MP3の可逆性/不可逆性について

「コンピュータサウンドの世界」の中で、「JPEG画像ファイル化は不可逆」 「MP3変換は可逆」と書きましたが、「MP3は本当に可逆なの?」という 質問が学生からありました。

考えてみると、MP3 Encoder と MP3 Decoder とがセットであり、相互に サクサクと変換できた、という事で安易に書いてしまいましたが、厳密に バイナリコンペアして確認していませんでした。MP3の高圧縮度からすれば、 確かに完全な復元ができるかどうか、甚だ心配になりました。(^_^;)

そこで、以下に、実験した結果を示します。皆さんの耳で確認して 下さい。実験は、「1st.aiff」を MP3 Encoder でMP3化したものを 「2nd.mp3」として、次にこれを MP3 Decoder で復元したものを 「3rd.aiff」とし、さらにこれを MP3 Encoder でMP3化したものを 「4th.mp3」として、次にこれを MP3 Decoder で復元したものを 「5th.aiff」とし、さらにこれを MP3 Encoder でMP3化したものを 「6th.mp3」として、次にこれを MP3 Decoder で復元したものを 「7th.aiff」としています。

結論 から言えば、バイナリコンペアというレベルでは、それぞれの ファイルのバイト数から違いますので、完璧な意味では「可逆」では ありませんでした。(^_^;)
しかし、聴感上は復元されているとも思われます。JPEGは明らかに 画質が落ちていくのに対して、だいぶ違います。この意味では、 実用的には「可逆」である、という解釈もあながち間違いではない と言えるかもしれません。失礼しました。(^_^;)

1st.aiff

2nd.mp3

3rd.aiff

4th.mp3

5th.aiff

6th.mp3

7th.aiff