生体センサなど

長嶋 洋一


ハープセンサ、できました。(^_^) 97/08/11 07:15


昨日と一昨日の両日をかけて、無事に懸案のハープセンサを製作しました。

今回もいつもと同様に、行き当たりばったり(^_^;)で作っていきました。
最初にセンサだけは決まっていました。▲▲財団の研究助成がなかったら
絶対に買えないキーエンスの光ファイバセンサ(合計*十万円(^_^;))を
使いました。感謝! (^_^;)

このセンサはとってもコンパクトで優秀なので、AKI-80はただこの出力をMIDI
化するだけです。問題は、16本の光ビーム(今回は赤外線でなく赤い光が
見えます)、つまり32本の光ファイバのジャングルをどう取り付けていくか、
というところでした。最初の構想の自転車のタイヤは、ゴムが臭いので断念
しました。(^_^;)

そして結局、DIY屋で安い図画用の額縁を二つ入手して張り合わせました。
ここにドリルで穴明けを始めたとこからマル二日で完成です。X方向に
13本、Y方向に3本の「見えない弦」のある、横長のハープです。(^_^)
とりあえずデフォルトでは3オクターブのクロマティックのノートイベント
を出すのですが、そこはそれMAXで、どのようにも料理できます。(^_^)
これから、演奏者と演奏方法について検討していきたいと思います。
アンデパンダンで見て下さいね。(^_^)


...ところで皆さんにアンケートですが、「AKI-80が動かない」という
経験はどのくらい、あるでしょうか。僕の経験では、これまで数十枚使って
1枚程度、と本にも書いたのですが、なんと2例目にブチ当たってしまい
ました。(^_^;)
どうも、以前より品質が悪いような気がしています。以前はRAMや二つの
ミニフラットICもユーザが自分でハンダ付けしていたのですが、最近では
基板に付いています。これが曲者です。(^_^;)
以前はCPUだけが付いていたのですが、これはおそらく東芝で基板とともに
しっかり管理して出荷していたと思います。そこで、他の全てを自分で付けて
いる時にはトラブルはありませんでした。
ところが、おそらくRAMとICのハンダ付けは東芝でなく秋月の外注でやって
いるのでしょう。以前のトラブルでは、ミニフラットICの片側が全部、
ハンダ付けを忘れている(^_^;)、というチョンボもありました。(^_^;)
今回のトラブルも、どうやら取り付けてしまったICソケットの下のRAMの
部分あたりに問題がありそうなのですが、実装してからでは発見しにくい
ので困っています。
手元の完成品AKI-80のストックが無くなったので、今日はこれから買い占め
ていたAKI-80キットの製作(いつでも「部品」として使えるように、完成
した形で常に10枚ほど置いておく)をしますが、ハンダ付けの前の目視検査
を徹底しようと思っている(^_^;)、今日この頃です。

新タッチセンサ、できました(^_^) 97/08/2


昨日の昼過ぎに、無事にまたまた新しいセンサが完成しました。(^_^)
今度は一転して、敢えてでかい基板をそのまま中央にオブジェとして
むき出しにしています。(^_^;)
センサ部分も、日本橋のジャンク屋で発見した、「10オーム数十ワット」
の抵抗です。どんなもんだか想像つきますか? ヒートシンクの塊です。
この抵抗を5個並べてタッチセンサの電極としたものです。正確に言えば、
抵抗としての電極は使わず、ヒートシンクから電線を取り出しています。
タッチセンサの回路はワンダーキットの回路を解析して一部改良したもの
で、31センチ×23センチの基板の上には、AC-DCコンバータ、AKI-80、
5個のポテンションメータ、21個のIC、90個のLEDがついています。(^_^;)
ただ触れてMIDIが出るだけならMIDIドラムパッドでもいいのですが、
せっかくならと、触れている間にLEDがパラパラと芸をします。(^_^;)
あと、パッドと違って触れている間だけノートオンが持続しますので、
和音演奏みたいなことができます。もしかすると、ブレスセンサか筋電
センサを組み合わせると面白いかもしれません。(^_^)
...ここまで書くとかなりメタリックな感じですが、全体の台として、
表面がべこべこになって使えなくなったコルクボードを廃物利用している
ので、外見はちょっとだけナチュラルです。なんのこっちゃ。(^_^;)
まぁ、現物を見ないとこれはイメージがつかめないと思いますが、僕は
「演奏時」のイメージ先行で作りましたので、ぼちぼちと思っています。


ということで、とりあえず今日はこれから、筋電センサの製作です。
コンピュータのメモリを増設する時に静電気破壊を起こさないように、
Indyに付属してきたリストバンドがあるのですが、ここには1Mオームの
抵抗が内蔵されてしまっているので、これをどう外せるか、そこから
トライしてみます。(^_^;)
あと、センシング回路は2電源なので、これをどうするか、ちょっと
悩んでみたいと思っています。なるべくなら電池は一つでいきたいので。
ハイゲインのAC差動増幅回路を単電源にするのって、どうしたらいいの
かなぁ。あまり得意ではないです。(^_^;)

RE:新タッチセンサ、できました(^_^) 97/08/21 11:53


新センサ完成おめでとうございます。(^^)/
拝見できる時を楽しみにしてます。

>>あと、センシング回路は2電源なので、これをどうするか、ちょっと
>>悩んでみたいと思っています。なるべくなら電池は一つでいきたいので。

単電源のバッファ回路を二個使用して増幅後,片方を反転後加算するか,
差動で入力すればできますが,ご存じの通りオペアンプの基準電位を単電源の
0Vでとるのは難しいです。私は以下の中点電位生成方法をお勧めします。
これは電池動作のエフェクター等でオペアンプを使う時によく使う手ですが,
かなり強力に中点電位を生成しますので,筋電の回路をそのまま使えます。
出力は当然この電位から上下に振れますが,筋電の場合なら0.1μ位のコン
デンサーで切ればOKです。
なお,電池が減少したら中点電位も下がってきますので,気になる場合は,
入力に定電圧ダイオードや電圧リファレンスICを挿入した方が良いかもしれ
ません。ただ,緩やかな変化でしょうし,コンデンサーでDCをカットする
なら,それほど問題は無いと思います。


(PCはパスコン。積層セラミック1.0μ程度。出力側にはさらにタンタル電解
 10μ位を並列にします。)

なおDC-DCコンバータを使う手もありますが,ノイズが入力側に回り込んで
致命的になると思いますので,あまりお勧めできません。(^^;)

2万円のBioMuse(^_^) 97/08/23 08:33


昨日は、御推奨の回路に従って「筋電センサ」を製作していました。
さすが生体センシングのプロ、回路そのままで無調整でキレイ
に筋電が出てきました。(^_^)
今回のセンサでは、この信号そのままとパワーをMIDI化したものと、
両方を出力して作品に使います。

これから、既に筋電を検波平滑してボルテージフォロワでキレイに
出ている電圧をA/DしてMIDI出力する部分を作りますが、ここは既に
やっている路線なので、もう見えない部分はなくなりました。同時に
2台作っているので、まぁ近日中に完成ということになると思います。

ちなみに今回は006Pを2個使って2電源としました。夏シンポでWindows
ノートに増設したインテリジェントMIDIインターフェースを持参して
お見せしましたが、あのケース(15cm*9.5cm*3.5cm)に、電池とMIDI
コネクタ、ライン出力RCAコネクタ等を除いた全てを入れています。
筋電検出回路は6cm*2.5cm程度に納めています。もちろんA/DとAKI-80も
ちゃんと入っています。(^_^;)
まぁ中はお見せできない空中配線です。スペースが無いので、なんと
AKI-80のCPUの上に両面テープを貼って、ここにA/Dを仰向けに貼り付けて
います。この空中の足に、これからハンダ付けをしていきます。(^_^;)
ちょっと高いですが、貼り付けると次第に硬化してかなり使える、と
いうプロ向けの厚手の両面テープが重宝しています。高いですが、ネジ
よりもハンダよりもカンタン取り付けです。(^_^)


