基礎演習E(長嶋担当回) 2023年前期

(参考)「インタラクティブ」なシステムとは

「発想を学ぶ」長嶋担当分 (4/14)

  • 宿題 (長嶋担当分に限定。他の先生は別途に指示があります)
    • 「発想を学ぶ」長嶋担当分の出席確認として、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。manabaは使いません
    • ChatGPTなどを使ってレポートを作成することは、今回は禁止します (今後については活用法を検討中)
    • 対象は、上の「SUACインスタレーション(5)の中にある、過去の基礎演習Eで長嶋が制作を支援した学生課題作品」(他科目/総合演習/卒制作品など他の学生作品は対象外)ですので、まずはアクセスして参照して下さい。メイキングの様子、最終発表のプレゼンPDF、動作の様子を記録したYouTube動画へのリンクなどの関連情報があります
    • レポートの内容としては、これら作品のうちから特に気になった1作品を選んで、「自分ならこの作品をこういう風に発展させてみたい」というコメント、「この作品のこの部分はどうなっているのか?」等の質問、などを歓迎します。あるいは(他領域を志望していて必修単位のためにだけ基礎演習Eを履修しておりインタラクティブ作品にとりたてて興味が無い場合には)、今週の長嶋担当分の内容の「感想」でもOKです
    • デザイン学部のレポートですから、ドラえもんのように「現実的でない夢の技術」を仮定したファンタジーはNGです
    • 分量は100文字以上〜150文字以下とします。長大な文書は不要です
    • レポートはメイル本文として記述して下さい。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
    • 提出期限は4/18(火)の23:59です。それ以降のメイルは無効となります
    • メイルは学生のSUACアドレスから送って下さい。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効です
    • Subject:(タイトル)には必ず「基礎演習E(長嶋)・レポート(2224000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を記載して下さい
    • 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど返信します。これが提出確認(証拠)となるので保管しておいて下さい
    • いずれここの下あたりに、それぞれのレポート(氏名は伏せます)に対する長嶋のコメントを書いていきます。ただレポートを出しっ放しにするのでなく、他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントまでをよく読んでお互いの知識を向上させましょう

    「発想を学ぶ」長嶋担当分 (4/14)のレポートと、それに対する長嶋のコメント

    • 「悪霊退散」 夏に大活躍しそうな作品だと思った。どのくらい震えるとなってしまうのか気になった。あと電気をつけて震えなくても怖いBGMがずっと流れているようにしたら雰囲気がもっと怖くなりそうだなと思った。握りしめる形だと震えにくそうだから何かにろうそくを乗せるようにしたらいいと思った。
      この作品はデモ動画が無いのでわかりにくいですが、ちょっと太めであるもののロウソクのような筒状の造形に全体を仕込むところが一番、大変でした。サウンドファイルをmp3化して普通のArduinoに載せたのではこのサイズにならないので「BGMを鳴らす」というのは、プレゼンの全体像にあるように大きさの点で無理です。震える情報は加速度センサで検出していてちょっとした振動も検出でき、大きく震えるとサウンドの音量も歪みも増すような仕組みにしました
    • 選んだ作品「窓が光る小さな家」。ただ光るだけではなく、見る側が家の中を想像できる工夫がされているのが面白いと思った。YouTubeのプレゼンテーション動画の中で、時々壁一面の窓の明かりが同じタイミングで消えてしまうのが現実的ではないという指摘があった。この問題は壁の内側に仕切りを設ければ解決するのではないかと思った。
      4面の壁にそれぞれ4部屋に相当する窓があるので、他の窓からの光が漏れないようにするために「壁の内側に仕切り」というのは正しい対策ですが、その一方で、動画にあるように「異なる向きにも入れて演出を変えられる」というために、出し入れしやすくするために敢えて隙間を設けています。仕切りでキチキチにすると出し入れしにくくなるのでその折り合いが課題となります
    • 「読書のオトモ」が気になりました。私も本が好きで、本と木箱の組み合わせは素敵だと感じたからです。このままではただおしゃれなので、面白い方向に発展させるのもいいと感じました。本が箱にしまわれると登場人物が「次の展開どうする?」「お前そこで死ぬの!?」と喋る仕掛けを足したいです。
      この本と木箱の組み合わせは、スピーカのための穴を含めて、いい感じにレーザーカッターを活用できました。蓋の開け閉め検出に光センサ(CdS)があって(ボリュームの隣の小さな穴)、蓋を開いて明るくなるとBGMが流れる仕組みですが、本を置くところにも光センサか超小型スイッチを仕込めば「本が置かれているか/いないか」は容易に検出できるので、提案した仕掛けまでArduinoのプログラムに追加するのはまずまず容易です
    • 私が特に気になった作品は「からくりロボット カギオ君!!」です。私も鍵をすぐに失くしてしまうので、こういったものがあればありがたいなと思いました。私なら「行ってらっしゃい」と「おかえりなさい」の音声と、その音声にあわせた映像をつけたいなと思いました。
      この作品だけは、たまたま長嶋が眼に怪我をして支援が出来なくなった事できちんとした記録を残せるまで最終形が完成しなかった(記録動画が無い)特例です。デザインの学生はよく簡単に「音声にあわせた映像をつけたい」などと言いますが、この作品(筐体)の一部に映像ディスプレイを仕込むとしたらどれだけのシステム開発が必要か等の考慮が欠けています。別途に外に小型プロジェクタ等で映像を映すとしても鍵ボックスのコンパクトさが失われるので、なんでもかんでも安易に「音だけでなく映像も」とただ「言う」だけ、という姿勢については見直して欲しいと思います
    • 特に気になった作品は、「読書のオトモ」という作品です。もし私がこの作品を発展させるならば、開いたときに音が出るだけでなく本の周りを光らせたいと思いました。魔導書のような雰囲気にしたいと思いました。この作品で流れている音楽の種類をもっと増やして、ランダムに再生させることは可能なのでしょうか。
      モバイルバッテリーを使っているので、「LEDテープ」なども変化させつつ点灯して「本の周りを光らせる」というのは可能です。以下のArduinoスケッチ(プログラム)のように、この作品でも再生する音楽は4種類のmp3からランダムに選んでいますが、「sound_select = random(1, 4);」の行を「sound_select = random(1, 99);」とするだけで最大99曲までの曲からランダムに再生させるように出来ます
      #include <SPI.h>
      #include <SdFat.h>
      #include <FreeStack.h>
      #include <SFEMP3Shield.h>
      
      SdFat sd;
      SFEMP3Shield MP3player;
      union twobyte mp3_vol;
      long sound_select;
      int sensorValue, phase;
      
      void setup() {
        Serial.begin(115200);
        if(!sd.begin(SD_SEL, SPI_FULL_SPEED)) sd.initErrorHalt();
        if(!sd.chdir("/")) sd.errorHalt("sd.chdir");
        MP3player.begin();
        mp3_vol.word = MP3player.getVolume();
        mp3_vol.byte[1] = 2;
        MP3player.setVolume(mp3_vol.byte[1], mp3_vol.byte[1]);
        delay(500);
        phase = 0;
      }
      
      void loop() {
        sensorValue = analogRead(A0);
        Serial.println(sensorValue);
        if((phase == 0) && (sensorValue > 400)){
          sound_select = random(1, 4);
          MP3player.playTrack(sound_select);
          phase = 1;
        }
        else if ((phase == 1) && (sensorValue < 400)){
          MP3player.stopTrack();
          phase = 0;
        }
        delay(20);
      }
      
