バイオフィードバック療法セミナー
長嶋 洋一 (SUAC/ASL)
テーマ
- バイオフィードバック療法の根本 : 人間の「こころ」の力 → 「ウェルネス・エンタテインメント」
- 生体情報センシングとメディアアートのコラボレーション
- オープンソース文化 : オリジナル/カスタマイズされたBFツールを創ることが出来る時代
自己紹介
- プロフィール
- 個人ドメイン (Art & Science Laboratory) - from 1991
- 研究室ページ (SUAC)
- 母親は看護婦・助産婦
- 技術士(情報工学・電気電子)として福祉工学に関心あり - リハビリテーション工学協会
- 照岡正樹氏と共同で筋電楽器を開発、Computer Music作曲/公演に活用 - CQ筋電特集
- メディア心理学実験システムを開発して被験者実験を行う ★ ★ ★ ★
- 著書
- 脳波や「気」についても関心あり - VPP - (with 照岡正樹 氏、中村文隆 氏)
- (甲南女子大学→)奈良学園大学の辻下先生と出会い、バイオフィードバックに注目 ★
- バイオフィードバックセミナー(神戸) 2015.10.12
- バイオフィードバックセミナー(名古屋) 2016.02.28
- バイオフィードバックセミナー(奈良) 2017.12.17
メディアアートの基本とその可能性
Maxとは
- 「プロクラミング環境」 - アブリケーションを何でも作れる(ワープロでもブラウザでも)
- メディアアート、インタラクティブアートのプラットフォームとして世界的に注目され続けている
- Maxの歴史は(1990年から)とても長い - 詳細省略 ★ ★ ★ ★ ★
- Maxの入手方法 - Cycling'74社からダウンロード
- 最新の「Max7」と一つ前の「Max6」との関係について - パッチは互換
Maxの簡単な紹介デモ
- 「サウンドデザイン」講義初日の提示教材
- ↑Maxに触れて3ヶ月の学生課題作品(2回生)の例 - センサ等を学ぶ前の段階でもこんな事が出来る
- オープンキャンパスで来場者に体験してもらった「自撮りマシン」の例(2日で制作) YouTube(1) YouTube(2)
Maxを用いたメディアアートの事例
- メディアアートとは - 映像/CG/アニメ/ビデオ等も含まれる (ここでは対象外)
- インタラクティブアートとは - 対話的(インタラクション) - センサとアルゴリズム(プログラム)がリアルタイムに稼働する
- インスタレーション作品 ★ ★ ★ ★
- パフォーマンス作品 ★
- ゲーム/アプリ/Web、科学館の体験展示、テーマパーク、・・・
- 関連の長嶋ワークショップ資料 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- 「スケッチング」の事例紹介 - ジャミーズ娘+
スケッチングを活用したメディアアート学生作品の実例Max関連資料
- Max6日記
- Max7日記
- 続・Max7日記
- その他プラットフォーム等の関連情報満載の「日記」シリーズ(随所にMaxも登場)
- あらえっさっさ日記
- 「あらえっさっさ」の日記 2002年8月1日〜2002年9月1日
- Sabbatical2004
- Sabbatical2004 2004年7月26日〜2004年9月21日
- Propeller日記
- Arduino日記
- Arduino日記 2008年5月30日〜2008年7月5日
- Processing日記
- SuperCollider日記
- 続・Propeller日記
- 続々・Propeller日記
- RaspberryPi日記
- PureData日記
- PureData日記 2013年8月24日〜2013年9月9日
- Max6日記 → (上記)
- mbed日記
- Myo日記
- Myo日記 2015年2月15日〜2015年3月31日
- Xcode日記
- postGainer日記
- Sabbatical2016
- Sabbatical2016 2016年8月27日〜2016年10月2日
生体情報センシングとの実例とVPP-SUAC
筋電センシングと筋電パフォーマンス
- 第1世代〜第5世代の筋電センサの詳細情報 (YouTube動画リンク有)
- ここにそれぞれの写真あり
- 初代 筋電センサ「MiniBioMuse-I」
- 2代目 筋電センサ「MiniBioMuse-II」
- 3代目 筋電センサ「MiniBioMuse-III」
- 4代目 筋電センサ「MegaChips」
- 5代目 筋電センサ「CQ_mbed_EMG」
- 6代目 → 「VPP-SUAC」(後述)
市販の生体情報センシングシステム(カスタム改造)の事例紹介(DEMO)
