音楽情報科学研究とリモート/オンラインとの相性について
〜COVID-19が齎したもの〜

長嶋洋一(SUAC)


Abstract

本稿では以下の(1)とともに、情報処理学会全国大会2021において音楽情報科学セッションでの発表を希望したものの一般教育セッションに配置されたために議論を深化できかった(2)についても検討報告する。(1)音楽情報科学(Computer Music)はその70年の歴史の最初からコンピュータと共にあり、また主となるサウンドメディアは他メディアに比較してネットワーク伝送の負荷も軽いために、COVID-19で世界的にオンラインが強制された2020年においても、他の学術領域よりは被った影響は軽いと考えられる。しかし現実には多くの課題が提起され、逆に音楽情報科学そのものの再構築を促すことになった。(2)2020年前期(4月-9月)に、COVID-19に対応して実施した遠隔講義の構築に関して、SUAC(静岡文化芸術大学)デザイン学科の専門科目「サウンドデザイン」と「音楽情報科学」での事例を報告するとともに、世界的にさらに普及していくと思われるオンライン教育の有効性/課題/可能性について考察した。対面のライヴ講義であれば自然に伝わるサウンドメディアやプログラミングの勘所をリモート化する障壁は高いものの、各種の有効なツールによって補完される部分は少なくなく、逆にオンデマンド講義ならではのメリットを発見することもあった。

オンライン発表用資料

関連Web資料

参考文献