Sketching日記(19)
長嶋 洋一
2023年8月28日(月)
渡英出発の日である。 朝6時過ぎにはホテル(セントレア東横イン)を出てレンタルWiFiを無人ロッカーからQRコード提示で受け取り、7時過ぎのフライトで羽田に飛ぶのだが、出発前のテンションで5時前には目が覚めた。 羽田からヒースローまでのフライト(太陽を追いかけるのでなかなか日が暮れない)はロシア上空を迂回するために3時間ほど長い14時間になり、エディンバラ行きに乗り継いでさらに1時間ちょっと飛ぶので、ホテルに到着するのは24時間以上も後になるという、「長い長い1日」なのだ。
昨夜はホテルのテレビでちょっと凄いものを観た。 浜松では放送していないのでまったく知らなかったのだが、「どまつり(にっぽんど真ん中祭り)」というイベントの本祭(最終日)というのを生中継していたので、2時間どっぷり堪能した。 そして調べてみると、 どまつりは、 もう25年間もやっているものらしく、その盛り上がりは凄いものだった。 昨今のダンス/よさこいの盛り上がりの源流の一つなのかもしれない。
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・・・そしてここは羽田からヒースローまで13時間半ほどのフライトの途中、残り8時間ほどの地点である。 羽田から東北沖の台風10号の真上を抜けてまっすぐにベーリング海峡に向かってきて、ちょうどシベリアとアラスカの間を抜けるところで、ここから北極海の上空を北欧の方向に向かうことになる。 いつものようにワイン3杯で爆睡して、目覚めてみると現地時間は朝8時過ぎということで、ここからはずっと「寝ない」体制なので、いつものようにストレッチと冷たいオレンジジュースと濃いブラックコーヒーを仕込んだところだ。 実は昨夜、「どまつり」を堪能した後で、AM2023のWorkshop1のページに行ってみると、なんと テキスト が置かれていたので、ローカルに このように ダウンロードしておいたので、ネットが繋がっていない機内でも「予習」が出来るのようになったので、ちょっとやってみたくなったのだ。
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上はこの資料をゲットするより前に1106研究室でやっていたもので、Max8からはMIDIの送り先として「IAC Driver」を指定してやると、「MIDIClient.init;」と「MIDIIn.connectAll;」で指定したSuperColliderはちゃんとMIDIメッセージを内部的に受けて、ここではSynthのDefault、つまり標準MIDI音源のピアノ音で鳴ってくれるのだった。 WorkshopではこのGM音源を、各種の古典的なシンセサイザ音源に置換して鳴らすというらしいので、この予習はまずまず「繋がっている」のだ。 ただしMax8の鍵盤オブジェクトをマウスドラッグのようにバラバラ・・・と弾くと、何故か鳴り続けて消えない音が出現するので、このあたり、最初から質問事項が用意できているのだ。
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そして、上は見た目はあまり変わっていないようだが、WorkshopのPart2の最初のサンプル「1.scd」を鳴らしているところである。 機内では耳栓をしているので、提供されているヘッドホンをかけてMacを最大音量にして(^_^;)ようやく聞こえるのだが、確かにここではSynthDefとしてLFSawとLFPulseの2つのオシレータを足し合わせた音源に、さらにADSRのエンベロープをかけたEnvGenを乗算した、立派な「減算方式」シンセサイザがMax8からのMIDI情報でトリガされている。 これはなかなか凄いことなのか、あるいはこれまでSuperColliderでは「MIDIベースの鳴らし方」をしてこなかっただけなのか、なかなか微妙なところだ。
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上はPart2の「3.scd」で、MIDIノートイベントから拡張して、ピッチベンド情報を送ってみたところである。 詳細不明なものの、ピッチがずれたサウンドが確かに聞こえてきた。 考えてみると、非「打ち込み」派である僕は、これまで長いことMIDIベースで色々なセンサ情報を送って音響生成してきたものの、MIDIピッチベンドというプロトコルは使ったことがほぼ絶無であったと気付かされた。 ピッチベンドはそのMIDIノートナンバに対してdefaultで上下「全音」の幅しか変化せず、さらに7ビットでなく高精度な14ビット幅の場合には、2バイトに分割されてMSBが消えた2つのデータを計算しないとイケナイので、あまりソソラレなかったようだ。
