その1
どうも用語がよくわからなくなってきたので、基本的な確認です。
> 人の体温程度なら,帯域は遠赤帯域(波長
> 数μm)になるようです。当然,人でなくても37度C程度の温度のものからは
ここがやっぱりよくわかりません。まず、培風館の「物理学辞典」の定義では
遠赤外線は25μm〜5000μm、となっています。数μmは中赤外、もしくは単に
赤外、とする場合が多く、他にも区分の仕方が2,3ありますが、いずれも
数μmを遠赤外、とするものはありません。
少なくとも物理ではこのような定義なのですが、生物方面では数μmを遠赤外
として扱う習慣があるのでしょうか。分野が違うと言葉の定義も違うと
思いますので確認させてください。
次に、前回のメールでT= 37℃ = 310.15Kとしたら、黒体輻射のピーク波長は
hν= hc/λ=2.822kT を使って16.5μm、と書きました。無論これは黒体輻射
となるような熱平衡を仮定した話で、単にフォトンのエネルギーを数式的に
温度に換算するならば hc/λ= kTで、これだとλ=46.4μmとなります。
もちろんhc/λ= kT、とするのはかなり乱暴な話ですが、熱平衡にない場合に
目安を計算するにはしばしばこちらが使われます。
それで、2.822なしの式を使うと上記のようにλ=46.4μmで「物理学辞典」の
遠赤の定義とも馴染み、不思議はないのですが、VPPMの書かれた
「人の体温程度なら,帯域は遠赤帯域(波長数μm)」がわからなくなって
きました。これはどういう過程を考えているものなのでしょう。
物理学辞典で調べたところでは、赤外の領域(近赤外から遠赤まで含む)には
分子の振動・回転の共鳴スペクトルが多数入っています。例えば水(H20)の
-OH伸縮はλ=2.8μm〜3.1μm程度のバンド幅の共鳴帯を持っているようです。
水のこの値は理科年表から引いたものですが、人体の水の多さや共鳴の強さを
考えると例えばVPPMの言われる数μmという値はこの辺りのことですか。
いずれにしても、熱温度として36〜37℃の熱輻射の波長が数μm、という
ことはないような気がします。分子運動の輝線スペクトルが主とすれば、
これは対象物の温度とは一応別物で、温度の変化で黒体のスペクトルのように
連続的にピークがシフトするものではなく、準位の励起状態によって
ピーキィに変化するものだと思います。そういう意味で、37℃のような
温度と数μmのような波長を対応させるのは物理学的な習慣からは馴染みが
ないのですが、これも生物学方面の習慣的なものでしょうか。
で、恐らく熱輻射の方の遠赤はノイズが大きくて使い物にならないと思われます。
実際、天文でもFIRの検出器は冷却するのが今では常道になっていて、室温の
熱スペクトルピーク近辺の波長で気が伝達されるというのはどうもありそうも
ない気がしてきました。分子共鳴の方は受容器として可能性がありそうですね。
体内に多量に存在する水分子が強い共鳴ピークを持つような波長があってそこを
使っているのなら何かそれを感知する生体機構があれば使えるかもしれません。
その2
> > それで,間つなぎという訳でもないのですが,[気]のネタ元から関連する所
読んでみました。遠赤外線の波長域定義についてはわかりました。この人の
文献では5μmからを遠赤外線、と読めばよいわけですね。これは定義の問題
だけですのでこれでよいと思います。
ただ、やはり科学的な話としてはこの人のこの本は甘いですね(^^;)。55ページに
「もし、そのシグナルが検出できたら、この推論は正しいと言えます」とあるわ
けですが、ここが最大のポイントです。シグナルが検出されただけでは情報の
送受信が行われているということの検証にはなりません。VPPMにお話した通
り、受信側の受信機構が存在する、あるいは機構は不明のままでも確かに受信が
行われている、ということの検証はこの文献ではまったく手付かずです。
そもそも、62、63、65、68、69、70、75ページと測定グラフが多数載っている
わけですが、これらのグラフにはいずれも縦軸の目盛りがありません。こういう
グラフを載せてしまうということからして、この人の科学的な素養というものを
疑わざるを得なくなってしまいます(^_^;)。問題なのはこれでは遠赤外線の
強度について読み手はまったく情報を得られないということです。
また、64ページには「私達の目に認められる動きもないのに…」とある訳ですが、
これも困ったちゃんで(^_^;)、こんないい加減な測定法をされては信用できる
ものも信用できなくなってしまいます。手を動かさずに筋肉に力を入れたり
抜いたりすることができない訳ではありませんし、また、気功師が手を動かす
ことで「気」のシグナルなるものを発しているとしてもそれはなんら問題では
ないはずです。
他にも指摘したいことがないページがないほど、この本はいい加減なものですね(^^;)。
こんな内容では学会で話題にならないのも当然といえば当然でしょう(^^;)
と、かなり厳しい評価になってしまいましたが(^_^;)、一般向けの本だから
なのでしょうか。他にもっときちんとしたデータが掲載されている文献が
あるなら入手してみます。学会の論文誌などが望ましいです。大抵のものは
入手できますので文献リストなどありましたらお知らせください。掲載されて
いる雑誌名と年、巻、号、ページ数、タイトルくらいがあれば十分です。
大学には文献相互複写制度がありますのでこの情報があれば最悪大学の図書館
経由でコピーが手に入ります。
VPPY
VPPMからのネタ本を読んで関心していたら、VPPFからの
キツいコメントがありましたね。僕も、グラフの縦軸に悩んで
いました。(^_^;)
> と、かなり厳しい評価になってしまいましたが(^_^;)、一般向けの本だから
> なのでしょうか。
そうでしょうね。この本をReferして学会発表するのはちょっと恐いですね。
トラ技の2000年2月号が届きました。
