ですが、伊藤さんが納涼祭の様子を思い出して表現しようとしたことが、メロディをつけて曲にしないといけないと思い込んでいた私には思いつかないことだったので、良い刺激になりました。清水さんの作品は聴いていて楽しい気持ちになりました。パッチに手間がかかっていて、どのような仕組みになっているのか確認するだけでも、今まで習ってきたことの復習になりました。そして、浦野さんがMaxについて考察してくれたおかげで、Maxの良さを言葉で正確に捉えることができました。Maxが使えることに、より一層感謝して制作に取り組んでいくことができそうです。
→ Maxコミュニティの良さは、他人の作ったパッチでも、ちょっと慣れてきて頑張れば、どのようにやっているかがお互いに理解できるところです。既に世界的なMaxコミュニティは30年の歴史があり、世界中で公開/提供されているパッチは何十万とあります。英語から逃げなければ、Maxプログラミングのテクニックだけでなく、「こんなこと出来るMaxパッチはありますか?」とユーザーForumで質問すれば、世界中のベテランや専門家からアマチュアまで、ばんばん情報を提供してくれて、およそ大抵のものは速攻で入手できる、という素晴らしい世界です- 前回の課題を全員分拝聴させていただきました。作品によって受ける印象が全く異なっていて面白く、自分だけでは気が付くことの出来なかったオブジェクトの使い方を知ることが出来、とても参考になりました。トグルやスイッチを使い単調さをなくしていたり、往復させていたりする工夫は特に感心しました。トグルについての質問ですが、自動演奏をスタートさせるトグルは光っている時に音楽が流れているのに対し、演奏の途中に楽器を鳴らすために入れられているトグルは付く時ではなく消えるときに音が鳴るのはどうしてなのか気になりました。この課題を通して多くの気づきを得ることが出来たので、これを生かしてもっと理解を深めていきたいです。
→ トグルについて回答します。まず、通常トグルというのは、「0か1の状態を保つ」・「bangで叩かれると状態が反転する」というオブジェクトとして使います。自動演奏をスタートさせるトグルの出力は「metro」に入力されていると思いますが、「metro」は入力が1でスタート、入力が0でストップなので、自動演奏のstart/stopとなります。自動演奏のループの単調さを避けるために1周ループの構造に入れて2周で1パターンとするトグルですが、1周目と2周目の同じ位置で(上流の多段「select」の出力の)bangで叩かれるたびに0と1の状態が反転します。そのトグルの出力をさらに「select 0」で受けていると思うのですが、これは入力(トグルからの)が1の時は何も出さずに0の時にbangを出すことで、2周に1回だけ鳴る、という仕組みです。「消えるときに鳴る」のを「付いたら鳴る」にするためには、「select 0」を「select 1」に変更すれば実現可能ですので試してみて下さい- 今週の授業を通して、Maxの実用的なテクニックを学びました。Maxで、サウンド(メロディー、音符)と視覚効果を組み合わせることは面白い課題です。「drunk」を使うと、視覚効果を通して、サウンドのダイナミックな効果(vibrato、tremoro)を表現することができると思います。先週の課題について、全員の作品と先生のコメントを拝見しました。全ての作品がとてもユニークです。サウンド創作の面白みを味わいました。私にとって最も印象が深いのは法月さんのジャズ風の作品です。先生が改良したパッチでは、ベース部分の音色と音量を調整して、ベースラインがはっきりしました。そして、聴感が「立体的」になりました。このようなテクニックは非常に巧妙だと思いました。今後の学習の過程でも、先生と皆さんと一緒に、もっと面白いサウンドデザイン作品を作りたいと思います。
→ 法月さんのジャズ風の作品のベースの味付けを発見してくれたのは嬉しいです(^_^)。ちょっとしたことなのですが、duration(makenoteの最後のパラメータ)を調整すると、音の歯切れ良さとかノリの感じが変わります。またvelocity(makenoteのその前のパラメータ)を何段階かに分けると、フレーズのメリハリが出てきたりします- 前回の課題の作品を一通り聞きました。どの人の作品もmaxの特性を活かした個性溢れるもので圧倒されました。個人的には元村さんと水島さんの作品が、童話のアニメーションで流れていそうな可愛らしい音楽で気に入りました。また私は作っているときなぜか8ビートに固執していたのですがみんなの作品を見たら16ビートや32ビートなどで質の高いものを作っていたので若干後悔しましたが、気づけてよかったです。遠隔で周りの様子がわからないのでとてもいい刺激になりました。今週はグラフィックと音の組み合わせについて学ぶことができ、ランダムで円が出てくるのも音があるとなんだか楽しげに見えて面白いと思い、maxのさらなる可能性を見出せました。
→ お互いの中間課題パッチを聞き合う、というのは、従来はマルチメディア室で皆んなが一斉にというスタイルだったので、それほど細かいところまで集中して聞くことは出来ませんでした。遠隔となった今年というのは、ある意味で「期せずして」従来よりも充実しているという事実があります。「変拍子」の人はいませんでしたが、このキーワードで調べてみると、また意外な世界が待っています- 修正していただいたパッチを聞いてみて、私のものは不協和音的な部分が多かったのですが、修正されたものはそれが減って落ち着きのある音になっていて感動しました。ベース部分では一つ一つの音の残響に差があったりという工夫が成されていて、聞きやすい自然な音楽の作り方が少しわかった気がします。とても参考になりました。他の方の作品では、松本さんの迫ってくる焦りのある音楽が印象的でした。元の音源ではジョーズのような迫り方を感じますが、修正した方ではピアノの音が入ってくることによってサスペンスのようなまた違った迫り方を感じられて音の効果を感じて興味深かったです。シンプルなパッチで構成されていたのも参考になる点でした。今回の授業のランダムで絵が描かれた時に現代アートのような作品ができて、Maxを生かした現代アートは人が生み出した作品になるのかコンピュータが生み出した作品になるのか気になりました。そして後半の内容は、確かに文系の私にはとても逃げ出したくなるような内容でした。しかし数式や法則によって生み出される動きはとても美しいので、根気強く学んでいきたいです。
→ 「現代アートは人が生み出した作品になるのかコンピュータが生み出した作品になるのか」というのはデザインでもアートでも重要な問題提起です。コンピュータをデザイナ/アーティストの「道具」「相棒」と見れば、コンピュータを活用した作品はいわばその共同作業の成果ですが、まぁコンピュータは基本的には自己主張しないので、コンピュータを活用した人間のお手柄となります。ということは、せっかくのこの道具を使いこなさないのは損なわけで、手描きの味がある人でも、その味を拡張・展開する道具としてコンピュータを活用することはアリなわけで、苦手だからと逃げていては勿体無いのです。次回は自分の描いた絵が動くので、その喜びを実感してみて下さい- 修正ありがとうございます。先生が改良してくださったものを聴きました。私がイメージしていた風に聴こえて感動しました。ピッチを変えるだけでかなり雰囲気が変わり、想像の中の音に近づいていました。他の人のを見ると自分では思いつかないような発想があったり、同じ授業を受けていたのにそれぞれのパッチの作り方に個性があって自分の勉強にもなりました。今回の授業内容ですが、思っていたよりも「アニメーション・イラストレーション」という感じだったので本当にMaxは色々な事ができるんだなと思いました。今後使う使わないとかではなく純粋な疑問なんですが、randomで色々な色が出るようになってましたが数字で出る色がわかっていればプログラミング次第で暖色だけ、寒色だけをランダムで出すみたいなこともできるんでしょうか。
→ あの色を変えていたランダムの例ですが、カラーパレット番号を0-255で指定していたので色々なカラーが出ました。もちろん、「暖色だけ」・「寒色だけ」・「グレースケールだけ」・「2値(B/W)だけ」などの指定はプログラミングとして自在ですので、好きなテイストにする事ができます(^_^)- 前回の課題はミステリアスだったり、ほのぼのだったりと、それぞれのイメージ通りに演奏が聞こえて面白かったです。特に淺岡さんの、逆から聞いてもおかしくならない自動演奏が興味深かったです。リンクのJ.S. Bachの作品も、両端から聞いて違和感がないのは驚きました。また、カノン進行の動画も見ましたが有名な曲にたくさん使われていました。コード進行は調べると他にも有名な進行があったので、知らないうちにこれらをよく聞いていたのかと考えました。そして今回はMAXでグラフィック表現に入ったので、まず復習して追いついていきたいです。
→ 音楽の世界では、よく「パクり」という騒ぎがあります。そこで問題となるのは「メロディー」についての著作権であり、コード進行やリズムパターンには著作権はありません。なので、よく使われるコード進行はどんどん使っていいのです。いまこの瞬間にも、世界中ではどこかで間違いなく、カノン進行のコードの「新曲」が生まれています。メロディーについては、判断基準は裁判によってどんどん変化しているのですが、基本的に「2小節以内」であればパクり疑惑を逃れられる、というのが業界の一応の常識です。しかし、色々なヒット曲のメロディーから2小節ずつだけパクって連結した新曲がヒットするかというと、これが駄目だというのが音楽の面白いところです- 自分はドラムとギターという在り来りな楽器を使ったが、他の人のマリンバやオルゴール風?の音を使って違った雰囲気の音楽が出来上がっても面白かったかなと思いました。また音楽のテンポもそれぞれで早いものや遅いものがあったので、もっと早いテンポのものも作ってみようと思いました。当たり前だが、他人が作る音楽だと自分のものとは全く違うものが出来ていて今回課題で作ったものは、自分の唯一無二のワンフレーズになったので少し嬉しいです。
→ いいことです。音色もありますが、けっこう重要なのがテンポです。まったく同じパッチでも、metroに与える数値、つまりテンポを決めるパラメータをちょっと速くしてみたり遅くしてみたりすると、がらっとイメージが変わったりします。そして、イメージが変わると、既に出来ていたメロディーやフレーズやリズムの個々のdurationやvelocityなども、もっとしっくりハマるように変更したくなってきたりします。ここに入り込むことは、苦しくも楽しい道のりです- 先生がおしゃった通り、Lcd_09を試してみて、 アメリカのMoma美術館で撮った作品 を思い出しました。私は線を活かした空間感のある絵が好きですが、Max8でもランダムで線の太さと配置を上手く画像を描くパッチを作ることもできるのでは、と思いました。またLcd_15のように画面と音が一致することで、効果のあるパッチになり、ゲームのようなことも作ることができると思いました。先週の課題でみんなの課題を聞きましたが、淺岡さんの作品が面白いと感じました。Nintendo社のゲームのように作ってあり、魅力のあるサウンドだと思いました。
→ なるほど、上のように並べてみると、皆さんがMaxパッチで作った自動生成グラフィックがMOMA美術館に並ぶ可能性もゼロとは言えない感じですね。MOMAの絵は動きませんが、Maxで作ればじわじわ動いたり、あるいは「毎日、新しい絵を生成して展示する」、さらには「1分ごとに新しい絵を生成し続ける」ことも、とても簡単です(^_^)- 前回の課題のみなさんの作品を見て、すごく力作の作品の数々に関心しました。どの作品も個性があってそれぞれの良さがあり、聞いていてとても楽しかったです。改正版では、元のパッチからの数字を変更したり、効率よく%を使うことでわかりやすくなっている印象を受けました。パッチだけではなく音楽自体も、少し何か楽器を加えたりするだけで印象が変わるということを実感し、非常に参考になりました。Maxでのグラフィックはとても楽しみにしていました。x座標やy座標を使い、座標を入れていって線や図形を作っていく方法を知り、書いて消してを繰り返して形を作るのではなく、設定した数字を変えていくたびに、実際に形や太さが変わっていくのは、便利だと思いました。等速直線運動や等速円運動、放物運動など物理現象をMaxで見ることができ、作品作りをする上で何かに動きをつける時に非常に活用できると感じました。アニメーションに音が加わることでかなり映像の印象がかわるので、タイミングはすごく大切だと感じました。
→ そうです、この「タイミング」への感性がアニメーション/映像の世界ではとても重要な才能・感性となります- 全員分の作品を拝見しました。作品に個性がそれぞれあって、聞いていてその違いを楽しむことができました。私はリズムや音を自分のテーマに合わせて感覚的な部分で作りましたが、他の人がしている音作りを聞いて参考になりましたし改めて幅が広いなぁと感じました。自分は音で色を感じるのですが、作品を聴いている間さまざまな色に変わって面白かったです。内容がグラフィック表現になってきましたが、サウンドと組み合わせることでよさがでるような作品を考える過程が楽しいです。難しいですがついていけるように映像を見返しつつ、頑張っていきたいです。
→ 「自分は音で色を感じる」というのは「共感覚」といって、持っている人は重要な感覚(才能)として活用して欲しいです。マルチメディア・デザインにおいてはとても武器となるので大切にしましょう。ちなみに僕は「音」で色を感じることはありませんが、「調性」には色を感じます(^_^;)- 前回のほかの方の課題ですが、人によって作る音の雰囲気とかリズムが様々で面白かったです。自分は単純にドラムとほかの楽器の音の組み合わせを色々変えてパッチを作っていたのですが、提出されたものの中にはリズムの終わりにdelayを用いて繰り返しのつなぎがおしゃれになっていたり、トグルのオンオフを利用して2周に1回だけなる音を設けるなどいろいろな工夫がされていて、ほかの方の課題からアイデアや刺激を受けることができました。また、授業では今回からグラフィックの要素を扱う段階に入りました。お酒を飲んだ、を意味するdrunkのコマンドの動きは少し限定されてはいるけれど法則性がなくて、生き物が実際に可動域を動いているようで面白かったです。微妙に数値を変化させたり、直線運動や停止時間などを構成して、よりリアルさを出していくのも面白そうだなと思いました。
→ Maxでのランダムについては、「ランダムのランダム」というのが実用的なテクニックです。ランダムの数値を一定時間ごとに変更してやるとランダムの挙動が変わるのですが、その「一定時間」をまたランダムで揺すってやると、ますます「自然なランダム」になるのです。この教材ページのずっと上のあたりにある、「第2週(5/19〜5/22)」の末尾に「補足(2)」として紹介した、「海辺の風景」生成パッチ「seashore」でも、「熱帯の森林」生成パッチ「forest」でも、実はこの「ランダムのランダム」を使っているのです。改めて味わってみて下さい- 今回の授業の中にpack とtrigger というコマンドが出てきたのですが、この二つを用いて、paintrect 数字 という一つのコマンドの機能を作る意味がよくわかりませんでした。例えば paintrect 数字 に直接変数を入力できるようにした方が簡単ではありませんか?そうしなかったのはなぜなのでしょうか、、。的外れな質問になってしまっていたらすみません
→ パラメータの数値が1つだけ(カラーの指定など)であれば、メッセージオブジェクトに「color $1」として数値を与えるだけでいいのですが、アニメーションで動かすには2つとか4つの数値をまとめたメッセージ(数値が半角スペースで繋がれて並ぶひとかたまり)をpaintrectのパラメータとして与える必要があるので、「color $1」のようには出来ません。そこでいったん「pack」オブジェクトに格納して、まとめて出力したメッセージの先頭に「prepend」でコマンドの「paintrect」をひっつけてやる、という段取りになっています第9週(7/7〜7/10)
- 今週の教材動画(35min)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでグラフィック/アニメーション(2)
- 先週やった「lcd」の補足 - lcd_16.maxpat, lcd_17.maxpat
- 「paintrect」なんて地味で使えないと思うとそうでもない → ※最後に事例紹介
- 今回は自分で用意した画像(png/jpg)を描画し動かそう !
