先端リハビリテーション論(長嶋)
1日目(2022.10.17)
- 自己紹介 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
- 授業計画(2週・計5コマ) 今回は初回ということもあり、全てを網羅することはないと思います
- 海外の先端リハビリテーション状況を知る
イントロダクションとして、世界のオープンソース文化の状況と、それによって新しいリハビリテーションやウェルネス実現が進んでいる状況を理解する- 誰でもオリジナルソフトを作れる道具"Max8"を知る
理工系の専門家でなくてもインタラクティブ(対話的)なマルチメディアシステムを容易に実現できるプラットフォーム"Max8"を知り、実際に簡単な「メディアアート」のプログラミング制作を体験する- 生体情報センシングと筋電センサと"Max8"への適用
オープンソース文化の賜物である各種の生体情報センサ(特に筋電センサ)を"Max8"と組み合わせることによって、自由なアイデアでバイオフィードバック・システムを生み出せるという状況を体験する- 新しいバイオフィードバック・リハビリテーションを生み出す現場のアイデア
これまで学んできたリハビリ領域から課題を考察して、新しいバイオフィードバック・リハビリに向けたアイデアの検討/議論を進めて、現実的な課題についても理解する- バイオフィードバック・リハビリテーションを試作してみる
「生体情報センシング」や「デザイン」や「メディアアート」の領域とコラボレーションすることで、新しいアイデアのバイオフィードバック・リハビリテーションを実現する可能性を求めて、グループで簡単な「試作」を体験してみる- 海外の先端スケッチング状況を知る
- 誰でもオリジナルソフトを作れる道具"Max8"を知る
- "Max" - 1990年頃から現在まで続く「プラットフォーム」
- 過去の「パッチ」が現在でも使える「上位互換性」
- 最初は音楽演奏情報MIDIから始まった
- 生サウンドをリアルタイムに扱うMSP
- ライブグラフィックを扱えるjitter
- Maxとは : 00_Max_demo
- 実際にいくつかサンプルのデモを見てみよう ★
- 01_10秒カウント
- 02_InteractveRhythmGame
- 03_錯覚試作もろもろ
- 04_many9_and_6
- 05_ツェルナー錯視
- 06_medama_Illusion
- 07_カフェウォール錯視
- 08_ShiffrarPavel
- 09_運動の対比
- 10_illusion_game
- 11_蛇のフリッカー回転
- 12_segment_reverse
- 13_サウンドデザイン
- 14_enomoto
- 15_Drive_Game
- 16_OpenCampus2017
- 17_多軸加速度センサ
- 18_筋肉体操
- Maxの超簡単講座
- Maxに「センサの出張所」を加えると → インスタレーション作品が出来る !
- Maxに「センサの出張所」を加えると → バイオフィードバックが出来る !
- 生体センサの紹介デモ
- Myo
- Muse
- 長嶋オリジナル・センサの紹介
- MiniBioMuse
- VPP-SUAC
- PAW single
- MRTI2015
- PAW-eight
- PAW-double
- 来週までの宿題 : SUACインスタレーション ★ ★ ★ ★ ★ のページの作品(大部分がMaxによって制作されている)を眺めて、「リハビリテーションの道具」として「インスタレーション作品の企画案」を考えてみよう - 言葉だけでなく簡単なイメージスケッチがあると伝わります
(来週は3限からですがNGU到着がギリギリのため13:15あたりにスタートする予定です)2日目(2022.10.24)
- ビデオDemo紹介(SUAC学生の制作事例3件) - 「こんな作品まで実現できます」というお話(→後のテーマに関係します)
- 今週は「ミニ・ワークショップ」として、グループに分かれて議論/アイデア出しを体験しましょう
- テーマ「リハビリ支援のための新システムの提案」
(「システム」には「サービス」も含まれますが、ここでは例えばスマホアプリのように完結したサービスは除外します)- SUACインスタレーション ★ ★ ★ ★ ★ のページの作品にあるように、色々なセンサを活用すれば、学生でもインタラクティブなシステムを実現できる時代です
- 先週、長嶋が紹介したような色々なセンサ群、そしてMax8を使えば面白いことが実際に作り出せます
- 皆さんがこれまでのリハ演習の日々や、現場で感じてきた問題点を改善改良する、というテーマもアリです
- 世の中に出現してきた新技術を活用したら・・・というのはアリです。例えばGPSという技術が出現したことで世界を席巻した「ポケモンGO」が生まれました