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上はPart3の「2.scd」で、Part3はAdditiveと言いながらどうやらDX-7を模したFM音源大会らしい。 一応、コントロールチェンジで77番と93番というのを送ってみたのだが、FMサウンドである事は分かったのの、機内では変化がよく分からなかった。 まぁ、これは現場で確認することにしよう。 こんな感じで順調に予習をしていると、フライトはようやく全体の半分ぐらいになってきて、北極海に向かってずんずん進んでいる。 機内では英国仕様のコンセントが椅子ごとにあったのだが、差し込んでも通電していない模様だったので、まぁ予習はこのぐらいにしておこう。
・・・そしてここはEdinburghのホテルの部屋で、すでにこの日の25時になろうという時間(日本時間では29日(火)の朝9時前)である。 上記のように機内で予習したり、最近は機内にゲームが無くなって「数独」が出来ないので、「おもウマイ店」とか「水曜日のダウンタウン」などのビデオを見たりして過ごして、ロンドン・ヒースロー空港に到着した。 到着のターミナル2から乗り継ぎのBrtish Airwaysのターミナル5への移動の地下鉄も順調に進んだが、ターミナル5に着いてみると、なんだか異常だった。 出発ロビーに人があふれていて、とにかく行列の嵐なのだった。 思い出してみると、オンラインチェクインを済ませていたのに、「セントレア→羽田」と「羽田→ヒースロー」の搭乗券は出たものの、何故かセントレアでは「作れない。羽田なら出来るでしょう」との事だったが、羽田でも何故か作れず、ヒースローに着いていったん入国してからBAでチェックインしよう、という事にしていた。 baggageを預けないので自動チェックイン機で発券できる筈なのに、パスポート確認で搭乗者と確認できているのに何故か発券出来なくて「これを見せてBA係員に聞け」というレアなチケットが印刷されて出てきた。 そして、その肝心のBAのチェックインカウンターがなんとも長蛇の列だったのだ。 仕方なく30分ほど並んでじりじりしていたら、若い係員が機転を利かして「18:45までの出発の人は手を上げて(→列の先頭に移動させる)」と叫んでいて、ちょうど僕のフライトが18:45だったので手を上げて一気に列の先頭にワープできた。 そしてチェックインして搭乗券を発券したものの、係員が何やら難しい英語で言ってきて、どうやら何かのトラブルがあるのでゲートが決まっていないので、空港内の案内ディスプレイに出るゲート情報に従ってね、とのことだった。 そしてここでレンタルWiFiの電源を入れてみると、以下のようなメイルがBrtish Airwaysから届いていた。
だんだん分かってきたのだが、英国全体のAir Traffic Controlにトラブルが起きていて、多数の便がキャンセルになり、多数の便が通常通りには飛んでいないということらしい。 そして18:45のフライトのゲート[A4]が表示されたのでそこに行ってみると、またまた行列になっていて、18:45になってもまったく動く気配がなく、アナウンスで出発が20:15になり、さらに20:45になる・・・というボロボロの状態(それでもcancelledにならないだけマシ)だった。 結局、21:30頃にようやく飛んで、Edinburghに到着したのは2時間遅れとなり、ホテルにはバスで行く予定だったのをタクシーで行くことにした。 そんなこんなで、とりあえずシャワーを浴びたところで、長い長い一日が終わりである。