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長嶋 洋一


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2025年4月13日(日)

今日から万博が始まるらしいが、全国的に(少なくとも静岡県)ずっと雨のようで、朝にレーダーで調べても地図の「浜松」の字がよく見えない。 こんな雨の中を、今日は午前〜午後と某バイト[2]に出かけるのだが、サンプル教材を含めて大荷物をどうクルマに乗せていこうか・・・と悩ましい。 ただしロボット教室そのものについては、「ミドル」「アドバンス」いずれも既に他教室でやった初回なので勝手は分かっていて、楽しみなのだ。
万博に関しては、「ミャクミャクさきいか」というのが話題になっていたので画像検索してみると、出るわ出るわ、なかなかグロい感じの赤青バラバラになったミャクミャクの断片が袋詰めになっていた。 これは流石の関西趣味であり、少なくとも僕は買わないと思うのだが、まぁ「映える」ということでウケるのだろうか。

2025年4月14日(月)

4月14日である。 今年はこの日を忘れかけていて、一昨日の土曜日に気付いて、慌てて「即日発送OK」という業者を見付けて発注した。 そして昨日、無事に我が家に「スイーツ付き花束」が届いて、今年も事なきを得た。 そんな4月14日は我が家の結婚記念日であり、1985年から30年(正確に30周年なのかどうかは知らない)ということで、「真珠婚」というらしい。 25周年の「銀婚」というのはちょうどCOVID-19で世界中がドタバタしていた2020年4月であり、全く気付くことなく過ぎ去っていた。

昨日スタートした万博は「並ばない筈」なのに行列行列祭りとなったが、事前にチェックして来場してとのことで 万博ゲート前のライブカメラ は上のように、9時04分の時点で既に盛大に行列が出来ていた。 ザッと見たところで「入場まで30分〜1時間待ち?」とか思われ、これは先が思い遣られる。 ニュースによれば、『万博協会は、「チケットのQRコードを事前にプリントアウトするか、スマートフォンのスクリーンショットを撮って保存していただき、入場ゲートで提示していただくことにご協力賜りますようお願いいたします」と、オンライン環境ではない状態で、入場ゲートを通過してもらうことに、協力を依頼しました』とのことで、いやいや、昭和でも平成でもなく令和なのに再び「紙」かよ・・・という万博のようである。
ちょうど1時間後の10時04分の時点での ゲート前ライブカメラ は多少の増減はあったものの以下のようにほとんど変化なく、なかなかに盛況となっていた。 そして10時15分頃、サブモニタに出していたライブカメラがぐいーーーーんとパンしてきたので思わずscreen recordingしたのが この動画 なのだが、キリが無いのでこういうのはもうこれっきりにしようと思う。

東野さんプロジェクトに関しては、とりあえず20年前の作品「dinergy2」の再現、僕が担当する新作の準備、については投げ掛けて反応待ちのフェーズに移行した。 また、NTT/nishikawaの呼吸センサについては、東野さんによれば「NTTが4/13-5/10のプレゼンの件でお忙しそうですので、開幕すれば何か動くのではないかと思います」とのことで、こちらも連絡待ちとなっている。 そこで思い出したのが、万博プロジェクトの翌週の「技術士会での講演」の準備、というお仕事だった。 広報に必要な情報を送ったところで安心して忘れていたが、こちらも大事ということで、今週はぼちぼち、この企画/構想に注力していくことにした。
某バイト[2]のサンプル教材は、今週はミドル1回目→2回目へと改訂して、来週にはアドバンス1回目→2回目へと改訂する予定となっていた。 ところが実際に開始してみると「ミドル1回目→2回目」が予想外に難航して、午前から午後にまでかかってしまった。 駆動系など、かなり微妙なバランスで成立しているロボットなのだが、1回目の様子からどうも生徒ごとにトラブルが起きる場所も対策も変わりそうだ・・・と判断して、最後まで完成させるのでなく、「問題点があってあれこれツギハギ改造して対応したサンプル」のまま提示することに決めた。 講師が常に完成品を示して、出来る子は出来たものの出来ない子はそのまま来月の別テーマに向かう、というのは教育的にはよろしくないので、講師もこんなに苦労しているのだ、というのを敢えて「見せる」という作戦である。

