システムの概要



本システムではまず基本構成として、16発音チャンネルを持つPCM音源DSPシステムを 10台用意して、同時発生Grain総数を160個に拡張した。
ここでポイントとなるのは、10台の電子楽器を単純に並べるような拡張ではなく、 統一された制御によって動作する一体化されたシステムとして構築するところである。
幸い、使用したPCM音源はパソコン拡張スロットに挿入する形状をしているため に、拡張ラックに多数を並べるという方法で外見的には容易に実現できた。
各ボードは固定された共通のI/Oアドレスと割り込みアドレスを保有しておりバス上 で競合するために、ハードウェア的な改造により個別のアドレス割り当てを設 定するとともに、パソコン側とのインターフェースとして割り込みでなくポーリング 方式を採用した。
これはボード上のCPUファームウェアとしてGranular Synthesis 処理を実現していることもあり、10台並列処理によるホスト側の負担はそれほど重く ないと判断したからである。
それぞれのボードにはMIDIインターフェースも 搭載されているが、後述するようにこの部分は使用せず、MIDI経由の制御情報も統一 的にバス経由でホスト側から与えることとした。
また、ステレオのオーディ オ出力については10チャンネルのステレオミキサーを共通規格ボード上に製作して 同じラックに格納した。


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