成安造形大学コラボレーション・プロジェクト

アーティストのための汎用センサ自作応援講座

2001年1月 長嶋洋一


第7話

今日は半日ほどの時間があったので、 第4話 の最後のところにあった、汎用A/D-MIDIセンサのための アナログ入力ボードのパート2をアドリブで作ってみました。 今回は、一般的なこういうアナログものの製作ということで 紹介してみましょう。

ここで、いつものようにスタートの時点での机の上は、 こんな 感じです。 MIDI出力をチェックするMax(MAX)、そこにMIDIを送る汎用A/D-MIDI インターフェース(AKI-H8内蔵)、そして手前には、ハンダ付け用品一式と、 今回、作ってみようかな、とアドリブで並べた部品があります。 この瞬間、まだ何も設計図もない、というのが楽しいところです。 ちなみに、このアナログ部分については、回路図なんてありません。(^_^;)

Macでは、 この ような MAXパッチが走っています。これは、テキスト形式では

max v2;
#N vpatcher 59 85 563 377;
#P user uslider 32 88 18 128 128 1 0 0;
#P number 32 63 35 9 0 0 0 3;
#P newex 32 38 52 9 ctlin 80 1;
#P newex 399 38 52 9 ctlin 86 1;
#P number 399 63 35 9 0 0 0 3;
#P user uslider 399 88 18 128 128 1 0 0;
#P user uslider 338 88 18 128 128 1 0 0;
#P number 338 63 35 9 0 0 0 3;
#P newex 338 38 52 9 ctlin 85 1;
#P newex 277 38 52 9 ctlin 84 1;
#P number 277 63 35 9 0 0 0 3;
#P user uslider 277 88 18 128 128 1 0 0;
#P user uslider 216 88 18 128 128 1 0 0;
#P number 216 63 35 9 0 0 0 3;
#P newex 216 38 52 9 ctlin 83 1;
#P newex 155 38 52 9 ctlin 82 1;
#P number 155 63 35 9 0 0 0 3;
#P user uslider 155 88 18 128 128 1 0 0;
#P user uslider 94 88 18 128 128 1 0 0;
#P number 94 63 35 9 0 0 0 3;
#P newex 94 38 52 9 ctlin 81 1;
#P connect 1 0 2 0;
#P connect 4 0 3 0;
#P connect 7 0 8 0;
#P connect 10 0 9 0;
#P connect 0 0 1 0;
#P connect 5 0 4 0;
#P connect 6 0 7 0;
#P connect 12 0 13 0;
#P connect 11 0 10 0;
#P connect 17 0 16 0;
#P connect 13 0 14 0;
#P connect 16 0 15 0;
#P connect 19 0 20 0;
#P connect 18 0 19 0;
#P pop;
という簡単なもので、ここではデフォルトで内部のDIPスイッチが、 MIDIの1チャンネルに、そしてコントロールチェンジの80-86に 割り当てられているので、その部分だけ表示するようになっています。

これ は、ここでは製作するアナログボードのチェッカとして機能する、 すでに完成した汎用A/D-MIDIボックスです。これは、ここの連載を 読めば、誰でも作れるものの筈です。手前のMIDI出力はすでに Mac(MAX)のMIDI入力に接続されているので、向こう側の 汎用アナログ入力コネクタにつなぐものを作る、というわけです。

これ が、今回使おうかな、と並べた部品です。ユニバーサル基板の上の 二つのものは、ジョイスティックで、二つのボリュームから なっています。これを二つ、左右に「鉄人28号のリモコン」の ように並べる(^_^)ので、このアナログでは4チャンネルのアナログ 出力が出ることになります。
その上にあるごっついのは、電源です。普通はこういう基板ムキだしの ものは危険なので、金属ケースで製作する時に内部に使うのですが、 今回は敢えてユニバーサル基板の上に、ジョイスティックの間に メカメカっぽく置いて、一種のインスタ的な印象を狙っています。 一応、基板の裏では絶縁テープを貼っていますが、100V感電の リスクを漂わせる(^_^;)(^_^;)、というのも一つの狙いです。

ここで、せっかくなので、電源について解説しておきましょう。 このアナログボードでは、システムに0V-5Vの電圧を出すので、 +5Vの標準電源電圧が得られればいいことになります。 これ は、共立電子で現品のみ1200円ぐらい、と棚に並んでいたのを まとめ買いしたもので、+5V2Aのスイッチング電源ですから、ちょっと スペックとしてはもったいないぐらいのものです。普通は+5Vで1-2A のスイッチングは3000円以上するので、秋葉原とか日本橋で1000円 ぐらいの出物があれば、重くてもゲットするというのが習性となって います。これも10個ゲットしました。(^_^;)

前回のボードで使ったのは、 こういう 普通の「ACアダプタ」です。これは「+6V」と書いてありますが、 負荷が軽いと+9Vぐらい出るので、ちょうどいいです。これは 内部は単なるトランスとダイオードと平滑コンデンサだけなので、 スイッチングのように電圧は安定していませんから、外部に 3端子レギュレータが必要となります。これは近所のマルツ電波で 1250円ぐらいでした。秋葉原でこういうのを捜すと、怪しいアジア製 ノーブランドが250円とかで積んであったりします。(^_^;)

これ は、コーセルのゴリラというオンボードタイプのスイッチング 電源で、小型高性能で重宝します。これは共立のバーゲンで1980円の 値札が貼られていますが、先日、共立に行ったら定価の3300円だった ので買いませんでした(^_^;)。 先日、秋葉原で捜したのですが、みんな定価でした。ちなみに、秋月電子 には、+5Vでなく+12Vのゴリラが1200円で積んでありました。

これ は、スタンレーのPowerBoyという、これまた強力で高性能な スイッチング電源です。定価で買うことはないのですが、たまたま どこかでバーゲンを見かければゲットします。

これ は、そのスタンレーのPowerBoyの、出力が2Aでなく3Aで 入力電圧範囲が海外どこでもOKの広範囲、そしてオンボード タイプ、というスグレモノです。これが秋月電子の店頭に積んである のを発見すると、帰途が重いことになるにもかかわらず、 迷わず10個、ゲットしました。なんと1200円でした。(^_^)

これ は、共立電子の棚に「現品限り」と並んでいた1000円の電源で、 なんと+5Vと+12Vの両方が出るスイッチングです。こういうもの は、迷わずゲットしておきます。電源なんて、システムを作るたび に必要になるので、時間とともに必ず消費されるものですから、 この衝動買いというのは別に無駄にはなりません。

というわけで、今回のボードは こういう 風景となりました。まずはラフにこうして部品を並べて、あとは 配線です。今回はスイッチングで出力は安定化+5Vが出ているので、 前回よりもさらにカンタンです。+5VとGNDを4つのボリュームの 両端に与えて、移動接点の電圧をケーブルで出力するだけです。 共通電位として、GNDも出すので、ケーブルでは5本の信号線を 使うことになります。

これ が、完成したボードです。基板の配線面は、 こういう カンジです。黒いビニールテープの下にAC100Vのナマ配線が ありますので、実際に使う時には、さらにガムテ等を貼りましょう。(^_^;)