- 「画像ファイルを直接指定して描画するのではない」ことを肝に銘じよう ! - anime_01.maxpat
面倒なようだが、その方が後々で実は便利になる → ※最後に事例紹介
まず「readpict」で名前を付けて画像ファイルを読み込む
描画の際にはその名前を指定して「drawpict」とする
「drawpict (名前)」だけだと同一サイズを左上座標(0,0)で描画
「drawpict (名前) x y」だと同一サイズを左上座標(x,y)で描画
「drawpict (名前) x1 y1 x2 y2」だと拡大縮小して(x1,y1)-(x2,y2)の長方形の内部に描画- lcdスクリーンサイズと同じサイズの画像を切り替えれば「パラパラアニメ」は簡単にできる - anime_02.maxpat
サウンド/音楽との同期はとっっっても簡単 !!- 画面内を移動させるためには、まずは「clear」してから描画する - anime_03.maxpat
- ランダムの位置に表示させる - anime_04.maxpat
- 「drunk」は色々と妄想を掻き立てる(^_^;) - anime_05.maxpat
- 等速直線運動 - anime_06.maxpat
- 等速円運動(楕円) - anime_07.maxpat
- 放物運動 - anime_08.maxpat
- 2つ(以上)の画像を表示するには「trigger」を使って、まず最初に「clear」 - anime_09.maxpat
- 超シンプルなループアニメーション - anime_10.maxpat
- ※事例紹介 - ある先輩(Max初心者)のMaxゲーム制作支援の様子
- 「サウンドデザイン」最終課題ではこんな感じに挑戦してみよう ※これは出来過ぎですのでもっとシンプルでOKです
- 建築系3回生でMaxもプログラミングも苦手だが何かやってみたいと志願(「メディア数理造形演習」で一人だけ別テーマとして挑戦)
- ゲームをするのは好き、絵を描くのも好き
- 「マウスをひたすらクリック」というゲームの制作を支援
- 「readpict」→「drawpict」 という面倒な手続きによってモンスターの表示切り替えがスマートに出来た !
- 地味な「paintrect」がHP表示に活躍した !
- 来週の予告
- 「Maxでインタラクティブ」です → これで「Maxでゲーム」が出来るようになる!!
- 最終課題はその翌週に提示します
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。「Max」にはまだまだ豊富な機能があり発展の余地がある(持っている機能のうち、まだ15〜20%程度しか触れていない)のですが、この「サウンドデザイン」で紹介する範囲としては来週で第一段階が終了する「Max」の感想なども歓迎します。分量はおよそ150文字〜250文字ぐらいを目安とします。提出期限は7/10(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- 今週までにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。予習は不要ですので先走らないで下さい
第9週のレポート(と、それに対する長嶋のコメント)
- 今回は前回やったlcd関連のコマンドの、より実用に近い使い方を知れてためになりました。同じ等速直線運動でも動かすモチーフのイラストを変えるだけでストーリー性も生み出せそうだし、発想次第で可能性が広がりそうだなと思います。先輩の参考作品も細かいこだわりみたいなものが見て取れて実際やってみたいと思わされましたし、創作意欲が刺激されました。紆余曲折やトラブルもありましたが、サンプルパッチを参考にパラパラアニメを作って自分の描いた絵が音と共に動いている様子を見られたときの感動はひとしおでした。
→ 自分の描いた絵がちょっとでも動くと、いろいろな構想や妄想が出てくると思います。それをどんどん発展させていきましょう- シンプルなループアニメーションでもそのままゲームのキャラに使えそうな動きをしていて、今週の教材で一気に最終課題への見通しがつきました。最終課題は作りたいもののビジョンをしっかりと持って、作品の中で表現したい動作やシーンなどを習ったことの中でどう工夫するか考えながら取り組みたいです。過去の先輩のパッチは状況の変化で背景が少しずつ切り替わるという手間をかけていて、この手間がプレイヤーをゲームに引き込むと思うので、単にゲームを完成させるよりも、プレイヤーをゲームに引き込めるようなこだわりを持って手間をかけていきたいです。
→ あの先輩の例はちょっと例外なので(^_^;)、そこまでこだわらなくても大丈夫ですが、色々とヒントはあったと思います。今年は遠隔のために、逆にとことん時間をかけられるので、ここで頑張ってテクニックを極めて下さい。質問に応じて支援します- Maxを使えば音と合わせて正確にグラフィックを動かすことができるので、よくPVとかである音ハメみたいなのがすごい楽にできるなと思い、この間課題で作った曲とかにイラスト付けてみたいなと思いました。先輩の作品もすごく参考になりました。HPの表現など細やかでとても見ていて分かり易かったです。でも全部習った範囲でできることは驚きです。最終課題このようなクオリティを先生方のアドバイスがあっても一人で家で作れるかちょっと不安です・・・
→ 大丈夫(^_^)。最初はうまく動かなくてSOS、という学生は多いのですが、いったん感じがつかめてくると、どんどん自分の世界に入り込むのです。自分の作った自動演奏パターンに合わせてイラストを・・・というのは堂々たる「完全オリジナル」なのでぜひ頑張ってください- 今回では画像を動かす方法がわかり、最後の先輩の作品は、単純なゲームだけどどこか熱中できる面白さがあり、またmaxの特徴を活かしていてとても魅力的でした。質問なのですが、自分で用意した画像を動かしてみたのですが( このzipファイル 内の 1924087_org.maxpat )、犬の足がもう少し地面(画面下部)につくようにしたいのですが、いろいろ数値をいじっても思うようにいきませんでした。背景画像を用意して表示させようとしたのですが上手くいきませんでした。どこか問題がありますでしょうか。よろしければお願いします。
→ いい質問です。そのzipファイル内の 1924087_rev.maxpat に改訂版を入れましたので比較して下さい。背景画像は、毎回の「clear」の後に、まず背景画像をdrawpictして、その後に動く画像をdrawpictすることで実現します。「t i b」というtriggerが「t i b b」と増えているのがそれです。triggerは右から順に出力します。動かす画像の大きさが変われば、画面内に入るようにするためには調整が必要になってきます。その数値ですが、横方向はちょうどになるように調整しました。縦方向は初期値は元のままですが、「A」・「B」・「C」のボタンを押すと、数値によって雰囲気が変わってきます。このあたりを微調整することで好きなテイストに出来ます- Maxによって数学的な軌道を視覚的に見ることができて、高校の教科書で静止画として見ていたサイクロイドなどの曲線を動かせるのかと思うと、今まで習ったこととMaxの世界をつなげることができて面白いと感じた。画像ファイルを直接指定する訳では無く、〇〇.pngを☆☆と読みなさいというように指定する必要があることをしっかり頭に入れておきたい。
→ サイクロイドを単なる軌跡の曲線としてでなく、その元々の原理である「車輪の回転」と合わせて生成する動画として表示する・・・などというのはなかなか面白いテーマだと思います(^_^)- イラストが苦手でも数学的知識で美しいグラフィックが作れることに驚きました。技術が無くても別の知識で補えるというのはMaxの強みだと感じました。最後に見せて頂いた先輩のゲームはマウスの左ボタンを連打するだけですが、各所に散りばめられた工夫で魅力的な世界観が作り上げられていました。先輩方の作品を参考にして自分なりのこだわりを持ち、見た人を惹きこめるような作品にしたいです。
→ はい、まさにこれこそ「数理造形」という世界です(^_^)。シンプルな数式であるからこそ、それを単純にグラフィクスに置き換えるだけで(美的操作をせずに)美しくなる・・・というのはギリシャ時代からの一つのアートの形なのです。「黄金比」とか「フラクタル」とか、興味のある人はぜひ調べてみましょう- 「サウンドデザイン」という名前から最初はイメージもしていなかったゲーム的要素を入れることまで今までの範囲で作れることにとても驚きましたが先輩の作品を通して具体的な使い方の例を見ることができてとても参考になりました。もう既にコメントにありましたが、課題で作った音楽にイラストを合わせてみたりするとこれまでの集大成としてオリジナルの作品ができそうだなと最終課題に向けて少し想像しやすくなりました。最終課題が不安なところではありますが、自分の技術と相談しながら満足のいくものができたらいいなと思います。
→ この「サウンドデザイン」は、映像作品のサウンドトラックを打ち込みソフトで作るようなDTM的要素は最低限(遠隔の今年はほとんどゼロ)であり、アルゴリズムによって音楽を自動生成する方向に重点を置いています。そして音楽生成のパラメータをインタラクティブに制御できることは、そのまま視覚的要素の自動生成にも適用できるので、ほぼそのままゲーム的なところに発展できるわけです。来週に紹介するインタラクティブ要素までを含めれば、シンプルでも面白いものが出来る可能性が完備しますので、あとは楽しんで何か作ってみましょう- 今回紹介された二つ以上の画像を組み合わせるアニメーションとdrunkの動きは、キャラクターに生命感がとても出て面白かったです。最終課題でもぜひ使いたいと思います。先輩のゲームでは、マウスクリックというシンプルな操作で、敵とのHPと競り合うハラハラ感や連打することで熱くプレイできるところがいいと感じました。私もゲームを作るにあたって、スリル感を出したいです。
→ あのゲームMaxパッチで単純なマウスクリックに燃えるのは、ランダムに出てくる敵キャラに強さの違いがあって、強力な相手では本当に本気でクリックし続けないと勝てないように「相手のHPを低下させる度合い」を微調整しているからです。圧勝する弱い敵だけでも面白くないし、絶対に勝てないほど強い敵というのも面白くないので、このあたりのさじ加減が面白いところです- 今回の授業で、lcdの使い方をより一層深く勉強しました。そして、先輩の作品を拝見して、このような細緻で、面白い画面を作られたのがとっても羨ましいです。私も、自分の特長を活用したら、どのような作品を作れるかと考えています。絵が苦手でも、数学の知識を運用して、面白い作品を作れるのがMaxの魅力だと思います。最終課題について、今までの授業で学んだ知識を応用して、音声インタラクティブゲームを作りたいです。製作の中では、色々と不足するところがあると思いますので、指摘していただけると幸いです。
→ 絵が苦手であれば数理造形で勝負、グラフィックが苦手であればサウンドで勝負、それでいいと思います。僕は絵心は無いので、これまで多くのマルチメディア・インタラクティブ・パフォーマンス作品を海外/国内で公演してきましたが、作曲とMaxプログラミングとセンサ(インターフェース)はもちろん自分ですが、ビジュアル/グラフィックのパートについては、SUAC学生の有志がコラボレータとして協力してくれた作品が多数ありました- 初めはサウンドデザイン、という名前の通り音楽に関するプログラミングを中心に行っていましたが、この2週での授業でMaxにとっての音楽の扱いは些細なものに過ぎなかったのだなと感じました。簡単な絵を1枚描いただけでも、自身の絵が動いているとわくわくしました。前回、先生のコメントにあったように「その味を拡張・展開する道具にコンピュータを活用する」とはこういうことなのかと思いました。数理造形、アニメーションなど、自分の得意な分野に特化した手段を選べるというのがとてもいい点なので、楽しんで最終課題に取り組みたいです。質問ですが、カウンターを使ったアニメーションの場合、コマの動きと音を合わせることで効果音なども作ることができたりするのでしょうか?