その後、万博のライブカメラの風景が代わり映えしなくて何も面白くないのに対して、 【新大阪 ライブカメラ】@大阪コロナホテル を見付けてしまって、しばし、ぼーーーーーっと楽しく眺めてしまった(音量を半分ぐらいに絞っておくと、新幹線が来た時だけ気付いて眺められる最高のライヴBGV !!)。 思えばこの「コロナホテル」というのは、2020年のCOVID-19の時には「疫病神」のように忌避/揶揄されて大変だったのだが、実は僕は2009年、このホテルにアカペラの連中と一緒に宿泊していたのだった。
調べてみると、こういうライブカメラがある位、新幹線に隣接している事を活用して、普通の部屋よりも割高な(とってもこのホテルは基本的に超格安)「新幹線ルーム(ドクターイエローに会えるかも)」というのもあるのだった。 流石である。
さらに午後には、ヤフオクで落札していたメタンガスセンサーMQ-4が届いたのだが、懸案の「動作確認用メタンガスをどうするか」というのが未解決だったので、とりあえず様子を見る(しばらく放置しておくと解決策が浮かんだりする)ことにした。

2025年4月15日(火)

万博の大屋根リングでは、開幕初日に「雨漏りが見つかったので原因を調査して補修する」という粗相が発覚したのだが、今日のニュースでは「実際には雨漏りではなく、雨といの水があふれ出たことが原因とみられる」と訂正したという。 僕は建築については素人だが、屋根には雨が降る、その雨は雨樋で受けて流す、という図式は素人にも簡明であり、時にはたくさん雨が降るので雨樋が溢れないように設計するというのは基本中の基本なのでは??と思うのだが。 まさか人手不足の時代のため、建築関係のプロが建築に関わっていなかった・・・とでも言い訳するのだろうか。
以下は今朝のニュースで知った、アンディ・ウォーホルの「Big Electric Chair」という作品だという。 身体を拘束する道具の付いたこの椅子は、「Big Electric Chair」というタイトルから、「電気椅子」なのでは・・・というぐらいは想像できる。 しかしそこに、「ニューヨーク州で死刑が執行される際に実際に使われた電気椅子」という解説が付き、それがウォーホル作であるという事、そしてこの作品が「5月にクリスティーズ・ニューヨークで開催されるイブニング・セールに出品される。アート市場規模が縮小傾向にあるなか、同社はおよそ43億円で落札されると推測している」という情報が追いかけてくると、そこで思わず「???」となってしまう。 こういうのを購入して眺めるというのは、どういう人間なのか、やはり「???」である。

このところJoyJoyヒトカラにはほぼ毎週水曜日に行っていたのだが、明日に義母の施設に行く予定があって今週は今日の火曜日に予約した。 それまでの午前〜午後にかけて、懸案だった技術士会での講演に向けて、とりあえずいつものように「容れ物」 を作って、中身を検討するために「目次」からぼちぼち作り始めてみたのだが、その「本日の講演内容」のリストの冒頭に「あらゆるものに感謝」などと書いたところから、思わぬ収穫となった。
「感謝」と書いた最初の意味としては、僕が1981年4月にKAWAIに就職、11ヶ月の実習期間を経て研究開発センターに配属された1982年3月から10年間、コンピュータ・エレクトロニクスのプロに向けて成長してきた時期が、あまりにドンピシャに世界のテクノロジー発展そのもののど真ん中だった(刻々と登場する新技術を同時進行で実験/体験/修得できた)、という「タイミング」への感謝だった。
しかし「感謝」というタームで検索してみると、仏教的な概念の「三恩(知恩/感恩/報恩)」、さらにインド哲学や禅宗に繋がる「知足」、そして行き着いた Wikipedia での記述から、非常に有益な「ポジティブ心理学」という存在を知り、そこから こんな論文 とか ポジティブ心理学序文 などというのをゲット出来てしまった。 なんと最後には「Well-being」になってしまって、先に書いていた「Wellness Entertainment」に繋がってしまったのだ。 素晴らしい偶然である。

