現代芸術論C(メディア・アーツ論)(長嶋)

  • シラバス(2012)

  • 話題メモ

    • 初日(2012.10.03)
      • 「メディア・アーツ論」について
        • 芸術文化学科の都合で科目名が変わりましたが中身はずっと「メディア・アーツ論」
        • 目標(1)「メディアアートについて知る」
        • 目標(2)「関連の話題からいろいろ派生して考察する」
        • 遅刻厳禁 - 2限開始時刻に施錠します
        • 前の方に座らないとよく見えないので損をします
        • 録音・録画は厳禁(「ここだけ」教材も特別に紹介します)
        • 「お話」よりも、ビデオ・デモ等で間接的に体験しよう
        • 希望しても制作的な演習はありません(最終レポート課題あり)
        • 専門科目の単位取得を主目的とした3回生以上の履修登録は推奨しません(毎年、多数が落としています)
        • 毎回、最後に10分程度、Daily Reportを書く時間を取る予定です
        • "Daily Report" (出席確認・検討/議論・感想/質問・授業評価) について
        • 講義Webページは http://nagasm.org/1106/ から
      • OG野口佳恵・個展に行こう(^_^)
      • 「メディア・アート」とは?
        • CG、アニメーション
        • ムービー(DVD/YouTube/ニコニコ動画)
        • ゲーム
        • Web作品、FLASH
        • インスタレーション
        • 空間演出、サウンドスケープ
        • パフォーマンス、ダンス
        • Computer Music
        • ネットワーク・アート
      • 活躍するSUAC卒業生の事例から
        • 野口佳恵
        • 山口翔
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Pipe Dream
        • AniMusicより Pipe Dream2メイキング
        • 山口翔・作品集(映像/インスタレーション)
        • 山口翔・仕事集(PV/CM/etc)
        • 野口佳恵・インスタレーション作品「はやくスシになりたい」

    • 2日目(2012.10.10)
      • 今年も受講者の中に3回生以上が約10人いる事が判明しましたのでお知らせします。 この講義は毎回のDaily Reportによる出席点を重視しますので、出席が不足した場合には単位になりませんので、 あらかじめ覚悟して下さい。 就職活動をしている3回生以上はその届けを出す必要はありません。理由の如何によらず欠席は全て欠席としてカウントします。 考え方の一例ですが、毎回のDaily Reportを5点満点とすると、15回あったとして全て満点であれば75点ですが、 過去に「Daily Reportが毎回満点」という学生の事例はありません。 ここに期末のレポート課題を加えて成績評価します。試験はありません。 Daily Reportが毎回3点なら出席点の合計は45点ですので、期末レポート(例年は30-40点満点ほど)で15点以上を取った場合に単位となります。 毎年「卒業に必要なのでなんとか単位を欲しい」との申し出がありますが、温情による底上げはありません。 過去にも4回生が期末レポートとの単純合計が59点で不可となりました。出席が少なかったので仕方ありません。
      • 「Daily Report」に長嶋の話のまとめを書いても意味がありません・・・という話
      • 「Daily Report」は単なる「感想メモ」ではありません・・・という話
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • "AniMusic"が大変な仕事であるのは判った。これを1つの曲のPVとして作ったら、普通に3DCGで作るのに比べて作業期間・費用はどうなのか → 今後もAniMusicの例を紹介するのでその後に改めて質問して下さい。AniMusicでは、ある曲の楽器構成(オーケストレーション)に合わせたセットで3DCGを制作するので、まったく新しい楽器編成の曲のPVのためにこれをやったら、2-3年かかって曲の賞味期限が過ぎてしまいます(^_^;)
        • 電気グルーブのCGでは、落下する机のCGの自然さに驚いた。相互に衝突する机の挙動を本物で確認するのは大変だと思うのだが → これは本物の机をぶつける実験などはしていません。3DCGの基本ですが、モデリングした物体の物理的な挙動(衝突・反発・変形・落下など)は全て、原理的には物理的な方程式として正確に記述できるので、地球上とか月面上とか宇宙空間での挙動は、コンピュータの性能の範囲でリアルに自動計算されます
        • SUAC卒業生がこのように活躍している事を知ってワクワクした/元気が出た/圧倒された/刺激を受けた/誇りに思う(多数) → まだまだたくさんの事例を紹介します(^_^)。実は卒業生もまた、在校生(後輩)の卒展とかイベントとかコンペの情報に刺激を受けているので、この縦の繋がりと良好な刺激を大切にしたいです
        • "Pipe Dream"が10年以上も前というなら、現在のAniMusicはどこまで進歩しているのだろうか。ライブの音楽演奏に合わせてCGが動く? → ライブの演奏情報はもっとも早くても「音が出た」という瞬間にしか発生しないので、その音のために予備的に飛行してくる球体の軌道をCGで生成するのは不可能です。つまり完全にリアルタイムというのは原理的に無理です
        • 最近よくある「プロジェクションマッピング」(東京駅の駅舎に映像を投射したパフォーマンス)もメディアアートなのだろうか → YESです。プロジェクションの対象が平面のスクリーンでなく建物などの立体物であるもの、立体的な造形物に斜めの位置の1台のプロジェクタで3D映像(と感じられるもの)を投射する、霧・煙・滝など流体にプロジェクションするもの等、多くの作家がいろいろな手法を試みています。試しに「プロジェクションマッピング」で検索したYouTube映像の例を以下に紹介しておきます(厳密には「プロジェクションマッピング」と違うものも混ざってます(^_^;))
        • ちょうど今、文化祭に向けてキャラクター制作しているので「はやくスシになりたい」は参考になった(生産造形) → 可愛いだけでなく、という分析は正しいです。頑張って下さい
        • 先輩の作品はとても刺激になった。OB/OG以外の作品も見てみたい → 卒業生とかの作品は持っていますが、一般的に他作家の作品記録を持っているわけではないので、興味があればYouTubeとかで検索して調べてみて下さい。例えば「多摩美」「武蔵美」などでは大学のサイトに作品リンクが掲載されています
        • インスタレーションはただ見る映像と違って、その場のアクションに反応するのが能動的で興味がわく → この「インタラクティブ」「インタラクション」というのは、メディアアートにおける重要な視点の一つです。今後もずっとこれを頭のどこかに置くと色々と見えてきます(キーワードとして解説します)
        • 自分のこれまでの「メディアアート」の概念が狭かったことに気付いた → まだまだ広がると思いますので期待して下さい(^_^)
        • PVやCMとして紹介された事例は、一般的には「メディアアート」と理解されていないのではないか(複数) → メディアアートと呼ばれる領域で作品制作をした山口クンがプロのデザイナになって行った仕事の一例を紹介したのであって、あのPVやCMもメディアアートである、とは言っていませんので誤解の無いように(^_^;)。メディアアート的な要素が生かされた映像ですが、あの映像自体はアートという文脈でなく広告宣伝ビジネスにおける商品(消耗品)です
        • YouTubeやニコニコ動画を通して有名になったアーティストなどの事例を知りたい → SUAC卒業生でそのような成功例については紹介しますが、一般的にはよく知りませんので自分で検索して調べて下さい
        • 最近では一般の人でも動画をWebにアップしたりボーカロイドで作曲できるようになったので楽しみだ → ボーカロイドについてはまったく無名の時代からよく知っているので、いずれ話題として取り上げます
        • 今日からPV、CM、映画などを見る目が変わりそう。CGの可能性を感じた → リアルなもの、CGっぽい(意図的に嘘っぽい)、など色々なテクニックがありますのでよく注意して見てみて下さい
        • MMD(ミクミクダンス)もCGの一種なのか? → ばりばり立派にCGです(^_^)。MMDで動画を作るのも作家の活動ですが、理系の人がMMDという「ツール」を生み出して世に提供するのもまた、一種のメディアアート作家としての活動と言えます
        • YukiのPVの「落ち葉」をわさわざCGでやらずに実際に葉っぱを落としては駄目なのか → 動画がリアルタイムなのに落ち葉がスローモーションとなる演出とか、実際の葉ては役者の頭や顔にかかって邪魔になったりの心配とかで、実写の方がとても大変な要素もかなりあり、相当な手間とコストをかけてもCGを採用したのだと思います
        • ビジネスの世界ではメティアアート的なものはなかなか採用しにくい。テーマパークなどを舞台としては? → テーマパークでは確かにメディアアートの世界での先進的なアプローチが一般の世界(テレビや家庭用ゲーム機)よりも先行して登場しています。あと多いのは、「○○○博」のようなイベントや科学館など公共の場で、要するに行政から巨額の資金が獲得できると実現できる、という例が多いです
        • 映像作品の「背景」「舞台」「場」として、身近でリアルなものがある一方で、不思議で非現実的な設定もインパクトがあった。あのような非現実的な発想はどこから来るのか → そこがクリエイターの腕の見せ所です(^_^)。慣れっこになってしまったソフトバンクの一家のお父さんが犬である、というアリエナイ設定を提案してクライアント(スポンサー)のSOFTBANKの孫さんにOKを出させた企画者も凄いですが、OKを出した孫さんも凄いです
        • ニコニコ動画で話題となった○○○という作家/グループについて話を聞きたい(何人か) → それは自分で調べて下さい。有名であっても僕が知らない作家/グループについて話すことはありません。SUAC関係者以外の作家の仕事にも触れていきますが、基本的には全て、単なるネット視聴で知っただけではなくて、知人/友人でよく知っている作家とか、依頼されて協力した/コラボレーションした作家とか、僕がSUACでプロデュースしたMAF(いずれ紹介します)に参加してくれた作家で、その内幕をよく知っている、などの事例を中心としていきます
        • 「はやくスシになりたい」の、あの黒い「G」のストーリーがとても気になった → ぜひ個展で体験して下さい(^_^)
        • センスだけでも技術だけでも良い作品は生まれない → その通り。そこが難しいし、面白いのです(^_^)
        • "Pipe Dream"で、パイプから飛び出たボールが当たって音が鳴り、さらにボールがパイプに入っていったが、その前後はどうなっているのか → パイプの中には、もう見えないのでボールはありません(^_^;)。ただしいずれ見せる別の作品では、映像に映っていないところでもちゃんと個別に動いている例も紹介します
        • これまでメディア造形学科についてまったく知らなかったが、少し分ってきた → それは良かった(^_^)
        • 映像作品には「音」の使われ方が重要だ、と気付いた → よく初日から気付きました。これは重要な視点です。おいおい話題として取り上げます
        • 新しいことに挑戦するには、過去の事例を知ることも大切だと思う → 乗り越えるのが大変ですが、過去の事例を調査・研究する意義は大きいです
        • メディアアートは現実を拡張する表現である、と感じた → メディアの力によって、現実だけでない世界まで表現できる・・・というのはいい視点です
        • 今回は映像(CG)とインスタレーションの事例だったので、次回は他のトピックも見てみたい → まだまだ映像とインスタレーションの紹介は続きます。とても1回や2回で網羅できるものではありません(^_^;)。もちろん他の領域もいろいろ広げて行きます
      • 「ウイルスに感染して勝手に犯罪予告を書き込まれて逮捕された」という話題に関して - スマホや最新デジカメで撮った写真をWebに上げるということはその場所情報等(EXIF)の個人情報を世界に公開している事だと理解しましょう
      • 「メディアアート」についてとりあえず調べてみてください(宿題ではありませんが今後の話に有効です)。なおWikipediaは「真実」「事実」「定説」を語っているとは限りませんので、そのつもりで接して下さい
      • 「インタラクティブ」「インタラクション」の視点
      • 「アニメーション」について - ゾートロープからの長い歴史があるが最近ではメディアアートの一領域とも言える
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介から「作り込み」「メイキング」「ドキュメント化」について考える
      • SUACメディア造形2回生(当時は新入生)「ジャミーズ娘+」の事例紹介
      • 「ドキュメント発信」から派生した長嶋の事例紹介
        • 「人体音楽」(Sony CM) → いずれ紹介します
        • 「ネット音楽」 - 某Y社からの受託研究
        • 「筋電センサ」 - 某N社関係からの受託研究
        • 「映像酔い」 - 某P社からの受託研究
      • 世界の「メディア・アート」と乖離する、日本の文化庁/文科省/経産省の「メディア芸術」
        • 漫画は「メディア・アート」にあらず
        • オタク文化/カワイイは「メディア・アート」にあらず
        • 工業先進国として行き詰まった21世紀の日本 → コンテンツ立国として振興したい下心
        • 鳥獣戯画から鉄腕アトムまで「メディア芸術」に強引に関係付ける関係官庁
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 東京駅プロジェクションマッピング
        • スニーカー・プロジェクションマッピング
        • 小出悠美香 作品集
        • 竹田悠子 作品集
        • 「ジャミーズ娘+」記録

