基礎演習E(長嶋担当回) 2023年後期
(参考)「インタラクティブ」なシステムとは
「発想を学ぶ」長嶋担当分 (10/3)
- 長嶋担当の「発想を学ぶ」のテーマは、「エレクトロニクスの基礎」です
- 長嶋(エレクトロニクスのプロ)は、文部科学省(以前は科学技術庁)登録の「技術士」(情報工学部門、電気電子部門の2部門)です。「技術士」とは日本政府がプロフェッショナル・エンジニアとして認定する工学領域で最高レベルの国家資格ですので興味のある人は検索して調べて下さい。この部門の技術士はSUACでは長嶋だけなので、これまでも、他学科/他領域のプロダクトやインテリアの学生が照明器具や音響器具を制作する場合には、まずは「長嶋に聞きに行け」と指導されてきました
- 長嶋はこれまで、 こんな学生作品 を支援してきました
- インタラクション領域での長嶋の目標 : 「インタラクティブ」の本質を理解して活用する
- SUACデザイン先輩などのインタラクティブな作品(インスタレーション)の例 → 興味のある人は眺めてみよう
- 確実な動作を目指すなら「ハンダ付け」を身に付けよう
- パソコンもスマホもおもちゃも「電気」を使っている
- 「電気」と付き合うために必須の常識 - 定性的でOK、アナログのセンスでOK
→ 興味があればここを見よう- 「弱電」と「強電」との違い
- 「強電」とは - 電気エネルギーを利用する世界、コンセントから電源を取る、感電すると死ぬ可能性あり !!
- 「弱電」とは - 電子回路や情報に関する世界、バッテリや電池が電源。感電しない(ミスしても部品が死ぬだけ)
- 強電に関わる制作を学生だけでやらないこと。発火・漏電・感電などの危険があるので必ず長嶋に相談すること
- 弱電は部品が壊れるだけで人体に危険はないので、自己責任でネットで調べて進めてもOK。ただし電子工作のネット情報には無責任な間違いも多い(ちゃんとした専門家でないホビイストもいる)ことに注意
- 日本のコンセント電圧100Vは世界中でもっとも低い
- 日本の商用電源(AC)の信頼性(停電しない・電圧と周波数が超安定している)はダントツ世界一
- アメリカは同じコンセントでも110Vなので、一部の米国製精密機器はトランスで昇圧(100V→110V)しないと誤動作する
- 海外のほとんどは200Vとか220Vなのでトランス無しに日本の機器を差し込むと発火・爆発する可能性
- 電子回路(弱電)の電源について
- 電子回路に「電源」は必須 (動作のためのエネルギー源)
- 「電圧」と「電力」とを考えて選択する - モータだけでなくLEDも多数だと消費電力は大きい
- ACアダプタでもバッテリ(電池)でも「電圧」だけでなく「電力容量」の知識が必要
- 「◯V・◯A」という数値(電圧と電流)を掛けた値が電力(→トータルで供給できるエネルギー)
- 単1~単5 は電圧は同じ(1.5V)でも容量が違う
- 「アルカリ」電池は容量がさらに大きい(長持ちする)
- ボタン電池は容量がほとんど無いのでArduinoとかには使えない ※LEDを点灯させる程度だが長持ちしない
- クルマのバッテリは「+12V」 → クルマ装飾用の「LEDテープ」はこれが多い(Arduino等に直接繋ぐとArduino即死)
- 電子回路の電源電圧と信号電圧はここ40年間ほど「+5V」が主流 ※乾電池(1.5V)では作れない半端な電圧
- 最近の高性能化により「+3.3V」とか「+3V」などに進化、一部のArduinoも「+3.3V専用」になってきているので注意(理解していない混在は故障の原因)
- ディジタル電子回路の電源(+5V)の作り方
- ディジタル電子回路の電源の必要条件は「変動ナシ、電圧の誤差は±5%以内」
- ACアダプタには大きく2種類ある - (1)スイッチング電源[安定化済み]、(2)降圧アダプタ[→後段に安定化が必須]
- スイッチング電源 - 規定内の負荷電流であれば直流出力電圧は常に安定化されて一定
「AC(交流100V)を高周波でスイッチング→高周波トランスで降圧→定電圧化(安定化)処理した+5Vを出力- 降圧アダプタ - 脈流(変動のある直流)出力。規定内でも負荷電流が増えると出力電圧がどんどん降下する
「AC(交流100V)→トランスで降圧(交流10V程度)→整流/平滑→脈流(8~12V)」 → さらに後段「3端子レギュレータ」により安定な+5Vにする必要あり- 「3端子レギュレータ」IC - 余剰電圧分を熱として放出することで安定な直流電圧を供給する電源専用IC
- 「入力」・「GND」・「出力」の3端子がある
- 入力電圧と出力電圧の差が大きい場合や、出力電流が大きい場合には「放熱板」に取り付ける必要がある
- 入力とGNDの間、また出力とGNDの間、のそれぞれにケミコンとパスコンを並列に繋ぐこと(必須)
↑入力側はケミコンの耐圧を大きくする必要があることに注意(+16Vとか+50Vとか)- 「Arduino(+電子回路)」の電源の取り方は5通り
- USBケーブルを接続してPCやUSB電源アダプタから電源供給する - スイッチング+5V電源なので安心。消費電流(容量)だけチェックすること
- 外部電源端子(EXT)に「7~12V」のACアダプタ(スイッチングでも降圧アダプタでもOK)を繋ぐ - Arduino上の3端子レギュレータが+5Vを作る
- 外部電源端子(EXT)にバッテリを繋ぐ - 006P(9V)電池、単3で5本(7.5V)、単3で6本(9V)、車載用バッテリ(12V)など - Arduino上の3端子レギュレータが+5Vを作る
Arduinoの仕様は「Input Voltage (recommended) 7-12V」であり、ここに単3で4本(6V)を繋ぐというのはプロから見ると失格。Arduino上の3端子レギュレータの電圧降下(1.2V)が大きいので、ディジタル回路としての電源条件を下回って、誤動作・誤計測・暴走などの可能性がある。 ここ にも「7V未満では、ボードの+5Vレベルがふらついたり、変動したりして、ボードが不安定になったり、analogRead()を使用しているときに正確なアナログ測定値が得られなくなったりすることがあります」と明記されている- Arduinoの「+5V」端子(オンボード3端子レギュレータの出力側)に、「スイッチング+5V」ACアダプタの出力を繋ぐ
- Arduinoの「+5V」端子に、「単3で4本(6V) → 低ドロップ3端子レギュレータ」で作った+5Vを供給する
携帯型システムで長嶋が活用する方法。普通の3端子レギュレータ(Arduinoに載っているものも同様)では+6Vから安定な+5V電源が作れないが、 このような 特別な3端子レギュレータはドロップ電圧が0.4V程度なので余裕をもって使える。実際に長嶋がSUACデザイン新入生と進めた ジャミーズ娘 のプロジェクトでも、 改造ジャミネータ のArduinoシステムの電源は「単3で4本(6V)」→「低ドロップ3端子レギュレータ」の構成で、立派にステージ上での ライヴ演奏 (首都大学東京、大垣Makerフェアへの遠征)を実現して信頼性の高さを確認できた- 電源周りでは受動電子部品「コンデンサ」が大活躍する!! (ケミコン[電解コンデンサ]とパスコン[積層セラミックコンデンサ])。 あらゆる電子回路にケミコンとパスコンを付けるのがプロの電気屋の常識(おまじない)