117ページには、新しい広告ですが、「高速応答赤外線サーモパイル」センサ
が載っています。サンプルを請求してみるつもりです。(^_^)
秋月の同じ加速度センサを使って、アトメルとPICでのセンサ製作記事が、
おそらく期せずして(^_^;)、並んでいます。これは僕も使ってみようと
思っていたところだったのですが、こう出てくると萎えてしまいます。(^_^;)
VPPF
> キツいコメントがありましたね。僕も、グラフの縦軸に悩んで
> いました。(^_^;)
キツかったですかね(^^;)。グラフの問題に目をつぶるとしても色々
疑問は残ります。例えば赤外の強度変動の原因とか。手を動かしてないと
したら温度変動が強度の変化を引き起こしているのでしょうかね。
だとしたら1Hzで規則的に皮膚温度を変化させる、ということは
できるものなのでしょうか。それもグラフにあるような赤外強度変化
に対応するレベルで。考えられる要因としたら血流の変化を起こしている
ということでしょうか。それにしてもそんなこと可能なのかなぁ(^^;)
> この本をReferして学会発表するのはちょっと恐いですね。
学会にもよるでしょうが、厳しいところでは以降相手にされなくなると
思います(^^;)。物理学会にはその手の人たちだけを集めた「クレイジー
セッション」なるセッションが存在します(^^;)(清家新一などが常連)。
もしも他にちゃんとした文献がないのであれば、最低、気功師を何人か
見つけてきて、例の本にある実験の追試をきちんと行ってからでないと
この話をスタートするのは難しいと思います。トンデモ本(かどうかは
まだ断定できませんが)系の本では、結果を左右しかねない重大な
ファクターが著者の一存であっさり記述を省略されていたりすることが
あります。どうも気功師の手から1Hz変調をもった赤外が出た、という
結果自体、疑わしいように思われます。
VPPY
> だとしたら1Hzで規則的に皮膚温度を変化させる、ということは
> できるものなのでしょうか。それもグラフにあるような赤外強度変化
> に対応するレベルで。考えられる要因としたら血流の変化を起こしている
> ということでしょうか。それにしてもそんなこと可能なのかなぁ(^^;)
僕は自分の心拍ペースを意識して20%近く、減速できます。こういう
のは、経験と訓練でしょう。僕の場合には小児喘息で苦しんだ幼児期
の無意識セルフコントロールの産物ですので。
1Hzというのは、おそらく心拍と関係している、と僕はフンで
います。心拍センサは心臓の弁のダブルビートを取ってしまいます
が、積分すれば約1Hzの正弦波になるのでは。(^_^;)
> もしも他にちゃんとした文献がないのであれば、最低、気功師を何人か
> 見つけてきて、例の本にある実験の追試をきちんと行ってからでないと
うーん、気功師の知り合いというのは、いないねぇ。(^_^;)
昨日、さっそくトラ技に載っていた、高速の赤外線サーモパイルの
メーカに連絡しました
カタログを送ってもらって、サンプルを頼むことにしました。
ただしこのセンサ、単体だけなので、アナログとデジタルの
信号処理から開発する必要があります。またVPPM、相談させて
下さい。けっこう「気」のセンシングにはいいと思います。反応が
0.09secですので、毎秒11回という分解能で、1Hzはある程度
検出できるのでは。
VPPF
> 1Hzというのは、おそらく心拍と関係している、と僕はフンで
> います。心拍センサは心臓の弁のダブルビートを取ってしまいます
> が、積分すれば約1Hzの正弦波になるのでは。(^_^;)
ちょっと書き方がよくなかったですね(^_^;)。私が疑問だったのは
例によってエネルギー的な問題です。ビートとして、1Hzの血流変動は
不可能ではない、というのはVPPYの言われるとおりかもしれないと
思います。
しかし、手を動かすなどの機械的な要因がない以上、赤外の強度変動は
放射エネルギーの変動ということですね。黒体輻射なのか、分子の
ライン放射なのか、あるいはその両方なのかわかりませんが、放射面積に
変化がないとしている以上、手の温度が上下するか、放射効率が変動
するか、のいずれかです。
放射効率の変動、というのは、ある分子が赤外線を放出するかどうかを
気功師の意思でコントロールできる、ということで、これはありえない
でしょう。要するに分子レベルでのフォトンの放出・吸収を意思の力で
制御することはできません。
そうすると、あとは手の温度が変わるという話で、黒体ならばステファン・
ボルツマンでI = σT^4 です。分子の共鳴だとしても温度の関数で、
一般にはI∝T^n でしょう。n=4がSBです。共鳴の場合はn は4より
小さいだろうと思います。
すると、例のいい加減なグラフで、グラフの下の線がほぼ0を表すと
すれば赤外の変動量はΔI〜0.1 I程度はあるように見えます。
多いところでは0.2 I 程度行ってるようにも見えます。変動量を
(I - ΔI)/ I= k と表しましょう。k=1なら変動なし、k=0.9
なら10%の減少、ということです。
これが温度変化で起きているのなら、
(I - ΔI)/ I = (T−ΔT/T)^n = k
で、ΔT=( 1 - k^(1/n) ) T
です。なお、ここでのTは絶対温度(K)であることに注意してください。
T_K = T_C + 275.15 です。刻みは同一ですからΔT はKとも℃とも読むことが
できます。右辺のTにはK単位を使わなければなりません。
例えば k = 0.9(赤外変動量は10%程度)、n=4(SB)として、T=36℃=309.15 K
とすれば、ΔT=8.04℃です。変動が1割として、k=0.95としてもΔT=3.93℃
です。
nが小さくなると(多分ライン放射などではn=2くらい?)これより変動がもっと
大きくなります。
要するに私の疑問は、例えば約4℃もの体温変動を1Hzで起こすことができるのか?