これが完成すると、300万円のBioMuseとほぼ同じことを実現できる
センサが、2万円もしない部品で出現するわけです。2万円のうち、
リストバンド3個で半分近いコストですから、なんというか、すごい
コストパフォーマンスですね。でも、同じものをまた作って、と
言われたら、相当な人件費をもらわないとまた作る気にはなりません
ね。意地になってマニアックにコンパクト化したので。(^_^;)(^_^;)

RE:Aki-MIDI制作写真(^o^) 97/08/27 08:14


>私がここにお邪魔するようになって、だいたい1年が経ちました。
>これまでに、ここで公開された回路図からいくつか作ったものの
>写真を、ホームページに載せました。素人の制作例として、何かの参考
>になればと思います。(^_^;) 
>あ、ホームページも出来立てのほやほやです。
>
>http://www.yk.rim.or.jp/~yamatatu/

さっそく、拝見しました。
中身ですが、なかなか美しくできていて、ステキでした。
これをズラリと揃えていくと壮観ですね。(^_^)

ICCビエンナーレ 97/09/17 22:50


ICC オープニング・シリーズ ICCビエンナーレ '97
のPRがofficialに流れて来ましたので、紹介しておきます。

僕が依頼メイルで製作したセンサは以下のものです。
仕様:「3人の来場者が場内を移動する位置と視線の向き、さらにそれぞれの心拍を
センシングしてリアルタイムにMIDI情報化して、HMD/ヘッドボンでの3Dのサウンド/CG
生成系に送るセンサ」。

会場上空5mに固定したCCDカメラから会場を撮影する。3人の来場者はそれぞれデイバッグ
様のシステムを背負い、帽子を被る。それぞれの帽子に仕込まれた赤外LED(前頭部、後頭部)
はセンサシステムからのワイヤレス制御によって時分割で点灯し、CCDカメラから画像処理
システムに取り込まれる(いわばハリウッドで一般的なモーションキャプチャーですが、
コストは2桁ほど安いです(^_^;))。3人の来場者はこれと別に耳たぶ経由の心拍センサを
付け、この情報も別系統のワイヤレスでセンサシステムに送られる。これら全てのMIDI情報
は当然のことながらAKI-80でマージされて(^_^)、リアルタイム3D-CGとサウンド生成の
システムに送られる。

このMIDI情報から、サウンド関係はMAXで、そしてCG系は凄い3台のパソコンによる3D-CG
系により生成されます。HMDをかぶってヘッドホンをしているので、他の二人はそこから
しか知覚できません。そして、相互の距離と方向によって当然、3Dサウンドと3D視界は変化
しつつ、来場者は会場をうろうろします。(^_^;) 他のお客さんは誰か一人のHMD視界
を見たりします。当然、他の二人のプレイヤーの心拍情報に同期しています。
お楽しみに。

以上です。イメージを膨らませてみて下さいね。(^_^)

秋月に行ってきました(^_^) 97/10/26 17:30


久しぶりに秋月電子に行ってきました。
CQの▲▲編集長の話では、店頭にあの本があるとAKI-80もより売れると
いうことで、確かに目立つところにありました。(^_^)
同行していた、笙奏者の東野さんがこれを買ったので、そこで店員に「この
本、売れているんですか?」と聞くと、「売れてますよ」とのこと。(^_^)
そこで「あ、著者です。お世話になってます。」と言うと、店内の売り子の
お兄ちゃんたちが一斉に僕を注視しました。ちょっとたじろぎました。(^_^;)
うーーむ、少なくともこの本、店内ではよく知られているようです。
記念に、交換に店長さんの名刺をいただいてきました。(^_^)
ちゃんと3端子レギュレータICも買ってきました。低ドロップのやつ。
...秋月電子の皆さん、これからもよろしくお願いします。(^_^)

そして帰宅して最新の「かわら版」を見ると、なんと10/25発売という
ことで、日立のH8のAKI版が出たのですね。その名も「AKI-H8」。
EPROMでなくオンボードのフラッシュROMにプログラムできるようですし、
8チャンネル10bitA/Dとかもついているので、こりゃ強力です。
MIDI屋はいちいちRS232CのICを外さないといけませんが。(^_^;)
暇があったら、じっくりしゃぶりたいところですが、しばらくは無理
です。(^_^;) 価格もいいセンです。(^_^)

そうそう、「かわら版」はWebもあるそうです。
http://www.tomakomai.or.jp/akizuki/
ん??? なんで苫小牧なんだろ。(^_^;)

P.S.
僕がセンサシステムを開発した、ICCビエンナーレの前林さんの作品が
「準グランプリ」を受賞したそうです。(^_^)
> (審査員の)浅田彰氏も体験中、WE ARE THE WORLDを歌ってし
> まうほど熱中してくれたそうで(笑)、なんか当初
> の目論見は達成できたのではと思っています。
という前林さんからの情報が届きました。(^_^)
どうぞ皆さん、面白い体験をしてみて下さい。

ブレスセンサについての知恵を下さい 98/03/24 10:27


懸案の、笙のためのブレスセンサの検討が本格化しそうです。(^_^;)

という事を、学会発表の場でも話して、「何か知恵があったら教えて下さい」
と言ったのですが、来場してくださった、工学院大/○マハの、●●さんから
あとでメイルで情報をいただきました。
私信メイルの転載なので要旨のみ、といきたいのですが、いただいたメイルが
かなり簡潔にまとまっているので、ほぼそのまま紹介します。皆さんにとっても
有益であろう、との判断です。ごめんなさい。(^_^;)

>(1)MIDIブレスコントローラ
>一部のMIDI楽器に直結可.
>息の「吐く」を検出するが「吸う」を検出できない.
>口にくわえるので別の管楽器演奏と同時併用できない.
>
>(2)鼻孔サーミスタ
>鼻の穴を通る呼気を検出.
>口で息をされてしまうと,検出できない.
>
>(3)胴巻き伸縮センサ
>呼吸に伴う胴囲の伸縮を検出.取り扱い容易.
>普通の呼吸の様子は手に取るように検出できるが,
>・楽器演奏中の細かい息制御まで採れるか否か不明.
>  特に口内に貯めた空気を吐き出す演奏法などのように
>  肺を使わない時には検出不可.
>・演奏中に体を動かすと,そのノイズを拾ってしまう.

ということで、なかなか「これで完璧に使える」というものはないようです。
だからこそ、燃えてくるわけですが。(^_^)

ちなみに僕が学会発表の翌日に秋葉原探索(なんと秋月の定休日[月木]に
当たっていたのはショック!)して捜してゲットしたものは、いろいろな

・超小型サーミスタ
・超小型コンデンサマイク
・電球

です。最後の電球というのは、ガラスを割ってフィラメントを露出させると、
これが呼吸の息による気流の温度変化を抵抗変化としてセンシングできるよ、
という提案を受けたものです。
ずっと昔のトラ技の記事で、電球を4個ブリッジにしたもの(2個は露出)を
バットの先端に取り付けた「スイング速度センサ」という記事があったのです。

なお今回は、医療機器メーカが出している、数百万円するような呼気センサは
まったく無視しています。カタログだけは入手したのですが。(^_^;)

笙の場合には、人間国宝みたいな人が作った竹にあけた穴に取り付けた金属製
の超小型リードが振動し、呼気と吸気の両方で鳴ります。息の量とかはまだ
不明です。サンプルがなかなか入手できないのです。(^_^;)

...というところから、ぼちぼち検討と同時進行でここで書いていこうと
思っています。皆さんのお知恵を貸して下さい。

RE:ブレスセンサについての知恵を下さい 98/03/25 09:59


リプライありがとうございます。(^_^)
こうして、笙の演奏経験のある方のコメントをいただけるというのも、
ここの奥深さの証明ですね。

>実は私は高校生時代 15年ぐらいまえになりますか? 笙の経験があります
>現在はさっぱり指の運びもさっぱり忘れてしましましたけど
>
>ブレスセンサの目的そのものがよく理解できていないのですが笙を奏でる時の
>呼気流量を正確に検出することが目的なのでしょうか?