- ケミコン - 極性あり(逆接続すると永久破損)。耐圧(許容電圧)あり(+5V回路なら10V以上推奨)。電源電圧の変動を吸収する。47μF~100μF~470μF程度
- パスコン - 極性ナシ。パルスノイズを吸収する。ディジタルICごとに「+5V」端子と「GND」端子の間に最短距離で繋ぐ。「105」(1μF)がお薦め
- 電源だけでなく信号電圧にも注意が必要
- Arduinoなどマイコン類と、接続する周辺ボード(センサ、コントローラ等)の電源だけでなく信号電圧にも注意
- 複数のディジタル出力信号ラインをまとめてどこかの入力に接続するのは絶対厳禁(素子破壊の非常識)
- 「信号入力」には「+5V系」と「+3.3V系」がある。「L」は0ボルトでも「H」の電圧が異なる
- 「信号出力」には「+5V系」と「+3.3V系」がある。「L」は0ボルトでも「H」の電圧が異なる
- 「+5V系」の信号出力を「+5V系」の信号入力に繋ぐ - 問題ナシ(^_^)
- 「+3.3V系」の信号出力を「+3.3V系」の信号入力に繋ぐ - 問題ナシ(^_^)
- 「+5V系」の信号出力を「+3.3V系」の信号入力に繋ぐ場合 - 直接接続は素子破壊のリスクがある。簡易的には1kΩを直列に入れる。正式にはレベルシフタICを挟む
- 「+3.3V系」の信号出力を「+5V系」の信号入力に繋ぐ場合 - 簡易的には直接接続もOK(スレショルド電圧[2.5V]よりもフルスイング電圧[3.3V]は十分に高い)。正式にはレベルシフタICを挟む
- 長嶋は作品制作に関して電気電子の領域で支援します
「技法を学ぶ」長嶋担当週 (10/31)
- 長嶋担当の「技法を学ぶ」は、「インタラクティブ作品のデザインとは」です。発想法というのも「技法」の一つである、と理解しましょう
- 他の教員の「技法を学ぶ」の週では、皆さんそれぞれ何か実際に手を動かして「作る」という演習だと思いますが、今週はそのような形での「演習」はありません。皆さんは「感想/企画案レポート」を提出するだけ、というのが今週の「課題」となります
- 今年の長嶋担当回テーマは「インタラクティブ作品のデザインとは」として、以下のような内容を紹介し、検討することにしました。これは「基礎演習E」の後半(個別制作)とか、その後にインスタレーション作品などを制作していく可能性を視野に入れたものです
- 「インタラクティブなシステム」というのはこんなこと・・・というデモ
- インタラクティブなシステム実現の例 - SUAC碧風祭・メディア造形学科企画 「お化け屋敷」の事例
- インタラクティブなシステム実現に関するいろいろな話題
- 人間の感覚と自然界を結ぶセンサ/ディスプレイ
- 広義の「ディスプレイ」の考え方
- インスタレーション作品の2種類の「お客さん」
- 「ニーズ指向」デザイン vs 「シーズ指向」デザイン
- 「機能 vs コスト」という二律背反
- 「エンタテインメント・コンピューティング」のお話
- 「シリアス・ゲーム」のお話
- SUAC先輩のインタラクティブ作品例
- 演習: インタラクティブ作品のアイデア構想
- 「インタラクティブなシステム」というのはこんなこと・・・というデモをちょっとばかり
- Arduino(中国メーカ製の互換品で性能は高い)
- ここに「6軸センサ基板」を載せています
- Arduinoとの配線はたった4本
- 1本は電源(3.3V)
- 1本はGND
- 2本はArduinoのシリアルポート(Rx,Tx)
- メーカが提供するライブラリをそのまま使うだけで複雑な内幕はblack boxとして無視できる
- センサ「MPU-6050」(TDK) ★
- Arduinoのスケッチ : 3軸加速度と3軸ジャイロの値をシリアル(USB)で送るというだけの超簡単なもの
- Arduino IDEでこのスケッチのソースプログラムを見よう
- Arduinoの「シリアルモニタ」でこの出力の様子を見よう
- 謎の「Max8」というシステムでこのセンサデータを受け取ってグラフで表示してみる
- このMax8というシステムは2回生専門科目「サウンドデザイン」で学ぶ(これまでは)
- Unityでも同様に可能
- Processingでも同様に可能
- 6軸のうち1つ、地球上の重力加速度の1軸成分だけを使って音を出す→「テルミン」
- この「テルミン」で伴奏に合わせて演奏してみます ★
- インタラクティブなシステム実現の例 - SUAC碧風祭・メディア造形学科企画 「お化け屋敷」の事例
※ 「仕掛け」は先ほどデモした「テルミン」システムと同様のシンプルなもの
- 碧風祭2011「お化け屋敷」
- 碧風祭2013「お化け屋敷」
- 碧風祭2014「お化け屋敷」
- インタラクティブなシステム実現に関するいろいろな話題
- 人間の感覚と自然界を結ぶセンサ/ディスプレイ
- 入力 - 広義のセンサ
- 関係性(アルゴリズム)をデザインする - プログラム/スクリプト
- 出力 - 広義のディスプレイ
- 作品の完成よりも「仕組み」「仕掛け」の理解と検討が重要
- 広義の「ディスプレイ」の考え方
- 視覚的ディスプレイというのはごく一部 - モニタ、プロジェクション(フロント/リア/ミックス/粒状物体/噴霧/液体/・・・)、LED、レーザ、etc
- 聴覚的ディスプレイ - スピーカ、イアホン、ヘッドホン、骨伝導、直進スピーカ、地鳴り、・・・
- 「味覚」・「嗅覚」・「触覚」にもそれぞれセンサとディスプレイがある その実例(明治大学・宮下先生)
- インスタレーション作品の2種類の「お客さん」
- 作品を体験している本人
- その様子を周囲で眺めている人 → 「行列しても次に体験したい」と思わせる作品は秀逸の証拠
- この全体の風景そのものが展示空間として作品の存在を主張してくれる
- 「ニーズ指向」デザイン vs 「シーズ指向」デザイン
- 「何をしたいのか」・「何を伝えたいのか」 - ニーズ指向のデザイン
- 「この新技術/新パーツを活用して何かできないか」 - シーズ指向のデザイン
- HCI(ヒューマン・コンピュータ・インターフェース)は電子部品の単体では駄目。人間との接点の部分に「仕掛け」・「からくり」・「造形」をどのように仕組むかがデザイナの腕の見せ所
- システムからの視点(何を入力して、どのような関係で、何を返すのか) vs 体験者からの視点(何をしたら、何が返ってくるのか)
- 「機能 vs コスト」という二律背反
- 世の中は全て「二律背反」、デザインの世界でも同じ
- プロの現場では「仕様 vs 開発期間 vs コスト」という3竦み
- 「それは企業(大量生産)なら実現出来るけれど、個人が作るには費用がかかりすぎる」 ・ 「それは地道に続ければ実現できるけれど、時間がかかりすぎる」 ・ 「それはアイデアとしては最高だけど、現在の人類の技術力では実現できない」 → どうやって折り合いをつけるか?