ということです。体温が34℃と38℃の間を1Hzで変動する、というのはどういう
状況なのか?(^_^;)
それもこれもグラフに目盛りがないから悪いわけですが、どっちにしても
記録されているようなレベルの赤外変動を起こし得るメカニズムがほんとうに
あるんだろうか、ということが根本的な疑問です。サーモグラフィを使って
例えば煙草を吸ったら血流が悪くなって体温が下がる、なんてTV番組をよく
みかけますが、あれの変動時間スケールはどのくらいなのでしょう。下がると
いってもせいぜい1℃とかそんなものではないですか?それも多分1分とか
30秒とか、そのくらいはかかるのではないかと予測しているのですが、どう
でしょう。
また、逆に体温変動が1℃の程度であるとした場合、上式から逆に計算すると
強度変動はせいぜい2%程度です。グラフを見ても変動が2%程度
とはちょっと思えませんね(^_^;)。普通の人の測定結果として上げられている
グラフとグラフ2(拡大前)のスケールがほぼ同じと思うとやっぱり変動は
5%から10%はあるような気がしますが。中国人気功師の測定例で、掌からの
もの、とあるのはひょっとしたら2〜3%程度なのかもしれませんが、それに
しても指先からの変動量として掲げられているものはもっとありますね。
まぁ強度変動としては温度以外のものも考えられるのかもしれません。
本にあるような変動を説明できるようなものがあるなら教えてください。
血流の変化、といったのは、血液が放射の大部分を担っていて、例えば
血管収縮と拡張を繰り返すことで放射の有効面積が変動する、という
ようなことを考えたからですが、この説でグラフから見積もられる変動量を
説明できますか。ちょっと考えてみてください。
VPPM
VPPF,VPPY,めっちゃ濃いフォローありがとうございます。
少し間があきましたが,時系列をくずさずに順番にリプライしていくつもりで
すので,少々時間を下さい。
ところで,色々考えていたのですが,私のスタンスについて誤解があってはい
けませんので,本題とはずれますが,少し述べておきます(^_^)。
まず基本的な事ですが,私はいわゆる超常現象を信じておりません。十数年前
極めて親しかった友人が自殺した時,全く予知も感知もできなかった私として
は,それは信念です。
また「気」の存在については否定も肯定もできません。ただ,私を含め多くの
人が認めている(肩こりとかの)ツボの存在すら否定している西洋医学がすべ
てだとも思っていません。(大学で漢方の講義をパスしたのは失敗だったかな(^^;))
そして,私が求めているのは気ではなく「気配」です。私は子供の頃から電気
部品が友人でしたが(^^;),いつも作ったものに何かが足らないと思い続けて
いました。大人になってその足りないものが気配=生物の存在感だという事に
ようやく気がついたのです。それ以来気配とはなんぞや,どうすれば機械(イ
ンスタ)に擬似的であっても気配を与えることができるかを,いつも考えてき
ました。その網にかかったものの一つが,例の町氏の著作なのです。
さて根本的な話ですが,人には気配を感じる能力はあると思います。外敵から
自分を守り,生きるための本能の一つとして体に組み込まれていることは当然
です。ただそれは低位なために意識にのぼる事は少ないでしょうね。
ただこれも根拠を求められると難しい部分があります。常識的な話なら,気配
の感知は聴覚(可聴域)が第一,視覚が第二,といった所でしょうね。ただそ
れだけでは不十分だと私は思っています(恐怖映画でもストーリーにはともか
く気配にゾクッとすることはないでしょう)。そこら辺りをVPPで解明されれ
ば嬉しいです(遠赤?,超低音?)。もちろん何もないかもしれませんが。
またコンサートに応用する場合,気配もなにも舞台に人が立っていればそれだ
けで十分だとは思います。しかし,例えば普通のパフォーマンスなのになぜか
強力な存在感があるとか,舞台にはだれもいないのに目をつぶれば沢山の人が
演奏しているような雰囲気がするとか,そんなサブリミナルな効果=心の奥底
に直接作用(^^;)が生まれれば楽しいと思っています。(まさにドーピングで
すね(^^;))
ではまた・・・。次のメールからはいつもの調子に戻ります(^_^)
VPPF
> ところで,色々考えていたのですが,私のスタンスについて誤解があってはい
> けませんので,本題とはずれますが,少し述べておきます(^_^)。
VPPMのスタンスについては思っていた通りです。私のスタンスはと
いえば、相手が超常現象を信じていると判断したら、その人に向かって
科学的な反論や議論を提示したりはしません。
東洋医学をとかく全否定しがちな西洋医学の態度については私も同意見
です。再現性があり、事実として確立していることについては解明を
進めていくべきだと思います。その意味では、頭から東洋医学を否定する
ような向きの科学者は、超常現象信者と同程度に非科学的だといえます。
とはいえ、とりあえず検出器をおいてみたら何か出た、とりあえず
やってみたら反応があった、というのでは科学的な解明作業とは
とてもいえません。オーラを捉えたと主張するキルリアン写真、
映画館でコーラを飲めという字幕を入れたらコーラが売れたと
いうサブリミナル効果の「実証」、など、いずれも地道な検証と
考察がなかったためにトンデモになってしまっている例は多数あります。
実際、私はこの種の「トンデモ本」については結構フリークで、
割合この手の本を持っていたりするのですが(「メディアセックス」
も発売当初に手に入れてたりします^_^;)、それは一応、きちんと
読んで何か新しいことが埋もれていないだろうか、と思うところが
あるからでもあります。でも今までそういう例に当たった事が一度も
ありませんが(^_^;)。
話は戻りますが、VPPY予測の心拍との関連についていえば、
例えば耳たぶセンサなどで心拍というか脈拍の情報を計り
つつ、同時に遠赤の測定を行って、遠赤強度と心拍との
coinsidenceをチェックする、という方法が考えられますね。
心拍のビートと遠赤強度の変動に強い相関を検出できれば
仮説としても一応ちゃんとしたものになるだろうと思います。
VPPM
>>大きな正の量と負の量との差し引きで小さな
>>量が微妙にコントロールされている、というが不自然である、という話ですが
なるほど,そうですね。アンプの負帰還でもマクロな直線性は改善されますが
微少なノイズレベル(S/N比)とかは改善されませんからね。
私はオペアンプとかで多段のTrを経由する場合に,その負帰還に要する時間遅
れが,悪さをしている様にも思っています。
>>直感的には単純な話で、疎密波の密度変化に対する復元力は圧力ですから、
>>圧力が大きければ密度変動に対する応答も速くなります。
>>上の話の場合、γ=5/3なら a ∝ ρ^(1/3)となります。少し依存性は弱い
>>ですが定性的には合いそうですね。
詳細な解説ありがとうございます。さすがですね(^_^)。
>>今でもエレキットシリーズで売ってますね>虫の音色合成(^^;)。よく
>>見かけるのは鈴虫のやつですが、蚊の羽根音は難しそうですねぇ(^^;)
エレキットはよく知らないのですが,共立の同様のシリーズは実音をサンプリ
