MIDI音源のDEMO曲に見るアレンジの研究
========== 御注意 ==========
このメニューのサウンドデータは、ちょっとばかし大きいです。(^_^;)
- 山手の学生は、スピーカーでなくイアホンなどで聴きましょう。
- 外部からアクセスしている人は、待ち時間を覚悟してください。(^_^;)
「MIDI音源のDEMO曲」の特殊性
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各社のMIDI音源には、ROMに固定されていて変更できない「DEMO曲」が
必ず入っている。これは改訂できないだけに、各社のもっとも「自信作」
とも言えるものであり、メーカーの個性がよく表れる。
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DEMO曲は、ショップの店頭で一日中連続演奏される場合が少なくない。
ここで駄作であると、店員がボリュームを絞ってしまう。(^_^;)
そこで、何度聞いても飽きない、新鮮さが要求される。
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複数の製品を前にして、どれにしようか、とお客さんが比較する
材料として、DEMO曲を聞き比べることになる。DEMO曲は単なる
「おまけ」でなく、ライバル製品との性能競争そのものである。
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いくら名曲でも、何十分ものデータは持てないので、短時間に効果的に
アピールするアレンジが必要である。また、音源として色々な音色を
豊富に持っていることをアピールすることも要求される。
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DEMO曲データは内部的に持っているだけで、ユーザはMIDIとして利用
することはできない。(;_;)
そこで、外部からMIDIではできないような特殊なワザを使って、より
効果的に演奏するような「反則」も少なくない。それほど、DEMO曲の
世界は厳しいのである。(*_*)
代表的3社製品に見るアレンジの研究
- ROLAND "SC-55mk2"
4曲入っているうちの2曲である。Rolandの特徴は、MIDI音源としてパソコンDTMの
事実上の「標準」となっている余裕からか、洗練されたポップ路線が続いている
ことである。
アレンジとしては、あまり重いロックに走らない(これがRock派には不満)、Melody
パートにかなり「歌わせる」、コードやリズムはFusion系が多い、などである。
- KAWAI "GMega"
クラシックに重点を置くKawaiでは、デモ曲においてもAcousticなものと電子的な
ものを広くカバーすることをアピールしている。
いろいろな要素を「ごった煮」にしたようなこの曲は、個々の音楽的素材と音色
に配慮して、全体としては古典的な構成をもつ面白い作品である。山手音楽科の
学生は是非、アレンジの手法を研究してみて欲しい。
- KORG "05R/W"
Korgの路線は、冒頭から首尾一貫して明快である。「Korgの音はロックだぜ!」と
いう揺るぎない自信がうかがえる。(^_^)
MIDI音源は、GMという世界共通規格のために一般に没個性が美徳とされるが、
KorgにはGMに媚びない、クセのある美味しい音色が非常に多い。このデモ曲に
おいても、敢えて凝ったアレンジを避けて、シンプルなRockを心地よく押し
通している。
( 聴取教材として利用するのみとして下さい )