続・Max7日記 (5)
長嶋 洋一
2018年4月3日(火)
もう4月になった。 今年は桜が咲くのも満開になるのも例年になく早くて、もう葉桜になってしまった。 前の 続・Max7日記(4) の最後の日が「2018年3月9日(金)」だったので、そこから約1ヶ月後の再開である。 とりあえず3月後半に異様に盛り上がった将棋ネタはここではグググッと封印するとしても、その後に、以下のようなあれこれがあった、濃密な「3月後半」だった。
- 後期入試(鉛筆デッサン試験監督・立ち続け4時間)
- 電子情報通信学会ヒューマンインターフェース研究会(東北大)
- 卒業式
- 電子情報通信学会大会(東京電機大)
- バイオフィードバックセミナー(奈良学園大)
上のように院生(新学期からM2)のブンちゃんと一緒に奈良にドライブで行った バイオフィードバックセミナー では、参加者こそ少数精鋭であるが、中身は非常に濃い、収穫の大きなものだった。 プレゼンは これ である。 会場で、辻下先生が配布してくれた資料の中に「理学療法士のための行動分析学入門」という面白いものがあり、さっそくWikipediaで調べた後で、以下のような6冊を図書館に行って借りてきた。 合間に勉強の読書である。
行動分析学入門. 杉山尚子 [ほか] 著. 産業図書, 1998. 行動分析学入門 : ヒトの行動の思いがけない理由. 杉山尚子著. 集英社, 2005 (集英社新書:0307E). 対人支援の行動分析学 : 看護・福祉職をめざす人のABA入門. 服巻繁, 島宗理著. 西日本法規出版, 2005. 使える行動分析学 : じぶん実験のすすめ. 島宗理 [著]. 筑摩書房, 2014 (ちくま新書:1066). 人間と社会の省察 : 行動分析学の視点から. B.F.スキナー著/岩本隆茂[ほか]監訳. 勁草書房, 1996. みんなの自立支援を目指すやさしい応用行動分析学 : 「支援ツール」による特別支援教育から福祉,小・中学校通常教育への提案. 高畑庄蔵著. 明治図書出版, 2006.この日記のスタートが遅れた理由はちょうど1年前の該当部分を探すと分かるのだが、全国的に大学の研究予算が削減され続けてきている流れを受けて、SUAC特別研究費も昔に比べるとだいぶ緊縮モードであり、減額は覚悟としてもまたまたゼロ査定になったら身動きが取れない・・・という萎縮モードだったというのが最大の理由である。 そのため、NIME2018(米国)とICMC2018(韓国)への応募は今年は完全にスルーした。 Sketching2018(シカゴ)も開催日程が前期末の繁忙期だったのでパスした。
幸いに昨日の新年度初日に、ほぼ想定内の減額採択通知を受けたので、いよいよ本年度の学会参加シリーズに火が付いた。 諦めていたところに「3/31まで締め切り延長」というアナウンスが届いたことをトリガにフライングで3月末に応募していたのは、ポーランドのPOZNZNで開催されるICEC2018であり、とりあえずワークショップのオーガナイザというのを応募してみた。 この結果はあと1週間ぐらいで早期に届くらしい。 その他はまさに昨日と今日とで以下のように発表応募エントリーなどをやっつけて、残り項目も明確になった。VS-Games2018 の直後にリンツに行くと久しぶりのArs Electronica後半に間に合い、そこからちょっと空くが ICEC2018 に繋がるので、今年の欧州ツアーはこのあたりをベースに作戦を立てるつもりで、そのためにもpaperを通したいという状況が明確になったのである。 東京藝大の後藤さんから「久しぶりに Maxサマースクール をやります」という案内が届いたのでさっそくイブニングセッションのpresentationまで応募(ほぼICEC2018のWorkshopの簡易短縮版)したが、なんとこれは東京藝大の公開講座の枠組みに入っているので先着順でなく、応募多数であれば抽選だという。 7月中旬まで参加できるかどうか不明というのもナンだが、まぁ仕方ない。
- 音学シンポジウム(音楽情報科学研究会) - 東大 ★これから原稿送付
- 時間学会第10回大会 - 千葉大 (原稿送付済)
- Maxサマースクール2018 - 東京藝大 (抽選あり)
- VS-Games2018 - Wurzburg(ドイツ) ★これからpaper応募
- ICEC2018 - Poznzn(ポーランド) ★これからpaper応募
2018年4月4日(水)
先日のテレビ「がっちりマンデー」で、誰でも自分の才能/得意技などをフリーマーケットする「ココナラ」という会社/サイトを紹介していた・・・というのをフト思い出して、「人材 才能 売ります」かなんかのタームで検索してアッサリと到達し、勢いで こんなふうに 自分を登録して公開してみた。 過去には僕のサイトを見て、オリジナル機器の開発を依頼してきたアーティストや専門家や学生の事例がたくさんあったが、今はこういう時代なのだ、と感心した。 果たして何かコンタクトがあるのかどうが、ちょっと見守ってみよう。
そして、図書館から借りた「行動分析学」の本のうち4冊を斜め読みしつつ、先週の バイオフィードバックセミナー に関する情報が辻下先生と照岡さんと僕とで行き来する、という日になった。 そこで判明したことは、辻下先生がVPP-SUAC絡みで発表しようと計画している 第46回日本バイオフィードバック学会学術集会 というのが、まった同じ日に、同じ東京で 音学シンポジウム2018(第119回 音楽情報科学研究会) とバッティングしている、という悩ましい現実だった。
関連して、「VPP-SUACのWiFi版を脳波オプションで」という照岡さんからのリクエストも来た。 これは、辻下先生に依頼された、4月22日の奈良学園大・オープンキャンパス(登美ヶ丘)に、翌年からの非常勤講師として応援に駆け付ける(ちょうど前日4/21(土)に甲子園ライトスタンド巨人戦に行く予定)という話とセットのようなもので、今月の大仕事として確定した。
そしてここから午後に一念発起、VS-Games2018とICEC2018への英語応募論文作成の前に片付けよう・・・と、 このページ の情報から資料を抜粋しつつ作文して、 音学シンポジウム のポスター発表の予稿を、前回の音情研の予稿が29ページだったのに対して、最小限の3ページという味気ない予稿として一気に完成させて情報処理学会のサーバに上げてしまった。 これ である。 新学期前から12時間ほど研究室で頑張ったが、これで後腐れなく英語の作文に没頭できる体制が整ったことになる。
2018年4月5日(木)
明日は入学式だが完全に桜は散ってしまったし、明日は雨模様らしい。 図書館から借りた「行動分析学」の文献6冊のうち5冊を読了して、スキナーの分厚い本だけ残った。 応用行動分析ABAについては、なるほどリハビリやカウンセリングや自己啓発など色々に応用できるものだ、というのが理解できたが、キモとなっている「行動随伴性」というのが、下條先生の言う「脳の来歴」とギブソンのアフォーダンス(環境)とベルタランフィの一般システム理論と通じるところが大きくて、けっこう難しい事を書いているのにぐんぐん興味深く読めてしまうのが面白い。 ざくっと半分ほど読み進めたところでは、全てを排他的網羅的に随伴事象として説明しようとしているスキナーだが、その進化論的脳内プロセスについてより柔軟に解説しているのが下條先生の「来歴」「報酬系」あたりの理論である、というのが第一印象である。2018年4月8日(日)
先週金曜日には 入学式 があり、いよいよ新学期がスタートとなった。 昨日の土曜日には「終了」したアカペラのメンバー有志と9時間マラソンカラオケで28曲を堪能したが、朝に研究室に出たときに届いていたメイル(プリントアウトを持参)で一日中幸せな気分だった。 ICEC2018 のCall for Workshopの締め切りが延長された、という案内に対応して1日で一気に書いた プロポーザル について、以下のように結果通知が届いたのである。
Dear Workshop Organisers, We are happy to inform you that your workshop "Bio-sensing Platforms for "Wellness Entertainment" System Design" has been accepted to International Conference on Entertainment Computation (IFIP-ICEC)! Please consider the review comments below, when finalizing you workshop description and agenda. Your next steps are: ((略)) Please, send all the requested information to: #######@ifip-icec.org. Also if you should need some additional help, the workshop chair will support your endeavours. The workshop chair will reply to your questions also through the same address: #######@ifip-icec.org . Best regards, Organizing committee of IFIP-ICEC 2018 ----------------------- REVIEW 1 --------------------- PAPER: 7 TITLE: Bio-sensing Platforms for "Wellness Entertainment" System Design AUTHORS: Yoichi Nagashima Overall evaluation: 2 (accept) ----------- Overall evaluation ----------- This "hands on" workshop (full day) concentrates on the bio-sensing platforms utilized in "Wellness Entertainment" system design. The sensing technology has a role in entertainment computing and therefore the theme of the workshop is relevant and fits the conferences's theme well. The proposal itself is thoroughly constructed - it demonstrates all 4 parts of the WS in detail. It also presents the required information (background & motive, objectives, contributions/format of the workshop, target group, schedule and information about the organizer) and also the possibilities how to disseminate the outcomes of the workshop - mainly take-home skills in this case. Overall the idea/plan for the workshop is well thought (sample materials etc. ) and the organizer is highly experienced on the matter. This is an exciting theme for the conference and it will be a good hands-on experience for the workshop participants. To conclude, I would suggest this workshop to be accepted as a part of the conference."We are happy to inform you that ....."というメイルは、「採択」という嬉しい知らせであるが、何といってもその中身が凄いのだ。 これまで僕が国際会議に応募した場合、必ず(おそらく100%)、REVIEWには「英語をなんとかしてね」というのが書かれるし、中身についてもあれこれ突っ込みとか改訂希望とか、まぁ要するにイチャモンが付くのだが、なんと今回のREVIEWにはそれが何もないのである。 今回は国際文化学科のRyan先生のNativeチェックもしていない(Google翻訳を行き来させただけ)のに、である。 まぁ、中身については採択される自信はけっこうあったのだが、完全にOKというREVIEWというのはおそらく空前絶後だろう。
