===================================================================== 日独作曲家フォーラム'95 「音・電子メディア」 ===================================================================== 1995年(平成7年)10月7日(土)、8日(日) 東京ドイツ文化センター・ホール このフォーラムは報告と討論による2つのシンポジウム、歴史的から最新の作品を 含む2つのコンサート、そして2日間、会場に展示される電子メディアによる インスタレーションによって構成されている。 シンポジウム1:『音・電子メディア、2つの軌跡』     報告1)「ドイツの音・電子メディア作品」          報告者:トーマス・ゲルビン(作曲家、ZKM音楽部門責任者)     報告2)「日本の音・電子メディア作品」         報告者:嶋津武仁(作曲家) シンポジウム2:『次世代の音・電子メディア作品』     司会)嶋津武仁、トーマス・ゲルビン、     参加者)ゴットフリート・ミハエル・ケーニッヒ(コンピュータ音楽)         ジョセフ・アントン・リーデル(電子音楽作曲家)         高橋悠治(作曲家)、三輪真弘(作曲家)他 コンサート1:『音・電子メディア、2つの軌跡』  テープ(4チャンネルを含む)による歴史的作品を中心に    シュトックハウゼン、ケーニッヒ、リーデル、湯浅譲二、他 コンサート2:『今日の音・電子メディア作品』  日独の最新のライヴ作品を集めて    嶋津武仁、トーマス・ゲルビン、三輪真弘、高橋悠治、古川 聖、長嶋洋一、他 インスタレーション:岡本 久、ほか日独作品が展示される ===================================================================== 日独メディアアート・フェステイバル京都'95 =====================================================================   (ビデオ上映会+メディア・インスタレーション+メディア・コンサート) ■ビデオ上映会 [タイトル]   ビデオ上映会「日独ビデオアート95 − ひかりの交差点」 [日時・場所]   1995年10月15日(日)〜18日(水)    関西ドイツ文化センターホール(京都)  ■メディア・インスタレーション [タイトル]   メディア・インスタレーション「メディア・シアター − 鏡の寓話」    (インタラクティブ・ビデオ・サウンド・インスタレーション) [日時・場所]   1995年10月17日(火)〜22日(日),11:00AM〜6:30PM   ギャラリー楽(京都造形芸術大学・京都芸術短期大学内)  [製作スタッフ]               企画・制作+サウンド・デザイン+映像/中村滋延                         構成+美術+立体/山田 実                映像+コンピュータ・グラフィックス/石原 亘                    システム・エンジニアリング/長嶋洋一                         助成/日本芸術文化振興基金                       機材協力/松下電器産業株式会社 ■メディア・コンサート [タイトル]   メディア・コンサート「眼と耳の対位法(パート2)」    (音楽と映像のインタラクティブ・ライブ・パフォーマンス) [日時・場所]   第1夜:1995年10月20日(金),7:00PM開演,6:30PM開場   第2夜:1995年10月21日(土),7:00PM開演,6:30PM開場   関西ドイツ文化センターホール(京都)  [プログラム]   第1夜    David     …………………………………… 作曲&システム/長嶋洋一                          映像&システム/由良泰人                     パフォーマンス&システム/藤田康成                        協力/イメージ情報科学研究所    風の調べ     ……………………………………… 作曲&映像/中村滋延             サクソフォン/野田燎    PING - BANG   ……………………………… 作曲&音響操作/平野砂峰旅                          映像&映像操作/伊奈新祐                          パフォーマンス/(未定)    ローテクからハイテクへ;ドイツからのプログラムその1       ルドルフ=フリーリング監修による音・音楽を主要素とした映像作品群;       1963年のヴォルフ=ヴォステル"Sun in your head"から90年代のハイテ       ク利用の作品までを眺望するプログラム)   第2夜:    竹管の宇宙IV  …………………………………… 作曲&尺八演奏/志村哲                                映像/大橋勝                             システム/片寄晴弘                               センサ/金森務                        協力/イメージ情報科学研究所    音と映像による新作(タイトル未定) …………………… 音楽/寺井尚行                               映像/(未定)      curved AIR 2(音響彫刻と映像の為の)…音楽&パフォーマンス/上原和夫                         映像/幸村真佐男+川口真央                            システム協力/市川衛                        ダンスパフォーマンス/竹内幸    パフォーマンス − サウンド;ドイツからのプログラムその2       ルドルフ=フリーリング監修による音楽(特にその上演的性格)と深い       関わりを持つ映像作品群 ■各催し物の内容・趣旨 [ビデオ上映会]   ビデオ上映会「ひかりの交差点」ではドイツの第6回マルル・ビデオ・アート賞   の入選作と,日本の第1回BBCC学生映像フェスタの応募作品とが上映される.