    • 3日目(2012.10.17)
      • 「Daily Report」を書く時間(12:00)になってスグ「Daily Report」を提出し退出する人(3回生以上に多い)は平常点(5点満点)は2点程度(最高でも3点)ですよ、という当たり前の話
      • 「Daily Report」は必ずしも分量ではないにしても、ほんの4-5行だけの感想では何を聞いていたのか(寝ていたのか)、という評価となる、という当たり前の話
      • 「前回のDaily Reportに対するコメント」を読んでいれば書く筈のないこと(既に質問に回答したり解説している)を質問してくる人の評価は相当に低くなる、という当たり前の話
      • 「ウルトラマンアートは芸術か?」という問いかけ リンク リンク
      • 「プロモーション」を考える材料(AKB商法と同じ穴の狢)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 「けだもの展」に行ってきたが、これまで経験したことのない新鮮な展示だった → それは良かった(^_^)。また何かあれば紹介します
        • 「ジャミーズ娘+」カッコよかった。自分も何かやらなくては、と思った → いい事です。どんどん挑戦して下さい。相談にも乗ります
        • 「けだもの展」に行って、「スシ」の「G」を体験できてよかった。いい話で感動した → これは体験した人だけの特権です(^_^)
        • アニメーションというのはとんでもなく手間と時間がかかるのだ、とあらためて感じた(多数) → その通り。好きでこだわりが無ければ続きません
        • 竹田作品に登場する生き物が全て「食べ物としての命」と描かれているのが印象的だった → 我々生き物は、全て他の生き物を食べることでしか存在していけないという「性(さが)」あるいは「業」に通じる重要な視点だと思います。単純に残虐性とかの言葉だけでも語れないと思います
        • SUAC卒業生などの活躍を見て自分の小ささが情けない(多数) → 結果的に活躍している学生も入学時に突出していたわけではなく、ほぼ全て、在学中に頑張って学び制作し活動していく中で成長したり大きく脱皮・開眼してきました。浪人して入学してきた学生がその後大きく成長している事例もたくさんあります。要するに皆さんにも同じ可能性があり、大事なのは日々をどう過ごすか、だと思います
        • メイキングとドキュメントを残す意義について収穫があった(多数) → デザインする者だけでなく、プロデュースとかマネジメントの領域でもこの意義はまったく同じですので大事にして下さい
        • 野口さんのメイキング写真が見れて良かったが、時間が短く早く進むのでよく見れなかった → リンクのURLを置いていて、あとでメステでも自宅でもネットで追体験できるものについては、授業の中でノロノロと全部見せることを省略していますので、自分で追体験して下さい
        • クレイアニメのように写真でコマ撮りしたらアニメとなるが、写真を多数「コマ」として撮影したアニメ、というような作品はあるか → たくさんありますのでYouTubeとかニコニコ動画で探してみて下さい。話題になった作品1つと、関連した映像作品を紹介します★
        • インスタレーション作品で自然の変化に対応して変化するような作品だと、完成形として特定できないものになるのではないか。これをメディアアートと言えるのか → 原理的にはYESで、これもメディアアートです。「自然の変化に対応して変化/変形する作品」ということで、固定されない作品というのはあり得ます(^_^)。いずれ自然と合体したメディアアートも紹介します
        • 寿司が飛んでいるシーンなどはどうやっているのか → テグス(透明の細い釣り糸)などで釣って、少しずつ移動させてコマ撮りして、各コマをphotoshopなどで手作業でテグスを消します。大変な作業です
        • ボーカロイドのような人工的なものより、粘土アニメのような人間味が好きだ → という人も多いので、ハイテクの時代となってもクレイアニメは無くなりません(^_^)
        • 長嶋が早口で聞き取れない部分があった → 毎年そう言われるので気にしているつもりですが、たくさん伝えたい事があるとつい失敗します(^_^;)。さらに気をつけます(_o_)
        • ミュージックビデオのアニメーションなどを見ていると、リズムは耳だけでなく目でも感じられるが → これは重要なテーマです。メディア心理学のテーマとして長嶋が研究した事例を紹介します★(来週)
        • 「その人(体験者)に合わせる」インスタレーション作品で、人の脈拍とか視線とかに反応する作品はあるのか → たくさんあります。インスタレーション作品を一つのシステムと考えると、そのセンサ入力の対象として、人間の生理情報(心拍・体温・呼吸・皮膚発汗・握力・筋電・鳥肌感・圧迫感・摩擦感・脳波・枯渇感など)を検出の対象として、それに反応するという考え方はよくあります。おいおい事例も紹介します
        • 講義の中にあった「映像酔い」というのが気になった → 機会があれば紹介するかもしれません。受託研究のキッカケとなった学会発表論文(領域としてはこれもメディア心理学あるいは音楽情報科学)はこれですので参考に読んでみて下さい
        • スクリーンの「前回のDaily Reportに対するコメント」の文字が小さくて読めないので大きくしてもらえないか → 説明したように、「前回のDaily Reportに対するコメント」は教室で読むものではありません。事後の復習として、メステなり自宅なりで読むようにして下さい。講義時間内にあれを読み上げることはありません
        • 私はいま映画について学んでいるが、アニメーションを作る人も映画を勉強したらもっといろいろ表現できるのでは → もちろんアニメ制作者も映像を制作するメディア造形の学生も、映画はものすごく勉強しています。ただしアニメという手法による制限もあり、そこは一長一短です
        • 「ジャミーズ娘+」のパフォーマンスは面白かったがもっと出来るのでは・・・という点も多かった → これはやった当人たちももちろん自覚していますが、まずは道具を作る(改造する)ところからパフォーマンスまで、メディアアート的な世界を網羅的に体験した(やってみた)という点が大きいです
        • 「インタラクティブ」に興味をもった。もっと「インタラクティブ」について知りたい → ほぼ毎回、「インタラクティブ」というテーマはどこかに出て来ますので注意してみて下さい
        • 日本では(官庁が)マンガまでメディアアートと呼ぶが世界的/一般的には違う、という話が気になった → 前回リンクを紹介したWikipediaの解説(さらにそこからのリンク)などを調べてみましょう
        • アニメーション作品などで膨大な手間隙をかけている力作を見たが、現代アートではコンセプチュアル(偶然性)な作品でほとんど手間をかけず即興的に制作する作品もある。メディアアートではどうなのか → もちろんメディアアートにもコンセプチュアルな作品、手間隙かけない(アイデア一発勝負)、偶然性重視、などの作品がいろいろとあります。おいおい紹介します
        • 多くの場合に「メイキング」を見せないのは、その方がカッコイイと思う作家が多いからなのではないか → 「メイキング」は最初からそのつもりでキチンと記録していかないと出来ないので、作品そのものの制作スケジュール等に追われて余裕が無いので出来ない、というケースもとても多いです(^_^;)
        • 同じ大学の中でこんな創作が繰り返されている・・・と知っておおいに刺激された → 学生同士、卒業生と在校生、文化政策とデザイン、いずれも刺激し合い高め合う、という関係がいいと思います
        • クレイアニメでは○○○が好きだ(多数) → 僕もそんなに知っているわけではないですし、学生時代から社会人なりたてまで約10年間「テレビの無い生活」をしてきた事もあり、また「(いわゆる)アニメ」にそれほど興味が無いので反応できません(^_^;)
        • プロジェクションマッピングのプロジェクタは1台なのか? → 多数を並べる場合もありますし、同じスクリーンを複数のプロジェクタで重ねて投射することもあります(奇麗な「黒」が出る[黒の部分にまったく光が漏れない]機材が必要)
        • メイキングは作品本体の「おまけ」と思っていたがそれは違っていた → その通り。作品・作家によっては対等の比重、あるいはメイキングこそ作品、という姿勢もあります
        • クレイアニメをCGで作る、というのを聞いたことがあるが、違いが気になった → クレイ(人形)を実際に制作し撮影せず、3D-CG技術によって精密・リアルに「人形」と見えるようにコンピュータ上で制作した画像をコマ撮りに並べる、という手法です。いずれ紹介することになると思います
        • クレイアニメに作家本人(竹田さん)の手が登場するのが面白い → クレイで作った手と、作家本人の手とでは意味が違ってきます。作家によって色々な考え方があり、他作家でも散見する手法です
        • 私など素人でもコマ撮りアニメは制作できるのだろうか → 「もちつもちれつ」「こねこね寿司」などを生み出したお手軽アニメーション制作ソフトCLAY TOWN(Windows用)はamazonで5,981円です。これとデジカメかビデオカメラと三脚があれば誰でも出来ます(^_^)
        • アニメーションは現代ではほぼ全てメディアアートとも言えるということだったが、アニメーションの原型であるゾートロープはメディアアートと言えるのか → 昔の「からくり」は無理ですが、現代の作品でITを活用した、まさにメディアアートと言えるゾートロープもありますので、紹介します★(来週)
        • 前回、今回と紹介されている作品から感じるのは、「アート」というよりも「エンターテインメント」という感じが強い → これは芸文の学生に多い傾向ですが、では「アート」という感じ、とは何なのでしょう? 古典的な、純粋芸術家の、わかりにくい、いかめしい、お高く止まった、庶民には縁遠い、役に立たない、抽象的な「芸術」だけがアートなのでしょうか。これは美学とか芸術論の重要な課題ですので、芸文のカバーする全領域(ポップアートや現代芸術まで含む)とともによく考えてみて下さい。固定した「アート」の概念に固執していてはメディアアートは見えてきません
        • これまで、ただ映像作品を見る(消費する)だけだったが、アニメーションのメイキングを見て、作品として目に見えるところだけでなく細部にこだわった膨大な仕事が隠れていることにに圧倒された → これが作家の「こだわり」です
        • メディアアートには理系的要素が必要であると分った。プロのアーティストでも理系の人が多いように思うが → 理系的要素は必須条件ではありません。文系であっても自力で勉強したり、あるいはプロジェクトとしてエンジニアや研究者とコラボレーションする、という形もあります。技術的な領域は最近のITがブラックボックスとして支援してくれるので、やはり大事なのはセンスとアイデアです
        • 「もちつもたれつ」のロボットに、ぜんまいと電池という2つのエネルギー源があるのは何故なのか → この点は修了制作の審査会で僕も最初に指摘したところです。作者本人も「謎ですが」と言っていましたが、この両方があるのでストーリーが成立しています(^_^;)
        • 「インタラクティブ性」に興味があるが、「さりげに気付かれないように反応するインタラクティブ」という話は新鮮だった → いずれ実例も紹介できると思います
        • 「音が直進するスピーカ」というのに興味を持った → これは色々に応用されていますし(美術館/博物館でその真ん前でだけ解説が聞こえるなど)、メディア造形学科の学生作品でも2人が活用しました、これは実際に体験してもらいましょう(^_^)★
        • 講義の中に出て来た「メディア心理学」というキーワードがとても気になった。ぜひ解説して欲しい → これは僕の研究の一領域ですので、具体例とともに紹介します★(来週)
      • 本日のテーマは引き続き「アニメーション」です。たぶん来週あたりまで・・・
      • メディア造形学科2回生前期「サウンドデザイン」プログラミング課題作品の例から考える
        • 課題は「サウンドと同期させて画像を表示するプログラミング」
        • 刻々と静止画を切り換える
        • 切り換える静止画が互いに関連していると「動き」になる→アニメーション
        • ランダム要素を加えると「占い」に出来る
        • 放物運動を演算すると自然な動きになる(→指揮法の原理)・インタラクティブ性の導入
      • アニメーション作品の実例から考える part(1)
        • SUAC卒業制作アニメ作品 : 斉藤真理子 「Poor Crown」
        • アクションフィギュア(関節が可動)を使うとアニメも簡単 (お茶くみロボット)
        • ★写真を並べてコマ撮りして二重の写真アニメとした作品「オオカミはブタを食べようと思った。」(3min54sec)
        • 写真を1枚ずつ手作業で加工したアニメ作品「Table Begger」(3min38sec)(+メイキング1min)
        • 写真を1枚ずつ手作業で加工したムービー(長編Art Animation)「Copy Shop」
      • 「コマ撮りアニメ」と「メイキング」の合体はインパクトがあるが簡単
        • 定点観測
        • 碧風祭の風景
        • TurnOver.m4v
        • 長時間自動コマ撮りカメラ
        • Paper Gundamとメイキング
      • 「音が直進するスピーカ」の紹介
        • その原理
        • ★体験してみよう
        • 伴作品の事例
        • 奥山作品の事例
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 2006碧風祭の定点観測ムービー → 他のムービーはここ
        • メディア造形学科2回生「サウンドデザイン」課題の4例
        • 斉藤真理子 「Poor Crown」
        • お茶くみロボット
        • オオカミはブタを食べようと思った。
        • Table Begger(+メイキング)
        • Copy Shop
        • Paper Gundamとメイキング
        • 音が直進するスピーカ

    • 4日目(2012.10.24)
      • 「定点観測」ムービーをYouTubeにまとめましたので観て下さい
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • Daily Reportを書く10分間で、その日の講義の内容全てについてまとめて書くのは難しいのでは → 「全部」を求めてはいませんので、トピックの中で特に気になった/興味をもった/質問がある、という部分に特化するのはOKです。こちらはもう10年以上毎年、毎回数十人のDaily Reportを毎週、読んでいるので、途中で寝ていた人、意欲を持たない人のレポートはちゃんと見極められますので安心して下さい
        • 「Copy Shop」でゾクッときた。どんな演出だったのか → ちょっと検索するだけで(所要5秒)ここにある、と出て来ました。自分で何度も観て考えてみましょう
        • Paper Gundomのプリントして組み立てた「紙」はどんなものか → それほど特殊なものではないと思います。「紙」はものすごく多種あるのて調べてみましょう
        • コマ撮りアニメをやってみたくなった(多数) → どうぞやってみて下さい。僕が初めて作ったのはコレです(^_^;)
        • 流す映像作品のタイトルを最初に言うだけだと聞き逃すのでもう一度言って欲しい → いちいち言いません(^_^;)。このページに記録が残るので調べて下さい
        • 直進スピーカはアートだけでなくビジネスの世界で使われないのか → 美術館や博物館で展示物の前に立った人だけに聞こえる、という使い方はたくさんあります。ただしコストが高いので劇的には普及していません
        • アニメーションで、コマ撮りを撮影する側が動いてアニメーションになる、という逆のパターンはあり得るか → ちょうど先日テレビでやっていましたが、ヘリコプターの羽根の先端に付けたCCDカメラの映像がいいスローモーション・アニメーションになっていました。羽根が1周するタイミング(毎秒30回転)がちょうどビデオの撮影周期(30fps-毎秒30コマ)と一致すると、撮られたコマはほぼ同じ静止画となるためです
        • 学生アニメーション作品などで、音楽でなく効果音として使われているサウンドも全て自分で録音しているのか → 著作権フリーの効果音ライブラリというのがあり、これを活用しています。SUAC図書館にも買ってもらいましたが、あらゆる効果音が40枚のCDに詰まっていて1パックで30万円する・・・というような本格的なものです。これはプロがTVや映画に使うのもOKです
        • いろいろ見せてくれるムービーについて、注目すべき点、どこが素晴らしいのか、などをあらかじめ言って欲しい → 基本的にはこれはお断りします。そういう受け身の人もいますが、コンディションを整えて(前日に夜更かしせず)集中して視聴すれば、誘導されずに自分なりに「見えて」くる筈です。気付きにくいのでポイントを事前に言うのはレアケースだと思って下さい
        • 授業の中で「Bad Apple」を見るとは思わなかった(多数) → Bad Appleって何ですか? 僕は知りません(^_^;)
        • 創作することは出来ないがクリエータと一緒に企画することは出来るのでやってみたいが、何から始めていけばいいのか → これはキュレーションの基本だと思いますが、言われて企画するのでなく自分から企画を提案する、というのは重要なことですので、よく考えてみましょう。そして実行あるのみ !
        • ピエロのアニメで、花が落ちて行くシーンはどうやって撮影するのか → 前回のコメントに書いたので読んで下さい(^_^;)
        • 「お茶くみロボット」の動画はアニメーションだったのか。ラジコンなのか → あれはほぼ「動画」でした(^_^;)。ラジコンか、あるいはケーブルを消すか、どちらでも可能です
        • 今回のいくつもの事例から「ディジタルで出せない味をアナログ的作業によって生み出す」良さ、というのを発見した → これは重要で、なんでもかんでもディジタルで、CGで、というばかりではないのです(^_^)
        • Paper Gundom兄弟など、オタクの膨大な作業を単に「暇があるなー」と評価するだけではない、ビジネスとこだわりは別、と思った → ビジネスでアニメーションを制作する場合にも膨大な作業をするのですが、要するに「お金って何なんだ」「生き甲斐って何なんだ」という哲学になってくる話です(^_^;)
        • 定点観測で紹介してくれたカメラの値段は? → ガーデンウォッチカメラビックカメラで19800円、バードウォッチカメラビックカメラで24700円のようです
        • 出来合いの人形やロボット(アクションフィギュア)を使ったアニメよりも、自分で手作りした人形やクレイによるアニメーション作品の方が、愛着が湧いて見た後でほっこりする → これが、手作りクレイアニメが無くならない重要な理由です。最近のディズニー映画はCGなので、昔の手描きのディズニー映画に比べて物足りないのと通じています
        • 何百枚、何千枚、と静止画を準備する手間より、CGの技術でコマを生成してもっと簡単に出来ないのか → 出来ます。でもCGでコマ落としした動画(カクカク・アニメーション)は、カクカクした動画なだけで、アニメーションとしての味が消えてしまいます。その理由を考えてみましょう
        • メディアアートのアニメーションと、ワンピースとかジブリのアニメーションとの違いは何なのか → まず、「アニメーション」と「メディアアート」という2つは、包含関係にはありません。「アニメーション」の中には、アートもあれば商業娯楽もあれば実験映像もあり、一部はメディアアートとも言えるものだ、という事です。「メディアアート」の中には、一部のアニメもあれば、一部のコンピュータ音楽もあれば、一部のインスタレーションもあれば、一部のパフォーマンスもあれば、一部の前衛芸術もあれば・・・というカンジです
        • 「直進スピーカ」は作るのは難しいのか → メディア造形の学生であればこのくらいハンダ付け出来ますが、それより上手くないと作れません。キットはこれ。11800円です
        • ノートの片隅に描く「パラパラマンガ」もアニメーションなのか → 立派にアニメーションです(^_^)
        • バードウォッチカメラでは、動くものも止まって写るのか → 写ります。カメラには「絞り」「シャッタースピード」「被写界深度」というような概念があります。僕が書いたこのページを参考にして下さい
        • 素晴らしい作品を制作するためには、技術だけでなく「ガッツ」が必要なのだと再発見できた → その通り。ガッツで制作して下さい(^_^)
      • 「ゾートロープ」が現代のメディアアートに進化した例★
        • [長嶋+白坂]の作品例
        • アルスエレクトロニカでの作品例
      • 「メディア心理学」と関連した長嶋作品の事例紹介★
      • 「アニメーション」の話題はまだ終わりませんが今週は旬の話題から・・・
      • 「出前授業」の話題↓
      • 「メディアアートの作り方」としての"Max5"デモ(「プログラミング」とは)
        • Max/MSP/jitter とは
        • フログラミング = リアルタイムな関係性(アルゴリズム)の構築 = システムの「神」となる作業
        • Maxのごく簡単なデモ
        • MSPのごく簡単なデモ
        • jitterのごく簡単なデモ
        • ここからComputer Musicへ
        • ここからインスタレーションへ
      • 「Copy Shop」を制作したグループのムービー(長編Art Animation)「Fast Film」(+メイキング)
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • MikuMikuDanceメイキング(一部)
        • [長嶋+白坂]の作品例
        • アルスエレクトロニカでの作品例
        • 長嶋の実験映像作品 "JizoGazoDazo"
        • 「Fast Film」(+メイキング)