そういう計測も必要な局面はあるでしょうが、ここでは違います。
楽器音響学とか音楽生理学(そんなんあるかな(^_^;))とかの意味で、笙と
いう楽器において使用されている呼気/吸気の流量を定量的に計測する、と
いう意味では、まったくありません。
ここでは、もっぱら「Computer Musicに笙という楽器を活用するために、
その演奏ニュアンスをなるべく密接にセンシングしたい」という要望という
ことで、笙奏者の東野さんも作曲する僕も、希望は一致しています。(^_^)
(東野さんは今回は演奏者ですが、このセンサは東野さんにプレゼント
 して、その後は作曲家としての東野さんの料理に任されます(^_^))

>笙は不思議な事に口から見るとリードの向こう側に孔があり、それをふさぐと
>音が出ます。 音が出ないときは呼気の通りが悪いので指で孔をふさがないと
>息が抜けないように感じます つまり同じ呼気流量でも音の出ている管の多少
>によっては実際に出ている音の大きさも異なるとおもいます

はい、そうなります。従って、笙奏者は常に、いま何音の竹が鳴っているか
を把握して、それに応じた呼気/吸気となるように調整しています。
先日発表した僕の作品でも、ある部分はコード(同時に複数音、ただし
アベイラブルノートを示すのみで具体的な音響は即興に委ねる)、ある部分
は単音(これもリズムを含めて完全な即興のみ(^_^;))、というように
楽譜で指示していましたから、演奏者はその本数に応じて調整していました。

最終的には、鳴っている音の数と響きかたを聞きながら、笙奏者が制御して
いることになりますね。そして、ニュアンスとしては、その個々の音に対して、
かなり笙という楽器は強弱を表現として持っている、というのが、そもそもの
スタートラインです。どうしても一見すると、スコットランドのバグパイプの
ように、鳴りっぱなしで一定の音圧で通奏和音を提供する楽器、という印象
があるのですが、バグパイプは皮製の袋をいわばバッファにして一定の気流を
作っている(と思う)のですが、笙は息だまりも木製のただの空間なので、
微妙な息づかいが、全て竹のリードに反映されるようなのです。

>実際の演奏では徐々に強く吹き、瞬時に吸気に切り替え徐々に強く吸う事の
>くりかえしなので呼気流量情報に笙下部の空気たまり(正しい名称を忘れて
>しまいました)の内部圧力の変化と指でふさぐ管のON/OFF情報を加え
>ればより精度が上がるように思いますがいかがでしょうか

はい、言われるように、刻々と変化する気流の変化を「計測」するには、
これがベストだと思います。でも、あの小さな竹のそれぞれに指のON/OFF
のセンサまで付けるのは大変ですね。(^_^;)
サイバー尺八の場合、それぞれの指穴の周囲に4分割した
ドーナツ状の電極を薄く埋め込み、極細リードも竹に溝を掘って這わせて
います。この全体を再び漆で塗って、触った感覚は加工の跡がない、という
ようにしています(^_^)が、この作業は人間国宝みたいな木工作業のプロ
の人にお願いしたものです。だいたい、数十万円の尺八を買って加工する、
というだけでビビッてしまいますよね。(^_^;)

...で、今回の場合ですが、そういう数値的な計測というよりは、個々の
瞬間に変化する息の量の変化をセンシングして演奏情報に反映させたり、
場合によっては笙としてはまったく無音なのに、息によってKyma音源で
「演奏」したり(^_^)、ということをしたいわけです。つまり、絶対値と
いうよりも、リアルタイムに相対的な値が出る方が優先なので、指の数
によって絶対値が変化する部分は、ある程度、目をつぶってもいいかな、と
思っています。息だまり(僕も正式な呼び名は知りません(^_^;))の内部
空気圧の測定というのは、確かにヒントとなると思いますが、こういうの
を(たとえば0.8-1.2気圧、とかでしょ(^_^;))センスする小型センサと
いうのはあるのでしょうかねぇ。安価に。

笙という楽器そのものが貴重なので、全ての竹に加工するのはちょっと無理
だと思っています。一本だけ、なるべく使わない音程の竹をこのために供出
してもらうおうかな、などと考えているのですが、これでも大変のようです。
笙ごとに全てサイズとかも違うらしく、ある笙に合う竹のセットはそれだけ、
ということらしいです。
工業製品とはまったく違う世界ですね。(^_^)

RE:ブレスセンサについての知恵を下さい 98/03/26 08:58


> 笙どころか、尺八も経験ないですが、ブレスコントロールという事では、
>紹介メールの他に、何かのライブで、シンセサイザ奏者がビニールチ
>ューブを口に咥えて、ビブラートなどを制御していた事を思い出します。

これはもしかして、トーキングモジュレータではないでしょうか。
あの、ジミヘンが活用したやつで、たしか製品でも売っていると思います。
ギターアンプへの出力を鳴らす小型強力スピーカーの出力をチューブで口腔内
に導き、口腔と喉頭などによるナチュラルなフィルタで音色変化をつけたもの
を再びその内部のマイクで拾って出す、というやつです。
頭に響くので使い過ぎると発狂する、というものですね。(^_^;)

これはこれで面白く、たしか音楽情報科学研究会では、これでは発狂するので、
「チューブから無害なホワイトノイズを出して、口腔/喉頭のフィルタで加工
 された音響をリアルタイム周波数分析して、その特性をディジタルフィルタ
 に反映させて、そこに原音を通す」
という人体無害トーキングモジュレータの研究発表が、いつぞや、ありました。
もっともこれでは、ギタリストの「骨身をむしばんでもあの音を出す」
という生き方とは反するかなぁ(^_^;)、なんて思いましたが。

> 吸う動作も検出しないといけない、となると、フィラメント方式では吸うと
>吹くの違いが分かりませんねえ。

実はこれは僕の個人的な考えなのですが、笙は呼気と吸気の両方をセンシング
しないといけないとは思っていますが、呼気と吸気とを区別する必要はない、
と思っています。いわば絶対値でいいのです。
というのも、笙奏者によれば、笙ではブレスの呼気と吸気に音楽的な違い
というか意味付けはなくて、片方ばかり使うとリードのピッチが狂うので、
奏者が「適当に」(でたらめに、という意味でなく、適切に、という意味)
それらを切り替えているようなのです。あるフレーズをどう呼気と吸気で
演奏するかも自由なのだそうです。
そこで、センシングとしては、その息の流量の絶対値を、と思っています。

> 例えば、ビニールチューブで圧力をどこかに導くのであれば、
>
>                                   ---------------
>  口へ                            |              ‖←ゴム膜
>   ------------------------------               ‖        ∩ 光源
>    ------------------------------               ‖========
>               ↑                 |    容器      ‖ ↑  ∨ フォトセンサ
>           チューブ                --------------- シャッタ
>
> みたいなメカニズムを作れば、吸気と呼気を区別して検出出来るような気が
>します。

はい、このように気圧を感じる部分を膜状にして、流体圧力をその変位に
変換してセンシングする、というのは、たいていの圧力センサの基本構造
です。
最近では、半導体チップ上にこの膜を構成し、主にその変形からくる抵抗変化
をセンシングするアンプまでこのチップ上に置いたICが各種、でています。
僕はこのメカ部分を自作するつもりはない(できません(^_^;))ので、
そういうアプローチは今でも捜しているところです。
皆さんも、情報としてそういうのを知っている方は教えて下さい。(^_^)

> このままだと、吹く時、吹いた息が抜けないので苦しいですから、容器のど
>こかに穴を開ける事で感度を調節する必要がありますね。

はい、計測工学の基本ですが、計測するという行為が計測対象に影響するよう
では困るわけで、密閉容器でこれをするのでは、笙の演奏どころではなくなって
しまいます。
あくまで、通過する気流にはなるべく影響を与えないで、計測したいわけです。
ちなみに今回の場合、センシングする竹については、音を出すことは最初から
断念しています。つまり作曲においては、笙の持つ音組織そのものまで理解
して、特定の音を使わないように作曲する必要があります。(^_^;)