Dear MR NAGASHIMA Thank you for choosing to fly with British Airways. Please be advised that due to a network-wide Air Traffic Control issue currently impacting UK airspace, your flight will be severely disrupted and we will need to cancel a number of services today. This issue is outside of our control and we apologise for any inconvenience caused. If you are at the airport waiting to board your flight, please continue to check flight information boards for further updates. If you are travelling on a short-haul flight due to operate today, 28th August, please do not go to the airport unless your flight is shown to be operating. You can check the status of your flight by visiting www.ba.com/managemybooking and by checking your email inbox. Thank you for your patience.2023年8月29日(火)
Edinburgh二日目、日本からは想像できない、とても涼しい朝である。 昨夜は25時(正確には今日の午前1時)過ぎに無理矢理にベッドに入ったが、身体時間の日本は午前中ということで睡眠はごく短時間で、午前4時には起きてしまった(日本時間だと正午)。 まぁ、次第に慣れていくのでここはもう、起きてしまうしかない。 いつものようにYAHOOニュースを眺めよう・・・と思ったら、去年のアルスエレクトロニカで知ったのだが、以下のように欧州/英国ではYAHOOが使えないことを思い出さされた。
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そこで昨日の航空トラブルについて「Googleニュース」で調べてみると、「 英航空管制、一時トラブル 欠航や大幅遅延」とか、「 英航空管制、一時トラブル 欠航や大幅遅延」とか出てきて、英国だけでなく影響は欧州全体だったのだとゾッとした。 最新のロイターだと「 欧州全域で航空便が大幅遅延、英管制の「技術的問題」は復旧」ということで、ぼちぼち解決しそうだが、「正常な運航に戻るまでは数日間かかる見通し」などとも書かれているので、ブリュッセルでANAに乗り継ぐ帰国便がどうなるか、ちょっと注意が必要だ。
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そして、今日の天気はどうかな・・・とまず適当に「weather.com」と入れてみるとどうやら米国系のサイトのようで、なんだかイマイチな天気の感じだった。 そこでまた適当に、BBCならきっと「bbc.com/weather」があるだろう・・・と入れてみると上のように出てきて、なんだかこちらの方が良さげだったのでブックマークした。 毎日、ここを眺めて出発する感じになるが、最高気温16℃というのは、「涼しい」というよりも「寒い」気がする。
ホテルでの仕事が終わってしまったので、7時過ぎになってフト思い立って、ホテル前のバス停からAM2023の会場の大学に向かう4番のバスを逆方向に乗ってCity Centerに向かって、今日の午後に行く場所の下見をしつつ「土地勘」を育んだ。 思い知らされたのは2点、「とっっっても寒い」という事と、中世からある場所だから当然だが「ものすごいアップダウンの街」という事実だった。 これは観光客はいい運動になりそうだ。
そしてCity Centerから4番に乗ってEdinburgh Napier Universityに向かった。 以前に一度、Googleマップで「下見」していたこともあり、難なくメイン会場の新しいビルに到着して、コーヒーをいただき、インスタレーションの会場(なんと僕には一人で大きな部屋を確保してくれていて、大スクリーンのプロジェクション、そしてヘッドホンでなくスピーカーが鳴る!!)を確認した。 部屋の写真とかは撮ったのだが、この日記にここでは置けないので、フォトレポートの方を見ていただきたい。 HDMIケーブルの長いのが無いのでテストは出来なかったが、準備を完了させて、10時からのWorkshop1に向かった。 Workshopに参加しながらこのHTMLを書くというのはちょっと無理筋なのだが、行けるところまで行ってみよう。