    • 5日目(2012.10.31)
      • アルゴリズムによりリアルタイムに刻々と自動生成演奏するピアノ音楽デモの体験★
      • 活躍する先輩(山口翔)の最近の仕事(CM4本)を本人の解説とともに見てみよう → 山口クンはここのページの皆んなのDaily Reportを読んでいた(^o^)
      • 「サイボーグ009」からアニメを考える
      • ちょっと検索するだけで(所要5秒)Fast Filmメイキングも出て来ました(^_^)
      • いろいろ教訓の多いニュース
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 長嶋の3次元ゾートロープはアナログに見えるものから新しい技術を感じられて面白かった → あの作品は「新技術のデモ」という位置づけですが、作品として仕上げることで自分も楽しめました
        • 「JizoGazoDazo」は映像のビートが等間隔だということだったが、音楽のビートが等間隔で映像のビートが伸び縮みしているように感じた(複数) → これはメディア心理学の領域で報告されていることと一致しています。人間は聴覚の方が強い領域もあるのです
        • 事前に作成した音楽や映像を「再生」するのでなく、ライブに加工/変形/生成していくというのは、無限にコピーできるディジタルの時代には良い発想だと思う → この美学は「ライブ」「インタラクション」系の作家のものです(僕はこちら)。一方で、「その場」の危うさやクオリティの低さを嫌って徹底的にスタジオ制作する(視聴する時は黙って視聴せよ)という美学も厳然とあります
        • 学生作品のための電子システムとかプログラムを制作して支援しているというが、長嶋のもともとの分野は理系なのか? → 僕についてはあまり説明していませんでしたが(^_^;)、とりあえずプロフィールはここです。希望が多ければ「長嶋洋一の作り方」というお話をする事は出来ます。関連情報→
        • メディア心理学の成果が実際に使用されている映像/CMなど紹介して欲しい → これは企業秘密です(^_^;)。「とても多くの人が好感/興味を持つ」というディア心理学の科学的な結論が得られれば、これはビッグに売れますので
        • 五百羅漢の奥山半僧坊方広寺に行った事があったので、「JizoGazoDazo」のような作品が生まれるとは感慨深かった → 浜松駅からバス「奥山」行きの終点です。皆さん行ってみましょう。あのモーフィング動画の元写真はここに全てあります(撮影順)
        • メディア心理学/音楽心理学の話に、辛い気分の時に明るい曲を聞くと余計に落ち込んだり、悲しい時に悲しい曲を聞いて励まされた。という経験を思い出した → まさにソレです。皮相的な第一印象と逆の効果になる、というのが大切です
        • リアルタイムにアルゴリズムで生成される音楽には著作権の問題が無い、ということだが、そのプログラムに著作権があるという事になるのか → プログラムの著作権というものもありますが、自動音楽生成プログラムにおいて、乱数により決定的なものが出ない(膨大なバリエーションの可能性がある)場合には、プログラムそのものをコピーしたら著作権侵害ですが、そのプログラムが生成した音楽に対して既存の音楽が著作権侵害を申し立てるのは不可能だと思います
        • プログラミングって面白そう。やってみたいが、何をプログラムするかのアイデアが浮かばない(;_;) → フリーの環境でプログラミングに興味のある人は、僕のProcessing自習テキストProcessing日記をなぞってみるのもお奨めです(^_^)
        • サウンドをライブで加工するのは、最近では舞台でもよく行われている → ベルリンにあるフィルハーモニー(ベルリンフィルの拠点のホール)では、2000年あたりには既に、ステージの上の音をマイクで拾ってライブ加工して客席後方から鳴らしています。「聴衆にとって良い音」のためにこの決断をしたのがカラヤンです
        • 「Fast Film」は内容はよく分らなかったが、膨大な時間と強い情熱によって作られている作品なので最後まで見たくなった → これが作品の存在感です(^_^)
        • 「JizoGazoDazo」のモーフィングで「合わせる」という部分がよく分らなかった → 1コマだけ、首から上の無いお地蔵さまがありましたが、その部分の例を紹介します★
        • 長嶋は研究者の視点として、架空の歌い手で賛否両論ある初音ミクなどのボーカロイドについてどう思うか → 研究者の視点としては「どうぞやって下さい」ですが、歌い手の立場としてはまた意見が異なります
        • 「Fast Film」を見て、初期のディズニーが「短編」や「音との同期」に拘り過ぎて広がりが無かったのを思い出した。この手法が今後もっと発展するには、ストーリーや演出をもっとしっかり作らないといけないと思う。 → この手法を今後に発展させようとこの作家グループが思っているとは限りません。ある手法の着想に対して、その手法をアピールするインパクトある作品を少数だけ制作して、後はサッサと別の新しい手法を追求していく、という創作スタイルもあります
        • 「JizoGazoDazo」は作為なく撮った順に並べたので、背景がなんとなく連続していて自然だった → この説明を聞き逃して「地蔵の順番はどう考えたのか」という的外れな質問を書いてきた人がいました(^_^;)が、キミはよく理解してくれました
        • リアルタイムにアルゴリズムで生成される音楽には著作権の問題が無い、ということだが、万一たまたま偶然に既存の音楽と一致してしまったらどうなるのか → 音楽情報というのは膨大なパラメータがあるので、その全てが「たまたま偶然に一致する」という確率は天文学的な小ささです。この理屈から僕が提唱してネットで公開しているコンテンツクリエイターのための著作権フリー音楽クリップ生成システムというのがありますので、興味があれば調べてみて下さい
        • ピアノ演奏を自動生成するアルゴリズムで実際に作曲家が制作した実例はあるか → 膨大にありますが、ここではオーストリア人の作曲家、Karlheinz Essl氏(http://www.essl.at/)が20世紀に公開したMax用のライブラリ「RTC-lib」(http://www.essl.at/works/rtc.html)でリアルタイムに刻々と自動生成するピアノ音楽を体験してもらいます★
        • アートで食っていくのは難しいと感じた。アートで食っていけないのは仕方ないというのが一般に当たり前になっている事に疑問を感じた → ごくごく一部のタレント(本当の意味のtalent)はアートで食っていけています。アートで食っていきたいと才能も努力も不足しているのに勝手に思い込む人やそれを勝手に支援する人たちの希望が叶わないのはある意味では当然ではないかなぁ・・・(^_^;)
        • アニメーションと映画との違いは何なのか → まず、「アニメーション」と「映画」という2つは、包含関係にはありません。「アニメーション」の中には、映画もあればYouTubeやニコニコ動画もあれば教育テレビの番組もあればプリキュアやサザエさんもあります。「映画」の中には、アニメもあれば実写もあればドキュメンタリーもあれば・・・というカンジで、強いて言えば映画館で上映するものはまぁほぼ全て映画でしょう。もっとも最近では映画館でスポーツやコンサートのライヴを中継していますが
        • サウンドをライブに加工する技術を使って実際のCDとかを制作する例もあるのか → ポピュラー音楽どころかクラシックでも、現在のCDのレコーディングでは100%、なにがしかの音響信号処理(加工)をしているのが現実です。ほとんどライブで歌わない(くちパク)だけでなく、ライブとCD録音の歌声があまりに違う、というのはAKBでも膨大なサンプルがネットに溢れていますので確認して下さい
        • 「Real Phantom」の新デバイス(上下左右だけでなく奥行きも反転する)というのが翌分らなかった → 研究者本人の論文はこれです。あの作品を制作する1年ほど前にSUACの勉強会で紹介した模様はこれです。最後に動画(QuickTime)もありますので見て下さい
        • 長嶋が映像作品を紹介する際に「これは僕はあまりメディアアートではないと思うけど・・・」と添える事がある。メディアアートの定義は何なのか → これまでの講義で何度も言っているようにメディアアートの固定的・明確な定義はありません(^_^;)。この言葉は、「メディアアーツ論」という講義の中で紹介する映像作品なので何も言わないと僕がメディアアートだと思っているのでは、と誤解される場合に添えています。この講義ではメディアアート的な作品だけでなく、話題のトピックとして、一般的にはメディアアートと呼ばれないであろう作品も紹介するからです。これは今後も同様です
        • プログラミングや技術的な用語で、よく分らない用語や知らない用語が出て来る。詳しく解説して欲しい → いちいち全ての登場するテクニカルタームを解説していたら、講義は毎週、ほとんど進まなくなり、提示する映像等のサンプルも少なくなって長嶋が話すだけになります(眠いのでは ?)。これを多くの学生が希望するのであれば、そうします
        • 「JizoGazoDazo」の音楽はお地蔵さんのイメージとかけ離れていたように思うが、何故あれにしたのか → 別のLed Zepperinの曲(もう少しテンポの遅いもの)のバージョンもあります。あればモーフィングを体験する実験映像であり映像作品ではないので、要するにビート(ノリ)のしっかりしたロックであれば何でもよかったのですが、あの曲は途中で5ビートと6ビートが切り替わるのが面白いので採用しました。オリジナルの曲はこことかYouTubeにたくさんあります(http://en.wikipedia.org/wiki/Four_Sticks)
        • 教室の後方にいたが冷房が寒かった → 初日に言いましたが、あの教室の空調は部屋では何も制御できませんので文句は事務局に言って下さい
        • 新幹線浜松駅にあるディスプレイで、等身大の人型パネルに映像が投射されているのはメディアートなのか → 違います(^_^;)。ただの広告です。プロジェクタとか使えばメディアアート?というのは大きな間違いです
      • 「JizoGazoDazo」のモーフィングで「合わせる」という部分の補足説明 - 1コマだけ、首から上の無いお地蔵さまがありましたが、その部分の例を紹介します★
      • 「JizoGazoDazo」をYouTubeに上げてみましたが、YouTubeの自動ソフトから5秒後には「WMGが著作権を持つコンテンツが含まれている」という警告メイルが届きました。なのでアメリカ合衆国ではブロックされて視聴できず、さらにCMが入ります(^_^;)
      • 「JizoGazoDazo」をよりスローテンポにしたもう1つの実験映像「SoftRocks」をYouTubeに上げてみましたが、YouTubeの自動ソフトから5秒後には「WMGが著作権を持つコンテンツが含まれている」という警告メイルが届きました。なのでアメリカ合衆国ではブロックされて視聴できず、さらにCMが入ります(^_^;)
      • 本日のテーマは引き続き「アニメーション」です
      • アニメーション作品の実例から考える part(2)
        • フォトショでどんどん塗り重ねればアニメになる - 嶋田晃士「怪画のキセキ」(SUAC大学院卒業生)
        • LEGOでコマ撮りアニメ
        • 人間アニメで「インベーダー」「テトリス」「パックマン」
        • お絵描きをメイキング作品へ「mellow」
        • 壁の落書きがアニメーション作品となる
        • アクションフィギュアをコマ撮りした作品「Afternoon」(min4sec)
        • 世界最小のクレイアニメ(携帯電話CM)
        • アクションフィギュアをコマ撮りした写真にCG画像処理を加えたアニメ作品「Gundam & Figma」(4min13sec)
        • うっかり流出の実写動画にCG画像処理を加えた「StarWars Kid」の話題(1998/4本)
      • フルCGアニメーション作品の実例
        • 伊藤友基子「SUACプロモ」
        • 伊藤友基子「蛙撮り」
        • 臼杵亮祐「Game vs Game」
        • AniMusicより Drum Machine
        • AniMusicより Gyro Drums (3D-CGを表現する座標系について)
        • イカール星人
        • 初音の花道
      • 「アニメーション」の話題は今回でオシマイです。今後、アートアニメーションの名作を適宜、紹介しますが、メディアアートとしてというよりも、テーマ/表現/メッセージなど文化的芸術的側面にスポットを当てる形となります。他にもこの講義の中で取り上げたいトピックが膨大にありますのでご了承下さい。あとは皆さんそれぞれ、YouTubeやニコニコ動画とかでいろいろなアニメーションを研究してみて下さい(お勧め作品などをDaily Reportで長嶋に教えてくれる必要はありません)
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 「サイボーグ009」関係
        • 嶋田晃士「怪画のキセキ」
        • LEGOでコマ撮りアニメ
        • 人間アニメで「インベーダー」「テトリス」「パックマン」
        • お絵描きメイキング作品「mellow」
        • 壁の落書きのアニメーション作品 MUTO a wall-painted animation by BLU
        • 「Gundam & Figma」
        • 「StarWars Kid」
        • 伊藤友基子「SUACプロモ」「蛙撮り」
        • 音丸雄「舞闘」
        • 臼杵亮祐「Game vs Game」