午後には、これまで何度かスキャナで試みて上手くいかなかった、僕の作った音源LSIのスキャンに再び挑戦して、上のようにこれまでで一番、鮮明にチップの映った画像を得ることが出来た。 LSIパッケージは物理的にチップまで奥行きのある構造で、どうしてもピントがスキャナのベッド表面になってしまうので、隣にハイブリッドICも置いて、スキャンの最初にちょっとだけ「奥」(ガラス面から0.5mmほど離れた位置)にピントが合って欲しい・・・と調整した結果である。 今回の画像では、左のKTG101(1.5μmルール・約15000ゲートの音源チップ)はちょっと甘いものの、右のK009-FP(1.2μmルール・同規模の音源と共に6502CPUまで載っている!!)は鮮明に写ってくれた。 分かる人だけに分かるのだが、このチップの左下隅が6502CPU、その上の2ブロックは32ビットLatchRAM×2、右下隅はDualPortRAM、その上がたぶん8×8乗算器、であると思う。 この写真が撮れたところまでを今日の区切りとして、「ポジティブ心理学」を胸に秘めて、JoyJoyに出かけることになった。

2025年4月16日(水)

昨日の午後に東野さんからのメイルが届いて、今日は終日、万博プロジェクトのためのMaxプログラミングに没頭すると決定した。 まずは過去のページから この日記のPart4 の「2024年11月15日(金)」のところに必要な情報をがあるのを発掘し、比較のために「お仕事Mac mini」の情報を最後に追加して以下に再録した。 これ(僕の自室にある手持ちのMac群のSPEC情報)は、万博プロジェクト、そして技術士会講演という2つの6月のイベントにおいて必要なものである。 また、今日のMaxプログラミングのために必要な復習として、 Sketching日記(14) の「2022年8月8日(月)」のところから「GENのお勉強」をしていた、というポインタも発掘した。

ネットニュースからは 「トランプ関税」で米国が支払う重いツケ…国債は「投げ売り」状態、「暗殺」も許容しかねない国民感情 「憎悪の政治」で“分断”が加速する という、エマニュエル・トッド氏の指摘の正しさをきちんと現状分析している秀逸な記事を見つけた。 この記事がYAHOOニュースとしてずっと残るかどうか不明なので、手元にも テキスト化 して置いておく事にした。
反米感情高まる中国で「トランプ便器ブラシ」爆売れなんていう情報も流れてきたが、こんなブラシを約270円で販売してしまう中国というのは、やはり、凄いのだ。

そして午前から午後までかけて、これまでやりたかった事をなんとか実装した。 それは任意のmovieを「シームレス・ループ再生する」というものである。 一般にmovieというのは「始め」と「終わり」があるので、それを単にLOOP再生すると、「終わり」から「始め」に繰り返すところで画像としてはブチッと切れる。 「反復再生」(折り返しLOOP)という手はあるのだが、一般的には動画というのは「時間軸」を感じさせるものが多く(自然現象を撮影すれば当然、一方方向の運動に従うので、逆回転すると不自然さに気付く)、そのためにはいちいち動画を編集ソフトでクロスフェードと切り貼りによって、スタートとゴールの切り口が一致するような映像素材を作る必要があった。 今回出来た(と思われる)のは、「jit.movie」で任意の動画素材をopenするだけで、その動画を「シームレス・ループ再生する」というものなのだ。

