国際会議 in 浜松 2004
「音楽/芸術表現のための新インターフェース」
June 3-5, 2004
(This page was fixed on 2004.06.20)
- NIME04レポート
- NIME04について
- 概要
2004年6月3日(木)-5日(土)に、静岡文化芸術大学(SUAC)を会場として、国際会議「音楽/芸術表現のための新インターフェース」(NIME04) が開催されました。「NIME」という新しい国際会議は、コンピュータ音楽やテクノロジーアート(メディアアート)の領域で、
・人間の感性や表現などの芸術性
・システムと人間の掛け橋となるセンサやインターフェース
・コンピュータ・エレクトロニクス・ソフトウェア技術(IT)
の三者の融合/展開をテーマとしています。これは、日本で初めてのNIME開催を目的として組織されたNIME04実行委員会およびホストである静岡文化芸術大学により開催されたもので、世界中の関連する研究者・専門家が日本に集い、国内の関連した研究者・専門家・機関・企業などとも交流して、この学際研究・文化芸術の新しい発展に寄与することを目指したものです。
国際会議 NIME(New Interfaces for Musical Expression)は、世界最大のコンピュータ国際学会 ACM(Association for Computing Machinery)がシアトルで開催したコンピュータ・ヒューマン・インターフェース国際会議 CHI2001の中の「新しい音楽インターフェース・デザイン」というワークショップとしてスタートした、とても若い国際会議です。これを発展した形で翌年にはアイルランドのダブリンにある欧州メディア研究所で国際会議「音楽/芸術表現のための新インターフェース」(NIME02)を開催し、さらに今年2003年5月にはカナダのモントリオールにあるMcGill大学を会場にNIME03を成功させました。
2002年にNIME国際運営委員会からのNIME日本開催打診を受けて、関連する研究者・専門家によるNIME04実行委員会を組織し、世界中の研究者・専門家を日本に招いて国内の関係者との国際的文化交流・友好親善・研究交流に貢献するという視点から、過去のNIME01、NIME02、NIME03の精神を引き継いで発展させると立候補し、カナダでのNIME総会において承認されました。 この国際会議は、コンピュータ音楽や電子楽器などで世界をリードする企業(ヤマハ、ローランド、カワイ等)の集まる「楽器の街」浜松市 (静岡県)にある、静岡文化芸術大学(SUAC)を会場としました。会議は2004年6月3日(木)-5日(土)の3日間を中心日程として開催し、「音楽/芸術表現のための新インターフェース*」に 関連した領域の、世界先端の研究発表、デモンストレーション発表、パフォーマンス(ライブ)、システム展示等を連日、行いました。基調講演には、世界的に有名な「モーグシンセサイザー」の生みの親であるR.Moog博士と、世界を舞台に活躍するメディアアーティストの岩井俊雄氏、を招聘しました。また、6月5日の晩にはSUACから浜松市内のクラブに会場を移しての「NIME04クラブコンサート」そして"DJ/VJライブParty"を行いました。* 本来、NIME(New Interfaces for Musical Expression)を直訳すると 「音楽的表現のための新インターフェース」となりますが、今回はNIME運営委員会の了承のもと、日本語においては「音楽/芸術表現」と記します。その理由は二つあります。一つはこの"Musical Expression"というのは「音楽における芸術的な表現」という意味であり、単なる音楽表情記号の解釈という意味の「音楽的表現」という訳では不備であること、もう一つはNIMEの対象領域は音楽だけに限定されず、ダンス、インスタレーション、映像、エンターティメント(機器、ソフトウェア、ゲーム)などに渡っているために、NIMEの趣旨からは「音楽/芸術(的)表現」という訳がより妥当であるからです。NIME04の関連イベントとしては、開催地である静岡文化芸術大学(SUAC)がこの分野において過去に連続して開催してきた「メディアアートフェスティバル」を "MAF2004" として、インスタレーションギャラリー・CG/Photoギャラリー・ムービーシアター・公開レクチャーコンサートなどを開催し、来日する世界中の専門家との交流・ワークショップ・コラボレーション等も行いました。NIME04の研究発表セッション(論文・ポスター・デモ)については参加登録(参加費)が必要ですが、MAF2004については全て一般無料公開であり、NIME04のデモ展示とNIME04コンサートセッション(有料)についても広く一般に開放し、科学技術と芸術と人間の感性の融合したこの新しい学際領域を紹介しました。NIMEのテーマには、ユビキタスコンピューティング、エンターティメントコンピューティング、身体表現、マルチメディアとの融合など最近話題のIT分野がもともと含まれているために、これらの領域からも注目されるようになっています。NIME04の研究発表論文集はISBNを付して出版するとともに、Webにて公開しました。
NIME04は発表、論文など全て英語で行われました。MAF2004は日本語であり、MAF2004大会プログラムも無料です。また日本からの参加者のために、日本語論文概要(アブストラクト)集をMAF2004プログラムに盛り込みました。