    • 6日目(2012.11.07)
      • 前回見れなかった「世界最小のクレイアニメ(携帯電話CM)」をチラッと見せます
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 壁の落書きアニメーション作品を描いたのは日本人だろうか。なんか日本人ぽかった → 違うと思います(^_^;)
        • MUTO a wall-painted animation by BLUの室内のシーンで、壁にかかっていた紙を食べたのはどうやっていたのか → 少しずつ紙を起こして皺くちゃにして・・・というのをクレイアニメと同様にコマ撮りしただけだと思います
        • 「怪画のキセキ」の最後のあたりでピカビカとフラッシュしたような部分はどうやっているのか → フォトショップで任意の静止画を開いて、エフェクトの「画素の色の反転」というのをやってみて下さい。たとえば、僕が12年前にSUACの「情報処理」の講義のために作った教材ですが、これとかこれとかこれで、アニメーションの一部でフラッシュしている部分では、各画素のRGBの3原色の強度を全て反転しています。「怪画のキセキ」のあのシーンは、直前のコマの画像をこの手法で反転しているものだと思います。過去にポケモンのアニメの背景でこれをやって全国のちびっ子が卒倒したために、現在ではテレビ放送でこれをやると放送法違反で捕まります(^_^;)
        • 現物のレゴのアニメーションと山口さんのCGレゴアニメの区別がつかなかった(多数) → レゴというのは均一なプラスチックの工業製品なので、これを積み上げるアニメにCGで似せるのは比較的容易ですが、手間は同じようにかかります
        • フルCGのアニメは制作費がかかると聞いたことがあるが・・・ → 昔に比べれば、CG制作のためのコンピュータはだいぶ安くなっていますが、そうなればより完成度の高い表現を求めていくので、いつになっても膨大なコンピューティングパワーとデザイナの人海戦術が求められます。簡単に安く出来るよいになったからと昔ながらのレベルで制作していれば他のデザインスタジオの制作するアニメーションに比べてまったく見劣りするのでビジネスにならないのです
        • どうしたらCGかそうでないか区別がつくのだろうか → この区別をつけなければならない必要性は何でしょうか。作り手は区別がつかないように制作したり、あるいは間違って判断されるように敢えて制作します。その意図にそのまま乗って鑑賞する、というのもアリだと思います
        • 「StarWars Kid」のように、実写ビデオにCGを加えるのはどうやるのか。自動でやってくれるのか → いちいちコマごとに手作業でCGを描き加えます。大変な作業です(^_^;)
        • 初音ミクのライブがあるというが、私は正直、怖いと思う → 怖いかどうかは別にして(^_^;)、僕はソコに行きたくないです。初音ミクについては多くの学生が書いてきていますが、どこかで「特集」として取り上げますのでお待ち下さい
        • 今回の講義で映画のCGにも興味が出て来たので取り上げて欲しい → 前回の末尾に書きましたが、僕はもともと映像の専門ではないので、メディアアートのひとつの領域としてアニメーションや映画の一部を紹介しましたが、これ以上の深入りはしません。あしからず
        • YouTubeに長嶋が上げた動画(既存の楽曲をサウンドトラックに入れたもの)で、アップロードから5秒後にはYouTubeから「○○○が著作権を持つコンテンツが含まれている」という警告メイルが届いたというが、この自動検出システムはどういう仕組みなのか。音楽の周波数を感知するのか、投稿者コメントから抽出するのか。あるいは全ての動画に一応このメッセージを送るのか → コンテンツの長さが数分とか数十分とかあるので、それを再生するのでは直後には警告は出来ません。動画データのサウンドトラックの部分を高速に音響分析・自動認識するシステムが働いています。この検出データとYouTubeが持っている、世界中の音楽著作物の抽出データとを一瞬に比較検索しています。いずれ「音楽情報科学」の話題のところで紹介します。投稿者コメントが空白でもこれは行われるので投稿者コメントは無関係です。また関係ない動画のアップロードには何も来ないので「全部出してみる」というのも違います
        • サイボーグ009の映画に長嶋が「たぶん行かない」という理由は何なのか → 子供の時に漫画の009とモノクロテレビの009を見て夢見て育った世代にとって、今回のフルCG版の豊富な表現は全て邪魔ですし、キャラクター(今風のイケメン)が力強くなく好きではない、というのが理由です。まったく個人的な意見ですので参考にしないで下さい(^_^;)
        • 「怪画のキセキ」で、レイヤー無しどんどん重ね塗りして静止画をたくさん作って、それを動画(アニメーション)にまとめるソフトは何なのか。作ってみたい → SUACのメステにもあると思いますが、Premiere、AfterEffectなどです。静止画の連続をアニメーション動画にするだけなら。フリーソフトでもたくさんあります。Macなら買うと付いてくる「iMovie」で十分に編集できます
        • 毎回、講義の内容やコメント等をWebで見られるので、他の学生がどう考えているかを知ることが出来て自分の見識が広まったり、気になった事を再度調べることが出来るので助かっている → (^_^) (^o^) (^_^)
        • 映像作品の「良さ」には、音楽/サウンドが切っても切れない関係にある事を痛感した(多数) → ここに大勢が気付いてくれたので、いよいよ「メディアアーツ論」の話題として、僕のメイン領域である、音楽/サウンドの方に進んでいきますので御期待ください
        • 「怪画のキセキ」は、どれだけの枚数の静止画を描いたのか。「4分20秒」ということなので、20コマ/秒とすると260*20=5200枚? → この手のアニメ作品では、20fpsというのはあまり有りません。Flashでも12fps、アニメではよほど高速な部分で10fps、普通は5fps程度です。でも毎秒5コマとしても1300枚になります(^_^;)
        • YouTubeに長嶋が上げた動画(既存の楽曲をサウンドトラックに入れたもの)が「アメリカ」指定でブロックされたのは何故か → 詳細は公式には明らかにされませんが、たぶん著作権者がアメリカのレーベルなのだと思います。別のアップロードでは、ドイツだけブロック、というのもありました。たぶんその音源のレーベルはドイツなのでは?
        • いま旬のトリンドルのイーハイフンのCMをこれだけ親近感を持って見れたのは感動モノだった(多数) → 倒れたトリンドルのインナーにキティちゃん、という情報は知りませんでした(^_^;)
        • 「Game vs Game」のカメラアングルはCAPCOMのバイオハザードに似ている気がする → 作者はゲームおたくなので狙っているのかもしれません
        • このようなCG技術が進むと、いずれはまったく実写ナシのフルCGで現実世界の風景や人間を表現して、視聴者にはまったくそれがCGだと気付かれないようになるのか? → 完成度は年々、向上していますが、需要する人間の方の目の方もどんどん肥えてきているので、おそらくこれはしばらくは無理だろうと思います(^_^;)
        • 私は初音ミクはどうしても「ちがう」と思うが、長嶋はボーカロイドやCGが本物の人間と変わりなく表現できると思うか? 私はそれはちょっと嫌だ → 出来ません(断言)。これは僕は「歌う」研究者なので断言しますが、出来ません。人間の歌声はそんなもんじゃありません。ボーカロイドの開発者(ヤマハの剣持さん)も「人間に置き換わる」「人間を超える」なんてことは毛頭、考えていません。このあたりを知りたい人はどうぞ、僕のカラオケ御招待をメイルで希望して下さい(^_^;)
        • アートに対する考え方が、長嶋のように作る立場と、芸文学生のようにプロデュースする立場とでは違うのでは?(複数) → 僕の立場は、ときには作る側、ときには演じる側、ときにはプロデュースする側、ときには支援エンジニアに徹してアート的には口出ししない、等、いろいろです。芸文の学生で実際に創作しない人でも、作る側の心理を理解することは大事だと思います
        • 色々な作品を鑑賞していると、アナログ的なものを好む自分を実感する(複数) → ごく自然で妥当な感覚だと思います。ハイパークリエイター人種とかは「アナログ=古い」などと吹聴していますが、そんなのは誤った幻想です
        • メディアアートにおいて、技術が進歩するとどんどん選択肢が豊富に増えてくるが、その中からいかに本当の表現の手法を正しく選択できるか、が問われると思う → いい視点です(^_^)
        • 「実写のように見えるCGが凄い」のか、「CGのように見える実写(編集)が凄い」のか、ちょっと考えてみたい → さすがの視点です。これは山口クンも考えている重要なポイントです
        • 「怪画のキセキ」にはシナリオ(コンテ)があったのか気になる → 詳細は不明ですが、どちらかというと勢いでどんどん・・・という気がします。積み重ねて詳細に作られたアニメですが、ある意味で即興的な要素もあったのでは、と僕は考えています
      • AniMusicに見る「座標系」の話
        • Drum Machine - 直交座標系
        • Gyro Drums - 極座標系
      • 今回は「FLASH」を題材としてメディアアートをとりまくITの世界の歴史を考えてみたいと思います
        1. メディアアートの最大の課題は「作品の再現性」 - コンピュータ技術とアートマネジメントの永遠の課題
        2. デザイン・プラットフォームは1990年代からずっと、王者「アドビ社」のPhotoshopとIllustrator
        3. 1990年代の「オーサリングソフト」 : "Director" (マクロメディア社) - シェア95%以上のプロの道具
        4. WWWの出現 → Webコンテンツと「ネットの重さ」の確執 ※動画は激重で使えない
        5. Javaの出現 →sun社によるフリーの環境 ※「プラットフォームに依存せず」の革命
        6. "Director"は"Shockwave"によってWebコンテンツにも進化
        7. ネットに特化した"Future Splash Animator" (Futureware社)の出現
        8. マクロメディア社がFutureware社を買収 → FLASHに統一
        9. Flash Playerがあれば「プラットフォームに依存せず」
        10. ケータイでもFlashが動く
        11. アドビ社のFlash(Fireworks)は売れず(^_^;)
        12. アドビ社が3600億円でマクロメディア社を買収 → FLASHはアドビ配下に
        13. AppleのiPod/iPhone/iPadのヒット → IOSの進化
        14. Appleがパソコン以外でFlashを締め出す → Flashは「終わコン」か??
        15. Flashの特長
          • ショートムービー/モーショングラフィクスとしてのFlash
          • ネタ系/2ちゃん系Flash
          • (ネット)社会的メッセージとしてのFlash
          • プロモ系/MV系Flash
          • インタラクティブFlash/ゲームFlash : SUAC学生作品より
          • アート系Flash
          • いろいろなFlash作品を時間の限りチェックしよう
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • Dot
        • Drum Machine
        • Gyro Drums
        • Flashいろいろ

    • 7日目(2012.11.14)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • プラットフォーム(作品を実現する環境)が無くなれば作品の保存が出来ない、という事実を知って愕然とした(多数) → これはメディアアートのアートマネジメントの本質的宿命ですのでいろいろ調べてみて下さい
        • 動画(映像、アニメ、ムービー)は次々とデジタルコピーすることで永続できると思うが、アプリ(Flashコンテンツ)は「再生するシステム」が無くなれば消えてしまう、と気付いた。困ったことだ(多数) → その通り。一部の有名コンテンツは「エミュレーション」という技術によって、新しいプラットフォーム上でも再現できますが、マイナーなものは消えるだけです
        • ネタ系Flashで、社会の風刺にメディアがうまく使われているのは良いことだと思う → 「読み人知らず」の社会風刺は、江戸時代とか室町時代よりも昔から続いている文化です(^_^)
        • 有名人(犯罪者)の誹謗中傷Flashがネット上に永遠に残るように、倫理的な問題が未解決なまま技術だけが先行している気がする → 技術の進展は「解決」など待たずにどんどん疾走(暴走)します。人類は常に、実験を続けています。「解決」「議論」のためにそれをいったんストップする、というのはたぶん不可能でしょう
        • 「I love death」のようなメッセージ性のあるFlashは、文字も説明もなくシンプルだからこそ、世界中のあらるゆる世代にアピールする力があると思う → アニメと通じるところがありますね
        • 「密室からの脱出」で、何故、少女に接吻する場所がつま先なのかが分らなかった → それはあなたがオタクではないからです。メディア造形の学生に見せたら皆んな納得していました(^_^;)
        • 友達と話をしていると、いずれ無くなるのを当たり前と思っているようだった → そんな皆さんにとって「永遠に残る名作」なんて興味が無いのでしょうか(^_^;)
        • 今回Flashのインタラクティブ性を詳しく知って、パソコンのゲームは「インタラクティブの集合体」であると分った → ただしこの膨大複雑なインタラクティブ(組み合わせの可能性)も、結局は全て制作側の用意した世界の中で閉じています。「思うつぼ」というやつです。僕がこれまでまったくゲームをしてこなかった(興味が無い)理由がこれです
        • Flashムービーの多くにクレジットが無かったが、個人で楽しむレベルであれば問題ないのか → 問題は大アリです(^_^;)。著作権/肖像権とかまったく無視して著作物/写真等を無断使用しているので当然です。「作り捨て」です。ネット上で世界中に共有され消せない時代、「個人で楽しむ」という言い訳は不可能です
        • Flashの「ギザらない」技術は写真に応用できないのか → 「ビットマップ画像(ラスタ画像)」「ベクタ画像」で検索して調べてみて下さい。Flashの標準アニメーションはベクタ形式なので拡大してもギザらないのですが、写真はビットマップ画像なので本質的に拡大すればギザります
        • Flashが他のプログラミング環境に比べて、優れているところ、負けているところ、が知りたい → 詳しく解説することは可能ですが、この講義の中で全員に解説する時間(30-45分)を設ける重要性はありません(他に紹介すべきpriorityの高い内容が膨大にあります)。興味があればメディア造形学科の関連する科目(「マルチメディア論」「マルチメディア演習」 - この科目はほぼ全般、Flash特訓です)を「他学科履修」して下さい
        • 「古いもの=劣っている」「新しいもの=優れている」というようなイメージを持ってはいけない、と再確認した → いい視点です(^_^)
        • メディアアートを語る場合に、テクスト(作品自体)だけでなくコンテクスト(背景となる社会現象/歴史状況など)を理解する必要があると思った → これはメディアアートだけでなく、芸術全般について常識ですが、気付いた事は重要です
        • 「Zoomquilt」のような共同制作において、どのように分担しているのだろうか → プロジェクトによって色々です。日本の平安時代の「連歌」もコラボレーションアートですので調べて下さい。これと同様にネット上で「連画」というプロジェクトが流行ったのは10年以上も前のことです。このテーマはいずれ紹介すると思います
        • Flashムービーを見ていて、サウンドが後ろから聞こえてくるように感じた瞬間が2-3回、あった → 人間の耳は左右ステレオですが、そのステレオに対して「前後感覚」「上下感覚」を感じさせるようなステレオサウンド再生の技術(RSS)があるので、それを活用したものなのかもしれません。こういう製品もあります
        • 長嶋はたくさんのFlashを収集しているようだが、これはいずれ消える、と予感したから、リンクでなくFlashデータそのものを収集したのか → かつて、「Flashなどショートムービーに使われる[いいカンジの音楽]を自動生成するシステム」というのを開発した事があり、そのための予備調査として、2004年から2006年あたりに、2ちゃんを中心として「Flash倉庫」などのFlashを7000本以上、収集しました。リンクが翌日には消えているようなネタ系Flashも多いので、当時から全て、「Flashファイル(***.swf)」そのものを収集しました。これには、ネット上に置く側も単純に持っていかれないために色々なテクニックで「隠す」ので、それを解読してハック(盗掘)しました(^_^;)。その過程では、突然にグロ画像と大音量の叫びが出現する「どっきり系Flash」なども多数あり、またブラクラ(ブラウザをクラッシュさせたりパソコンをハングアップさせる)やウイルスにも多数、遭遇しました。この僕のFlash資料集Webページはパスワード制限をかけていて、僕のゼミでFlash全般を深く学びたい学生にだけ、自己責任でパスワードを知らせて内輪公開しています。興味のある人はメイルで相談して下さい
        • iPhoneにしてから、好きなアーティストのページ(Flashを使っている)が見れなくなってとても不便である → これは仕方ないです。ただしFlashが「終わコン」としていずれ消えていくかどうか、はまだまだ不透明です
        • 「作り捨て」「読み人知らず」のような刹那的な作品には、逆に「その場限り」の魅力があるようにも思う → メディアアートの世界で「その場限り」という場合には、「ライブ性」「偶然性」などの意義がありますが、それとこれとはちょっと違うかもしれません(^_^;)
        • 現在のFlashに比べて表現できる能力(性能)にかなり制限(限界)のあった数年前のFlash作品には、逆に「アイデア勝負」の要素がより強かったと感じた → その通りで、「出来る」ことが限られていても、クリエイターはその出来る範囲でアイデアとテクニックを競ったものです。最近の強力Flashでは、逆になんだか物足りない気もします(^_^;)
      • 今回から「コンピュータ音楽」「インスタレーション」へと領域を拡大していきます
      • 「メディア・アート」から「アート」「文明」を再考しよう
        • ファイン・アートとは?
        • コンテンポラリー・アートとは?
        • テクノロジー・アートとは?
        • キネティック・アートとは?
        • 「アート」と「エンタテインメント」との関係
        • 「アート」と「ビジネス」との関係
        • 「アート」と「文化」との関係
        • 「CC」と「CGM」の新しい潮流
      • メディア・アートを体験できる場所など
        • Are Electronica
        • SIGGRAPH
        • 文化庁メディア芸術祭
        • NTT ICC
        • YCAM
        • IAMAS
        • SUAC MAF
        • IPSJ SIGMUS
        • インターカレッジ
      • 「メディア・アートでは食えない」という話
      • 「SUAC MAF」とMAF2001
        • メディアアートフェスティバル(MAF)とは
        • MAF2001の概要
        • 映像シアター
        • インスタレーション展示 ★
        • ライヴComputer Musicコンサート ★
        • CGギャラリー
        • 芸文学生スタッフの活躍 ★
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • MAF2001インスタレーション作品
        • MAF2001コンサート(8曲目まで)

