1999年10月23日 (1)

北京に着いたものの、まだレジストレーションできていないので、なんとも 地に足が着かないまま、2日目の朝となりました。部屋のテレビではCNNとか BS2も見えますが、なんといっても中国のテレビが面白いです。松たか子が 日本の町並みの中で何故か中国語を話すヒロインのドラマ(^_^;)、日本で 20年ぐらい前にあったアイドル映画/ドラマの吹き替え焼き直し、そして圧巻は 延々と続くテレビショッピングです。中国の経済発展の状況が反映されています。

電動マッサージによる脂肪取りマシン、何でも汚れが取れる万能ハタキ、 というのは日本でもありますが、「羊の胎児から取り出した成分のカプセル」 という怪しい薬(580元、約8000円)は凄いです。皮下の細胞分裂が促進 されて皮膚が若返り、さらに体内毒素を退治する抵抗力も増進するとの こと。うーーむ、遺伝子組み換え食品で騒ぐ日本とはだいぶ違います。 だいたい、テレビショッピングのBGMが凄いです。なんというか、これは 気付いたものを折々、書いていきたいです(^_^;)。
あ、今はPentiumIIのパソコンです。マウスでなくワイヤレスリモコンだぁ。 6380元、ということは「10万円パソコン」ですね。ディスプレイよりも 巨大なタワー本体が中国、という感じです(^_^;)。


...というところまでホテルの部屋で書いて、早めにホテルのロビーに 行きました。なんせ朝イチの発表なのですが、どうも北京市内の混雑が あるために、8:45のバス、というのでは会場に着くのが遅れそう、という ことで、ちょうど出会った東野さんと一緒に8:20頃、タクシーに乗りました。 これが「北京堪能(^_^;)」のスタートでした。

ガイドブックで「精華大学」の場所を示すと、判った判った、と運転手は スタートしたのですが、いやーこれが凄いラッシュです。なんというか、 北京は完全に都市計画に比べてクルマ、自転車、リヤカー、歩行者が 根本的に超過しているようです。ちょっと想像できない混雑の中、 ときどき歩道に乗り上げて先に進んで割り込む、というハイテクを 駆使して、それでも20分くらいで精華大学の構内に入りました。

しかし、この大学は、お隣の(といっても1Kmほど)北京大学と並んで、 とてつもなく巨大なキャンパスでした。国内では北大のキャンパスが 広々していて好きなのですが、まぁあれのざっと10数倍ずつ、タテも 横も広がっている、というようなものです(^_^;)。 そしてなんと、「精華大学で行われているICMCの建物」と言えば たどり着く、と思っていた我々も運転手も甘かった。ここから、 誰にも知られていない会場を求めて彷徨うことになりました。

途中で、運転手が聞いたある建物のスタッフが日本語の判る人を 連れてきて、いろいろやりとりして、結局、「精華大学構内ではない 建物」である事が判明しました。そしてタクシーはここに向けて 引き返したのですが、学外に出てみるとさらに猛烈なラッシュは よりぐちゃぐちゃになっていました(^_^;)。そしてここから、 まるでスタント映画のような凄いドライブを堪能することに なりました。いやー、凄腕でした。

結局、目指す建物に着いてみると、既に8:45のバスのうちの1台が 到着していました。我々のタクシーは、なんと1時間近く、彷徨って いたわけです。(^_^;)

レジストレーションデスクも満員なので後回しにして、とりあえず そのロビーにあったposter用のデスクで東野さんと準備に 入りました。だんだん判ってきたのですが、要するに、精華大学 の関連施設であるこの建物の、3階だけでコンサート以外は全て 押し込んである、ということのようでした。奥の部屋がデモと ドリンクカウンター、ロビーから二つの小さなペーパー会場、 そしてロビー奥に3つのposterスペースがある、という具合 でした。うーーーむ、なんと安易な。(^_^;)

そして我々の発表の10:00-11:00がやってきました。 まず最初に、東野さんが「笙」の紹介を兼ねてひとしきり、 生で笙をアドリブで吹けば、もうお客の注目はイタダキ です(^_^)。 そして、いろいろと説明して、というのを2クール、 行って、かなりの手応えとともに無事に終えました。 終わってからもたくさんの人と話をしていて、次の発表の 時間ワクまで盛況でした。この模様は、12/12に早稲田の 音楽情報科学研究会で、また12/15にジーベックの 神戸山手ワークショップで詳しく報告いたします。(^_^)

という発表成功も束の間、待ちかまえていた Iannis Zannos さん と引き続き打ち合わせです。実は、ベルリンでのICMC2000で、 初日に開催するワークショップとして、センサとインタラクティブ パフォーマンス、というテーマを僕がオーガナイズする、と いう光栄な依頼を受けていたのです(^_^)。 持参した多数の僕の作品ムービーなどとともに、ちょっと 凄いアイデアが出てきましたので、皆さん、どうぞ、 ICMC2000ベルリンでは、僕のワークショップに参加して みて下さい。

...ということで、予想通り、この日の午前のペーパーは 全て、見ることができませんでした。まだProceedingsを 開くこともできないまま、昼食会場に向かうバスに 乗り込みました。
ところが、これがまたまた凄いラッシュ。僕の発表に 興味をもってくれたCCRMAのRonaldさんとタップリ話す ことができたのはいいのですが、結局、あまりバスが 動かないので、皆んなゾロゾロとバスを降りて、 10分ほど歩いて学内のレストランに到着しました。 こっちは、プレゼン機材、Proceedings 等、ズッシリと 重い荷物があるのに。(^_^;)

昼食も一緒だった片寄さんは、いそいそとペーパー会場に 向かいましたが、僕は東野さんと、佐藤さんのリハのある コンサート会場に向かいました。ツアコン板垣さんが 一緒なので安心です。翌日の東野さん出演のコンサート の下見と打ち合わせの確認もあるためです。僕の フライトチケットは、このサポートと関係しているので、 今日はペーパーは自分の発表もあって、全てパスと なってしまいました。(^_^;)