1999年10月25日 (1)

今は10/25の朝、7:30過ぎです。昨夜はコンサートから帰ったのが 23:00近く、そこから数十枚の(もともと撮ったのは120枚ほど。ここ 暗いとかブレているのをいちいちチェックして除去、さらにトリミング とjpeg圧縮をいちいち手作業で(^_^;))写真を整理してHTMLを書いた ところで25:30過ぎだったので、そのまま爆睡しました。
そして今朝、目覚めると6:30過ぎ。しまった。日本ではBS2でのニュース が7:00-7:30なので、こちら北京では6:30に終わったところです。 あとは、ドラマとかエンエンたるBS番組のCMを垂れ流しているだけ なので、見る価値がありません。受信料でCMやめて下さい。> NHK

ということで、起床するなり市内通話でダイヤルアップして、24日(2)の コンテンツを45分ほどかけてアップしました。今日のバスまであと1時間 ほどありますので、朝食抜きで書けるところまで書いてWebにFTPして 出かけることにします。とりあえず、シャワーだけ浴びてさっぱりしました。(^_^)

さて、話は昨日のペーパーから再開です。まず驚いたのは、Proceedingsです。 表紙も装丁もキチンとしていてなかなか豪華なのですが、これは外見 だけでした。印刷が、日本で言うリソグラフなのです。(^_^;)
もう、ペーパーの原稿をいくら綺麗なカメラレディで送ってもまったく 無意味でした。特に写真はベタッとつぶれて判読不能、こりゃ参りました。 僕のペーパーについては、 ここにありますが、これは本物のProceedingsよりも遥かに鮮明です ので、こちらを見て下さい。(^_^;)

さらに、このProceedingsの印刷は人民の偉大なる手作業の賜物なのか(^_^;)、 落丁乱丁アタリマエ、という貴重なものです。僕の場合には、早稲田の 橋本研のペーパーがまるまる二度、繰り返して入っています。なんかトク した気分です。平田さんのは、何ページかに渡って、二つの原稿が重なって 印刷されていてどっちも読めない(^_^;)、というものですが、貴重な ものなので交換しない、と言っています。まぁNTT研は3人も来ているから いいのかな。(^_^;)

...という波乱の幕開けですが、24日のペーパーセッションを聞きながら、 速攻で23日(ペーパー初日)からの全ての論文にササッと斜め読みで 目を通しました。以下、時間の許す限り、簡単にコメントできる ところはしたいと思います。これまではタイトルだけだったので、実際に 論文があれば、だいぶ印象は変わります。
たしか、既にどこかで事前に流れてきたタイトル一覧はあったと思います ので、ここではセッションタイトルと日時の情報は捨てて、発表タイトルと 発表者名のところだけ引用して、コメントを続ける、ということで いきたいと思います。実際にセッションに出たりポスターに立ち会えた ものには先頭に★印を、僕なりに注目のものには◎印をつけておきます。


9:30		Simulation of Plucked Strings Exhibiting Tension Modulation 
		Driving Force 
		Tolonen Tero, Erkut Cumhur, Valimaki Vesa, Karjalainen Matti 
撥弦による物理モデル。ICMCの楽音合成セッションの本道です。(^_^)

9:55		From Expressive Notation to Model-Based Sound Synthesis:  
		A Case Study of the Acoustic Guitar 
		Laurson Mikael, Hiipakka Jarmo, Erkut Cumhur, Valimaki Vesa, 
		Karjalainen Matti, Kuuskankare Mika 
物理モデル音源のENPというパッケージの紹介で、具体的に ギターの音を取り上げました。

10:20		Analysis and Critical-Band-Based Group Wavetable Synthesis of
		Piano Tones 
		Zheng Hua, Beauchamp James 
楽音合成の権威、ビショップ先生のいつもの定番です。この先生とは、 某ギョーカイにいた時にお会いして以来、毎年ICMCでお見かけして います。Wavetableでピアノを作っています。たぶん、またリアリティが 少しずつ進展しているのでしょう。