    • 私は「繋がる光」という家の照明に連動して光るオブジェの作品が一番印象に残りました。既にこの状態でも家に欲しいくらいの完成度だと思いますが、どこか発展させるとすれば、この光るオブジェは暗いところでは綺麗に光ってみえますが、このデザインは明るいところではあまり映えないと感じました。そこで「窓が光る小さな家」のように、何かで覆って中が光るデザインにしたいです。質問なのですが、このオブジェは最長で家からどの程度離れていても使えるのでしょうか。
      まずこの作品は3年前、つまりCOVID-19のために世界中/日本中の大学の講義が全て完全リモートになった2020年前期の「基礎演習E」のため、学生はまったく大学に出てこれずにそれぞれ下宿/自宅で取り組んだ作品だ、という事を理解して下さい。そんなリモートの時代に、インターネットを介して互いの状況を伝え合うというシステムの「コンセプト」モデルとして作った作品なので、このオブジェ自体は基板の上のスイッチを押す(遠くからの情報のイメージ)に対応して色々に光るという部分を実際に造形として作ったもの、という事になります。実際のシステム/サービスとして企業が製品化した場合にはどれだけ離れていても「繋がる」筈です
    • 私が気になった作品は「ただいま〜!!埴〜ちゃん」です。これは一人暮らしが寂しくないように作られていますが、私は一人暮らしの防犯として改良したいと思います。例えば、鍵を置いたら声が出るのではなく家のドアが開くと声が出るようにすれば、家に誰かいるのだと思わせることができ不法侵入の対策にもなると思いました。
      この作品の味は、わざわざ粘土で埴輪人形を制作して、その腕の部分にセンサを含む「鍵置き」まで作り上げた部分にあります。ドアが開いたらサウンドが出るというシステムはArduinoで超簡単に実現できますが、それであれば基板むき出しでも箱に入れてもいいし、室内のキモ可愛い造形はドアの外からは見えないし鍵が置けないので、ちょっと違ってくるように思います
    • 「居眠り防止ライト 布団で寝ろ!」。この作品は頭が物体に近づくことに反応して光るというものだったが、どうして頭が近づいたらセンサーが反応するのかが気になった。また、もう1回寝てしまったら一回目よりももっと強い光になるか、色が変わったりすると良いなと思った。目を10分以上瞑っていたら光るなども出来たら良いなと思った。
      ここで使った「赤外線距離センサ」はSHARPの有名なもので、約10cmから70cmぐらいまでの距離で、正面にある反射物(モノででも頭でも手でもOK)までの距離を連続値の電圧としてArduinoに送るものです。このセンサを製品に使った実例としては この動画 (RolandのCG-8という製品)の「1分56秒」あたりからのところで、距離センサの上空の手の動きでVJを制御しています。Computer Music作曲家として、作曲の一部として新楽器を開発している僕はこのセンサを活用した「新楽器」もいくつも開発して実際の公演に使ってきました。例えば この動画 は、2010年にロシア・エカテリンブルクでの国際コンペティション/フェスティバルSYNC2010での招待公演(詳しくはこのレポート)で世界初演した作品"Ural Power"(←翌年にノルウェー・オスロでの国際会議NIME2011★★に入選して再演)の公演の模様ですが、ステージ上の2本のマイクスタンドにそれぞれ4個のこのSHARPの距離センサを配置して、8チャンネルの「テルミン」のように演奏しています。このシステムは このように 作りました
    • 堀田早姫さんの「四季を表現した和風ライト」に興味を持ちました。布が張られている4辺にそれぞれ独立した蝋燭の動きを割り当て、置いた際の正面にあたる布の模様に対応したものを再生するなどの発展を考えました。RGB-LEDテープは明るさの調節が数値などでは制御できない製品ですか?
      発表の動画をよく見て欲しいのですが、このRGB-LEDテープは単調にただ光っているのではなくて、ロウソクちらちらのイメージでR/G/Bそれぞれの成分が刻々と変化することで、色彩を複雑に変化させています。この作品では1系統のRGB-LEDテープだけなので全体として同じように光っているのですが、別に4系統のシステムも作っているので、それを使えば4面それぞれ別途に光る作品も実現できます。 元々の「ロウソクちらちら」のArduinoスケッチ(プログラム)は SUACインスタレーション(3) の中にある「花胎 (Hana-Hara)」という先輩作品のために2012年に作った以下のものをそのまま使っています
      int buttonState = 0;
      int R_value = 0;
      int G_value = 0;
      int B_value = 0;
      int R_phase = 0;
      int G_phase = 0;
      int B_phase = 0;
      int R_step[] = {3, 30, 15, 45, 6, 15, 30, 4, 39, 9};
      int R_sel = 0;
      int counter = 0;
      
      void setup() {
        pinMode(2, INPUT);    
        pinMode(3, OUTPUT);
        pinMode(5, OUTPUT);
        pinMode(6, OUTPUT);
          analogWrite(3, 255);          
          analogWrite(5, 255);          
          analogWrite(6, 255);          
      }
      
      void metamorphase1() {
        if (R_phase == 0) {    
          R_value += R_step[R_sel];
          if (R_value > 255){
            R_value = 255;
            R_phase = 1;
            R_sel = (R_sel+1) % 10;
          }
        }
        else {    
          R_value -= R_step[R_sel];
          if (R_value < 0){
            R_value = 0;
            R_phase = 0;
          }
        }
      }
      
      void metamorphase2() {
        counter = (counter+1)%5;
        if (counter == 0){
          if (G_phase == 0) {    
            G_value += 1;
            if (G_value > 255){
              G_value = 255;
              G_phase = 1;
            }
          }
          else {    
            G_value -= 1;
            if (G_value < 0){
              G_value = 0;
              G_phase = 0;
            }
          }
        }
      }
      
      void loop() {
          metamorphase1();
          metamorphase2();
          analogWrite(3, 255-(R_value/2));
          if( (255-R_value/2) > 200) {
            analogWrite(5, 255);          
          }
          else {
            analogWrite(5, 255-(G_value/6));
          }    
        delay(3);                   
      }
      
    • 私は「四季を表現した和風ライト」が特に気になりました。私ならこの作品にリードスイッチを用いてみたいです。動画を見た際に大きなコードを使って明かりをつけていたので、もう少し場所を取らないようなコンパクトなものに出来ないだろうかと思いました。
      リードスイッチを用いる目的が不明なのでコメントできません。コードはRGB-LEDテープ(+12V)とArduinoの電源のためのACアダプターからのコードですが、これをナシにして電池を使うというのは見た目はスッキリするものの、+12Vの電源なので多数の電池が必要であり、さらに単3アルカリ電池を8本使うとすると、連続展示している間にそこそこ短時間で寿命となって、いちいち取り替え(捨てる)というSDG的に残念な作品になってしまうデメリットもあります。単1アルカリ電池8本であればまずまず持続しますが地球に優しく無いのは同じです
    • 私は「Animal Box」という作品に興味を持ちました。箱を向かい合わせることで動物の鳴き声が鳴るという点が面白いと感じました。光の色を一色ではなく、向かい合う動物の種類によって光の色が変わるようにしたらより見ていて楽しい作品になるのではないかと思いました。
      この作品もCOVID-19で前期が全て完全リモートとなった2020年前期の作品です。僕が作った メイキング動作の様子 を見るとわかると思いますが、鳴き声ICの載った基板に磁石とリードスイッチ(磁力でONになる)を並べることで、相手が来るとONになって鳴き声サウンドが鳴り、さらに試行錯誤で回路からLEDを点灯する信号を引き出したものを、下宿で制作する学生に提供しました。「相手の種類によってLEDの色が変わる」と言うは易いのですが、これをどうやったら実現できるか考えてみて下さい。技術的にはもちろん可能ですが、箱(基板)ごとに複数の「相手の判定」のためのセンサ機構が必要になり、さらに複数個のLEDないしRGB-LEDと共に、全体としては簡単なコンピュータ(Arduinoのようなもの)も箱ごとに必要となり、さらにこの作品のように単3電池2個(3V)での動作は困難で、より大きく重く複雑になり、全体として部品のコストが相当にかかることになります。そう考えると、この作品はかなりシンプル/コンパクトという意味で良く出来たものなのです
    • 「からくりロボット カギオ君!!」が気になりました。「お帰りなさい」を赤、「いってらっしゃい」を青で表す、色と言葉のイメージが少し分かりにくいと感じたので、私だったらランプとともに「いってらっしゃい」・「お帰りなさい」の文字がランプの点灯とともに出るように発展させてみたいです。
      「いってらっしゃい」・「お帰りなさい」の文字をドットマトリクスLCDモジュールなどから表示するというのはシステム的に大袈裟(コストもかかるしプログラミングの難易度も高くなる)ので、方法としては SUACインスタレーション(1)の中にある「ハコロ」という先輩の作品が参考になります。これは文字の部分を全て切り抜いた「穴」にして、後ろからの光を透過させて文字を見せる(動作の様子)というものです。ただしこの作品では光源が豆電球でしたが、色まで変えるとなるとLEDになって、LEDは鋭い指向性を持っている(軸上だけ明るくてちょっと角度がずれると暗くなる)ので、「面光源」化するためにLEDの光を散乱/反射/拡張するための材料などの工夫が必要になります
    • 選んだ作品「読書のオトモ」。本を置くと音楽が流れることを活かして、本ごとに違う音楽が流れるようにすれば良いのではないかと考えました。例えば、図書館でおすすめの本にバーコードを貼って識別できるようにし、本に合わせた音楽が流れるようにすれば、活用の幅がより広がるのではないかと思いました。
      バーコードのリーダの大きさとコスト等を度外視しているところが現実的ではありません。複数の本を識別するのであれば、シート状磁石を裏表紙の裏に貼って、その位置を本によって変えて、本を置くところに複数の磁気センサ(これは小型で安価です)を配置するという手があり、この手法は過去に何人かの学生作品で実装してきました
    • 「からくりロボット カギオ君!!」の概要に鍵をいれると「おかえりなさい」とLEDが点灯すると書いてありますが、鍵ではなくても何かしらの金属類を入れてもLEDが点灯するのですか?それとも特定の鍵だけしか反応しない仕組みになっているのか気になりました。この作品の概要はくわしくわかりませんが自分は家の鍵と自転車の鍵の2つを使うので2つの鍵を入れて初めて点灯するようにして、セキュリティ面で発展させてみたいと思いました。
      この作品の「鍵を入れる」部分は、シンプルにマイクロスイッチを使って「何かが乗った」ことを検出するだけなので、鍵でなくても林檎でも同じです。もし2つの鍵の重さが異なるとすれば、「鍵1」・「鍵2」・「鍵1+2」という3つの状態を、重量の違いで検出することが可能です。 SUACインスタレーション(4) のいちばん下の「錬成」という先輩作品では、テーブルに置いた複数の造形物の重さを判定して、このように 1 2 3 画面にそれらから「錬成」されたものが表示されるようになっています
    • 「酒くさくん」が気になりました。コミカルな見た目が、「一人でお酒を飲むときのお友達」というコンセプトに合っていて良いと思いました。アルコールの検知量によって喋るセリフが変化するようにしてバリエーションを増やすとより面白くなると思いました。
      このシステムは秋月電子の アルコールセンサー (データシートはこれ) を使っていて、データシートを解読して回路を作り、以下のようなArduinoスケッチとしました。ここではセンサからの電圧入力が600より大きかったら6種類のメッセージからランダムに鳴らすようにしていますが、アルコール濃度が数十ppmから200ppmあたりまでの変化幅で電圧が2倍弱の範囲で変化するので、そのレンジを実現できればアルコール濃度に対応したセリフを鳴らすことは理論上は可能です。ただしこの作品のように直接センサに息をかける構造では、一気に非検出から検出レンジに振り切れてしまうので無理で、微風を流しつつそこにガスを混ぜて排気しながら計測するような精細な仕組みが必要となります
      #include <SPI.h>
      #include <SdFat.h>
      #include <FreeStack.h>
      #include <SFEMP3Shield.h>
      