→ まぁ、Maxは元々、フランスの国立音楽音響研究所IRCAMの研究者が開発したISPWのためのFTP/Maxが起源なので、「Maxにとっての音楽の扱いは些細なものに過ぎなかった」というのはちょっと間違いです。音楽/サウンドの領域でMaxが出来ることはもっともっと凄い機能があるのですが、これは「サウンドデザイン」どころか上級編の「音楽情報科学」でも紹介しきれない程、広くて深いものがあります。そのMaxが、グラフィック「も」、アニメーション「も」、ライブ動画処理「も」、ネット「も」、楽勝で出来ますよ、というのが真実です。最後の質問の意図がちょっと曖昧で理解できないのですが、カウンターを使ったアニメーションの場合はコマの動きと音は自然に合うことになりますが、「効果音なども作る」というのはどういう意味でしょうか。MIDIベースでもMSPのサウンド処理でも、用意した効果音を、カウンターのアニメーションと一緒にbangしてやればそのタイミングで鳴るので、効果音となりますが・・・- anime_10.maxpatでは、二枚の画像でも勝手に脳が間を補って動いているように見えました。シンプルでもアニメーションがあるだけでワクワクします。先輩の事例は、敵キャラクターが数種類いたり、難易度が違ったりとゲームとして魅力的でした。グラフィックも画面が暗くなると少し緊張感が出るのでこのように細やかな工夫もあるとやる側は楽しいだろうと考えました。
→ アニメーションの原理があの2枚のパラパラの脳内補間によって理解できたと思いますが、元々、映画でもテレビでもネット/DVDの動画でも、我々が見ている全ての「動画」というのは、人間の「残像に弱い」→「脳内で繋ぐ」という視覚的特性を活用することで存在しているのです。遠い彼方から来た宇宙人、あるいは遠い未来から来た未来人で、毎秒100フレームぐらいの高精度動画を1枚ずつの静止画として知覚・認知できる能力を持っているとすると、この地球上のあらゆる「動画」というのは、とっても退屈なパラパラ漫画、あるいは少しずつ変化する静止画群、として理解されることでしょう- lcdに自分で描いた絵が映った時は感動しました。サンプルで色々な動きをするへのへのもへじが面白かったです。自分で用意したのは可愛い感じの絵だったのですが、drunkで小刻みに震える自分の絵を見た時はシュールで笑ってしまいました。コマ送りのアニメーションに興味があるので、anime_02のようなselectを使ってコマ送りアニメーションの作品も作れるというのが気になりました。前回やったpaintrectを使って体力ゲージが作られていたのを見て、簡単な仕組みでも使い方によっては自分の作品作りにかなり貢献してくれることがわかりました。前回の課題の時は不完全燃焼だったので先輩の作品まではいかなくとも自分が満足できるような最終課題を作りたいです。
→ 過去の先輩作品でも、「絵を動かす」派と、「動かさず全コマのアニメーション」派と、大きく二分されていたので、どちらでも自分の好きな方を選んで下さい。「動かさず全コマのアニメーション」の場合、(ちょっとした算数が必要な)「座標」について何も考えなくて良くなるのですが、その分、中身の勝負となる感じです- 先輩の「アイスモンスターからハムスターを救え!」というゲームをプレイしました。グラフィックがとてもかわいくて無料フラッシュゲームを遊んでいる感覚で楽しめました。まだまだ知識を定着しきれていないところはあるけど、今まで習ったmaxの知識を使ってゲームを作れるところまで何とかこれたのかな、、と思います。あと、実際の作品とパッチを見比べて、例えば前回理解が甘かったpeintrectに一気に数字を入力することの意味とか、たくさんの画像を使いたい場合に、readpict と drawpict で画像を置き換えながら書き出していくこと便利さを体感できました。
→ その部分を理解できたとするとなかなか立派です。過去の先輩作品の事例を提供する予定ですが、今年に比べてプログラミング習熟のレベルはちょっと低いので、先輩作品例Maxパッチを見てみると「なんでこんなに面倒くさいことをしているの?」という感じの未熟さもたくさんあると思います。それを僕が全て洗練改良することをせずに、敢えて「後輩のためにイマイチな部分も赤裸々に提供する」素材となってもらっています(^_^;)- 今回の授業は先週に続きアニメーションで、数学的な要素を使ってイラストを描くことについて、より魅力的でキャラクターに当てはまりそうな動きや、画像の動かし方など学ぶことができて興味深かったです。作品作りでうまく活用していきたいです。サウンドデザインは作曲をしたり音に関わることをするだけではなく、視覚的にも面白いアニメーションを作ることができ、とても魅力的な授業でした。Maxは作曲について無知な人や、音楽を演奏することができない人が、簡単に自分の好きなリズムで自分の好きな楽器を演奏させることができます。また、絵を描くことが苦手な人でもアニメーションを作ることができ、使い方を理解すれば誰だって作品を作ることができるとても面白く魅力的なものだなと思います。今回の授業では習いきれなかったもっとたくさんのMaxの使い方にも興味が湧きました。
→ Maxで作ったパッチはMacでもWindowsでも互換で、単独のアプリケーションとしてMaxを持っていない人も体験できる実行プログラムに書き出せますので、Maxをとことん活用するという可能性を夢想してみて下さい- 先週の先生のコメントを読んで、Max8は 「1分ごとに新しい絵を生成し続ける」ことなど簡単に新しいイメージを作ることができると思いました。先生のコメントについていつも感謝しています。ありがとうございます。今週は、lcdの使い方をより深く学んだ授業だと思いました。また、Toggleを押すことでswitchが自動に影響を受けることとか、前に学んだことをうっかり忘れてしまうのでさらに復習する必要があると感じました。もし、蚊がでるゲームを作るとしたら先週学んだDrunkと蚊の音(嫌な音)を入れると面白いと思いました。どうすれば蚊を殺すゲームになるか工夫してみます。先輩の作品を拝見して、まだ私は足りないところが多いと思いました。可愛いキャラクターと音楽、ゲームになるためにMax8を上手く活かしたと思いました。また、ゲームとして成り立つためにキャラクターや文字の動きなど細かい工夫したことを感じました。来週の授業もよろしくお願い致します。
→ あまり大風呂敷を広げて凄いゲームを作ろう・・・と頑張るというよりは、自分の持ち味を生かしてピリッとどこかにいい味を出す、という方向を目指すのがいいと思います。本格的なゲームは、まだまだ今後の講義で挑戦できます- 前回と今回の授業を通し、音とグラフィックは相互作用の関係にあると改めて思いました。たとえば、ただの直線運動をしている円に、跳ね返るところで音をつけると途端に生き生きと動いているように見えます。また、ただいろんな打楽器が連続で鳴っているだけのところに、いろんな色のグラフィックが次々と現れるだけで、ぐっと華やかになります。この大学を調べている時に、「なぜデザイン学部なのにサウンドを学ぶ授業があるのだろう」と疑問に思っていました。その答えが今では少しわかったような気がします。最終課題では自分の絵やグラフィックと音が互いに良い方向に作用し合うようなゲームを作りたいと思いました。
→ デザイン学部だからこそ、サウンドを学ぶ意味があるのです。理解していただき嬉しいです(^_^)- 少し気が早いかもしれませんが、最終課題についての質問です。過去の先輩方の作品を見ると、GarageBandで作られたという音源が埋め込まれているようでした。私もできたら音楽をゲームに取り込みたいのですが、今年はどのような方法で音楽を取り入れれば良いでしょうか。
→ まず、著作権のため「既存の音楽(CD/ネット等)の利用は駄目」は理解してもらえると思います。次によくあるのはネットの「フリー音楽提供サイト」のフリー素材音楽の利用(先週紹介した先輩作品はたぶんこれ)ですが、いずれ卒業制作などで利用する場合には作者にメイルで許諾請求して作品にクレジット表記することで可能ですが、今回の課題作品ではこれも「ナシ」とします。レベルは下がっても、あくまでオリジナルを重視したいのです。
通常のマルチメディア室で行う「サウンドデザイン」では、Macに標準に付いているGaragaBandについても2週程度、軽くやってきましたが、今回は遠隔なのでこの部分をカットしたのですが、全体としてはMaxについて例年より2-3割増しで「濃く」やったので、トータルとしては何も不足はありません。GarageBandはMac付属(専用)と思っていたら、どうも Windows版のGarageBand? らしいものがありましたが、いずれにしてもGarageBandはバージョンごとに画面も操作性も使い勝手も使用音源もいろいろ異なっているので、僕の手元ではとても皆さんの環境のバージョンに対応できないので、遠隔講義の中では触れられません。 興味があれば、ネットで検索して「GarageBand入門」みたいなサイトで自習して、簡単なBGMをGarageBandで作って、mp3ファイルにして最終課題のBGMに使うことはOKとする予定です。- 数理造形の話が特に興味を惹かれました。関連で調べてみたのですが、普段日常的に美しいと感じる比率を回転させるだけで、美しい図形が出来上がることが この資料 から分かりました。また、人工生命の作品も少し見てみましたが移り変わっていく様子が魅力的に写りました。私は未だ最終課題にどのようなものを作るか定まっていないですが、面白そうな部分を掘り下げて作品に取り入れていきたいです。
→ 資料を見てみましたが、まだまだ入り口というか、ちょっと浅い論文でしたね(^_^;)。SUAC図書館にも、これよりもずっとずっと広く深いところまで詳解した文献がたくさんあるので、調査は中途半端なネット検索で安易に終わらずに、きちんと調べてみるとまだまだ広がると思います。人工生命というタームも流行ですが、数理造形の本質のところから理解しないと皮相的な目新しさに流される危惧があります。たとえば「黄金比」・「黄金分割」などという歴史あるタームからきちんと調べるだけで、Max8やProcessingなどメディアデザインの「道具」が充実している今であれば、それこそ卒業制作まで発展する可能性はまだまだ残っています- 第6週の講義で、配置により指示が流れる順が変わることで結果も変わってしまうのではないかという質問に対して、"trigger"を叩くような場合に変わってしまうと回答していただきましたが、今回と前回の講義でそれがよく分かりました。anime_03のファイルで"trigger i b"を"trigger b i"に変え、繋げる順を反対にしてみたら二つ画像が重なって消えるのではないかと考え、実際にやってみたところキャンバスに何も表示されなくなりました。どうしてこのようになるのか気になったので教えていただきたいです。
→ 確認ですが、「anime_03のファイルで"trigger i b"を"trigger b i"に変え、繋げる順を反対にしてみた」というのは以下のようなことですよね。これだと、左にある"trigger b i"の出力はまず右の「i」から出た値が「pack」を叩くのでその瞬間に描画されるのですが、その直後(同時)に"trigger b i"の左の「b」出力から出たbangが「clear」を叩いてスクリーンが消えるので、見たところは何も出ないままとなります。これは正常動作ですが・・・
→ 試してみたことは画像のものであっています。書き方が分かりにくくてすみません。"trigger"から出される指示の早さに少し差があるという認識だったので、消える前に画像が見えると思っていたのですが、説明いただき同時に指示が送られるということが分かり、ずっと消えている理由も理解できました。このような配置の順で結果が変わるものは、ほぼ同じときに指示が送られ同時に作動するが、後から指示が送られるような配置になっている方の結果が残るという認識でよろしいのでしょうか。お忙しいと思いますが、ご回答お願いします。
→ いい質問です(^_^)。「trigger」に情報が入力されると、その並んだ出力の右側から順に次々と左端出力まで出て行くのですが、あくまで「順序」を規定しているだけで、そこには「時間差」はないのです。上のパッチの動作を厳密に解説しますので頑張って理解してみて下さい。このパッチの場合であれば2つの変数(「73」と「52」と表示されています)のいずれかをマウスで変更すると(metro+counterのアニメーションの場合にはmetroからトリガされてcounterの値が1つ変化したとき)、このパッチ全体の状態が変化する「フレーム」動作がスタートします。右側の「52」を変更した場合には右側の「t b i」からまずy座標がpackの右入力(出力は出ないで保存されるだけ)に入って、次にbで「73」を叩くので、ここからは左側の「73」を変更した場合と同じことになります。「73」からの変更、または「73」を叩かれてあらためて出てきた数値が左側の「t b i」に入ります。するとその「i」出力がpackの左入力に行くので、そのpack出力は「prepend drawpict suac1」の後にひっついて「s lcd_writing」に行きます。それがスクリーンの方に行くのですが、スクリーンの処理はまだ始まりません。その理由は、まだこのフレーム内の処理が途中だからです。左側の「t b i」の左端のbangが出て、これが「clear」を叩いて、これも「s lcd_writing」に行きます。ここまでがこのフレームの動作で、このtriggerが終わったことで、ようやくスクリーンの方の処理が開始します。すると、スクリーン内の「lcd」は自分に届いたメッセージを見てみると、「prepend drawpict suac1 73 52」というメッセージと「clear」というメッセージの2つが同じ処理フレーム内に届いていた、と判定して、その結果としては「drawpictしてclearなので、結果はclearだ」ということになり、何も表示されないことになります。この様子を確認するために、 このzipファイル 内の、上のような anime_03b.maxpat を試してみて下さい。ここでは左側の「t b i」の左端「b」出力から「clear」に行く前に、「delay 1」を入れています。これだと、drawpictのフレームではclearは出ずに、1msecだけ後の別のフレームでclearが出ます。この時、Maxの「Options」メニューのいちばん上の「Overdrive」をONにしていると、これでもたぶん絵は出ません。ただし「Overdrive」をOFFにしていると、チラッと出て消えるかもしれません。この理由は、Max8が「1msecのスケジューラで動作」しているからです。「Overdrive」をONにしているとサウンド処理の能力を優先してグラフィック処理の優先度を下げるので、逆のようですが表示しなくなります。「Overdrive」をOFFにしているとグラフィック処理を後回しにしないので、同時に高度なサウンド信号処理をしていないこのようなパッチでは、逆にたまに表示します。そして「delay」の右入力の数値を3,5,7....と上げていくと、チラッと出てから消えるようになると思います。おそらく、このdelayに相当する遅れで一瞬見えてから消えるのでは・・・と思っていたのだと思うのですが、実際の動作はこんなことです。
→ ご回答ありがとうございます。いただいた anime_03b.maxpat のような動きを想像していました。丁寧に説明していただいており、処理までの過程が分かり、疑問を解決することができました。第10週(7/14〜7/17)
- 今週の教材動画(39min)
- 本日のサンプルパッチ
- Max8プログラミング - Maxでインタラクティブ !