- 既に製品/サービスとして出てきているもの(例 : AppleWatch+スマホ で健康管理)は「残念!」です。自由で柔軟な発想を期待します
- ドラえもんに出てくるような、架空の「空想的なモノ」に頼ったアイデアは却下です
- 実際に作れるか、実現できるか、世界では既に出てきているか・・・などについて、「ミニ・ワークショップ」中に長嶋に質問して下さい
→ 「プレゼン大会」の後にも長嶋がコメントします- 本当に試作してみたいテーマが出てきた場合には、SUACの学生と共同で試作してみるかもしれません(→後日お知らせします)
- グループ分け
- 35人を「約6人」の6チームに分けます
- 「学籍番号の下2桁」を6で割った余り = x とします
- x=0 の人 → 「チーム0」 (6人)
- x=1 の人 → 「チーム1」 (6人)
- x=2 の人 → 「チーム2」 (6人)
- x=3 の人 → 「チーム3」 (4人)
- x=4 の人 → 「チーム4」 (7人)
- x=5 の人 → 「チーム5」 (6人)
- まずは席を移動してそれぞれで集まります
- 「チーム3」は4人、「チーム4」は7人とアンバランスなので両チームでトレードの相談をしてください
- 「チーム4」から1人が「チーム3」にトレードされると6人と5人になります
- 「チーム4」から2人が「チーム3」にトレードされると5人と6人になります
- トレードで移動した人は新しいチーム名を名乗ってください
- 各チーム、仮リーダーを選出して以下に進んでください
- グループ・ディスカッション
- テーマ「リハビリ支援のための新システムの提案」→上にあるような視点を参考にして、グループごとにユニークなアイデアを期待します
- 所用時間は「90分1本勝負」?
- その後、全体で「各グループのプレゼン」大会となります
- この時間内に、以下の内容を含む、プレゼンのための資料(最終的に横配置のPDF[→ "チーム1.PDF" など]に書き出す)を誰か代表がとりまとめて作成してください
- チーム名前
- チームのメンバー
- タイトル ※作品でもシステムでもサービスでも「タイトル」はとても重要です
- テーマとコンセプト (例 : テーマ「軽度認知症対策」、コンセプト「ゲームに没入しているうちに脳が活性化」 など)
- 対象ユーザー (年齢層、障害/リハの種類、etc..)
- イメージスケッチ(手描きを写メって取り込みOK)
- 機能、動作、作用、などの解説
- もし実現されたとして、こんな価格だったらいい(社会に貢献する)のでは? という「定価」案
- ディスカッションの時間内、長嶋は教室で巡回/待機しているので、「技術的な実現可能性は?」・「使えるセンサが世界に実在するか?」等々の質問があればつかまえてください
- プレゼン大会
- 各チームの検討結果を全体に報告(プレゼン)する
- 講師席の長嶋PCにプレゼンPDFを提出して全体で見る
- 各チームのプレゼンター(代表でも全員でもOK)が説明する
- 所用時間は最大10分(質疑・コメント含む)
- SUAC「MDWワークショップ」の事例紹介 - 今回(2023年2月)も開催します★
- 宿題
- 「先端リハビリテーション論」長嶋担当回に関して、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出してください。これが出席確認となります。
- レポートの内容としては、今回の集中講義全体への感想、プレゼン大会を受けての「こんなアイデアはどうか?」・「こんなリハビリ支援のシステムを実現させてみたい」など、自由な意見を歓迎します。
- 分量は150文字以上〜300文字以下とします。長大な文書は不要です
- レポートはメイル本文(plain text)として記述してください。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
- 提出期限は11/8(火)の23:59です。それ以降のメイルは無効となります
- Subject:(タイトル)には必ず「先端リハビリテーション論(長嶋)・レポート(1932100・奈良学徒)」などと学籍番号と氏名を記載してください
- 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど返信します。これが提出確認(証拠)となるので保管しておいてください
- いずれここの下あたりに、それぞれのレポート(氏名は伏せます)に対する長嶋のコメントを書いていきます。ただレポートを出しっ放しにするのでなく、他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントまでをよく読んでお互いの知識を向上させましょう
6グループのプレゼン一覧
