メディアアートにおける
「数」の効果とデザイン手法について

長嶋洋一(SUAC)


Abstract

古典的な芸術表現の一つとして「数の迫力」というアイデアの歴史は長い。大判の絵画や等身大の彫刻などは、一品料理として他に何も要らない存在感を持つ。その一方で、個々にはとりたてて主張のない要素(キャラクタ、造形物など)がびっしりと多数、平面なり空間を埋め尽くすように並んだとき、その全体から訴えてくる迫力を中軸に据える作品も少なくない。メディアアートの世界では、多数のビジュアル要素が必要ならPCのグラフィック情報をプロジェクションする、多数の入力操作点が欲しければタッチパネルを用いる、というのが定番である。しかし、現実に1個のLED/電球が光るという存在感、1個のスイッチボタンを指で押すという触感、などのリアリティを重視する場合には、かつてのGainer、現在ではArduinoなどをシステムの「出張所」として用いることが多く、ここではデバイスのポート数の上限から「数」のアプローチに躊躇する傾向が散見される。初心者の電子工作では「アナログ6チャンネル、LED(PWM)6チャンネル」程度のこぢんまりとした学生作品ばかりとなるが、ちょっとしたテクニックによってこの制約は劇的に突破できる。本発表では、多くの学生作品を支援してきた教育環境とデザイン手法について紹介/提案するとともに、多数の事例の検討/考察からメディアアートならではの「数の効果」について議論したい。

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参考文献