ちょうど、東野さんから「波(海)」・「水(液体)」・「墨字」という3パターンのサンプル動画素材が届いたので、これを材料としてMaxプログラミングをしてみた。 サンプルが3本だけだったので、自分としては「100%出来た」という確信はまだ無いのだが、とりあえず上のような感じの YouTube動画 が完成した。 3種類の素材動画(購入前の参考フリー素材なので「Adobe Stock」という文字列が入っている)を、上下左右反転の曼荼羅として並べて、ついでに、「GENのお勉強」でやっていた、超カラフル(サイケデリック)な色彩変化も色々と遊んでみた。
まだまだGENの復習を始めたばかりなので、明日以降、今日の続きとしては、 Sketching日記(14) の「2022年8月13日(土)」のところから・・・とここにメモしておこう。

午後のニュースとしては、「静岡県の野球場建設に反対する『県営野球場はいらない市民の会』が発足」というのが出てきて、どうやら色々なところで拡散 されているようである。 CHANGE.ORGにも 「静岡県知事-鈴木康友様-遠州灘海浜公園篠原地区への県営野球場建設の断念を求める要請署名」 というのが出来たので、さっそくオンライン署名しておいた。 僕は浜松にやってきて4年間ほど、まさにこの篠原地区にあったKAWAIの独身寮にいたのでよーく知っているのだが、あたりは玉ねぎ畑の低地で、海岸からはスグ至近のところにあって、とてもじゃないが野球場だのドームだのという場所ではないのだ。

2025年4月18日(金)

昨日のサンプルに対して、東野さんから前向きなリアクションが届いたので元気付けられた。 そこで今日は晩に某バイト[2]がある日ということで、午前から午後にかけて、昨日のMaxプログラミングの続きを進めた。

サンプル素材は昨日のまま3本だけであるが、新たな機能として「動画の再生スピードを100%〜20%まで連続可変」・「画面全体をフルカラーからグレースケールまで連続可変」・「上下左右反転の曼荼羅モードとして、元画像 / 2×2 / 3×3 / 4×4 / 5×5 の計6種類を選択できて(→もっとたくさん作るのも超簡単)、その都度、反転モードは新しくなる」・「カラーエフェクト機能の整理(過剰に画素カラーが潰れるのを回避)」というような改訂となった。 その結果、とりあえず上のような感じの YouTube動画 が完成した。
明日以降、今日の続きとしては、 Sketching日記(14) の「2022年8月22日(月)」のところから・・・とここにメモしておこう。 ただし東野さんは万博の「今週末の稽古に向けて伎楽の仕込みが切迫しております」とのことなので、僕はこの週末は技術士会の講演の準備の方に力を入れることになりそうだ。

2025年4月19日(土)

この週末は特に予定もなく、お仕事にぼちぼち没頭する週末である。 午前中は、技術士会での講演に向けて、「容れ物」 の中身の最初のパート 「技術士」になるまで〜これまでの技術士業務 というのを埋めたのだが、これは直前になるまでコメントアウトして伏せておく。
そして、「そろそろかな?」と検索してみると、なんと「浜松 Micro Maker Fair 2025」というのを発見してしまった(「本資料には未発表・未公開の情報が含まれます。本資料の情報・掲載写真は、株式会社インプレスの許可なく、 対外的に公開・転載することはできません」とあったので、ここではPDFとそのトップページ画像はググッと堪えて伏せておく)。 開催日は2025年7月5日(土)、開催地はバス/車で行ける「浜松科学館」で、今月末に応募の募集期間がある・・・と判明したので、今年は地元に応募してみることにした。 ネタはまぁ、「Arduinoシリーズ」というのは既にあるし、万博プロジェクトで開発したMax/jitter/GENのデモ、というのもある。

そして午後には、せっかくなので懸案となっていたGENお勉強シリーズの残りの部分( Sketching日記(14) の「2022年8月22日(月)」のところ)から、東野さんプロジェクトにさらに追加できるかどうか、という面白そうなパッチ5種類を選んで、ぼちぼち実験してみることにした。 ちなみに上が昨日の段階でのMaxパッチ()の、サブパッチやGENウインドウ(jit.pix)を開いた「全景」である。 この段階ではGENは1つだけなので、まだまだ追加できる・・・と踏んでいる。

