バイオフィードバック療法セミナー

長嶋 洋一 (SUAC/ASL)

 


テーマ

  • バイオフィードバック療法の根本 : 人間の「こころ」の力 → 「ウェルネス・エンタテインメント」

  • 生体情報センシングとメディアアートのコラボレーション

  • オープンソース文化 : オリジナル/カスタマイズされたBFツールを創ることが出来る時代

自己紹介

メディアアートの基本とその可能性

Maxとは

  • 「プロクラミング環境」 - アブリケーションを何でも作れる(ワープロでもブラウザでも)
  • メディアアート、インタラクティブアートのプラットフォームとして世界的に注目され続けている
  • Maxの歴史は(1990年から)とても長い - 詳細省略

         

  • Maxの入手方法 - Cycling'74社からダウンロード
  • 最新の「Max7」と一つ前の「Max6」との関係について - パッチは互換

Maxの簡単な紹介デモ

  • 「サウンドデザイン」講義初日の提示教材
  • ↑Maxに触れて3ヶ月の学生課題作品(2回生)の例 - センサ等を学ぶ前の段階でもこんな事が出来る
  • オープンキャンパスで来場者に体験してもらった「自撮りマシン」の例(2日で制作) YouTube(1) YouTube(2)

Maxを用いたメディアアートの事例

  • メディアアートとは - 映像/CG/アニメ/ビデオ等も含まれる (ここでは対象外)
  • インタラクティブアートとは - 対話的(インタラクション) - センサとアルゴリズム(プログラム)がリアルタイムに稼働する
  • インスタレーション作品
  • パフォーマンス作品
  • ゲーム/アプリ/Web、科学館の体験展示、テーマパーク、・・・
  • 関連の長嶋ワークショップ資料
  • 「スケッチング」の事例紹介 - ジャミーズ娘+


スケッチングを活用したメディアアート学生作品の実例

Max関連資料

  • Max6日記
    • Part 1 2014年2月13日〜2014年6月1日
    • Part 2 2014年6月8日〜2014年7月19日
    • Part 3 2014年7月21日〜2014年8月30日
    • Part 4 2014年8月31日〜2014年9月22日

  • Max7日記
    • Part 1 2016年6月1日〜2016年7月16日
    • Part 2 2016年7月21日〜2016年9月7日
    • Part 3 2016年9月8日〜2016年9月27日
    • Part 4 2016年9月28日〜2016年11月30日
    • Part 5 2016年12月5日〜2017年2月17日
    • Part 6 2017年2月21日〜2017年4月20日

  • 続・Max7日記
    • Part 1 2017年8月1日〜2017年9月7日
    • Part 2 2017年9月8日〜2017年10月11日
    • Part 3 2017年10月12日〜2017年12月21日
    • Part 4 2017年12月22日〜2018年3月9日

  • その他プラットフォーム等の関連情報満載の「日記」シリーズ(随所にMaxも登場)

    • あらえっさっさ日記

    • Sabbatical2004

    • Propeller日記
      • Part 1 2008年2月9日〜2008年3月9日
      • Part 2 2008年3月10日〜2008年3月19日
      • Part 3 2008年3月20日〜2008年3月25日
      • Part 4 2008年3月26日〜2008年4月4日
      • Part 5 2008年4月5日〜2008年5月21日

    • Arduino日記

    • Processing日記
      • Part 1 2011年2月24日〜2011年3月5日
      • Part 2 2011年3月19日〜2011年4月5日
      • Part 3 2011年4月14日〜2011年5月26日
      • Part 4 2011年6月10日〜2011年8月14日
      • Part 5 2012年3月14日

    • SuperCollider日記
      • Part 1 2011年2月24日〜2011年3月5日
      • Part 2 2011年3月13日〜2011年3月24日
      • Part 3 2011年3月25日〜2011年3月31日
      • Part 4 2011年4月12日〜2011年6月7日
      • Part 5 2011年7月28日〜2011年8月5日
      • Part 6 2011年8月18日〜2011年9月6日
      • Part 7 2011年10月8日〜2012年3月6日

    • 続・Propeller日記
      • Part 1 2012年8月27日〜2012年8月30日
      • Part 2 2012年8月31日〜2012年9月12日
      • Part 3 2012年9月13日〜2012年9月25日
      • Part 4 2012年9月28日〜2012年11月16日
      • Part 5 2012年11月19日〜2012年12月13日

    • 続々・Propeller日記
      • Part 1 2012年12月21日〜2013年1月7日
      • Part 2 2013年1月8日〜2013年2月3日
      • Part 3 2013年2月4日〜2013年2月26日
      • Part 4 2014年4月16日

    • RaspberryPi日記
      • Part 1 2013年5月14日〜2013年6月12日
      • Part 2 2013年6月13日〜2013年7月9日
      • Part 3 2013年7月11日〜2013年8月9日

    • PureData日記

    • Max6日記 → (上記)

    • mbed日記
      • Part 1 2014年9月26日〜2014年10月27日
      • Part 2 2014年10月27日〜2014年11月16日
      • Part 3 2014年11月17日〜2014年12月23日