- 作品としての実現は教員が応援するが、「美しさ」・「楽しさ」・「驚き」は学生自身のモチベーションが全て
→ 詳しくはアポをとって相談して !!- 「エンタテインメント・コンピューティング」のお話
- 「シリアス・ゲーム」のお話
- 皆んなゲーム好き?
- 「シリアス・ゲーム」 = 「役立つゲーム」
- 欧米での状況
- 長嶋の最近の共同研究 : 「バイオフィードバック・リハビリテーション」への応用 Final Lecture/Workshop by YN
- 長嶋が制作支援した「SUACインスタレーション」先輩作品のいくつかをピックアップして解説紹介
- 「先行作品の調査」(サーベイ)は重要です。ただし工学/産業の領域での工業所有権(特許・意匠など)と違って、デザインやアートの領域では「先行作品とほぼ同じ」であっても創作の意義あり、という場合もあります (こちらの方がより美しい・楽しい・素晴らしい・・・)
- SUACインスタレーション(1)
- はち
リアルな「蜂」の造形、それが一斉にガンをつけてくる迫力。実際に動くまでの悪戦苦闘- Shocking
紐を引っ張ると絵と音が出る・・・は簡単。その「スイッチ」部分のからくりとこだわり- REproduction
1ヶ月かかって便器のような造形を作り上げた結果、幻想的なインテリアが完成- 閃(きらめ)き
2回生が2人で作り上げた造形は「覗き込む」ために必須で、新たな鑑賞者を誘引する- Chessでポン!
8×8=64個のスイッチ、というだけではこの体験造形作品は語りきれない- スプラウトス
体験者よりも楽しいのは周りで見ている人、というシュールさを追求- ハコロ
「箱」にこだわった3人が夏休みを全て費やして制作した力作- 創作玩具・巨大パラパラマンガ装置「TANGO BOX」
電気はモーターを回すだけ。触覚も楽しめるこの作品は造形の力作- 星垂る
「数で勝負」というのは造形作品の一つの王道であり、愚直に追求したこの作品は記念碑となった- SUACインスタレーション(2)
- 風見屏風(かざみびょうぶ)
100個の風車を実際に並べて制作する「力技」が抜群- 電車で音を出すサウンドインスタレーション
他大学からSUAC大学院に入ってきてインタラクティブが開花した- らっとらいどらいと
「お尻でお絵描き」はシンプル。ただし怪我がない(潰れない/倒れない)ように確実な造形を実現するのは大変- Beat Box
8×8×6=384個のスイッチ、というだけではこの体験造形作品は語りきれない- Octagon
「一周ぐるりと繋がった円筒形ディスプレイ」のニュースから「どんな映像が面白いか」を追求した力作- Tiny Living
望遠鏡を改造した「顕微鏡」なのに体験者は完全に顕微鏡の中の生き物に引き込まれる- hoppin' drops
電気は一切ナシ。人間の「力」を原動力として幻想的な動きが実現された造形作品- はやくスシになりたい
シャリと15種のネタを全てフェルト造形して、さらに15話のショートムービーまで制作した力作- ネジマキウォール
「メイキング」をご覧あれ。5人が「数の迫力」を追求した3ヶ月- SUACインスタレーション(3)
- 心 臓 音
自分の心臓の拍動を実際に「見る」ことの面白さ- time and space
完成しきれなかったものの、やりたい事はシンプルで魅力的- 食音植物
音を食べてゲップで返してくる植物、というアイデアをここまで造形で完成させたのは立派- 追憶の壁
「プレゼン」をご覧あれ。作品については制作過程を記録しておいて最後にメイキングでまとめるのが重要- 海潮音
アイデア先行で実現のために相当に苦労した好例。実際に「動く」ことの難しさ- もふぽっど(mofPod)
「包み込まれて音楽を聞くiPod」というアイデアを実際の巨大ぬいぐるみで実現した力作- Revolution-J
おもちゃ楽器を改造して最終期にレディースバンドで遠征公演した事例。メイキング等をご覧あれ- OTOcakecco
発想はシンプルだが最終的に作品として作り上げるまでのプロセスは大学院生ならではの迫力- 双極式箱庭
多数の「虫」がときどきピクピク動く・・・という世界観を最後まで追求- SUACインスタレーション(4)
- 「いらない」と言われた子たち
3Dプリンタで同じ造形がいくつも出来ることから「いじめ」テーマを追求- 思わず覗きこみたくなる箱
造形と「光」を組み合わせて美しい世界を追求したが、残念な点も教訓となった- The Shadow of a World
「だまし絵」的な錯覚を実際の造形として実現してしまった作品- SUPER UNKO MAKER
馬鹿馬鹿しいアイデアを追求し尽くしたものの、造形力は不足していた、という好例。「デモ動画」をご覧あれ- めざせ! 怪獣王
浜松駅前地区のジオラマを制作し、そこを破壊しまくる怪獣を体験するというアイデア- 妖精のお菓子工場
動くジオラマに挑戦、時間をかけたこだわりのメイキングは注目- プレシ音
「子供がまたがる恐竜のオブジェ」(楽器)を愚直に制作- 召喚 ICカードバトラー
誰もが持っているICカードで「召喚」バトルをする、というコンセプトに重要なのがレーザーカッタで制作した「台」- スノードーム・ギア
レーザーカッタでアクリル製の「歯車」(中に水が入っている)を作って組み合わせて回すというアイデアは秀逸- SUACインスタレーション(5)
- 小さな世界
上下2室の造形で、上の部屋は「昼」の明るさとともに金属造形に触れると暖かい。下の部屋は「夜」の光とともに金属造形に触れると冷たい。造形全体をひっくり返すと、上下の部屋はそれぞれ次第に光が逆の演出に変化するとともに、内部の金属造形の温度も反転する。電気信号で発熱したり吸熱する「ペルチェ素子」という新しいデバイスの活用に挑戦した作品- 声の結晶 ーCrystal of Melodyー
声に反応して雪の結晶が現れる。6つ集めると雪だるまが光って歌う- チキチキ! ガチンコチェキ会
アトラクション系とクイズ系(いずれもかなり体育会系)の2種類のゲームで得点を上げると、「推し」と一緒のチェキを撮って持ち帰れる- 世界を救え! ウサギシューティング!
ウサギの被り物の3軸加速度センサによって、コロナ禍で凝り固まった首を動かす角度で照準器を移動させて、画面内に出現するコロナゾンビを造非接触体温計型ガンで撃つと、可愛いウサギに変身する。全部で10匹のウサギが登場するとゲーム終了- 乾パイ! カメレオン先パイ!