      SdFat sd;
      SFEMP3Shield MP3player;
      union twobyte mp3_vol;
      long sound_select;
      int sensorValue;
      int timer_value;
      
      void setup() {
        Serial.begin(9600);
        if(!sd.begin(SD_SEL, SPI_FULL_SPEED)) sd.initErrorHalt();
        if(!sd.chdir("/")) sd.errorHalt("sd.chdir");
        MP3player.begin();
        mp3_vol.word = MP3player.getVolume();
        mp3_vol.byte[1] = 2;
        MP3player.setVolume(mp3_vol.byte[1], mp3_vol.byte[1]);
        delay(500);
        timer_value = 0;
      }
      
      void loop() {
        sensorValue = analogRead(A0);
        Serial.println(sensorValue);
        if(sensorValue > 600){
          sound_select = random(1, 6);
          mp3_sound_player();
          delay(3000);
        }
        delay(100);  
      }
      
      void mp3_sound_player(){
          switch(sound_select){
            case 1:
              MP3player.playMP3("track001.mp3", 0);
              break;
            case 2:
              MP3player.playMP3("track002.mp3", 0);
              break;
            case 3:
              MP3player.playMP3("track003.mp3", 0);
              break;
            case 4:
              MP3player.playMP3("track004.mp3", 0);
              break;
            case 5:
              MP3player.playMP3("track005.mp3", 0);
              break;
            case 6:
              MP3player.playMP3("track006.mp3", 0);
              break;
          }
      }
      
    • 私は、「UFO型 光で起きられる目覚まし時計」が印象に残った。今回の制作で、音以外を用いた目覚まし時計を作ろうと考えていたのだが、目覚ましに光を用いるという発想に驚かされたからだ。アラームを設定するとあるが、実際にどのような装置で時間をはかり、光をつけるという信号を発しているのかが気になった。
      この作品のメイキングですが、まず激しい眩しさで目覚ましするために このページの上半分 のようにクルマのヘッドライト用高輝度LEDモジュールを実験し、 このページの下半分 にあるようにArduinoからそれを点灯する回路を作り、 このページのいちばん下 にあるように間接照明のモードをArduinoに追加し、 このページの上のほう にあるように「デジタルアラーム時計」キットを作って回路を解析して必要な信号線を引き出し、 このページのいちばん下 にあるようにArduinoシステムと結びつけ、以下のようなArduinoスケッチを完成させて、 このページのいちばん下 にあるように外部スイッチを取り付けて完成させました。時間の管理は「デジタルアラーム時計」キットの操作として現在時刻とアラーム時刻を設定しています
      int mode, timer[2], sw[4][3];
      float fade[4][2];
      
      void setup() {
        for(int i=1; i<4; i++){
          pinMode(3*i, OUTPUT);
          pinMode(3*i+1, INPUT);
          sw[i][2] = 0;   // sw[i][2] rising event flag
        }
        fading_init();
        all_LED_off();
        mode = 0;         // LED off
      }
      
      void loop() {
        sw_scan();
        if(sw[2][2] == 1){
          sw[2][2] = 0;
          timer[0] = 0;
          all_LED_ON();
          mode = 2;       // alarm flasing mode
        }
        if((mode==2) && (sw[3][2] == 1)){
          sw[3][2] = 0;
          all_LED_off();
          mode = 0;       // stop alarm
        }
        switch(mode){
          case 0:
            if(sw[1][2] == 1){
              sw[1][2] = 0;
              fading_init();
              mode = 1;       // relax lighting mode
            }
            break;
          case 1:
            for(int i=1; i<4; i++){
              analogWrite(3*i, (int)fade[i][0]);
              fade[i][0] = fade[i][0] + fade[i][1];
              if((fade[i][0] <= 0.) || (fade[i][0] > 6.5)) fade[i][1] = -fade[i][1];
            }
            if(sw[1][2] == 1){
              sw[1][2] = 0;
              all_LED_off();
              mode = 0;       // LED off
            }
            break;
          case 2:
            if(sw[1][2] == 1) sw[1][2] = 0;
            ++timer[0];
            if(timer[0] == 2) all_LED_off();
            else if(timer[0] == 4){
              all_LED_ON();
              timer[0] = 0;
            }
            break;
        }
        delay(50);
      }
      
      void all_LED_off(){
        for(int i=1; i<4; i++) analogWrite(3*i, 0);
      }
      
      void all_LED_ON(){
        for(int i=1; i<4; i++) analogWrite(3*i, 255);
      }
      
      void fading_init(){
        fade[1][1] = 0.1;
        fade[2][1] = 0.12;
        fade[3][1] = 0.15;
      }
        
      void sw_scan(){
        for(int i=1; i<4; i++){
          sw[i][0] = !digitalRead(3*i+1);   // sw[i][0] current input
          if(sw[i][0] != sw[i][1]){
            sw[i][1] = sw[i][0];            // sw[i][1] old status
            if(sw[i][1] == 1) sw[i][2] = 1;
          }
        }
      }
      
    • 私が気になった作品は「Mechanical Owl」です。小さな動物を複数制作し、動物の鳴き声あてゲームのような子供向けのおもちゃの要素を加えてみたいです。私の家は生き物を飼えないので一緒に生活する雰囲気が味わえていいなと思いました。
      この作品はだいぶ図体が大きくなりましたが、これを掌の上に乗るほど小さく作るというのは、企業で大量生産を前提とした体制(開発費として1000万円程度必要)でないとちょっと難しいです
    • わたしは布団以外で寝てしまうことがあるため「居眠り防止ライト 布団で寝ろ!」が気になりました。ですが、朝日を浴びても起きることができないときもあるので、霧が出たり、音が出たり点滅空いたりとほかの機能を付け加えるのも面白いかと思いました。
      上のほうに書いたようにSHARPの距離センサでウトウトして近付いてくる頭の距離に対応した2種類の明るさを、 このページの上から1/3あたりから下ずっと のように実際に本人の姿勢で試して実験しつつ、以下のような簡単なArduinoスケッチで実現しました。もともと「音を出す」というのは、近所迷惑になるので最初から除外していたケースです。霧を出すという仕掛けについてはおそらく市販の加湿器を改造する(ArduinoからON/OFFする)感じになるかと思いますが、それで寝落ちから起きるかどうかは微妙です
      int sensorValue = 0;
      
      void setup() {
        Serial.begin(9600);
        pinMode(3, OUTPUT);
      }
      
      void loop() {
        sensorValue = analogRead(A0);
        Serial.print("sensor = ");
        Serial.println(sensorValue);
        if(sensorValue > 400){
          analogWrite(3, 255);
        }
        else if(sensorValue > 200){
          analogWrite(3, 20);
        }
        else{
          digitalWrite(3, 0);
        }
        delay(50);
      }
      
    • 私は「PonPo(ポンポ)」が気になりました。衝撃や置く角度によって光り方が変わるということでしたが、この作品に光る位置と色を増やして中で磁石が重力で移動できるようにし、リードスイッチで信号を送って色のついたLEDが一つずつ反応すれば視覚的により面白くなるかなと思いました。
      メイキングと発表の時のYouTubeをよく見て欲しいのですが、球体の全体が光るために高輝度RGB-LEDを同時にいくつも点灯させるように工夫しています。「光る位置」を別々にすると、それぞれの場所に点光源のLEDが配置されているので、全体としてはごく一部だけが点灯して全体としてはけっこうショボいものになる事がデメリットとなります。磁石とリードスイッチでは単なるON/OFFなので色々な光りかたのニュアンスが出なくてつまらない関係性になるので、連続値が出力される加速度センサを使用しました

    「技法を学ぶ」長嶋担当週 (5/19)