レポートと、それに対する長嶋のコメント
レポート提出者は上の31名でした(うち1名は締め切り後だったので無掲載)
- この講義を受講する前は、プログラミングというものはここ15年でできたものだと思っていましたが、MAX8というアプリは1990年頃からあると知ってとても驚きました。パソコンのタイピングをできることが当たり前になったように、10年後にはプログラミングができることが当たり前になる世の中になるのかなと考えました。プログラミングができるようになると作業療法士・理学療法士としての仕事の幅が広がるのかと考えました。
→ 英語みたいに見えるこのようなプログラミングはもう75年ぐらいの歴史があります。Maxのような環境を活用することで、ぜひセラピー専用システムを実現する療法士が出現して欲しいです- 今回の授業を受けて、デジタル技術を用いることによるリハビリテーションの考えがさらに広がりました。実際にアイデアを考えてみると、イメージはできているがそれを言葉にするのが難しかったです。また他のグループのアイデアを聞き、自分では思いつかなかったようなアイデアもたくさんあり、とても勉強になりました。個人的なアイデアとしては、上肢下肢にジャイロ機能を搭載した機器を身に着けることで、企図振戦などの振戦がみられた際にジャイロが反応し、振戦と逆の方向に上肢下肢を動かすことで振戦を減弱させるというものを考えました。対象者は企図振戦などがみられる小脳失調症のある方になります。
→ 企図振戦の場合にはジャイロよりも加速度センサになるかもしれませんが、振動を検出して逆方向の振動を加えることで「制震」する、という技術はあちこちに見られます。周囲の騒音をキャンセルするイアホンとか、高速道路の特殊な遮音壁(マイクで拾った騒音の符号を反転させてスピーカから鳴らして騒音を消す)とか、地震の振動に逆位相の振動を加える制震手法もこれです。ただし上肢下肢の企図振戦の場合、振戦は検出できたとしても、その逆方向に振動を発生させるメカ(一種の電磁石)の部分が、振動方向がばらばらなので技術的に厄介そうです- 今回、長嶋先生の講義を受けて、デジタルとリハビリを組み合わせるとリハビリの可能性は今よりも何段階も上に行くことが出来るのだなと思いました。例えば、麻痺の患者様に対して筋が収縮すれば音が鳴るなどのプログラミングをした筋電図を用いて正のフィードバックを与えることで従来の徒手的療法や電気刺激療法とは違った有意な効果が得られるのではないかと思いました。なので、私は今後デジタル技術に着目したリハビリも学んでいきたいと思いました。
→ まさにその手法こそ、辻下先生が追求している「バイオフィードバック・リハビリテーション」そのものです(^_^)。自分の身体に起きている事象を主体的に知覚・認識することで、自分から「治っていく」ということを支援するというのがその本質です。ぜひ進めていって下さい- 初日の授業で他大学の生徒や歴代の方々の作品を見ることや聞くことを行って、同世代として自分には考えつかないようなアイデア力とそれを実現する技術力を兼ね備えており、時間をかけて努力されたことが伺えて自分も今後勉強を頑張ろうと考えた。2日目の授業ではアイデアを班で話し合い、その中で班員の1つの小さな案に付け足して良いものが作れたと考えた。個人的なアイデアとしては、健常者に対して眠たくなった時に首が落ちてきたらその首の筋電を感知して、痛み刺激を起こす事で勉強の敵である睡魔を強制的になくすということを考えた。痛み刺激はその首の落ちる回数ごとに強めて行くことで閾値にも対応可能であると考えた。
→ 「眠気と戦う」というのは学生にとってどこでも永遠のテーマなのですね。こちらの学生作品だと、頭がカクッとなった事を距離センサで検出して高輝度LEDがフラッシュするとか大きな音か鳴る・・・というような作品がここにいくつかあります。筋電を検出するには電極の問題がありますが、それより痛み刺激で目覚めさせる、というのはなかなか凄いと思います- 今回の授業を受けて、医療的な観点のみだけでなく工学的な要素を医療に取り入れることができ、それにより患者様のニーズを叶えることができるということを学びました。私が実習で苦労したことの一つとして、患者様が私の言った動きを理解して頂けないということがありました。それを解消するための道具として私は角度や速度を設定し、設定した角度になれば音が鳴り患者様にフィードバックできるような道具があればこちら側が口頭で説明するよりも簡単に理解して頂けると考えています。また、筋力増強練習の際にも角度や速度を予め設定しておき設定した値に達すれば音が鳴るようにすることで自主練としても活用できるのではないかと考えます。