コロナ禍で飲みに行けない日々のための「乾杯」動作ゲーム。ストループ効果を利用しているので、「あか」と出たら、文字色モードでは青いジョッキで、意味モードでは赤いジョッキで乾杯する必要があり、「黄色」と出たら文字色モードでは赤いジョッキで、意味モードでは黄色いジョッキで乾杯する必要がある- あにんてっと
5体の動物を次々にステージに置くと音楽の演奏中に1パートから5パートまでアレンジが分厚くなってくる。全5曲のどれを選ぶかは最初の1体目を置く位置で決まる- Chewing Music
「咀嚼で奏でる音楽」のパフォーマンス。ネックセット先端の距離センサ(フォトリフレクタ)によって顎の動きをセンシングしてリズミックにライヴ生成する音楽のテンポ変化させ、音響素材としては頬に貼り付けたマイクで実際に色々な食べ物を咀嚼するサウンドをサンプリングする- 瓦割り台
何度でも割ることの出来るおもちゃ「無限瓦割り」を使って、COVID-19下のストレスを発散するためのインスタレーション。瓦割りの衝撃をセンシングして、16個のストロボが発光すると共に巨大な衝撃音が深い残響と共に轟く- 魔法の杖
街の模型に光を生み出す魔法の杖。杖を振って建物にビームライトを当てると、建物ごとにいろいろな種類の動画がプロジェクションマッピングされる- SUACインスタレーション(6)
- Kineto Scopee
人形の後頭部を覗いて映画を見る。人形の首にあるハンドルを回すと映画の時間軸(方向/スピード)を自在にコントロールできる- VATTEN バッテン
ジョイスティック4本を駆使したアーケードリズムゲーム- 魔法の本
魔法の本のページに書かれた魔法陣にステッキをかざすと光と共に音楽が流れる- ミュージックハイツ不仲
6部屋あるハイツの住人は、それぞれ不仲な「2人ずつ仲の良いペア」3組であり、人形は自分の部屋にだけ置ける。人形を置くと、ブルグミュラーの作品100「スティリァンヌ」の「オリジナル」と「和風」と「スペイン風」の3種類の右手と左手のパートがそれぞれ鳴り出すので、仲の良いペアだと良好に聞こえるものの、違う組み合わせだとひどい不協和音になる- 魔法が解けないうちに
時間を過ぎてしまうと状況が一変するシンデレラの世界観の目覚まし装置。2つのジオラマのテーブルが時間に合わせて回転する- 遠隔同居ちゃん
ぬいぐるみに声をかけると離れた場所のぬいぐるみから変容された声が返ってくる- Ur Planet
12枚のうち自分の星座のカードを選び、次に5個のうち好きな色/形の隕石を選び、最後に4枚のうち自分の血液型のカードを選んでリーダで読み込むと、宇宙空間に浮かぶ自分の惑星が完成して、シャッターで確定する- 冷蔵庫の猫
冷蔵庫の扉を開けると双頭の猫がいて、一方は色々なことを勝手に話し、もう一方は適当に相槌を打つ。扉が閉まる(暗くなる)とストップし、また開けると話が始まる- 告知 12月には こんなイベント もあります。興味のある人はどうぞ
- 宿題
- 「技法を学ぶ」長嶋担当分の出席確認として、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。manabaは使いません
- 以下に並んだ条件(Regulation)をよく読んでください。形式違反・条件違反などは無効となります。コンペ応募にしても就職活動にしても、提示されたRegulationを正しく理解して従うというのは最低限の条件なので、このレポート提出も一種のトレーニングです
- ChatGPTなどを使ってレポートを作成することは、今回は禁止します (今後については活用法を検討中)
- レポートの内容としては、過去の先輩作品の事例を参照/鑑賞/考察したり、長嶋の提示したいろいろな「視点」を参考にして、「インタラクティブ作品のアイデア構想」(作品企画案)に挑戦してください。なるべく「既存の作品そのままモロ同じ」を避けて、オリジナリティあるアイデアを期待しています
- デザイン学部のレポートですから、ドラえもんのように「現実的でない夢の技術」を仮定したファンタジー企画はNGです
- デザイン学部の常識ですが、作品の対象(ユーザ像)を想定して付記してください
- 分量は150文字以上~300文字以下とします。長大な文書は不要です
- 企画案は複数案を列記せず、必ず一つに絞ってください
- レポートはメイル本文として記述して下さい。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
- 今回は「インタラクティブ作品のアイデア構想」(作品企画案)なので、必須条件として「イメージスケッチ」を、上記のメイルに「JPG画像(ファイルサイズを1MB未満に圧縮/変形すること。ファイル名は自由)」を1枚だけ添付してください。JPG画像以外だったり2枚以上だったりファイルサイズが1MB以上だった場合には無効となります。1枚のJPG画像の中に複数のイメージスケッチや解説の言葉が入っているのはOKで、サイズ圧縮のためにはモノクロ化も推奨します。推奨の解像度は「72dpi」で、画像サイズは自由です。300dpiなど高解像度にするとファイルサイズが無駄に大きくなります
- 提出期限は11/6(月)の12:00です。それ以降のメイルは無効となります。10/31にマルチメディア室に身体が出席していたとしても、このメイル未提出者は出席点が大幅に減点されます
- メイルはSUAC学生アドレスから送って下さい。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効です
- Subject:(タイトル)には必ず「基礎演習E(長嶋)・レポート(2324000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を記載して下さい
- 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど返信します。これが提出確認(証拠)となるので保管しておいて下さい
- いずれここの下あたりに、それぞれのレポート(氏名は伏せます)に対する長嶋のコメントを書いていきます。ただレポートを出しっ放しにするのでなく、他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントまでをよく読んでお互いの知識を向上させましょう
「技法を学ぶ」長嶋担当分 (10/31)のレポートと、それに対する長嶋のコメント
以下のレポートは提出順(下に行くほど最新)です。提出画像データの条件違反は、大幅な超過が4人(2MBが2人、3MBと4MBが各1人)、画像データ形式不明が2人でした。締め切り当日の朝になってから提出となったレポートには「形式不備」がいくつも見られて、さらに締め切りギリギリに近付くほど文字数も減り、中身が薄くなって雑になる傾向(毎年、同じです)が明らかに見られました。「レポートは余裕をもって」というのはレポートに限ったことではないのでしょうね。未提出者は5人でした。
- 「モンスタースナイプ」。概要 : モンスターの見た目をした的を撃つ簡単なシューティングゲーム。LEDを使用したランダムに光るモンスターの的を用意し、スポンジ銃などの安全なもので射撃する。衝撃センサを使用し、的の中心に弾を当てると消えるようにする。的によって何度か撃たないと消えないように設定し、それぞれ難易度を変える。対象 : 10代前後 男子 ★
