Report of

インターカレッジ2010

2010年12月 長嶋洋一


2010年のインカレは、例年と違ってかなり変則的になりました。参加作品としては、僕のCommゼミの今村さんのライブコンピュータ音楽作品の公演、さらに竹田さんと藤嶋さんのアニメーション映像作品上映、と充実したのですが、僕が1日目だけの参加で、翌朝からロシアに出かけてしまったので、写真は3日間のうちの初日だけしかありません(^_^;)。参加したのは4回生の3人(今村・片桐・田畑)と勉強のために参加した2回生の3人(奥山・田中・坂本)に、さらに初日の晩から合流してくれた実習指導の嶋田さんでした。皆んな、準備からステージ周り、さらに打ち上げまでよく頑張りました。(^_^)

田畑綾佳

今回私は初めてインターカレッジに参加しました。

作家での参加ではありませんでしたが、このような研究発表会
を見ることができてインスタレーションに対する自分のなかでの
見解がだいぶ広がりました。また裏方として少しだけでしたが
舞台の裏側を見ることができておもしろかったです。普段では
接する機会のない作家さんたちの作品を見たり、交流することが
できてとてもいい刺激になったと思います。
作品にもそれぞれの大学の特色が出ていて新鮮でした。もっと
早いうちに色んな作品に触れたかったなと思いました。

私も今までインスタレーション作品を制作してきましたが、奥が
深いと感じました。音楽に対して全くと言っていいほど疎い私
でしたが、楽しむことができました。
とても勉強になった三日間でした。ありがとうございました。

坂本茜

私は今回参加したIC2010で、多くの刺激を受けることができた。
今回のICに参加させてもらったのは、インターネットなどでは
得られない生のアート作品に触れ、メディアアートというまだ拡張・発展
途中の分野で活躍する同年代の人たちと会ってみたかったからだ。
そして、ICコンサートでのパフォーマンスや、さまざまな大学から
のインスタレーション作品は私たちが大学で学んできた作品の
概念をこえるものだった。
 
ライブパフォーマンスの中で心に残った作品を3つあげる
・IAMASの水元賢興さんのPotential of a cimputer as an instrument
・多摩美術大学の丸山透さん、玉利広太郎さん、間宮尊さんの
  Like"human"Robot.-21-周衝波音
・東京芸術大学大学院の松本昭彦のAntiphon
 
水元さんの作品はラップトップコンピュータを分解していく過程で
基板から抽出した電流を音楽にしてしまうというものだった。これは
アイディア自体に驚かされたし、画面も連動して映し出されていた
のだが、壊れる最後の瞬間とそのあとの静寂がとても印象に残って
いる。また、水元さん本人と懇親会で話をさせていただく機会 があり、
他にも破壊系の音楽をたくさん作っているというお話を聞いて、その
姿勢に圧倒された。
 
多摩美生3人の作品は、身体表現とコンピュータ音楽を合わせた
パフォーマンスだった。これは演技的要素を多く含んでおり、コードが
一人のパフォーマーの胸に繋がっていて身体の振幅の変調を演じる
のだが、その演技は客席すべてが緊張感に包まれながら見入って
しまうものだった。彼らとも懇親会で話をする機会があったのだが、
三人とも情報デザイン学科2回生ということで、私と同じ学年の学生
だったことにも驚かされた。
 
そして芸大の松本さんの作品は音楽もさることながらグラフィックの
美しさに圧倒される作品だった。本人が制作した音楽理論的
アルゴリズムにのっとる演奏の軌道データというのも奥が深く、
完成度の高さを感じさせられた。
 
はっきり言って、音楽の専門的知識はほとんどない私からすると
作品の中でも多くの数を占めていたノイズミュージックはその良さ
がよくわからず、とにかく大音量に圧倒されていたのだが、こんな
作品も世の中にあるのかという衝撃は大きかった。
インスタレーション作品ではGoogle Earthを用いたものや、ドラム
セットでゲームをコントロールする作品、回転する赤外線センサーで
周囲の人の位置情報を得て演奏をする作品などがあった。どの作品も
直に作者の解説を聴くことができ、とても勉強になった。
 
IC2010での体験で私が得たものは、コンピュ―タ音楽に対する興味と
これからの作品制作に対する意欲だと思う。前にも書いたように同年代の
制作者たちの話を聞いて私の中での『作品』の概念が大きく広がった。
懇親会で仲良くなった彼らとまたどこかで会うことができるように私も
自分自身の作品を作っていこうと思う。
 

今村モモ

今回私は昨年見学参加させていただいたインターカレッジ2010に、
発表者として参加しました。「インカレに参加する」「インカレで発表
する」というのは、昨年見学参加してからずっと希望していたこと
だったので、今回それが叶ってとても嬉しかったです。

昨年とは違い、自分が発表者ということもあって、当日はとてもいい
緊張感で本番を迎えました。途中トラブルもありましたが、なんとか
パフォーマンスを成功させることができたので、よかったと思います。
また懇親会では一年ぶりに九州大学の方ともお会いできました。
昨年は見学参加だったので、「こんなものを作りたいと思っている」
程度のことしか話せなかった悔しさがありましたが、今年は自信を
持って自分の作品について話せたのでやはり発表者として参加
したことはとても大きかったと思います。
また、卒業制作にむけてたくさんの先生方からも講評をいただき、
1月の最終発表にむけて改善していくこと、もっと伸ばしていくといい
ところなどたくさんアドバイスをいただきました。
卒業制作まであと一ヶ月、もっといい作品を目指して頑張りたいです。

最後に、今回は私の発表は、たくさんの方に力を借りました。
私1人で絶対に成功できなかったと思います。
長嶋先生、嶋田サン、事前リハーサルから最後の梱包までずっと
手伝ってくれた、みわちゃん、たばちゃん、おくちゃん、さかもとちゃん、
ゆかりちゃん、本当にありがとうございました!