→ 客観的な指標として角度や速度を設定して、センサから得られた情報と比較して音なり画像なので提示する・・・というのは、まさにインタラクティブなシステムとして、この講座で紹介したように実現が可能なものです。ぜひチャレンジしてみて下さい- 私は、辻下教授の研究の手伝いをさせていただく機会があり、VRなどの先端技術には興味があり機材を借りて体験する機会が多くあった。そこで今回の授業において、プログラミングへの関心や、過去に少しでもノウハウを学んでいたかったと感じた。アイデアとしては、授業時の発表(3班)の発想に加えて、階段など立体のリハビリ器具などに実際に家の階段のようなものをマッピングし、それを用いて運動を行うというものが頭の中で生まれてきたものである。また、いろんな人の様々なアイデアをじっくり見てみたいと感じた。そこで話を聞くことで自分の中のリハビリでの選択肢を増やしたいと感じた。
→ 素晴らしいです。ぜひともこの世界を自分の持ち駒に加えていって欲しいと思います。興味があればこのワークショップに参加してみて下さい- 計5回の講義をしていただき、誠にありがとうございました。作業療法では主に上肢機能を使ったリハビリを行うので、MaX8を採用したリハビリ方法が発明できれば、今後、医療活動に大きく影響を与えると感じました。それについて1つ提案があるのですが、上肢に包帯やスプリントを付ける時に、ちょうどよい締め付けだと分かるような装置や、どこが強く締め付けているか分かるようなシステムが実現できればいいなと考えたのですが、どうでしょうか。よろしくお願いいたします。
→ 包帯やスプリントの締め付けに関して、(1)ちょうどよい締め付け圧力の検出、(2)締め付け圧力の分布の検出、という2つのテーマですね。(1)に関しては、各種の圧力センサ(小型/薄型)があるので、これを包帯やスプリントと皮膚の間に挟み込むことで、客観的にその地点の締め付け圧力を検出することは容易だと思います。(2)はちょっと厄介で、圧力センサを多数、敷き詰めるように並べるというのはコスト的にも装着感としても現実的ではないので、実際には(1)を何箇所かに増やしてみることになりそうです- 長嶋先生の講義を受けて、プログラミングなどの技術を用いることでリハビリテーションをもっと発展させていけるのではないかと考えた。プレゼン大会でも6つのグループの意見を聞いて新しいシステムや製品はこのような意見交換から生まれることもあるのかなと感じた。今後、臨床で働いていく上で今回の授業をどこかで活かすことができたらと考えた。
→ グループに分かれて意見を出し合って、最終的にグループ単位での「提案」にまとめ上げて、お互いにプレゼンし合う・・・というプロセスは、あらゆる領域で活用できる手法ですので、今後に生かしていって下さい- 長嶋先生の講義を受けて、このような考え方があるのかととても刺激を受けました。VRを使用して運動機能の維持・低下防止に努める案や、バイオリンを使用したものなど様々な案を聞いて、そのような考え方があるのかととても刺激を受けました。今回のMAXを使用した講義で学んだことを生かして、これからの理学療法を行なっていきたいと思いました。
→ 実際にMaxでプログラミングして・・・とまで行かなくても、必要な場合には関連する専門家やデザイナとコラボレーションすることで新しい理学療法を提案/実現していける「可能性」があるのだ、と知ってくれれば嬉しいです- 今回の講義で見させていただいたMax8を使用して作った作品はどれも興味深かったです。作り方は非常に複雑に見えましたが、これを上手く使うことで人を楽しませるだけでなく、リハビリなどで役に立つと実感することができました。また、チーム5の色読みゲームのアイデアから、上下左右に置かれた4色のボタンのいずれかを押すというアイデアが思いつきました。やり方として、「赤・青・緑・黄」のいずれかの色で書かれた「上・下・左・右」のいずれかの漢字が画面に現れて、指示に従ってボタンを押します。指示の内容は「合う色を押す」、「合う方向を押す」のどちらかです。
→ 「色」と「向き」という2つの要素を持つと複雑性が高まるので面白いですね。過去の学生作品では、上下左右のカーソルキーを押すというゲームで、画面内の上下左右の場所に、実際とは違う文字(たとえば「上」キーの場所に「下」という文字)が出現するというのがありましたが、たったこれだけの工夫でクラクラする面白さとなったので、まだアイデアは出そうです- 先端リハビリテーション論を受けた感想としてシステムに対しての見方が大きく変わった点である。特に特定のプログラム言語習得が必要な敷居の高いものではないと認識することができた。また過去の作品や現在の技術、開発者として考え方など講義を通して輪郭が見えたことで理学療法士としての開発の参入という選択肢を具体的に考えることができた。プレゼン大会での舌を用いたマウスピースインターフェイスでパソコン操作する意見について素晴らしい発想であると感心した。この発表についてガジェットを用いずにWebカメラで舌先の動作を認識し操作する方法を提案したい。ガジェットの制作費削減や衛生問題を解決できると考えるからである。