    • 8日目(2012.11.21)
      • 静岡市民文化会館のスタッフとして活躍するメディア造形学科の卒業生(3期生)から届いた情報を紹介します
        長嶋先生
         ご無沙汰しております。お元気でしょうか。
         今回また、お知らせしたいことがありましてメールさせていただきました。
         静岡市民文化会館では来年の7月に自主企画で、エスパルスのミュージカルを行います。
        プロデューサーはコンドルズの勝山さんなので、パワフルなステージになることでしょう。
         市民参加型の企画になっておりまして、脚本家からキャスト、ダンサー、チラシデザインと
        全て公募で参加者を募集しています。
        今年の4月から本格的に始動し、現在脚本家とキャストは決定し稽古を行っている段階です。
        キャストの中には実は文化芸大の学生さんも2名いらっしゃいます。
         そして先日、ダンサーとチラシデザインの募集が始まりましたので、
        ここはぜひ母校の生徒さん達にも応募していただければと思いご連絡差し上げた次第です。
        (ちなみに、チラシデザインのほうです。ダンサーでも大歓迎ですが、メディア造形だと
        どちらかというとチラシデザインですよね。ダンスだと芸術文化学科あたりでしょうか)
         もし可能でしたら先生のまわりの生徒さん達へも呼びかけていただければ幸いです。
        生徒さんにとっても何かのチャンスになればいいなと思っております。
         なお、募集要項は文化会館のHPからダウンロードしていただけます。
        関連ページのURLは下記になります。
         ★エスパルス物語について
         ★ダンサー・チラシデザイン募集について
        以上、何卒よろしくお願い致します!
        
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • インスタレーションには視覚・聴覚・触覚に訴えかけるものが多いが、五感の残りの味覚・嗅覚に対して表現するものはあるのか → アルスエレクトロニカで展示されていた、日本のグループの「嗅覚」インスタレーション作品、別の日本のグループの「ストローで吸い込む感覚」インスタレーション作品について紹介します★
        • 伝統楽器とメディア/Computer Musicとの融合は新鮮だった/感動した(多数) → MAF2001のコンサートでは、招待した作曲家は皆んな、良く知っているお友達だったので、プログラムを相談する中で、依頼して「使う楽器」をなるべくかぶらないように散らしました。その結果、「パーカッション」「笙」「チェロ」「尺八」「自作楽器」「篳篥」「能管」「キーボード」「ギター」「箏」「コンピュータ4台」「ハープ」と、12人が全て異なる楽器に出来ました(^_^)。「楽器の街・浜松」にふさわしい品揃えになったと思います
        • 演劇とメディアアートのコラボレーションの事例があれば聞きたい → 演劇をする人から依頼されて専用のシステムを開発した事はありますが、提示できるムービー等はありません。海外ではオペラとかダンスとか演劇とかとComputer Musicとのコラボレーションの事例がたくさんありますので調べてみて下さい
        • 「SUACデザイン学部の学生は、デッサン・木工・金工・塗装・プラ・テキスタイル・ガラス等の「手を使ったものづくり」を学ぶことで、映像作品で3D-CGをやっても手の感触とリアリティが違ってくる」という話に感銘を受けた → これがSUACデザイン学部のメリットです(^_^)
        • インスタレーション作品は展示が終わると解体・廃棄される、というのがなんとも残念である(多数) → この解決方法について、芸文でぜひ、検討してみて下さい
        • インスタレーション作品の事例を見ると、単に発想するだけでなく、実際の展示のためにその発想を実現するための技術やマネジメント(計画性)が重要であると思った → 著名な作家でスポンサーが付く場合には、発想だけ出してあとはそれを外注(高額で特注製造してくれる会社に発注)すればいいのですが、学生や駆け出しの作家は全てを自分でやる事になるので大変です
        • インスタレーション作品では、作品を体験する「客」(来場者/体験者)が、作品における重要な要素になっていると気付いた → 実はさらに、この「客」については、(1)「実際に作品に触れて体験している人」だけでなく、(2)「その人が体験している様子を周囲から眺める人」という2種類があります。インスタレーション作家は、この両方についてアイデアを膨らませて作品を構想します。ここはとても重要なポイントです
        • まったく新しい未知の楽器を作るよりも、伝統楽器など馴染みのある楽器と組み合わせる方が、一般には受け入れられやすいのだろうか → そういう側面もありますが、伝統楽器との絡み方にもいろいろあります。これはおいおい話題として紹介していきます
        • これまでSUACに在学していて、デザイン学部の学生の作品をまったく知らない事に気付いた。碧風祭などでも展示があったようだが、サークルの出店でどこにも行けなかった。せっかくSUACにいるのに生かしきれていないと感じた → その「もったいなさ」は、社会に出てから痛感すると思います(^_^;)
        • 砂の影遊びの作品が印象に残った。子供でも影絵遊びなら親しめると思う。「影絵」を使った作品があれば知りたい → SUAC学生の作品、アルスエレクトロニカでの作品の事例について紹介します★
        • 動力にレゴを使ったために故障して晒しものになったインスタレーション作品を「失敗例」として紹介していたが、静止していても造形作品として良ければ失敗ではないのでは? → 止まっていると、造形作品としての完成度もイマイチなのが際立ちました(^_^;)
        • 「はち」のインスタレーションでは、1人でなく、何人もが立った場合にはどうなるのか → 内部のコンピュータのプログラムとして「もっとも最新に来た人の方向に回転する」としましたので問題ありません(^_^)
        • ギャラリーのトイレを展示スペースにする、などというのを企画室はよく許してくれたものだ → 開学当時の企画室というのは、SUACの事務局として何をすればいいかもまったく手探りでした(なんせイベントの先例がまったく無いので)。そこで、展示施設としてギャラリーを借りてしまえば、その中の「普段はトイレ」という場所も、ちゃんとドアの上の「トイレ」という看板を覆い隠して、立派に展示場所として利用できました
        • インスタレーション作品の解説を聞いていて、作品の裏側(システム、プログラム・・・)はどんなに複雑であっても、表の体験する側にはシンプルで直感的でなければならない、と思った → これは重要な視点で、来場者が体験するために、複雑なマニュアルを理解することが必要、というのでは誰も鑑賞してくれません。そのインターフェースの作り方も、作家の腕の見せ所です
        • SUACのMAFというのはMAF2001だけだったのか。もうやらないのか(多数) → この部分、「MAFの発端と終焉」というお題の前半だけ紹介して、後半が抜けていた事に気付きました。すいません(_o_)。来週きちんと話しますが、MAF/MASは計10回、10年間、2001年から2010年までやりました。そして終わりました(;_;)ので、もうやりません。 今後の講義で紹介するので予習はまったく必要ないのですが、一応、以下にこれらMAF/MASの公式ページ、フォトレポート、参加学生レポートのページのリンクを並べておきます。ついでに、おいおい紹介する「インターカレッジ」と「SUAC卒展」のリンクも置きます。MAF2001に参加したスタッフの感想レポートだけは、読んでおくといいかと思います
        • 前回紹介された卒業生のFlash作品「爆発太郎」がどうしても77点までしか行かないのでもう少し挑戦したい → 僕も77点までしか行きません(^_^;)。メディア造形学科の2回生や1回生には、オープンキャンパスの展示の際にこれに触れて、100点クリアのためのポイントを発見したゲームおたくが多数いるので、聞いてみて下さい
        • MAF2001ではローランド芸術文化振興財団の助成を受けたが、コンサート等でローランドの電子楽器を使ったということか? → NOです。ローランドの電子楽器を使うのでスポンサーとして「寄付」をもらう、という話はまったく別で、MAF2001ではやっていません(「ケンバン」イベントはこれだったのか不明ですが)。芸術文化振興財団の助成、という場合には、申請者の企画内容を審査して、MAF2001の場合にはその芸術文化への意義を評価して採択・助成されたので、中身にローランドの製品とかのヒモは一切、付いていません。実際、ポピュラー音楽の世界とは違うので、Computer Musicの作曲家がメーカの電子楽器をそのまま使うことはまず、ありません(^_^;)
        • 現代音楽に興味があるので、紹介されたMAF2001のリンクをたどってみたい → すいません、僕は自分のComputer Music作品の記録を全て YouTubeに上げました(MAF2001で公演した作品もあります)が、ここに他の11人の作曲家の作品公演のムービーはありません。これは、自分の作品については著作権は自分ですが、他の作曲家についてはWebに上げる権利が無いからです。MAF2001スタッフがコンサートで記録した映像については、「一般には非公開で、SUACの講義において長嶋が学生に見せる」という条件で許諾を得ています。あしからず(^_^;)
        • 浜松はジャズやクラシックの街というが、YAMAHAがVOCALOIDを作り、ROLANDがシンセ等を作っているので、電子音楽の街なのではないか → 「電子音楽」という定義についてはいずれ議論しますが、これは違うと思います(^_^;)。シンセサイザーやエレクトーンや電子ピアノは、もはや普通の「楽器」という工業製品ですが、浜松が国内で際立ってこれらの楽器やその音楽に溢れている、という事はありません。「音楽の街」ではなくて、単に「楽器製造業の街(工業都市)」というのが、淋しいですが実体です
        • 美術と音楽とを融合させた芸術/イベントに興味があるので、今日のComputer Musicの事例はとても勉強になった → まだまだこれから、Computer Musicの色々な世界を紹介していきますので御期待下さい
        • トイレに展示した作品でふと思ったが、「ホラー」と「アート」というのは相容れる組み合わせがあるのか? → あると思います。遊園地の「お化け屋敷」はゲーセンと同じエンタテインメントですが、メディアアート作家が一品料理として「お化け屋敷」という体験型インスタレーション作品/空間演出作品を制作する、というのは世界的にもいろいろとあります。映画やドラマのジャンルにあるように、「恐怖(ホラー)」というのも、広義にはエンタテインメントの重要な領域の一つです
        • 伝統芸能や古来からの呪術的なものとメディアアートが絡むと、真逆のようで実は重みが出て来るのが凄いと思った → いい視点です。まったく白紙からトピックを創作するだけでなく、歴史や伝統や文化で培われてきたテイストに乗る(活用する)というのは、アートだけでなく、よくある手法です
        • MAF2001の頃にはSUACでまったく知られていなかった「メディアアート」を長嶋がMAFを積み重ねる中で認知・定着させたという事だったが、他大学ではメディアアートは知られているのか → 国内の大学で言えば、自身が作家やスタッフとしてメディアアートに関わる教員がいる大学だけで良く知られている、という状況です。それら教員は海外でも展示・公演・コラボを重ねているので、海外のメディアアートの状況に通じているのも共通です
        • インスタレーション作品において、作る側は、「こんなものを作りたいからこの技術を使う」という発想と、「この技術を利用したいからこんなものを作ってみよう」という発想と、どちらが多いのか気になった → 非常にいいところに気付きました(^_^)。この2つは、前者は「ニーズ指向」、後者は「シーズ指向」と呼ばれていて、アートに限らず一般にデザインの世界で、その創作/プロジェクトのモチベーションとして重要な2つの要素です。メディアアートの世界では、作家がファインアートに近い場合には前者に重点が、そしてプロジェクトがテクノロジー指向(メーカとか研究者)の場合には後者に重点が置かれます。前者の極端なケースでは、委託されたアーティストが「こんなものを実現したい」というアイデアだけ発想して、あとの実現はスポンサー(企業、美術館、行政、博覧会など)が専門業者に特注して作品が実現されます。後者の極端なケースでは、世界初など最先端の技術(センサ、表示媒体、携帯機器、ネットサービス等々)の「デモ展示」として、美大の学生が「見られる」作品として実現するためにコラボレーションする(駆り出される)ことがよくあります
        • インスタレーション作品「はち」の、回転させる強力モーターの電気はどのように供給したのか → 内部に制御用の小型コンピュータがあり、その電源とともに作品の底部からコンセントに電源ケーブルが延びています。ケーブルはよくあるように床にテープで固定しています
        • Computer Musicの映像と演奏のコラボを見て、まったく普通のクラシックのオーケストラの演奏とコラボする映像があったら面白いと思った → 実際にはたくさん事例があります(去年のアルスエレクトニカ2011でも見ました)が、これが以外に、僕はあまり好きではありませんでした。生のオーケストラというのは、指揮者と楽団員とがステージ上にずらりと並んでいて、当然ですが音楽とともに動きがあり、この視覚的な世界が十分に良いので、その背景のスクリーンに映像が投射されても、僕にはどちらかというと邪魔でした(^_^;)
        • 「音」を映像化したり、映像を音にした「曲」というのもあるのではないか → これはComputer Musicの世界では古典的なアイデアです。実例を紹介できるかどうか微妙ですが(^_^;)、これぞという実例を1本、1990年代のICMC(Computer Music国債会議)で撮ってきた記憶があります。発掘できたら紹介します
        • SUAC開学当初の話が興味深かった。1期生以外に学生がいないという状況は、見本/手本となる先輩がいないので大変だろう。ただし好きなように歴史/伝統を作っていける、というのは羨ましい → 1期生しかいない開学1年目は、2回生以上の講義しか担当しない専任教員はまだ着任していないので教員もやや少なかったですが、1回生向けの講義しか無いので時間はものすごくあったので、講義時間以外にも、学生に手取り足取り、密着して教えることが出来ました。これは1期生の特権です(^_^)。2年目になると学生は倍増し教員の担当講義も増えるので、この密着度は相当に低下しました。3年目になれば、もうほとんど現在と変わらない大学になっていきました
        • MAFのように、他大学の学生の作品や、学外の作家の作品に触れる機会がSUACで実現された、というのは大きいと思う → MAFは大学の方針変更でオシマイになってしまいました(;_;)が、本年度、この方向性を引き継いだ新しいイベントが企画されていて、2013年2月に開催します。興味のある人はぜひ、スタッフに名乗り出て下さい(→長嶋にメイル)
        • ICCの事例から、メディアアート作品は、制作するときの開発コストだけでなく、展示を続けるランニングコストも大きい事を知った → これがとても大変なのです(^_^;)
        • 碧風祭の時にSUACに来ていたOB・OGが、昔のSUACの方が、もっとイベントがたくさんあって活気があったと言っていた。自分も含めて、消極的な学生が増えているのだろうか・・・ → これは当事者は分らないと思いますが、開学の2年前からずっと一緒の僕から見れば、長期的傾向というのは分ります。入試の偏差値など平均的なレベルで言えばSUACの学生の「質」はずっと緩やかな右肩上がりで向上していると思いますが、突出して頑張る(突出して成長する)、という学生が減っているのは事実だと思います
        • 「ルミネセンス」の展示場所はトイレ(便器の上)である必要はあったのか? → とにかく「暗い」「閉鎖された」空間が欲しかった、ということで、便器はどうせ暗くて見えないので必須条件ではありませんでした。ただし毎朝、化学物質を調合準備(洗浄)するのに、手洗いがあるのも便利なので、トイレを活用しました
        • 最近のメディア造形学科のインスタレーション作品では、視覚に出すものばかりで「触覚」を重視したものがあまりないように思うので、考えてみたい → 触覚の場合には、実際に手に触れるところを制作(造形)する必要があり、たしかに、最近はちょっとここが淋しいと思います(^_^;)
      • 「嗅覚」「吸い込み感覚」インスタレーション作品の事例紹介(アルスエレクトロニカ)
      • 「影絵」インスタレーション作品の事例紹介(SUAC学生/アルスエレクトロニカ)
      • 「SUAC MAF」とMAF2001
        • メディアアートフェスティバル(MAF)とは
        • その発端と終焉 ★
        • MAF2001の概要
        • ライヴComputer Musicコンサート ★
      • 欧州ツアー2001」のお話 (2001年9月)
        • ことの遠因 : 東野珠実氏との出会い(1997)
        • ことの発端 : Johannsen教授との出会い(1998)
        • 長嶋へ国際ワークショップへの招待
        • 尺八・大師範 / 箏・師範の招請
        • 国際交流基金への申請
        • パリのワークショップ
        • カッセルのワークショップ
        • カッセルのコンサート(2回)
        • ハンブルクのコンサート
        • フォトレポート
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • MAF2001コンサート作品集
        • 長嶋・欧州ツアー作品公演風景
        • インスタレーション作品集

