新・生体センサシステム"EmotiBit"は新楽器として使えるか
長嶋洋一(SUAC)
Abstract
ニューヨークのR&Dコンサルティング・グループである"Connected Future Labs"は2021年、「Wearable biometric sensing for any project」としてオープンソースの新しい生体センサシステムを発表し、KickStarterでのクラウドファンディングによって、新・生体センサシステム"EmotiBit"を2022年2-3月に提供する予定である。このシステムは定番の9軸センサ(加速度/ジャイロ/地磁気)に加えて、温湿度(3種)、心拍(3種)、皮膚電気特性(3種)の計18種類の生体情報を、小型軽量ウェラブルWiFiモジュールから最大毎秒25サンプルでホストに伝送し、標準でOSCプロトコルも完備している。本稿では、過去に各種オリジナル生体センサ(楽器)を開発するとともにMyo/Muse/OpenBCI/Muse2などの生体センサを解析報告してきた立場から、ベータテスタとしてこの新しいシステムを紹介するとともに「新楽器」としての可能性について検討する。オンライン発表用資料
- まずは挨拶代わりにDEMO
- その発端 : Kickstarterの「EmotiBit: Wearable biometric sensing for any project!」
- 全ての情報はここに : EmotiBitのサイト
- 届いた初日に動いた : 「EmotiBit」が到着した → 動作の様子
- (参考) 長嶋が自分の胸にマイクを貼って録音した心拍で作曲した「SONY NetMDウォークマン ラジオCM」のお話(後半) : 宇宙人音楽と人体音楽の作曲事例報告 → そのCM (半年ほど放送)
- EmotiBitの開発チーム : Connected Future Labs
- オープンソース : GitHubに置かれているツールとドキュメント類
- お約束の : Getting Started with EmotiBit
- 深掘りしたい人のために : Working with EmotiBit Data (ストリーミング生体情報の詳細)
- ツールは標準で「OSC出力」できるので、Maxで全ての生体情報を簡単に受けて表示できた(^_^)
- EmotiBitボードの上の載っている「優れモノ」Arduino : Adafruit Feather M0 WiFi
- 「Adafruit」というのも凄い人が作った凄い会社だった(必見!!) : ★ ★ ★ ★ ★ ★
- (参考) この会社の場所はニューヨーク、マンハッタン島のど真ん中。オープンソースとスケッチングの時代、労働力の安い東南アジアで製造しなくても、こんな都会の真ん中でもちゃんと雇用を確保してハイテクなシステムを「開発」だけでなく「製造」できてしまう時代になっていた !!
- (参考) この会社の場所から徒歩でスグのニューヨーク大学(NYU)で2007年に開催されたNIME2007では、 採択された作品の公演 のために、ゼミ学生5人も同行してニューヨークに行ってました(^_^)
- 「Adafruit Feather M0 WiFi」の詳細 : このページで全てを公開している
- 「Adafruit Feather M0 WiFi」は「9軸センサ」+「WiFi」+「リチウムポリマ電池充電制御」を内蔵している!
- 「ArduinoNano33IoT」は「6軸センサ」+「WiFi」を内蔵している!
- これがArduinoNano33IoT
- ArduinoNano33IoTをOSC対応Webサーバとして走らせて、Maxパッチでは6チャンネル(8チャンネルのうち2チャンネルはWiFiモジュールのため使用)のアナログ電圧を刻々と表示(入力)しつつ5チャンネルのLEDをPWM点灯制御(出力)
- 結論 : まずまず使えるのではないか(^o^)
関連Web資料
- このページ
- 予稿 ※「参考文献」はこの末尾
- 筆者のサイト[nagasm.org]
- SUAC長嶋研究室
- 筆者の発表記録など(profile)