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Workshopの参加者は8人ほどで、初心者もベテランもいるという玉石混交だった。 分かっている人は分かっているものの、ちょっと初心者には厳しい中身(盛り沢山)であり、講師はスウェーデンの人なので英語に独特の分かりにくさがあって、この内容なのでようやく付いて行けるという感じだった。 スタートから45分のイントロダクションでは、Web版テキストの入り口で多くの簡単なスクリプトが紹介されたが、それを見て打ち込む余裕が無かったのは残念である。 上はPart1の「6.scd」を鳴らすのに、MIDIの送り側のMax8パッチを色々と追加してみたものである。 noteだけでなくvelocityもランダムにしたのに音色が変化しないと思ったら、SuperColliderのSynthDefにそのパラメータが無かった(^_^;)。 単純な減算合成でも、矩形波だけでなくPWMが出来たり、LPF/HPFではレゾナンスが無いのに対してRLPF/RHPFというのがある、というのはここで初めて知った。 ただし、VCOをLFOで変調する「Vibrate」、VCFをLFOで変調する「ワウワウ」、VCAをLFOで変調する「トレモロ」に触れていないとこはちょっと残念だった。
Part2の最後の「5.scd」がシンプルだったのはDurationが短かったからと判明してクリアになった。 5000msecとか7000msecだと、この単純なサウンドがとても美味しい。 まぁ基本的にはSuperColliderでなくMax/MSPでサウンドを作るという立場なので、このWorkshopの後にはこんな実験をすることも無くなるのだが、こうしてみるとまだまだSuperColliderにもいいところがある・・・と再発見できただけでも、参加した意義があった。 そして「予習」ではやっていなかったPart3のAdditive Synthesis(これがFMというのがどうも納得いかないものの)をやってみると、これもDurationが短かっただけのことで、「1.scd」から「4.scd」まで、ちゃんとリッチなFMサウンドを体験できた。
ここまで2時間、ずっと滔々と英語を聞き続けたが、なんせネタが予習済みで中身は基本的なサウンドの話ということもあって、過去の国際会議の初日では有り得なかったのだが、どうも「英語スイッチ」が入ってしまったような気になった。 たいていは「英語で考える」ことが出来るようになってくるのは帰国前日あたりなので、これは嬉しい「予想外」である。 そしてPart4はサウンドファイルを単にサンプラーとして「再生」するものである。 MIDI受信クライアントの方で読み込むサウンドサンプルを定義するので、SynthDefは変わらないのだった。 さらにテキストのページでダウンロード出来なかった「synth_c.wav」は「synth_C.wav」になっていた事も判明して解決した。
そして参加者各自のプログラム演習の時間をとって、無事にWorkshop1は終わりとなった。 他の参加者は会場で用意されたMIDIキーボードを弾いていたが、Max8から鳴らしていた僕にとっては単なるトリガなので、先入観から想い抱いていたノート的音楽とは違う世界の展開に、ちょっと「目から鱗」というところもあった。 これまで、こんなに初日から濃密な日があったかな、と思うぐらいの収穫で、ランチをいただいたら脱出してCity Centerでプチ観光するにしても堂々と行ける気がした。 明日からはPaper Sessionと、その裏でのInstallationの発表もあるし、アタウとも会えるし、いよいよ楽しみになってきた。そして参加者には毎日提供されているlunchは「軽食」である事が判明したが、それでも朝イチのcoffeeというのにマフィンみたいなド甘いのが付いているので、ホテルが朝食ナシ(別途料金は12ポンドなので円安の現在は2200円以上)の者には助かる。 予定通りに13時からのランチを早々に片付けて会場を抜け出して、いよいよCity Centerに向かった。