→ カメラで口の形を認識してその情報によって音楽演奏する、というパフォーマンスは、僕が大会委員長としてSUACで開催した国際会議NIME04でのライヴで実際にありました。ただしNIME参加者の作品なので記録動画YouTubeに上げられないのでお見せできません。口の形は外から画像認識可能ですが、口の中の「舌の形」となると、内部から赤外線か何かを照射する必要もあり、おやそらく完全に非接触にカメラを設置するのは困難があるかもしれません- 長嶋先生の講義を受けさせていただく前は、理工系の専門家でないとオリジナルソフトを作成することは困難だと思っていました。しかし、講義を受けさせていただいたことで実際に作ったことはないのでわからないのですが、そこまで難しいものではないと思いました。またプレゼン大会を行って、私たちのグループで出したものや他の班が出したものを見て、実際に職場に導入されて使用するようになると面白いと思いました。
→ オープンソースの時代は、「理工系」という壁を低くすることなので、ちょっと頑張れば文系の人でもプログラミングは出来るようになります。実際にSUAC学生は大部分が文系ですが、デザインを学ぶ中で適性が成長して、男子女子関係なくプログラマーとかSEとかのプロとして就職していく人も少なくありません- 授業を受けて、考えていた曖昧な内容に輪郭がついたように感じました。考えていた内容というのは、脊髄損傷などで身体に麻痺があれば残存機能でPC操作ができるように機器などを購入することがありますが、高価であったりします。それに対し、身近で手に入るゲームパッドなどを使用すれば簡単にPC操作ができるのではと考えていました。母指が動けばアナログパッドなどが操作可能なのではないか。またマウスと違い、移動速度に依存しないため動かしにくい場合でも確実な操作が可能と考えます。そのようなアプリはすでに存在すると思うので、あれば教えて下さい。創意工夫と技術によって新しい物を考えることのできる楽しい授業でした。
→ すいませんがアプリには詳しくないので「あれば教えて下さい」には対応出来ませんので「あると思うので検索して下さい」という言葉を贈ります- 大学の授業でデジタル技術の授業を受けたのは初めてで、私自身機械には疎くて苦手分野だなと最初は思っていたのですが、それをリハビリに応用することを考えると楽しくてこれから何かに活用できたらいいなと思いました。でも実際リハビリであったらいいなと思うアイデアを考えるのは難しくて、案が出ても既に生産されているものでそれだけ医療でもデジタル化は進んでいるんだなと気づくことができました。これから患者さんと向き合ったときにこの授業のことを思い出し、デジタルを応用してリハビリを行い自分の成長にもつなげることが出来たらいいなと思います。お時間割いて授業を開いてくださりありがとうございました。
→ 具体的な事例を指すコメントでなくて恐縮ですが、辻下先生に依頼されて僕が「先端リハビリテーション論」で5週分を担当している意義/目的は、まさにそのような感想/刺激を皆さんに伝えることであると自覚しています。今後、プロの現場で多くの課題に直面した時に、これからの時代は皆さんも新しいリハビリの手法を提案していけるのだ(自身が全部を作らなくても、関連した専門家とコラボレーションすることで、企業の製品にだけ依存するのでない新しい可能性がある)、という「視点」をしっかりと持ち続けて欲しいと思います- 長嶋先生の講義を聞き、私はリハビリテーションの中にも色々なプログラミングがあることを知りました。例えば、文字の色と文字の意味で乾杯するゲームがありましたが、その時に筋電センサーを使用し、どの筋が作用しているかを楽しみながら、不快感を与えずに測定する事が可能であることが分かり、その動作が出来ない場合筋が作用していないという事なのでその筋に対し、リハビリテーションを行う事やコップの重さを変える事で筋力トレーニングが行えると考えました。
→ あのインスタレーション作品「乾杯!カメレオン先輩」は、センサとしてRFIDタグ(交通系ICカードと同様)を使っていましたが、確かに筋電センサを装着してあのゲームを行うことで、特定の筋が作用していない事を検出/自覚できる、というリハビリ領域への応用可能性はあるかもしれませんね- 集中講義ありがとうございました。とても面白い講義内容でもっと先生のお話を聞きたかったです。今回の講義で、普段は一見関わりのないように見えるデザイン・工学・リハビリを学んでいる学生が、自分たちの持っている力を組み合わせることで、新しい何かを生み出すことができるという可能性を感じることができました。プレゼン大会では他の班のアイデアを聞くことができて興味深かったです。私が考える新しいリハビリ支援として、患者様が歩行練習をリハビリの時間以外にも意欲的に行うことができるよう、動作解析装置を応用した傍で励ましつつアドバイスをくれる見守り型ロボットがあればいいなと考えます。