>そうなんです とても高価で個人で笙を買うなんて事はかんがえられません
>でした。工業製品ではない点についてはまったくそのとおりです。
>数台の笙を使いましたが全部竹の並びも違うし大きさも違う、当然音も異な
>ります。ばらしてリード(シタ?)の上に乗せる蝋(ロウ)の量(重さ)で
>音程調整する事を習いましたがとにかく微少な調整で難しかったことを覚え
>ています

はい、僕も東野さんに笙をばらしてこのリードの部分を見せていただいた
のですが、まぁ細かい作業ですよね。
これをできる人は、もう日本に何人もいないらしいです。
こういう技能を継承しないと、いくら芸大の雅楽科で演奏家を育成しても、
文化としての雅楽は滅んでしまうと思うのですが...。

尺八などはかなり海外でもComputer Musicに使われています。アメリカあたり
では、ちょっと日本の大学で尺八を習った程度の「演奏者」が偉そうにPerformer
としてComputer Music作品の演奏者などをしているようです。ICMC1993では、
日本の家元クラスがびしっ!とした本物の尺八の演奏を聞かせたので、来日
していた音楽家はかなりビビッていましたが。(^_^;)

でも、笙はまだほとんど無いと思います。
去年のギリシャのICMCで演奏された、岩竹さんの阪神大震災追悼の作品では、
東野さんの笙の音をKymaで加工したDATとともに、東野さんのライブの笙の演奏
が会場を魅了しました。この作品の一部はbit別冊の付録CDROMにも入ります
が、先日の僕の作品と同じで、いわば「Kymaデモサウンド集」みたいなものです。
この作品では、東野さんの演奏する笙は、完全に自然楽器として単独でした。

そして、去年の12月にICCで行われたインターカレッジコンサートで東野さんが
初演した作品が、たぶんライブで笙とComputer Musicを結び付けた最初の例だと
思います。僕の作ったのは、小型マイクロスイッチを二つ、笙の内部に置いて、
演奏中に余った指でMIDIトリガを出す、というだけのものでしたが、これで、
演奏中にKymaにトリガを出してライブ制御をしたわけです。この作品は今年の
ICMCに入選したということですので(^_^)、僕はミシガンで東野さんの演奏を
聴くのを今から楽しみにしています。

そして、今回のはいよいよ、笙の最大の表現ポイントである「息の量」、
いわば楽器としての息遣い、というもののセンシングです。ただ連続量を
演奏と同時にセンシングして音源に反映させるのなら、東野さんにMIBURI
センサを来てもらって、笙を演奏しながら身悶えてもらえばいい(^_^;)の
ですが、そうではなくて、あくまで笙の演奏表現を自然に拡大したいわけ
です。まぁ、できるかどうかはまだ判りませんが。(^_^;)
東野さんの方では、このアプローチから、岩竹さんのテーマである生体の
表現、「息」、ダンサーの息づかい、等への発展を考えているようです。

RE:ブレスセンサについての知恵を下さい 98/03/26 16:30


せっかくのアイデアに、まだ具体的には何もしていないのに否定的にコメント
しても仕方ないのですが、あらかじめ僕の頭で思考実験している部分について
は、コメントしておきます。決して否定的にアイデアを捨て去るというのでは
なくて、そこをなんとかしていく、というアイデアが欲しい、というつもりで
あることをご理解下さい。(^_^;)

>まず人体側にセンサを設置するとすれば,呼吸を測定するという事になり
>ますね。
>それには「>>(3)胴巻き伸縮センサ」が一般的ですね。
>細い自転車のチューブのみたいなものを胴体に巻き付けます。

はい、でもちょっと、特に女性のPerformerにこういうものを巻き付けると
いうのは、僕は採用しにくい気分です。(^_^;)
●●さんによると、性能としてはまずまず良好なので、ブレスの
検出にこれを使っているそうです。

>また肺(気管支)の音を直接測る事もできます(聴診器ですね)。これは,
>首筋でも測れます。ただし共にレベルが低く,また"音"ですので,外来の影響
>を受けやすいです。

うーーーむ、マイルスデイビスとかのトランペットだったら、頬の筋肉の
延び具合とか首筋の固くなりかたで検出できそうですが...(^_^;)

>それと直接呼吸を測るわけではありませんが,強く吹いたり吸ったりする時
>には唇が無意識に収縮しますから,この圧力(唇圧(^^;))を測定しても面白
>いかもしれません。

これはスタンフォードの研究で、10個くらいのパラメータを持つ試作ブレス
センサ楽器の唇部分には、
 ・マウスピースを唇/歯で噛む力をセンシング
 ・マウスピースを唇で押し込む力をセンシング
 ・マウスピースに吹き込む息をセンシング
とデモをやっていましたので、ある意味では別パラメータですね。(^_^)

>また笙の側にセンサを設置するのでしたら,温度センサ方式より空気の流れる
>音を測定するほうが良いように思えます。(温度センサ方式は時間応答が悪く
>また呼吸による温度変化の影響が大きいため)

はい、呼気では温度が上がり、吸気では外気温以下まで下がります。これが
本来の気流による温度変化を上回っていると、駄目ですね。(^_^;)
実験してみないといけないのですが、いましばらくは着手できません。

>実際には何か抵抗がなければ空気の流れる音は生じませんから,例えば管の中
>に小さいリードの様な物を付けるとか,管に穴をあけ共鳴用に小さい部屋を設
>けたのち(笛ですね),マイクで音を拾うという形になるわけです。

うーーーむ、こういう微細メカ加工はなるべく避けたいところです。
このあたり、もう一工夫、あるとふんでいるのですが。

>また密封できない条件ですから,圧力センサにこだわらなくても,瞬間的な
>圧力変動をとらえるという意味で,通常のマイクを使用して,その出力を
>f0=10Hz位のLPFを通してから,立ち上がりの部分の極性判定をしてみても
>呼吸の方向が検出できそうですね。

トランペットのスタカートとか、リコーダーのタンギングの演奏のイメージ
だとこうなりますが、残念ながら、笙にはこういう奏法は無いそうです。
現代奏法としてはありそうですが、繊細なリードを傷めるので、したくない
ということです。また、笙の音楽の美学からしても、急激なアタック(頭だけ
でなく、音の切り方も)というのは、下品というのか卑しいというのか、
とにかく発想に無いという事でした。(^_^;)

笙では、無からフワーーーーッと音が鳴ってきて、その最大強度のところ
を息で加減し、そして呼気と吸気とが切り替わって、再びスウーーーーーッと
奥床しく消えていく、というのが常なのだそうです。(^_^;)

このあたり、音楽美学というか音楽文化の対決という気もします。(^_^)

RE:RE^2:ブレスセンサについての知恵を下さ 98/03/27 09:49


>このマイクを仕込んだ物を口の当たる場所に下駄をかますように付ければ
>笙をまったく加工せず何らかの情報が取り出せそうですね、1cm程度の厚
>みなら演奏上の違和感は少ないと思いますが..
>                     ||||||||||
>                   |          |
>                   |          |
>        |===|−           |
>   くち                        |笙の下部
>        |=▽=|−           |
>            ↑     |_____|
>          マイク        
>
>ただ笙は通常の場合呼吸の切り替えの場合を除いてできるだけ滑らかに呼気
>量を変化させますのでマイク出力信号の処理は難しそうにおもえます

僕が見たところでは、この「くち」から笙下部の空間までの上記のマイクの
ところですが、けっこう断面積が大きいように思ったのですが...。
つまり、気流の強さも圧力変化も少ない、と。
ということで、僕はここにセンシングの仕掛けを仕込むことは最初から
考えていませんでした。
笙下部の空間はたぶんカラなので、ここに超高感度「絶対圧力」センサを置く
というのは、可能性としてはあります。
あとは、個々の竹という細いところなら、気流も強くてセンシングできる
可能性があるかな、というのが第一印象です。

