いま、電力品質を計測するためのノイズ計測システムの試作をしている
ところです。まだ完成していない途中の状況ですが、まったく簡単に
「電源のノイズ」を見ることができますので、経過報告として紹介しましょう。
計測実験システムの概要
これ
が、いまシステムを開発している私のデスクの風景です。あまり細かいところを
見て突っ込まないで下さい(^_^;)。
これ
が、ノートパソコンを使ったメイン部分です。ノートパソコンを使うことの意味は重要で、
「どこでも簡単に持ち運びできる」「ACアダプタ(ノイズ源)を外して内蔵バッテリで計測できる」
「データをその場でファイルとして記録できる」「オリジナルの計測処理ソフトを開発できる」
「計測データをLANで転送できる」などのメリットがあり、今回、新しいものを買いました。
これ
が、ノートパソコンと接続された計測ハードウェアです。ナショナルインスツルメンツ社の
PCMCIAタイプ500KHz/16channelのA/Dカードがノートパソコンのカードスロットに
入り、ごっっつい(^_^;)ケーブルを経て、端子ボックスにつながっています。今回はまだ
こういう姿ですが、もっと小型軽量化も計画しています。
これ
が、パソコンの画面です。まだ試作開発中の計測ソフトウェア(LabVIEWというツール
を用いて開発中)ですが、既に電源の電圧と電流とをリアルタイムで計測・表示し、
さらに周波数スペクトルも刻々と表示しています。
これ
がパソコンの拡大画面です。左側が電圧、右側が電流、上段が波形、下段がスペクトルです。
ただし、現在の電流プローブの周波数特性はこの帯域をカバーしていないので、右下の
グラフだけは意味がありません。(^_^;)
この
ように、まだターミナルボックス(金属製)が重いのですが、ノートパソコンと
マジックテープでつないでいるので、片手で簡単に持てます。(^_^)
何をどう計測するか
これ
は、この計測システムのノートパソコン(富士通)の専用ACアダプタです。
せっかくですので、このアダプタをつないだ電源の状況を計測してみる
ことにしました。ノイズ計測システムのAC電源ラインが実はノイズ源で
あるかもしれない(^_^;)、という笑えない状況について知ることはとても重要です。
これ
は、この専用ACアダプタの裏側です。記載されているように、この装置は
もちろんノイズ規制をクリアして製造出荷されているのですが、実はその
「規制」が現実に追い付いていない、という状況があります。
これ
は、計測ラインをつないでいる部分です。ゴミゴミしていますが(^_^;)、
延長されたテーブルタップに電流セパレータを差し込み、この片側ラインを
取り囲むように電流プローブをつないで、この電流を計測
しています。実際には、この上流に多くの電子機器の電源がつながっている
ので、特に電源電圧については、これらの機器からの電源ノイズが最初から
乗っている事に注意しましょう。
これ
がそのアップです。電流セパレータの出力から二股に分かれて、銀色は
このAC電源アダプタに行っていて、黒いコードが、実は電源電圧計測用に
自作したプローブです。
この
ように、ここだけ見ると他には何の機器もつながっていないのですが、
実際には上流で並列になっている機器の電圧ノイズが回ってきます。
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これは、今後登場する「あるもの」です(^_^)。
計測結果の処理は簡単(^_^)
これ
が、小型ノートの画面です。このようなデータをどんどん取って、それを
ネットワーク経由でサクサクとまとめることで、データは容易に蓄積できます。
まず、
この
ように画面が見えている状態で、「Print Screen」キー入力により、この
画面データをメモリ内に「コピー」します。そこで、
この
ように、Windows標準のペイントツールを起動して、
この
ようにメニューから「ペースト」を指定すると、
この
ように全画面データが出て来ます。そこで、これを「名前を付けて保存」します。あとは、
この
ようにFTPクライアントソフトを起動して、
この
ようにサーバを指定してFTPしてやれば、瞬時にいくつでも画像データが転送できます。
あとはいかようにも料理できますね。(^_^)
で、パソコンのACアダプタのノイズは・・・
で、今回の実験の結果であるこれ
をもう一度見てみましょう。
左側の「電圧」については、コンセントの上流にある他の
機器の電源ノイズも乗っていますが、いずれにしてもなかなか凄い波形になっているのが
わかります。この波形から出てくるノイズは、かなり低次の高調波成分となります。
右側の「電流」については、プローブの周波数帯域外なので下段のスペクトルグラフ
に意味がないのですが、少なくとも上段の波形グラフから、スイッチング電源に
特徴的な「瞬間だけ電流を流す」という状態が典型的に現れていることが判りました。
こんな電源ラインが、電子機器に良いことはないのです。
電力品質(PowerQuality)の解説をもう一度、読んでみて下さい。
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