ングしたものをROMに貯え再生するタイプです。私の時はアナログの世界でし
たので(^^;),色々苦労しました。でもこの時にVCAの勉強ができました。
今から思えば,虫を飼えば済むものを,バーチャルペットを作ろうとしてたの
ですから屈折してますね(^^;)。
>>やはり人間が出している遠赤の輻射量を大雑把に知っておきたいなぁ
>>という気がします。
手持ちの文献をひっくり返してみたら,結構詳細な記述を見つけました。
電子通信学会編「生体工学」P24-P27ですが,例によって後でWebに上げますが
ポイントを引用します。
・熱の生産はおもに骨格筋由来,人で60W-150W。
・その大部分は体表で放散。人の熱伝導率はほぼ水の値(0.55J/m・s・K)だ
が,実際は血液循環による熱量の移動が大きい。1cm3あたり1〜30J/s・K。
・体表からの熱放射はボルツマンの式があてはまる。
k=σT^4 kは放射率 はだか=0.99 着衣=0.95
σはボルツマン定数 5.7×10^-8 W/m^2・K^4
・温血動物は赤外光を放射。体温を310Kとするとウィーンの法則から最大波長
はほぼ10μm。
・エネルギー放射に関しては生体はほぼ黒体と考えてよく,ボルツマンの法則
にしたがってエネルギーを放射。
・体液の光吸収はほぼ水の特性に近い(赤外域に吸収のピーク有り)。
特に数式部分の意味があまりわかってませんので,フォローよろしく(^^;)。
>>これは例えば酵素活性などのケミカルな反応で温度を感知しているという
>>可能性はないのでしょうか>微生物。
記憶が定かでないので,間違っているかもしれませんが,「鞭毛虫や繊毛虫な
ど自発的に動ける微生物は快適な温度の所へ集まる」とかいう記述があったよ
うに思います。原理はわかりません。
>>帰りの電車の中でも話したわけですが、温熱感というのが皮膚が温まって
>>それを温点が感じ取っているとしたらかなり感度は悪いのでは、という気がし
>>ます。
>>この方面は全く不勉強なのですが(^_^;)、温点が温度を感知するのはどういう
>>仕組みでしたっけ?感度もそうですが、分解能(ΔT/T)とか知りたいです
>>LFO を感知する、というのであれば、ΔT/T が重要になってくると思います。
調べてみました。(日本ME選書4 生体の電気現象1から)
・温感はRuffni小体で感知するとされている。(触覚で有名なPacini小体より
皮膚の表面に近く,痛覚の終末より深い位置にある神経の終末。温度がどう
いう過程で神経刺激となるかについては不明)
・温感の閾値は3秒刺激の際,毎秒1cm2あたり0.00015g cal。
・ΔT/Tは,上昇は毎秒0.001度,降下は3秒刺激で毎秒0.004度が閾値。
・温度感覚の記述には,刺激面積,温度,温度変化の3要素は最低必要。
・皮膚自体の温度を生理的ゼロ点(physiological zero)と呼び,刺激に用いら
れる温度が同一ならば感覚はおこらない。
>>それともう一つ、会場全体が演奏者の「気」に感応して、言わば聴衆全体が
>>演奏者の「気」のLFOの増幅器のようになっている、という可能性にも
>>気がつきました。これなら例えば最前列が感化されてその辺の客が同期した
>>遠赤を放射し始め、順次同期して最終的には一種の平衡状態になる、という
>>可能性もあるわけです。観客が共鳴器のようになるという可能性ですね。
面白い考えですね(^_^)。後のVPPYの心拍説とあわせて,またコメントし
ます。
>>少なくとも物理ではこのような定義なのですが、生物方面では数μmを遠赤外
>>として扱う習慣があるのでしょうか。分野が違うと言葉の定義も違うと
>>思いますので確認させてください。
私も理化学辞典で調べてみたら同様の表現でした。ネットで調べてみたら,4
μm以降を遠赤外とするのは,電気工学の分野(加熱分野)での規定のようで
IEC(国際電気標準会議)の「国際電気技術用語集」に定められているそう
です。(照明学会:遠赤外放射研究調査報告書(1992/4)による)
>>次に、前回のメールでT= 37℃ = 310.15Kとしたら、黒体輻射のピーク波長は
>>hν= hc/λ=2.822kT を使って16.5μm、と書きました。無論これは黒体輻射
ここら辺りになると私もよく分かりません(^^;)。以下のURLに解説がありまし
た(^^;;;)。http://www1.ushio.co.jp/tech/le/le7/7-08.htm
>>物理学辞典で調べたところでは、赤外の領域(近赤外から遠赤まで含む)には
>>分子の振動・回転の共鳴スペクトルが多数入っています。例えば水(H20)の
>>OH伸縮はλ=2.8μm〜3.1μm程度のバンド幅の共鳴帯を持っているようです。
>>水のこの値は理科年表から引いたものですが、人体の水の多さや共鳴の強さを
>>考えると例えばVPPMの言われる数μmという値はこの辺りのことですか。
ありがとうございます。水がこの領域の赤外をよく吸収するのは,この共鳴帯
のせいだと思います。そして人の体液もこの帯域で共鳴し,よく赤外が吸収=
熱化されるわけですから,他の領域の赤外より,同じエネルギーでもより効率
良く暖まる(^^;)というわけですね。あくまで発生ではなく吸収する方向の話
ですが・・・
>>体内に多量に存在する水分子が強い共鳴ピークを持つような波長があってそこを
>>使っているのなら何かそれを感知する生体機構があれば使えるかもしれません。
現状では,特に赤外を特化して検出する生体機構は知られていませんが,それ
は赤外刺激はすぐ熱刺激に変わってしまうので,刺激の区別が難しい(研究に
適さない(^^;))という点もあると思います。どちらにしても,温熱神経が案
外敏感ですので,現状でもある意味遠赤センサとしても働いていると考えられ
ますね。
次のメールに続きます(^^;)。
VPPF
納得できそうな感じのデータが出てきて(^_^)です。
まずは世間話(^_^;)ですが、
> 私はオペアンプとかで多段のTrを経由する場合に,その負帰還に要する時間遅
> れが,悪さをしている様にも思っています。
回路設計時にある程度考慮していないものなんでしょうかねぇ。難しい
のは判りますが、いわゆる定番と言われるようなOPアンプでもだめな
ものなのでしょうか。
> エレキットはよく知らないのですが,共立の同様のシリーズは実音をサンプリ
> ングしたものをROMに貯え再生するタイプです。私の時はアナログの世界でし
> たので(^^;),色々苦労しました。でもこの時にVCAの勉強ができました。
サンプリングしたらそりゃあできますよね(^^;)。アナログでやるのが
美しいと思います(^_^)
> 今から思えば,虫を飼えば済むものを,バーチャルペットを作ろうとしてたの
> ですから屈折してますね(^^;)。
いや、これは原点でしょう(何の?^^;)
で、本題ですが、いろいろありがとうございます。骨格筋で主に発生した
熱が血液で運ばれて体表で拡散、というのが大まかな人体のheat flowな
訳ですね。今まで私はこれも判っていなかったので大きく前進しました(^^)
で、ちょっとしたことですが、
> k=σT^4 kは放射率 はだか=0.99 着衣=0.95
これは k・σ・T^4、ですよね?