そして、上のメイルで「((略))」とした部分に書かれていた内容はかなり早急にあれこれする必要がある事ばかりで、あと1週間でWorkshopのダミーWebサイトを作ってURLをICEC2018事務局に知らせて、さらに1週間で「参加者募集」のCFPを作って、ICEC2018の公式なアナウンスにするのだという。 さらに「Please inform us about the following ASAP」として4項目ほどの質問事項もあった。 昨日はここに速攻で返信してからBIG ECHOに向かったのである。 ただし、去年のICEC2017(仙台)にワークショップを提案して採択されたものの事情があってキャンセルした、という「幻のHTML」があるので、これを今年のテーマにアレンジすればいい、という点だけは救いである。 とりあえず、4/22の奈良学園大オープンキャンパスに向けての宿題と、今月末までのVS-Games2018とICEC2018へのpaper応募とともに、開催決定したこのワークショップの準備というのが、この4月の大目標ということになった。 明日から学科ガイダンス、そして金曜日から講義初日となるが、一気に充実モードである。
2018年4月9日(月)
午後イチで 新入生ガイダンス のあったこの日、ポーランドのICEC2018 Wokshop Chairとメイルをやりとりしつつ、 Workshop Page を作ってしまった。 CfP も作ってみたが、果たして参加者は出てくるのかどうか、とりあえず楽しみである。2018年4月10日(火)
今日はデザイン2回生・3回生・4回生の学科ガイダンスがあり、朝から新入生の履修相談のアポも入っている、という日である。 朝イチでSketchingコミュニティのMLから届いたのは、マイクロソフトのHaiyan Zhang氏とNic Villar氏による「Project Zanzibar」という素晴らしい可搬型・触覚インターフェースの完成、というニュースだった。 これ がその紹介ページ、 これ がそのYouTube紹介動画である。 素晴らしい(^_^)。
物理的リアクションは無いものの、これまでのRFIDモノではタグを置く場所がRFIDリーダに限定されていたのに対して、面状にどこでも置けてタグと通信できてさらに圧力センサとしても機能する、というのはなかなかに凄い。 問題はコストだが、やはり光学認識システムに比べて、「実際に手で置く/動かす」というリアリティは圧倒的に人間に優しいのだ、と再確認できた。
その後、多数のアポの嵐の合間に実験したのは、先日の奈良でのバイオフィードバックセミナーからの宿題で、 続・Max7日記(4) の「2018年1月19日(金)」のところで「完成した」と書いた、VPP-SUACの挙動の確認である。 YouTube を見ても、どうも体感として筋電エンペロープがグワッと出てきてくれないので、もしかしたらNucleoF401REのファームウェアのバグの可能性があるのでは・・・というものだった。 そこで学部事務室の人に手伝ってもらって筋電電極の上から圧縮ベルトで締め付けて実験してみて判明したのは、ここでの「VPP-SUAC_03」というMaxパッチは、筋電センサシステムからWiFiで届いた情報をそのままモニタしているだけの「生」情報ということだった。 つまりNucleoF401REのファームウェアに問題はなくて、Maxパッチの方をあと少しだけ改訂すればOK、ということである。(^_^)
そしてガイダンスが終わって研究室に戻り、再び学部事務室の人に手伝ってもらって筋電電極の上から圧縮ベルトで締め付けてMaxプログラミングを再開し、無事に上のように綺麗な筋電エンペロープが取れることを確認した。 NucleoF401REのファームウェアに問題はなく、後処理のMax7をきちんと作っていなかっただけだった。 このMax7のパッチ「VPP-SUAC004」など詳しくは VPP-SUACのページ に追記した。 これで安心して、VPP-SUACを照岡さん・辻下先生に送ったり、9月にはポーランドに持参できる。
2018年4月12日(木)
朝から上のような清々しいニュースが届いたこの日(もう今シーズンは思い残すことはない)、前日の新入生アポの嵐に続いて午後にはまたアポが入っている中、研究室はM2のブンちゃんの就活のためのポートフォリオの印刷でプリンタがフル稼動している。 そんな中、4/22に一緒に奈良学園大に行く予定の照岡さんからのメイルで、持参するVPP-SUACの改造についての情報が届き、朝イチで以下のように片付けてしまった。
VPP-SUACは標準状態で筋電センサとして機能するが、ジャンパオプションによって「高速筋電センサ」・「脳波センサ」に変更できる拡張機能がある。 そして今回の照岡さんの実験は、「脳波センサ」モードに変更した上で、ちょっとしたテクニックによって、骨盤底筋センシングを、それも従来のように「肛門に電極を差し込む」というような方法でなく勘弁な電極ベルトで実現しよう、という意欲的な挑戦なのである。 これがうまくいけば、尿失禁・便失禁で悩んでいる多数のクライアントを救う可能性が出てくる、というものだ。
2018年4月13日(金)
朝から このような 驚きの棋譜を堪能した、新学期講義初日の朝である。 この将棋については ここ を参照されたい。 そして1限の 「サウンドデザイン」 初日の講義を全力で進めて新学期のスタートを切った。 今年は掲示物の効果か、受講者が多かったので楽しみである。 そして午後じゅう、VS-Gamesに応募する論文執筆に没頭した。
2018年4月14日(土)
昨日の夕方に届いたメイルで、もう忘れかけていた「生体情報センシング本」の校正原稿が届いた。 送った原稿をコピペ整形しただけなので、当然ながら校正項目は「ナシ」だった。(^_^;)
明日は東京に出かける予定があるが、終日、研究室で作業して、遂にVS-Gamesに応募する論文執筆を完了した。 とりあえず国際文化学科のRyan先生に、英語チェックをしてもらってから応募することにしよう。
ここでとりあえずVS-Gamesを片付けたので、次にICEC2018に・・・と思って ICEC2018 のページに行ってみると、なんと昨日の日付の「News」で、僕のWorkshopを入れて計4件のWorkshopが採択された、と記載されていた。 もう既に 僕のWorkshop Page へのリンクも生きている。 他の3件はまだWorkshopページは出来ていない模様だが、いよいよ、これは頑張らなくては。
2018年4月16日(月)
昨日(4/15)は東京に、大学時代の同級生夫妻の墓参に行ってきたが、ここでは詳しくは書かない。 そして浜松に朝帰り(昼に到着)してきたのだが、昨日、ICE2018Workshopなどの情報とともに、久しぶりにAnthony Brooks氏とロシアのDenisに近況報告ということでメイルしていた返信が届いていた。 Anthony Brooks氏は9月は新学期で忙しくて相手ができない、という事だったが、Denisの方はあれこれ情報満載の近況だった。 とりあえずプロジェクトの動画サンプルは5件あった ★ ★ ★ ★ ★ 。 そしてさらに、「DenisとAnastasiaのコンビで2019年に日本にレジデンス(滞在制作活動)」したいがどこか知らないか・・・という質問があった。 日本もだいぶメセナが萎んで、たぶんICCとかも無理だろうから、とりあえずYCAMとIAMASを連絡してみたが、果たしてどうなるか。2018年4月18日(水)
昨日の火曜日は放課後のアカペラまで、終日みっちり、ICEC2018に応募する論文執筆に没頭。昔からあれだけ嫌いだった英語なのに、音楽情報科学研究会で発表した 自動運転車のための自動作曲 ネタをちまちまと英語に置換する、という単純作業をマル1日、続けられることに自分でも驚いた。 とても1日では終わらず、さらにこれを続けるつもりである。 まぁ、これが通って発表すれば、豊田中央研究所(Toyota Central R&D Labs)という世界的な名前の威を借る狐ではあるものの、ウケることは絶対だという確信がそうさせるのだ。そして今日は1限に「音楽情報科学」の初日があったが、メンバーは来週まで様子を見ないとまだ確定していない暫定スタート、という感じである。 そして2限には このように ゼミの初日があった。 3/31にブンちゃんと奈良に行ってデモってきた、「認知症予防ゲーム」を参加メンバーに体験してもらった。
その後、午後じゅうかかって、なんとICEC2018への応募論文がとりあえず完成してしまった(^_^)。 新学期ということでRyan先生のチェックが珍しく速攻で戻ってこないので、とりあえずVS-GamesとICECの両方を、共通のEasyChairからアップロードしてみた。 英語が改訂したら「差し替え」でアップデートする、という作戦である。 いつもの事だが、こういうのを終えた瞬間は気持ちよい脱力感で、さらに何か新たにやろう・・・という気にはならないので、せっかくだから早めに帰宅して床屋に行くことにした。 明日の放課後も某会議があり、なかなか帰り道に床屋に行けない日々なのだった。
2018年4月23日(月)
先週木曜日は9月の渡欧ツアーに関して、まずフライトを予約したり、確定している日程について現地の様子をGoogleマップで調べてBooking.comでホテルを予約して・・・という作業に没頭した。 金曜日には「サウンドデザイン」の2週目(実質的には初日)も滑り出した。 そして土日(→今日に朝帰り)は 兵庫・大阪・奈良・京都 をあれこれ移動してあれこれした。 甲子園で巨人戦に3連敗するというのは、なかなか阪神も往年の調子を取り戻してきたようで、古いファンはちょっと安心してしまう。
3/31に続いて日曜日には奈良学園大のオープンキャンパスに行き、辻下先生が来年スタートの設置に向けて準備しているリハビリテーション学科のデモ展示に協力した。 さすがに理学療法士・作業療法士の育成コースとあって、機材は凄い高価なものが並んでいて圧倒された。 PAW-eightのデモはかなり好評だったので、ちょっとPAWセンサの実験機をプチ量産して何かやってみようか・・・というアイデアを思い付いた。
2018年4月24日(火)
今日は放課後のデザインの新歓まで時間がある、ということで、昨日のアイデアからさらに思いついたことをやってしまうことにした。 3回生向け「音楽情報科学」のテーマとして、共通の教材としてPAWセンサを繋いだNucleoF401REをたくさん作って貸し出し配布して、インターフェースとしては「少数のPAWセンサ」に統一して、あとは何でも好きなものを作ってみよう、というアイデアである。 1個か2個かで悩んだが、いっそのこと両方それぞれ用意する、というのもアリかもしれない。 これは奈良学園大のオープンキャンパスでの「PAW-eight」の好評を受けての着想であり、いろいろと出来たものが、今後にさらに活かせるという目論見もある。
そこでまずは Max7日記part2(1) を発掘して、その「2017年9月5日(火)」付近に関連情報を発見した。 そして手元にある部品を調べてみると、NucleoF401REは10数個あり、さらに上のようにPAWセンサも22個あったが(30個購入して「PAW-eight」で8個使ったので)、USBシリアルに転送するインターフェースがPropellerクリップ在庫の7〜8個だけ、と判明した。 そこでまず 秋月電子 で以下のような「超小型USBシリアル変換モジュール」というのを見つけて、25個をSUAC取引業者に発注した。 データシートも このように スマートに出来ていて、使えそうである。