    • 9日目(2012.11.28)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 「ストローで吸い込む感触」というのはどうやっているのか → ストローに電磁的な「弁」が付いていて、これをコンピュータ制御で1000分の1秒単位ぐらいの精密さで細かく開閉制御することで、吸い込む息に対する抵抗感覚を色々に設定できるようにしているものと思われます。これに類似した技術としては、NTTが開発した微小振動技術で、指先に「目をつぶっていると何か色々な材質の物体を擦っている」と感覚させるパネルなどもあります
        • メディアアートや現代アートは、なかなか「万人受け」は難しいと思うが、長嶋は作家としては「たくさんの人に見て(聞いて)欲しい」のか、それとも「自己満足でいいや」と思うのか → コンサートで、一般的な聴衆に対して「万人受け」を求めて、聞きやすい音楽にする、というのだけは避けています(^_^;)
        • ストローを多数の来場者で使い回すのだろうか → ちゃんと「来場者ごとに使い捨てのストローとして多数並べていたので安心した」と書いている学生もいたので、そこをきちんと見ていなかった、という証明になりました(^_^;)
        • シーズ指向の新しい技術を開発した企業と武蔵美や多摩美がコラボした、という事例があったが、SUACで企業とコラボしたような事例はあるのか → メディア造形学科でも現在、ある県内企業から委託された開発が、教員と学生のチームで進んでいます。あまり派手に宣伝していませんが、生産でも空間でも同様の活動はかなりあります。僕自身も開学以来、これまでに数件の受託研究を行ってきました。SUACでは情報公開として、「受託事業」というのをどこかに公表している筈ですので調べてみて下さい
        • SUAC学生作品では個人制作が多いようだが、グループ制作のメリットもあるのではないか → 総合演習と卒業制作という課題作品の場合には、グループ制作の場合にそれぞれのメンバーの関与度などを評価するのが難しいので、メディア造形学科では基本的には個人制作としています。ただし過去には特例として共同制作を最初から宣言して学科教員のOKを経て制作した大作Flashもあります。→ これです
        • 長嶋作品の「笙の息づかいで映像が変化する」公演は、ステージ上の演奏者自身が自分の演奏で変化する映像とインタラクティブにやりとりしているのを、聴衆は「その外の第2の体験者」として見守る構図に思えた → いい視点です。ライブComputer Musicの面白さは、演奏者自身が、いまライブに起きていることを即興的に楽しむ/変化させる、というところが醍醐味です(^_^)
      • インスタレーションの体験的デモ
        • 長嶋インターフェース作品「光の絃」
        •  →そのメイキングの解説
        •  →音楽演奏での事例紹介 (Kobe、Vancouver)
        •  →インスタレーション作品としての事例紹介
      • 2002年の熱い夏」のお話
      • MAF2002コンサート : ライヴComputer Musicのいろいろな形態
        • 由雄 正恒
            "continuo" 低音楽器とコンピュータのための
            cello : 中川 梨絵
        • 中村 文隆
            Echostique
            Tuba : 中村 文隆
        • 岡本 久
            MIDISAXと同期映像のための "Variation"
            MIDISAX : 江唐 珠美
        • 平野 砂峰旅
            SightSound -voices-
            コンピュータ、Live Electronics : 平野 砂峰旅
            ボイス : 菊池 悠子
        • 長嶋 洋一
            Berlin Power
            Bass Recorder : 長嶋 洋一
        • 佐近田 展康
            機械ミッション
            Trumpet : 曾我部 清典
        • 赤松 正行
            Grand Pianissimo
            演奏 : 赤松 正行
        • 三輪 眞弘
            SendMail v3 for Trumpet and Piano
            Trumpet : 曾我部 清典
        • 東野 珠実
            "I/O" for Sho and Live Computer 2002
            笙 : 東野 珠実
        • 後藤 英
            CsO
            パフォーマンス : 後藤 英
            VJ : 710.beppo
            グラフィック・オペレータ : 小島 一郎
        • Joshua Kit Clayton
            Interruption
            Computer : Joshua Kit Clayton
            Computer : Susan Costabile
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 「光の絃」を使った長嶋作品
        • Berlin Power
        • グロボリンクス

    • 10日目(2012.12.05)
      • 本日のアートアニメーション "The Process"
      • 最近のDaily Reportについて
        馴れてきたのか、最近のDaily Reportのレベルがやや低下しているのが気になります。「単なる感想ではなくて」というのに単なる感想だけ、あるいはたった1-2行とか4-5行のコメントで、出席点の1点だけを積み重ねている人がかなりいる(出席点は毎回5点満点)ので指摘しておきます
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 「光の絃」インスタレーション作品を実際に体験できてよかった(多数) → やはり体験することは大きいようですね(^_^)
        • 「光の絃」の部品の価格に驚いた → 光ビームのセンサが1本あたり3万円(16本の光ビームのために計48万円)は高い、と思うかもしれませんが、あのセンサはFA(ファクトリーオートメーション)用の高性能センサです。あの光ビームが、いろいろなメーカで大量生産する工場のベルトコンベアーに多数、設置されていて、ミクロン単位で部品の移動を検出して自動ロボットが加工していきますから、精度とともに、何百万回と動作させても絶対に故障しない、と品質保証されているものです。1個のセンサが故障しても、工場のベルトコンベアーが停止して、その損害は1日で何百万円とか何千万円になる、という世界で使われる「プロの部品」ですので、ちっとも高いことはありません
        • 世界に一つだけのオリジナル楽器やインスタレーションのシステムを作る場合、「故障に備えて」とか「ステージ公演とロビー展示(解説)」とかの理由でさらに別に作ることはあるのか → 一般的には「無い」と思います。故障したらその場で修理します。僕の場合、海外での公演などに持参する場合、スーツケースにはハンダごてや工具も必ず持参します
        • 長嶋のマルチメディア公演を見て、パソコンの音楽再生ソフトとともにCG映像が出るものは、単なるランダムパターンでなくて音楽と同期しているのか、と気になった → Windowsのプレイヤーについては知りませんが、iTunesのビジュアライズ機能の場合には、ムービーを再生しているのでなくて、そこでいま鳴っている音楽の音量や音質(周波数帯域ごとの強度)などに対応して、リアルタイムにCGを生成しているので、音楽に反応しています。よく見てみましょう
        • SUACのMAFが海外のアーティストとかまで呼んでいた事に驚いた。国内よりも海外の方がメディアアートは盛んなのか → YESです。日本ではアニメとかオタクとかの陰に紛れていますが(^_^;)、海外ではもっとメディアアートの歴史が長く、市民の文化としても定着している地域がいくつもあります。例えばオーストリアでは国を上げて、子供の頃からメディアアートに触れたり創作したりする事を支援しています。おいおい事例を紹介できると思います
        • 「光の絃」インスタレーション作品で、スクリーンの動画(自分が映っている)が視覚的に遅れてズレているのが気になった → よく気付きました。これは体験している本人だけが気になる(周囲で見ている第2の体験者は気付かない)のですが、ビデオカメラからのライブ画像をコンピュータに取り込む際のディジタル化、コンピュータ内部でリアルタイム画像処理する遅れなどにより、レイテンシ(遅延)は数十ミリ秒から100ミリ秒のオーダとなります。気になる人には耐えられない遅さです
        • 「人体音楽」の学会発表ページにビンクフロイドの「狂気」のジャケット写真があったのが気になった → 「狂気」の冒頭とラストに心臓の音が出て来ますので、「人体音楽」と聞いた瞬間にこれを思い出した次第です(^_^;)
      • MAF2002のインスタレーション作品の紹介
      • MAF2002の映像作品の紹介「朗詠」
      • MAF2003について
        • MAF2003のインスタ作品(空間造形学生)
        • MAF2003は「インカレ2003」と併催
        • インターカレッジとは
        • 過去のインカレでの芸文学生の活躍
        • 最近のインカレ
        • 今年のインカレ
      • 16世紀の音楽が21世紀にメディアアートとして蘇る
        • MAF2001瞑想空間ライヴから1曲
        • Thomas Tallis
        • 「サウンドスケープ」「空間音響」
        • 40声のモテット "Spem in alium"
        • 21世紀のアルスエレクトニカで蘇った形態とは・・・
      • Computer Musicの「楽譜」について - 長嶋の事例より
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "The Process"
        • 内田涼子 「朗詠」
        • 内田涼子+安藤桜蘭 「いと」 (ごく一部)
        • アルスエレクトニカ版の"Spem in alium"

    • 11日目(2012.12.12)
      • 本日のアートアニメーション "Regulator"
      • 最近のDaily Reportについて
        先週は何故か、それまで欠席の多かった3-4回生のレポートがたくさんありました。突然に出しても単位には届かないので、これまでの出席率が半分程度の人は単位取得はあまり期待しないで下さい。「単なる感想ではなくて」というのに単なる感想だけ、あるいはたった1-2行とか4-5行のコメントで、先週の出席点が1点の人がまだいる(出席点は毎回5点満点)こともあらためて指摘しておきます
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 教会での現代テクノロジー版の「40声のモテット」は、人間の40パートに対応した40個のスピーカから鳴らすのでなく、40声での演奏を録音したCDを再生するのでは駄目なのか → 駄目です(^_^;)。CDというのはステレオ(2チャンネル)、DVDでも5+1チャンネルしか無いので、隣りのパートの音が混ざってしまい、40個のスピーカから別々の音が出るほどの分離(空間音響)は出来ません。通常のコンピュータの多チャンネルシステムというのは、最大でも10/12/16チャンネル程度が限度なので、この作品公演のためには専用のディジタルオーディオシステムを開発して、響きの少ないデッドなスタジオで、40パートそれぞれを近接マイクで(隣りのパートの音が入らないように)特別に録音する、という大変な労力があって実現されています
        • 現代テクノロジー版の「40声のモテット」を演奏した、あの美しい教会はどこなのか知りたい → オーストリアのリンツ(ウイーンから電車で2時間)の中心街、ハウプト広場からメインストリートをドナウ川の反対側(リンツ駅に向かって)に歩いて数分です。GoogleMapだとここです。Google写真だとこれです
        • 「朗詠」の内田涼子さんの行動力に驚いた(多数) → ちなみに何人もが誤解していましたが、インドに単身行った内田涼子さんは芸文でなく技術造形学科の1期生(長嶋ゼミ)です。内田さんの「朗詠」の音楽を作ったのは芸文の杉山クン、内田さんとコラボで「いと」を作ったのは芸文の安藤さん、と、他に登場したのは芸文の先輩です
        • CD版(mp3)のタリスを再生したiTunesのビジュアライザで、音量だけでなく音質にも対応している、という事だったが、どういうことか → 低音・中音・高音、などというように、サウンドには周波数帯域(どのあたりの周波数の成分が含まれているか)という特性があるので、いくつもの周波数帯域ごとに分割して、それぞれの成分の強さを検出して、それがリアルタイムCGの良い祖に反映されていました
        • 長嶋のComputer Music楽譜に、時間的な推移に対応して「横方向」(伝統的な楽譜と同じ)だけでなく、「縦方向」があったが、どういう意図か → たまたま「縦でやってみたかった」(^_^;)ということです
        • 「40声のモテット」はヘッドホンでは駄目なのか → ヘッドホンは左右ステレオなので、この音楽の真の姿は聞けません(^_^;)
        • 音楽経験もあり楽譜にも親しんでいるのでタリスの楽譜を追えるかと思ったが見失った。何故なのか → まず、演奏者として楽譜を見るのと、指揮者が楽譜を見るのでは、見方が違います。ただしこの曲の場合には、声部が40パートと多いだけでなく、一貫して演奏を続けるパートの無いポリフォニー音楽なので、難易度は相当に高いものとなります。猛者はこの手のポリフォニーを初見で楽しみますが、その場合には演奏者として自分のパートを見ているだけでは駄目で、同時に他パートを常に指揮者の視点で追いかけています。これが楽しい(^_^)
        • 長嶋のComputer Music楽譜に、演奏記号や表情記号だけでなく、「○分○秒」と時間が書いてあったが、あれは「目安」なのか → NOです。一部の曲ですが、背景音響パートを事前にスタジオで制作したタイプの作品で、広い意味ではカラオケと同様に全体の尺が固定しているものです。ただし演奏者がパフォーマンスするパートについては即興に対応してかなり自在にその場限りの音が出たり、演奏情報に対応して伴奏パート(コンピュータ)もライブ音響生成します。このタイプでは、演奏者の足元にタイマー表示を出したり、画面一杯にタイマー表示するパソコンを置いたりすることで、演奏者は楽譜から「次に起きること」を予測して即興的に演奏することがてきます
        • 大きなインスタレーション作品の場合に、試作とかをするのか → いきなり本番でなく、ときにはミニチュアモデルを作ったり、3D-CGのコンピュータ内に造形物と体験者の大きさを配置してシミュレーションしたり、部分的な実験とか試作をすることはとても多いです
        • インスタレーション作品で「時間を巻き戻す」というような作品が多いのに気付いた → 我々は単一方向の時間の流れに逆らえずに生きているためか、タイムマシンというのは人類の永遠のテーマです。そのためか、メディアアートの力を借りてそれを実現しよう、というアプローチはとても多いです(^_^)
        • 長嶋のComputer Music楽譜で、図形として模様やパターンが色々違ったものが並んでいたが、意図はあるのか → ある模様はこういう音、というような直接的な対応はありませんが、この部分と別の部分で模様やパターンが違うということは、同じ奏法で同じような音でなく違ったものを出して欲しい、というイメージを伝えています
      • MAF2004について
      • NIME04について
      • NIME04のプロデュースの経緯 ※芸文的には参考となるのでは?
      • NIME04の参考ムービー/デモ等
        • MAF2004コンサート - 東野珠実(笙)+木村まり(バンオリン)+長嶋洋一(ライブプロセッシング) - 全てアドリブです
        • 木村まりさんの「サブハーモニック奏法」
        • 岩井俊雄さんの基調講演
        • 「靄夜」関連いろいろ
        • 木村まり "GuitarBotana" - 自動伴奏ロボットとの競演
      • いろいろなComputer Music/音楽情報科学関連のサンプル紹介
        • 大気汚染の音楽
        • 血流の音楽
        • 自動伴奏 (1985)
        • 無い腕が音楽を演奏する
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "Regulator"
        • NIME04オープング
        • "GuitarBotana"
        • MAF2004コンサート
        • ICMA研究紹介ビデオより