    • 長嶋担当の「技法を学ぶ」は、「インタラクティブ作品のデザインとは」です。ただし後半には、今年に特化したテーマとして「生成AIについて」という話題を取り上げ、今週の課題についても従来と違って「二択」として、「生成AIで静止画作品を作る」という選択肢も設けました(後述)

    • 今週の「課題」について(全般)
      • まず最初に、今週「技法を学ぶ」長嶋担当回の「課題」についてお知らせします
      • これまでの「技法を学ぶ」の週では、皆さんそれぞれ何か実際に手を動かして「作る」という演習だったと思いますが、今週はそのような形での「演習」はありません
      • 今週、皆さんが提出する「課題」ですが、上の方にある「発想を学ぶ」長嶋担当分と同様に、皆さんは「感想/企画案レポート」を提出するだけ、というのが今週の「課題」の一つとなります
      • ただし今年の旬の話題として「生成AI」について後半に取り上げますので、「感想/企画案レポート」でなく、「生成AIで静止画作品を作る」という選択肢もあります(後述)

    • 過去のテーマと取り組みについて
      • 過去の「基礎演習E」の「技法を学ぶ」長嶋担当週では、長嶋がエレクトロニクスやコンピュータの専門家として、かなり膨大な情報(知識)を提供してきました。これはデザイン学科の学生として、電子回路技術やコンピュータ技術を活用したデザインをする場合に必須となる、重要な知識です。その全体像を(漠然と)眺める、というのが過去のテーマでした
      • 長嶋は、文部科学省(かつては科学技術庁)登録の「技術士」(情報工学部門、電気電子部門の2部門)です。「技術士」とは日本政府がプロフェッショナル・エンジニアとして認定する工学領域で最高レベルの国家資格ですので興味のある人は検索して調べて下さい。この部門の技術士はSUACでは長嶋だけなので、これまでも、他学科/他領域のプロダクトやインテリアの学生が照明器具や音響器具を制作する場合には、まずは「長嶋に聞きに行け」と指導されてきました
      • その過去の「基礎演習E」の長嶋担当の「技法を学ぶ」の内容としては、以下のように大きく3つのレベルに分けました
        • 「電気」と付き合うために必須の常識
        • 電子回路やArduinoを使うための基礎的アドバイス
        • Arduinoから拡張したデザインに向けて
      • しかし「基礎演習E」を履修する学生には色々な指向性があります。「インタラクティブなデザイン」を指向する学生だけでなく、「インテリアデザイン」・「プロダクトデザイン」・「グラフィックデザイン」・「映像デザイン」などを指向する学生も、単位のために履修しています。長嶋はその全員に万遍なくという事ではなく、主として「インタラクティブなデザイン」を指向する学生を強く支援してきました。それ以外の学生は、上の3つのレベルのうち第1項目は必須の常識、第2項目は今後に生きる知識として理解を目指し、第3項目については軽く聞き流すように・・・と指示しました
      • このような過去のスタイルと中身について興味のある学生は、ちょうど2020年度の前期、COVID-19のためにSUACの全科目が全てリモートとなった時の オンライン「基礎演習E」(長嶋担当)講義ページ を参照してみてください。膨大です(^_^;)
      • そして、この内容については上記のリンクを紹介するにとどめて、テーマを一新しました

    • 今年の長嶋担当回テーマ(前半)は「インタラクティブ作品のデザインとは」として、以下のような内容を紹介し、検討することにしました。これは「基礎演習E」の後半(個別制作)とか、その後にインスタレーション作品への可能性を視野に入れたものです
      • SUAC先輩のインタラクティブ作品例
      • インタラクティブなシステム実現の例 - SUAC碧風祭・メディア造形学科企画 「お化け屋敷」の事例
      • 人間の感覚と自然界を結ぶセンサ/ディスプレイ
      • 広義の「ディスプレイ」の考え方
      • インスタレーション作品の2種類の「お客さん」
      • 「ニーズ指向」デザイン vs 「シーズ指向」デザイン
      • 「機能 vs コスト」という二律背反
      • 「エンタテインメント・コンピューティング」のお話
      • 「シリアス・ゲーム」のお話
      • 演習: インタラクティブ作品のアイデア構想

    • 長嶋が制作支援した「SUACインスタレーション」先輩作品のいくつかをピックアップして解説紹介(他作品も含めてあとで参照してください)

      • 「先行作品の調査」(サーベイ)は重要です。ただし工学/産業の領域での工業所有権(特許・意匠など)と違って、デザインやアートの領域では「先行作品とほぼ同じ」であっても創作の意義あり、という場合もあります (こちらの方がより美しい・楽しい・素晴らしい・・・)

      • SUACインスタレーション(1)
        1. はち
          リアルな「蜂」の造形、それが一斉にガンをつけてくる迫力。実際に動くまでの悪戦苦闘
        2. Shocking
          紐を引っ張ると絵と音が出る・・・は簡単。その「スイッチ」部分のからくりとこだわり
        3. REproduction
          1ヶ月かかって便器のような造形を作り上げた結果、幻想的なインテリアが完成
        4. 閃(きらめ)き
          2回生が2人で作り上げた造形は「覗き込む」ために必須で、新たな鑑賞者を誘引する
        5. Chessでポン!
          8×8=64個のスイッチ、というだけではこの体験造形作品は語りきれない
        6. スプラウトス
          体験者よりも楽しいのは周りで見ている人、というシュールさを追求
        7. ハコロ
          「箱」にこだわった3人が夏休みを全て費やして制作した力作
        8. 創作玩具・巨大パラパラマンガ装置「TANGO BOX」
          電気はモーターを回すだけ。触覚も楽しめるこの作品は造形の力作
        9. 星垂る
          「数で勝負」というのは造形作品の一つの王道であり、愚直に追求したこの作品は記念碑となった

      • SUACインスタレーション(2)
        1. 風見屏風(かざみびょうぶ)
          100個の風車を実際に並べて制作する「力技」が抜群
        2. 電車で音を出すサウンドインスタレーション
          他大学からSUAC大学院に入ってきてインタラクティブが開花した
        3. らっとらいどらいと
          「お尻でお絵描き」はシンプル。ただし怪我がない(潰れない/倒れない)ように確実な造形を実現するのは大変
        4. Beat Box
          8×8×6=384個のスイッチ、というだけではこの体験造形作品は語りきれない
        5. Octagon
          「一周ぐるりと繋がった円筒形ディスプレイ」のニュースから「どんな映像が面白いか」を追求した力作
        6. Tiny Living
          望遠鏡を改造した「顕微鏡」なのに体験者は完全に顕微鏡の中の生き物に引き込まれる
        7. hoppin' drops
          電気は一切ナシ。人間の「力」を原動力として幻想的な動きが実現された造形作品
        8. はやくスシになりたい
          シャリと15種のネタを全てフェルト造形して、さらに15話のショートムービーまで制作した力作
        9. ネジマキウォール
          「メイキング」をご覧あれ。5人が「数の迫力」を追求した3ヶ月

      • SUACインスタレーション(3)
        1. 心 臓 音
          自分の心臓の拍動を実際に「見る」ことの面白さ
        2. time and space
          完成しきれなかったものの、やりたい事はシンプルで魅力的
        3. 食音植物
          音を食べてゲップで返してくる植物、というアイデアをここまで造形で完成させたのは立派
        4. 追憶の壁
          「プレゼン」をご覧あれ。作品については制作過程を記録しておいて最後にメイキングでまとめるのが重要
        5. 海潮音
          アイデア先行で実現のために相当に苦労した好例。実際に「動く」ことの難しさ
        6. もふぽっど(mofPod)
          「包み込まれて音楽を聞くiPod」というアイデアを実際の巨大ぬいぐるみで実現した力作
        7. Revolution-J
          おもちゃ楽器を改造して最終期にレディースバンドで遠征公演した事例。メイキング等をご覧あれ
        8. OTOcakecco
          発想はシンプルだが最終的に作品として作り上げるまでのプロセスは大学院生ならではの迫力
        9. 双極式箱庭
          多数の「虫」がときどきピクピク動く・・・という世界観を最後まで追求

      • SUACインスタレーション(4)
        1. 「いらない」と言われた子たち
          3Dプリンタで同じ造形がいくつも出来ることから「いじめ」テーマを追求
        2. 思わず覗きこみたくなる箱
          造形と「光」を組み合わせて美しい世界を追求したが、残念な点も教訓となった
        3. The Shadow of a World
          「だまし絵」的な錯覚を実際の造形として実現してしまった作品
        4. SUPER UNKO MAKER
          馬鹿馬鹿しいアイデアを追求し尽くしたものの、造形力は不足していた、という好例。「デモ動画」をご覧あれ
        5. めざせ! 怪獣王
          浜松駅前地区のジオラマを制作し、そこを破壊しまくる怪獣を体験するというアイデア
        6. 妖精のお菓子工場
          動くジオラマに挑戦、時間をかけたこだわりのメイキングは注目
        7. プレシ音
          「子供がまたがる恐竜のオブジェ」(楽器)を愚直に制作
        8. 召喚 ICカードバトラー
          誰もが持っているICカードで「召喚」バトルをする、というコンセプトに重要なのがレーザーカッタで制作した「台」
        9. スノードーム・ギア
          レーザーカッタでアクリル製の「歯車」(中に水が入っている)を作って組み合わせて回すというアイデアは秀逸