そして発注してから気付いたのだが、まだこれまで試したことが無かったものの、ちょっとトライしたいアイデアに思い至った。 最初の実験試作機を除いて、これまではPAWセンサを10個とか8個、使っていたので、うにうにセンサには必ずACアダプタが付いていた。 つまりNucleoF401REボードの電源とPAWセンサの電源は、信号インターフェースのUSBからは取っていなかったのだ。 しかしArduinoで最近やっているパターンからすれば、多数でなくPAWセンサだけであれば、NucleoF401REと合わせた電源をUSBから取ることでスッキリするので、可能であればそうしたい。 そこで久しぶりに NucleoF401REマニュアル を読み解くことになった。
このボードは上のように、メインのCPUだけでなくサブのCPUがホストとのUSBインターフェースを担当していて、ただMacのUSBに繋ぐだけでOSXにストレージデバイスと知らせてマウントされ、そこにオンラインでコンパイル・ダウンロードしたバイナリファイルをドラッグ&ドロップするだけでメインCPUのファームウェアとして転送してくれる、という強力な仕事をしている。 上の図を見た感じでは、メインCPUがサブCPUの向こうにあるUSBコネクタを経由してホストと通信するのはちょっと無理っぽい。 なんせ繋いだだけでアイコンが出現したということは、シリアルデバイスでなくストレージデバイスと認識されている筈だから。 ・・・だが、例えばジャンパoptionか何かでサブCPUを迂回する手があるような、微かな期待もあるのだ。
そこでまず、上のNucleoF401REピン配置図をプリントした。 今回使うのは、PAWセンサが1個ならたった4ビットだけ、というお手軽な作業である。 そして1個か2個ということで、「A」から「I」まで定義していたチャンネルのうち「A」と「B」だけ使うことにした。 必要な情報としてNucleoF401REソースコード「MIDI_sub8.h」から該当部分をここでメモすると以下のようになる。 2から5までの数字は、おそらくPAWセンサの信号ピン番号では・・・と段々と思い出してきた。
そして、PAWセンサのマニュアルも発掘して、ハンダ付けに必要な情報だけ以下のように抽出したデータを作って、これもプリントした。 このあたりで、ぼちぼち準備完了、なんとなく情報も思い出してきた。
- DigitalOut A_5(PB_8)
- DigitalOut A_4(PB_9)
- DigitalOut B_5(PC_7)
- DigitalOut B_4(PA_9)
- AnalogIn A_3(PA_7)
- AnalogIn A_2(PA_6)
- AnalogIn B_3(PA_5)
- AnalogIn B_2(PA_0)
そして午後になって、 このように あっさりとハードウェアは完成して、mbedのサイトに繋いで・・・と作業は順調に見えるものの、想定通りに「壁」にぶち当たった。 やはり「微かな期待」とは甘かったのか、外部ACアダプタもUSBシリアルインターフェースも無い、という以下のような美しいこの外見だけでは、ちょっとうまくいかないように見える、という状態でピタリと止まったのだ。 うまく動いていないNucleoF401REのソースコードをここに置くのもナンなので、外からみるとなんだか進展しているのかどうか詳細不明、という状態である。 ちょっと試行錯誤する余地があるので簡単には諦めたくないものの、果たしてうまく行くかどうか、放課後の新歓に行くまでの何時間か、苦しくも楽しい時間ということになった。
すると、奈良学園大の辻下先生からのメイルが届いてやりとりしていて、ちょうどこのあたりに該当する情報を得ることが出来た。 まず、辻下先生も独自にPAWセンサを ここ から買っていて、そこには1個のPAWセンサのデモをmbedで行っているYouTube動画があった。 このmbedは このように めっちゃ高価なmbedで、つまりホストUSBを切り替える部分を持つためにコストをかけたバージョンのようだった。 こんなに高価なmbedを使わずとも、秋月で1800円のNucleoF401REに秋月で600円のシリアルUSBインターフェースを繋ぐだけで いいのに。 そして、 mbedプログラム というページを見てみると、最後に以下のように書いてあって驚いた。
うーーーん、どうもここのエンジニアはあまり判ってない(^_^;)。 VPP-SUACにしてもPAW-eightにしても、僕はmbedの性能を活用してシリアル通信にFIFOバッファを正しく設計実装しているので、上記のようないい加減な適当さはまったくない。 データをホストと通信するプロトコルも独自にきちんと設計しているので、優先順位もタイミングもしっかり動作している。 いまトライしているアプローチが駄目だった場合には、秋月mbedに秋月シリアルUSBインターフェースにする方針で、そうすれば、必要に応じて最大8個までそのままPAWセンサを簡単に増設できる。 ここの手法 はたった1個のPAWセンサ限定であり、これをただ2個にするだけで相当に大変になる。 まさに、美しくないプログラミングの典型なのだ(^_^;)。このサンプルでは2つのタイマ割り込みが起こっていますが、優先順位が不明なので、シリアル通信中はPAWセンサを 駆動するタイミングが狂っている可能性があります。 純粋なmbed的プログラミングでは割り込み優先順位の設定はできないようなので、このあたりは妥協するか、PAWセンサ のタイミングを優先する場合には、シリアル通信の処理を割り込み外のポーリングで行うようにしたほうが良いでしょう。 PAWセンサはあまりタイミングにシビアではないので、これくらい適当でもうまく動きます。 きちんとマイコンを使う場合には、タイマによる波形出力でLEDを駆動し、タイマトリガでA/D変換を開始し、A/D変換 終了信号でDMAないしは割り込みを使って値を読み込むのが王道で、処理も食いません。2018年4月26日(木)
昨日の1限「音楽情報科学」では、精鋭5人の受講者が確定したところで、前日の着想を提案した。 2限には ゼミ があり、5限には某秘密会議、そして放課後には 大学院デザイン研究科・新歓 があった。 その合間に、前日にストップしていたところを調べて、 ここ とか ここ とか ここ とかを調べてみたが、標準的でない使い方(片方を繋いだらもう片方はopenに、と規定されているジャンパを無理矢理に両方とも繋いで、シリアル信号を強制的に2系統で共用するという方法が紹介されていた(^_^;))にはちょっと抵抗があり、やはりUSBシリアル外付け、と方針を決定した。
そして結局、PropellerクリップのシリアルUSBインターフェースまで登場して(このデバイスは通過するUSB情報のLEDが点灯するのでデバッグに最適)、いつもの「 ボードのTx/RxとUSBインターフェースのTx/Rxはクロスして接続する 」という定石を忘れていたためにトラブっていたという原因が判明して、 このように なんとか試作の第1号機が完成した。 実際には個々のPAWセンサの出力のばらつきをMaxパッチの側で補正する必要があるが、Maxパッチ、それにNucleoF401REのソースとバイナリは これ である。
YouTube その後、教授会の後で このように あと2台を作ってみた。 ここから後でPAWセンサを増設してNucleoF401REのファームウェアをさらに改良する、とかの可能性が無ければ、カッターでサブCPUのブロックをカットしてさらに小さくできるのだが、当面はこれは残しておくことにした。 この量産と、この「ハードウェア製作マニュアル」は、あれこれ忘れないうちに一気に作っておいたほうが良さそうだ。
2018年4月30日(月)
世間は先週土曜日から今週末の土日まで9日間のゴールデンウイークだが、15週の講義日を確保したい全国の多くの大学では今日の祝日も講義日、そして明日と明後日の火・水と講義があって、ようやく5/3からお休みとなる。 先週の金曜日の午後にはフト思い立って、今後、時間がたっても忘れないようにと、まずNucleoF401REで配線するピンを明示した、以下のピンマップを作った。
そしてそこから、 このように 「製作マニュアル」として「PAW-double」をいちいち撮影しつつ製作して、さらに勢いで以下のように計10セットまで量産してしまった。 単純作業とはいえ、繰り返すたびに上手くなるので、最終的には1セットあたり10分〜15分で完成してしまうのだが、しばらくしてこの情報から新たに作るとなれば、やはり1時間とかになるのだろう。 これで先週の「音楽情報科学」での約束のように、学生に1人1セットを貸し出して、「触覚センサで何か作ろう」という材料が揃ったことになる。
先週の土曜日には、某カラオフに参加して、事前ウォームアップヒトカラ11曲を加えて、計28曲を熱唱絶唱堪能した。 こういうメリハリが重要なのである。 そして昨日の日曜日は、VS-Games(Wurzburgヴュルツブルク)とArs Electronica(Linzリンツ)とICEC2018(Poznanポズナン)とだけ決まって、日本からのANAフライト(中部→羽田→フランクフルト、ポズナン→ミュンヘン→羽田→中部)とWurzburg/Linz/Poznanの宿だけを予約した・・・という中途半端な状態だったのを受けて一念発起、とりあえずこれら点と点を繋いで旅程を確定させる、という膨大な作業にとりかかり、これは今日の午前中までかかってようやく完了した。 以下がその行程マップである。
2016年の 欧露ツアー2016 の時には、ボルドー→バルセロナの列車旅、アルステルダム→ユトレヒトの電車、そしてエカテリンブルクからモスクワまでのシベリア横断鉄道寝台車、など、「乗り鉄」としての旅を堪能したが、今回は日本から飛んだフランクフルトからWurzburgまで、そしてWurzburgからLinzまで、という列車以外には、鉄道を使わないという珍しい旅程となった。 リンツからチェコ第二の都市Brnoブルノまでは、なんと一旦プラハまで行ってからプラハ→ブルノというバスしかなく、さらにブルノから「ポーランドの京都」と呼ばれるKrakowクラクフまでも、電車でなく直行バスという選択になった。 クラクフからポズナンまでを電車で行くのはとても面倒ということで、ワルシャワ空港で30分で乗り継ぐという国内線でのフライトと決めた。
上は、全てBooking.comで予約完了したホテルの一覧である。 これで、期間中の全ての宿泊の予約と、ドイツの電車の切符以外の交通手段のチケットまで確保できたことになる。 最近の経験から、「1都市に1泊はしんどいので2泊以上にする」・「極端な早朝や深夜を避けて移動は昼間」・「ホテルの場所は駅やバスターミナルの近く」という原則を徹底した、そこそこしんどくない行程となった筈である。 こういう楽しいプランニングを旅行業社に任せる人の気が知れないが、なんとなればその建物の画像まで見れてしまうGoogle Mapの時代、本当に便利になったものだ。
今年で10回目となるリンツは、まぁモーツァルトだのブルックナーだのマーラーだの、と著名な音楽家で知られているが、ちらっとWikiPediaで調べてみると、なんとWurzburgには ハイゼンベルク、 シーボルト、 レントゲン という偉人が、さらにBrnoには メンデル、 クルト・ゲーデル という偉人が、さらにPoznanには フォン・ブラウン という偉人がいた、と知って驚いた。 こうなると、現地に何か博物館なり記念館があれば、是非とも行きたいところだ・・・とチラッと検索してみると、あるある、「シーボルトMuseum」・「レントゲン記念館」・「Brno Technical Museum」・「Mendel Museum of Masaryk University」など、どんどん出てきた。 これは大いに勉強になりそうである。
そして、先週の「PAW-double」の作業を受けて、まとめの備忘録として このようなページ を作って、さらに ICEC2018workshopのページ も、「PAW-double」を2本のYouTube動画へのリンクを含めて追加しておいた。 世間は祝日だが、まずまず進展したというところである。(^_^)
2018年5月3日(木)