- ここに写真あり
- Myo
- ダブルMyo
- トリプルMyo
- Muse
- MuseOSC
- OpenBCI
- OpenBCI_2_Max
触覚センサ「PAW」の活用とBFの可能性(DEMO)
- ここに写真あり
- PAWセンサ単独(1)
- PAWセンサ単独(2)
- 10個入り - 「MRTI2015」
- 8個版 - 「PAW-eight」
最新オリジナル筋電センサ「VPP-SUAC」
「メディアアート」・「BFシステム」の事例紹介と検討
- 「Arduinoのプログラミング」のデモ
- 「mbedのプログラミング」のデモ
- 「Propellerのプログラミング」のデモ
- Gainerの使用事例 : 筋肉ムキムキGame
- リニア振動バイブレータ
- 導電ゴム・タッチ検出システム
- 「leap motion」を使った認知症予防Game
- フットスイッチを使った認知症予防Game
- 「おせんべい屋さん」
- 「はやくスシになりたい」
- "Dazed & Confused"
ヒトの「より良い状態」とは(脳科学とBFウェルネスの可能性)
ウェルネスとウェルビーイング
- ウェルネス(Wellness)あるいはウェルビーイング(Well-being)
- 根元には人間のホメオスタシス(恒常性)本能に基づく
- WHO"健康"(1948) - 「身体的/精神的/社会的に完全に良好な状態であり、単に病気/虚弱でないことではない」を拡張
- 「個々人が前進/成長して、より高い機能を獲得する可能性に向かって向上する変化の状態」という概念(Halbert L. Dunn,1961)
- 医学的な物理療法だけでなくストレス社会におけるメンタル領域を対象とした心理療法まで含めた概念
- 広義の「エンタテインメント」(15世紀から続く単語"entertain"の語源の3つの意味「ゲストをもてなす」・「人々を楽しませる」・「心の中に何かを持つ」の3番目)に対応した意義(長嶋)
リハビリテーションとハビリテーション
- リハビリテーション(rehabilitation)とは - 「能力低下の状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための手段、障害者が環境に適応するための訓練」(WHO 1981)
- リハビリテーション(rehabilitation)とは - 「身体的/精神的/社会的に最も適した生活水準を達成することで、各人が自らの人生を変革していくことを目指す過程」(国連・障害者に関する世界行動計画 1982)
- 一般にリハビリテーションは「獲得済みの機能が何らかの原因で失われたときに行われる」とされる
- ハビリテーション(habilitation) - 「出生前後に罹患した病気や外傷によって起きる先天的な障害を持った者の、もともと獲得されていない機能の獲得」を支援する(Anthony L. Brooks,2013)
「内受容感覚」の可能性
- 情動/感情/意識と関係した「内受容感覚」(Interoception)が注目されている
- 視覚/聴覚/味覚/嗅覚/触覚などの外受容感覚(Exteroception)
- 内臓/血管/内分泌系/横紋筋などの情報から脳が受容する内受容感覚(Interoception)
- Antonio R. Damacioの提唱するソマティック・マーカー仮説と対応
- 人間の感情や意思決定に大きく関係している(胸騒ぎやギャンブル等の鳥肌)
- 身体の恒常性を維持するために無意識下で脳に送られる内受容感覚に従った脳内の状況予測マップが何らかの原因で予測から外れた場合に喚起されるのが情動
- 生物進化論的には - 原初的には危機回避の感情(怒り/怖れ)と関係
バイオフィードバック
- 狭義のリハビリテーション(運動療法/物理療法/心理療法など)で必須となる
- 自覚/制御が難しい身体状況や生体情報をセンシングにより検出し、人間が感覚できる音/光/振動などのメディアに変換/提示して対象者(クライアント)に自覚させるフィードバック
- その利用により対象者が自身の身体状況などを意識的あるいは無意識的に制御する(→これにより自分自身について深く気付く)、という概念までBF
- (一例)脳波/筋電/心拍/皮膚電気抵抗(緊張)/体温/呼吸などの計測情報を対象者が知覚できるような情報として提示し、この情報をもとにリラックス状態など身体の状態を希望する方向へ導くトレーニングによって、実際にリハビリ療法を行ったりストレス解消のメンタルトレーニングを実現
- 本研究では「BFというインタラクションが単なる機械的な[刺激-反応]に留まらず、メディアアートの支援によって、人間の意識/心理の領域でより深い可能性を持つ」ことを追求している