      • SUACインスタレーション(5)
        1. 小さな世界
          上下2室の造形で、上の部屋は「昼」の明るさとともに金属造形に触れると暖かい。下の部屋は「夜」の光とともに金属造形に触れると冷たい。造形全体をひっくり返すと、上下の部屋はそれぞれ次第に光が逆の演出に変化するとともに、内部の金属造形の温度も反転する。電気信号で発熱したり吸熱する「ペルチェ素子」という新しいデバイスの活用に挑戦した作品
        2. 声の結晶 ーCrystal of Melodyー
          声に反応して雪の結晶が現れる。6つ集めると雪だるまが光って歌う
        3. チキチキ! ガチンコチェキ会
          アトラクション系とクイズ系(いずれもかなり体育会系)の2種類のゲームで得点を上げると、「推し」と一緒のチェキを撮って持ち帰れる
        4. 世界を救え! ウサギシューティング!
          ウサギの被り物の3軸加速度センサによって、コロナ禍で凝り固まった首を動かす角度で照準器を移動させて、画面内に出現するコロナゾンビを造非接触体温計型ガンで撃つと、可愛いウサギに変身する。全部で10匹のウサギが登場するとゲーム終了
        5. 乾パイ! カメレオン先パイ!
          コロナ禍で飲みに行けない日々のための「乾杯」動作ゲーム。ストループ効果を利用しているので、「あか」と出たら、文字色モードでは青いジョッキで、意味モードでは赤いジョッキで乾杯する必要があり、「黄色」と出たら文字色モードでは赤いジョッキで、意味モードでは黄色いジョッキで乾杯する必要がある
        6. あにんてっと
          5体の動物を次々にステージに置くと音楽の演奏中に1パートから5パートまでアレンジが分厚くなってくる。全5曲のどれを選ぶかは最初の1体目を置く位置で決まる
        7. Chewing Music
          「咀嚼で奏でる音楽」のパフォーマンス。ネックセット先端の距離センサ(フォトリフレクタ)によって顎の動きをセンシングしてリズミックにライヴ生成する音楽のテンポ変化させ、音響素材としては頬に貼り付けたマイクで実際に色々な食べ物を咀嚼するサウンドをサンプリングする
        8. 瓦割り台
          何度でも割ることの出来るおもちゃ「無限瓦割り」を使って、COVID-19下のストレスを発散するためのインスタレーション。瓦割りの衝撃をセンシングして、16個のストロボが発光すると共に巨大な衝撃音が深い残響と共に轟く
        9. 魔法の杖
          街の模型に光を生み出す魔法の杖。杖を振って建物にビームライトを当てると、建物ごとにいろいろな種類の動画がプロジェクションマッピングされる

      • SUACインスタレーション(6)
        1. Kineto Scopee
          人形の後頭部を覗いて映画を見る。人形の首にあるハンドルを回すと映画の時間軸(方向/スピード)を自在にコントロールできる
        2. VATTEN バッテン
          ジョイスティック4本を駆使したアーケードリズムゲーム
        3. 魔法の本
          魔法の本のページに書かれた魔法陣にステッキをかざすと光と共に音楽が流れる
        4. ミュージックハイツ不仲
          6部屋あるハイツの住人は、それぞれ不仲な「2人ずつ仲の良いペア」3組であり、人形は自分の部屋にだけ置ける。人形を置くと、ブルグミュラーの作品100「スティリァンヌ」の「オリジナル」と「和風」と「スペイン風」の3種類の右手と左手のパートがそれぞれ鳴り出すので、仲の良いペアだと良好に聞こえるものの、違う組み合わせだとひどい不協和音になる

    • インタラクティブなシステム実現の例 - SUAC碧風祭・メディア造形学科企画 「お化け屋敷」の事例

    • インタラクティブなシステム実現に関するいろいろな話題

      • 人間の感覚と自然界を結ぶセンサ/ディスプレイ
        • 入力 - 広義のセンサ
        • 関係性(アルゴリズム)をデザインする - プログラム/スクリプト
        • 出力 - 広義のディスプレイ
        • 作品の完成よりも「仕組み」「仕掛け」の理解と検討が重要

      • 広義の「ディスプレイ」の考え方
        • 視覚的ディスプレイというのはごく一部 - モニタ、プロジェクション(フロント/リア/ミックス/粒状物体/噴霧/液体/・・・)、LED、レーザ、etc
        • 聴覚的ディスプレイ - スピーカ、イアホン、ヘッドホン、骨伝導、直進スピーカ、地鳴り、・・・
        • 「味覚」・「嗅覚」・「触覚」にもそれぞれセンサとディスプレイがある その実例(明治大学・宮下先生)

      • インスタレーション作品の2種類の「お客さん」
        • 作品を体験している本人
        • その様子を周囲で眺めている人 → 「行列しても次に体験したい」と思わせる作品は秀逸の証拠
        • この全体の風景そのものが展示空間として作品の存在を主張してくれる

      • 「ニーズ指向」デザイン vs 「シーズ指向」デザイン
        • 「何をしたいのか」・「何を伝えたいのか」 - ニーズ指向のデザイン
        • 「この新技術/新パーツを活用して何かできないか」 - シーズ指向のデザイン
        • HCI(ヒューマン・コンピュータ・インターフェース)は電子部品の単体では駄目。人間との接点の部分に「仕掛け」・「からくり」・「造形」をどのように仕組むかがデザイナの腕の見せ所
        • システムからの視点(何を入力して、どのような関係で、何を返すのか) vs 体験者からの視点(何をしたら、何が返ってくるのか)

      • 「機能 vs コスト」という二律背反
        • 世の中は全て「二律背反」、デザインの世界でも同じ
        • プロの現場では「仕様 vs 開発期間 vs コスト」という3竦み
        • 「それは企業(大量生産)なら実現出来るけれど、個人が作るには費用がかかりすぎる」 ・ 「それは地道に続ければ実現できるけれど、時間がかかりすぎる」 ・ 「それはアイデアとしては最高だけど、現在の人類の技術力では実現できない」 → どうやって折り合いをつけるか?
        • 作品としての実現は教員が応援するが、「美しさ」・「楽しさ」・「驚き」は学生自身のモチベーションが全て
          → 詳しくはアポをとって相談して !!

      • 「エンタテインメント・コンピューティング」のお話
        • コンピューティングの応用領域として「エンタテインメント」が浮上
        • 「ホラー」も立派なエンタテインメント → その実例(USJに行った先輩の卒制)
        • エンタテインメントとは? → 人間の本質を考える「哲学」へ

      • 「シリアス・ゲーム」のお話
        • 皆んなゲーム好き?
        • 「シリアス・ゲーム」 = 「役立つゲーム」
        • 欧米での状況

    • 宿題1 (ここまでの前半の話題に関連したレポート提出を選択する場合)
      • 「技法を学ぶ」長嶋担当分の出席確認として、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。manabaは使いません
      • ChatGPTなどを使ってレポートを作成することは、今回は禁止します (今後については活用法を検討中)
      • レポートの内容としては、過去の先輩作品の事例を参照/鑑賞/考察したり、長嶋の提示したいろいろな「視点」を参考にして、「インタラクティブ作品のアイデア構想」(作品企画案)に挑戦してください。なるべく「既存の作品そのままモロ同じ」を避けて、オリジナリティあるアイデアを期待しています
      • デザイン学部のレポートですから、ドラえもんのように「現実的でない夢の技術」を仮定したファンタジー企画はNGです
      • デザイン学部の常識ですが、作品の対象(ユーザ像)を想定して付記してください
      • 分量は250文字以上〜400文字以下とします。長大な文書は不要です
      • 企画案は複数案を列記せず、必ず一つに絞ってください
      • レポートはメイル本文として記述して下さい。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
      • 今回は「インタラクティブ作品のアイデア構想」(作品企画案)なので、必須条件として「イメージスケッチ」を、上記のメイルに「JPG画像(ファイルサイズを1MB未満に圧縮/変形すること。ファイル名は自由)」を1枚だけ添付してください。JPG画像以外だったり2枚以上だったりファイルサイズが1MB以上だった場合には無効となりますので注意して下さい。1枚のJPG画像の中に複数のイメージスケッチや解説の言葉が入っているのはOKですので、サイズ圧縮のためにはモノクロ化も推奨します。推奨の解像度は「72dpi」で、画像サイズは自由です。300dpiなど高解像度にするとファイルサイズが無駄に大きくなります
      • 提出期限は5/24(水)の23:59です。それ以降のメイルは無効となります。5/19にマルチメディア室に身体が出席していたとしても、このメイル未提出者は「出席点ゼロ」として扱われます
      • メイルは学生のSUACアドレスから送って下さい。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効です
      • Subject:(タイトル)には必ず「基礎演習E(長嶋)・レポート(2124000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を記載して下さい
      • 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど返信します。これが提出確認(証拠)となるので保管しておいて下さい
      • いずれここの下あたりに、それぞれのレポート(氏名は伏せます)に対する長嶋のコメントを書いていきます。ただレポートを出しっ放しにするのでなく、他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントまでをよく読んでお互いの知識を向上させましょう