    • 12日目(2012.12.19)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • コンピュータ音楽で、動物との共演とかはあるのか → マッドサイエンティスト臭が漂ってきますが(^_^;)、あります。一部を紹介します
        • 木村まりさんが、ステージでドレスを着たりしないのは何故か → クラシックのコンサートではドレスを着ますが、Computer Musicのコンサートではあのような衣装で演奏する事もあります。コンサートであれば演奏者は必ずドレスだ、というのは古びた固定観念です
        • 売る(伝える)ための商業音楽と、伝えるのを目的としない音楽と、音楽には2種類あると思う → そういう意見もありますが、後者を追求する音楽家の中には、前者は音楽じゃない、という人達もいます(^_^;)
        • 最後に見た"Regulator"というアニメは何を風刺していたというのか → とりあえず現代の「命の軽さ」というのは誰も分るところかと思いますが・・・
        • Computer Musicとは、技術的に評価されるのか、それとも音楽的に評価されるのか → 両方です。ICMCでもNIMEでも、コンサート部門のコンペの審査項目にはその両方があります
        • 普通の現代音楽の即興性に比べて、Computer Musicでは「プログラムという、管理された偶然性」があるのでは、と思った → 非常にいい着眼点です(^_^)
        • "GuitarBotana"の演奏中に、木村まりさんがバイオリンを弾いているのにロボットが沈黙している瞬間があったが、どうなっていたのか → あれは、あの部分はまりさんの即興パートであり、次のシーンに進んでいくための合図となるフレーズを、ロボット(プログラム)が、じっとまりさんの演奏情報に聞き耳を立てている状況だった、という事で、作曲の通りに音楽が進んでいました。トラブルとかではなく正しい状況です
        • 前回の"The Process"に続いて、同じ作家グルーブの続作"Regulator"を鑑賞することで、より彼等への理解が深まった気がする → なかなか続則まで紹介できる事例はありませんが、これは作家の理解のためには重要なアプローチです。たった1つの作品で作家や作風を判断するのは危険だと思います
      • 「KickStarter」の紹介
      • いろいろなComputer Music/メディアアートのサンプル紹介
        • ハムスター・シーケンサ
        • コックローチ・ロボット
        • 髪の毛をバイオリンの弦にする
        • 植物と人間の共演
        • 長嶋作品「ピアニストがピアノを弾かずに演奏」
        • 長嶋作品 "Mycoplasma"
      • 「アルスエレクトロニカ」について
        • Ars Electonica とは
        • Ars Electonica Center とは
        • Ars Electonica Festival とは
        • Prix Ars Electonica とは
        • リンツとオーストリア
        • いろいろな事例紹介
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • アルスエレクトロニカ金賞 "Tim & Tom"
        • アルスエレクトロニカ金賞 "Ryan"
        • 長嶋作品 "Mycoplasma"

    • 13日目(2013.01.16)
      • 本日のアートアニメーション アルスエレクトロニカ金賞 "Fallen Art"
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • アルスエレクトロニカの部門が頻繁に変化しているのはナルホドと思った(多数) → メディアアートは時代とともに変化し、去年まで無かった新しいものが登場して関連したアートが生まれるので、これはずっと続きます
        • "Ryan"をもう一度、見てみたいと思った → YouTubeにありました
        • "Ryan"をの日本語(字幕)バージョンはある? → たぶん無いと思います。あの年の金賞作品なので、日本語での作品解説のページはWeb上で探したら出て来る可能性はあります
        • 「KickStarter」のシステムは初めて知ったが、いろいろな意味で優れたツールであると思う(多数) → これも広い意味でオープンソースの文化、皆んなでhappyになろう、というインターネット時代のムーブメントだと思います。芸文としては活用すべきでは?
        • あの光る眼鏡は輝度は調整できないのか → 出来ます。defaultで入っていたプログラムのデモがあれだっただけです
        • "Mycoplasma"は嫌だった(多数) → そういう意見は想定内です(^_^;)
        • "Mycoplasma"は気に入った(数人) → そういう意見も想定内です(^_^;)
        • 植物と音楽する、というのが昔からあるのに驚いた → こんなのもありました
        • 最初は面白いと思った作品の記録ビデオが、単調に続くことで長いと感じて飽きてきた → 現場のライブではそうでもないのですが、記録ビデオなので仕方ない一面もあります
        • いくつものComputer Musicサンプルは、他人に聞かせるというより自己完結している印象が強かった。分る人だけに分ればいい、という音楽に助成金を受けて活動する作曲家はそれでいいのか → それでいい、というので審査されて助成を受けているのだと思います(^_^;)。ちなみに世界には、まったく他人に聞かせることを目的としない)音楽(他人には聞こえないほど小さい音)、というのも存在します。自分に聞かすだけの音楽です。アジアの民族音楽を調べてみましょう
        • "Mycoplasma"の朗読自動音声やマイコの声の変化は多彩だったが、すべていちいち周到に計算してプログラミングされているのか → YESです。それを作曲と言います。マイコの声を的確にサンプリングする操作はライブの醍醐味でした
        • 「KickStarter」の趣旨には賛同するが、やはり詐欺とか出来そうで怖い(多数) → 僕が今回、出資して入手した2件は、いずれも過去の国際会議で友人になったデザイナ/スタジオの企画作品です。提案者を知っているから、安心してクレジットカードの情報を入力して応援しました。いくら素晴らしい企画でも、知らない人の企画には、たぶん僕も出資しないと思います(^_^;)。そういう意味で、たった1ドルの「応援」だけ、という「お試し」に出資(登録)して、本格的に稼働するまで見届けてから実際に購入する、というのもアリなのかと思います
      • 前回まで12回の出席点(毎回のDaily Report評価点の合計)について
        • 集計しましたので希望者には現状の出席点を口頭で回答します。本日だけで、後日の問い合わせの機会はありません
        • 出席点が60点に到達した人は、残りを欠席(Daily Report未提出)して最終レポート未提出でも、少なくとも単位になります
        • 残り3回の出席点が仮に満点(5*3=15点)で、最終レポート(今年は30点満点を予定)が仮に満点であっても、合計が60点未満の人は単位となりません
        • 夏休み中から掲示して予告していたように、この講義では他科目では履修登録期間の1週目から本論に入って、初日のDaily Reportから出席点としてカウントしています
        • 今年は例年になく、ここまで12回を皆勤で出席している学生が少なかったようです。3回生で1人だけ(56点)、2回生も6人だけ(全員52点以上)でした
        • 2回生で52点以上は11人で、60点満点が1人、59点が2人、57点が1人、と続きます。1回欠席で54点が2人います
        • 「5点」となったDaily Reportの一例 →
        • 「2点」となったDaily Reportの一例 →
      • 「メディアアーツ論」残り3回の予定
        • 今週(1/16) - ピリピリ、ボーカロイド、ロボット、CGMなど
        • 次週(1/23) - 長嶋ライブComputer Musicのデモ(セッティング)とパフォーマンスなど、授業アンケート(15分短く終了)
        • 最終回(1/30) - NIME04での岩井俊雄さんの基調講演など
        • 試験期間(2/6) - ナシ、最終レポートのみ(来週までに提示します)
      • 「メディアデザインフェスタ」と「スケッチング・ワークショップ」について
        • ミニMAF的な展示も予定
        • 卒展でなく学部3回生/M1の作品展示
        • 他大学も展示して交流し評価し合う
        • スタッフとして協力する学生を歓迎 → メディア造形学科・的場先生に連絡
        • 興味ある学生(芸文でもOK)のワークショップへの参加も歓迎
          ※ユニークなパフォーマンスをする女性アーティストも来ます(過去に「メディアアーツ論」で特別講義をした事もあり)
      • 年末年始に入手した4本のショートムービーから色々と考える
        • Displair
        • PianoStairs
        • Robot_Band
        • Muscle_Band
      • 「ピリピリ」について
        • まずは体験してみよう
        • システム制作の経緯
        • IAMASでのメディアアート作品への適用事例3件
        • SUACでのインスタレーション適用事例
      • 「ボーカロイド」について
        • 初代のボーカロイドを聞いてみよう
        • 技術的な背景と当初のヤマハの戦略
        • 「初音ミク」以降の展開
        • 音楽情報科学との関係 - 「ぼかりす」
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • アルスエレクトロニカ金賞 "Fallen Art"
        • 4本のショートムービー
        • 「ピリピリ」を応用した作品事例4本
        • 「ぼかりす」デモムービー

    • 14日目(2013.01.23)
      • 本日は「授業アンケート」があるので15分短く終了します
      • 最終レポート課題をこのページの下の方に提示しました
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • ロボットバンドの演奏動画は、ロボットが人間の形をしているのが良かった → 日本ではロボットと言えば人間型ですが、海外ではその機能を実現するために最適な形で、人間型にこだわらない事が多いです。この動画の作家たちは、敢えて人間型にこだわっているのがポイントです(^_^)
        • ピリピリのパフォーマンスはSMショーと紙一重だと思った → コンセプトがどこにあるかは全く違いますが、一見した場合にはそうも言えると思います
        • ピリピリの感覚は後まで残った → 電気刺激により筋肉が瞬間的に硬直するので、その「疲労」は残ります。スポーツと同じです
        • 最初にピリピリを体験してから事例紹介に移ったのは、実感できて良かった(複数) → やはり体感は重要ですね(^_^)
        • 死なないとしてもピリピリのパフォーマンスの持つ「危険性」が観客にも演技者にも魅力なのか → 「危険」というのは、サーカスと通じる、一種のエンタテインメントです
        • 微小振動などの触覚インターフェースが実用化されれば、ソファや服の触り心地を伝えたネットショップが可能になりそうだ → まさにそのようなビジネス可能性が豊富なので、各社は競って技術開発しているわけです
        • ビリビリのような電気刺激で人間の知覚を拡張すると、例えばピリピリ眼鏡をかけたら頭の後ろも見える、とかも可能になるのか → さすがに眼球の向いていない方向はどうやっても見えません(^_^;)
        • ボーカロイドの魅力は、極限まで人間の歌声に似せるというよりも、あの不自然さにあるのではないか → いい着眼点です(^_^)。相当に進歩しているものの、生身の人間の歌声に完全に一致したり超越するというのは難しいです。ただし超高速な歌詞で歌う、というのは人間をはるかに凌駕できます(音楽的に意義があるかどうかは別ですが)
        • ボーカロイドはあそこまでリアルな歌声も作れるのに、オタクは何故、機械的な歌声が好きなのか? → それはオタクに聞いて下さい(^_^;)。そういうのが好きだ、というのがオタクなのかもしれません
        • ピリピリとか、ステラークとか、自分を傷つけて芸術になるアーティストというのはまったく理解できない → 一般市民の感覚としては、これがまさに大多数です
        • ロボットバンドの演奏動画は、ベースの動きの少なさにこだわりを感じた → 同感です。ただし、YESのクリス・スクワイアのようにアクロバティックなベーシストもいるのですが・・・
        • ピリピリを使ったインスタレーションは、体験者が能動的に作用すインスタレーションにおいて「受動」でもある、という点が面白いと思う → これは「インタラクション」の本質に通ずる重要な視点です。働きかけをして、それに応じて(あるいは意表をついて)何かが返ってくる、ということがあると、人間の働きかけの精度は格段に向上します。僕が画像認識(何も物理的に返ってこない)をあまり好きでない理由はこれです(^_^;)
        • "MIBURI"プロジェクトの話が気になる → 時間があれば紹介するカモです
        • 駅の階段をピアノにしたパブリックアートは、インスタレーション作品が作家のもの、と閉じていないところが良かった → これからの時代に注目度が増している視点です(^_^)
        • 皆んなで手を繋いでピリピリを体験したが、あれは電池と豆電球の回路から類推すると「直列回路」なので、全員が同じ電気刺激を受けていたことになるのか → 直列回路というのは正解ですので、全員に同じ「電流」が流れました。ただし個人個人の「電気抵抗」は異なるので、抵抗の小さい人(wetな人)は「電圧」は小さくて、抵抗の大きい人(乾燥している人(^_^;))は「電圧」が大きかった事になります
        • 長嶋はボーカロイドをいじった事はあるのか → 最初の「初音ミク」が出た時に購入して、研究室のパソコンでは動作環境に不足していたので専用のパソコンも買いましたが、ちょっと触っただけで、ほとんど何もせず放置して数年になります(^_^;)。自分であれを使って作曲したい、と思った事もありません
        • 「煙のスクリーン」に手を伸ばして反応していたセンサは、赤外線に反応しているのか。それだと虫には反応しないのか → あのセンサ(Kinect)は赤外線の画像センサですのでYESです。虫だと体温が低いので反応しにくいです
      • 芸文ならぜひとも参加してみて下さい(2/2 - 2/7のどこか)
      • 「メディアデザインフェスタ」と「スケッチング・ワークショップ」について(再)
        • スタッフとして協力する学生を歓迎 → メディア造形学科・的場先生に連絡
        • 興味ある学生(芸文でもOK)のワークショップへの参加も歓迎
          ※ユニークなパフォーマンスをする女性アーティストも来ます(過去に「メディアアーツ論」で特別講義をした事もあり)
      • 今回、当初は「長嶋ライブComputer Musicのデモ(セッティング)とパフォーマンス」と予告していましたが、準備のために機材を確認していたところ、2001年に制作して、これまでフランス・ドイツ・カナダ・オランダ・台湾・ロシア・ノルウェーでの海外公演などで活躍してきた、オリジナルの筋電センサ「MiniBioMuse-III」(現物を紹介します)の筋電電極ベルトの片方が破断していて修復困難(退役)である、と判明しましたので、ナシとなりました(_o_)
      • 「触らない楽器によるパフォーマンス」の事例紹介(長嶋)
        • 筋電センサ「MiniBioMuse-III」の事例(欧州公演)
        • 「Peller-Min」の事例(デモmovie)
        • 新作でのロシア公演
      • Y社が忘れたい過去のプロジェクト - "MIBURI"
        • "MIBURI"とは
        • "MIBURI"同梱のビデオを見てみよう
        • 何故、この商品はまったく支持されなかったのか
        • 長嶋オリジナル改造"MIBURIセンサ"の紹介とデモ
      • 「CGM」について
        • 初音ミク、MAD映像
        • ニコニコ動画
        • CCとCGM
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 長嶋オリジナル改造"MIBURIセンサ"の紹介とデモ
        • 筋電センサ「MiniBioMuse-III」の事例(欧州公演)
        • 「Peller-Min」の事例(デモmovie)
        • 新作でのロシア公演
        • "MIBURI"同梱のビデオ