→ いいアイデアですね。僕が9月にオーストリアのリンツで招待講演をした、Ars Electronicaのイベントでも、色々な領域の専門家のコラボレーションから新しいことが生まれるという事例がいくつも報告されていました。まずはリハの専門家として成長して欲しいですが、同時に「世界が広がる可能性」を頭に置いていて欲しいと思います- 今回の講義を受けて、デジタル技術をうまく用いることでリハビリの可能性がこんなにも広がるんだなと感じました。今回のグループワークのように従来のリハビリにとらわれずに視野を広くもつことで新しいリハビリ、最先端のリハビリを生み出すことが可能になると身をもって感じることができました。最先端のリハビリがどんなものがあるのかもっと調べてみようと思いました。
→ 一人でいくら考えてもなかなか出てこないアイデアが、グループでのブレインストーミングによって開花するというのは新しいプロジェクトでは定石の作戦です。機会があれば何かの場で試してみましょう。古典的な手法ですが「KJ法」などという昭和のテクニックは、令和の時代になってもいまだ現役です- 今回の先端リハビリテーション論の講義では、いつも学習している理学療法の知識を活用したリハビリテーションを考えるという今までにない内容でとても貴重な授業でした。長嶋先生や教え子の方たちのプログラミングまた研究を間近に見ることが出来たことも、新しい学問に触れることができ、感慨深い時間になりました。また、グループディスカッションでは対象疾患はパーキンソン病で歩行障害において床に線を引くと一歩を踏み出しやすくなるメカニズムを活用し、横でウサギ型の装置が一定間隔・時間で一緒に前に進んでくれるアイデアを提案しました。自分たちで考えるとおもしろいアイデアが生まれるものだと楽しかったです。
→ その提案を実際に動くところまで試作するにはちょっとステップがあるのですが、例えばこんなイベントに出かけてみると、「モノ作り」に邁進している人たちとのコネクションが出来て実現できるかもしれません。僕はこのイベントに、SUAC学生有志とともに出展参加(講演も)します- これから高齢化社会になるため、医療現場の人手不足が問題視されています。そのため予防的な観点からデジタル技術を用いることにより、疾患の予防、人手不足が解決されるのではないかと考えました。また医療現場での問題点を明らかにすることにより、さらに良いデジタル技術の案が提案出来るのではないかと思いました。デジタル技術に対して難しいという偏見がありましたが、今回の授業を受けて私たちでも出来ることはあると分かり嬉しかったです。
→ (すいません一般論すぎてコメントは特にありません)- 今回の講義を受けて、リハビリの行う方法は幅が広がるなと感じました。リハビリをするにあたって、マンネリ化やどうしても退屈な場面というのは発生してしまうものだと考えています。ですが、思考の転換を行うことや今回学んだMaxというアプリを使えば「力が入っている」事が視覚的に分かるなど患者さんに実感してもらう事も増えるなど、よりリハビリを楽しみながら出来るのではないかと考えました。
→ デザインやテクノロジーの世界ではvisualize「可視化」というのはそれだけで一部門を構成するほど重要なテーマです。センサでリハ作業やリハ訓練の進行具合を「可視化」すれば人間はより没入でき、そのセンサが生体センサ(自分で自覚できない生体情報を検出)である場合には、辻下先生の領域「バイオフィードバック」となって、クライアント自身が詳細には気付かない自分の身体状況を「可視化」・「可聴化」することでリハビリテーションの効果を飛躍的に向上させます- 今回の講義を受けて、リハビリとデジタルを組み合わせることで、リハビリの幅が広がることを学びました。リハビリの機器は高価なものが多く、使い方も難しいと考えていたので、リハビリに取り入れにくいと思っていましたが、講義を聞いて、簡単な操作で分かりやすいものを作ることができるのだと思いました。最近ではプログラミングなど聞きなじみのある言葉になってきているので、リハビリにも生かすことができると思いました。また、今後、Z世代が高齢になっていった際に、今のリハビリを続けていても、つまらなく感じると思うので、今回の授業で考えたデジタルを使用したリハビリを実現させていきたいと思いました。
→ Z世代が高齢になるのはまだまだ相当に先だと思いますが、対象のクライアントが「入り込める」ようにリハビリのシステムとか手法を考えていく・・・というのはいつの時代でも大切だろうと思います- 講義を受ける前は、プログラミングはパソコン、ゲームなどのものだと思っていましたが、今回の授業を通して音楽の分野などでもプログラミングが用いられていて、それを応用して様々なものに生かされていると知りました。また講義やグループワークなどを通して、デジタルとリハビリを組み合わせればもっと今以上に良いリハビリを提供できる何かを作り出せるのではないかと思いました。
