Grainデータのダウンロード



PCM音源でGranular Synthesisを実現するためには、周期的信号源としての波形 メモリを非周期的に読み出すための工夫が必要である。
本システムでは、ボード上 に提供されている波形RAMのバスに改造を加え、アドレス空間の拡張とバスのプル ダウンを行っている。
すなわち、簡略形でないフルデコード方式の波形アドレス 制御とともに波形メモリバスをプルダウン方式とすることで、ルーピングポイントに 非該当領域が指定された区間は「無音」信号を再生することで、非周期的要 素のGrain波形が生成されるようになっている [7][12]
このGrainデータについては、従来は波形ROMを変更して一周期の正弦波形状Grainに 対して、2倍・3倍成分を段階的に重み付けしたGrainを作成して切り換えてみた が、聴感上はあまり劇的な変化が得られなかった。
そこで本システムでは、ホスト 側パソコンとのバスインターフェース経路より、波形RAMデータを直接にダウン ロードする方法を採用した。
この場合、実際にはボード上のCPUと通信してワーク エリアに一旦転送したデータを内部波形RAMに転送するようなサービスルーチンを 呼び出す必要があり、Granular Synthesis処理に入ってしまうとGrain形状の再 ロードを行えない制限がある。
また、もともと波形RAM容量が小さいために、古典的な Granular Synthesisの意味でのGrainについては任意形状のものが使用できるが、 Granular Samplingのような長時間のGrainについては不可能である、という制限が ある。


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