3日間とても楽しかったです。
ありがとうございました。

田中由加里

今回インターカレッジに参加したことで、これからの学生生活を
考えさせられました。社会人や院生の方がいたものの、ほとんど
変わらない年の方がコンサート、インスタレーション、作品を披露
していました。インターカレッジに参加した方々と話しをし、皆さんの
モチベーションの高さや発想の豊かさに本当に驚きました。このまま
学校内だけで留まっているだけではいけないと危機感すら感じました。
今何をしたいのか何を表現したいのか、正直自分は明確なものを
持っていません。デザイン学部だから思いきった事をしてはいけないと
何処かで牽制をかけている所があるのかもしれません。大変だからと
諦めている所があるのかもしれません。インターカレッジに参加して、
自分の面白いと思うものを表現することがどんなに楽しいことなのかを
知ることが出来ました。これを機に、自分の作品制作や今後の授業に
対するモチベーションを一掃したいと思います。また、インターカレッジ
での作品はデザインではなくアートと感じるかも知れませんが、表現
することが違うだけでやっている事は同じように思いました。自分が
表現したいものが表現出来なかったら、他のものを表現する時は
もっと大変なはずです。自己を表現し、自分らしさを発見するため
にも、これからいろんなことにチャレンジして行きたいと思います。

今回このインターカレッジに参加する機会をくださった長嶋先生、
先輩方、誘ってくれた友達に本当に感謝しています。ありがとうございました。

奥山愛悠弥

インターカレッジ初参加だったがとても内容が濃い3日間だった。

初の音大潜入!ということで、周りはみんな楽器を持っていて驚き。
当たり前の光景かもしれないが私にとっては新鮮だった。私も
軽音部でバンドをやっているが、大学にいる生徒がみんな音楽を
やっていると思うと、それだけでわくわくした。1日目は出演者で
あるモモさんの本番で大成功を収めた。花のライトとサックスの
音色がとってもきれいで、切なくて泣きそうになった。来年は私も
モモさんのように出演者として何か発表したいと強く思った。

2日目と3日目はインスタレーションや映像をひたすら見た。年の
あまり変わらない人達が立派に作品を作っていて、焦りを感じた。
私は自主制作をまだしていない。美大で同い年の子が堂々と
パフォーマンスしているのを見て、こうしてはいられないと思った。

懇親会でも、音大1年生で将来はプロになりバンドで食べて
いきたいと強いビジョンを持っている子がいた。ピアノとオーボエ
だけでなくバイオリンにもチャレンジしているという人もいた。
私は一体日々何をしているのだろうか。何のビジョンも持たずに、
何の挑戦もせずに毎日を過ごしている気がする。このままでは
何も達成できず何も得られないまま大学が終わってしまう。
今回インターカレッジに行ったことによってたくさんの刺激を
もらった。ぬるま湯に浸かってはいられない、もっと行動力を
持って自分の作りたいものを作り表現していかなければと思った。
また今回得た人脈を利用してもっと刺激を受けていこうと思う。

片桐美和

私は昨年に引き続き、今回もお手伝いとして参加させて頂きました。

3日間を通してインターカレッジコンサート、映像作品上映会の
作品を沢山拝見させて頂きました。音楽が中心の研究会という事も
あり、映像作品はストーリーのあるアニメ的なものよりも、実写合成や
ファインアートのような作品が多い印象を受けました。また、発表の
見学を通して伝えたい事を伝えるという事がいかに難しいことか、
改めて噛締めておりました。

ICコンサートで特に印象に残ったパフォーマンスは、3日目の首都大学
東京大学院の作品でした。電子共有玩具『PocoPoco』黒の立方体の
形状で天辺に白の円柱スイッチが埋め込まれているのですが、音と
同時に円柱がポコポコ跳ねる姿が可愛らしく、また、演奏者の後ろで
投影されているライブ映像も、シンプルでしたがとても見易くされていて、
観客の事を考えて創り込まれているなぁ、と嬉しく感じ、とても印象に残りました。

また、普段話すことの少ない後輩と話が出来た事もとても刺激になりました。
これからの学校生活での話すきっかけ作りになれたのが嬉しいです。

大学生活最後の年にこのような貴重な場に同行させて頂けました事、
とても感謝しております。今回感じ学んだ事を心に刻んで卒業制作に
全力で取り組みたいと思います。
ありがとうございました。

この翌朝からロシア