>(まだお考えの目標はよく理解できていません

うーーーむ、説明が悪いでしょうかねぇ。(^_^;)
僕としては、実現できるかどうかは別として、
 ・笙の本来の演奏にはまったく変化を与えない
 ・特定の竹をセンサとして、指穴を塞いで、ここの気流をセンスする
 ・その情報はMIDIでタレ流し→あとはMAXでどうにでもなる(^_^)
という作戦のつもりです。

>ジミヘンでなくて、ジェフ・ベックですね。
>ジミヘンの頃にはありませんでした。
>デジテックから、ボコーダーのようなエフェクターでこれをシュミレーションする
>物が出たみたいです。

おぉ、確かにジェフベックのアルバムにはよく登場しましたね。
でも、ジミヘンの時代には無かったのですか。これは知らなかった。
口でギターを弾いたりするので、てっきりこれでジミヘンはイッていたの
だとばかり思い込んでいました。(^_^;)
ギタリストの発言なので、間違いないでしょう。失礼しました。(^_^;)

ところで、上記のディジタルのシミュレーションでなく、どっかのギター屋
で(たとえば1.5万円テルミンをギターのコーナーで売っている、お茶の水の
イシバシのようなノリで)、もろに同じ原始的な原理のトーキングモジュレータ
を売っているのを見たような聞いたような気がしたのですが。(^_^;)
これを買ってきて、改造するというのも面白いかもしれません。笙からは離れ
ますけど。
どなたか知っていたら、教えて下さい。(^_^)

RE:ブレスセンサについての知恵を下さい 98/03/27 17:57


なんか、次第に自分の「笙」の理解の乏しさに気付いてきている今日この頃
です。(^_^;)

>ちょっと笙の構造を勉強しなければなりませんね。最終の吹き出し口はどうなって
>いるんでしょう。そこで風速を測れたら楽ですが。
>また,リードの先の穴をふさぐと音がでるというのが
>よくわかりません。どういう発音原理なんでしょう。どんなふうに演奏するので
>しょうか????

吹き口から空気だまりに息が入って、そこからいくつもの竹に空気が行きます。
先日の◆先生の笙の場合ですが、指は左手の4本、右手の2本を使います。

竹は全部で15本。音の低い方から順に高い音に、
 コツ A
 イチ H
 ク  Cis
 ボ  D
 オツ E
 ゲ  Fis
 ジュ G
 ビ  Gis
 ギョ A
 ヒチ H
 ヒ  C
 ゴン Cis
 ジョ D
 ハチ E
 セン Fis
というようになっています。音の呼び名は、◆先生が言ったのを僕がノートに
書き留めたものなので、正式なものではありません。(^_^;)(^_^;)

そして、たとえば左手の4番目の指(なに指かは見えないので不明)では、
 コツ A
 ボ  D
 ジョ D
のいずれかの竹の穴をふさぐと、たぶん竹から息が漏れなくなってリードを
鳴らす、つまり閉管ではないかな、と思います。このあたりが曖昧です。
また、同じ指がいずれかを選択するので、この3つの音は決して同時に鳴ること
はないのです。

左手の3番目の指は
 ギョ A
の専用です。このように、1音専用の指が二つあります。

...こうやって、両手あわせて6本の指が、15種類の音のそれぞれに一意に
対応して割り当てられています。たとえば左手1の場合には、
 イチ H
 ビ  Gis
 ゴン Cis
 ハチ E
のいずれかを鳴らす、という具合です。(^_^)

(笙で出せない音は、Dis/Es、F、Ais/Bの3つだけです。予想外に少ないです。
 ◆先生の笙は、A=430Hzあたりでした。)

すると、右手は2本しか指を使わないので、あと1本か2本は空いていて、
空気だまりの上あたりに遊んでいます。
ここにマイクロスイッチを仕込んでMIDI制御した、というのが、12月に東野
さんが新作で使ったテクなわけです。(^_^)

...というあたりは、録音の時にメモしたノートで判っているのですが、気柱
の発音原理としては、ちょっと不明ですね。
今度、慶応SFCに東野さんの笙の録音に行くので、そこでみっちりと分析して
こようと思います。
ちょっとお待ち下さいね。
(なにか文献で、笙の発音原理の載っているものはあるかなぁ)

RE:RE^2:ブレスセンサについての知恵を下さ 98/03/28 05:59


続報ありがとうございます。

>説明がわるいんでなくて当方がイメージできないだけなのです
>(あとはMAXでどうにでもなる)のあたりは常連のみな
>さんはおわかりなのでしょうけど...

えーと、ここで僕とか東野さんとかがやっている音楽は、一応、分類上は
「現代音楽」といわれているもので、あまり聞きやすいものではない、という
ものです。(^_^;)
笙を使う、といっても、いわゆる電子音の背景音響をバックに笙を演奏する、
というようなものなら、ここでのセンサも不要なのです。(^_^;)

>薄学なので理論的な説明はできないのですが絵にしてみますと
>        横になっています
>−−−−−−−−−−−−−−
>空気だまり                 |
>         りード↓↓↓      |      穴    竹管
>             −-^----−−−−−−−O−−−−−−−−−−
>             −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>塞がっている↑             |               開いています↑
>−−−−−−−−−−−−−−
>吐く息の時は空気たまりからリードを通り竹の先から抜けていきます
>リードはハーモニカのものとよく似ていますが双方向の空気で振動するため
>オフセットがありません。支点から遠い位置にシズ(上の図では ^ )
>といってロウの重りがあり、音程調整します。不思議なのは穴が開いていよ
>うが、閉じていようがリードには圧力が掛かるはずなのに穴を塞いだときの
>み振動を始めることです。リードが振動しないときは隙間は非常に狭いので
>息が通らないように感じられるのです。リードの固有振動数と波長とリード
>から穴までの距離がポイントだとは思いますが理論的説明は私にはできません
>もちろん管によってリードから穴までの距離はまちまちです
>それもうまく指先が届く位置になるようならべてあります
>穴から竹管の先の間には音質調整の為なのかスリットがあったように思います

東野さんに、竹管を抜くところまでは見せてもらっていたので、リードの
ところだけは見ていたのですが、こういう仕掛けですか。
確かに、共鳴の仕組みを利用しているんでしょうね。
ということは、穴を塞いでも塞がなくてもいいのですね。リードの部分を
取り去ると、たぶん空気が抜けてしまいますから、ここをなるべく塞いで
わずかに漏れる空気のセンシングをすることになりますね。(^_^;)
結構、これは大変かもしれませんね。(^_^;)
空気だまりの内部圧力センシングというのが再び浮上するかな。

いやいや、貴重な情報をありがとうございます。(^_^)

>笙は演奏前には炭火などであぶって暖めます
>そうしないとうまく音が出ないばかりかシズが飛んでしまい
>ならなくなってしまします、かといって暖めすぎるとシズが融けてしまい
>これまたならないのです。とにかく面倒です。
>両手で包む様に持つのも冷やさないために有効だと思います
>演奏の合間もしょっちゅうあぶっています。最近は電熱器が便利ですが
>いずれにしても夏場はタマリマセン!

はい、これは判っています。
皆さん、笙と一緒に、小型の電熱器を持ち歩いていますね。
相愛のコンサートでも、◆先生はソデで直前まで暖めていたのです。(^_^)
長野オリンピック開会式で、あの寒いところでの演奏は、厳密に言えば顰蹙の
邪道というところでしょうか。それとも、あそこは下から暖めていたのかな。
雅楽の練習場で、炭火で一酸化炭素中毒の事故もありましたよね。
なかなか繊細な楽器です。(^_^)

誰かと分け合うことが「情報」(^_^) 98/03/29 11:18


>確か笙には鳴らないダミーの管があったと思います
>その管そのものの加工ができればいいですが、できなければセンサのしくみ
>を仕込んだ別の竹管を同じ太さに加工して差し込めばどうでしょうか
>見かけをそろえるのは難しいですが、実際各管の差込部ははテーパー状に
>削ってあり差し込んであるだけです、摩擦と竹管を束ねる鉄の輪だけで組み
>あがっていますので不可能では無いように思います。
>        (かなりの根気が必要ですが(^_^;))
>自由に作れる(加工できる)部分ができれば可能性が広がると思いますが
>いかがでしょうか? 