バス停で4番に乗ってホテルで身軽になって・・・と思っていたのに、4番に続けて来た10番に乗るものと判断されたのかシカトされて4番が止まらずに行ってしまったので、ここで寒空にまた20分も待ちたくないので、行き先も知らずに後続の10番に飛び乗った。 だんだんEdinburghの土地勘が出来てきたのだが、たいていのバスはCity Centerの付近(Princes Street)を通るので、バス停で「ここで乗り換えられるバス路線」の表示がいくつもある所で降りるというのが作戦としては上手いのだ。 そして高台のエジンバラ城が見えていればまぁ大丈夫、というのもあって(京都市内で比叡山が見えていれば方角が分かるのと一緒)、適当に降りたバス停から適当に歩いていくとちゃんと昨日に下見したエジンバラ城の入り口に到着した。 昨日は早朝だったので無人だったが、それこそ芋を洗うような大混雑で、係員にチケット売り場を聞いたら、なんとネットで事前に購入していないと入れず(当日券は売り切れ)、早くても明日になるとの事で、ここであっさりとエジンバラ城に行くことが消えた。
エジンバラ城の入り口から徒歩1-2分にあるのが「 Camera Obscura 」と「 Scotch Whisky Experience 」であり、基本的にここの2箇所だけ行ければ今日はOK、というつもりで来たのである。 ところがが「 Camera Obscura 」も当日飛び込みではチケットが買えずオンラインだ・・・という事になって、レンタルWiFiを起動してiPadで接続して・・・と悪戦苦闘していたら、最後のカード支払いの段でカード会社のセキュリティのためのパスコードを求められて、これはパソコンでないと無理だと悲惨な事になった。 しかし幸運というのはあるもので、困惑していた表情を汲み取ったスタッフが「1人ならこの場でカード購入OK」と柔軟な対応をしてくれて、もう1時間ほど待つ必要があったのに(Web上ではsold outの満員御礼)、なし崩しで1人だけスグに入れてしまった。 その内容は素晴らしいものだが、とてもここでは書けないので(この部分はホテルに帰ってきて1階のバーで美味しいビールと共に打ち込んでいる)、詳しくはフォトレポートを参照されたい。
引き続き「Camera Obscura」の向かいにある「 Scotch Whisky Experience 」に行ってみると、こちらもネットでの事前予約が原則となっていて、当日購入はだいぶ後まで待つという筈だったが、僕が1人だと知るとまたまた「1人ならこの場でカード購入OK」となって、既にスタートしていたツアーに遅れて合流できてしまった。 一人旅のメリットというか、事前予約ならそれぞれ待ち時間があったのに、両方とも臨機応変のクイック入場となった。 その内容は素晴らしいものだが、とてもここでは書けないので、こちらも詳しくはフォトレポートを参照されたい。 少量とはいっても、シングルモルトのストレートでウイスキー5種類、計7杯を飲んだのでだいぶ気持ちよく酔ってしまった。
ここで17時ぐらいになり、さらにold cityを歩いていたら小雨が降ってきて、英国なのに「米国風レストラン」というのに飛び込んで、本日初めての「肉」(ステーキ)とワインを堪能した。 そして土地勘に従ってPrinces Streetに降りてきてバスでホテルに帰って、ウイスキー→ワイン→の最後はやはりビールだ、とホテル1階バーにやってきて苦くて美味しい地ビールを堪能しつつ、ここまで書き上げたら20時になった。 あとは不足している睡眠が取れれば儲け物、ということで本日は終了である。 パソコンの時計は変更しないので見えているが、日本時間はこの時点で翌日の午前4時である。2023年8月30日(水)
Edinburgh三日目、引き続きとても涼しい朝である。 昨夜は21時あたりに無理矢理にベッドに入ったが、まだ日本の身体時間が残っていて1-2時間間隔の細切れで一寸目覚めることがあったが、なんとか最終的には午前5時半の起床となった。 これがさらに次第に後ろにずれて行くことを期待するしよう。 シャワーに続いて、コーヒーと共にbbc.com/weatherを見ると、今日は一日、雨が降らないようなので折りたたみ傘を荷物から外して、代わりに奥さんがユニクロで仕入れてくれた超軽い(圧縮すると超小さくなる)ダウンジャケットを夜に備えて荷物に入れた。 昨日からずっと毎日、PAW-eightの入った「Mac miniの箱」を荷物に入れている(Paperとparallelで毎日Installation展示がある)ので、軽いもののそこそこパンパンになったバッグを背負う毎日である。 ネットニュースからは「阪神のマジックが消えた」という情報が届いたが、2003年以降にこれまで2度もマジックが消えてそのまま落ちていったので、ドMの阪神ファンとしては痛くも痒くも無い。 ここまでいい夢を見させてくれただけで御の字なのだ。