- 「インタラクティブ」の基本は「PCのキー」 - interactive_01.maxpat
- キーボード入力が「直接入力」(半角英数字)になっている事を確認する !
- 「key」オブジェクトで「最新に押されたキーのコード(番号)」を取得できる
- スペースは「32」など
- 「select」オブジェクトの右端出力だけはbangでなくて「どれでもない時に入力の数値を出す」→selectをイモヅルに出来る
- 「上下左右」のコードは28から31 - interactive_02.maxpat
- Maxは基本的に「半角英数字」のみ。ただし、メッセージやコメントには日本語を使えるようになった
- このパッチは単純だ・・・と思うとそうでもない → アッと驚くゲームを作った先輩がいた(^_^;)
- ランダムに「上下左右」から表示されてそのキーを押す ・・・ それほどでもない
- ランダムに表示される矢印と、対応するキーの位置が反対になっている → なかなか難しい
- マウスの操作をモニタする方法 - interactive_03.maxpat
- 「lcd」オブジェクトに「idle 1」を与えるとモニタリング開始
- 左端出力はボタンを押してドラッグしている時の(x,y)
- その右の出力はボタンを押さずに移動している時の(x,y)
- その右の出力はボタンの状態(0か1)
→「マウスクリック」の瞬間はこの出力を「change」に入れると検出できる- 「change」の左端出力は「入力の数値に変化があった時だけ」その数値を出す
- 「change」の真ん中の出力は「入力の数値がゼロから非ゼロ」になると1を出す → 「select 1」でbang (マウスボタンが押された!)
- 「change」の右端の出力は「入力の数値が非ゼロからゼロ」になると1を出す → 「select 1」でbang (マウスボタンが離された!)
- 「上下左右」キーでキャラクタを動かす(1) - interactive_04.maxpat
- 「key」入力は新たに押された時にだけそのキー情報を出す
- 「押し続ける」ことは検出できないことに注意
- 「print」オブジェクトに出力すると「Maxコンソール」に表示されることで動作確認(デバッグ)できる
- 「上下左右」キーでキャラクタを動かす(2) - interactive_05.maxpat
- 「押し続ける」ことを検出するためには「keyup」を使う
- 「key」入力で押されて「1」になり、「keyup」入力で離されて「0」になる → トリガ駆動
- 「clocker 50」は「1」入力でスタートして50msec(毎秒20回)ごとに経過時間を出力 → 「/ 50」でそのたびにbangを出す
- このパッチ例では「上と右の同時押し」などにも対応している(^_^)
- 「シューティング」の作り方 - interactive_06.maxpat
- これまで学んだプログラミングを集めただけ
- キャラは左右方向に「単振動」している (等速円運動の x軸方向、y方向はそれぞれ「単振動」)
- 「int」 : 右入力に入ってきた整数を保持しておいて、左端入力のbangでそれを出す
- キャラの左右方向の「単振動」のx座標が「int」の右入力に入って保持されている
- 「key」→「select 32」→「int」 でスペースキーを押してシューティングした瞬間のx座標が出力される
- 「if $i1>260 && $i1<280 then 1 else 0」の意味 - 「$i1>260」かつ「$i1<280」の時だけ「1」出力、他は「0」出力
- これを判定することで、指定範囲内にいる時かどうかを決定
- 境界の数値を変えると「難易度が劇的に変わる」!!!
- 「ゲーム性」の意義と面白さを考えてみよう - timer_10sec.maxpat
- まず最初に「timer_simple.maxpat」をやってみよう
- このパッチはこれまでの道具で出来ている (可視化)
- インターフェースは「スペースキー」 - 「key」→「select 32」→bang でスタート、ストップ
- 「10秒間を心の中でカウントして」というよくあるゲーム
- でも、なんだか面白くない
- では次に、「timer_10sec.maxpat」をやってみよう
- 数値のインスペクタを「line」オブジェクトで次第に変えて「消して」いるだけで面白くなる!
- シンプルな効果音(ピストル)とOK/NGサウンドのサンプル
- Maxで「USBゲームコントローラ」を使える・・・というお話
- このページを見てみよう
- 一番下には、それぞれの動作例のYouTubeリンクあり
- 今回の課題ではこれは使わないものの、今後、やってみたい人にはコントローラの貸し出しやパッチ提供/制作支援します
- 学生有志(2回生2人+3回生1人)と制作/発表したMaxゲームの事例紹介
- 作品「召喚 ICカードバトラー」の発表展示の模様(YouTube) ★ ★ ★ ★
- ここでのインターフェースは「Felica」(Suica, Toica, Icoca, Manaca, SUAC学生証, 生協カード, ・・・)
- Max8でFelica情報を読む (9min)
- インターフェースを製作
- OMMF2018(Maker Fair in Ogaki)に遠征して発表
→ その模様
→ 参加学生レポート- 過去の先輩の「サウンドデザイン」Maxパッチ作品集(70min) を眺めてみよう (過去の課題の条件は今年と違っているので注意)
- 「Maxで出来ることはこんなもんじゃない」というお話 - jitterのデモ (興味のある人は後期「メディア数理造形演習」を受講しよう !)
- 来週の予告
- 最終課題を提示します
- 過去の先輩の課題作品例パッチを参考サンプルとして紹介提供します ※過去の課題は条件が違ったり、作品のバグを改善していないものもあるので注意 !!
- 宿題
- 今週の出席にあたるレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。「Max」にはまだまだ豊富な機能があり発展の余地がある(持っている機能のうち、まだ15〜20%程度しか触れていない)のですが、この「サウンドデザイン」で紹介する範囲としては今週で第一段階が終了する「Max」の感想も歓迎します。分量はおよそ150文字〜250文字ぐらいを目安とします。提出期限は7/17(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「欠席(未提出)」となります
- これまでにやったMaxの使い方について理解・整理(復習)しておいて下さい。
- (お願い) 7月中旬から8月上旬までの間にmanabaの「授業アンケート」をなるべく提出しておいて下さい
第10週のレポート(と、それに対する長嶋のコメント)
- 今回はキー操作で絵を動かす方法がわかり、少しずつゲームっぽくなってきたと思いました。体内時計タイマーのゲーム例では、文字がだんだん消えていくような演出もできるとわかり、感心するとともに最終課題のゲーム作りでもどこかで使えないかと想像が膨らみました。また、最後のカメラで撮影しているところをいろいろ動かしたりするというのは、単に写真や動画を加工するのではなくライブで動かすというのが、見ている人をとてもワクワクさせる面白い機能だと思いました。
→ Maxのあのライヴでの画像処理(jitter)は、クラブなどのDJ/VJの世界では定番ツールとして世界中で活用されています(^_^)。興味があれば後期「メディア数理造形演習」をとりましょう- プログラミングも大事ですがビジュアルや造形も凝ることで、召喚の雰囲気がよく演出された作品になっていて、「召喚 ICカードバトラー」では子どもも楽しそうに遊んでいましたね。OMMF2018参加学生レポートから、不得意なことはチームメイトに補ってもらえて得意なことで作品に貢献することができ、個人制作では心が折れてしまいそうな大掛かりな作品もチームメイトで支え合えれば完成できるということが分かり、チームで制作することの意義を感じました。最終課題は個人での制作になりますが、この制作経験がチームで制作する機会があった時にも役立てるように、できる限りのことはしていきたいです。
→ それぞれ得意分野を持ち寄ることで、一人では出来ないものが実現できるというのはプロジェクトワークの醍醐味です。「召喚 ICカードバトラー」では、見事にそれぞれの持ち味が合体して短期間に素晴らしいものが出来上がって、手応えもなかなかでした(^_^)- シューティングも10秒タイマーのゲームもシンプルですが少し数値を変えたり画像を徐々に消したりするだけでかなり難しくなりました。フェードアウトしていく演出は最終課題で使ってみたいです。jitterの動画のライブ加工を見て、後期のメディア数理造形に興味が湧きました。ドームなど大きなコンサート会場ではステージから遠い席はスクリーンでしか見ることができないので良くないと思われていますが、映像をライブ加工して流せばただ本人を見るだけでない遠い席ならではの楽しみ方もできるのではないかと思いました。
→ 大きなライヴ会場のステージ横の巨大モニタに出す映像については、ステージ上のカメラから取り込んでプロジェクタに出す経路は直接アナログでなくディジタル処理しているので、必然的な「遅れ」があります。まぁ大きなライヴ会場では遠くからの音の方が遅いのでちょうどいいぐらいなのですが、その途中にjitterのエフェクトを加えることでさらに演出効果を出す・・・というのは面白いアイデアだと思います- Maxはインタラクティブの作品を設計するためにとても便利だと思います。そして、過去の先輩たちの作品(「サウンドデザイン」Maxパッチ作品集)を拝見して、大いに啓発されました。Maxを使って、パチスロみたいなゲームを作ることも面白いアイディアです。他の先輩たちの作品の中では、ランダムな部分の運用方式がとても巧妙だと思いました。同じ課題でも、ランダム効果によって、作品の面白さが変わってきます。「ビートに合わせてスペースキー」という作品には深い印象が残りました。グラフィックとサウンドを組み合わせたインタラクティブ設計は素晴らしいと思います。今学期の最終課題も楽しみで、先生と皆さんと一緒に、さらに面白い作品を作りだしたいと思います。
→ ランダムというのは本当に「魔物」で、単にランダム(でたらめ)にしただけだと、ちょっとやっただけで飽きてしまったり、「運任せなのか」と見捨てられたりします。「ランダムの幅」、「ランダムが起きる頻度」、drunkやカオスや1/fゆらぎ」など「ランダムの性質」、等々を考慮する「さじ加減」が、インタラクティブデザインにランダムを盛り込むための中級テクニックです- 今回はKeyを使ってパッチにインタラクティブな要素を追加する内容で、先輩方の作品と合わせて見ると夢が広がりました。やはり一回bangを出すだけのものより参加出来る作品のほうにより興味が惹かれましたし、十秒数えるゲームもそうですが、絶妙な難易度を探っていくことが重要なのだと思いました。また、Maxについて私は専門的な知識が要らず視覚的に分かりやすいといった手軽さが魅力だと思っていましたが、ムービーにエフェクトをかけているのを見ていろんな分野に使える汎用性の高さもポイントなのかなと感じました。
→ この前期に紹介したMax8の機能/能力というのは、それを使って実現できる世界のごくごく一部だけなのです。この汎用性を追求したかったらぜひ、後期「メディア数理造形演習」においでください- 先輩方の過去作品を見たのですが、今まで教わったMaxの操作とオリジナルな発想が組み合わさっていてとても面白かったです。自分でイラストを描いてアニメーションのようにしている人もいれば、神経衰弱のようなゲームを作った人もいて課題が毎年同じではないにしろ色々な可能性を感じさせられました。また講義動画ではリアルタイムで動画を加工するなどまだまだ知らない要素がたくさんあるのだと思いました。
→ 絵が得意な人はそれを活用して、プログラミングで攻めたい人はそこに徹して、・・・というように自分の持ち味を生かした範囲で制作していけばOKです- 「change」オブジェクトとトグル「toggle」を一緒に使うことで、「0から1に変化した時」に「1」を出すことができる。そして、「select 1」で「bang」が出ることを学びました。また、「key」オブジェクトはクリックしないと移動しないけど、「clocker」を使うことで1回押しただけでずっと移動ができることを学びました。先輩たちの作品を見て、とても優れていると思いました。直接に描いたイラストや音楽、効果音などを上手く使っているなど新たなゲームもあったと思いました。来週の授業もよろしくお願い致します。
