最初に、SUACで唯一のMac室、マルチメディア室に行きました。ここは
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このように、デュアルCPUのG4Macが39台、並んでいます。
今回は電源高周波/高調波の計測なので引っ掛からないのですが、
たぶんこの部屋の電源ラインには偶発性のサージノイズが乗っている模様で、
深夜に無人のこの部屋で突然にMacが起動したりする、という現象が
何回か起きています。(^_^;)
最初の計測は、まだ部屋の機器の電源をまったく入れない状態で、
講師席にあるG4Macを単体で調べてみました。
計測の様子は
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こんなもので(^_^;)、雑然としていますが、他の機器の電源を全部抜いた
状態で行いました。
これ
は、何も電源を入れない状態でのコンセントの状態です。まず電圧ですが、
ほぼ綺麗なサイン波の電圧がかかっています。電流は流れない筈ですが、
この計測システムはオートゲインですので、実質的には電流を消費していない
場合でも、このように微弱な電流を表示しています。スケールからこれは
無視できる量だ(次のデータと比較してみて下さい)、と判ります。
これ
は、G4Macの電源を入れたところの計測データです。右上の電流波形の
スケールが10倍になり、ここでは実効電流が流れていることが判ります。
電圧波形はなかなか綺麗なサイン波ですが、電流波形は典型的なスイッチング
電源の波形、ただしエッジがなかなか「丸い」波形です。最近の
スイッチング電源ではこのように、電流が流れている時間は限られて
いるものの、波形を滑らかにすることでノイズ低減しています。
これ
は、この講師席のG4Macの周辺機器(プリンタ、LCDモニタ、MOドライブ等)の
電源も全て入れてみた、という波形です。電流プローブはG4Macの電源ライン
しか計測していないので、他の機器の電源はそれより上流なので関係
ない右側の「電流」グラフについては変化がありません。ところが、
ちょっと遠い経路であるにもかかわらず、左下の電圧スペクトルでは、
30KHz付近にチラッと、さらに85KHz付近では明確に強くなっています。
これは明らかに、コンセントを経由して到来した、この周波数成分を
発生する他機器の電源システムからのノイズということです。今回は
実験しなかったのですが、この周波数帯域はEP2000の得意なところです。
そしていよいよ、マルチメディア室のほぼ中央のMMC11のG4Macに
拠点を決めました。
これ
はMMC11の電源コンセントの付近でまだ何も電源を入れていない状態、
これ
はMMC11の電源をONにした状態のグラフです。
これ
は、マルチメディア室の39台すべてのG4Macの電源を入れた状態です。
期待(^_^;)に反して、ほとんど違いがなかったのですが、これは元々、
G4Macの電源からコンセント側に出るノイズが非常に小さいので、
距離によって減衰するノイズは全体としてもほとんど影響がない、という
ことなのかもしれません。また、後述するGWS室では全てのディスプレイが
ブラウン管なので内部に高圧電源回路を使用していますが、ここは
全てLCDモニタなので、それも関係しているかもしれません。
マルチメディア室では、他の全ての機器の電源を再び落とした上で、3種類の
プリンタ/プロッタ
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についても、ディジタル機器として単独で電源を入れた状態
のデータを計測しました。
まず、
この
EPSONのレーザープリンタです。この部屋のバックグラウンドとして、
ある程度のノイズは電源OFFでも乗っていますが、
これ
はこのプリンタの電源だけを入れた状態での、そのコンセントでの電源です。
モーターやヒーターなどの電力回路のインバータ電源に特有の
高調波ノイズがある程度(もちろん規制をクリアしたレベルで)出ています。
次に、
この
RICOHのレーザープリンタです。
これ
は電源を入れた直後数秒の状態、そして
これ
は1分ほど経過してスタンバイ(アイドリング)状態になったところです。
面白いことに、スタート直後の大電流を必要とする時の電流波形に比べて、
定常状態になるとスイッチング電源のモードを切り替えているらしいことが
判ります。これにより、省エネの規制をクリアしているようです。
最後に大物として、
この
EPSONの「B0サイズ・プロッタ」です。大きさは
この
ようになります(サイズの比較に内田さん登場(^_^))。このプロッタは部屋の壁側
の専用コンセント(全て床下配線工事)の電源で、この装置だけ専用です。
これ
は電源を入れていない状態で、電流波形が暴れているようですが、これは
非常に小さなレベルの外来ノイズです。そして電源を入れると
この
ようになりました。電流波形は、2つのプリンタに比べて電力が必要なためか、
面積としてはより大きな形状にうまく滑らかに整形されていて、特定の
周波数成分の電圧ノイズは見当たりませんでした。