    • 最近話題の「生成AI」に関するいろいろな話題

      • 「AI」について
        • 1980年代の家電 - 「AI洗濯機」・「AI冷蔵庫」・「AI扇風機」・・・
        • 「AI」(人工知能)の歴史と幻想
        • 人工知能学会
        • 1/fゆらぎ
        • ニューラルネットワーク
        • 遺伝アルゴリズム(GA)
        • 深層学習 Deep Learning

      • 「ChatGPT」について

      • 「画像生成AI」について
        • こういうのがあるらしい(長嶋は知らず)
          • 画像生成AIブームを生み出したサービス
            • Midjourney
            • Stable Diffusion
            • DALL・E2
          • 話題の画像生成AIツール6選
            • Bing Image Creator
            • Adobe Firefly
            • Visual ChatGPT
            • Canva
            • SNOW
            • AIピカソ
        • 長嶋が調べたところ、以下の2つは「静止画作成ツール」として無料で体験できた
        • Stable Diffusion
        • Bing Image Creator
        • せっかくなので(たぶん今年限り)、これを課題制作(option)に使うという実験をしてみよう

      • 「画像生成AIで静止画作品を作って提出」課題のための出題(題材の音楽は全員体験して下さい)
        • 自由テーマではありません。テーマについてここで詳しく紹介します
        • 長嶋は作曲家です。過去に作曲した作品の記録としては、 ライヴComputer Music作品電子音響音楽作品 などがありますが、学生時代に作曲していた100曲ほどの 「合唱曲」作品 もあります
        • 合唱曲は主として古本屋で仕入れた詩人の詩集からテキストを使ったのですが、その中に「草野心平」(草野民平・草野天平と3兄弟の詩人)の印象的な詩がありました。これらの詩集(計30冊以上)は全てSUAC図書館に寄贈しました
        • ただしどうやってもその世界を合唱に出来なかったのが「草野心平」でした
        • これをComputer Musicの作曲家となって1990年代に作曲した電子音響音楽作品が「Ogress2」(鬼女)です。詳細は ここ にあります
        • その他に草野心平の詩を用いたComputer Music作品としては、2001年にドイツで公演した作品 Visional Legend があります
        • この作品(10分52秒)をサウンドトラックとして提供するので、ぜひ映像作品を制作して欲しい・・・というのを23年間、SUAC学生に願い続けてきましたが果たされていません
        • 唯一、1期生の大山さんがこの作品のイメージの 静止画 を描いてくれたので、その静止画をプロジェクションして再生演奏した事がありました
        • そこで今回、「生成AI」テーマでの課題として、この長嶋作品を鑑賞して、その印象/世界感を表現する静止画作品をAIに生成させる・・・というoptionalコースを設定しましたので、やってみたい人はどうぞ

    • 宿題2 (後半の「生成AI」に関する話題に関連したレポート提出を選択する場合)
      • 「技法を学ぶ」長嶋担当分の出席確認として、以下のレポートを長嶋へのメイルとして出して下さい。manabaは使いません
      • ChatGPTなどを使ってレポートの本文を作成することは、今回は禁止します (今後については活用法を検討中)
      • テーマは上述のように、テキストである草野心平の詩「 鬼女 」を見つつ、長嶋の10分52秒の電子音響音楽作品「 Ogress2 」を鑑賞して、その印象/世界感を表現する静止画作品をAIに生成させる、ということです。自由テーマではありません。作品は長嶋Webに掲載される可能性があります。長嶋がまったくテーマに対して的外れと判断した場合には大幅減点されます
      • レポートの内容としては、任意の「生成AI」ツールに作成させた、上述テーマの静止画作品(JPG画像・データサイズは1MB以下)を1点と、その制作に関連した情報を簡単にまとめた解説文、ということになります
      • 解説文の中身は、使用した生成AIツール(ツール名称、提供元URL)、自分のPC環境、生成AIに与えたキーワード、最終提出物にブラッシュアップする過程に関する簡単な報告です。長大な文書は不要です
      • レポート解説文はメイル本文として記述して下さい。ワード/PPT等の添付文書として提出した場合、長嶋はワード/PPTを持たないので無効となります。PDFに変換して添付するのも不可です
      • 「生成AI」ツールに作成させた静止画作品(JPG画像・サイズは1MB以下)を、上記のメイルに1枚だけ添付してください。JPG画像以外だったり2枚以上だったりファイルサイズが1MB以上だった場合には無効となりますので注意して下さい
      • 提出期限は5/24(水)の23:59です。それ以降のメイルは無効となります。5/19にマルチメディア室に身体が出席していたとしても、このメイル未提出者は「出席点ゼロ」として扱われます
      • メイルは学生のSUACアドレスから送って下さい。他のアドレス(携帯会社やgmailやYAHOO等)は無効です
      • Subject:(タイトル)には必ず「基礎演習E(長嶋)・レポート(2124000・文芸太郎)」などと学籍番号と氏名を記載して下さい
      • 長嶋は「レポート」メイルに対して「受領」を後ほど返信します。これが提出確認(証拠)となるので保管しておいて下さい
      • いずれここの下あたりに、それぞれのレポート(氏名は伏せます)に対する長嶋のコメントを書いていきます。ただレポートを出しっ放しにするのでなく、他の学生のレポートと、それに対する長嶋のコメントまでをよく読んでお互いの知識を向上させましょう