9:30		Higher-level Compositional Control in Music Sketcher: Modifiers 
		and Smart Harmony 
		Oppenheim Daniel, Abrams Steve, Pazel Don, Wright James  
システムのGUI / ビジュアライズのもの。発表としては一つの定番 ですが、例年、驚くようなものはあまりありません。(^_^;)

◎ 9:55		PWCollider - A Visual Composition Tool for Software Synthesis 
		Laurson, Mikael 
しまった。これは是非とも聞きたかったです。SuperColliderに、 MAX/MSPライクの信号処理パッチ作成のGUIをかぶせたもの です。Linuxもそうだし、フィンランドって、やりますね。 まだ開発中のようです。出たら欲しい。 PWというのはPatch Workです。

10:20		Composing with Multi-Channel Spatialisation as an Aspect of 
		Synthesis 
		Clarke, Michael 
定位ネタ。ペーパーではどうも、「お話」だけみたいでした。(^_^;)

		A New Continuous Multimodal Musical Controller Using Wireless 
		Magnetic Tags 
		Hsiao Kai-yuh, Paradiso Joseph 
片寄さんにウケていたのですが、僕の発表の裏でした。 ワイヤレスの小型タグをPICでMIDIセンサ化して、いろいろな オモチャに仕込んでいました。「原人コッツ」のセンサ版です。

Room 1		Evaluation of Architectures for Sound Generation Systems with 
		respect to Interactive Gestural Control and Realtime Performance 
		Modler Paul, Kirk Ross 
プラットフォームごとに性能比較、というものです。こういう冷静な 研究は、僕には興味があまりありません。もっとも、「MIDI遅れの 比較」というのも、そうなのかなぁ。(^_^;)

Room 2   	"It's SHO time" --- An Interactive Environment for SHO(Sheng) 
		Performance 
		Yoichi Nagashima, Tamami Tono-Ito  
僕の発表です。去年のICMC98ミシガンからの帰りの機内で、 このタイトルを思いつきました。中身はその時点で完成していた ものです。(^_^)

Room 3		A Comparative Latency Study of Hardware and Software 
		Pitch-Trackers 
		Yoo Lilit, Fujinaga Ichiro 
イチローさんです。各種ピッチトラッカーの性能比較です。

11:00		Data Compression of Sinusoidal Modeling Parameters Based on 
		Psychoacoustics Masking 
		Garcia, Guillermo  Pampin, Juan  
聴覚的マスキングというとMP3で話題ですが、これを利用して サイン合成の圧縮をする、というのは、実用的なメリットと してちょっと考えにくいです。興味のある人はちゃんとペーパーを 読んでみましょう。(^_^;)

11:25		ATS: a Lisp Environment for Spectral Modeling 
		Pampin, Juan  
Lispのためのスペクトル合成ツール。GUI化ねたです。

11:50		Resynthesis of Piano String Vibrations Based on Physical 
		Modeling 
		Daudet Laurent, Guillemain Philippe, Kronland-Martinet Richard  
まともに物理モデルで、まともにピアノをやっています。(^_^)

11:00		PIECE: A Music Language Editor Synchronized with Graphical Views 
		Nishimura Satoshi 
会津大の西村さん。PMMLのGUI/ビジュアライズ、かな。ICMCで発表して、 だいぶPMMLの路線が変わってきましたね。(^_^)

11:25		Two Compositions for Interactive Dance 
		Siegel Wayne  
翌日のデモで、「パフォーマー橋本」「パフォーマー藤島」が 踊っていた発表の、アート寄りの作品制作のお話。

★		How to Produce Chinese Folk Music Using Regular MIDI Equipment  
		Liu Shuiling, Gong Junping 
MIDIを使って、中国音楽を作るというデモ。要するにヤマハの 音源を使い、単なるDTMでした。参考文献はヤマハの音源の マニュアルだけ。(^_^;)

Room 1		ComeXos: A Networked Sound Manipulation Primer 
		Yong Louisa