→ 頑張ればMax8などのパソコンを使わず、Arduinoだけのスタンドアロンで制作できる可能性があります。ただし、モンスターの「的」を半透明の素材で制作してバックライトのLEDがランダムに交互に光って、かつ光っている時にだけ衝撃センサの検出を有効にすることはArduinoのプログラムで可能なのですが、衝撃センサを「的」の中央に配置すると、LEDでその「影」が出てしまう・・・という本質的な欠陥があります。センサを端っこに移動させるのではこの企画では適切でないので、そのあたりの検討/工夫が必要になります- 10代から30代の女性を対象にしている。床にスクリーンが投射されており、近くに置いてあるマイクの台のスイッチを押しマイクに向かって声を出すと、その声の大きさによって花の大きさが変わり、高さに応じて種類の違う花が咲く。1分間ほどその花は咲き続けて、自分で咲かせた花畑を歩くことが出来る。1分経つと花が散っていく。人によって変わる映像を楽しみ、実際に花畑を歩いているような体験することが出来る。 ★
→ このアイデアはプロジェクタを上空に配置して床面にプロジェクションすればMax8で容易に実現できます。システムとしては「カエルBAND」の事例と同様になり、LED点灯の代わりにパソコンからの画像をリアルタイムに変容させればOKです。ただしこの作品では、自分の影が自分の足元にかぶってくるので、花畑の中でももっとも近くで見たい花ほどその自分の影に邪魔される・・・という課題があります- 私は「お金がたまらないゲーム好きな小学生」を対象とした、「カエルの合唱貯金箱」を提案します。先輩の作品、「オーケストラBOX」を私なりの視点から参照し、考えました。先輩の作品を鑑賞し、もう少し実用性と自由度をあげてちょっとしたゲームを体験できるようなものにしたいと思ったので、コイン(お金)をこの貯金箱に入れるたびにカエルの合唱の音源が重なっていくという設定にしました。 ★
→ 複数の声パートがあって、コインを入れると次第にその声がコーラスとして増えていく・・・という企画は良いと思います。頑張ればMax8ナシでArduinoだけでも実現できるかもです。ただしイメージイラストでは、コイン投入でスタートした声部がちょうどの区切りになったところで次のコインを入れて「輪唱」になっていますが、このコイン投入のタイミングが「リズム音痴」で異なっていた場合にどうなるかの戦略が不明です。そのあたりの検討がさらに必要です- 私は思わず登りたくなるピクセルアート階段を提案します。階段をマスに分け、踏板にスイッチを設置し、踏むとそのマスの蹴込の部分が光る仕組みです。光はあらかじめ色が決まっていて、全部光らせると巨大なピクセルアートが完成します。また、テーマとなるイラストは複数のパターンがあります。作品作りに思わず協力したくなる心理を活用し、普段オフィスワークが中心で身体を動かさない人や、子供、年配の方などを対象にした、楽しく健康になれる手段として役立たせたいと考えています。 ★
→ アイデアとしてはシンプルで、関係性も明瞭で、全部完成すると美しいという「動作の様子」も容易に想像できます。ただしこれを実際に作品として実現するためには、材料費として相当のコスト(数十万円~100万円)が必要になり、スポンサー無しで個人の作家としてこれを制作するためにはまずは宝くじに当選する必要があるというのが致命的な課題かもしれません- 私の提案する作品のターゲット層は主に高齢者です。人は誰しもお風呂の中で眠たくなってしまう事がありますが、それが高齢者にとっては命を落とす危険性があります。高齢者に限らずお風呂の中で寝てしまい亡くなってしまったニュースを数多く見て来ました。そこで提案するのが温度を感知し、危険を察知するとアラームが鳴る装置です。人がお風呂に入ると一時的に水の温度が下がり、徐々に温度が上がり始めます。その事を利用してある一定の温度になるとアラームが鳴る装置を提案します。装置の形はお風呂に入れる事に抵抗なく景観を邪魔しない様々な形を作ります。たくさん置きたくなるようなデザインにし、より安全性を高めたいと考えます。 ★
→ 「人がお風呂に入ると一時的に水の温度が下がり、徐々に温度が上がり始めます」という前提でのアイデアですが、これは現実のお風呂の利用状況と合致しているでしょうか。昔のお風呂は循環する水を「沸かして」加熱しましたが、現在ではお風呂の温度を上げる時には「温かいお湯を足す」という感じだと思うので、ちょっと動作状況とその目標/関係性がよくわかりませんでした。実際にはお湯の上に浮かべた物体に温度センサを仕込んだ場合には、揺れによってセンサとお湯との接触状況がかなり変化するので、0.5℃とか1℃とかの変動を正確に計測するのはかなり難しいです- 提案 : 試行錯誤して遊ぶピンボール。内容 : ピンボールの台がスクリーンに映るピンボール台と連動しており、台に好きなパーツを載せて設定された「あたり」ゾーンにボールを入れるとクリア。パーツと台にはセンサーが装備されており、パーツが設置されることでその位置が画面に反映される。持ち手を引っ張る長さでボールの勢いが変わる。ボールの軌道はコンピュータで計算される。スピードや跳ね返りを計算して盤面を設置する必要があり、何度も挑戦することが前提なので複数人でやいのやいの言いながら考えるのも良し、一人で挑戦するのも良しなゲーム。 ★
→ 画面(パソコン)内に閉じていないで実際のピンボールの台を使うところはいいのですが、その「実際のピンボール台」では実際のボールが走っていないのはちょっと寂しいです。先輩のFLASH/Unityなどで制作したこの手のゲーム(アプリ)の事例では、自分で障害物とかを設置/移動などカスタマイズして遊ぶ・・・というアイデアはいくつか実際に制作されています- ユーザー像は未就学児です。小さな子供でも理解しやすい形で、動作と映像の連動を楽しめるアイデアを模索し、''おままごと''に着想を得ました。鍋型のオブジェクトに、具材を模したオブジェクトを入れて蓋を閉めると、その組み合わせによって、スクリーンに対応した映像が流れます。別の動作モードでは、動物のリクエストに応じた料理をつくる遊びができます。食材選択の正誤によって、それに対応した映像が流れます。また、動物毎に設定された特定の食材を入れると特殊なリアクションを取る仕掛けを設定します。 ★
→ おままごとで実際に食材のオブジェクトがあるというのは子供の「知育ゲーム」としてとても有効です。ただしそれぞれの食材にRFIDなどのタグを内蔵させて検出したいのですが、RFIDリーダの検出範囲はかなり限定されていて、さらに同時に検出できるタグは2個程度(SUICAとEXカードの2枚を重ねて新幹線→JRの乗り換えが出来るように)なので、お鍋にバラバラと適当に投げ込んだ造形内のRFIDを全て、過不足なく検出するというのはちょっと困難です。過去のRFIDを使った先輩作品の事例をよく検討してみて欲しいのですが、いかに体験者にそのような制約を感じさせずに、自然に「必ずRFIDリーダの中央上空に1個だけのRFIDを示させる」ことを実現しているか、という部分に、皆んな知恵を絞ってきています- 「音と光」。オルガンの音に反応して、スクリーン上に波紋が広がっていくように、オルガンで弾いた音に対応した色が映し出される。対象年齢は、三歳から十八歳。音と光はどちらでも波であるという共通点から、波紋をデザインに起用した。高い音ほどスクリーン上部に映し出されるようにすることで、小さい子でも仕組みがわかるようにしている。また、音の大きさによって波紋の大きさも変わることで、演奏する曲によって異なる雰囲気の光を楽しむことができる。 ★