    • Myo日記
      • Myo日記 2015年2月15日〜2015年3月31日

    • Xcode日記
      • Part 1 2015年4月12日〜2015年5月19日
      • Part 2 2015年5月20日〜2015年6月13日
      • Part 3 2015年6月14日〜2015年7月27日

    • postGainer日記
      • Part 1 2015年9月20日〜2015年11月1日
      • Part 2 2015年11月2日〜2015年11月30日
      • Part 3 2015年12月1日〜2016年2月9日
      • Part 4 2016年02月10日〜2016年03月20日
      • Part 5 2016年03月21日〜2016年05月11日

    • Sabbatical2016

生体情報センシングとの実例とVPP-SUAC

筋電センシングと筋電パフォーマンス

市販の生体情報センシングシステム(カスタム改造)の事例紹介(DEMO)

触覚センサ「PAW」の活用とBFの可能性(DEMO)

  • ここに写真あり
  • PAWセンサ単独(1)
  • PAWセンサ単独(2)
  • 10個入り - 「MRTI2015」
  • 8個版 - 「PAW-eight」

最新オリジナル筋電センサ「VPP-SUAC」

「メディアアート」・「BFシステム」の事例紹介と検討

  • 「Arduinoのプログラミング」のデモ
  • 「mbedのプログラミング」のデモ
  • 「Propellerのプログラミング」のデモ
  • Gainerの使用事例 : 筋肉ムキムキGame
  • リニア振動バイブレータ
  • 導電ゴム・タッチ検出システム
  • 「leap motion」を使った認知症予防Game
  • フットスイッチを使った認知症予防Game
  • 「おせんべい屋さん」
  • 「はやくスシになりたい」
  • "Dazed & Confused"

ヒトの「より良い状態」とは(脳科学とBFウェルネスの可能性)

ウェルネスとウェルビーイング

  • ウェルネス(Wellness)あるいはウェルビーイング(Well-being)
  • 根元には人間のホメオスタシス(恒常性)本能に基づく
  • WHO"健康"(1948) - 「身体的/精神的/社会的に完全に良好な状態であり、単に病気/虚弱でないことではない」を拡張
  • 「個々人が前進/成長して、より高い機能を獲得する可能性に向かって向上する変化の状態」という概念(Halbert L. Dunn,1961)
  • 医学的な物理療法だけでなくストレス社会におけるメンタル領域を対象とした心理療法まで含めた概念
  • 広義の「エンタテインメント」(15世紀から続く単語"entertain"の語源の3つの意味「ゲストをもてなす」・「人々を楽しませる」・「心の中に何かを持つ」の3番目)に対応した意義(長嶋)

リハビリテーションとハビリテーション

  • リハビリテーション(rehabilitation)とは - 「能力低下の状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための手段、障害者が環境に適応するための訓練」(WHO 1981)
  • リハビリテーション(rehabilitation)とは - 「身体的/精神的/社会的に最も適した生活水準を達成することで、各人が自らの人生を変革していくことを目指す過程」(国連・障害者に関する世界行動計画 1982)
  • 一般にリハビリテーションは「獲得済みの機能が何らかの原因で失われたときに行われる」とされる
  • ハビリテーション(habilitation) - 「出生前後に罹患した病気や外傷によって起きる先天的な障害を持った者の、もともと獲得されていない機能の獲得」を支援する(Anthony L. Brooks,2013)

「内受容感覚」の可能性

  • 情動/感情/意識と関係した「内受容感覚」(Interoception)が注目されている
  • 視覚/聴覚/味覚/嗅覚/触覚などの外受容感覚(Exteroception)
  • 内臓/血管/内分泌系/横紋筋などの情報から脳が受容する内受容感覚(Interoception)
  • Antonio R. Damacioの提唱するソマティック・マーカー仮説と対応
  • 人間の感情や意思決定に大きく関係している(胸騒ぎやギャンブル等の鳥肌)
  • 身体の恒常性を維持するために無意識下で脳に送られる内受容感覚に従った脳内の状況予測マップが何らかの原因で予測から外れた場合に喚起されるのが情動
  • 生物進化論的には - 原初的には危機回避の感情(怒り/怖れ)と関係

バイオフィードバック

  • 狭義のリハビリテーション(運動療法/物理療法/心理療法など)で必須となる
  • 自覚/制御が難しい身体状況や生体情報をセンシングにより検出し、人間が感覚できる音/光/振動などのメディアに変換/提示して対象者(クライアント)に自覚させるフィードバック
  • その利用により対象者が自身の身体状況などを意識的あるいは無意識的に制御する(→これにより自分自身について深く気付く)、という概念までBF
  • (一例)脳波/筋電/心拍/皮膚電気抵抗(緊張)/体温/呼吸などの計測情報を対象者が知覚できるような情報として提示し、この情報をもとにリラックス状態など身体の状態を希望する方向へ導くトレーニングによって、実際にリハビリ療法を行ったりストレス解消のメンタルトレーニングを実現
  • 本研究では「BFというインタラクションが単なる機械的な[刺激-反応]に留まらず、メディアアートの支援によって、人間の意識/心理の領域でより深い可能性を持つ」ことを追求している