    「技法を学ぶ」長嶋担当分 (5/19)のレポートと、それに対する長嶋のコメント

    • 最終的に与えたキーワード: 水面に映る、紅葉の斑点模様。鬼の女性。激しい飛沫。ぐちゃぐちゃ
      まずは「鬼の女性」といったワードを中心として、「滝」「紅葉」「日本」「広角」「立つ」といった言葉を用いて状況を描写してもらおうとしたが、「それっぽいもの」は生成されるものの結局はあまり代わり映えのしない画像ばかりだった。特にカメラからの距離や、細かいポーズの指定が難しい。「滝壺」は「砂漠にある水溜り」といった画像にされたり、鬼に吐血させながら爆笑させてしまったり、滝から2体目の鬼が生えたり、カメラを水に沈めようとすると鬼が溺れ始めるなど理想通りの画像の生成は困難を極めてた。そこで、「鬼」ではなく「水面」に視点を移した。長嶋先生の電子音響音楽作品で印象的だった、冒頭と最後の静かな水音のイメージだ。キーワードを入力すると、これまでと打って変わって抽象的な画像が生成されるようになった。具体的な滝や鬼の姿こそ見えないものの、雰囲気を感じ取れるのはこちらだと判断し、この画像を選んだ。
      提出は1枚だけという条件でしたが、生成AIは4つの作品を生成してしまうようですね。その中でこれを選んだのは、偶然、中央あたりに「鬼女の顔」が見えてしまって、そうなると絶対にこれは顔だ・・・となったからです。
    • 【キーワード】  A demon woman with horns and fangs washes the blood off her mouth in the river next to a waterfall where a lot of leaves are dancing. autumn midnight reflection
      【ブラッシュアップの過程】 大まかな情景は生成出来たので曲のおどろおどろしさや、こだましていて静かな感じを表現しようと思い reflection silent frightening echoなどのキーワードを増やし、いろんな組み合わせで試しました。文が長くなりすぎたため余分なものを消し情報を簡潔にするよう心がけました。
      条件として与えるキーワードだけでなく、除去するキーワードというのがあるのが不思議でしたが、この出来を見て納得しました。「盛り込み過ぎ」をいかに避けるか・・・が肝のようですね。
    • 中学生や高校生など、勉学に励む年齢層をターゲットとする。このターゲット層において、頻繁に使用されるものはシャープペンシルやカラーマーカーなどの文房具であるため、それらを入れておくペン立てを構想する。このペン立ては、入れた文房具の重量に対応してペン立ての本体の一部が発光する。また、使用する文房具が定まったらペン立てに入れる。センサで重さを検知しその重量を固定のものとして設定、そこから使用するために文房具を取り出すことで生まれる重量の変化で、文房具を使用していることを検知し、使用している文房具が元の状態に戻されるまで何種類か設定された勉強に適切なBGMが流れるように設定する。検知される重量が元に戻った際、発光部分が点滅し、一日の勉強が終わったことを示す。大まかな概要としては、BGMの流れる勉強用ペン立てとする。
      多くの内容を盛り込んでいますが、これはメーカが大量生産を前提に作ればまずまず可能であるものの、実際に動くものとしてこのイメージスケッチのように手作り出来るか・・・というと相当な困難に直面します。例えば文房具ぐらいの軽い重量を見分けられるほど検出するセンサというのはなかなか厄介です。SUACインスタレーション(4)のいちばん下にある「錬成」という作品ではその重量の違いを実現しています。他にも発光部分、スピーカの位置、筐体全体の造形、電源/電池はどうするのか、などツッコミの余地はあちこちにあります。プロダクト領域の「コンセプトモデル」(実際には動かない)として「絵に描いた餅」であれば可能です
    • ○ユーザ:5歳程度の幼い子供から大人まで。○作品概要:3×3の穴の空いた台にボールを入れる。ボールを穴に入れると、入れたところの穴(もしくはボール)が光り効果音が鳴る。その効果音は9つ全て異なる。ボールの中と台の穴には磁石が入っており、くっつくことで反応し光と音を出す。ボールを3つ使って特定のパターンにすると、音楽が鳴り、台に20秒ほどの映像が映る。その音楽と映像はボールで作ったパターンによって異なるものになる。3つ以上のボールを使った場合、音楽・映像は現れない。ボールの素材はプラスチックで作り、落としても壊れにくく怪我しにくい素材にする。大きさは10cmを想定する。台の近くでボールを入れて音と映像を楽しむだけでなく、一定の距離離れたところからボールを投げ、パターンを作るゲームにもできる。音楽が流れ映像が映し出されると成功だとわかるので理解しやすいと考える。
      ボールの検出は磁石とかを使わずに、穴の底部に光センサを設置すれば簡単に検出できます。そうすることで、普通のボールでもお手玉のようなものでも使えることになります。いくつものパターンを検出したり、音楽を鳴らしたりするためには、センサ部分をArduinoなどで作って、あとの処理を外部のPCで行うのがうまい手になります。SUACインスタレーション(4)の下の方にある「理子の焼肉」という作品が好例ですので調べてみましょう
    • 最終的に与えたキーワードは、「ogre/female/ waterfall/Japan/eerie/night/folktale/maple/wind blood」。初めは「ghost」「horns」という単語を入れていたが、ずっと西洋風のエイリアンのような画像から抜け出すことができなかったため、「角」の要素は諦め、歌詞から連想できた「日本風」「女性」「黒髪」という要素を入れることにこだわった。そのため、「鬼」と呼べるかは微妙だが、曲から感じた不気味さは表現できたのではと考える。「不気味」「昔話」「暗い」「怖い」などと打ち込んで何とか雰囲気をおどろおどろしい感じに変えようと試みたが、あまり反映されていないように感じた。サイト自体が外国のものであるため、やはりまだ日本古来の鬼や幽霊のようなデータベースは少ないのではと考える。
      詩の世界の要素としてはうまく取り上げられたようですが、画像がいかにもクリアで「合成」っぽくなったのは、全体のトーン/テイストに関する指示が無かったからかもしれません。日本の雰囲気についてはまだまだこれからでしょう
    • 「秋角の生えた長髪の鬼女が滝のそばにいる恐い不気味な日本画」。まず最初に聴いたとき古典的な雰囲気を感じたので『日本画』を使用したところ、「女」と入力しただけで和服の女性がでてくるなど自分が受けた印象をうまく出せるようになった。キーワードごとに入力しても文章で入力しても出力されるものの完成度に影響はなかった。「血」というキーワードは不快なコンテンツ生成の可能性があるからと、やり直しを求められた。「口から赤いよだれ」も不可だった。
      なるほど「日本画」というのはジャンルとして確立しているのですね。「血」だけで止められるとなると、「赤」とか「紅」とか言いたくなるのですが、「赤いよだれ」で駄目というのは困りました。日本語/言語のテストのようですね
    • タイトル「体温心(たいおんしん)」。対象:全年齢。場所:科学館などの展示会場。人の体温の違いを活かして、ハートのオブジェクトが人の体温を感知して体温によって色が変わって光る作品を提案する。温度の違いを色の違いで可視化して、子供でも大人でも楽しめるようにする。ハートは大人が両手で包み込めるくらいの大きさで、天井からいくつか吊り下げて遊ぶことを想定している。1 非接触式温度センサーと7色LEDライトを使う。ハートに触れる→体温を感知する→体温の違いによってハートの色が変化。2 体温の違いによるハートの色(仮に0.3度ずつ違う色とする)。Arduinoを使ってプログラミング。35.0~35.2=青,35.3~35.5=水,35.6~35.8=緑,35.9~36.1=白,36.2~36.4=黄,36.5~36.7=ピンク,36.8~37.0=赤と光るようにする。3 ハートの中は内側に7色LEDライトと赤外線センサーをつける。光り方は外に光が漏れ出るように淡く光る。
      これはおそらくSUACインスタレーション(5)の下の方にある「なないろライト」という作品に触発されてのことだろうと思います。ただしなかなか実現は困難です。最大の問題点はお風呂に入れるなないろライトと違って空中の造形に手を当てる/近付けるという部分で、このような荒い接触では温度センサがいかに高感度であってもその熱は正しく伝わらず、細かく指定したような温度は計測できません。さらに吊るした造形の全体が7色LEDライト(実際にはRGBの3色LEDで十分)で光るというのもそこそこ厄介で、不透明なプラスチック等の素材としても内部で光を拡散させる必要があり、それがさらに表面からの距離となってセンサの感度を低下させます。この造形の内部にArduinoから電子回路まで入れる(まさか電池まで?)となればさらに難度が上がり、これをいくつも「天井から吊り下げて遊ぶ」となるとさらにさらに実現困難となるでしょう
    • キーワード:黒い空間にある血の海の中にいる美しい鬼女。不気味、痩せている、白い肌、口の周りに血。髪の毛は黒、白装束を血で汚している。過程:2つのサービスを試しました。(stable diffusion online、Bing Image Creator)3枚ほど候補が出来て、1番イメージに近いと思ったものを提出しました。最終的に使用したサービスは日本語入力が出来たので、指示しやすかったです。課題の音楽を聴いて、ホラー味があると思ったので、「黒」、「血」、「不気味」などの単語を入れてホラー映像になるようにしました。また、「美しい」を入れることで、化け物すぎる容姿にならないようにしました。
      これは直球で主人公の姿を描いたものですね。これがスマホで出来たとは驚きです
    • 「タイムカプセル」をテーマにした宝探しのようなゲームを考えました。思い出にまつわる品物を製作し、宝箱に見立てた箱の中に入れます。箱の中には砂(本物の砂か砂に見立てた素材)が入っており、見ただけでは中に入っているものが見えないようにします。参加者は砂の中から品物を探し出し、横に置いている専用の台の上に置きます。思い出の品と台にはそれぞれ対応するセンサーを仕込み、台に置かれたものの種類によって異なる映像が流れるようにしたいです。映像はそれぞれの物にまつわる思い出が流れるようにしたいです。対象は小さい子どもから大人を想定しており、小さい子ども連れの家族が楽しんで遊べる作品を想定しています。
      これはRFIDタグとリーダ、という組み合わせを使うと簡単に実現できます。現在も3回生でこのような作品を制作している学生がいて、ちょうどこのようにRFIDリーダ回路(Arduino)を増設したところでした。ただしこれを使ってタグに対応した映像を出すのにはMax8というシステムが必要であり、「基礎演習E」を履修している、あるいは去年に履修した学生のうち、現在、私の「サウンドデザイン」を履修している学生はちょうどMax8を学んでいるので作品に適用できて「一粒で二度おいしい」のですが、「サウンドデザイン」を履修していない学生にはちょっと実現は困難かもしれません