→ 美しい作品の姿が想像できる企画です。ただしこの案だと、波紋の映像がオルガンのどの鍵盤を弾いた時のものと対応しているか、が分かりにくいという問題点があります。岩井俊雄+坂本龍一の作品ではオルガンでなくピアノですが、鍵盤を弾くとスクリーンに飛び出す「光」が鍵盤の位置に対応したところから出発しているので、この関係性がよく分かるものでした。以下を参照してみましょう→ ★ ★ ★ ★ ★- 私が考えた作品企画案のタイトルは「お風呂で世界旅行」です。世界地図に合わせて映像が流れるという作品のアイデアを素敵だと思い、さらに日常的に利用できれば良いと思い考えました。世界地図を小さなタッチパネルにし、各国の映像を大きなスクリーンに映し出せたら、行きたい国にタッチするだけで簡単に世界旅行をしている気分になれると思います。個人的に毎日お風呂に入る行為が面倒で嫌いだということもあり、お風呂でそれができれば毎日楽しくお風呂に入れるかつ、風呂場の空間を有効活用できると考えました。作品の対象は、忙しくてなかなか旅行に行くことができない20代~30代の会社員です。 ★
→ お風呂という環境は、湯/水と湿気に満ちた空間なので、いかに防水処理をするとしても、タッチパネルやスクリーン(プロジェクタ?)が持ち込まれるという状況は、ちょっと僕は怖くて尻込みしてしまいます。ジップロックにスマホとかタブレットを入れて世界地図のアイコンをタッチして関連動画を見る、というもの(アプリ/Webサイト)は製品化されていたと思います。先輩作品としては SUACインスタレーション(3) の中の「Fantastic World Journey !」を調べてみましょう- 今回の企画の対象者は未就学児です。おままごとに使うおもちゃに電子工作を施すことで、食材を切る感触や音を再現することによってリアルに近いおままごとを実現するという企画です。食材(おもちゃ)に音や切った時の感覚のデータを登録しておくと、包丁などのおもちゃがそれを読み取って感触を再現するという仕組みです。子供が従来のおままごとを通して実際の料理に興味を持ち始めたとはいえ、まだ本物の調理器具を持たせるのが心配な親にとっても子供にとっても良い体験を与えることの出来るおもちゃになると思います。 ★
→ 「食」をテーマとして音を活用した先輩作品としては SUACインスタレーション(1) の中の「Shocking」(食ing)がありました。また、リンクを発掘できませんでしたがIAMAS学生作品で包丁で食材玩具を切る(→切られて分割されたものが磁石で元に戻る)というものがありました。「包丁で食材を切る感触」を記録して再生する、と簡単に書いていますが、これは現在まで十分には実現されていない技術であり、アイデアはいいのですが現状ではちょっと実現困難かと思います- 『不思議な鍛治』。ユーザーがアイテムを選択し、映像にあわせてハンマーを振るうと武器が完成する。対象として小学生を想定し、冒険系のゲームに出てくるような武器を作る鍛治を体験できる。アイテムを5個用意する。1つ1つのアイテムは重さを変えユーザーが2つ選びその重さごとに完成するアイテムが変化する。始めスクリーンには鍛冶屋の風景を写し、ハンマーを振り下ろす時には動きに応じてカンカンと叩いているような映像を映す。最後にどのような武器ができたかを映す。 ★
→ 技術的には実現は容易であり、先輩作品の SUACインスタレーション(4) の中の「錬成」と、 SUACインスタレーション(5) の中の「うちでのShakin'」とを組み合わせたような感じになります。ただし今回の基礎演習Eの制作期間ではちょっと無理でしょう- 過去の作品で、振動を利用する作品が見られたので、そこからプリンのプルプル感を出せるお皿を構想しました。ユーザー像としては、30-40代のプリンにロマンを感じていそうないい年齢の大人を想定しています。横にプリンが振動するだけでなく、縦にも少し振動させてより美味しく見えるような動きを出すつもりです。機械的な動きにならないように、一定な振動ではなく、ランダムな振動を目指したいです。また、食べるときに振動していたら食べにくいので、食べる瞬間には振動が徐々におさまっていく感じにしたいのに加え、机が揺れるほどの振動ではなくほんのわずかな振動を出したいです。 ★
→ 造形作品で「振動」「動き」を実現するためにはモーターを使いますが、この企画のような動作を実現するためにはDCモーターでなくてステッピングモータを使うと、細やかな振動やランダム性なども容易に実現できます。ステッピングモータを使った先輩作品としては SUACインスタレーション(4) の中の「SUPER UNKO MAKER」とか、 SUACインスタレーション(4) の中の「妖精のお菓子工場」とかがあります。ちょっと基礎演習Eの範囲は超えていると思います- キになるキを見て笑顔になると生まれるたまごを考えました。対象は受験生です。受験生の時にやる気がでないときは、口角を上げるだけでも楽しいと感じて多幸感をもたらすので、割り箸を噛んで勉強するとよいです。と言っている方がいたのですが、普通に笑った方がいいのではないかと思ったのと、リフレッシュになったらいいなと思い考えました。 ★
→ 過去にもカメラの画像認識によって「表情」をセンシングして、それぞれに対応した動画が流れる・・・というアイデアを検討した先輩がいましたが、心理的な要因が必要な「表情認識」というのは当時の先端技術(まだ未解決)だったので作品にはなりませんでした。現在ではビッグデータを基礎とする深層学習によって、既存のサービス/製品でも表情認識が実現されてきているので、表情認識の技術(API)が公開されれば、これを活用すると将来的には実現の可能性があるかもしれません- 私が考えるインタラクティブな作品のアイデアは、「watch a movie」で棚の中の自分が見たいDVDを引っ張ると液晶テレビもしくはロールスクリーンにその作品の映像が流れるというものです。対象者は主に子供でゲームなどが流行り、映画を見る機会の少ない人達に少し面白い仕組みを使って映画に興味を持って貰えるといいなと思い考えました。 ★
→ この企画では「棚の中の自分が見たいDVD」は単なるスイッチということなので、そのDVDケースは空っぽでもいいという事でしょうか。「CDケース」や昔の「LPレコードのジャケット」など、「現物」の存在感が注目されている時代なので、これもアリかもしれません- 私は、水遣りをすると光る花瓶を考えました。この花瓶は、水を注いである一定の水位に達することで花瓶がライトアップされる仕組みになっていて、花だけでなく花瓶ごと映えるようにしたいと思い、このアイデアを考えました。また、ある程度水位が保たれているときはライトアップし続けていますが、水位が下がると光は消えてしまう仕組みなので、ついつい水遣りをすることを忘れてしまう方にとっては、わかりやすい指標になると思います。そして,1日1回の水遣りが楽しみになるような、花とマッチした綺麗なライトアップになっています。 ★