    • 15日目(2013.01.30)
      • メディアデザインウイーク2013について
        配布チラシ(暫定版)では、「2/2(土)のワークショップのみ、Web(http://nagasm.org/1106/MDF2013/cfw.html)による事前参加申込者のみ参加できます」という情報が欠落していますので注意して下さい
      • NIME04・岩井俊雄氏の基調講演より
      • 本日は最終日ですので、本日のDaily Reportには「質問」的な内容は記述しないで下さい。回答する場がありません(^_^;)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • MIBURIのような楽器を作る、というヤマハの挑戦の姿勢は評価できる(複数) → 補足しますが、ボーカロイドでもFM音源(DX-7)でもそうですが、商品化したのは初めてとしても、ヤマハがゼロから全てを自力で研究開発・発明したわけではありません。Computer Music研究の世界では、1980年代から身体にセンサを付けるアプローチや作品公演、新センサの研究発表などが続けられていて、ヤマハは調査のために国際会議ICMCに社員を派遣しては、アイデアをいただいて日本で特許出願する、という活動を重ねていました。MIBURIという商品が発表された時にも、世界のComputer Music研究者は「あぁ、数年前に発表されたアレがこうやって商品化されたのか」と誰も驚かなかったというのが、MIBURIの出た1990年代前半の状況です
        • 長嶋作品のパフォーマンスでは、ピアノやストリングスなど奇麗な音も出せるのに、敢えて怪しげな音にしているのがこだわりだと分った → 怪しげかどうかは色々ですが(^_^;)、特定の楽器音色、特定のピッチやスケールの構造、というのを採用すると、出て来る音楽がクラシックやポップスの亜流になってしまうので、単純なサイン波形、それを歪ませたFM音、あるいはホワイトノイズ(全ての周波数成分を持つ)などのサウンド素材を使うことが、長嶋に限らずComputer Musicの世界ではよくあります
        • 最終レポートで「手書き」するのに、シャープペンでも大丈夫か。ボールペンの方がいいのか → 筆記用具は問いませんが、読みやすくあって欲しいです。シャープペンで薄く書かれたものはとても読みにくいのでHBか2Bの芯にして下さい
        • 長嶋作品の説明の中で「FMに切り換えて音を歪ませた」とあったが、FMとは?? → 1999年にWebに置いたこのページに、サンプルサウンドmp3を置いて改訂しましたので、その中の「周波数変調」のところを調べてみて下さい
        • 演奏している姿がかっこ良くないのが敗因だったと思う → たぶんカッコいいつもりだったんだと思います(^_^;)
        • 何でもやってやろうとする姿勢の長嶋が、何故ボーカロイドに興味を抱かなかったのか。自分が歌うことと関係あるのか → ソフトも専用PCも買って、チラッとやってみた結果、興味を抱かなかったというのが実情です。やってみて興味を持たなかった事は数知れずあります。歌うことと関係あるかどうかは、僕と一緒にカラオケすれば分るかもしれませんので申し込んで下さい(^_^;)
        • MIBURIの、演っている者と聞いて(見て)いる者とのギャップは、現代音楽が受け入れられにくいのと通じるところがあると再認識した → 確かに、あるかもしれません
        • 長嶋作品の公演では、背景映像がサウンドと連動してストーリーを持っているような気がした → 抽象的な映像ですので明確なストーリーとかコンテは皆無ですが、身体動作と発生するサウンドと生成されるグラフィックとの連携を考慮して作曲しています
        • SUAC講堂であった、K野Y子さんの講演の模様が見れなかったのが心残り・・・ → 希望者3-4人に対して春休み中に上映会を企画する、という可能性はゼロではないので個別に打診して下さい。長嶋から何か告知して開催する、という事はありません
        • 新楽器や現代音楽風なメディアアートの要素が、プロのミュージシャンとコラボして完成された音楽(クラシック??ポップス??)を共演する、とういうのは無いのか → 既にスタイルが確立している音楽に、わざわざ歴史の洗練も無いヘンな楽器を使ってまで、確立した音符をなぞる、という意義があまり感じられないのか、それほど無いようです。かつて「シンセサイザー」が初めて登場した時には、当然ですが「スイッチト・オン・バッハ」などのように、過去のクラシックの名曲をシンセサイザーで演奏する、というレコードやコンサートがたくさん登場しましたが、やがて消えました。クラシック音楽はやはり、その歴史とともに成長した古典的な楽器の演奏の方がいい、というように淘汰されていった模様です。新しい道具であれば、せっかくなら新しい音楽を求めたい、という事でしょうか(成功しているか、というのはまた別)
        • MIBURIセンサを使った長嶋作品のように、身体の動きに応じてサウンドや映像が生成される作品では、振り付けのような動きは決めているのか → NOです。パフォーマーはリハーサルの段階で、どのような身体動作に対応してどんなサウンドが出たりスクリーンが変化するか、を試行錯誤しつつ身に付けます。実際の公演では、それぞれのシーンでの「こんなカンジで」という指示が、自由な即興を許しつつ楽譜で提示されているので、パフォーマーはその場で好きに演じ、出したいニュアンスに応じた身振りを自分なりに作り上げます。個々のサウンドはその身体動作により色々に変化しますが、全体として、あるサウンドの世界観の中に入るように作曲(プログラミング)しています。お釈迦様の掌の上で、10万里も自由に孫悟空が飛び回りましたが、あくまで掌の世界の中にいたのと同じです。ちなみにあの作品でパフォーマンスしてくれた学生(ピアノ専攻科の教え子)は、あの公演の体験で身体表現に目覚めて、一時渡米してダンスを学び、音楽教室だけでなくリトミック教室の先生とりました(^_^)
        • 「Bookミン」や「湯のミン」でアベマリアを演奏できるという事例で、音域はどのくらいの幅があるのか → センサから受け取るのはデータなので、そのデータに対応して生成するサウンドのピッチをプログラミングするので、1オクターブでも5オクターブでも、自在な音域を設定できます
        • MIBURIスーツは洗えるとのことだが、普通に洗濯機で洗えるのか → YESです。もちろんセンサ類を全て外しますが、素材は化繊なので普通に何度でも洗濯できます。身体に密着させて「運動」するので、ライブでもやったら汗まみれになるので、洗濯しないで使い続ければ、たぶん匂い立って(臭い立って)きます(^_^;)。センサ固定のためのパッドとかもある特製の服なので、スペアが1着で15,000円もするのです
        • 筋電センサの電極に純銀の円盤を使うことで人間の皮膚と馴染む、という話を聞いて、機械仕掛けとかについ目が行くが、やはり人間の身体が大事なのだ、と思い出した → その通りです。生身の人間の繊細さがあってのメディアアートです(^_^)
        • 赤外線距離センサを使った演奏では、センサに手を近づけるとサウンドのピッチが高くなるのか低くなるのか → センサから来るのは距離データなので、それに対応してピッチを上げるようにも下げるようにも自在にプログラミング出来ます。ロシア/ノルウェー/東京で公演した作品 では、近づけるとピッチが上がるようにしました。途中からはピッチだけでなく、サウンドを歪ませる度合いにも反映させています
        • MIBURスーツがSサイズなので着れなくて残念だった → YAMAHAはS/M/Lサイズ(女性)を出していたようですが僕の持っているのはSでした
        • しっかりMIBURIを演奏していても「当てぶり」のようになる、という欠点をYAMAHAはどう改善したのかが気になった → 結局、画期的には改善できなかったので売れなかったのです(^_^;)
        • 今回のいろいろな事例で、「メディアは身体の拡張だ」という言葉を思い出した → メディアは身体の拡張です
        • MIBURIのデモビデオを見ている限りでは、そんなにハードな感じはしなかったが、どうして筋肉痛になったのか → 音楽演奏というのは、正しく演奏しなければ、例えば半音違うだけでメジャーがマイナーになったりして音楽がぶち壊しになります。全曲の中でたった1音を間違っただけでも駄目です。そういう中、あの不自然な身体記号をただ再現して正しく音楽演奏しようとすれば(あのデモンストレーターは全てヤマハ音楽教室の上級講師なのでプライドも高い)、毎日毎日何時間も、ずっとあのポーズを練習して、それが3ヶ月とか半年も続けば、筋肉痛になるのは容易に想像できますが・・・
        • 単音楽器でなく、せめて和音を鳴らせたら良かったのに → 人間には右利きと左効きがいるので、両手のグリップは左右対称で同じ機能を持っています。そうなると、1音でなくどうやって2音を出すのか、考えてみるとかなり困難(ひたすら混乱するだけ)です。さらに、2音しか出ないと和音としては不足するので、3音か4音ということになり、これはもう「無理」という事だったのでしょう。ちなみに初代MIBURIの失敗のあと、数年後に出た「MIBURI 2」では、ピッチのあるサウンドの演奏を諦めて、両腕と両足の衝撃センサにより、主として打楽器のトリガを出すように改良されました。これはダンスダンスレボリューションのようなもので、少しだけ売れました。打楽器のトリガということは、サンプラーという楽器を使えば、動物の鳴き声とか人間の叫び声とかも出せますので。ただしたしか初めて「MIBURI 2」がテレビに登場した番組では、お笑い芸人が装着してヘンな音を出して笑いを・・・という演出で、こりゃー逆効果だなぁ・・・と思った記憶があります
        • 芸文としては「いかにしたらMIBURIブームを巻き起こすことが出来たか」を考えるというのも大事なのでは → 考えて下さい(^_^;)
        • 長嶋作品の公演で、空気を触って音を操っているようで荘厳な感じがした/長嶋の顔の表情や力を入れる動作が良かった → 機械を操作しているのなく楽器(音楽の道具)を演奏している、ということで、生成されるサウンドのイメージがより伝わるようなある種の演技とか、指揮者の技として顔の表現も駆使します。力を入れるところは、力を入れるフリではなくて実際に力を入れると、センサのデータがグッと出て来て、それで実際にサウンドが歪むように作曲(プログラミング)しているので、あれは見た動作そのまま、本当にそういう音になっています(^_^)
        • ミブリスーツのベルトを自分のウエストに合わせて切るということは、太ったらもう使えないということか → ベルトは普通のベルトでもいいのですが、基本、太るような奴は使うな、というのがパフォーマーの美学です(^_^;)
        • MIBURIのセンサはワイヤレスに出来ないのか → 今なら楽勝で出来ます。1990年当時はコスト的に無理でした

  • 最終レポート課題

    1. 今年のレポートのテーマは「SUAC/浜松発のメディアアート振興策」とする。
      SUACでは2001年から2010年まで、メディアアートフェスティバル(MAF)などで、メディアアートの紹介・発信を続けてきた。2009年10/30-11/3には文化庁メディア芸術祭浜松展と合体してMAF2009を開催した。2011年度は無かったが、2012年度にはメディアデザインフェスタ2013を予定している。 バブル崩壊後、日本でこの新しい領域のアートをメセナとして支援してきたいくつかの企業が撤退/衰退する中で、山口の美術館など、「脱・東京」とともに新しい領域のアートを支援するところも少数ではあるが出て来た。そこで、本年度は「SUAC発のメディアアート振興策」または「浜松発のメディアアート振興策」というテーマでの検討・提案を課題とする。「浜松」は政令指定都市の広域・浜松市に限り、ここで静岡県、または東海地方と絡めた視点は、今年は不要である。

    2. 本レポートでは、他人事のような評論的な立場でなく、十分に調査をした上で、このSUACから、あるいは(アジアの、日本の)浜松から、世界に向けての「メディアアート振興策」を提案し、その必要性・妥当性・実現性・将来性・可能性などについて論ずることとする。事例として先行しているものを調べるのは当然であるが、「調べた事例の紹介」をいくらたくさん書いても無意味であることに注意。他所の事例紹介は簡潔に要約し、あるいはURLを末尾の「参考文献」にリストすれば十分。

    3. 内容は自由。ただし、「誰々はこう言った」をいくら引用して多数並べても、自分の意見にまとまっていなければ他者の心に響かない。他人事でなく自分が確信する立場として自分の言葉で述べることを重要視し、視点や発想において独創的・創造的・ユニークなレポートを期待する。「自分の視点・提言・肉声」の乏しい、単なる受け売り/引き写しの評論・エッセイ・感想文・調査報告などのようなレポートは大幅に減点する。何らかの「建設的・将来的な提案」が必要である。

    4. レポートは手書きとする。手書きに挑戦することの意義を重視したい。インターネットで安易に他人の情報を切り貼りする風潮への抵抗でもある。文字が美しい/読みやすいということは評価の対象ではないが、丁寧に書かれているか雑であるかは読めば判る。生まれつき字が下手であっても、丁寧に書かれたものは相手に伝わる。この心構えの部分はもちろん評価の対象である。

    5. インターネット等で調査したデータ等の資料をプリントして添付(出典を明記することを厳守)することは構わないが、これはレポートの分量としてはまったくカウントしない。単なる資料なので、中身は手書きの本文の勝負である。

    6. 下記の提出する用紙の形式に注意すること。形式不備は大幅減点ないしゼロ査定される。

      • A4」「縦配置」「横書き」「片面」の用紙を使用のこと。図表(この部分はパソコンのプリントアウトもOK。自分の手で作図/作表/描画などした図表はそのように欄外に特記し、他人の著作物を利用した場合には出典を欄外に特記すること。このいずれも書かれていない場合にはこの図表は廃棄する)を含んでもよい。

      • 参考文献として末尾に書籍・文献の情報(タイトル、著者、出版社、出版年、ISBN、引用部分のページ等)を列記するのはOK、ただしネット上の出典情報URLをたくさん列記してもあまり意味が無い(いつ消えたり移動するか不確定なので長嶋はそのURLを手打ちして参照しない)ことに注意。

      • 第一ページ(表紙)には本文を書かずに、タイトル、氏名、学籍番号など、常識的に判断して必要事項を記載すること。

      • A4縦で左側に綴じるための(穴開け)スペースがあるものとする。なお、絶対にホッチキスや糊などで「綴じないこと」。クリップも不要である。必ずページ番号を明記する。

      • 過去に、縦書き・両面・横置きやB4・B5サイズの用紙を提出して形式不備で減点された学生がいるが、一昨年から無条件に廃棄している(0点)ので注意。また過去に、ホッチキスで綴じて点数半減となった学生もいたので注意すること。

      • 提出は必ず、A4封筒に入れて提出すること。封筒は他人のレポートと紛れるのを避けるためだけなので、何も書かなくてよい。

    7. レポートの分量については「2000字以上」とする。分量は評価の基準ではないが、内容が乏しいものは大幅減点する。長嶋は高校3年の冬に3日間で400字詰め原稿用紙50枚、計20000字の「超芸術試論」という論文を書いた経験から、今回のテーマであれば1日缶詰めでまぁ最低でも4000字ぐらいになることを個人的には期待している。

    8. Daily Reportであまりに誤字が多かったので、「正しくない日本語は減点」という評価方針を宣言する。漢字はちゃんと辞書を引いて正しく書くこと。簡単な漢字の語句を平仮名にするのも大学生として恥ずかしいので減点する。

    9. 万一の紛失に備えてレポートのコピーを必ず手元に保存しておくこと。

    10. 提出期間は2013年1月21日(月) から 2013年2月6日(水)まで。

    11. 提出先は1106長嶋研究室のドア前に置いたレポート提出箱。

  • 関連資料・リンク