ダミーの竹ですか。これは知らなかったです。たぶん共鳴用のものなので、
単なる飾りではないと思います。(^_^;)
このダミーの竹を抜いて、センサを仕込んだ竹を入れると、通常の竹の音
も変わってしまう、という可能性は検討しておかないといけませんね。

ちなみに、センサを仕込む竹については、確かにあのテーパを見て、別の
ものでも最悪は可能と思いました。でも、伝統ある楽器ですし(という割に
凄いことをしでかそうとしているわけですが(^_^;))、外観も重要なものだと
思っています。工学的には、センサを組み込んだアルミパイプでも差し替え
たいところでしょうが、そういうつもりは最初からありません。

12月の東野さんの新作のためのMIDIスイッチにしても、一緒に秋葉原を歩いて
超小型のプッシュスイッチを入手し、そこからのケーブルも黒くて細いもの
を袖を通して笙に導き、おそらくほとんどその存在に気付くことは無かった
と思います。好みの問題なのですが、僕はトッドマコーバーのデータグローブ
とかのような、いかにも「ほら、これがセンサなんだぜ」と派手に見える、
というのはあまり好きではないのです。(^_^;)
パフォーマンスでセンサを使う場合には、聴衆にその仕掛けとシステムの反応
との対応がよく分かるように、という意味でセンサを意図的にミエミエにする
場合もあるのですが、今回の笙については、これは採用しないつもりです。

ちなみに、いま使っている竹はもちろん加工できませんので、スペアと
いうか、センサ用に1本だけ、竹を確保していただけるかどうか、という
可能性を調べてもらっているところです。しかし、これも非常に貴重なもの
なので、難しいようです。いずれ、まずは調べるために竹1本をお借りできる
という連絡は来ているのですが。(笙の全体は「1管」というのですね)

RE:RE^4:ブレスセンサについての知恵を下さ 98/03/30 09:03


なんか、次第にコトの重大さに気付いて、びびりモードが入ってきました。
気体流量を温度変化で、という方針はちょっと心細いようですが、空気だまり
の内部圧力変化というのは、最初からあまりうまくいく(安価/小規模に)と
いう気がしていないのですが。(^_^;)

>内部圧力の観点に絞ればおっしゃるように従来の演奏ではどの音も
>出さない(穴を塞がない)状態で呼気圧力をかける事は無いと思いますが、
>音を出さない場面で信号を取り出す(奏者の意志を伝える)場合には反対に
>有効に思えます。

はい、これは欲しい機能です。
今回の笙の場合には、外見は笙を口に当てるので違いが判りにくいのです
が、普通の演奏としての指を使わないで「息だけの演奏」というのが可能
だとしたら、これは欲しいと思います。イメージあります。(^_^)

>次に、指で穴を塞いでいていてゼロから徐々に呼気圧力を増していくとあ
>る圧力に達したとき振動を始めますが、振動を始める直前よりも振動を始め
>たときの方が空気だまり内の圧力は下がると思います
>ヒステリシス的応答とでもいうのでしょうか? これを利用して音が鳴り出
>さない範囲の内部圧力変化で奏者の意志をを外部に伝える方法になりそう
>です。(かなり微弱な圧力の変化になりますがとれそうですか?)

うーーん、確かにヒステリシスですね。
でも、これだとイベントが起きたトリガーが得られてしまいます。
今回の第一希望として欲しい「連続量」とは、ちょっと相反する情報なのです。
このあたり、難しいですね。(^_^;)
ところで、このヒステリシスは、大袈裟に言えば、ゼロから息をゆっくり
微小量、吹き込んでいって、音が鳴り出した時にストンと一旦、圧力が
低下するわけですが、これは吹いている奏者に感じられるものなの
でしょうか。端で見ている限りでは、ちょっと判らないのですが。(^_^;)

>なにぶん手元に笙が無いので間違っていたらお許しください
>ダミーの竹のリード部は漆で塞がっていた様に思います、この竹が共鳴や
>音質調整の役割があったかどうかはわかりません、わかりましたら教えて
>ください。

はい、僕ももちろん手元になく、東野さんに竹を外して見せていただいた
(秋葉原駅前のファストフード内で(^_^;))時と、◆先生の笙を録音して
いる間、間近に見た時、という二つの機会のことを思い出して書いています。
東野さんの録音に行く時には、この一連の議論でだいぶ問題点が見えて
きたので、もっと的確なところを見てこられると思います。
でも、こういう事でもないと絶対に見れませんから、いい機会を得られた
なぁ、と感謝しています。(^_^)
お互いに名前だけは知っていたわけですが、ギリシャのICMCコンサート会場
で、岩竹作品の発表の手伝いをしていた小坂さんが僕と東野さんを紹介して
くれなかったら、この一連の出会いもなかったのです。(^_^)

>ちなみに調音事にはばらして一本ずつ口に直接くわえて鳴らします
>歯を当てないように気をつけないといけません(^_^;)

うーーむ、気をつけます。(^_^;)
ということは、まぁ注意して加減するのでしょうが、1本だけを咥えて
吹いたり吸ったりしても大丈夫な程度には、リードは息の量に耐えられる
わけですね。これはちょっとだけ朗報だと思います。(^_^)

RE:RE^4:ブレスセンサについての知恵を下さ 98/03/31 09:05


>今秋月の電子気圧計キットの取説を見ているのですが,それによると
>
>測定圧力:0.5気圧〜2.0気圧
>分解能 :1ヘクトパスカル(0.001気圧)
>測定確度:±3ヘクトパスカル
>
>となってます。時間分解能によってはまあまあ使えるんじゃないでしょうか。
>ちなみにセンサの大きさは1cm四方位です。

あららら、そんなのがあったのですか。(^_^;)
どうも、圧力センサというと、ごっつい流体用のイメージばかりでした。
先日、秋月からまた仕入れた時に送ってきたカタログをよーく見て、
さっそく注文してみようと思います。

ちなみに、ICCのためのセンサ開発も終わったので、今週はこれから、
ビデオ関係にちょっとハマろうと思っています。(^_^)
かなり低価格高性能のビデオエフェクタというのを去年、仕入れたの
ですが、こいつがパネルのスイッチ操作でしか動きません。これを、
なんとかMIDIで制御してやろう、ということです。(^_^;)
(狙いは当然、東野さんの笙でのコントロールです(^_^))
▽▽さんはスイッチからズラズラと線を引っ張り出して、外に多数の
リレーをつけて、僕のMIDIリレーボックス(コッツ楽団のと
同じものです(^_^))で制御しました。
さて、僕はどうしようかなぁ。
ビデオエフェクタ内のCPUをハックするというのが一番、面白いと思う
のですが、ちょっと時間がないでしょう。(^_^;)

MIDIビデオミキサ完成(^_^) 98/04/02 17:21


昨日と今日の2日間で、久しぶりに新しいAKI-80モノを作りました。
さきほど完成したところです。(^_^)

去年、研究助成金で仕入れたものの、使い出が悪くてずっと眠っていた、
ディジタルビデオエフェクタ/スイッチャというものです。4系統の
ビデオとサウンドを、240パターンのワイプとかフェイドとかのパターン
で自在にスイッチングでき、クロマキーとかルミナンス、ピクチャーイン
ピクチャ、映像はめ込み、各種エフェクトも持っている、というスグレモノ
です。SONYとかだと100万以上はする機能なのですが、15万ほどのアメリカ
製です。日本ではフューテックというところが販売している、VIDEONICS社
のMX-1というものです。ディジタルビデオミキサというらしいです。(^_^)
使い出が悪いというのは、プレビュー画面を見て、パネルスイッチを手作業
で操作しないといけないところで、僕としては、MIDI制御であれば作品に
使えるかな、と思って仕入れたのですが、どうにも反応が鈍くて(手で
スイッチを押す、というのに対する反応としては自然)、断念していたものです。