・・・苦闘すること約2時間、結論としては上のように、これら5種類のエフェクトは「jit.pix」ではなくて「jit.gl.pix」ということで、jitter/GENの処理系としては異なるタイプであり、単純に統合することは出来ない・・・と判明した。 「jit.gl.pix」というのはOpen-GLの3次元処理系で扱っているので、普通のjitterの色(黄緑と黒の縞模様)ではなくて「水色と黒の縞模様」というもので、無理矢理にオブジェクトを繋いでみても、中身としては暖かく無視されてしまった。 これは3年前の「お勉強」のところでは知らなかったという意味では大きな収穫なのだが、この面白い5種類のエフェクトは、今回に限っては「使えない」という事になった。 まぁ、これは仕方ない。 CPU温度も軽く「80℃」を超えていたので、このあたりが潮時なのかもしれない。

2025年4月20日(日)

昨日は叡王戦第2局があり、伊藤匠叡王が勝って1勝1敗となった。 今日は午前のNHK杯をたまたま見たのだが、そこで羽生さんが勝って、なんと次の対局は「藤井 vs 羽生」となった・・・と知らされたが、その放映日の日曜に予定が入っていないかは不明である。
朝に買い物に出かけて帰ってから、時計を眺めて10:30ピッタリに予約ページに張り付いて特急指定券を購入したのは、近鉄特急「ひのとり」である。 1ヶ月後の来月に大阪に遠征する際に、新幹線でなく何かないか・・・と探していて「ひのとり」を知ったのだが、プレミアム車両は「1列+2列」という構成なので、先頭の1列席であれば、ほぼ運転席の真上なのでは・・・という期待である。 1編成につきこの席は1つしかないのだが、無事に取れたのだった。

そして昨日の段階でプチ挫折をしていたMaxプログラミングだが、たまたま Sketching日記(14) の「2022年8月22日(月)」のところを再び眺めていて大きな発見があり、午後に一気に大きく進展することになった。 異なるタイプの「jit.gl.pix.xfade.maxpat」の終わりに「ここまでで『jit.gl.pix.###』という並びが終わった」と書かれていて、次の「jit.pix.alphablend.maxpat」から、「glの付いたものと同じような名前が並んでいて、なんか嫌な予感がする」と書いていた。 色々な可能性を探求したいので、品揃えとして新たなものが増えないという不満を表明していたのだが、今回これは全く逆に素晴らしい事だったのだ。 「jit.pix.circular.tiles.maxpat」のところで、以下のように書いてザッとパスしていた。

これは、すでに登場していた「jit.gl.pix.circular.tiles.maxpat」を左側のGenオブジェクトとしてそのまま置きつつ、右側にはCodeboxでのGenExpr版も並べている、という教科書的なものだった。 どちらでも同じことになるので、改めて保存するほどの事はなかった。 次の「jit.pix.infinite.mirror.maxpat」は、すでに登場した「jit.gl.pix.infinite.mirror.maxpat」と同じだった。 その次の「jit.pix.kaleido.maxpat」は、すでに登場した「jit.gl.pix.kaleido.maxpat」と同じだった。 その次の「jit.pix.lumadisplace.maxpat」は、すでに登場した「jit.gl.pix.lumadisplace.maxpat」と同じだった。 その次の「jit.pix.repos.maxpat」は、すでに登場した「jit.gl.pix.repos.maxpat」と同じだった。
しかしこれは逆に言えば、現在プログラミングを進めていた「jit.pix」環境に対応して、無理だった「jit.gl.pix」環境のエフェクトが実装できるという意味になる。 そこで試してみると、なんとなんと面白そうだとセレクトした5種類のうちの4つについて、無事に「jit.pix」環境に組み込むことが出来て、グラフィックエフェクトのMaxパッチは格段にその能力を拡張させることが出来た。
ただしjitter/GENはマシンパワーを相当に消費するものであり、4種類のエフェクトはそれぞれ1個だけを起動している状態でCPU温度は軽く80℃を超えて90℃あたりに上がり、Activity MonitorのCPU稼働率も250%ぐらいまで跳ね上がった。 このMacはIntel i5なので4コアであり、全て最大にスケジューリングした場合には「400%」というのが理論的最大値である。 なので、Max/jitter/GENのパッチ1つで250%でCPU温度が90℃超えというのは、ほぼ限界に近い・・・というか、ライヴで走らせるのはかなりリスキーな挑戦となる。