→ もう来週は参考データを提供して最終課題を出題するだけですが、最後まで頑張りましょう- いじわる矢印キーの話から昔やったミニゲームを思い出しました。迷路から脱出するのですが、途中で矢印キーの入力がぐちゃぐちゃになって操作しにくくなるみたいなゲームなのですが、今回のグラフィックを矢印キーで動かす技術で作れそうだなと思いました。先輩方の作品も見ましたが、イラスト上手な先輩がたくさんいてとても見ていて楽しかったです。私もイラストを使って楽しいものが作れたらいいなと思いました。
→ はい、「絵心」派の皆さんの作品をいつも楽しみにしています(^_^)- セレクトで特定のキーボードを入力装置として、↑キーを押すと〇〇、→矢印キーを☆☆を出力することを利用して、表示された絵に対応するキーを押すことで反射神経を試すゲームを作ってみたいと思いました。もしそのようなプログラムをつくるとしたら、そこにサウンドをつけたり、今回習ったキー操作で絵を動かす方法を使うなどの工夫を重ねていきたいです。来週、最終課題の発表があり、制作が始まるので、今までの動画の理解が怪しい部分を確認したりしておきたいと思います。
→ その心構えはbestです。今週で教材として終わりですが、そこでいきなり最終課題を提示しない理由はここで、この1週間でこれまでの復習をきちんとして、その上で来週に過去の先輩パッチ例を眺めてみて欲しいから、というのが理由なのです- 「10秒数える」のは簡単だけど、数がフェードアウトするだけで難しくなりました。何回かやりましたがぴったりはいかなくて悔しかったです。このように、あともう一回だけやろうと思えるゲームは課題の参考にしていきたいと考えました。また、先輩方の作品の中で、虫を捕らえるゲームがありました。前回の酔っ払いの千鳥足のような動きが虫の動きに当てはまっていて、Maxのアイディア次第でなんでもできてしまうと感じました。
→ 悔しくて「もう一回!」とさせることが出来れば、ゲームデザイナとしては大きな目標達成となります。つまりはたかがゲームと言うなかれ、人間の「心理」・「感情」の領域まで勉強していかないといけないのです- JavaScriptのときのプログラミングでの最終課題のゲーム制作は、正直なところどの文字列がどこに作用しているか理解しきれない部分があったのですが、Maxではどのコマンドがどこに作用しているかコードの配置などでわかるので、作りたい作品のプログラミングが想像しやすいと改めて感じました。操作されるキャラクターの表示される仕組みなどがわかったことにより、また想像が膨らみました。最終課題に前向きな気持ちで取り組めそうです。最終課題までの一週間を、最終課題までの心構えの準備期間と捉え、今までの復習をして理解を深めておきたいと思います。
→ この一週間をそのように有効に過ごしてくれれば本望です(^_^)- 事前に準備した画像だけでなく、リアルタイムでの映像も動かせるというところにMaxと自分がお互いに作用しているインタラクティブさを強く感じました。まだ全部は見ていませんが途中まで先輩方の作品を見て、QWOPスペースキーエンターキーで自分で楽器演奏をするというものが、初期にやった楽器演奏やKey入力、図形を音に合わせて動かしたりとMaxの今までやった機能を活用していて良いなと思いました。私のように楽器の演奏もできなくて音楽系の部活に入っていなかった人でも自分でリズムをとりながら演奏するのは好き、という人は結構いると思うので遊びとして魅力的な作品だなと感じました。
→ ゲームの世界では昔から有名ですが、業界のゲーム音楽のプログラマでも楽譜が読めず楽器演奏経験が無い、という人はたくさんいます。僕はかつて都内のあるスタジオで、「ゼビウス」という有名なゲームの音楽を作った人の作業を横で見ていたことがありますが、彼女はテキストエディタ(か表計算)のような画面に向かって(マウスGUIの無い時代)、黙々とカーソルキーとテンキーで「数字」を打ち込んでいたのですが、その頭の中では生まれつつあるゲーム音楽が鳴っていたのです。まぁプロの世界は凄いです- サウンドデザインの講義全体を通して学んだことは、Maxの15〜20%程度でしかないのにゲームが作れるほどの機能があり、全てを学んだ時にどれほど自由に表現が出来るのだろうととても楽しみに感じました。10秒カウントするゲームのように、少し見せ方を変えるだけでゲームとしての面白さが加わるので、今まで学んだことをどのように応用すれば面白い作品を作ることが出来るのか試作をしながら考えてみようと思いました。そのためにももう一度全体の復習をして、理解を深めようと思います。
→ このようにまとめていただき嬉しいです- キー操作で絵を動かすことが可能になり、ゲームになってきたと思うが、以前情報処理の授業でも自分でプログラミングしたキャラを動かすことが出来たので、似たようなものを感じた。前回は先生に貰ったものを少し変えただけで、あまり自分のオリジナル性が出せなかったのでスピードが一定でしかプログラミング出来なかったが、今回は早くなったりゆっくりになったりとキャラクターの細かい動きにまで気を使えたらもっと面白いものが作れるのではないかと思った。
→ スピードが変わると印象が大きく変わります。さらにそのスピードが状況に応じて変化しているのを感じると、人間はさらに別種の印象が喚起されて、さらにハマるようになります。このあたりを追求してみて下さい- 今回の授業では、キャラクターをキーボードで動かす方法やシューティングの作り方を知ることができ、ゲームらしさが増して制作が楽しみになりました。先生が紹介してくれたものの中で、画像ではなくリアルタイムの映像を、歪めたり増やしたり動かしたりする事ができるのを見て、Maxを使ってこんなことも出来るのかと驚きました。先輩方の作品は、全部面白くて見ていて楽しかったです。アニメーションやゲームなど、絵が上手な方や、ゲーム性や仕組みが面白い方など参考になる作品がたくさんありました。音楽もイラストも自分で生み出した物を使って作品を作ることができるのがすごく楽しみです。
→ 「リアルタイムの映像を歪めたり増やしたり動かしたり」のテクニックについては、後期「メディア数理造形演習」で伝授する予定です- Maxのインスタレーションの作品の中で、ICカードを読み取ってキャラクターに変換できるゲームがとても面白いと思いました。専用に作られたものではなく、しかもランダムというわけでもなく、個人個人が契約して持っているカードに対応したキャラクターがいるというのがインタラクティブでぜひ自分もやってみたい!と感じる素晴らしいアイデアだと思います。でも、数値が深くまで設定されているとはいえ、Maxを使えばICカードの情報を読み取れると思うと便利すぎて怖いくらいだなと思いました。来週から最終課題が提示されますが、先輩方の作品を見ると、私はとても一週間では制作できそうになさそうで焦りました。復習と、作りたい作品のアイデアをきちんと固めておきたいなと思いました。
→ 僕が使ったSonyのFelicaリーダは、皆さんが駅でSuicaやToicaをタッチする、あの機械の中に入っているものと同じです。ただし実際に現金情報をアクセスするためには、7階層ぐらい奥の奥のところまで暗号チェックをしながら入っていかないと出来ません。当然ですが、僕があのシステムでやっているのは、いちばん表の第一階層に記録されている、カードに固有のメーカ製造番号を読み出すだけです(Sonyの公開しているデータシートを解読して、MaxがFelicaリーダとの通信を確立するまでの実験はなかなか大変ですが面白かったです)。そのデータに応じて「召喚」されるキャラとスコアの選択を演算しているので、ランダムではなくて必ずそのカードに対応したキャラが出てきます。ただしいつも負け続ける弱いキャラだと面白くないので、起動時にパラメータをランダムに設定して、「次に起動するまで」の演算ルールを決めています。例えば展示会場で朝イチに起動すると午前中はそのセッティングで勝負が続き、昼休みに起動し直すと午後は別のスコアとキャラが必ず出てくる・・・というように作りました- 今週でMaxの第一段階が終了しました。実は私はMax を学ぶまで電子音響音楽やアルゴリズム的な音楽について否定的でした。生身の楽器や声が使われた音楽こそが至高だと思っていました。しかし、授業でMaxのことや電子音楽の世界のことを知り、自分で音楽を作ったり、新しい音を生成したり、先生の電子音響音楽を拝聴したりしていく中で、むしろ電子音楽はより音楽の世界を深め、広げていってくれるものだと感じました。例えば、坂本龍一さんの作品に「andata」という曲があります。これはおそらく電子音響が使われていると思います。メロディだけでもバッハを彷彿とされるような美しい旋律を奏でているのですが、これに「ザーーー」という雑音やメロディの中で妖しく響く高音や低音の唸りのおかげで、まるで雨の中にいるかのような神秘的な気持ちになれます。新しい音楽が出てきた時、どうしても人は否定的になることが多いと思います。ビートルズが最初否定されたかのように。しかし、それでは新しい音楽はいつだって生み出されないと思います。Maxを通してこういった自分の思考の凝りが取れた気がしました。
→ 素晴らしい。このようなレポートでMaxが総括されるとは、Maxユーザ冥利に尽きます(^_^)第11週(7/21〜7/24)
- 「今週の教材動画」はありません(^_^;)
- 今週は感想レポートもありません(^o^)
- 過去の「サウンドデザイン」課題作品例パッチ集
- あくまで「参考」だけ、それも「正しいとは限らない」参考だ、と理解して下さい
- これらのパッチにはバグがあったり今年の課題条件と違っているものもある点に注意して下さい
- Maxプログラミングに不備があっても長嶋が修正していないものもあるので注意して下さい
- 画像だけ自分のものに差し替えると異なる動作になる(大きさが違う場合には座標の指定がズレる)ことに注意して下さい
- 以下の情報がありましたので紹介しておきます(Windowsの人)
サウンドデザインの配布パッチについての報告です。 11週に配布された「過去の課題作品のパッチ」ですが、ダウンロードしてフォルダを解凍するとファイル名が全て文字化けしておりました。 Maxパッチ自体は問題なく開けるのですが、画像ファイル名が文字化けしているために画像が読み込まれず、画面が真っ白のままでした。 Macで圧縮したファイルをWindowsで解凍すると文字化けすることがあるらしく、7-Zip(ファイル圧縮・展開ソフト)をダウンロードして解凍するとファイル名の文字化けはなくなり、パッチが画像を読み込み、正常に動作しました。 Windowsでサウンドデザインを受講している学生は、配布パッチのファイル名が文字化けした状態で、パッチの正常な動作が見られない状態だと考えます。- 最終課題
(1)オリジナルのサウンド(BGM/SE)と(2)Maxアニメーションに(3)インタラクティブな要素を加えた、一種のゲーム/インスタレーション(体験型マルチメディア作品)とも言えるMaxパッチ
- 提出締切 7月31日(金)23:59
- ここまで学んだ全てのまとめ
- 表示用lcdスクリーンのサイズは「640*480」として、画面左上端に置いて保存すること
- メインのMaxパッチ(巨大なウインドウは見にくいので小さめにすること)もそのすぐ横に置いて保存すること
- プログラミングが苦手で「絵心」で攻めたい人は、「metroをスタート/ストップさせるトグルを押す」部分がインタラクティブで、あとは結果がランダムに分岐する「パラパラアニメーション」(一種の「占い」)でもOKなので、そういう先輩作品を参考にすること
- 自分の学籍番号のフォルダを作って、その中に必要なデータ等だけを全て入れて(中身がMaxパッチだけであってもこの形式にすること)、zipに圧縮して提出
※ 制作途上版や教材サンプルなど無関係のMaxパッチや、作成過程の画像素材等はこのフォルダに入れないこと
→提出データは「1924000.zip」などとなる- メインのMaxパッチは「学籍番号.maxpat」として、参照されるデータ(サウンド、画像など)も横並びに置く。ファイル名は「半角英数字」にしないと悲しい事が起きるかも・・・(上の「Windowsの人」というトラブルのように、特にWindowsの人は、Maxパッチだけでなく参照するデータファイル名に、全角文字、スペース、その他の邪悪な文字コードが入っていると、圧縮したzipをMacで解凍した際に全部文字化けしてまったく読めないことになりますので注意)
- 課題作品は後日、Web(教材ページ)に置くので、著作権に配慮して全てオリジナルであること
- 提出は長嶋へのメイル。ただし以下のようにデータ容量によって大きく異なるので注意