火曜にはアカペラ、水曜には「音楽情報科学」とゼミがあって、今日から4連休である。 昨日の「音楽情報科学」では恒例のテーマ「錯覚」を扱ったのだが、これまで日々、新しい錯覚画像などがあると1106研究室のページにひたすら置いてきたので、いざ見ようとしてもなかなか発見できない、という問題点があった事を思い出し、連休中ということで一念発起、1106研究室ページを拡大して上から下まで全部探す、という作業をやり遂げた。 その結果が このページ である。 これでまた数年は、いちいち探さなくてもなんとかなりそうだ。
そしてさらにすっかり忘れていたが、Max7の「jweb」というオブジェクトで、ごく簡単に「Maxでブラウザ」が出来る、という話題まで発掘できたので、来週の「音楽情報科学」で学生に紹介するために、上のように実験してデスクトップムービーを撮ってYouTubeに上げてみた。 なかなか地味な休日となったが、教材が揃った、という充実感は、まさに新学期ならでは、というところだ。 今年の浜松まつり期間は珍しく何もないが、最終日5/6(日)に学生2人とカラオケマラソン9時間、というお楽しみが控えているので、明日も明後日もお仕事に頑張れるのである。
2018年5月5日(土)
浜松まつりも最終日となるこの日、研究室に出てみるとNIME-MLから素晴らしい情報が届いていた。 以下の、NIMEコミュニティのStefano Papetti氏とCharalampos Saitis氏がまとめた「Musical Haptics」という本であり、なんとこれが ここ にあるように、「Open Access」、つまりタダで公開している本なのである。
This Open Access book offers an original interdisciplinary overview of the role of haptic feedback in musical interaction. Divided into two parts, part I examines the tactile aspects of music performance and perception, discussing how they affect user experience and performance in terms of usability, functionality and perceived quality of musical instruments. Part II presents engineering, computational, and design approaches and guidelines that have been applied to render and exploit haptic feedback in digital musical interfaces. Musical Haptics introduces an emerging field that brings together engineering, human-computer interaction, applied psychology, musical aesthetics, and music performance. The latter, defined as the complex system of sensory-motor interactions between musicians and their instruments, presents a well-defined framework in which to study basic psychophysical, perceptual, and biomechanical aspects of touch, all of which will inform the design of haptic musical interfaces. Tactile and proprioceptive cues enable embodied interaction and inform sophisticated control strategies that allow skilled musicians to achieve high performance and expressivity. The use of haptic feedback in digital musical interfaces is expected to enhance user experience and performance, improve accessibility for disabled persons, and provide an effective means for musical tuition and guidance.上のサイトでPDFはまるまるゲット出来る。 つまり これ なのだが、290ページほどの充実した本がフリー(オープンアクセス)なのである。 なんとも素晴らしい。 上はその「概要」であるが、PAWセンサと絡めての勉強に、研究室からネットに繋いだiPadにダウンロードして入れて、合間に読むことにした。
そして、別件で自宅から研究室に久しぶりに持ってきた上の本(ヨレヨレの中古本)をパラパラと眺めてフト思い立ち、「良品」という中古本をもう1冊仕入れよう、とAmazonに注文した。 この本はどうやら「ナースのための教材」ということのようだが、いやいや眺めていると時間がどんどん経ってしまうという、素晴らしい本である。 もちろんSUAC図書館にも4冊(うち1冊は誰か教員の研究室に鎮座)あるのだが、これはゼミでも「音楽情報科学」でも回覧の価値あり、ということで、もう1冊ゲットしようと思い立ったのだ。 そして結局、この日はパラパラどころか午後までどっぷりとこの本の読書にハマッてしまって終わった。 なんともリッチな祝日である。
2018年5月7日(月)
昨日は朝から研究室に出て、フト思い出して 音学シンポジウム の予稿をちょっと追補改訂して、情報処理学会のサーバに上げた。 これ であるが、追補した部分は「追補」と書いたのできちんと分かる。 そして11時から20時まで、アカペラの2人とそれぞれ35曲ずつ、というマラソンカラオケを堪能して、連休の最後を締めくくった。そして今日、研究室に出てきてみると、ICEC2018からほぼ「お約束」と予想されていた「paper応募締め切りの延長」というアナウンスが届いた。 僕はもう既にpaperをsubmitしているので、まぁここは静観となる。 さらに、明治大学の杉原厚吉先生の 新しい錯視 のニュースが舞い込んでいたが、調べてみるとAmazonで色々と売っていた ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ と知って、ちょっと興醒めしてしまった。 小中学生がこんなのをAmazonで買って夏休みの宿題にしたら、とてもお手軽お気楽になりそうだ。
そして、Amazonお得意の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というところに並んでいたこれら「錯視工作キット」の衝動買いからは逃れたのだが、たまたま1個だけ「はずる」が並んでいたところから、結局、上のように「合計2000円以上になると購入できて送料無料」というAmazonお得意のやつにハマッて注文してしまった。 完全なお得意様である。(^_^;)
今回は「地球の歩き方」のチェコ・スロバキア・ポーランド編を購入して眺めていたが、結局、プラハはバスを乗り継ぐバスターミナルで2時間だけ、ワルシャワもクラコフからポズナンへ国内線を乗り継ぐ空港で30分だけ、と街に出ないために、チェコはブルノだけ、ポーランドはクラコフだけ、とそれぞれ数ページずつになってしまった。 先週チラッと調べていたら、上のようにちょうどブルノを通過している時期に RFIDの国際ワークショップ がある、と知ったが、残念ながらこの2日間の1日目はリンツ→プラハ→ブルノとバスを乗り継ぐ移動日で、ブルノには夕方に着くという予定のために、paperの応募は断念した。 RFIDのApplicationとしては、「はやくスシになりたい」・「おはなしパネル」・「おせんべい屋さん」など、学生作品がいずれも動態保存されているのだが、まぁ仕方ない。 2日目にこのワークショップに聴講参加する、というセンを検討していきたい。
2018年5月9日(水)
60回目の誕生日となった昨日はなんとなく過ぎ去り、今日は研究室に出てみると、以下のように謎めいたメイルが届いていた。 しばらく考えて気づいたが、実はこれはこの日記の「2018年4月4日(水)」のところに書いていた「ココナラ」から、なんと第1号となるオーダーが届いた、ということなのだった。 初めてログインして調べてみると、このオーダーに至った人だけでなく、「○○さんがあなたをファンに追加しました」というのが1件、「○○さんがサービス「オリジナルシステム開発をアドバイスします デザイナの卵やテクノロジーが苦手なアーティストを支援します」をお気に入りに追加しました」というのが3件、人知れずあったことも判明した。
相談は「2センチ-450センチ検出距離hc-sr04 arduinoの超音波波モジュール距離測定トランスデューサセンサーとディスプレイとarduino unoは持ってるので、距離を測ってディスプレイに距離を表示するものを作りたいと思っているのですが、パーツショップに行くので、この他にどんな材料を購入しておけばいいかとか回路図とか教えてもらえると嬉しいです」というようなものだった。 このセンサは使ったことはないが過去に買っていて、まぁ簡単な「相談」である。 そこで早朝の冴えた時間帯ということで、 こんな参考写真 を撮ってzipにまとめたり、 こんな回路図 を描いてスキャナで取り込んだりして、一気に回答を書き上げて「メッセージを送信」してしまった。 果たしてどうなるか。
1限の「音楽情報科学」では、学生がそれぞれ調べてきた「錯視」その他を話題に、一緒にあれこれ考えた。 2限にはビジュアル・サウンド領域の「総合演習II」の企画審査会議があった。 そして昼休みに研究室に戻ると、今度はアメリカから以下のような謎な日本語のメイルが届いていた。
お久し振りです。ご無沙汰しています。というか、もしかしたら覚えてない可能性の方が強いかもですが、 同窓生の旧姓、○○美奈子でございます。今はナッシュビルに住んでいて、市議会議員をしています。 何はともあれ、今回、長嶋くんにお尋ねしたいことがあってメールしています。長嶋くんは、音楽関係に 携わっているのですよね? わたしも、つい最近知ったのですが、ナッシュビルに、ミユージックシティーストリングス、というグループ があって、来年、日本訪問を計画しています。御覧の通り、学生たちのグループです。 http://www.youtube.com/watch?v=uj1wtI3L13I 日本訪問にあたって、コンサートができる会場、観客を探しています。 何か情報がありましたら、ぜひ教えてください。なんともえらく久しぶりに、高校の同級生(といってもクラスは別)からの突然のメイルであった。 しかし僕は音楽といってもだいぶ領域が違う(^_^;)。 とりあえず、「まぁ音楽関係に携わっているといえばそうですが、YouTubeで拝見したグループの日本公演に関して何かお役に立てるという接点がまるでありません。 僕は現代音楽、Computer Musicの領域で活動していて、北米だとニューヨークでもバンクーバーでもモントリオールでも公演してますが、あくまでComputer Musicの作曲家としてのものです。 分野が違うこのグループのような活動に関して日本国内にまったく知り合いはいません。紹介できるホールや団体のツテもありません。 国内の知人ネットワークにチラッと打診してみますが、何か出てくるか、もし何かあればお知らせします・・・というぐらいです。すいません」と返信して、mixiの「元FCLA」(Nifty-Serveのクラシック音楽フォーラムの残党)に向けて日記で打診してみた。 果たしてどうなるか。
2018年5月10日(木)