→ 花に水やりする、という行為を実際に本物の水で実現した先輩作品としては SUACインスタレーション(4) の中の「Flower」があります。この企画案では水センサとLEDイルミネーションとの関係性だけであればパソコンを使うことなくArduinoで実現可能です- 私は「着せ替えアプリ」を提案します。ターゲット層は10代から20代前半です。ファッションに使うことのできる金額も時間も限られていて、自分の気に入った服を全て買うことは出来ないし、全てを試着する時間もないからです。そこで商品説明の欄の写真とあらかじめ撮影しておいた自分の写真をAIによって合成する事で、自分が着用した際の360°の見え方やコーディネートを確認する事ができるのではないかと考えました。またこのアプリによって、アニメキャラの服やテレビに出演者の服を自分に着せる事が可能なので、前や横からしか見えていない服を自分で作る際の見本にする事が出来るのではないかと思います。 ★
→ 「単なるアプリは対象外」と言ったのですがこれは単なるアプリであり、さらに既に実際に存在しているサービスのようです- 作品の対象 : 音楽に興味のある人。ギターの楽しさを全ての人に伝えるために、ライブ会場で演奏しているアーティストの気分を体験できる【ギタリストフラッシュ】。ギターの弦を引くと同時に部屋中に設置された照明が自分を照らすようにする。弾く弦やコードによって照明の光り方や色が変わるので、まるで自分がスーパースターになったかのような気分になれる。ギターの弾き方がわからない人でも、適当に引くだけで照明が光るので楽しめる。 ★
→ ギターの弦を弾くことのセンシングはエレキギターであればピックアップの出力から容易であり、それによって照明を制御するのもまぁ容易です。ただし「ギターの弾き方がわからない人でも、適当に引くだけで照明が光るので楽しめる」というのはちょっと疑問で、適当に弾いたギターの音というのは聞けたものではないので、楽しめるのだろうか?という気がします- インタラクティブ作品のアイデア構想として私は「自分でつくる絵本」を考えました。対象は小学生・中学生です。大きい絵本に上から映像を投影して選択肢や文字入力ができるようにし、それにあった映像と文字が映し出され、途中から自分で物語をつくっていける作品にしました。触った所を感知できるセンサーをつけ、選択肢にはあらかじめ数パターンの映像を用意し、文字入力ではチャットGPTなどを駆使して映像や文字をつくりだします。 ★
→ 先輩作品の SUACインスタレーション(3) の中の「もっと飛び出す絵本」を調べてみましょう- 世界一孤独なクジラと呼ばれている、52Hzで鳴くクジラをモチーフとしたミニゲーム。対象は小学生の子供。目の前にスクリーンが設置されており、52Hzのクジラとそのクジラが伝えたいことが吹き出しで表示されているが、画面がぼやけていてよく見えない。また、クジラの鳴き声の音声が一定の音階で流れている。ユーザーはクジラのぬいぐるみを持っており、ぬいぐるみからも同様に音声が流れており、ぬいぐるみの角度によって音程が変わる。ユーザーは、手に持ったぬいぐるみから流れる鳴き声と、画面のクジラの鳴き声の音程が一致するようにぬいぐるみの角度を動かしてもらい、一致したら画面が鮮明になりクジラのメッセージが伝わる。 ★
→ ぬいぐるみに加速度センサ(重力方向検出)を入れて、クジラの音声のピッチと合わせることを検出すればいいので、技術的には実現は容易です。ただしクジラの52Hzというのは人間にはまず聞こえない超低周波なので、クジラの鳴き声として「本物とは無関係のサウンド」を使うことになるところが、せっかくのコンセプトと違うのでちょっと気になります- ポケットに入ることができるカンガルーのぬいぐるみを提案します。このぬいぐるみは、寝つきが悪い人や癒されたい人、そして1人が寂しい人を対象としています。モーターで心臓の動きを再現し、心臓の音も再生する仕組みを取り入れています。これにより、生きている動物のようなリアルさを表現します。心臓の動きによって、ユーザーは呼吸を整え、リラックスすることができます。また、カンガルーの包み込むような大きな手によってハグされているような感覚なり、安心して眠ることができます。 ★
→ 人間が包み込まれるような造形としては、先輩作品の SUACインスタレーション(3) の中の「もふぽっど(mofPod)」があります。これは人間が後ろに倒れないように、内部には「座椅子」が入っているものであり、さらに実際に巨大な造形を制作するために「市販のぬいぐるみを購入してバラす→型紙を調べる→本番の1/5サイズのぬいぐるみから型紙を作る→本番のサイズの型紙から布を切り出して裁縫大会」というステップを進めました。この作品の プレゼン をよく検討してみましょう。また、呼吸しているように動くとか心臓の音という部分はけっこう難しいのですが、エアーを使った先輩作品の SUACインスタレーション(3) の中の「心 臓 音」を調べてみましょう- 作品タイトル「スポイトかるた」。対象のユーザー「幼児~小学生」。私は、Arduinoとカラーセンサを使って、"リアルスポイトツール"を作成し、色当てかるたをするゲームを企画する。スクリーンに色のお題が出されて、プレイヤーは手元にある色がついたカードからお題と合致するものを探し出す。見つけたら、カラーセンサが中に入っているスポイトツールをカードにかざして読み込んで、正しければスクリーンに正解の画面が表示される。より多くの色カードを獲得した人が勝利。お題は、スクリーンに色だけをのせるのではなく、イラストをのせ、その色当てさせるようにして、対象者である子どもが退屈しないように配慮した。二人以上のプレイヤーで遊ぶことを推奨する。 ★
→ 実際にカラーセンサをスポイトツールとして使った先輩作品としては、 SUACインスタレーション(3) の中の「Color Odyssey」とか、 SUACインスタレーション(3) の中の「Coloration」とかがありますが、この企画案の場合には、RFIDを使ったほうが簡単な気がします。人間は「カラー」と言いますが、実際には「光」の場合と「色」の場合で技術的には異なるアプローチが必要になります- 私は「眠気察知デスク」を考えました。これは受験勉強をする学生を対象とした案です。このデスクには眠気を察知するためカメラを搭載し、動きの少なさをAIが感知します。感知すると警報音がなり、照明が作動して、勉強している人を起こせるようにします。この机があることで勉強をする人を眠気に遮られることを防ぐことができると考えています。 ★
→ 「眠気を察知→警報音/照明」というアイデアは過去の「基礎演習E」の先輩作品でもいくつかありましたから調べてみましょう- 提案:家をモチーフにした小銭貯金箱 ターゲット:小学生 内容:小銭をトンネルから入れると小銭が判別され、どれだけ貯まったか電子掲示板で表示される。それぞれの小銭の直径に合わせた穴を開けて、そこから落ちた小銭の重さを測ることで枚数を把握する。裏側に南京錠を開けるとお金を取り出せる引き出しがあり、表側の扉部分に南京錠の鍵を収納できる。インターホン風のボタンを押すと金額が表示される仕組みで、知りたくないとき用に普段は表示されない。モチベーションを上げるために貯まった小銭が見える窓を設置。また、小銭が落ちた際に効果音が鳴る。金額が高いほど豪華な効果音にすることで、貯金を楽しんでもらえるようにする。 ★