しかし今回、「笙センサによる制御」というテーマが出てきたので、どうも
かなりゆっくりとした反応でもいけそうだ(^_^;)、ということで、改造して
みました。バラして(スライダーのノブは取り去ってしまいました(^_^;))、
さらにパネルのキーボードを外してみると、プリント基板のパターンをいち
いち追わなくても、基板にそれぞれのスイッチがマトリクスの何番と何番で
あるかが印刷されていました。(^_^)
そこで、合計43個のスイッチの全てにアナログスイッチを入れました。と
いっても、同時に二つを押すことはない、という制約をつけると、部品と
しては4051を8個、あとはAKI-80とラッチの574を3個、というかなりシンプル
な回路となりました。回路を簡単にするために、ビットの対応とかはかなり
目茶苦茶でとにかくハンダ付けをして(^_^;)、これはあとでAKI-80のソフトで
全て吸収しました。
今回はなんと、とりあえず作ってみて最初のハンダ付けのミスは全部でたった
1個所、というなかなか手堅い製作となりました。ただしこの1個所が、一番
重要な「OK」のスイッチだったので、ちょっと慌てましたが。(^_^;)

パネルに飾りのLEDを3つつけて(AKI-80の出力ポートが3ビット余ったので)、
不用のコネクタを取ってMIDI受信ケーブルを出して、外観上はケースの内部
にAKI-80を含む基板の全体が入ってしまいました。(^_^)
ちなみにプレビュー用モニタとしては、秋月の3.5インチ液晶(たぶん、
パチンコ台の中央のテレビ用のジャンク)を小型のケースに入れたもので
十分で、これも昔に作ったものがようやく活躍しそうです。(^_^)

これで、過去の作品で使ってきた、8入力8出力MIDIビデオスイッチャと
このマシンで、かなりセンサによるライブの映像制御の可能性が広がって
きました。(^_^)
9月の作品では、このマシンもお披露目ということになりそうです。

秋月にまた、紹介の圧力センサなどいくつかの注文をしたところ
で、たぶん明日ぐらいには届くので、今回の肩ならしを受けて、いよいよ
センサに挑戦してみようかな、というところです。

「MIDIでの映像制御」棚卸し(^_^) 98/04/03 08:17


>> 日本ではフューテックというところが販売している、VIDEONICS社
>> のMX-1というものです。ディジタルビデオミキサというらしいです。(^_^)
>これは私も使ったことがありますが、確かに反応が遅くて使い勝手も今一つという気
>はしました(^^;)。特に暗いところで使おうとした時が一番つらかったです。

はい、使った人は判りますが、あのレスポンスはちょっとツライですね。
でも今回の改造で、このパネルとまったく同じボタン配置、というのをMAXの
画面として作ることもとっっても容易になりましたので、暗くても大丈夫です。
240種のシーン切り替えも、メニューからカーソルでつんつんと選ばなくても、
いきなり3桁の数字を送ると瞬時にチェンジできます。これが一番便利かも
しれません。

>さて、しばらくご無沙汰している間に、私の方も少しずつではありますが準備を進めて
>きました。いまのところ専用機ではなく PC にキャプチャーボードを差す方式でプログ
>ラムを進めています。プラットフォームは相変わらずの BeOS なのですが、最近新しく
>出たソフトのα版でいろいろと試しています。
>短めのムービーを主に使う予定なのですが、これをすぱすぱ切り替える・再生速度を
>変える・任意のコマに瞬時に飛ばす…といった操作だけでもかなり面白いです。

うーーむ、これは面白いかもしれませんね。僕は比重として音楽に重みを置いて
いるのであまり深入りしなかったのですが、映像系の人にとっては、ムービーに
対してこうやってMIDI経由(MAXでなんでも簡単にできますから)で制御できる、
というのは嬉しいかもしれません。

               - - - - - - - - -

...ということで、はたして発展するかどうか、皆さんにネタ振りです。

MAXベースで、MIDI側でならなんとでもできる、という前提とします。センサ
によるパフォーマンスも、MIDIとAKI-80等(^_^)でなんとかなります。音源の
部分は既存の音源、サンプラ、ソフトシンセ、PD、MSP、Kyma、Indy、等々、
こちらもなんともなるとします。つまり、道具としてのMIDIとサウンド系は
けっこう自在にいけるとします。
そして、マルチメディアもの、つまりサウンドと密接にリンクした(パフォー
マンスで刻々とライブ制御する、単なるプレイバックでない)ビジュアル系の
要素が欲しい、というのが、ここでの「お題」です。

これに関して、どんな手法があるか、というのを皆さんのお知恵を借りて、
「棚卸し」してみよう、という企画です。(^_^)

映像といっても色々とあります。ビデオテープに固定されている映像でも、
機器を使えばリアルタイム制御できます。簡単には、複数のビデオデッキの
ON/OFFを組み合わせたインスタレーションだってあります。ギャラリーで、
来場者をセンシングしてビデオデッキがスタートする、というものです。

複数のスライドプロジェクタをMIDIリレーでシーケンサと合わせて制御した
作品は、東京芸大の岩崎さんの作品で、ギリシャのICMCで発表されました。

ビデオスイッチャや上記のビデオミキサやビデオエフェクタ(秋月にもキット
がありますよね(^_^))をMIDI制御すれば使えるのは、僕の作品で活用している
実例で、見た人もあると思います。僕はこの手法がほとんどです。(^_^;)

まともなディジタルビデオをもろにMIDI制御するためには、Macの場合、
数百万する「ビデオエクスプローラ」というボードとソフトのセットになった
ものが、標準でMIDI対応しています。

静止画ファイルをコンピュータに多数用意して、これらでスライドショーの
ようにすれば、何かできます。QuickTimeムービーも同じようなものです。
QuickTimeについては、MAXでもろに制御できましたっけ。
ちょっとライブでは恐いかな。(^_^;)

アニメーションGIFを走らせるソフトでMIDI制御の効くものはあるので
しょうか。あるいは、jpegファイルとかPICTとかのビューアで、MIDI制御で
ディスプレイをコントロール出来たら、かなり使えます。(^_^)
これは僕も知りたいところです。

まともなムービーとなると、そのアイデアも有力ですね。定番は
Directorでしょう。Directorのムービーは、LingoのスクリプトがMIDIイベント
を扱えるので、「小杉+安藤」さんたちは色々な作品で、センサものに
この手法を使っています。
MPEGムービーのプレイヤーでMIDI制御できるものはあるでしょうか。

あと、リアルタイムにCGを走らせるというのがあります。
数年前に発表した僕のカオスジェネレータソフトでは、刻々とカオスの演算
結果をCG表示して、さらにこのパラメータはライブで外部からMIDI受けする
ようになっていました。実際にジーベックでの公演で、ピアニストがピアノ
の中に物を投げ入れたノイズなどをセンサで拾って(^_^;)、これでCGの
パラメータを変えました。CG描画とともにカオスの周期が変わり、ピアニスト
はこれを耳で確認して次に進む、というものでした。

アンデパンダンでふーみんが発表した作品は、Windowsマシンの
Open-GLでリアルタイムに遺伝アルゴリズムの3次元CGを描画させ、これは
MIDI経由でライブ演奏とリンクしていました。

僕の作品でも、▽▽さんと組んで作ったIndyの3次元CGソフトは、もろに
MIDIで制御できます。去年のアンデパンダンでやった作品の一つでも使った
ですよね。(^_^)