- 提出データ「1924000.zip」のサイズを調べて1MBより大きいか小さいかで分かれる
- 提出データが1MBより小さい場合 → メイルに添付でOK
- 提出データが1MBより大きい場合 → アップローダに上げてそのダウンロードURLをメイルする
- メイル本文には作品の「ごく簡単な解説」(使用方法など)も書いておくこと
- メイルは学生のSUACアドレスから送ること。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効
- Subject:(タイトル)には必ず「サウンドデザイン最終課題(1924000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を添えること
- 長嶋は必ず課題提出メイルに対して後ほど(2-3日後あたりまでに)「受領」の返信を出すのでこれが提出確認となる
- 締切の2日前までは課題制作に関する質問を受け付けます。「ここまで出来ていて」「ここが出来ない」というポイントまで整理した上で、提出と同じようにzipにまとめて送って下さい。スクリーンショットでは長嶋が手元で再現できないので受け付けません
第12週(7/28〜7/31)
- 「今週の教材動画」はありません(^_^;)。最終課題作品の制作期間です
- 今週も感想レポートはありません(^o^)。ただし7/31が最終課題の提出期限です
- 締切の2日前までは課題制作に関する質問を受け付けます。「ここまで出来ていて」「ここが出来ない」というポイントまで整理した上で、提出と同じようにzipにまとめて送って下さい。スクリーンショットでは長嶋が手元で再現できないので受け付けません
- (お願い) 8月上旬までの間にmanabaの「授業アンケート」をなるべく提出しておいて下さい
試験期間(8/3〜8/7) 最終合評
- Max8の臨時ライセンスについて
- マルチメディア室(と電子制御機器制作室)に入っているMax7は、来年2021年4月から、コンピュータが一新されるとともにMax8となります(^_^)
- COVID-19のために世界中の教育機関が遠隔体制になったために、Maxの提供元のCycling'74社は暫定措置として、臨時ライセンスを提供して、皆さんも自分のマシンに設定して、Max8が利用できるようになっています
- このライセンスは「2020年9月1日」で切れます。それ以降はパッチの保存が出来なくなります
- この臨時措置は、おそらくダラダラとは延長されないと思われます
- 今後、このMax8を自分のデザイン/制作に活用しようと思う人は、アカデミック・ライセンス(教育機関の学生価格「26,500円」)で、Max8の永久ライセンスを取得することを考えてみて下さい。過去にも多くのSUAC学生がそのような選択をしてきました
- Max8の永久ライセンスは、Max8のバージョンがマイナーupされる間はずっと有効であり、将来的にメジャーupdate(Max8からMax9へ)された場合にも、「8→9」というアップグレードはかなり安価になります。ちなみに過去のペースから、Max9となるのはあと3年ぐらいは先だと思われます
- Max8のアカデミック・ライセンスは、国内代理店の MI7社のアカデミックページ から申し込みます。ただし、ここからMacx8をダウンロードすることはお勧めしません。SUACのMaxはいつも提供元のCycling'74社から最新の英語版をインストールしています。MI7社のサイトの日本語版はバージョンが常に古く、誤動作の可能性が常に高いのでお勧めしません。「英語版をダウンロードしているので、ライセンスだけ購入したい」という対応をして下さい
- MI7社のページの「申請」に従って、SUAC学生証を写メって送って、必要な手続きをすると、永久ライセンスの設定方法が連絡されてきます。卒業後もこのライセンスはずっと有効です
- 今週は「合評」期間です
- 最終レポートとして、お互いの最終課題の中から気に入った作品・気になった作品などについて自由に感想を出し合いましょう
- 「第8週のレポート」と同様、来週にここに公開する最終レポートに発言者の名前は載りません ただし、自分の作品とそれに対する長嶋の改訂に関してコメントするために名乗ってもいい人は、いちばん最後に「・・・・・・・・(長嶋)」という風に添えてくれればそのまま掲載します
- 最終レポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。分量は自由とします。提出期限は8/7(金)の10:30です。それ以降のメイルは無効となり「未提出」となります
- 「合評」という意味では、長嶋はさらにこの「最終レポート」に全てコメントを添えつつ翌週あたりにこのWebに公開するので、夏休みにお互いそれぞれの「最終レポート」(+長嶋コメント)まで読むことを希望します
- (お願い) manabaの「授業アンケート」をなるべく提出しておいて下さい
最終課題と長嶋のコメント
- 浦野 さん ★
- うさぎが走るパラパラアニメを基本として、キーボード(上矢印、下矢印、スペースキー)を使って障害物に対応するというゲームを作りました。BGMはループする軽やかなイメージのものを考えました。障害物(石、柵、亀)はランダムで選ばれますが、亀の出現確率は低くなるようにしています。石や柵をクリアしてもゲームは続きますが、亀をクリアすると止まります。失敗しても止まります。エンターキーでリスタート出来ます。石と柵の失敗画面は共通ですが、亀の失敗画面は専用のものを2枚用意しました
- 提出パッチ : 1924024_2_org.maxpat
- (長嶋) 7/24に第1号で提出、なかなか頑張って作りましたが、BGMのベースはちょっと微妙(^_^;)、そしてミスもありました。metroスタート用のトグルや「gswitch2」左端のスイッチ制御(「0か1」のトグル)にbangを与えることは不適切です。トグルはbangされた度に反転するので、例えばエンターを連打してみると状態にズレが生じて誤動作から回復できなくなりました。トグルはbangで叩くのでなく「0」と「1」を与えてそれぞれを叩く必要があります。全体の構成も、サブパッチ「UK_stone」・「UK_fence」・「UK_turtle」内でそれぞれ重複してタイミング生成していたり、各サブパッチ内で対象外のキーを押した場合の処理などに抜けがありました。大規模に改訂したものを「1924024_2_rev.maxpat」と作ってみましたので、よく両者を比較してみて下さい
- 王 さん ★
- 音感トレーニングゲームのMaxパッチを作成しました。スタートページでマウスをクリックして、難易度を選択することができます。音名とサウンドのヒントによって、キーボードの鍵をクリックします。
- 提出パッチ : 2042001_2_org.maxpat
- (長嶋) これは良く出来ています。見やすく整理した改訂版を「2042001_2_rev.maxpat」と作ってみましたが、実質的にはプログラムの中身はほぼそのままです。スクリーンのウインドウ内にメッセージを置いて、それをクリックした出力を「そこが押された」というボタンとして活用する、というテクニックは色々に応用がありそうなので、要チェックです
- 青木 さん ★
- 私は、じゃんけんゲームを作りました。しかしただじゃんけんをするのではなく、「勝ってね」「負けてね」「あいこにしてね」というランダムな3種類の指示に従って、じゃんけんの手を出すという仕様のゲームにしました。スペースキーでゲームをスタートし、左キーでグー、上キーでチョキ、右キーでパーを出します。
- 提出パッチ : 1924002_2_org.maxpat
- (長嶋) じゃんけんに先立って「勝ってね」「負けてね」「あいこにしてね」というのは面白いですね。画像読み込みのサブパッチの無駄を取り、オリジナルでは何度でも繰り返し「後出し」できてしまうのを禁止してみた、という改訂版を「1924002_2_rev.maxpat」のように作ってみましたので、よく両者を比較してみて下さい
- 小山内 さん ★
- 文字に惑わされずに文字の色に対応する矢印キーを押してください。自分でやってみて案外難しかったため画面の移り変わりスピードを少し遅めに設定してあります。「delay 2000」となっているところの数字を小さくすると難易度が上がります。
- 提出パッチ : 1924027_2_org.maxpat
- (長嶋) これは有名な「錯覚」で、人間はどうしても「文字の色」でなくて「言葉の意味」で反応してしまうというゲームです。全体として良く出来ていますが、一部に無駄がある部分を省いてスッキリさせた改訂版を「1924027_2_rev.maxpat」と作ってみましたので、よく両者を比較してみて下さい
- 橋本 さん ★
- スペースキーを押してスロットを回して俳句をつくるゲームです。五・七・五の組み合わせ次第で面白い俳句をつくることができます。元となった俳句が揃うと演出があります。
- 提出パッチ : 1924087_2_org.maxpat
- (長嶋) 過去の先輩作品にスロットの名作があるのですが、よく理解して「俳句」という面白い展開に発展したと思います。できれば俳句の候補数を3つでなく4つか5つにするとさらに良かったかも。ごく軽いバグ(不要な部分の消し忘れでエラーが出る)を直して、あとは基本的には手を加えずに見やすく整理した改訂版を「1924087_2_rev.maxpat」と作ってみましたので、よく両者を比較してみて下さい
- 田中 さん ★
- 自分の音感を頼りにおばけを退治する音当てゲームです。キーボードで同じ音を鳴らすとおばけが逃げていきます。音をよく聴く必要があるゲームですがBGMがなにも無いと簡単すぎると感じ、ウッドブロック2つだけのシンプルなBGMにしました。
- 提出パッチ : 1924064_2_org.maxpat
- (長嶋) 良くまとまっている音感トレーニングゲームです。音感ゲームなのでピッチ感のあるBGMは邪魔になるのですが、ウッドブロック2つという構成は成功しています(^_^)。基本的には何も変えずにちょっとシンプルにした改訂版を「1924064_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 法月 さん ★
- 枝豆をつぶして、何が出てくるかを楽しむおみくじ的アニメーションです。初めは勝手にアニメーションがスタートするのでスペースキーを押してストップさせてください。
- 提出パッチ : 1924086_2_org.maxpat
- (長嶋) 良く出来ています。サウンドはパーカッションだけでも十分に面白いというサンプルになっています。ごく一部に無駄があったのを直して整理した改訂版を「1924086_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 元村 さん ★
- 飛んで来る蝶を捕まえるというゲームを作成しました。蝶が真ん中に来たら白と黄色それぞれ“1”、“2”キーを押して捕まえます。スタート画面を付けることでゲームらしさが出るように目指しました。また、音楽は雰囲気に合ったものになるように心がけて作りました。
- 提出パッチ : 1924114_2_org.maxpat
- (長嶋) drunkを使って蝶を生き生きと動かしたい・・・という質問を受けたので応援しましたが、全体としてよくまとまったと思います。一部の無駄を消してちょっとだけ改訂したのが「1924114_2_rev.maxpat」ですが、このパッチのあちこちはMaxプログラミングの有効な参考例となっていますのでよく追いかけてみましょう
- 伊藤 さん ★
- 寝起きの女の子の顔を作るゲームを作りました。髪・目・口・アクセサリーをQ・W・E・Rで変えられて、スペースキーで保存できるようにしました。
- 提出パッチ : 1924015_2_org.maxpat
- (長嶋) これは「絵心」系で良く出来ていますね。1点、サウンドで「MIDI規格外」のピッチ指定があったので、これを規定内としつつ他も整理して改訂版を「1924015_2_rev.maxpat」と作ってみました。いろいろな顔を楽しんでいると、どうも最初の「寝起き」の顔がいい味なので、ついオマケに[escキー]を付けてしまいましたが、原作に無い仕様ですので、[deleteキー]も含めて決して押さないで下さい(^_^;)
- 水島 さん ★
- この作品は女の子が夜走っているアニメーションが流れていますが、あなたが花火を打ち上げてくれることでこの作品は完成します。スペースキーを押すと背後に花火が打ち上がるので、音楽に合わせて打ち上げてください!