→ プログラミングというのは理系のものではなくて、文系でも子供でも出来ることで、要するに「論理的にきちんと関係性を構築(記述)する」という事に尽きます。僕は日本語と英語ぐらいしか使えませんが、これまでに触れてきた(開発してきた)プログラミング言語はおよそ200言語です。ただし1ヶ月も触れていないと全て忘却するのですが、また必要になった場合にはスグに思い出して活用できる「勘所」を掴んでいるということです。Scratchなど簡単なものでも何でもいいので挑戦してみて下さい- 私は今回の集中講義を受けていて、自分の発想力の乏しさを痛感しました。技術は誰でも磨けるが、発想力というのは磨くことができないと考えるため、自分自身がプログラミングに関わる事がとても難しいと感じました。ですが、ここで諦めるのではなく、既存または新規の機械に詳しくなれば、自分の発想力の乏しさを補えると感じました。貴重な経験をありがとうございました。
→ 発想力に優れている人と、発想は苦手でも「手が動く」人と、SUACデザイン学部の学生でも両方のタイプがいます。まずは技術を磨くことはいずれにおいても重要です。発想力というと難しいようですが、「視点をいろいろに持つ」・「柔軟な頭」と考えると、これを自分で「鍛える」ことは可能ですので、調べてチャレンジしてみましょう。軽度認知症予防のための「脳トレ」なども、見方を変えると発想力向上トレーニングの一種です- 今回の講義を受けて、自分はプログラミングが好きだと再確認することができました。実際に触れる機会が今まで作ってこなかったので、MAX8を使用して何かを作成することにとてもワクワクし、講義の時間外でもMAX8の初心者向けの解説を見ながら色々触れてみたのですが、不慣れなため難しかったです。そのためより長嶋先生が紹介してくださった作品のアイデア力とシステムの活用の素晴らしさを感じることができました。私も将来何かしらのシステムを仕事に活用したいという漠然な思いが生まれたので、これから精進していきたいです。素晴らしい講義をしていただきありがとうございました。
→ こういう学生がどこでも必ず出てくるというのが、あちこちの大学で講義をしている身としては至上の喜びです。どうぞ頑張って自分の適性を伸ばすよう精進してください- 長嶋先生の講義を受けて、音楽の世界でもプログラミングは使用されていることにとても驚きました。また、その人の得意とする分野を活かすことで、その人らしいプログラミングができることを学びました。アイディアとしては、歩行訓練中に足の荷重が偏ると音を鳴らし教えてくれる機械があると、患者さんの自主トレの時間や日常生活での転倒やふらつき防止に繋がると考えました。
→ 「歩行訓練中に足の荷重が偏ると音を鳴らし教えてくれる機械」というのは、Max8のようなパソコンを使うまでもなく、簡易筋電センサか靴底の圧力センサとArduinoとバッテリで携帯型のものが作れると思います。この可能性は、僕もいずれどこかの機会で実現を検討してみたいと思いました- 今回の授業で行ったプレゼン大会では思った以上に突飛なアイデアを現実的になるように落とし込み、システムを考えることがとても楽しかったです。自分では「あまり現実的ではないな。」と思ったアイデアもグループメンバーと議論を重ね、時には別のアイデアを組み合わせてイメージを広げる事ができた時は達成感がありました。また費用は妥当であるか、病院で誰もが利用可能かなどの完成したイメージを更に広く考える力は将来、理学療法士になった時に患者様に必要になる能力であり、良い経験になりました。
→ このような経験と視点を持った理学療法士として巣立っていけば、必ずアイデアやニーズが浮かぶ瞬間というものがあり、そこでそのつもりで見回して探してみれば、そのシステムを実現にまで進めていけると思います。このような可能性を提示できたことは僕としても手応えとなりました- この講義を受ける以前は、先端リハビリテーションという名前のみで難しく想像していたが、授業を受けて、先端技術を用いて様々なことをリハビリテーションに活かす例を考えられるようになった。また、授業内のグループワークを行う事で他人と意見を擦り合わせて既存のリハビリテーションを改善する事を体験できた。この経験は、後々カンファレンスを行う際や大学院で研究を行う際にも大変役立つと考えられる。
→ (ここまでに出てきた感想の範囲内なので新たなコメントは特にありません)- 今回の講義で、最先端のリハビリテーション機器についてプレゼンし合い、自分では思いつかない案を知ることができました。自分が思い付いた案の殆どが現在使われている機器で代用できるものが多く、新しい物を作り出すことの難しさを感じました。私は認知症予防についての文献をいくつか読む機会があったため音楽やゲームを用いた予防法についても更に見聞を広めていきたと考えています。