後藤さんは、RMCPクライアントとして、Indigo2上に
3次元ダンサー"Cindy"を走らせて、ネットワーク越しにMIDI演奏でダンス
させました。シーグラフでも受賞した力作です。(^_^)

PDとセット?になっているGEMは、これをパソコン上でも実現するのでした
っけ。(^_^;)

...ということで、ちょっと並べてみても、けっこう色々とあるようです。
ここに、さらに皆さんからの情報を欲しいです。できれば、安く実現できる、
さらに簡単に(^_^;)(^_^;)、ということで、色々な手を教えていただければ
幸いです。採用された場合、ありがたく使わせていただきます。(^_^)

あ、補足です。肝心なのを忘れていました。

MIDIとリンクしたアニメーションですが、Javaものがあります。
RMCPを活用して、後藤さんたちが既に完成・稼動させていました。

皆さんご存知だと思いますが、Javaアプレットはセキュリティ上の
要請から、直接にMIDIなどの資源をアクセスできません。そこで、
以下のようなスタイルをとって実現していました。

アニメーションは、GIFのアニメションでもCGでもいいので、Javaで
とりあえずアプレットを作っておきます。走行環境は普通のブラウザ
です。(^_^)
このマシンに、RMCPクライアントとして、Javaスタンドアロンアプリ
で、RMCP経由でMIDIとメッセージ交換するようにしたものも、Java
インタプリタ上で走らせておきます。マルチタスクとなるので、これ
はIndyとかになりますが、原理的にはNTマシンでもいけます。
このJavaアプリと変数共有することで、ブラウザ内のJavaアプレット
は、MIDIメッセージとやりとりできます。たとえば、MIDIキーボード
(RMCPを経由しているので、地球の裏側でサカモトの弾くMIDIピアノの
情報をリアルタイムにインターネットから受け取ることも可能(^_^))
の演奏情報でJavaアプレット内のCGやGIF画像が動きます。あるいは、
Javaアプレット内のボタンをクリックしたりCGをドラッグすると、
この情報がMIDIとしてLAN内の他のマシンにブロードキャストされて
それぞれのマシン内のバンドマンの音楽/映像のリアルタイム生成を
制御したりできます。

これは1年以上も前に、既にSGIとWindowsとの環境では実際にデモる
ところまでできていました。(^_^)
詳しくは、その当時の音楽情報科学研究会資料を見て下さい。
あるいは、早稲田大学の村岡研究室のWebでRMCPを公開しています。
SGI版は既に完成していて、Windows版もいずれ公開の予定です。
強力なサーチエンジンでRMCPとGotoをアンドすれば見つかる筈です。

笙センサのための実験 98/04/05 10:27


昨日、秋月電子に注文していたいくつかのキット等が届きました。つい、
ポケットバンド(定価18000円なのに新品が1500円(^_^;))なんてのも
買ってしまいましたが(スグにばらしてみたのは言うまでもありません(^_^))、
他にもちょっと趣味的なものも仕入れました。これはまた、いずれ。(^_^;)
(コッツ軍団に対抗して、これでセンサとしてでなく、鳴るオブジェ
 としての「楽器」を作ろうかな、というアイデアなのですが(^_^;))

ということで、話題になっていた、笙センサのために、笙の下部の空気だまり
に圧力センサを仕込む、という方針の実験をしてみましたので御報告します。

秋月の気圧センサキットは、フジクラの半導体ダイヤフラムのブリッジ抵抗
をセンサとして利用していますが、この気圧センサ部分は既に調整済みの
完成品として基板ができています。半固定VRもトリミングして固めてあり、
ここは手出しできません。センサだけを引っ張り出すといいのですが、ちょっと
ノイズ等から無理でしょう。実装としては、このセンサ基板の大きさがネック
になりそうです。
このセンサ基板には、OPアンプ324(僕ももっぱらコレです(^_^))、そして
沖電気の4ビットマイコンMSM6422が搭載されています(秋月のキットとしては
使っていないのですが(^_^;))。そして、この基板は外部から+9Vを与えると、
気圧が電圧出力として得られるようです。うまくやれば+5Vでもいけそうです。

そして、秋月のキットは、4桁のLCDパネル(1999までBCD表示)の
電圧計/温度計キットを流用して、この気圧を表示します。製作時間は全部
でおよそ1時間、簡単なものですね。(^_^)

秋月のマニュアルによると、006P電池を共用した場合のレンジは810-1060hPa
ということでした。そこで、センサ基板をシールドで延長して、ペットボトル
の腹を割いてこれだけ入れてガムテープで塞いで、ペットボトルの口から息を
吹き込む、という簡単な実験をしてみました。

すると、風船や浮き袋を膨らますような圧力で息を吹き込むと、LCDの表示
(とりあえず1000あたりにした)は、なんと1999を超えてオーバーフロー
しました。逆に必死に息を吸い込むと(目張りの隙間から空気が漏れて入り
ます)、マイナス1999にもなりました。つまり、規定範囲とかはまったく無視
するとして(^_^;)、人間が必死に息を吹き込んだり吸ったりする、という
行為に対して、このセンサ基板と秋月のキットの組み合わせは、ほぼ
プラスマイナスのフルスケールで、「このあたり」というのを出力してくれた
わけです。だいぶ誤差はありますが、センシングとしてはプラスマイナス
2気圧、というあたりでしょうか。

笙でここまで強く吹いたり吸ったりすることは絶対に有り得ませんので、
結論として、このセンサは、意外にも「いいカンジ」でレンジが合って
いると思います。(^_^)
あとはAKI-80の組み合わせのさじ加減で、十分に、笙の空気だまりの内部圧力
をセンシングできると思いました。レスポンスも、そこそこありそうです。
秋月のキットのセンシングが毎秒2.5回ということですが、まずまず反応して
いましたので。

秋月のキット類の中では、この気圧センサはもっとも地味に、というか一見する
と気付かないようにカタログに載っていたのですが、◇◇さん情報のおかげで、
いいものを早々と見つけることができました。ありがとうございました。

...ということで、これは東野さんとのミーティングの際にも持参する
ことになりそうです。
なお、今回の笙センサについては、これだけでOKという事ではありませんので、
引き続き、皆さんの情報とか意見をお待ちしています。(^_^)

慶応SFCに行ってきました(^_^) 98/04/21 09:18


約2時間半ほどですが、色々な笙の音を録音
しました。東野さんの笙は現代曲のための特別のもので、普通は
飾りとして何もついていない2本の竹に、リードがついて、出ない
筈のFとBbの音も出るようになっています。指も古典とは違う
使い方をします。◆先生が「いけません。下品です」と拒否
された(^_^;)、各種の現代奏法もびしばし演奏してくれました。
東野さん自身も含めて発見だったのは、指穴を全て開放して、
吹き口から「歌う」というワザで、ピッチによって共鳴して
凄い音が出ました。これはイタダキです。(^_^)

笙については、色々と新たな発見がありました。これは、また
おいおい、ここで書いていきたいと思います。初めて正確に理解
したのですが、笙という楽器は、なんか左右対照のように思って
いたのですが、バリバリに非対照なものでした。(^_^;)

持参した、秋月の気圧センサはアタウにも受けました。そして、笙
にこれを取り付ける方法がちょっと問題となり、東野さんと一緒に
横浜の東急ハンズに行きました。ゴムホース、ピペット(^_^;)
など、色々と怪しいものを仕入れました。これから加工実験です。

アタウともスグルさんとも意見が一致したのですが、非実時間、
つまりスタジオで音響を加工するという作曲は、かつてのテープ
切り貼りのミュージックコンクレートの時代から比べると、音質
だけでなく、効率が100倍から1000倍ぐらい向上しています。
でも、じゃあテープ音楽が100分の1の時間で作曲できるかと
いうと、効率が上がったなりにさらに100倍の時間をかけて、
結局は同じように凄い時間をかけてしまいます。(^_^;)
やっぱり、10分の曲を作るのに100時間から1000時間ぐらい
は、かけていきそうです。今後も。(^_^)