■秋田さんメモによる第8回勉強会の議事録■ 2004年04月14日勉強会 議事メモ 1.新顔自己紹介 2.秋田@細江町 音楽療法を取り入れている施設を見学した 2-1.音楽療法とは 音楽を利用して、問題を抱えた人を援助する行為の総称であり、 その目的はクライエント(患者、利用者)の行動をより社会に適応したものへと変容 させる事 ・どこで 病院、施設、学校、ホスピス ・誰に 児童、高齢者、成人(障碍者)、緩和ケア・ホスピス患者 ・何を 音楽を使って心身の障碍の回復、機能の維持改善、 生活の質の向上へ 音楽療法はまだ医療行為として認められていない。 音楽療法士という名称はあるが、国家試験はない。 2-2.音楽療法のアプローチ ・音楽→自己実現、自己表現 「身体を使ってできるもの」と「身体を使わなくてもできるもの(心)」 ・能動的な活動にたしむける。 相手(患者)の行動の変化を引き起こすための手段 ・回想法(痴呆防止へ) 昔を思い出して泣き出す方も(それも感情表現の一つとして良しとする) ・体を動かす(リハビリも兼ねる) ストレッチ ・呼吸(特に高齢者は肺活量が小さい)->老廃物が貯まりやすい ->歌うこと(深呼吸)によって代謝を高める ・その人の障碍に合わせる ・活動のポイント ・なぜこの音楽を使用したのか? ・相手(利用者)が何を求めているか? ・ダメなとき(ノッてこないとき)もある どうしてダメだったのかを考える 2-3.(この施設での)効果 ・今までベッドで寝たきりの方が参加してきている。 → 自発的な行動 ・明治時代の歌詞(例:「春の小川」)を記憶している。 ・自己実現の例 Aさん 1キーで1ステップ進むシーケンス 最初はこれさえも難しかった。 だんだんテンポが一定になってくる。 テンポを変えて楽しむようになる。 実習生(研修生)を前に、音楽にノッて演奏 → 舞台に立つ喜び → 尊敬される喜び ・トーンチャイム 「役割がある」ということ 「順番を待つ」という社会性 演奏する 達成感 2-4.問題点(課題) ・「媒体としての音楽」と「楽しむための音楽」 平均年齢50〜60才(若い人から「古い曲ばかり」という意見も) ・選曲 どの曲がどのように影響を与えるかというものがない (補足:「同質の原理」というのがあり、元気なときにはアップテンポの曲を、 気分か沈んでいる時には静かな曲…というのはあるが、もちろん例外もある) ・達成感を得るのはすばらしいが、それを「目的」にして しまってはいけない。 (「発表会」は果たして適切な場だろうか?) ・楽器はもっと工夫できないか トーンチャイムさえ難しい方へ「参加の場」を提供するには? 2-5.音楽療法研究会 〒430-0946 静岡県浜松市元城町216-3 NPO介護住宅センター内 Tel: 053-455-6211 Fax: 053-455-6211 野田 奈津代 垣東 広美 毎月第4月曜日に研究会(勉強会)を行っている。 年会員以外の参加費は3000円/1回。年会費12,000円なので、 4回研究会に参加すればトントン。 2-6.施設からのおしらせ ボランティア募集 バンド野郎/バンドねーちゃん 募集 連絡先 QZI14535@nifty.com (秋田@細江町)まで --------------------------- 3.静大・采(うね)さん 課題:視覚に障碍をもつユーザーに色の情報を伝えるには? 3-1.盲学校の授業見学 ・天秤の針に目印 ・音で判断 ・塩の溶け方->味でみる ・気体の発生->音 3-2.色を知る ・生活を便利にしたい(目の前にあるのはウーロン茶か緑茶か?) ・物の本質を知りたい(青リンゴの色はどんな青?) 感光器(例:http://www.c-task.co.jp/UnDigital17.html) 明暗を音の感覚に。 問題点: ・白よりも明るい色の表現 ・明度が同じであれば同じ音が出る 感覚の代替を提示 ・色相->湿度、手触り ・彩度->弾力、圧力 3-3.円盤デバイスの作成 円周上の移動->電動スライダー 円盤の傾き->ステッピングモーター 学校の理科に使えれば良いので、テーブルに乗る大きさであれば良い。 3-4.その他 質疑応答 ・触覚に関しては「ツルツル感」が出せるデバイスがある。それを応用してみては? ・音でなら4次元まで表現できる(振幅,ピッチ,音色,ビブラート)->MAX 平面/立体の情報をどうやって音で表現するか?(スキャニングが入ってくる) ・色環を使うと、色相が戻ってくるというのが分かりやすい。 マンセルの色立体に点字を貼るというアプローチもある。 色相->ピッチでは分かりにくい。 ------------------ 4.静大・秡川(はらいかわ)さん 4-1.タンデム自転車 視覚障碍をもつ方との浜名湖サイクリング計画 パイロット(pilot)とストーカー(stoker)(注:つけまわすのはstalker) 4-2.障碍者サイドとしてのタンデム ストーカの充実感に配慮 ギアを(あえて)後方ストーカ側へ付けた メリット 分担->充実感 デメリット 道路状況を常に後方に伝える必要がある。 4-3.ストーカとしてではなくコパイロットとして参加 ・自家用車をリタイヤした夫婦 ・高齢者のリハビリ ->障碍者が車椅子と同じ感覚で扱えるように 4-4.タンデム自転車の問題点 ・道交法 県(自治体)によって許可されている形態が異なる。 タンデム自転車は普通自転車ではなく、そもそも歩道は走行できない。 4-5.その他の話題 ・コパイロットは副操縦士 ・障碍を持っている方いわく、ペダリングに関してスピード感はない。 -> スピード感をセンシングして音やグリップにフィードバックしたら? ・文芸大に自転車をやっている人がいる。 うまくコラボレーションできるのでは?(長嶋) ・何かをやろうとしたときに必要なものがそこにある ->ユビキタスサービス ・関連URL http://www.b-free.st/street/trydem/ ------------------ 5. NIME04の話題