- 提出パッチ : 1924108_2_org.maxpat
- (長嶋) 夏らしいアニメーションになりました。質問を受けてちょっと応援したのですが、音楽やアニメーションと同期しないタイミングで押されるスペースキーの花火アニメーションを、全体として矛盾なく実装するための良いサンプルとなっていて、音楽のタイミングよりもずっと早い花火アニメーションのためのタイミングで回っています。サブパッチ無しの解析用として「1924108_2_rev.maxpat」と整理しましたので、よく追いかけてみましょう
- 今井 さん ★
- 先輩方の作品を参考に、ゆるい感じのイラストでお団子を完成させるゲームを作ってみました。簡単なので暇つぶしにスロット感覚で打てればいいなと思いました。
- 提出パッチ : 1924018_2_org.maxpat
- (長嶋) シンプルによくまとまっています。難易度もまずまず適切ですね。ちょっとした無駄を省いて整理した改訂版を「1924018_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 松本 さん ★
- この作品では占いができて、占いたい運勢に対応するキーを押すと占いが始まります。占いの結果が出た後にキーを押すとまた占いができます。また、占いの結果によって占い師の絵を少し変化させています。
- 提出パッチ : 1924107_2_org.maxpat
- (長嶋) 占いの冒頭のシーンが結果に実は結果に繋がっている・・・とようやく分かりました。このパッチでは全てのタイミングが同じなのでとりあえず問題はないのですが、counterをアニメーションに使う場合には必ず最初から描画するために初期値を設定する方が無難です。その「set 0」を加えて無駄を省いた改訂版を「1924107_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 會田 さん ★
- 後出しあっち向いてホイです。顔を少しわかりづらく描いたので惑わされます。
- 提出パッチ : 1924001_2_org.maxpat
- (長嶋) スペースをちょっと連打すると分かりますが、「metro 500」の制御の部分に問題があります。無駄を省いてちゃんと動くように改訂版を「1924001_2_rev.maxpat」と作ってみましたが、それほど惑わされない気がします(^_^;)
- 松場 さん ★
- 「下駄占い」ができるMAXパッチを製作しました。トグルを押すとアニメーションがスタート・ストップします。
- 提出パッチ : 1924106_2_org.maxpat
- (長嶋) トグルを入れるとずっと勝手に繰り返してしまって占いっぽくないので、トグルをやめて、スタート/ストップをスペースキーとした改訂版を「1924106_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 許 さん ★
- (まず、何かを間違って画面が見えない状況です。申し訳ございません。上手く作動できない状況で送ります。) 今回のmaxパッチは他の人ではなく、自分のために作ったものです。maxパッチ自体が完成したイメージではなく、 maxパッチからアイディアの素材になってそれから油絵を書くためにこのパッチを作るようになりました。最初に狙ったことは、「線の太さによる空間感を感じさせるイメージを自動に作って保存すること」でしたが、自動に保存することがなかなか難しくて1を押すとstop/start、Enterを押すと保存、Spaceを押すと画面の全てをなくすことに変わりました。
- 提出パッチ : 1924098_2_org.maxpat
- (長嶋) 何も表示されないというのは、「color $1」に与えるカラーの値が初期値のゼロのままだけなので、ここにもrandomを入れることで簡単に復活します。タイミングの異なる3つの系列ごとに「色」・「太さ」・「座標」をランダムに選びつつ、それらが「lineto」で次々に連結されていくというのは面白いと思います。おそらくこんな風にしたいのかな?・・・という改訂版を「1924098_2_rev.maxpat」と作ってみました
- 清水 さん ★
- 音楽に合わせて、爆弾を打つという、いわゆる簡単なリズムゲームです。音楽に合わせて、スコープのところで爆弾を打つゲームです。テンポどおり叩ければひよこがご機嫌になり、ずれると怒ります。
- 提出パッチ : 1924052_2_org.maxpat
- (長嶋) なかなか頑張って作ったと思うのですが、Maxコンソールを開いた状態で呼び出すと2つほど「そんな画像が無い」というエラーが出るし、巨大なパッチ内にどこにも繋がっていないオブジェクトとか「- 0」という意味のないオブジェクトがあったり、だいぶ混乱しているようです(^_^;)。ヒットした時と外した時のリアクションが「顔」だけ一瞬、ということで分かりにくいのもちょっと残念ですが、その部分に別途のアニメーションを仕込むというのはかなり高度なプログラミングとなります。いずれ時間があれば改訂版を作るかもしれませんが、ここではとりあえずオリジナルだけ紹介しておきます
- 小澤 さん ★
- 先輩のパッチを使わせていただき、お化け屋敷風のゲームにしました。倒れるときのお化けの見た目と声のギャップで面白くできたと思います。
- 提出パッチ : 1924028_2_org.maxpat
- (長嶋) なかなか上手く出来ていると思います。お化け屋敷のテイストとシューティングゲームの融合がいい感じで楽しめました。全体を整理して改訂版を「1924028_2_rev.maxpat」と作ってみましたので、よく調べてみて下さい
- 淺岡 さん ★
- 提出パッチ : 1924003_2_org.maxpat
- (長嶋) 何も説明がなくzipだけが送られてきましたが(^_^;)、3つの小節ごとにスペースキーを押すことで結果として3×5×5=75種類の音楽から選べる・・・というもののようです。たくさんの音楽作りに挑戦した姿勢は凄いのですが、MIDIチャンネルの指定が16まででなく規定外で、75個のサブパッチについて試してみると、音が鳴らない(ver14, ver21, ver22, ver35, ver37, ver38, ver40, ver44, ver46, ver47, ver66, ver67)、コピペしたまま(ver50以降いくつか)、作られていない(ver18)、というように未完成のようなので、ここではとりあえずオリジナルだけ紹介しておきます
- 淺岡 さん 改訂版 ★
- 質問に答えていただいてありがとうございました。自分の最終課題のパッチをもう一度見直して、パッチの中でMIDIチャンネルが16を超えているところやそもそも設定できていなかったパッチ(p ver18)、その他にも無駄なパッチなどを整理し直しました。グラフィックにも少し変更を加えました。確認をお願いします。
- パッチの説明:イラストを止めるタイミングによって流れるメロディーが75パターンの中から選ばれる。
- 提出パッチ : 1924003_3_org.maxpat
- (長嶋) 問題点を理解して、根性で全部を作り上げたのは立派です。仕組みは変えないで(実は作業中に1本、余計なラインが繋がっていたことを発見しましたが(^_^;))、サブパッチと「send」「receive」でスッキリ整理してみた改訂版を「1924003_3_rev.maxpat」と作ってみましたので、よく比較してみて下さい。75種類のサウンドを選択するという部分はif文を重ねないでもっと画期的にスッキリ出来る方法があります。これを「music_selector_2」のサブパッチに仕込んだ改訂版を「1924003_3_rev2.maxpat」と作ってみましたので、調べてみましょう。ちなみに、もっとスッキリする方法もあるということで、時間がかかりましたが改訂版を「1924003_3_rev3.maxpat」と作ってみました(^_^)
- 富田 さん ★
- ゲームの概要:『陰陽師ちゃれんじ』 帝の娘を妖怪から守り、大内裏に送り届けよう! (キーボードの矢印キーで移動できます)
- 提出パッチ : 1824068_2_org.maxpat
- (長嶋) 「絵心」系で世界観が出ているのはさすがです。質問を受けて全体の構成を手伝ったのですが、その後に加わった部分にバグがあり(^_^;)、スペースキー連打で凄いことになっていたので、改訂版を「1824068_2_rev.maxpat」と作ってみました。全体としては十分に楽しめること、サウンドファイルを使わずにMIDI音源だけで効果的な音響を作っているところも含めて、いろいろ参考になると思います
最終レポート(と、それに対する長嶋のコメント)
- 法月さんの枝豆のおみくじと、富田さんの陰陽師チャレンジが、私にとって特に面白いと思った作品です。枝豆のおみくじは、シンプルなゲーム内容ですが、パターンがいくつもあって楽しかったです。絵も作り込まれていて、枝豆を押すと言うアニメーションがとても気持ちの良い作品でした。陰陽師チャレンジは、帝までの道のりを邪魔してくる妖怪の動きが妖怪らしくて、さらに絵も素敵で世界観が出ていました。今まで同じ授業を受けていた仲間であるみなさんの作品を見て、この発想は面白い、サウンドがとても作り込まれている、といったそれぞれの特徴が人によって違くて面白かったです。皆さんの作品に個性が溢れていて、見ていて楽しかったです。
→ 音楽やサウンドの部分についてはセンスや得意不得意の要素も大きいですが、ここで挙げてくれた2人はいずれもサウンドデザインのセンスがあると思います。今後さらに磨いてほしいです(^_^)- 皆さんの最終課題をプレイしました。ビジュアルが加わり、どれも個性があって自分でもmaxで作品を作った後に見たためアイデアやパッチの作り方により感銘を受けました。その中でも私は特に元村さんの蝶々を捕まえるゲームのパッチがよくできていると思いました。Drunkをうまく活用していることと、蝶の羽ばたく画像を細かく交互に表示させていることで、リアルな蝶の動きが表現できているなと感じました。モンシロチョウとモンキチョウ二匹が別々に画面を通り過ぎていき、それぞれ捕まえるキーが違うというのも面白い発想だと思います。音楽もピアノで演奏された和むイメージがパッチとあっていて、学んできたmaxの音楽を作成する機能とアニメーションの知識がそれぞれ生きている作品だと感じました。
→ この前期までのMaxの要素について、うまく組み合わされて成功した作品ですね。これが後期になればリアルタイム動画像や3D-CGまで扱えるようになり、さらにセンサ等により現実世界とインタラクションするようにMaxが発展します- 皆さんの最終課題と先生のコメントを拝見しました。制作者の思想が作品に凝縮されていて、それぞれ独特の風格をもっていて、とっても面白いと思います。遠隔授業という中であっても、先生のコメントや作品の改正版からたくさんの知識を教えてもらい、大変勉強になりました。淺岡さんの作品は素晴らしいと思います。75個の自動演奏サブパッチを作るのは凄い、全てのメロディーが面白いと思います。プレイの過程中で、淺岡さんの執念を感じました。夏休み中に引き続き勉強して、もっと作品を制作したいです。
→ 淺岡さんの改訂版については、さらにシンプル化したものを追加したので調べてみて下さい。この作品では「75曲のショートループ音楽の作曲」というのが凄いですが、ここで思い出したのは、 「SUACインスタレーション(2)」 のページにある、河原崎クンの卒制「Beat Box」です。こちらは「384曲のショートループ音楽の作曲」です。 デモ演奏の様子のYouTube とか、プレゼンのPDFとか、 メイキングの写真 なども見て下さい。 SUACの軽音と吹奏楽部の両方でベースを弾いていた河原崎クンはまず、夏休みじゅうかかって、6つのパートごとに8×8=64曲、合計384曲のショートループ音楽パートを作曲しました。そして、各パートごとに64個のスイッチを配置した金属板で立方体(その内部には僕が作った「スイッチ→Max」システムを内蔵)を構成する金属造形を溶接して完成しました。その下の木製の台の中に、彼のオリジナルMaxパッチが走るMacBookが入っているので、ビデオデモのように4人が乗っかっても壊れない強靭な木工加工をしました。 全てのスイッチによるループ演奏は、敢えて「それぞれ押したら音楽が始まる」ようにしてあるので、リズム感の乏しい人が演奏するとメタメタになります(^_^;)。 この作品は卒業制作の最終発表会の時点では完全に完成していなかったので「学部長奨励賞」(3学科のトップ3人ずつ)を逃しましたが、卒展までの期間に根性で制作を続けて、YouTube動画のように実際に完成させました。音楽デザイン、Maxプログラミング、電子工作(僕が作った基板から384個のスイッチへの配線ハンダ付けは彼自身が作業)、金属造形、木工造形、という総合力の力作です(^_^)- 全員分の最終課題を拝見しました。私は特に富田さんと小山内さんの作品が好きです。富田さんのゲームでは、イラストやサウンドで細かく作りこまれた世界観に引き込まれてしまいました。愛らしいタッチの人間と対照的にdrunkで動く妖怪は不気味で、和風なサウンドと相まって異様な雰囲気が出ています。また、サウンドがすべてMIDI音源で作られているのには驚きました。小山内さんのゲームは簡単そうに見えましたが実際にプレイしてみると思いのほか難しく、気付くとのめりこんでいました。人間の錯覚をうまく取り入れた、シンプルながら熱中してしまうゲームだと思います。どの作品も今まで授業で学んだことが生かされており各々の個性が光るものばかりで、楽しみながら見ることができました。
→ 最近(というかここ30年ほど)のゲームというのは、コンピュータ技術の進展のためにとんでもなく複雑で難解なものとなってしまいましたが、「ゲーム」そのものを調べてみると、原始時代から人間にとって本質的な行動であることに驚かされます。その意味で、Maxという新しい道具を使って、シンプルでも人間を引き込むゲームが簡単に作れる、ということから、新しいデザインのアイデアが生まれる機会にもなっていると思います。ゲームをデザインするというのはソフトウェアのプログラミングではなくて、実は「人間って何だろう」と見つめることなのです- 全員分の課題作品を見させていただきました。伊藤さんや松本さん、浅岡さんの作品は沢山の画像やサブパッチが使われていて作品に対する熱意と大変さが伝わってきましたし、法月さんの枝豆も個性的なイラストで見ていてとても楽しかったです。また青木さんの作品も脳トレのようで発想が面白いと感じました。ほかにもそれぞれの個性とこだわりを感じられる作品ばかりで大変勉強になりました。自分の作品だけで完結するのではなく他の作品のプレイ画面と、制作者と同じ視点(パッチや画像の細々した作品の構造的な部分)の両方を見られることでより理解を深め自分の発想に繋げていけるところがMaxの強みなのだと実感しています。例年とは違う形での講義となりましたが、全12週にわたり非常に内容の濃い講義をありがとうございました。