今日は午後にデザイン学科会議があるだけ、という余裕ある日だったことに気付いて、フト思い立って、久しぶりに「データ類の整理とバックアップ」という作業を並行して走らせてみた。 まず、2台が不調で引退して残り2台を駆使しているMacBookAirについては、過去の「Air1」と「Air2」のTimeMachineへのバックアップHDD(1TB)が実質的に無意味なので、多数の500GBのHDDから空いているもの(重複を移動させて空けたもの)の2台をそれぞれ、新しく「Air3」と「Air4」のTimeMachineバックアップHDDとした。 作業は午前中の3-4時間ほどで完了して、1TBのHDDは合計3個、「空っぽ」という新たなストレージが誕生した。 この他に、講義やゼミで活用している「教材動画HDD(1TB)」はメインとまるまるコピー2台、という3台バックアップ体制で常に更新している。
残りの作業は、1TBが1個と500GBが10個近く、それぞれバラバラにデータ類をバックアップ(TimeMachineでなくフォルダ単位の手作業)していたので、これをまとめて整理して、空いたものを新たにイレースする、という上のような作業となった。 Finderのコピー作業中バーグラフは「残り9時間」とか言っているので、明日まで放置して帰ることになりそうだ。 お仕事Mac miniのHDDは常時、専用に繋ぎっぱなしの500GBにTimeMachineでバックアップしていて、[nagasm.org]のWebコンテンツ(今日現在の容量は39.98GB)もこの中に全てある。 おそらく死ぬまでこの調子であらゆる知的生産物をWebに置いたとしても、その全体は「64GB USBメモリ」1本に収まってしまうのでは・・・という感じで(動画はほぼ全てをYouTubeに上げてリンクしているものが既に1000本以上)、人間の知的活動なんてのは、まぁその程度なのだろう。
そしてネットニュースからは、「ポーランド西部の高速道路で、製菓業者のタンクローリーが中央分離帯に衝突し、運んでいた液状チョコレート12トンが漏れ出し、路上を覆う事態となった」というのが届いたが、なんとこれがポーランドのポズナン(ポズナニ?)近郊ということで、つまり、9月に僕が行う このWorkshop の会場の地名が、期せずして世界ニュースに流れた、ということなのだ。 道路一杯に漏れ出た12トンのチョコレート・・・というとなんだかいい香りを想像するが、「一帯には液状チョコレートがあふれ出し、両車線ともに通行止めとなったが、路上には事故直後に通行した車両によって何キロにもわたりチョコレートのタイヤ跡が残された。チョコレートは外気にさらされて凝固。清掃員らはシャベルや掘削機、さらに温水を使用した高圧洗浄機などを使用して少しずつチョコレートの塊を取り除く作業を開始した。地元消防団長は民放テレビTVN24に対し、作業は何時間にも及ぶとの見通しを示し、チョコレートはいったん固まると雪よりもたちが悪いと語った」というから、なかなかシリアスな現場となった模様である。
2018年5月13日(日)
先週の金曜日には1限の「サウンドデザイン」で1年ぶりにドラムを叩き、午後には眼科の定期検診に行ったりした。 土曜日には新入生4人と9時間マラソンカラオケに行って29曲とまずまずのとれ高で完走した。 そして今日は、フト思い立って、6-7年ぶりにProcessingの思い出しを試みた。 「音楽情報科学」の大部分の学生(4人)はMax7を使うのだが、1人だけ4回生でProcessingを使いたい、という永田クンに対応するためである。 まずは Max7日記 (1) の冒頭にあった以下の情報から、忘却の彼方にある記憶を辿る旅に出た。Processing日記その結果、今回は「Max7とOSCとProcessing」というテーマを調べたいので、 Processing日記 (4) に書かれているあれこれをなぞるところからスタートすればいい、と判明した。 このProcessing日記(4)をザッと眺めてみると、ノルウェーのオスロでのNIME2011に行って公演発表する傍らでSuperCollider日記を進めて、イギリスのハッダーフィールドでのICMC2011に行きながら、みちみちProcessing日記とSuperCollider日記を並行して進めて、1台のMacで「Max+SuperCollider+Processing」というのをOSCを活用して実現したり、この年の「音楽情報科学」の学生課題はなんとProcessingだったようで、それを並べて紹介したり、一部の学生課題作品を改良完成させたりしていたようである。
上はそんなProcessingスケッチの一つ、タテベサユリさんの提出課題Processingスケッチを構想通りに完成させたものであるが、残念ながらブラウザ上で走る アプレット は、FirefoxでもChromeでも現在ではサポート終了で何も出てこない。 ただしなんと、Safariでは最初だけ許諾を求めてくるものの、以下のように、ちゃんとアプレットが走ってくれた。 さすがである(^_^)。 Processingはどの環境でもいいものの、「アプレットだけはURLをコピペしてSafariへ」、というのを肝に命じた。
そしていよいよProcessingであるが、調べてみると「お仕事Mac mini」には「1.5.1」と「2.2.1」と「3.2.3」という3種類のProcessingがあるものの、2台のMacBookAirでは「1.5.1」と「2.2.1」しか入っていないと判明した。 たしか「1.5.1」はJavaアプレットを書き出す最後のバージョン、「2.2.1」も何かの仕様の最後のバージョンだった筈だ(忘れた)。 せっかくの久しぶりなので、最新バージョンを入れたいところである。 そこで Processingのサイト に行ってみると、現在の最新のstableバージョンは「3.3.7」だという。 せっかくなので最新にするためにDownloadページに行くと、いつもの寄付してね攻撃が待ち構えていた。 かつては「お試し」で無料ダウンロードが出来たものだが、どうも懐具合が苦しいのか、なんとしても寄付しないとダウンロード出来ないらしい。 ただし、たぶん僕は昔、一度は寄付しているのだが、その証拠が出てこないので、仕方なく25ドルでなく15ドルを再び以下のように寄付して、今度は名前を「寄付者」のページに残すことにした(←確認できた)。
119MBほどのProcessing最新版のダウンロードに20分ほどかかる・・・と出たので、ここで Processing日記 (4) を追いかけていくと、あれこれ試行錯誤しながら「MaxとProcessingとをOSCで繋ぐ」というのをやっていた。 遠い記憶で、「ProcessingでOSC」のためには、「oscP5」というライブラリを追加する必要があるのだが、 oscP5のサイト に行ってみると、過去に「0.9.6」だったバージョンが「 oscP5 version 0.9.8 」に進展していた(たぶん安定完成形)ので、研究室の3台のMacに対して、こちらも(動作確認の上で)上書き改訂した。 そして今回のスタートラインは、 Processing日記 (4) の 「2011年6月10日(金)」の最後のところと、「2011年6月12日(日)」のところからである、と確認できた。
そこでこの2種類のMaxパッチとProcessingスケッチを、新たに「OSCtest01」・「OSCtest02」とリネームして、Processingスケッチのフォルダ内に対応するMax7パッチを入れて、上のように動作確認した。 これ である。 デスクトップに、異なるアプリケーションであるMax7とProcessingがそれぞれウインドウを開いているが、Maxの方の「lcd」オブジェクト内でマウスカーソルを動かすと、その座標がOSC経由でProcessingに渡されて、Processingの得意な「残像が残るグラフィック」でそのマウス座標の軌跡をリアルタイム描画する。 途中では謎のコンパイルエラーが出たり(→慌てず消してリトライ)とかやや怪しい挙動もあったものの、動いてしまえばこっちのものである。 これでほぼ、「Max7とProcessingをOSCで繋ぐ」という仕組みは最新の環境で確認できたが、マルチメディア室のMacはあれこれ不自由なところもあるので、永田クンの作業環境についてはカスタマイズして対応する必要もあるかもしれない。
2018年5月14日(月)
友人のネット日記に、ツインメッセで行われていた静岡ホビーショーで巨大なガンダムのペーパークラフトを見た、という情報があった。 しかし「Paper Gundam」と言えば、もう10年前になるが、 このようなページ を作って絶賛した、素晴らしい仕事があったのだった。 このページには手元にダウンロードしたmp4が置かれているが、ソースのYouTube動画は現在でも健在で、視聴者は何十万人となっている。 まさにデザインの生きた教材として、永劫まで語り継ぎたい仕事である。
その後、ProcessingスケッチのリアルタイムグラフィクスをMax7からOSC経由でコントロールするのに、作ったばかりのPAW-doubleを使う、というのを進めていたが、途中で体調不良のため断念して医者に行った。 まぁ、そういうこともある。
2018年5月17日(木)
上の5/14の午後に医者に行って薬をもらってからの3日間は、久しぶりに完全なる「風邪との同居」を堪能した。 なんといっても内受容感覚で身体からの不調情報に「耳を傾ける」には、風邪など体調不良の時期が最適なのである。 結局、火曜日も水曜日も、「午前中だけ仕事して昼前に帰宅」というパターンを繰り返し、処方された薬をキチンと飲みつつ毎日、合計18時間睡眠、というのを続けていて、今日は午後に学生委員会があるので、ようやく夕方に帰宅してから12時間睡眠の予定である。 なんとか薬と睡眠のお陰で体調は極値を通過して快方の方向にベクトルが変化した(この地点を明確に認識できた)ようだが、まだまだ本調子ではない。 それでも今朝は、目覚めた瞬間に全身の内受容感覚に注目して調子を問い合わせたが、昨日までの身体あちこちから届く不調情報が見当たらず、ちょうど霧に包まれたような状態であるのをしっかり認識できた。 つまりはホメオスタシスの状態に近づいたことで、体調に関する警告情報は無意識下にマスキングされてきた、つまり簡単に言えば「治ってきた」というところなのだろう。 当たり前のことだが、「健康」というのは「不調に気付かない」ということなのだ。そんな片肺飛行の今週も、火曜日にはマルチメディア室でのProcessing(version 3.0.3)の動作確認を行い、最新の「oscP5」ライブラリはメニューの「ライブラリをインポート」というメニューからオンラインで対応できる事を確認して、無事に水曜日の「音楽情報科学」では全員に Processing の紹介が出来た。 未完成なので学生にはサンプルを配布しなかったが、月曜日にやりかけていた「PAW-doubleでProcessingのライブGraphicsを制御」というのもデモった。 さしてさらに話題は「MaxとProcessingとSuperColliderを同時にOSCで連携」した僕の日記と実習指導員の高見さん(IAMAS出身)との会話から SuperCollider に発展したのだが、これを「音楽情報科学」でやるかどうかはちょっとまだ未定である。 少なくとも風邪が完全に治るまでは、バージョンが最新になったSuperColliderのインストールなどの繊細な作業は無理だろう。
さらに新しい動きとしては、「ココナラ」で第1号となったオーダーが無事に完了して、さらに新しく第2号のオーダーが届いてショートメッセージのやりとりが始まった、というものもあった。 こちらは反射型フォトセンサとArduinoであり、さっそく秋月電子の反射型フォトセンサを発注依頼した。 これと別にダイレクトメッセージ(正規購入のショートメッセージでなく、前段階の打診)として、なにやらECサイトのプログラミングという打診も届いたが、PHPとかやった事ないのと、元々この打診が「完全無料の中古フリマを実現できるある方法を思いついた」という人からのもので、ちょっとかなり「怪しい」ものだったので、さりげにお断りした、というものだ。 世間ではどこでもフリマ出品有料化の流れにあって、ちょっとこれはあまりお近づきにならない方が・・・という「内受容感覚」なのである。 麻雀である牌を切ろうとした瞬間に背筋を走る不吉な予感、というのも、これと同じ「内受容感覚」なのだという。