> ・温血動物は赤外光を放射。体温を310Kとするとウィーンの法則から最大波長
> はほぼ10μm。
ここはちょっと疑問があるので最後にまとめて詳しく書きます。
> 特に数式部分の意味があまりわかってませんので,フォローよろしく(^^;)。
F = σT^4 がステファン・ボルツマンの法則で、黒体の場合は温度の四乗に
比例してエネルギーが放射されている、というものです。σは通常、
ステファン・ボルツマン定数と呼びます。単にボルツマン定数というと、
エントロピーS = k log W (W:分子などの可能な配位の数)、に出てくる
k のことです。温度のエネルギーk T、という時のk とも一緒です。
> 記憶が定かでないので,間違っているかもしれませんが,「鞭毛虫や繊毛虫な
> ど自発的に動ける微生物は快適な温度の所へ集まる」とかいう記述があった
温度勾配を感じているのではありませんでしたか?細胞の一方の側と
他方の側で温度が違う=温度勾配があれば、化学反応のレートが
違ってくるなどの理由でどちらかに移動するような生物機構は
原理的にはあり得るように思いますが...。
> ・温感の閾値は3秒刺激の際,毎秒1cm2あたり0.00015g cal。
> ・ΔT/Tは,上昇は毎秒0.001度,降下は3秒刺激で毎秒0.004度が閾値。
ここが一番欲しかった情報で、思っていたよりずっと感度がいいですね。
ただ、0.00015g calに、グラム(g)の単位がついている意味がわかりません。
これはどういう単位なのか教えていただけると嬉しいです。cal/g、じゃ
ないんですよね。
> ・温度感覚の記述には,刺激面積,温度,温度変化の3要素は最低必要。
> ・皮膚自体の温度を生理的ゼロ点(physiological zero)と呼び,刺激に用いら
> れる温度が同一ならば感覚はおこらない。
なるほど、これはなんとなくそうだなという気がします。いずれにしても、
この感度なら意識・無意識は別にして、エネルギー的には他人の遠赤放射を
感知し得る可能性はあるのかも、という気になってきました。ちょっと
時間のある時にもう少し考えてみます。
> >>可能性もあるわけです。観客が共鳴器のようになるという可能性ですね。
> 面白い考えですね(^_^)。後のVPPYの心拍説とあわせて,またコメントし
心拍説は私もあり得ると思います。変動幅が小さければ、どんな人の
遠赤放射にもこの変動は乗っていると思うのですが、別のメールにも
書いた通り、心拍センサと遠赤センサを併用すればはっきりさせられると
思います。
また、気功師ではない女性に1Hz が出なかったのは心拍数が速かった
からではないか、という仮説も可能かと思います。
で、最後に
> ・温血動物は赤外光を放射。体温を310Kとするとウィーンの法則から最大波長
> はほぼ10μm。
これですが、見積もった波長がずれる理由がわかりました。ウィーンを
使ってたんですね(^^;)。少しくどくなりますが、前期量子論のあたりの
復習を兼ねて、ウィーンの変移則について基礎的なことをまとめておきます。
これもご承知とは思いますが、黒体輻射のエネルギー分布は、波長νとν+dνの
間のエネルギー をE_ν・dνと表す時、
E_ν= ( 8πhν^3 / c^3 ) ・ 1 / (exp( hν/k T) - 1) … (式1)
という、プランクの式で与えられます。これは量子論的に統計力学の計算を
行わないと導くことができず、歴史的には
Rayleigh-Jeans の式
E_ν = 8πkTν^2 / c^3 … (式2)
Wien の式
E_ν = 8πhν^3 / c^4 ・ exp( -hν/kT ) … (式3)
が長波長、短波長側のそれぞれのエネルギー分布を与えるものとして
知られていました。一見してわかるとおり、レイリー・ジーンズの式2は
短波長、すなわちνの大きな方で発散してしまいます。これは当時
紫外発散と呼ばれ、これを解決しようということでウィーンの式3が
提出されたわけですが、この式は短波長側をよく説明するものの、
長波長側ではずれが大きくなります。
結果的に、プランクが光量子仮説を導入して導いた式1が正しかった
訳ですが、式1を知った後で式2と式3を見ると、プランクの式1に
現れる 1 / ( exp( hν/ kT ) - 1 ) の部分を、exp の部分が
小さい時に展開したものがレイリー・ジーンズの式2で、
exp部分が大きいとした時に展開したものがウィーンの式3になって
いることがわかります。( x << 1 の時、1 / ( 1 - x ) 〜 1 + x、
というテイラー展開)。
exp(hν/ kT) が小さい、というのは、νが小さいか、Tの大きな
時です。ゆえに、レイリー・ジーンズは長波長・高温時の式と
いわれます。実際、測定物の温度が高い時にはレイリー・ジーンズの
式と測定とのずれは小さいことが当時から知られていました。
逆に、ウィーンの式はνが大きい時、もしくはTが小さい時の式です。
それで、VPPMが出されていた
> ウィーンの法則から最大波長はほぼ10μm。
ですが、これはウィーンの変移則
λ_m ・ T = 2.898 × 10^(-3) (m・K)
から計算した値です。λ_mは分布のピークを与える波長です。
この法則は、ウィーンの式3をλで微分したものを0とおけば簡単に
導くことができ、諸定数を入れれば上式が容易に再現されます。
ところが、プランクの式について同様にλで微分を行って0と
おいたピークを求めると、
λ_m ・T = 5.099 × 10^(-3) (m・K)
となります。これが私のメールで前に書いた見積もりとVPPMの
メールに引用されている値が1.7倍ほど食い違う理由です。
で、どちらが正しいか、ですが、私はプランクの式から導いた方が
正しいものだと思います(^_^;)。
というか、「ウィーンの法則から…」というのを読んだ時に、
