Granular Sampling



Granular Synthesisに関する最近数年間の最大のトピックといえば、古典的な 単純波形であったGrainを、リアルタイムにサンプリングされた音響断片に 適当なウインドウをかけたものとした、Granular Samplingで ある。
これだけの違いでどのような音響が生成されるかは直観的には想像 しにくいが、具体的な音楽作品のレベルにまで到達した実例が世界的に 数多く報告されている [9]
筆者はこのGranular Samplingについて、SGI社Indyワークステーション上で 開発して実装し、具体的な音楽作品のための音響 として利用した。
上図はその画面であり、ユーザはマウス操作でリアルタイムに 各種のパラメータを変更できる。
まだ簡易型で同時生成Grain数が20--40個と比較的小規模であるが、 ある程度の効果については検証できている。
リアルタイム信号処理としてのGranular Samplingというのは、全てのパラメータ が時間的に変化していない場合には単なるイコライザ的な効果でしかないものの、 入力音響とともにリアルタイムにパラメータを変化させると、従来のエフェクタ では得られない独特の音響が容易に得られることから、現在では世界中の コンピュータ音楽家が作品において利用を始めている。


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