いろいろ実験して、同じMaxパッチ内に4種類全てのエフェクトサブパッチを並べても、そのサブパッチ入力のjitter情報が入ってこなければCPUパワー/CPU温度は上がらない(休止状態)・・・と確認したので、入力movieを全てのサブパッチに与えてそれらの出力からgswitchでセレクトするのでなく、入力movieをggateによってどれかのサプパッチに供給するようにした。 上はその部分に限定してサプパッチや対応するGENウインドウを開いた様子なのだが、これは2022年から進めてきたMax/jitter/GENのお勉強の、まさに総集編のような形となった。

そして、今回の拡張を含めた、上のような感じのデモの YouTube動画 が完成した。 注目ポイントは、画面の左端のCPU温度計の温度と、その右のActivity MonitorのCPU稼働率である。 なかなかにぎりぎりの動作であり、このパッチが万博に持ち込むMacBookAirで動いてくれるのか、サウンドエフェクトの部分を加えても大丈夫なのか、というのはこれからの課題となる。 ただしここまで出来た、というのはおおいなる進展となった。 そしてもちろん、このネタは技術士会の講演とか、浜松MicroMakerFaireでのネタにも活用可能なのだ。

   
07:00発 〜 08:00発 〜 09:00発

   
10:00発 〜 11:00発 〜 12:00発

   
13:00発 〜 14:00発 〜 15:00発

午前10:30に来月5/20の「ひのとり」の特急指定券の発売が開始されて、6時間ほど経過した夕方に、再び近鉄のオンライン予約サイトに行って、この日の「近鉄名古屋→大阪難波」の「ひのとり」のプレミアム車両の先頭号車の指定席の販売状況を見てみると、上のようになっていた。 ちなみにこの後に「16:00発」というのもあるのだが、おそらく暗くなってくる影響からか、ピタッと予約が入っていなかった(先頭1列の1席だけだった)。 さすがに、先頭の席から見事に埋まっていたようで、これは乗るのが楽しみになってきた。

2025年4月21日(月)

昨日の晩に東野さんからのメイルを受けて、いよいよ万博プロジェクトに向けての作業は本格化していきそうである。 僕の質問へのリプライと共に新たな宿題をもらったのだが、昨日やり残していたところから作業をスタートして、その経過を連絡すると共にこれからに繋がるように・・・と朝からMaxプログラミングを頑張った。
静止画素材として、「陰陽勾玉巴紋(いんようまがたまともえ)」の素材をもらっていたのだが、「小石を敷き詰めて陰陽勾玉巴の形にした」という画像は、それ自体を眺めると綺麗なのだが、いざMax/jitterの中に組み込んでみると、高解像度JPGで「1920*1080」に保存したものの、JPG特有のあのギザギザが目立って、ちょっと美しくなかった。 そこでモノクロの陰陽勾玉巴紋画像(Wikipediaのフリー版)を入手して、こちらでも実験してみたのが以下のような感じのデモの YouTube動画 である。
まず基本的に、昨日まで作った機能は全て継承していて、その動画とクロスフェードして重ねる「動的静止画」として、動画の前半では「小石を敷き詰めた陰陽勾玉巴」の画像(回転スピード、回転方向、左右の移動がコントロール可能)を試していて、動画の後半では「モノクロの陰陽勾玉巴紋画像」に切り替えている。 完全にモノクロだとカラー変化のエフェクトは単調になるが、動画素材とクロスフェードでミックスしてみると、動画部分の色彩変化に対して陰陽勾玉巴紋が「切り絵のマスク」のような効果があって、なかなかに効果的だった。