「何で今更ウィーン???」というのが頭の中を駆け巡りました(^^;)。
生物関係はこれが常道なんでしょうか(^^;)。
上述したように、ウィーンの法則は短波長側でよく合うもので、
今の場合生体の温度Tが比較的低いことからずれは顕著ではないで
しょうが、正確なプランクの式が知られていて、数式的な取り扱いにも
別に困難はない以上、敢えてウィーンを使う人は物理関係ではあまり
いません。
ピーク位置に関しては特にそうで、係数が違ってくるだけですから
わざわざウィーンを使う意味はないように思うのですが…。
分布としてはよい近似でも、上にずれるか下にずれるかは一定して
いなくて、ピークに関してはさきほど書いたように結構な食い違いが
出てしまいます。
ということで、疑問の1つは氷解しましたが、生物・生体工学関係の
物理センスってよくわからない…(^_^;)、という感想を抱きました(^_^;)
ではまた、いろいろ考えてみます。
VPPM
>>ただ、やはり科学的な話としてはこの人のこの本は甘いですね(^^;)。
町氏はネット上でも,崇拝するグループと小馬鹿にするグループにはっきり別
れてますね。この方は人の良いまじめな方だそうですが,それだけにだまされ
やすい(思い込みやすい)のかもしれませんね。
>>他にもっときちんとしたデータが掲載されている文献が
>>あるなら入手してみます。学会の論文誌などが望ましいです。大抵のものは
>>入手できますので文献リストなどありましたらお知らせください。掲載されて
>>いる雑誌名と年、巻、号、ページ数、タイトルくらいがあれば十分です。
検索してみたら以下の文献が引っ掛かりました。内容は読んでいないので,問
題の測定データが載っているかは分かりませんが,書いてみます。
・日本医用画像工学会(JAMIT)誌 1号 P33
気功と外気功の放射の計測 町 好雄
(一番まとも(^^;)かもしれません。この学会の学会誌創刊号に寄稿されたよ
うです)
・第56回応用物理学会学術講演会講演予稿集(1995) P330
山本 幹男,平澤 雅彦
・第43回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集(1996) No.1 P374
山本 幹男,平澤 雅彦 他
(共に町氏が客員協力研究員を努める,科技庁の放射線科学研究部の第三研究
室(生体情報イメージング)の論文です。はずしてるかもしれません(^^;))
・人体科学会(Journal of Maind-Body Science.) 1巻 1992年4月
気の測定 町 好雄
・人体科学会(Journal of Maind-Body Science.) 2巻 2号 1993年4月
「気」のサーモグラフィによる研究 町 好雄
・人体科学会(Journal of Maind-Body Science.) 3巻 1号 1994年5月
気功のメカニズム解明のための気功師の各種計測 町 好雄
(以上は町氏が初代会長をつとめる(^^;)国際生命情報科学会(ISLIS)の前身の
人体科学会の会報へ,町氏自身が執筆されたものです。時期から考えて本の
内容と同一かと思われますが,詳細なデータが記してあるかもしれません。
でも入手が難しそうですね(^^;)。)
そんな所です。それと「気」とは関係がないのですが,できましたら次の文献
もぜひお願いします。超低音の生理的影響を調べたまともな(^^;)物です。
・岡井;超低周波音の生理的影響,騒音・振動の評価手法シンポジウム
文部省環境科学特別研究 騒音・振動研究班(1981)
PS.前のメールを出したあとで考えたのですが,人体は水の分子の共鳴に合
わせて体温を設定したんでしょうか? そんなことはないでしょうね。
VPPF
> 私も理化学辞典で調べてみたら同様の表現でした。ネットで調べてみたら,4
> μm以降を遠赤外とするのは,電気工学の分野(加熱分野)での規定のようで
この件、了解です。分野によってけっこう違いがある用語ということですね。
> >>次に、前回のメールでT= 37℃ = 310.15Kとしたら、黒体輻射のピーク波長は
> >>hν= hc/λ=2.822kT を使って16.5μm、と書きました。無論これは黒体輻射
> ここら辺りになると私もよく分かりません(^^;)。以下のURLに解説がありまし
> た(^^;;;)。http://www1.ushio.co.jp/tech/le/le7/7-08.htm
なるほど。波長で計算する場合はエネルギー分布が E_λ・dλ、あるいは
E_ν・dνで与えられるので、分布関数の変換に 1/ν^2または1/λ^2の
ファクターがつきますね。これでずれてくるんですね。
> 水がこの領域の赤外をよく吸収するのは,この共鳴帯
> のせいだと思います。そして人の体液もこの帯域で共鳴し,よく赤外が吸収=
> 熱化されるわけですから,他の領域の赤外より,同じエネルギーでもより効率
> 良く暖まる(^^;)というわけですね。あくまで発生ではなく吸収する方向の話
そうですね。理科年表にも吸収のみ、としてありました。だからこそ
どうしてピークがこんなにずれるのか(上の話)と疑問だったのですが、
一応、元にした文献やらホームページやらを明かにしていただけたお陰で
謎は解けました(^_^;)
> 現状では,特に赤外を特化して検出する生体機構は知られていませんが,それ
> は赤外刺激はすぐ熱刺激に変わってしまうので,刺激の区別が難しい(研究に
> 適さない(^^;))という点もあると思います。どちらにしても,温熱神経が案
> 外敏感ですので,現状でもある意味遠赤センサとしても働いていると考えられ
そうですね。1つめのリプライにあった数値をみると温熱神経は
候補として考えられるように今は思っています。
やはりちゃんとしたデータがあるととてもクリアーでよいです(^_^)。
この調子でどんどん行きましょう。
VPPF
前回のピーク波長の話ですが、私のミスだということがわかりました(^^;)。