日   独の映像作家達の新鮮な感性と知性が交錯する場としてこの上映会が設定されて   いる.   マルル・ビデオ・アート賞は1984年に始まったドイツ国内在住のアーティストを   対象としたビデオ・アートのコンクールある.この種のコンクールとしてはドイ   ツを代表するものであり,国際的にも高い評価を得ている.   BBCC学生映像フェスタは今年から新しく開始されたコンクールであり,BBCC新世   代通信網実験協議会が新しい通信技術を映像文化の発展に寄与させることを目的   として設定したコンクールである.入選作はこの上映会以外にも光ファイバーを   使ったハイビジョン方式で上映される機会も設けられている.このコンクールに   はテーマ部門と自由部門があり,今年のテーマは「ひかり」である.なお,応募   作品はいずれも映像系のコースのある美術系大学・美術系専門学校の学校推薦に   よる.  プログラム    (プログラム時間割表図は省略)    (BBCC学生映像フェスタ参加大学及び専門学校;東北芸術工科大学,多摩美術    大学,東京造形大学,日本大学,愛知県立芸術大学,名古屋芸術大学,名古屋    造形芸術大学,京都市立芸術大学,京都精華大学,京都造形芸術大学,大阪芸    術大学,神戸芸術工科大学,宝塚造形芸術大学,九州芸術工科大学,女子美術    短期大学,名古屋造形芸術短期大学,京都芸術短期大学,阿佐ケ谷美術専門学    校,イメージフォーラム付属映像研究所,東京工学院専門学校,大阪放送芸術    学院,大阪コミュニケーションアート専門学校,アミューズメントメディア総    合学院,大阪市立デザイン教育研究所,,大阪ビジュアルコミュニケーション    専門学校,ビジュアルアーツ専門学校,芦屋芸術情報専門学校) [メディア・インスタレーション]   メディア・インスタレーション「メディア・シアター − 鏡の寓話」はインタラク   ティブ・ビデオ・サウンド・インスタレーション作品である.作曲家の中村滋延は   (演劇的動作を主体にした)視覚的要素をも構成素材とした音楽作品「ミュージッ   ク・シアター」をこの十数年手掛けている.「メディア・シアター − 鏡の寓話」   はこの延長線上に位置するものである.異なるのは,ミュージック・シアターのよ   うに舞台と客席が分離していない点,視覚的要素が演劇的動作ではなく映像を主素   材とした空間配置そのものある点,開かれた時間形式(つまり既定の開始点と終止   点を持たない形式)で提示される点,観客が作品の生成に(部分的にではあるが)   関わることができる点,にある.つまり,空間全体が作品であり,観客はそこを歩   き回り,その観客自身の動きに反応してその空間に生起する出来事を,目と耳の両   方を使って鑑賞するのである.   なお,観客自身の動きに反応してその空間に生起する出来事とは次のようにして得   られるものである.まずセンサーが観客の動きや位置を感知し,そのデータをコン   ピュータに伝える.コンピュータはそのデータをもとに音響・映像を変化・生成す   る.その変化・生成された音響・映像は会場のスピーカやテレビモニターを通して   観客に提示される.   製作グループ:中村滋延(企画・制作+サウンド・デザイン+映像),山田実(構   成+美術+立体),石原亘(映像+コンピュータ・グラフィックス),長嶋洋一   (システム・エンジニアリング) [メディア・コンサート]   メディア・コンサート「眼と耳の対位法(パート2)」では,音を重視した映像   作品,あるいは映像を伴う音楽作品が上演・上映される.そして上演・上映作品   の半分をニューメディアを用いた音楽と映像のインタラクティブ・ライブ・パ   フォーマンスによる作品が占める.   今日,映像は多様な展開を見せている.この一つの要因に映像メディアの急激な   質的・量的発展がある.メディアに依存する割合の高い映像表現にあっては,メ   ディアのこうした変化を無視することは出来ない.むしろメディアの特性を理解   して,それと積極的に関わり,新しい価値観・世界観を表出していくべきであろう.   我々は,そうした作品を提示することによって,まさに新しい価値観・世界観が   何であるかを探っていきたい.   しかし,「メディアの特性を理解し,それと積極的に関わった作品」と一口に言っ   てもその意味する範囲は広い.我々はあえて範囲を狭めて,上述の意図がより明   確に示されるようにしたい.つまり,音・音楽を表現上の基盤に据えた映像作品   を中心に提示することによって,メディアの変化がもたらしたものを考えていき   たいのである.   なお,提示の対象を音・音楽に限定したことは恣意的なものではない.映像表現   はその誕生時から,それこそサイレント映画の時代から,音・音楽との関わりな   しには在りえなかったのである.限定は,問題の本質に近づくための選択である. ○入場料:   ビデオ上映会とメディア・インスタレーションについては入場無料.   コンサートについては;   両日共\1,800(前売り\1,500),2夜連続券\3,000(前売り\2,500)   前売り所=チケットぴあ,関西ドイツ文化センター京都,京都大学生協,同志社   大学生協,京都造形芸術大学及び京都芸術短期大学購買部,京都精華大学購買部 ■会場   関西ドイツ文化センター京都   〒606京都市左京区吉田河原町19-3   Tel.075-761-2188   市バス河原町通り,荒神口下車東へ,川端通り荒神橋上がる.   あるいは,京阪丸太町駅下車北へ,川端通り荒神橋上がる.   ギャラリー楽   〒606京都市左京区北白川瓜生山2-116   京都芸術短期大学   Tel.075-791-9121(代表)   JR京都駅,阪急河原町,京阪三条から,市バス5系統「岩倉」(あるいは「修学院」   行き),上終町(かみはてちょう)下車すぐ.   あるいは,叡山電車茶山駅下車,東へ徒歩約10分