今日は合間にInstallation展示をしつつWelcome TalkやPaper SessionやKeynoteがあり、夕方には専用バスでもう一つのキャンパス「Merchiston Campus」に移動してのコンサートがある。 そこからの帰路についてロジアンバスのサイトで調べてみると、最寄りの「Napier University」というバス停の45番バスは、(1)南下すると「Craiglockhart Campus」(今日これから行くところ)を通るので(Napier Universityの両キャンパスを結んでいる)、ここまで行って反対側の4番に乗り換えればホテルに帰れる、(2)北上すると「Leith Street(Stop JC)」を通るが、ここは北から南下してきた4番も通るので、こちらで反対側に乗り換えてもホテルに帰れる・・・と判明した。 さらにCity Centerからホテル前の「Springwell House」まで(途中に「Haymarket Station (Stop HA)」も通る)には、4番だけでなく44番も通ることを発見した。 コンサート後の夕食をどこでいただくかによるが、もしかするとアタウと御一緒?という可能性もあるので、今夜の行き当たりばったりに任せることにした。ちょうどスタートに間に合うバス(08:40)に乗るために8時半に出発するまであと40分ほどになったので、ここで昨日の記録の追加でもしてみよう。 何と言っても驚いたのは Camera Obscura だった。 元々は「 カメラの原型 」と言われるこの仕掛けをテーマにした博物館なのだと期待したが、いやいや現代版「視覚もろもろ博物館」として子供連れの来場者で押すな押すなの盛況だった。 壁にはエッシャーの版画とか各種の歴史的な「騙し絵」などが並び、日本の「錯視」といえばこの人、立命館大学の北岡先生のホームページにある多数の錯視画像も同様に壁を飾っていた。 錯覚体験ということで「科学館」よりも「アミューズメント」に徹していて、以下のような「合わせ鏡」のところに頭を突っ込むとずっと遠くまで反復する自分の姿を楽しめた。
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そして、館内ツアーのコースの終盤あたりにもってきて一番盛り上がる2つのアトラクションには圧倒された。 以下はその一つで、手すりのある狭い通路を入ってから向こうまで真っ直ぐ歩いて通り抜けるだけの部屋で、これには本当にマイッタ。 下の静止画(写真)を見てもまったく分からないのだが、通路の周囲は円筒形になっていて、その円筒形の壁が多数のLEDテープで敷き詰められていて、カラフルなパターンがぐるぐると回転しつつ色変化する、というだけのものである。 手すりのある通路は固定の建造物なので、目をつぶって手すりを持って歩くだけならものの10数秒で反対側に到着するのだが、この「光の回転」に包まれることで、脳は身体をその反対方向に強烈な力で「傾けよう」とするのだ。 その結果、自分の身体が傾くので、手すりで支えるにしても通路の床面が傾いているように知覚され、一歩がなかなか出ないで立ちすくむことになる。 これは本当に凄い体験で、「視覚情報だけからここまで身体感覚を強制できる」という事実に驚いた。 ここに空間サウンドまで加えたら、もっともっと凄いことになるかもしれない。
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もう一つのアトラクションはほぼ館内ツアーの最後「トリ」なのだが、残念ながらWebサイトに写真が無かった。 まぁ、「来てのお楽しみ」という事なのだろう。 言葉で記述してみると、これはまず「迷路」であり、入り口から入って出口に出るだけなのだが、まず入り口の前で、全ての参加者はポリ手袋を両手に装着する事を求められた。 その迷路は、上空から見た場合、正三角形を敷き詰めた構造になっていて、その「壁」が全て鏡、というものである。 鏡の縁には照明があるのでまったく暗いことはないのだが、合わせ鏡となってずっと先まで鏡の間が続いているのだ。 従って、来場者は恐る恐る、その壁が鏡なのか通路(進める)のかを手探りで触っていくので、ポリ手袋によって手を保護しつつ鏡が汚れないようにしてあるのだった。 言葉だけでは説明できないが、いやいやこれは本当に凄い体験だった。 僕はたまたまソコソコ早く出口に出たが、いつまでたっても出られずパニックになっている親子が多数いて、なかなか騒然とした空間なのだ。 原理がシンプルであるだけに効果はてきめんで、これはあらゆる「錯覚モノ」の中でも僕としては上の「回転通路」と並んで大きな収穫となった。 ただし、材料費が膨大にかかるので、ちょっと自分で作るというわけにはいかず、それこそがこの博物館の存在意義になっているのだろう。