→ C言語など普通のプログラミング環境であれば、人間が読み取れる(打ち込む)プログラミング言語による「ソース(元)プログラム」があって、次にそれをコンピュータが実行できる「バイナリ(機械語)プログラム」に変換するための「コンパイル」というプロセスがあります。ところがMaxでは「箱と箱を線で繋ぐ」というグラフィカル・プログラミング環境であること、さらに「コンパイル」という中断作業がなくて(実際には「編集モード」から「実行モード」に切り替えた瞬間に裏でやっているのですが(^_^;))、そのままソースを走らせるという「インタプリタ(逐次解釈実行)言語」のように見えることで、ユーザ(人間)にとって親しみやすいというのが最大の特長です。過去の「サウンドデザイン」の講義ページに比べて今年はHTMLソースのサイズで言えば10倍以上になっていますので、遠隔でしたが十分に「濃い」ものとなりました- 2週間という限られた時間の中でみなさん、力作を作られたなという印象です。本当にお疲れさまでした。普通のスロットでは絵柄を揃えることが楽しさになりますが、スロットで俳句を作る橋本さんの作品では、正しく3つが揃わなくても文章的におもしろい組み合わせが生まれることにも楽しさがあり、良い発想のゲームだと感じました。松場さんの作品は、絵の雰囲気がとても好きでBGMとも合っていますし、アニメーションの視点の誘導の持っていき方が上手で、短時間で人の心を掴める作品だと感じました。水島さんの作品は、ついつい音楽に合わせて花火を打ち上げまくってしまいました。それほど、音楽が魅力的でしたし、作品全体の雰囲気がノスタルジックで心に残る作品でした。自分以外の人が作った作品を見ることで、感性に刺激を受けましたし、みなさんの努力が伝わってきて制作物へ今よりもっと本気で向き合っていかねばならないと感じさせられました。
→ 過去の先輩の課題作品の一部を提供することで、だいぶ課題制作は楽になるのですが、例年だと「画像を差し替えただけ」というような安易なものも散見していたのですが、今年は皆んなそれぞれ、よく頑張りました。それぞれの「持ち味」・「持ち技」が違うので、いい刺激になったと思います(^_^)- 淺岡さん作品を先生が改良したパッチ「1924003_3_rev3.maxpat」を拝見しました。オブジェクト「send」「receive」とそれぞれの自動演奏サブパッチの冒頭に「select」を使うことで、たくさんの接続部分を簡素化しました。複雑なパッチにとって、これはとても巧妙な方法だと思い、大いに啓発されました。先生のコメントと河原崎徹先輩の作品も拝見しました。インタラクティブ演奏作品「Beat Box」は素晴らしいと思います。Maxパッチが走るMacBookが入っていた木製の台によって作品全体が完璧なインタラクティブ装置になりました。384曲のショートループ音楽パートと電子工作部分のデザインは凄いです。優秀な先輩の業績に刺激され、学んだ知識を活用して、オリジナリティーに富んだ作品を作っていきたいです。
→ あの「1924003_3_rev3.maxpat」は、厖大なif文を3桁の数値からエンコードして長ーいselectにしていたものを、各サブパッチの内部で単純に比較(select)する、というものですが、実際に改訂するには何時間もかかりました。ちょうど将棋の王位戦をやっていて、それを眺めつつ「ながら作業」によって午後じゅうかかって改訂したものです(^_^;)- どの作品も力作ぞろいで大変楽しませていただきました。浦野さんや富田さんの作品が絵や音楽でかなり世界観がきちんと作られていて、つい成功パターンや失敗パターンを何度も試行してしまいました。特に純粋にゲーム性で楽しめたのは、田中さんや王さんの音感トレーニングゲームです。お二方ともゲーム内容は同じなのですが、グラフィックや答えの形式(一方は鍵盤、もう一方は数字)が違っていてどちらも楽しませていただきました。今回の授業は遠隔でしたが、毎週みなさんのコメントや課題を見ることができたため、他の方の熱意や努力に触発され、通常授業よりも頑張ることができたと思います。個人的に今回の作品は反省点が多くなってしまったので、夏休み中にもっと勉強して次につなげていきたいと思いました。12週間ご教授いただきありがとうございました。
→ あなたの作品もとても意欲的な挑戦だったので、おそらくあと1年ぐらいするとサッと凄いのを作れるように成長していると思います(^_^)- みなさんの作品はどれも面白い物ばかりで実際触ってみるととても楽しかったです。個人的に音感を必要とするゲームが得意では無いため、青木さんや小山内さんの作っているもののような思考が必要になるゲームが面白いと感じました。小山内さんの作品は説明文にもある通りタイミングにゆとりがあるのですが、その難易度がちょうど良くてずっとやっていられるなと思いました。あとは伊藤さんの作品や富田さんの作品もとてもキュートでつい何度もやってしまいました。自分の作ったパッチと先生が改良したパッチを見比べるのもそうですが、自分が今回使用しなかったコマンド(drunkなど)を使っている人のパッチを眺めてみると実際作品に使うときはこうなるのか!と新たな発見が有り学びに繋がったと思います。
→ Maxのいいところは(最初に世界に登場した30年前からずっとそうですが)、お互いのMaxパッチを閉じた非公開状態にしないで、後から誰でも(しばらく経過して忘れた自分自身を含めて)内容を解析解読して改良したり、良いところをコピペして活用できるという、オープンソース文化(皆んなで共有して皆んなでHappyになろう!)そのものであるところです- どの作品も力作ぞろいで、単純にすごいなと思いました。今年は遠隔で周りの様子が見れないので正直みんながここまでできる力を持っていると思わず冷や汗をかきました。私が気に入った作品は、まず青木さんと小山内さんのゲームです。答えはわかってるのに反射的にじゃんけんで勝ってしまったり、文字通りの色を答えてしまったりというもどかしさが面白くて何度でもできるゲームだと思いました。次に伊藤さんの作品は女の子がすごく可愛くて、パーツのバリエーションもいろいろなので何通りも試したくなるものでした。そして松本さんの作品は、占いの結果が出るまでのアニメーションも作られているのがすごくいいと思いました。絵も可愛らしく、結果が出るまでのワクワク感が高まって面白いと思いました。
→ 遠隔というのはデメリットばかり言われていますが、例年の「サウンドデザイン」だと、マルチメディア室で一緒にやっていて、何かつまづいた時には長嶋とか実習指導員にスグ聞けるというメリットはあるものの、周囲の「出来ている人」に教えてもらったりコピペしたり・・・ということで、最後になってみるとMaxプログラミングの実力が本当には身に付いていない! という事実に愕然とする学生が何人もいました。ところが自分が頼りの遠隔では、ご覧のように皆んながちゃんと成長した、というのは新たな発見でした。ただし僕としては、例年の3倍は仕事することになった、という疲労感も半端ないので、来年はまた通常に戻って欲しいと希望しています- 全員分の作品を拝見しました。私は特に今井さんと松本さんの作品が好きです。今井さんの作品はとにかく絵が可愛くて、1回目で団子は完成できたのですが、上手くできなかった時の絵も見たくてわざと失敗したりしました。団子の緩い感じと春っぽい色合いが合っていて良いなと思いました。松本さんの占いはどんな結果が出ても結果の下に書いてある説明が面白くて全パターン見るまで地道にやり続けました。最悪が出た時のコメントの辛辣さが好きです。どの作品も個性があって、同じ機能を勉強してもこんなに違うんだなと思いました。BGMがしっかりできていたり面白い発想のゲームがあったりして、ファイルやパッチを見てみると、複雑だったりたくさんの画像が入っていたりしてそれぞれの作品に込める熱意が伝わってきました。
→ 今回の遠隔では、学期末とはいっても課題に打ち込む時間がある程度確保できたのか、僕もその「熱意」をとても感じました。デザインというのはなんといっても「熱意」で始まり「熱意」で継続されて「熱意」で完了する世界ですから、この異常時というのも滅多にない体験なので、皆さんが打ち込んだ「熱意」というのを、のちのちも忘れないで欲しいと思います- 全員分の作品を見させてもらいました。特に淺岡さんの作品は種類の多さや発想に感嘆し何回もゲームをやりました。また、水島さんの作品はサウンドとアニメーションで、主人公の物語を考えさせられるようでした。花火もサウンドに合わせて出せたりして、自分もその物語に参加している感じがします。今回のゲームの作品は、Maxで製作したサウンドやアニメーションでそれぞれの創り出したい世界観を表現できるのだと改めて発見しました。
→ スタートボタンを押したら後はただじっと観るしかない「映像作品」に比べて、ゲームのようなインタラクティブ作品では自分のコントロールで局面が変化する・・・と言いますが、シューティングゲームの場合には、正解になる場所は決まっていて、そこでシュートすれば正解、そこを外すと不正解になるので、やっぱり状況の展開はあらかじめ仕組まれたプログラムの通りになってしまいます。これに対して、「正解」・「不正解」を求めるのでなく、自分の好きなタイミングでアクションを起こした時に起きる状況を楽しむ、というタイプのゲームが水島さん作品だったわけです。これは「勝ち負け」とか「点数を比較」という物差しとは別の、「緩い楽しみ」・「癒し」系のゲームということで、この世界を追求するのも重要だと思います- おみくじ系や絵を揃えるタイプのゲーム、音に注目したゲームや脳トレのような頭を使うゲーム、そしてビジュアル重視で絵に力が込められている作品など、どれも個性が光っていてとても面白かったです。浅岡さんの作品は作り込まれていて、凝って作られているサウンドやサブパッチ、たくさんの画像などを見て、すごく努力して作った作品だということが伝わってきました。どの作品も面白かったのですが、個人的には法月さんの枝豆の作品がすごく好きで、枝豆のイラストが魅力的で何度も遊んでしまいました。サウンドデザインの授業の中で、一緒に授業を受けたみなさんの作品や過去の先輩の作品など、いろいろなものを見てすごく刺激を受け、楽しませていただきました。講義はこれで終わりですが、ここで学んだことを今後の制作活動でもこの経験を活かしていきたいと感じた授業でした。
→ 本当は後期の僕の「メディア数理造形演習」の受講に進んで、インタラクティブな作品の制作に進んでくれる学生が何人も出てくれると嬉しいのですが、まぁ毎年それほど多くない「少数精鋭」になっているので、うっすらとだけ期待しています。それよりも、この課題で皆さんが発揮してくれたそれぞれの持ち味を、自分がやりたい方向のデザインでばんばん生かしてくれれば僕としても本望です- 最終課題を拝見しました。人それぞれに作品の特色が違うのですが、そこにその人の得意な分野が現れていることが面白く、作品で遊ぶことでその人についても少し知ることができるような感覚を味わいました。淺岡さんの作品は、圧巻という印象を受けました。気づいたら何度もキーを押して様々な音色を楽しんでいたので、プログラミングの緻密さだけでなく、没頭できるというゲームに問われる魅力が入っている素晴らしい作品だと思いました。橋本さんの作品は、失敗も楽しめるという要素が魅力だと思いました。ミスしたからすぐにもう一回、ではなくミスもくすりと笑えて楽しめるのはとても良い点だと感じます。現代のゲームは複雑ですが、今回の課題でシンプルでも十分にゲームは楽しめるということもよくわかりました。
→ なるほど、「失敗も楽しめる」というゲーム要素の視点は面白いですね。小説や映画でも、強いもの/正しいものが勝つ、という勧善懲悪というのはあまりに予定調和で面白くなく、クセのある脇役とか憎めない敵役が世界観の厚みを増します。その意味では、今回の課題のようにシンプルなゲームであっても、失敗した時の演出を徹底的に凝ってみて、むしろ色々な失敗パターンを全部見たくなるのでわざと失敗を続ける・・・というように誘導する作戦も面白かったかもしれませんね。どうぞ、「ドM体質」の皆さんは、そういう「敗者のデザイン」を追求してみて下さい- 皆さんのゲームを体験してみて、繰り返し遊びたくなる魅力的な作品がたくさんありました。青木さんのじゃんけんや小山内さんの色のゲームは、頭の体操になりましたし、ついつい何度も挑戦してしまい面白かったです。特に驚いたのが、淺岡さんの75個のMIDI音源です。制作の熱意や、それぞれの音楽の完成度がすごいと思いました。そして水島さんの花火のアニメーションも素敵で、色などが変化するバージョンなども見たくなりました。また、王さんの音感トレーニングではマウスクリックで直感的に操作できるところや、鍵盤だけでなくてかわいいキャラクターの動きと一緒に楽しめるところがとてもいいなと思います。音楽教室で子供たちに見せても、楽しんで遊んでくれそうです。
→ 僕は基本的に「ゲームをしない」人間なので(他人の作ったレールから外れないゲームをするよりも、何もないところからインタラクティブなシステムを作るという活動そのものの方がずっと面白い)、色々なゲームに日々、入れ込むSUACデザイン学生には付いていけないところがあるのですが(^_^;)、「繰り返し遊びたくなる」というのは重要な要素ですね。一度やったぐらいで見捨てられるゲームについては、何故なのかを追及してみるのも意義あることかもしれません- みんなの作品を見て、みんな同じ授業を受けて同じスキルを習ってるけど作品にそれぞれ個性が出てて見ていてすごく楽しませてもらいました。特に王さんの音感トレーニングゲームは面白かったです。鍵盤で遊ぶゲームは他にはなかったので、鍵盤って視覚的にもなんだか可愛いし、自分の実力試しにいいゲームだなと感じました。また小山内さんの錯覚を利用したゲームが意外に難しくて苦戦しました。反射的に文字に思わず反応してしまって「あっ!」ってなり楽しめました。遠隔授業で大変でしたが、素敵な作品がたくさん生み出されMaxでできることの幅広さを感じました。また機会があれば今回習ったことを自分の作品に活かしていきたいです。
→ 締め切り後でもレポートを出してくれれば歓迎です。後期にはまたお互いに元気な顔を見たいですね(^_^)関連資料・リンク