そして奥さんの駅送りの運転手で外出した以外はずっと部屋に籠って、最後の懸案である「佐藤宗太郎モード」に取り掛かった。 これは、東野さんが知り合った佐藤宗太郎さんという画家の描いた「絵」の軌跡をトレースした「静止画・移動動画」とでも言うべきものであり、それが東野さんの笙の演奏(呼吸)によって進むというイメージが出来るかどうか・・・という実験である。 これまで培ってきたMaxプログラミングの勘所の全てを投入して、色々なMaxヘルプから情報を掘り当てて、数時間の格闘の末に、遂に以下のように出来た。 実験してデモの YouTube動画 を、まず録画して、YouTubeにアップロードして、以下の解説を整理して東野さんにメイルした。

動画の冒頭で見せているのは、今回サンプルとして受け取った佐藤宗太郎さんの「絵」を、全て1920*1080のサイズのPNGにトリミングして、さらに同じ絵の中に2本とか3本ある「流れの軌跡」パターンを、それぞれ1つだけの「流れの軌跡」があるように分割して作った、計10本の静止画素材である。 そしてこれまでの動作を全て継承した上で、ループ動画素材とクロスフェードしていた「陰陽勾玉巴紋画像」か、あるいは今回の「佐藤宗太郎」素材か、という二択の構成にして、10種類の「流れの軌跡」パターンから1つを選択する。 そしてパッチ内にはその画像が表示されるのだが、ここでマウスカーソルを動かして指し示す場所が最終的な素材画像の中央に来るようになっている。 つまり、「佐藤宗太郎」素材の「流れの軌跡」パターンの左端からマウスでぐりぐりと辿っていくと、画面中央にその部分があるように静止画が移動する。 そして元画像に対して1.0倍〜2.0倍までズームアップできるようにした。
感じとしては、元の画像ではかなり線が細くて上手く見えるかどうか・・・という心配があったものの、これでもまずまずであり、今後、新たに素材を描いてもらうとすれば、ちょっと肉厚な筆致になるようにすれば十分に効果的である・・・という気がした。 ただし、これをするには、ライヴ演奏の裏(横)で、東野さんの即興的笙演奏に合わせて、Maxを操作する僕がマウスで佐藤宗太郎さんの世界を「なぞる」という事になる。 なかなか凄いことになってきた。 これをメイルで東野さんに知らせて、さらに次について検討してもらおう。

2025年4月23日(水)

万博プロジェクトに関しては、この2日間に僕と東野さんとで以下のようなメイルのやりとりがあって、僕のMaxプログラミングの実験は当面はここまでで、東野さんからの新たな素材の提供を待つ感じになった。 「やりたいこと」・「出来ること」・「出来ないこと」、の見立ては重要で、これも大いなる一歩である。
●東野さんからのメイル
佐藤作品は、描線を太くというリクエストに対して送られてきたのが、背景に絨毯のような赤い布が見えていた作品です。
ので、これ以上太くならないのかなと思いました。で、基本的にこの線は、呼吸の軌跡を表していることにフォーカスしたいので、
一筆書きのように、線が呼吸に合わせて出現するようにすることが第一の希望です。