2018年5月18日(金)
昨夜も12時間睡眠、そして医者からもらった薬も今日の昼食後で飲み切ったが、まだ体調万全とは言えない。 今週末に予定は無いので、養生週間にする事になりそうだ。 それでも今日の1限「サウンドデザイン」は、Maxプログラミングの「技」をびしばし伝授した。 例年であればこのあたりで脱落する学生が出てくるが、果たしてどうなるか。
そして2限から午後まで、上のように画面の一角に竜王戦予選を出しつつ(ここで勝てば藤井6段はなんと7段昇進)、水曜日に「音楽情報科学」で学生に見せた、実験途上の様子をスクリーンレコーディングした。 PAW-doubleと繋いだMax7から、OSC経由でProcessingにセンサデータを渡して、これに基づいてリアルタイムCGを生成する、というものである。 一応「お仕事」をしつつも、夕方には結果がでるであろう将棋を気にしつつ、万全でない体調を騙し騙し・・・という1日の様子である。
2018年5月21日(月)
結局、5/18(金)の21時ちょっと前までで「藤井6段」の時代は終わってしまい、新たに「藤井7段」が誕生した。 そして続く土日(5/19-20)は名人戦第4局、それも2日前に羽生竜王(先手)が圧勝したのと同形の将棋を羽生竜王が後手で(圧敗した方を)なぞる・・・という仰天の展開にアペマTVに釘付けとなり、ほとんど何も出来ない週末となった。 その間、10月中旬に予定しているバイオフィードバックセミナーの会場探しに関連して、京都の某所に企画案打診のメイルを作成して打ったのが唯一のお仕事である。 結局、夕食休憩まで将棋が続いて、休憩後にそのまま羽生竜王が投了して2勝2敗、この4戦はいずれも先手がボロ勝ちし後手がボロ負けする、というパターンが続くことになった。
そして新しい週がスタートした。 先週の「音楽情報科学」からひっかかっていたので、朝イチで数年ぶりの SuperCollider に取り掛かってみたが、これがなかなか難航した。 上のようにスッキリとした SuperCollider のサイトから Downloadのページ に行ってみると、現在の最新安定バージョンは「3.9.3」とあったのでこれをダウンロードして解凍してみたが、出来たアイコンを叩くと見慣れないIDEが開くとともに、なにやら膨大なインストールエラーメッセージが出てきて、うまく行かなかった。 これは過去のバージョンのSuperColliderアプリケーションだけ消してライブラリ関係が残っていたためで、あちこちオンラインマニュアルと格闘して、結局、「/Library/」以下にあったSuperColliderのフォルダ以下を全てばっさり削除して、ApplicationのSuperCollider以下だけにライブラリを統一したところ、エラーが消えて無事に立ち上がった。 その後、色々なユーザインターフェースの変更(改良なのだろうけど)に難儀しながらも、なんとかローカルホストサーバをブートして、サンプルのサウンドを鳴らすところまで到達した。 Macの場合には「鳴らすにはshift + return」、「止めるにはapple + period」である、というのが最大のおまじないである。
その後、上のように SuperCollider のpart(1)からpart(2)へとなぞって行って、以下のFMサウンドでは懐かしい音を堪能した。
( var w, carrfreqslider, modfreqslider, modindexslider, synth; w=Window("frequency modulation via modulation index", Rect(100, 400, 400, 300)); w.view.decorator = FlowLayout(w.view.bounds); synth= { arg carrfreq=440, modfreq=1, modindex=0; SinOsc.ar(carrfreq + (modindex*modfreq*SinOsc.ar(modfreq)),0,0.25) }.play; carrfreqslider= EZSlider(w, 300@50, "carrfreq", ControlSpec(20, 5000, 'exponential', 10, 440), {|ez| synth.set(\carrfreq, ez.value)}); w.view.decorator.nextLine; modfreqslider= EZSlider(w, 300@50, "modfreq", ControlSpec(1, 5000, 'exponential', 1, 1), {|ez| synth.set(\modfreq, ez.value)}); w.view.decorator.nextLine; modindexslider= EZSlider(w, 300@50, "modindex", ControlSpec(0.0, 10, 'linear', 0.01, 0.0), {|ez| synth.set(\modindex, ez.value)}); w.front; ) 再録であるが、Moore博士の名著「Elements of Computer Music」、あるいはMax/MSPのチュートリアル「Tutorial 11; Frequency Modulation」には、FM音源で重要な「harmonicity ratio」について解説してある。 整数kに対して、サイドバンドのエネルギーは「Fc+(k*Fm)」で分配されるので、もし「Fm = h*Fc」という関係にあれば、全てのサイドバンドのエネルギーはFcと整数比の関係になる。 以下の例では、マウスのXで「harmonicity」と「modindex」を、マウスのYで「fc」を動かしている。
そして遂に、SuperCollider日記のPart(3)での、大阪でのSuperColliderミーティングに参加してゲットした、「140文字以内のSuperColliderプログラムで書かれた音楽」である。 現在でも このサイト にあるらしく、22曲のmp3をzipにまとめたアルバムは、 これ(79MB) である。 せっかくなのでここに再掲してみた。( { var fc, harmonicity, fm, modindex; //fc is frequency of carrier //fm is frequency of modulator fc= 440; //MouseY.kr(330,550); harmonicity= MouseX.kr(0,10).round(1); modindex= MouseY.kr(0.0,10.0); //which is really modulation amplitude/modulation frequency, //acts as brightness control as energy distribution changed over components fm= fc*harmonicity; //since harmonicity is an integer, SinOsc.ar(fc+(SinOsc.ar(fm)*fm*modindex), 0.0,0.1); }.play ) { LocalOut.ar( a=CombN.ar( BPF.ar( LocalIn.ar(2)*7.5+Saw.ar( [32,33],0.2 ), 2**LFNoise0.kr(4/3,4)*300, 0.1 ).distort,2,2,40 ) ); a }.play { Splay.ar( Ringz.ar( Impulse.ar( [2, 1, 4], [0.1, 0.11, 0.12] ), [0.1, 0.1, 0.5] ) ) * EnvGen.kr( Env( [1, 1, 0], [120, 10] ), doneAction: 2 ) }.play play{ ( { |k|( { |i|y=SinOsc;y.ar( i*k*k,y.ar( i*k**i/[4,5] ) * Decay.kr( Dust.kr(1/4**i), y.ar(0.1)+1*k+i, k*999 ) ) }!8 ).product }!16 ).sum } b=Buffer.read(s,"sounds/a11wlk01.wav"); play{ t=Impulse.kr(5); PlayBuf.ar( 1,b,1,t,Demand.kr( t,0,Dseq( 1e3*[103,41,162,15,141,52,124,190],4 ) ) )!2 } play{ f=LocalIn.ar(2).tanh; k=Latch.kr( f[0].abs, Impulse.kr(1/4) ); LocalOut.ar( f +CombC.ar( Blip.ar([4,6],100*k+50,0.9), 1, k*0.3, 50*f ) ); f } 06 Batuhan Bozkurt (refactored by Charles Celeste Hutchins)
f= { |t|Pbind( \note, Pseq( [-1,1,6,8,9,1,-1,8,6,1,9,8]+5, 319 ), \dur, t ) }; Ptpar( [0,f.(1/6),12,f.(0.1672)],1 ).play play{ x=SinOsc; y=LFNoise0; a=y.ar(8); ( x.ar(Pulse.ar(1)*24) +x.ar(90+(a*90)) +MoogFF.ar( Saw.ar(y.ar(4,333,666)), a*XLine.ar(1,39,99,99,0,2) ) )!2/3 } Ptpar( ( { |i| [ i*8, Pbind( \scale, [0,2,4,7,9], \degree, Pseq( 32.fib.fold(0,10), 4 ) +(2*i+i)-10, \dur, 1+2**i%2/6 ) ] }!4 ).flat ).play { LocalOut.ar( a=DynKlank.ar( `[ LocalIn.ar.clip2( LFPulse.kr( [1,2,1/8] ) .sum/2 ) **100 *100 ], Impulse.ar(10) ) ); HPF.ar(a).clip2 }.play /*eclecticity*/ Ndef( \x, { SinOsc.ar( BrownNoise.ar(30!2, 200), Ndef(\x).ar * LFNoise1.kr(1!2,1,1) ) } ).play; play{ VarSaw.ar( ( Hasher.ar( Latch.ar( SinOsc.ar((1..4)!2), Impulse.ar([5/2,5]) ) ) *300 +300 ).round(60), 0, LFNoise2.ar(2,1/3,1/2) )/5 } play{ x=165; b=SinOsc; p=Trig.ar(Saw.ar(x),1); y=b.ar(p*x); z=b.ar(p); ( GVerb.ar( GrainIn.ar(2,y,y/2,z,p*z,-1) ,9 ) )/9 } play{ LeakDC.ar( BRF.ar( Saw.ar( 8, Decay2.kr( x=Duty.kr( 1/8, 0, Drand( [ 0, Drand((0.4,0.5..1)) ], inf ) ), 0.01, 0.3 ) ) **1.5, x*20+[45.1,45] ,0.1 ) ).tanh } Ndef( 'x', { x=Ndef('x').ar+0.01; a=BPF.ar( x, 6**Latch.ar( x,Dust.ar(x) )*200 ,0.1 ).sin; 9.do { a=AllpassN.ar( a, 0.2, { 0.2.rand }!2, 9 ) }; a+a.mean } ).play; { x=Array.fill( 5, { [0.00001,0.03].asSpec.map( LFNoise2.kr(3) ) } ); Splay.ar( Friction.ar( LFTri.ar(50), friction:x, mass:x*30000 ) ) }.play play{ AllpassC.ar( SinOsc.ar(55).tanh, 0.4, TExpRand.ar( 2e-4, 0.4, Impulse.ar(8) ).round( [2e-3,4e-3] ), 2 ) }; { RHPF.ar( GbmanN.ar( [2300,1150]), LFSaw.ar( Pulse.ar( 4, [1,2]/8, 1, LFPulse.ar(1/8)/5+1 ) ) +2 ) }.play //punk (loud!) play{ p=PinkNoise.ar(1!2); BRF.ar( p+Blip.ar(p+2,400), 150, 2, 0.1 ) +LPF.ar( FreeVerb2.ar( *LPF.ar( p+0.2*Dust.ar(0.1), 60 ) ++[1,1,0.2,1e4] ).tanh, 2000 ) } { a=[0.02,0.1,1,2,3,4]; k=LFPar.kr(a+0.5).sum; f=Latch.kr(k,Impulse.kr(a)); Splay.ar( SinOsc.ar(f*100+300)/5 ) }.play play{ 2.collect{ RecordBuf.ar( Limiter.ar( HPF.ar( Convolution2.ar( k=Crackle.ar( l=Line.kr(1,2,90) ), b=LocalBuf(2048), Dust.kr(4) ) ,8 ) +k ) *(2-l) ,b ) } } { 13.do{ |i|k="SuperCollider"[i].ascii;20.do { |u| { MoogFF.ar( Saw.ar((k/4).midicps) *EnvGen.ar(Env.perc), u+k*9,k/30 ) }.play; (k*0.001).wait } } }.fork そして、最新のSuperColliderでもこれが全て鳴ることを、それぞれのアルゴリズムを感嘆して眺めつつ、確認した。 午後にかけて、さらに順に「SuperCollider日記」を追いかけていってようやく判明したのは、懸案の 「Max + Processing + SuperCollider」 という話題については、SuperCollider日記としては SuperCollider日記(6) からだった、という事である。 以下のような懐かしいスクリーンショットに到達したところで、今日の「SuperCollider思い出し」は完了である。play{ a=Duty.kr( 0.1, 0, Dseq( fib(32).wrap(20,55).midicps, inf ) ); HPF.ar( LeakDC.ar( Splay.ar( LFCub.ar([-1,a,a/3,-2]) ) )*9 ).clip2/9 };
2018年5月30日(水)
上の日記は先週の水曜日ということで10日も経過してしまったが、この間、ユニバーサルデザインあるいは内受容感覚の良い体験期になった、というか未だに継続している。 つまりは体調に問題があって、ほとんど何も進展しないまま、あれこれ不調である。 現在も眼帯をしながら、見えない方の片目でこれを書いているし、まだまだ本調子に戻るのはこの週末を越えて来月あたりになりそうである。 あまりに情けないので詳細省略だが、そんな中、以下のように執筆していた本の 献本が届いて 、これだけが朗報という情けない週である。
まぁ、こういう事もある。 内受容感覚のアンテナで身体状況・精神状況まで精緻に「見える」という体験、日頃はほとんど「見えていない」方の眼だけが頑張っているという稀有の視覚体験、いろいろ収穫もあるのだ。
2018年6月4日(月)
新しい週になった。 とりあえず先週の「眼」、先々週の「風邪」という身体不調からはほぼ完全に脱却して、内受容感覚としてもまずまず情動良好である。 今週末の土日は千葉大での日本時間学会大会、その翌週の土日は東大での「音学シンポジウム」、ともう今月の週末は予定満杯であり、これから体調不良になる暇はないまま前期末まで飛ばしていくことになる。 この日の午前には、ほぼ今日が申し込み期限となっていた、電子情報通信学会ヒューマン情報処理(HIP)研究会について、いろいろ考えた挙句、エイヤと発表申し込みを完了した。 8月2日(木)から8月3日(金)というウイークデイの出張で東京女子大に行くことになるが、その翌日からの土日はSUACオープンキャンパス、そしてその翌日からの月〜木は東京藝大での「Maxサマースクール」への発表参加申込を完了しているが、まぁ、ここでの発表は重要だ、という判断である。電子情報通信学会の「発表申し込みシステム」に入力した「概要」が上の文章であり、そこそこ時間をかけてみっちりと練ってみた。 この文章は研究会幹事だけが読むとされていて、「およそ100〜200文字」で、とあるが、欄外に「最大800字」とあり、かなり近い774文字となった。 まぁ、これは予稿にもコピペで使えるので、こんなところだろう。 この「概要」に、あと この論文 とか この論文 とかが加われば、だいたい予稿の執筆も「見えた」ものである。 これは10/14に京都で開催予定のバイオフィードバックセミナーとは「両輪」を成すものとなる構想なのだ。 そして午前から午後にわたって、ひたすら某論文の執筆を遅々として進めて、1日が終わった。センサとマルチメディアを活用したインタラクティブ・メディアアートの領域で、オリジナル開発を進めてきた生体情報センシングを 活用した、ウェルネス/ウェルビーイングを目指すリハビリ/福祉領域への応用について研究している。オープンソース時代のシステム デザインは電子情報工学の専門家でなくても応用システムを容易に試作実現できる時代となり、セラビストやデザイナがこの 「スケッチング(物理コンピューティング)」を活用していく教育的な意義を支援している。本稿では、5世代にわたって実験/試作/発表 を進めてきたオリジナルの筋電センサに続いて、3世代にわたって実験/試作/発表を進めてきた、指先の触覚/触感インターフェース に最適な「PAWセンサ」を活用した汎用インターフェース・プラットフォーム「PAW-double」を公開したので報告する。ここでは2個の PAWセンサから得られる8チャンネルの触覚/触感の連続値情報をmbedマイコンからホストコンピュータに伝送し、ホストのMax7 環境において任意のマルチメディア情報と関連づけたコンテンツ(リハビリ・認知症予防等)を容易に開発できる。全ての部品は インターネットで安価に入手容易で、「PAW-double」を手元で試作するために必要な全ての技術情報やソースコード/バイナリ コード等もWebにて公開した。このPAWセンサの「指先バイオフィードバック」は、内受容感覚に起因する情動/感情チャンネルからの メンタルセラピーとしての意義も注目される。本稿では多数の「PAW-double」を教材用に試作して、デザイン教育の場で「役立つ 福祉機器/ゲーム」試作のための汎用プラットフォームとして活用した事例と、リハビリ/介護士/療法士/看護師などの専門家との ワークショップにおいて実験的に紹介/意見交換した事例などについて報告する。2018年6月6日(水)
マルチメディア室での「音楽情報科学」の先週の講義は、液タブを使えるように・・・とインストールしたドライバの作業に何があったのか、シリアルUSBドライバの環境が破壊されて周辺機器が認識されない、というトラブルを引き起こしたが、なんとか1週間後の今日の1限で解決した。 やはりFTDIドライバは2.2.18のバージョンにしておいた方がよさそうである。
そして2限のゼミに続いて午後に山本さんが このように 「RGB-LEDの微妙な色加減コントロールでコンテに描いた演出を実現してみる」というチャレンジングな作業に挑戦したが、MaxからAKI-H8経由でRGB-LEDの3色に送っている各7ビット(0-127)の調整に、「line」オブジェクトで「現在値・目標値・duration」のセットを与えるだけでは微妙な調整がやりにくい・・・ということで、これまでほとんど触れていなかった「function」オブジェクトについて色々と発掘して調べて、サンプルとして作ったのが、上の function_test_01 というバッチである。 MSPオブジェクトを使うので、ダミーでAudio ONにする必要があるが、これで簡単に変化の関数とdurationをいくらでも増設できる。
2018年6月7日(木)
今日は、午後に面白くもない定例の会議があるだけ、というお仕事日和である。 朝イチでCycling'74のMaxフォーラムから届いていたのは このような記事 で、どうやらまた新しい DJ用のインターフェース が出たようである。 まぁ、それほど目新しいものではないが、この220ドルのコントローラを2台も並べて両手でDJプレイする、というのは、そこそこ「その道」の人たちにはウケるかもしれない。 ただしICMCのコンサートセッションには採択されないだろうし、NIMEのライヴセッションでもこれをこのまま使うという人はいないだろう。
水曜日の「音楽情報科学」では、学生5人に「PAW-double」を配布して、これを共通の標準インターフェースと規定する、という「シーズ指向」の制約の下で、それぞれ何かを「試作してみる」という「課題1」を出した。 出したからには僕も何か作って紹介する必要があるので、ここで某論文と並行して、久しぶりにMaxプログラミングを進めた。 材料としては以前に制作して「センサ待ち」となっていた「UZU-tool」があったので、これと「PAW-eight」で作ったデータ処理サブパッチとを結びつけて、なんとなくいい感じの実験試作途中まで出来た。 これはこのまま週末の時間学会に持参して、合間の「内職」として格好の題材なので、未完成の状態でストップしてみた。
2018年6月8日(金)
明日から時間学会大会の出張であるが、朝イチで届いていたのは、来週の音情研、「音学シンポジウム」からの、ポスター発表実施日の午前中に一人30秒プレゼンする「概要発表」のPDFを作って送れ・・・というものだった。 どうせ多数が騒然とやるものなので、こんなところに時間をかける暇はない。 そこで、 このページ から写真を拾ってきて並べただけの、 以下のようなもの をササッと作って学会に出してしまって作業完了である。 しかし天下の情報処理学会が、一企業Googleのサービスを利用して各発表者の未発表データを提出させて、果たしていいものなのだろうか。
そして1限の「サウンドデザイン」では久しぶりのGaragebandシリーズの1回目を終えて(あと来週1回)、その後の2限にマルチメディア室のMacの環境整備を管理者権限で行った。 午後には時間があるので、昨日から始めたプログラミングをちょっと進めたが、ここで久しぶりに「謎の現象にハマッて進まなくなる」というドツボに直面し、あれこれやりつつ、遂に午後一杯かかっても原因が分からず、これで明日からの出張はこれにかかりきりになる・・・という方針が明確化された。 まぁ、いくらなんでも最終的には解決する筈(解決してくれないと困る)なのだが、たまにはこういうMaxの深淵にハマるのも一興である。
2018年6月11日(月)
