メディアアートにおける
「数」の効果とデザイン手法について
長嶋洋一(SUAC)
Abstract
古典的な芸術表現の一つとして「数の迫力」というアイデアの歴史は長い。大判の絵画や等身大の彫刻などは、一品料理として他に何も要らない存在感を持つ。その一方で、個々にはとりたてて主張のない要素(キャラクタ、造形物など)がびっしりと多数、平面なり空間を埋め尽くすように並んだとき、その全体から訴えてくる迫力を中軸に据える作品も少なくない。メディアアートの世界では、多数のビジュアル要素が必要ならPCのグラフィック情報をプロジェクションする、多数の入力操作点が欲しければタッチパネルを用いる、というのが定番である。しかし、現実に1個のLED/電球が光るという存在感、1個のスイッチボタンを指で押すという触感、などのリアリティを重視する場合には、かつてのGainer、現在ではArduinoなどをシステムの「出張所」として用いることが多く、ここではデバイスのポート数の上限から「数」のアプローチに躊躇する傾向が散見される。初心者の電子工作では「アナログ6チャンネル、LED(PWM)6チャンネル」程度のこぢんまりとした学生作品ばかりとなるが、ちょっとしたテクニックによってこの制約は劇的に突破できる。本発表では、多くの学生作品を支援してきた教育環境とデザイン手法について紹介/提案するとともに、多数の事例の検討/考察からメディアアートならではの「数の効果」について議論したい。
オンライン発表用資料
- Arduinoなどの外部ポートの増設方法
- ディジタル出力ポートの増設
- ディジタル入力ポートの増設
- アナログ入力ポートの増設
- アナログ(PWM)ポートの増設
- アナログ電圧出力の増設
- シリアル通信入出力の増設
- 汎用拡張基板「SUAC_board」のお話
- 作品における実例の紹介と検討(予稿に載っているもの)
- 作品「はち」
- 作品「Shocking」
- 作品「靄夜(もや)」
- 作品「閃(きらめ)き」
- 作品「Chessでポン!」
- 作品「sand clock」
- 作品「段虎」
- 作品「磨く」
- 作品「ハコロ」
- 作品「創作玩具・巨大パラパラマンガ装置"TANGO BOX"」
- 作品「Drum's D・N・A」
- 作品「星垂る」
- 作品「ガチャガチャ映像マシン」
- 作品「風見屏風(かざみびょうぶ)」
- 作品「電車で音を出すサウンドインスタレーション」
- 作品「Cyber Kendang」
- 作品「Beat Box」
- 作品「Octagon」
- 作品「Tiny Living」
- 作品「白い絵本」
- 作品「電子十二影坊 (Dodeca Propeller)」
- 作品「hoppin' drops」
- 作品「はやくスシになりたい」
- 作品「おはなしパネル」
- 作品「OTOkakecco」
- 作品「ネジマキウォール」
- 作品「つながるヒト」
- 作品「Fantastic World Journey !」
- 作品「二人はウラハラ」
- 作品「花音(CANON)」
- 作品「海潮音」
- 作品「Revolution-J」
- 作品における実例の紹介と検討(
SUACインスタレーション(3)
に載っているもの)
- 作品「OTOcakecco」
- 作品「双極式箱庭」
- 作品「FUSHIGI TRAIN」
- 作品「あたしを見つめて。」
- 作品「カラーオーケストラ」
- 作品「はーとボックス」
- 作品「誰かを待つ街」
- 作品「Nepic」
- 作品「双極花の寄生実験」
- 作品「Hikari」
- 作品における実例の紹介と検討(
SUACインスタレーション(4)
に載っているもの)
- 作品「Sand Art」
- 作品「GHI2014」
- 作品「dear light」
- 作品「ウチュウハウス」
- 作品「heart museum」
- 作品「いらない」と言われた子たち
- 作品「パラサイティズム・ミミクリ」
- 作品「思わず覗きこみたくなる箱」
- 作品「だがしどうがどう」
- 作品「めざせ! 怪獣王」
- 作品「おばけろうそく」
- 作品「妖精のお菓子工場」
- 作品「オーケストラBOX」
- 作品「(OSCを使ったインスタレーション)」
- 作品「召喚 ICカードバトラー」
- 作品「タイムマシンの研究所」
- 作品「スノードーム・ギア」
- 作品「エンドレスサウンド」
- 作品「(理子の焼肉)」
- 作品における実例の紹介と検討(
SUACインスタレーション(5)
に載っているもの)
- 作品「Animal Box」
- 作品「繋がる光」
- 作品「窓が光る小さな家」
- 作品「めもるくん」
- 作品「クルクルギミック」
- 作品「(世界キーボード)」
- 作品「ひだまりのおもちゃ屋さん」
関連Web資料
参考文献