●長嶋からのリプライ
左から右にただ上下に波打っている曲線であれば、次第にマスクが右に開いていく・・・ということで可能ですが、
大事なのは途中でぐるりと円を描いているところだと思います。それはマスクを横に移動させては実現出来ません。
要するに素材としての「静止画」には、描画に関する時間情報が欠けているのです。そこで例えば、
(1)透明なデスクの上に半紙を置いて、そこに毛筆で描く様子をデスクの下から見上げるカメラで撮影した動画
(2)キャンバスに見立てたタブレットに筆圧ペンで描画する様子を「描画シーケンス」として記録したデータ
というあたりを「収録」すれば可能だと思いますが、今回は時間的に厳しいのではないかと思いました。

●東野さんからの返信
承知しました。仰る通りです。佐藤作品は動画として撮影しておく必要がありますね。
万博は間に合わないかと思いますので、次の機会を想定します。まだ未定ですが、もしかしたら、9月中旬ぐらいの
中之条ビエンナーレに向けて実現するかもしれません。その流れが固まりましたらまたご相談させていただきます。
ネットニュースからは、「『夢洲から脱出できない』 大阪メトロ中央線で一時運転見合わせ…万博会場につながる唯一の鉄道路線」というのが流れてきた。 僕も6月には、毎日、大阪メトロ中央線でホテルから会場に通う予定なのだが、何かあると正に「陸の孤島」そのものなので、ちょっと困ったものである。

さらに万博関連では、「万博協会、万博出展者にガス測定器を配布 定期測定と濃度の報告求め」というのも流れてきた。 これは嬉しいのか怖いのか、どちらなのか微妙な情報だ。 もし、どこかで「超えた!!」という一報があったらそこでどうするのか、その方針を知りたいのである。

あちこちとメイルでやりとりする中で、万博ブロジェクトのサイトの中に、東野さんのプロフィール紹介ページがあったのを思い出した。 ここ なのだが、考えてみるとこのページは万博が終わったら早々に消えそうな予感がしたので、 ローカル にも保存しておくことにした。 文字化けした場合にはブラウザの「テキストエンコード」で何か(たぶんUnicodeとかUTF-なんとか)を選ぶと見えるだろう。

長嶋 洋一 (ながしま よういち)
Art & Science Laboratory 代表。作曲家 / 研究者 / 技術士[情報工学・電気電子] / Ph.D(メディアアート)。
京都大学理学部(素粒子物理学)卒。京都市立芸術大学美術研究科後期博士課程修了。静岡文化芸術大学 名誉教授。
http://nagasm.org
音楽を中心としたメディア・アートの領域において、コンピュータ・エレクトロニクス技術を活用したヒューマンインターフェース、
マルチメディア/ネットワーク/インタラクション等の研究・創作・教育などの活動を行っている。
コンピュータ音楽では、作曲の一部として新楽器/新インターフェースを制作するという姿勢で、筋電センサなど生体情報センサ
楽器を含む多くの作品を、国内・世界各地で公演してきた。
1997年ギリシャThessalonikiのICMCで知り合った東野珠実氏のためにオリジナル笙ブレスセンサを開発提供し、1998年
神戸国際現代音楽祭、2001年ドイツKassel/Hamburg公演ではそれぞれ、東野氏に演奏してもらう作品を作曲/初演した。
友人である東野氏のテクニカルサポートとしては、1999年北京のICMC、2001年欧州ツアー、2002年NewYorkツアー、
大会委員長として2004年NIME04(ここには木村まり氏も招聘)などの機会に協力し、今回の万博プロジェクトにおいても
この文脈から技術的なサポート、システムエンジニアリング、プログラミングなどの領域で協力している。
東野さんの凛々しい写真を置いたので、 この日記のPart6 の「2025年4月3日(木)」にところから発掘した、万博事務局に求められた僕のプロフィールも添えておいた。 上の写真のかっこいい東野さんと僕との関係を説明しているので、この場所というのは最適なのだ。
ちなみに2004年6月、僕が大会委員長となってSUACで開催した国際会議NIME04の レポートページ から東野さんの写っていた写真を拾ってみたのが である。 20年以上も昔なのだが、皆んな、若かった。 いやー、懐かしい。(^_^)





「日記」シリーズ の記録