ここはメイン会場、Openingが終わって最初のKeynoteが始まったところである。 KeynoteはBBCのマルチメディア関係のディレクタという女性だが、流暢な本場の英語はちょっと追いつけない感じだ。 実はOpeningに遅刻したのだが、それは僕だけに割り当てられた(他の部屋は2人が同居)Installationの部屋で動作確認をしていたからである。 スタッフはだいぶ頑張ってくれて、大きなプロシェクタに伸ばすHDMIケーブル、そして大音量のPAを設置してくれて、さらにこんなに来ないだろうという数の椅子までぐるっと配置してくれた。 無事に動作確認してここに合流したが、どうも研究開発というよりはマネジメント系のお話のようで、軽く聞き流すことにした。 今日は上のように、午前のPaperの後半、午後のPaper/Demoの後半に抜け出して、誰が来るか分からない部屋で「お客」を待つということになる。Wednesday, 30th August 12:00-13:00 , 16:00-17:30 Thursday, 31st August 11:00-12:00 , 15:00-16:30 Friday, 1st September 09:30-10:00 (only!)そしてPaper Sessionが始まったが、この会議では論文が全て入ったProceedingsが何故か間に合わず、 アブストラクト集 だけがWeb公開された。 今回はこれをいちいちDeepL翻訳して並べるのは省略するが、なんせセッションの半分ほどでいつも退席してInstallationの展示に向かうからである。
今朝まではなんとか動作していた持参デジカメが遂に寿命を迎えた(写真を撮るボタンの部分が接食不良で押せなくなった)のだが、こんな事もあろうかとスペアを持参していたのでサッとそちらに切り替えた。 SDHCカードを差し替えれば、ちゃんと連番のファイルが出来てくれるとは嬉しい。 このスペアは、去年のアルスエレクトロニカに持参した時に落としたはずみで内部のクッション材の断片がケースに挟まってちょっとだけ隙間が開いている(^_^;)というものなのだが、余程マシなのだ。
元々、いつものゼミ等の1106で活躍し、出張のたびに1000枚/日程度に酷使しているこのSONYのデジカメは、とうの昔に製造中止された古いモデルである。 ただしスペアバッテリー等の互換性を重視して数年前にヤフオクで5-6個をゲットし、どこか壊れても次のマシンの修理のために「部品取り」用にキープするなどしてきたものであり、もはや新品は絶無で、あと残っている中古(ジャンク)も2-3台と減ってきた。 ここで気付いたのが、いつも出張に持参して、途中でバックアップをしたりフォトレポートを同時進行で書くために必須の「SDHCカードリーダー」を忘れたことだった。 そして受付で、(1)買おうにもこの大学のショップは営業していない、(2)借用しようにも対応USBがUSB-C、と条件が合わないので、(3)ランチ後の午後のセッション前半の時間を利用してバスでCity Centerに出かけて入手することにした。 「City Centerに行けば、Princes StreetのあたりにPCショップなどいくつもある」との証言を信じよう。そして午前のセッション後半には数人の「お客さん」にInstallationを体験してもらって、速攻ランチ後に会場を出てから約2時間後の午後3時過ぎ、再び会場に戻ってきた。 結論としてはCity Centerでなく「ヘイマーケット」という、途中のちょっと雑多に賑わっているエリアに携帯ショップを発見して、そこに無事に「各種カードリーダ」というのを見付けてゲット出来たのだ。 これはデジカメに1枚だけ挿さっているSDHCカードのデータが何かのトラブルで消えることに備えてのバックアップと、この日記と同時並行でフォトレポートのページを作れる、という二重の意味でとても大きい。 円安でも11.25ポンド(約2000円)と手頃だったので、ここで「安心」を得たのは大きい。 初めてのエジンバラだが、なんとなく土地勘も出来てきた。