→ 簡単に書いていますが、この仕様を正しく実現するというのは相当に困難があります。大きなコインの穴に小さなコインを間違えて投入したらどうなるか・・・などの判定がやっかいです- 私が提案するインタラクティブな構想は、「思わず上りたくなる階段」だ。大まなかな構想としては、夜になり、人がやってくると階段の手すりに沿って付けられたライトが光るというもの。その為、それが持つセンサーは赤外線、照度、ジャイロの3つ。設置場所は文芸大南側の屋外階段の為、想定するユーザーは20代前後の大学生だ。赤外線センサーを階段の始まりに設置し、人を検知するとまずライトが光る。次にジャイロセンサーでその人の加速度を図り、連なったライトが上る速さに合わせて階段を流れるように光っていく。また、階段を下りてくる人を感知するとライトが点滅するなどして、新たな反応を楽しめる。人が階段からいなくなると消灯。 ★
→ ジャイロセンサでは加速度は計測できません- 私がインスピレーションを受けた作品はsuacインスタレーション(3)の[宇宙電話]です。作品対象のユーザーは占いが好きな人です。この作品のタイトルは「占い電話」で受話器をとり電話のボタンを自分の生年月日で入力するとAIがそれを感知し占いサイトから今日のその人の運勢を占って受話器から結果の音声を聞くことが出来ます。また、使っているユーザーの悩み事を受話器に向かって話すとそれもAIが感知しそのユーザーに答えるという使い方もできます。 ★
→ 図が見えません- 私は、筋力トレーニング(以下「筋トレ」という)と音楽を掛け合わせたインタラクティブ作品を考えた。対象者は筋トレに対する苦手意識がある人である。概要(腹筋の場合)としては、一回腹筋をするごとに一音演奏することができ、曲のリズムを腹筋で刻みながら演奏を楽しむというものである。八分音符の部分は腹筋のスピードを上げ、二分音符の部分はゆっくりと腹筋をしなければならないため、筋肉にも良い効果があり良い相乗効果となるだろう。筋トレが苦手だという人が自分の好きな曲を演奏しながら筋トレをすることで演奏の上達と筋トレの効果で達成感がより増す。それを繰り返すことで筋トレを克服できる作品になれば良いなと考えた。 ★
→ 「曲のリズムを腹筋で刻みながら演奏を楽しむ」というのはちょっと無理があるのでは。メロディーの8分音符・4分音符・2分音符などが正確に腹筋でコントロールされないと、聞かされるメロディーはぐちゃぐちゃになりそうな気がします- 幼児(4~6歳)向けの睡眠導入用ランプを提案します。土台に光源を搭載し、もうひとつのオブジェクトに音が流れる仕組みを搭載します。それらをリードスイッチで反応するようにし、土台にオブジェクトを置くと、そのオブジェクトに応じた音楽、或いは絵本の朗読音声を約30分間流れるようにします。土台の光源は30分の間に段階的に暗くなっていくようプログラムし、入眠を促します。オブジェクトによって流れる音が変化することで、オブジェクトを選ぶ楽しみがあり、流れる音声を環境音や穏やかな音楽(オルゴール等)にすれば、大人も楽しむことができます。 ★
→ まずまず実現は容易です。Arduinoとサウンドシールドを使うことになります- 私は「マイヒーローアクション」という名前のゲームを提案します。対象は子供から大人までです。これは変身ベルトで真似をしている子供やオタクの人を見て、変身してその後に何もないのがつまらなさそうに感じたことから発想しました。概要は、始めに好きなヒーローの変身ポーズをカメラの前でして、モニターの画面上で自分がそのヒーローに変身できるようにします。その後、そのヒーローでモニター上に現れる敵をパンチやキックで倒していき、最後のボスにはそのヒーローの必殺技を打ちます。パンチやキックなどのタイミングで点数や演出が変わるようにします。 ★
→ 「単なるアプリは対象外」と言ったのですがこれは単なるアプリですね。さらに、せっかくのパンチやキックが「そういう動作」というだけのエア身振りであるのがもの足りません。先輩作品の SUACインスタレーション(5) の中の「チキチキ! ガチンコチェキ会」を見てみましょう。実際にキックやパンチを行うという力作です- 私は、小学生くらいの子どもを対象としたものを考えました。レストランで使われる銀色のドーム状の蓋(クローシュというらしい)を、ドアをノックするように叩くと、手足が伸び、蓋が立ち上がり、揺れたり光ったり、踊るように動きます。踊った後は、横に捌けて、くつろいでいる。動きがあって、見ていて飽きない。これで、ご飯の時間がもっと楽しくなると思います。 ★
→ 一種のロボットということで実現は相当に困難です- 企画案 : 「自分に合った髪型を見つけられるアプリ」。アプリでカメラを起動して、ユーザーの頭部をスキャンすることで、合った髪型を即時に合成、カメラを動かすことで360度からその髪型を確認できるようにする。そして、撮ったユーザーの写真に選んだ髪型を合成し、さらにボリュームや髪色、質感を調整出来るようにする。また、実際にユーザーが美容師やスタイリストと繋がることができるようにし、個人チャットで細かいアドバイスを貰えるようにする。 ★
→ 「単なるアプリは対象外」と言ったのですがこれは単なるアプリです- リラックスして目覚められる目覚まし時計を提案します。対象者は、朝陽の光と自然な音で心地よく目を覚ましたい人です。目覚ましをセットした15分前から徐々に明かりがつきます。予定時刻になったら光が最大になり、アラームとして鳥のさえずりや波の音など自然な音がランダムで流れます。また、アラームを止める際はひよこの頭を押すと止まる仕組みです。 ★
→ 図が見えません- 「インタラクティブ作品のアイデア構想」として音のなる羽ペンを提案します。作品の対象は、筆記することや筆記具が好きな人、音を奏でる物が好きな人と設定しました。構想物の名前自体は「音のなる羽ペン」ですが、実際に音が鳴るのはペンとセットの下敷きという想定です。ペンの中に仕掛けがあり、筆記するために下敷きと近づけると下敷きが反応して音を出し、筆記を続けると音が鳴り続け音楽を奏でるという仕組みを考えました。 ★
→ 図に書かれているような問題点があるので問題です- 作品名:「宝箱の謎を解き明かせ」。作品の対象:高校や大学の文化祭のミニゲームで遊ぶ学生。説明:クイズや謎解きの問題文を2つの画面上に表示し、1問目では磁石の入った虫眼鏡を、リードスイッチの入った番号パネルに近づける。正解すると音が鳴って光り、パネルをめくると鍵を手に入れられる。不正解だったら音だけがなる。2問目は複数の宝箱を用意し、宝箱の鍵穴の部分にキーロックスイッチを使用する。正解だったら音が鳴って宝箱が光る。不正解だったら音だけがなる。 ★
→ 1問目と2問目の並んだ道具をどう交換するのか不明です「20231121レポート」へのコメント (2023.11.22)
「20231128レポート」へのコメント (2023.11.29)
「20231225中間報告」へのコメント (2023.12.25)
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