パラメータのニューラルネットワーク制御
この疑似Granular Synthesisシステムにおいては、リアルタイムにパラメータを
制御する「動的補間手法」としてニューラルネットワークを利用した[8]。
システムとしては標準的な3層構成とし、ジョイスティック形状のセンサから
与えられた2次元情報を入力データとして、「Grainの幅」「平均的なループ長」
という異なる二つのパラメータ出力のマッピングを与えた。
入力データとしてそれぞれ16段階の値をとる2次元のパラメータ空間の内部の16点
だけを教師データとして設定し、BP学習によって得られたニューラルネットワーク
にリアルタイムに任意の256点の情報をセンサから与えた。
この実験の結果、パラメータ空間で離散的に与えられて学習された特性が、実際に
音響としてGranular Synthesisパラメータを「良好に補間」していることが確認
できた。
ただしそれ以上の効果として特筆すべき成果もなく、ニューラルネット
ワークの異種パラメータ補間という特質を単に追試したにとどまった。
これだけでは各種の学習結果をテーブルとして参照しても結果は同じであり、
リアルタイム制御を行った実際の作品においてはテーブル参照方式を採用した。
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