偉そうに言っといてすみません(^_^;)。
一つ前のメールを書きながら判りかけていたのですが、エネルギー分布は
E_λ・dλ として与えられます。λとλ+dλの間に放射されるエネルギー
という意味です。νでも同様にE_ν・dνです。変換するには
E_λ・dλ=E_ν・dνとしなければならないので、この時、νλ= c から、
変数を変換する際に |dν| = c |dλ|/λ^2 (ν= c/λとして微分すると
マイナスがつくので絶対値をつけてあります)というファクターがかかります。
このため、プランクの式は 波長λで書いた時、exp の前にλのマイナス5乗が
かかりますが、振動数で書いた場合はνの3乗がかかります。expの中は
単にν=c/λで書き換えたものです。私のミスは、普段νで計算しているので
hν= 2.822kT で求め、このνをそのままλ= c / νで換算してしまった
ことです。こうではなくて、分布関数をdνまで含めて変換した後の表式で
λの関数を微分しなくてはいけなかったわけですね(^_^;)。これですべて
きちんと一致しました。
いやー、お恥ずかしい(^_^;)限りです。そういえば大学院で習った時に
注意されたのを今ごろ思い出しましたが、やっぱりしばらく物理を
離れていてナマっていたみたいです。今後はこういうイージーミスを
しないように気をつけます(^_^;)。
> >>ただ、やはり科学的な話としてはこの人のこの本は甘いですね(^^;)。
> 町氏はネット上でも,崇拝するグループと小馬鹿にするグループにはっきり別
> れてますね。この方は人の良いまじめな方だそうですが,それだけにだまされ
> やすい(思い込みやすい)のかもしれませんね。
ということで私もけっこうトーンダウンしてますが(^_^;)、小馬鹿には
しないまでも、やはり甘いところがあるのは確かです。科学でないなら
崇拝とか小馬鹿にするとかいうのもよいと思いますが、崇拝も小馬鹿も
科学的な態度とはいえませんから。
> 検索してみたら以下の文献が引っ掛かりました。内容は読んでいないので,問
> 題の測定データが載っているかは分かりませんが,書いてみます。
...
> そんな所です。それと「気」とは関係がないのですが,できましたら次の文献
> もぜひお願いします。超低音の生理的影響を調べたまともな(^^;)物です。
全部とれるかどうかはわかりませんが、ちょっとやってみます。時間は
少々かかるかもしれませんが気長にお待ちください。
> PS.前のメールを出したあとで考えたのですが,人体は水の分子の共鳴に合
> わせて体温を設定したんでしょうか? そんなことはないでしょうね。
人間の目の感度域が大体太陽光のピーク付近を含んでいる、ということと
類似の話ですね。水がリーディングだったかどうかは判りませんが、
タンパクとか生体構成分子の化学反応の効率の問題などもあるんじゃない
でしょうか。酵素活性の温度幅も意外と狭いですよね。
生存に有利という意味では外界の熱を取りこみ易い温度ということで
水分子の共鳴波長あたりという話はできるかもしれません。ただ
ダーウィン進化説とかを併用しないといけないような感じでよく
わかりませんが(^_^;)
VPPM
VPPM です(^_^)。早速のレスありがとうございますm(_o_)m。
さて本題に入る前に,昨日のメールを書いた後,生体の電気現象の本を読んで
たら大事な記述を見逃していた事に気付きました。それは,ガラガラヘビの顔
面にはそのものずばりの赤外センサがあるというものです(獲物の感知用か)。
ヘビの話とはいうものの,はっきりと赤外専用レセプターの存在が証明されて
いるというのは,私にとっても驚きです。単位がよく解らないのですが,記述
では「500imp/s/度C」の動的感度とありました。
また,昨日のVPPFのメールで g calの意味が解らないとありましたが,私
もわからないので(^^;)(8版なのでミスプリではないと思いますが(^^;)),
上記と合わせて,もし原論文が手にはいるようでしたら,より確実になると思
います。一応,下に書いてみます。
ガラガラヘビの赤外センサ
Bullock,T.H.&Diecke,F.P.:Properties of an infra-red receptor.
J.Physiol.,134,47 (1956)
温感一般
Mountcastle,V.B.:Sensory communication,The M.I.T.Press,403 (1961)
Zotterman,Y.:Nerve Impluse,IV.,140,Josiah Macy Foundation,New York(1961)
Hensel,H.:Physiologie der Thermoreception,Ergebn.Physiol.,47,166(1952)
VPPY:
>>昨日、さっそくトラ技に載っていた、高速の赤外線サーモパイルの
>>メーカに連絡しました。
これは面白そうですね(^^)/。また詳細がわかったら教えて下さい。
それと超低音センサの方ですが気圧センサが使えそうな気がしてきました。通
常の音関係のセンサは周波数が低くなると感度が悪くなりますが,このセンサ
なら逆ですので安定して検出できると思います。ただ絶対的な感度が悪くては
どうにもなりませんが。またこちらの方向にもアンテナよろしく(^_^)。
それと例の超音波ネズミとりはハズレでした(;_;)。早速ばらしてみたのです
が,ショボイ圧電スピーカーに555の発振出力をミニTrを一個かませただけで
つっこんでます。これでは150Wはおろか150mWも出ません(^^;)。しかしマニュ
アルには送出音圧260dB!とあります。こんなもんぶち当てられたら体がばら
ばらになってしまいます(^^;;;)。
ということで,また別の方策を考えてみます。
VPPF:
>>要するに私の疑問は、例えば約4℃もの体温変動を1Hzで起こすことができるのか?
