ファームウェアのダウンロード
PCM音源ボード上の制御CPUのファームウェア・プログラムについては、本来ROM化
されていて機能変更は不可能なものであり、基本的にマルチティンバーMIDI音源
としてしか使用できないものである。
しかしホスト側パソコンとのインターフェース
仕様が公開されるとともに、ボード上のワークRAM領域にファームウェアのサ
ブルーチンをダウンロードしてここに制御を移行させる、いわば「パッチを当てる」
ための手段が公開されている[7]。
本システムではこれを利用して、ホスト側
パソコンからそれぞれのボードのワークRAM領域の一部にGranular Synthesis処理の
ためのファームウェアをダウンロードする方式を採用した。
一旦この専用ファ
ームウェアに移行したボードはリセットによってのみ通常状態に復帰する。
ファームウェアとしてMIDI監視やマルチティンバー音源処理に関する部分を省略し、
16発音チャンネル全てが一つのGranular Synthesis音響を生成するために使
用されるようにした。
必要なパラメータはバスから与えて変更されるが、たとえば
MIDIのノートオン情報に相当する情報すら省略されている。
すなわち、全パラ
メータのセットとともに16チャンネルは楽音信号の生成を無限に続けており、出力
信号が現れるかどうかはGrainの振幅制御である「音量」パラメータに依存する。
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