「時の記念日」である6月10日に近いところで毎年開催している、日本時間学会の第10回大会が千葉大であって、 このように 行ってきた。 前の方に座ってプレゼンの写真を撮りまくったが、これは後から見返しても収穫が大きいものだった。 以下は公開シンポジウムと特別講演での「メモ」だが、やはり充実したプレゼンを見つつだとあまりメモは取れないものだ。しかし何より大きかったのは、宿題として持っていったMaxプログラミングの問題がまったく解決しない・・・という、ほぼ初めての経験である。 jitterで組んでいるグラフィクスが、マウスやキーボードの標準インターフェースだとスムースに走っているのに、何故か内部で生成するパラメータでは駆動されない、というもので、おそらくスケジューラのpriorityあたりの設定か問題だと思うのだが、こんなに困ったのはMax歴25年の僕でも初めてである。 今日は学生のアポが2件あるが、それ以外の時間を使って、シンプルに問題点を提示するようにMaxパッチを整理して、YouTubeの記録とともにCycling'74のMaxユーザフォーラムで質問してみよう、という気になった。 これまた初めてのことになる。2018年度 時間学公開学術シンポジウム 『心的時間の諸特性とその基礎』 -時間はどのようにして体験されているのか?- 【シンポジウム概要】 時間は,空間とともに,人間感性の基本的次元とみなされています.時間のない状態を体験することは難しいことでしょう. このことも,時間が私たちの主観的体験にとって特別な意味を持つことを示しています. しかしながら,私たちの知覚認知系は,時間の長さや事象の生起した時点など,時間的 な諸特性についての一義的な 情報を得ているわけではありません.私たちは,一定のペースで正確に時を刻む時計のような身体的過程を持っていません. そのため,ある瞬間とそれに続く別の瞬間に得られる体験の間の時間間隔や,その都度の事象の生起した時点について, 正確に知ることはできません.実際,時間の長さや時点に関する知覚はしばしば事象の実際の時間的特性と異なることが あり,これは錯覚と呼ばれています. こうした時間に関する錯覚は,体験される時間の特性は,不規則に決まるのではなく,様々な要因に対応して,ある程度 規則的に決定されていることを示しています.そのため, 時間に関する錯覚にある「規則性」の中に,我々の知覚認知系が どのように時間を体制化しているのかを理解する上での手掛かりが隠されているものと考えることができます. 体験される時間の規則的な「間違い」から,知覚系による時間についての体制化の戦略について解明しようとする試みが 行動科学的手法を用いる心理学や神経科学において進められています.今回のシンポジウム企画では,こうした分野に おいて主導的研究を行っている3名の研究者に,心的時間の一般的特性と,最近の研究動向について紹介していただきます. 本企画を通して,時間に関する体験はどのように形成されるのか,我々にとっての時間とは何かについての議論を深める ことができればと考えています.(一川誠) ●「心的時間における認知的基盤」 山本健太郎(九州大学大学院人間環境学研究院) ・人間は時間を知覚する器官は持っていない ・心的時間の歪み - 内的状態、外的環境 ・内的状態 ・注意 - 他に注意していると時間への注意が低下するので時間を短く感じる ・覚醒度合い ・感情状態 ・心的時間は外的環境にも影響を受ける 生理的基盤 認知的基盤 ・動きによる時間の認識 ・静止画を使って時間の感覚を調べる 止まっている絵 動いている絵 ・抽象化した「走る人」だと時間が延びて、「ネギ」だと説明すると時間が延びなかった ・前に作った"direction_illusion"そのもの→当たり前 ・数や大きさの認知も時間の感覚に影響する ・数字の大きさ感が時間感覚に影響するという実験はちょっとイマイチ(^_^;) ・複数の時間情報の統合によって時間精度が向上するという研究 ★スポーツ選手の時間感覚はカウントでなく一連の身振りイメージの統合? ●「時間知覚と脳内ネットワーク」 四本裕子(東京大学総合文化研究科) ・ヒトは時間をどう知覚するのか ・数ミリ秒〜数百ミリ秒 - 間隔時間知覚 ・脳に「時間皮質」は存在しない ・視覚フリッカによる知覚時間の延長 ・フリッカのバースト刺激が脳波に出るので影響される ・比較刺激のフリッカ周波数が脳内の知覚オシレータの周波数を引き込むので時間知覚が延長する ・視覚フリッカを見ている時の脳波 - 後頭部に10Hzが出た ・10Hz神経同期(引き込み)が大きいと、感覚された時間が長くなった ・時間再生中にも10Hz脳波成分が出てきた ・サウンドでも10Hzでやったら効果は逆だった ・脳梁がない患者の事例から、大脳皮質下のルートが関係している ★実験刺激はどのような素材で? (Videoは30fps=33msec) LED? --- 120Hzでちゃんとやっていた !! ★サウンドをバースト化する波形が方形波では違う成分が出てくるのでは --- ちゃんとやっていた !! ★聴覚の時間錯覚(九大・中島先生)の「時間錯覚に効く」レンジは100msecより小さい ●「視覚情報の階層的な処理とその時間的統合について」 林隆介(産業技術総合研究所システム脳科学研 究グループ) ・「知覚的現在」はどのように形成されるのか? ・視覚情報処理のおさらいから話が始まったが既に疲労が蓄積・・・ ・深層学習ニューラルネットと比較する ●指定討論 ・なかなか噛み合わない 【日本時間学会第10回大会 特別講演 概要】 「世界の標準時と原子時計最先端」 1967 年の秒の定義改定以来、標準時は原子時計を用いて定められてきている。当初は原子と電波の共鳴を用いていた 原子時計は、光の技術の発展により、原子とレーザー光との共鳴でさらに正確さが向上してきている。セシウム原子と電波、 という組み合わせから別の原子とレーザー光、という組み合わせに秒の定義が改定される日もそう遠くないと考えられており、 実際に、光格子時計など が標準時にも影響を与え始めている。本講演では、原子時計の基礎的な原理と、標準時構築の 仕組み、さらに光格子時計など最新の光時計と、それがどう標準時構築に関わりつつあるかを、日本が大きく貢献している ことも含めてお話したい。
そこで上のように、これまで作っていたMaxパッチからPAWセンサ周りを削ってシンプルにした上で、「本来のもの」と、外部ファイル処理等も削ってノイズを画像としてサブパッチ無しで「シンプルに全貌が見えるもの」という2種類のデモ動画を作った。 要するに、「マウスの操作でスライダーや数値をいじったりボタンをクリックしてランダム生成させた場合にはちゃんと動く」のに対して、ランダムのトリガをボタンでなくmetroにするとまったく動かなくなってしまう、という様子を見せたつもりである。 これをYouTubeに上げた上で、「シンプルに全貌が見えるもの」の Maxパッチのソース も公開して、Maxフォーラムの猛者たちに追試検証してもらって、この原因と対策について質問する、という作戦である。
そして、上の左のように「Jun 11 2018 | 10:49 am」にMaxのフォーラムにポストして、そこからjitter forumをいくつも過去に遡って読んでいると、なんとちょうど1時間後に「jit.qball」という話題に到達して、あんなに悩み続けていた事がスパッと自己解決してしまった。 なんとも劇的な幕切れだが、まぁ解決するというのはそういうものなのだ。 とりあえず上の右のように「Jun 11 2018 | 11:49 am」にMaxのフォーラムにポストして、これで一気に進めるという体制になった。 時間学会の会場で2日間、ウンウンと頭を抱えて悩んでいたのが嘘のような爽快さが訪れた。 やはり人間は気分(内受容感覚)なのだ。
2限にゼミの山本さんが1106に来てMaxプログラミングを進めている時に上の「解決」を見たが、午後には領域選択の面談アポが2回生の井上さんから入っていて、なんせ難題解決直後のテンションもあって、相当に盛り上がった。 彼女はMaxでのプログラミングも気に入っているようなので、今後に期待しよう。 そしてそのテンションで、上のように、時間学会の公開学術シンポジウムの指定討論者だった、千葉大の一川先生が紹介してくれた「フットステップ錯視」を、固定的な動画でなくて色々なパラメータを変えられるMaxパッチとして、 このように 作ってみた。 これは明後日の「音楽情報科学」で、受講している3回生/4回生に紹介するネタである。
2018年6月12日(火)
既にVS-Games2018の参加登録は完了しているが、ICEC2018の方がトラブっている。 サイトでRegistrationを進めて、参加費の支払いのページでクレジットカード支払いをクリックしたのだが、何故か具体的にカード情報を入力するページに行かずに「登録完了」と表示されてしまった。 後日に届いたメイルは「登録は受け付けました。参加費をBank Transferで以下に送金して下さい」というものだった。 それはおかしい・・・と問い合わせのメイルを出したのだが、今度は自動生成メイルだとしてBank TransferのためのINVOICEを送ってきた。 海外の銀行口座への送金というのは、何度も窓口に行ったりしてとても面倒なので避けたい。 そこで返信で「そちらのシステムの対応がおかしかったのでとりあえずこの登録をキャンセルしてくれ。再度、オンライン支払いとして登録し直す」とメイルしてみた。 まだまだEarly Registrationの期間はあるので、ここはちょっと粘ってみよう。
そしてここから午前中に一気に、この週末の東大での音情研(音学シンポジウム)のポスターを作ってしまった。 なんと今回は上のように、QRコードだけという品揃えである(^_^;)。 ポスターセッションの要請は「ポスターはA0サイズで縦」というものだが、この梅雨どきに大きなポスターを持っていきたくないこともあり(そもそもA0なんてとても大変)、いつものように分割して「A3横を8枚」とした。 最初のページは先週に作った スライド原稿 をそのまま使って、残り7ページのうち最初は「概要」を大きくしただけの文字びっしり、そして残る6ページは全て、Webのコンテンツへのリンクの巨大なQRコードが2つずつ並ぶ、という壮観なものをウケ狙いとして作ってみた。
材料としてはとてもシンプルで、 このページ にあるそれぞれの項目を、HTMLをコピーして他の項目を削った上のようなHTMLを単純に独立・増設した。 これをサーバにFTPで上げて、そのURLを「QRコード生成サイト」にコピペして出来たQRコード画像をコピペした、というのが このポスター原稿 というわけである。 同じ場所から相対リンクで厖大なドキュメントにさらにリンクされているので、来た人は迷宮探索に戸惑うだろうが、なかなかいい時代になった。2018年6月13日(水)
1限から「音楽情報科学」があり、2限にゼミのある水曜日、ふと朝イチで思いついてしまったのは、 イリュージョンフォーラム の錯視・錯聴サンプル(おそらくFlash)から、面白そうな(機能拡張できそうな)ものをなるべくたくさんMax化する・・・というアイデアである。 このサイトは音楽情報科学研究会で昔からお友達の柏野兄弟(二人とも東大・博士→NTT基礎研)のお兄さんの方が提供しているのだが、最近あれこれMaxプログラミングにハマッているのと、テーマ的にさらに錯覚を調べたい、という動機が合体したのだ。 そこでまず、以下のように項目を抽出した。そして1限では、「PAW-double」を使った試作として、3回生の福地さんの試作、月曜日に解決した僕の「PAW-UzuPicture」、さらに実習指導の高見さんも「PAWセンサ→Max→OSC→openFrameworks」という素晴らしい試作を作ってきて皆んなで堪能した。 これを1106に持ち帰って自分のセンサにトリミングして、 2限のゼミ で紹介した。 今日のゼミはブンちゃんと山本さんだけだったが、それぞれの進捗も報告して、なかなかに中身の濃いゼミとなった。
- 錯視
- 幾何学的錯視
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- 主観的輪郭
- 明暗の錯視
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- 色彩の錯視
- 形の錯視
- 運動錯視
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- だまし絵
- 陰影(シャドーとシェード)
- 錯聴
- 知覚的補完
- 言語音知覚の頑健性
- 音脈分凝
- 空間知覚
- 時間知覚
- 音の高さ
- 視聴覚統合
午後には、ゼミの山本さんが引き続き「RGB-LEDでの心情表現」という難題に取り組むMaxプログラミングを進めている傍らで、1限の「音楽情報科学」で発表した3件の「PAW-double」を使った試作のデモ動画(Webカメラでのセンサ操作も含めたデスクトップレコーディング)を記録してYouTubeに上げた。 これは今後の解説用にも使えそうである。 そして、ようやくHTMLが200KBを超えたようなので、ここでpart5を終えて、続きは part6 にいくことにしよう。
「日記」シリーズ の記録