>>ということです。体温が34℃と38℃の間を1Hzで変動する、というのはどういう
>>状況なのか?(^_^;)
これは,恒温動物では不可能ですね。薬物投与で体温の中枢をマヒさせた上で
温度環境を変化させれば(人工冬眠の手法)できない事もないでしょうが,自
発的にはできませんし,寿命が大幅に縮んでしまいます(^^;)。
ただ血流が体内の熱を外に運んで放散しているという事実もありますので,心
拍の影響でわずかな赤外量の変動がある可能性はあります。でもそれなら当然
弱くても通常の人からも検出されるべきで,私はこの本で,通常の人から変動
が検出されなかったという記述で,逆にこのテストに疑問を感じのでした。
>>実際、私はこの種の「トンデモ本」については結構フリークで、
>>割合この手の本を持っていたりするのですが
私も全く同じで,トンデモ本や新宗教系は大好きです(^^)/。着想はとっても
楽しいし,論理の飛躍も結論の強引さもなかなかなものですね。
ただ見た目ミイラであっても絶対の自信を持って生きてると言い切られた時に
はたして冷静に判断できるかものかどうか(^^;),近頃自信をなくしてます。
仕事でも年数回はトンデモさんとお付き合いする事があり(水を浄化する作用
のある石とかの売り込み(^^;)),そういう時は彼ら特有のキラキラした目に
引き込まれてしまう(^^;)とまずいので,必ず同僚と一緒に応対するようにし
ています。
>>話は戻りますが、VPPY予測の心拍との関連についていえば、
>>例えば耳たぶセンサなどで心拍というか脈拍の情報を計り
>>つつ、同時に遠赤の測定を行って、遠赤強度と心拍との
>>coinsidenceをチェックする、という方法が考えられますね。
VPPFの共鳴仮説とくっつけてMIT式にイベントに織り込むこともできます。
まず来場者全員に耳たぶセンサ付き帽子をくばり強制的に着けてもらいます。
それには頭の上の所に高輝度LEDがついていて,各人の心拍にあわせてピカピ
カ光ります。それを上空から遠赤と同時にカメラで拾い,2次元的に観客の心
拍が同期していく様子や遠赤との同期を調べるわけです。
金はかかりますが,奇麗でしょうね(*^_^*)。またその解析結果をリアルタイ
ムに音楽やCGにフィードバックすれば,それだけでインタラクティブの作品
になりますね(^_^)。
PS.
ところで,音楽の心拍への「直接」の影響はあまり調べられてないようですね。
(興奮して高くなったとかの「間接」じゃなくて)
私は,学生時代に何かの科学雑誌の記事で,「ロックコンサートではビートが
心臓に直接作用して拍出量を減少させ,結果的に失神者を増加させる」(^^;)
とかいう記述を読んだ位です。
VPPM
>>回路設計時にある程度考慮していないものなんでしょうかねぇ。難しい
>>のは判りますが、いわゆる定番と言われるようなOPアンプでもだめな
>>ものなのでしょうか。
各ICの設計は特定の条件での安定動作に特化されています。汎用オペアンプな
ら,電源±15Vで10-100倍程度の反転増幅位なら十分安定して動作します。し
かし今回のように,電源の低電圧化,高入力インピーダンス,高利得なんて事
になってくると破綻してくるわけです。さらに低雑音,広帯域まで狙うとオペ
アンプでは実現不可能です。
もちろん各々,例えば低電圧化とかだけならそれ用のものを使えば十分できま
すが,条件が複合してくると難しくなってくるのです。
ところで,オペアンプがもともとアナログコンピュータのために開発された素
子であるのはご存じだと思います。私の頭ではとても無理ですが,ディスクリ
ートでアナログコンピュータを組めたら楽しいでしょうね(^_^)。
(カオスの合原さんとかはその方向を狙っておられますが)
>>> k=σT^4 kは放射率 はだか=0.99 着衣=0.95
>>これは k・σ・T^4、ですよね?
>>> 特に数式部分の意味があまりわかってませんので,フォローよろしく(^^;)。
もとの文献でもこうなってましたので,私も意味がわからんなぁと思ってまし
た(^^;)。ご指摘の通りだと思います。また,詳しい解説ありがとうございま
した(^_^)。
>>温度勾配を感じているのではありませんでしたか?細胞の一方の側と
>>他方の側で温度が違う=温度勾配があれば、化学反応のレートが
>>違ってくるなどの理由でどちらかに移動するような生物機構は
>>原理的にはあり得るように思いますが...。
原理的にはありえると思います。ただ単なる化学反応(反射的なもの)なのか
,考えた(^^;)結果なのかは議論のある所(まだ解っていない(^^;))です。
微生物は考えているのか?なんて事は,まだまだ哲学の世界(科学ではなく)
の話ですね。
>>ただ、0.00015g calに、グラム(g)の単位がついている意味がわかりません。
>>これはどういう単位なのか教えていただけると嬉しいです。cal/g、じゃ
>>ないんですよね。
先のメールでも書きましたが,手元に資料が無いので明日また調べてみます。
>>これですが、見積もった波長がずれる理由がわかりました。ウィーンを
>>使ってたんですね(^^;)。少しくどくなりますが、前期量子論のあたりの
>>復習を兼ねて、ウィーンの変移則について基礎的なことをまとめておきます。
ありがとうございました。流石ですね(^_^)。
>>ということで、疑問の1つは氷解しましたが、生物・生体工学関係の
>>物理センスってよくわからない…(^_^;)、という感想を抱きました(^_^;)
そうだと思います。さらに医学の分野になってくると,物理の専門からみたら
気が狂うんじゃないかと(^^;)・・・。今回参考にした文献をごらんいただい
たらわかるように全てMEの本で執筆者は工学者です。こういう本じゃなけれ
ば,今回のような情報(温度の閾値とか)は一切まともには書かれていないの
です。医学書に書かれているこういう事項はほとんど町氏のレベルですね。
私も大学に入った時には頭がおかしくなりそうでした(事実の理解ではなく,
事実の記憶の強制(^^;))。
>>全部とれるかどうかはわかりませんが、ちょっとやってみます。時間は
>>少々かかるかもしれませんが気長にお待ちください。
手間かけてすいません。よろしく(^^)/。
>>タンパクとか生体構成分子の化学反応の効率の問題などもあるんじゃない
>>でしょうか。酵素活性の温度幅も意外と狭いですよね。
>>生存に有利という意味では外界の熱を取りこみ易い温度ということで
>>水分子の共鳴波長あたりという話はできるかもしれません。ただ
>>ダーウィン進化説とかを併用しないといけないような感じでよく
>>わかりませんが(^_^;)
そこら辺りもあるのかもしれませんね。まだまだ生き物は解らんことが多いで
す。というより解っていることの方が少ないというべきか(^^;)。
>>赤外線のやりとりも、機会とスタイルを検討して、できればWebで公開
>>したいネタですね。あまり怪しい人が集ってくるのもナンですが。(^_^;)
トンデモの方の標的になるとまずいかもしれませんが(^^;)。社会では驚く程
あっさり引き下がる彼らもネット上では狂暴ですからね。