    • キーワードは、[ woman demon red dark river Japan illustration gold ]で生成しました。このキーワードの中では特に”Japan”と”illustration”を加えた時に予想に近い画像を作ることができました。また、『鬼女』の中で「金とべにとの」という文が繰り返されていたため、赤と金をメインに作成しました。今回は「鬼」「不気味」などのイメージの画像だったのであまり強い違和感はありませんが、体のバランスが破綻したものが多くまだ使い所は限られていると思います。生成AIを使用したのは初めてでしたが、同じキーワードで生成を繰り返しても毎回全く違う画像が生成されるため、細かい修正には向かないものの幅広いアイデアを複数出したい時にはかなり有効だと感じました。
      ツールの情報が抜けていました。草野心平の詩の中で「金とべにとの」は一つの重要なテーマで繰り返されているので、これもアリだと思います。よく見ると身体のシルエットは破綻している部分もあるのですが、それもまた「生成AIの味」という気もしてきました
    • 最終的なキーワード:「滝のそばに角を持つ着物を着た鬼のような血糊のついた顔の女がうずくまっている 紅葉の葉っぱが舞う 浮世絵風」。Image Creatorのページトップにある作例から、浮世絵風のプロンプトが有効であるとわかったので、末尾に「浮世絵風」をつけ、その他のワードは詩の中からイメージしやすい部分を抜粋し文章化しました。使用した感想として、予想よりも期待に応えてくれるツールであると感じました。
      「浮世絵風」というのが発見ですね。他のツールだとコンテンツとして許容されないようなところまで表現しているので、単に「画像生成AI」というだけでなく、得意な表現/許容される表現、という条件でのツール選択も必要なようです
    • キーワード : 鬼女 和装 血の飛沫 黒髪 顔を覆う髪 白い肌 うつ伏せ 滝の麓 紅葉 血の海。ブラッシュアップの過程 : 初めに、「鬼女 滝 黒い髪 白い肌 薄ら笑い 紅葉」という詞に乗っ取ったキーワードを打ち込んだ。すると、滝を背景として、西洋風の女性のアップの画像が生成された。私は詞や曲から日本風の不気味な印象を感じていたので、「和装」というキーワードを追加した。また、曲の「ちゃぷちゃぷ」という効果音から、滝の麓を歩く音と、血の滴る音を想像した。しかし、「滝」というキーワードだけでは、滝を背景として女性が腰より上で描写されてしまい、滝の麓の様子が分からなかった。だから、「滝の麓 血の海」のキーワードを追加し、効果音からの連想を表現した。最後に、模索する中で、「薄ら笑い」というキーワードをつけて口元の描写を生成するよりも、「顔を覆う髪」というキーワードで口元を隠し、血が滴り薄ら笑いをする様子を想像させる方が不気味さが際立つと感じたので、このキーワードを追加した。
      なかなかリアルに、写真のような仕上がりに驚きました。あちこち細かい破綻があるのも画像生成AIの特徴のようですが、これはこれでアリでしょう。個人的には、もっと霞とか靄とかがかかっていて薄暗い方が好みなのですが、それがAIに生成させる側のセンスになってくるのだと思います
    • ユーザー : 寝る前にスマートフォンや本をよく利用する人。作品概要 : 台型ライトにスマートフォンや本を置く。センサがスマートフォンや本の重さに反応して暗い部屋で点いていた明かりが消えるシステム。寝る前にベッド横のライトのみで本を読んだり、スマートフォンをいじったりしている方に対して寝る前にスマートフォンを置いて電気を消す手間をひとつにまとめられる。明るい時は太陽の光を蓄えて、蓄電した分を夜寝る時間の一時に使用するようにする。明かりが点くタイミングは自転車のライトと同じ要領で暗さに伴い明るさが変わる。大きさは一般的に売られているサイドテーブルに収まるサイズを想定する。
      ソーラーパネル(太陽光蓄電池)の応用というのはSDGsにも対応していますが、実はその充電/放電を管理する電子回路/プログラムはかなり難しく、Arduinoに何かを繋いで・・・というように簡単にはいきません。また、ベッドサイドに置いたままで一日中充電できるほど天井が空いていることは考えられないので、いちいち朝になったらベランダとかに出して、晩にはベッドサイドに運ぶ手間がありそうです。実はこの手の製品が出てこない最大の理由は、例えばケースをプラスチックなどで軽くスマートに作りたいのですが、太陽の光で充電しているとその紫外線によって急激に樹脂が劣化して、つまり製品としての寿命があまりに短いことにあります。学生とかの安易なソーラー機器のアイデアにはこの点の考慮が欠けていることが多いです
    • 与えたキーワード→鬼の女性 滝 紅葉 血 ホラー 夜。紹介のあった2つのサイトでは「紅葉」「滝」と入力したすると同じような色味、構図の画像ばかりが生成されてしまったが、「お絵描きばりぐっとくん」は上記の2つよりオリジナリティのある1枚絵としての完成度が高いと感じたためこちらを採用した。詩、曲のイメージを元に最初はただ単語を入力していったが、入力順とは別に反映されやすい要素とされにくい要素があるとわかってきて順番を調整した。ポーズの指定もしたかったが求めているものと違ったり、鬼女がアップの構図になりすぎてしまったりしたため、ポーズ制御技術を追加で使用することも必要だと思った。夜と指定していても空が明るく、滝は白飛びしすぎていることが多かったため、ホラーな雰囲気にするためには手動での調整が必要だと思う。
      最初のあたりの作品は「風景」が描かれているものの、どうもその後の作品では強烈な人物ばかりに注目が行っていて、もしかすると僕の元作品を鑑賞してというより「詩」から生成しているようなものが並んでいましたが、久しぶりに「風景」を描いてくれた作品で安心しました。生成AIとのやりとりは「言葉」を介するので、デザイナであればポーズなどを直接指定できるのに、思ったようになってくれないもどかしさもあるようですね
    • 与えたキーワード : 「japaneses horror painting a woman in red kimono squatting by the watterfall」。Stable Diffusionは英語入力でした。初めは「鬼女」と入力していましたが、鬼でも女性でもない絵ができていたので「女性」と指定するようにしました。また「日本の女性」と入力するだけだと曲のイメージに合わない現代風の女性が出てきました。そのため「着物の女性」と入力しました。ほかにもどのような雰囲気か(例:ホラー、恐ろしいなど)を入力することで理想に近い絵が出てきました。具体的に指定しても、その通りに出てこないことが多く難しかったです。
      「和」な感じというよりも「中華」な感じになったのが逆に面白いです。草野心平は中国の広東嶺南大学に留学した頃に詩作を開始していて、広大な中国の自然を表現した詩も多いので、テイストとして繋がったのかな、と思いました
    • 私が提案するのは「アラーム三段活用」という作品です。過去作品の「音してブロック」「居眠り防止ライト 布団で寝ろ!」を参考にしました。この作品では一人暮らしの大学生、社会人をターゲットとします。これは、朝に弱いかつ、起こしてくれる人がいないという人が音と光と衝撃で起こされるというインタラクティブ作品です。まず、時間になったらバイブレーションするようにアラームをセットしたスマホを定位置に置いておきます。そして、時間になったらバイブレーションの振動を感知したライトがその人強い光で照らし、その人を起こします。それでも起きない場合、バイブレーションによって少しずつ動いていたブロックが落ちてきて、さらにその落ちた衝撃で音がなるという仕組みです。
      アラームをセットする部分をスマホに任せるのはいい事で、そこから「ピタゴラスイッチ」のように色々なことが起きるというものですね。実際に稼働するシステムを作るとなると、(1)スマホのバイブを検出して光る部分のセンシングをどうするのか、(2)スマホのバイブ程度の振動でブロックを落とす機構をどうするか、(3)ブロックが落ちた衝撃を検出して音を鳴らす部分のセンシング(落ちる場所は決まっていない)、など多くの困難があって相当に難航しそうです
    • 「音と質感を着せ替えられるキーボード」。ターゲット:タイピングを練習する子ども、目が不自由な人。さまざまな手触りのカバーを取り付けることで質感にバリエーションを与え、さらにキーを押し込んだときにその手触りに応じた音が鳴るキーボードを提案します。例えばふわふわの手触りのキーを押し込むと「ミャー」と猫の声がしたり、トーストを模したザラザラのキーを押し込むと「チンッ」とパンが焼き上がった音がします。小さい子どもでもタイピングの練習に楽しく取り組めたり、目の不自由な人が質感と音を頼りに文章を打ち込みやすくなるのではないかと考えました。発想の経緯としては、ゲーミングキーボードなど、「キーボードプラス光や音」の商品が存在するのなら、五感の一つである触覚に遊びのあるキーボードもあって良いのではないかということから考えました。
      「タイピングの練習」でいちいち特定のキーに対応した音が鳴るというのはちょっと邪魔な木もします。ふわふわの手触りなら猫という固定的な対応も他の動物からクレームが来そうです。トーストを模したキーでパンが焼きあがった音というのも、もともとトーストにはふかふかもっちりの触感の魅力もあるので悩ましいです。触覚のチャンネルに注目、という点は評価できます
    • タイトル:「マイドレス」。ターゲット:5歳から9歳程度の子供。作品概要:額縁に入った男の子/女の子の絵を着せ替えして遊べるおもちゃです。素材は加工しやすい木材を使いたいと考えています。着せ替え用の衣装にはセンサーが入っていて、額縁本体に正しい位置でくっつけると本体に入っている磁石と反応し、それぞれの衣装に対応した音楽が流れます。また、特別な衣装を着させると本体側に入っている別のセンサーが反応して本体の後ろから光が漏れ出て、豪華な演出がみられます。ファッションなどに興味の湧いてくる年齢の子供に対して、玩具として遊んでもらえる作品を想定しています。
      実際に作るのであれば、センサーと磁石の取り付けは逆になると思います。衣装の方に小型のシート状ネオジム磁石を異なった位置に配置して、額縁本体の方には複数の磁気センサを配置しておけば、センサの配線は額縁の後ろで実現できそうです

    「発想を学ぶ」長嶋担当分 (4/14)レポート提出者

    「発想を学ぶ」長嶋担当分 (4/14)にきちんとレポートを提出したのは以下の19人です。 「基礎演習E」の残りの個人制作期間については、これらの学生への対応/支援を優先します。

    「技法を学ぶ」長嶋担当分 (5/19)レポート提出者

    「技法を学ぶ」長嶋担当分 (5/19)にきちんとレポートを提出したのは以下の18人です。 「基礎演習E」の残りの個人制作期間については、これらの学生への対応/支援を優先します。

    「20230609レポート」へのコメント (2023.06.10)

    「20230616レポート」へのコメント (2023.06.17)

    「20230623レポート」(11件のみ)を拝見しましたが、特筆するコメントはありませんでした

    関連資料・リンク