→ 工学の世界では、既にあるものは工業所有権(特許/意匠など)もあって「NG」とされます(新規性が必要)。ただしデザインやアートの世界はちょっと別で、過去にほぼ同じようなアイデア/仕組みのものが存在していたとしても、それを知っている上で「こちらの方がより美しい」・「こちらの方がより楽しい」という主張が認められています。リハビリのためのシステムや福祉機器というのは、単なる工業製品ではない性格があるので、調査して過去に類似したものがあったとしても、単純な丸パクリでなく工夫を加えて、「こちらの方がよりスマート」・「こちらの方がクライアント(患者)に優しい」・「こちらの方がウェルネスに役立つ」と主張できれば実用化に向けていきたいところです- 長嶋先生の講義を受けて、リハビリテーションと工学的な分野の組み合わせをすることで、リハビリの幅が今よりさらに広がるということを感じました。例えば、パーキンソン病のすくみ足に対して、リズムや視覚的な目印を用いて、介助者なしでもスムーズに歩くことの手助けをしたり、脳卒中片麻痺患者で踵接地ができない方に対して踵が床に着くと音が鳴る靴を作ったりなどが考えられました。 発表の中でも様々な意見があり、今後臨床現場に出た際に、リハビリと工学的な分野を合わせたこういうものがあるといいなというのを考えるのもリハビリの進化に繋がるのではないかと考えました。
→ ここに上がった2つのアイデア例は、いずれもSUAC学生であれば簡単な試作まで進めることは可能です。ただしリハビリの現場について知らないので、頭の中だけで構想してもおそらく使えたものにはなりません。両領域の専門性がコラボレーションすれば、例えばこんな場で試作を発表して、来場者の中に実際にリハビリを受けている人がいたりすると、現実の現場でテストしながら試作をさらに進めて本当に役立つものが生まれるかも・・・といった発展の可能性があるのです。これから臨床現場に出ていく際に、工学やデザインの専門家とのチャンネルを持つように心がけていきましょう- 医療器具の開発や改善をとてもハードルが高く、特別なものに感じていました。しかし、各分野で活躍する人同士がつながることで、新しいものを生み出せると知り、器具の開発と改善を身近に考えるようになりました。下記について、ご意見を伺いたいです。麻痺を改善する神経の促通には単純な関節運動を正しい学習が必要です。また、モチベーションの維持はリハの効果を高めるとされています。モチベーションを維持して、単純な関節運動や日常生活で必要とされるような複雑な関節運動を再獲得するために、楽器を用いたリハを考えています。機器を調節して、単純と複雑の両方で演奏できるように筋の収縮を微調整することはできるのでしょうか。
→ ある種の楽器をリハの道具として開発することで、「演奏する」・「音楽に参加する」という強いモチベーションを誘起してリハの効果を上げる、というのは重要な戦略だと思います。そのような事例は従来から多くありますが、まだまだ新しい提案の余地があると思います。僕の専門の音楽情報科学の世界では、「新楽器」の提案の視点として、「初心者でも簡単に演奏できる」という軸と、「習熟するほど表現が深まる」という軸がいつも対立しています。僕の論文も参考にしてください。質問への回答ですが「機器を調節して、単純と複雑の両方で演奏できるように筋の収縮を微調整することは、できる(^_^)」ということになると思います関連資料・リンク
- Art & Science Laboratory
- Bio-sensing Platforms for "Wellness Entertainment" System Design
- 筋電センサ関係情報
- ウェルネス・エンタテインメントやバイオフィードバックを実現するフレームワーク/ツールキットとしてのメディアアート
- 新・筋電センサシステム「VPP-SUAC」
- 新・触覚センサシステム「PAW-double」
- SUACインスタレーション
- バイオフィードバック療法セミナー(1)
- バイオフィードバック療法セミナー(2)
- バイオフィードバック療法セミナー(3)
- 宇宙人音楽と人体音楽の作曲事例報告
- 電気刺激フィードバック装置の開発と音楽パフォーマンスへの応用
- Ars Electronica "Expanded Animation 2022" Symposium - "Synaesthetic Syntax: Gestures of Resistance"
Interactive Multimedia Generated by Rubbing/Tactile Interfaces - Biofeedback Effects for Wellness Entertainment