会場に戻ってさらに気付いたのは、どうやらAM2023という会議では、Paper Sessionで採択された研究は、ちょうど音情研のデモセッションのように全体の場では短時間にサワリだけ話して、残りの時間はPosterの場に発表者がいて、次々に覗いてくる参加者と議論する・・・というスタイルなのだった。 作曲した作品が採択されてコンサートセッションで発表した過去のNIMEなどのように、Installation発表というスタイルで参加してみると、どうしてもPaperの方に身が入らないので、今回はポスターで告知した時間帯はプレゼン部屋で待機していて誰か来たら体験してもらうのだが、それ以外の時間帯もこの部屋でこのように内職に勤しむという形になりそうだ。
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ネットからは上のような、「牛久大仏と花火」という素晴らしい画像が届いていた。 そして、午後にもたくさんの人が(といっても数人)Installationの体験をしてくれた。 面白かった例としては、(1)本来は両手で操作するPAW-eightを二人が片手ずつで操作したもの、(2)このゲームの目的を離れて、即興的に操作してライヴ・グラフィクスと共に「音楽演奏」を楽しむ人(2人いた)、というものがあった。 これは作者としては想定外だったが、それもまた一興である。
そして17時になったところで、ドアの両面に貼ってあった「展示時間帯の予告」にテープを貼ったり書き換えたりして、上のようにする事にした。 つまり、この日と同様に翌日の午後は1時間に短縮し、さらに4日目については「たった30分だけの展示のために会場に行く」というのをやはりキャンセルして、つまり最終日は完全シカトと決めた。 その後、SDHCカードリーダを活用してここまでのデジカメ写真(700枚以上)を整理して、 フォトレポート の形にまとめて(まだアップロードせず)、待ち時間を有効活用した。 その後はいよいよコンサートに向かったのだが、この部分は明日の朝にでも書き込んでいこう。Wednesday, 30th August 12:00-13:00 , 16:00-17:00 Thursday, 31st August 11:00-12:00 , 15:00-16:002023年8月31日(木)
さてEdinburgh四日目、AM2023も三日目である。 昨夜はコンサート会場行きのバスに乗って(バスが来るのが遅れたり途中で道路工事とかあって大幅に遅れたがよくあること)、Merchiston Campusのコンサート会場に行った。 いきなりアタウと久しぶりの握手を交わして、ワインなどいただきつつ、とても充実した時間を過ごせた。 5作品のコンサートだったが、いやいや多種多様、流行りのネット越しセッションがあるかと思えば古典的な電子音響音楽あり、Leap Motionでおじさんが舞った身振りからディスコサウンドが鳴ったりした。 そしてトリのTanaka Atauであるが、やはり最近開発した新しい筋電センサを活用して、テーブルの上にはパッチコードがジャングル化しているMIDI制御アナログシンセが陣取る、というスタイルだった。 実際にはその後ろにMacBookがあって、Max8が全ての筋電情報その他を処理しているのだが、見せ方としては、アナログシンセのボリュームつまみを回してライヴ音量調整することを採用したのだ。 しかし、「耳たぶセンサで心拍をセンシングしてビート音を出す」・「(ヨガの訓練をした結果として)その心拍を遅くしたり戻したりする」・「生の筋電サウンドを音源として使う」という今回のアタウの表現は、なんか僕もどこかでやっていたようでデジャヴだった。 トリにふさわしく圧巻のパフォーマンスだった。
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時差ぼけがきつくて今朝になってもまだまだ遅寝早起きが続くので、ホテルのWiFiから昨日までの写真を フォトレポート のページに上げてみた。 もう今回はピンボケとかを外すこともなく(InstallationもConcertも暗い会場なので仕方ない)、全部ベタ並べである。 冒頭に、Concert会場で久しぶりに再会したアタウとの写真を置くだけで嬉しくなった。
今夜のDinner会場である「The Cave」は、Googleマップで調べてみると最寄りのバス停が「South Bridge」なのだが、どうもバスの 走る道路の下にある道(なのでBridge)からしか行けないようで、早めに現地に行ってみる必要がありそうだ。 ホテルへの帰途については、この「South Bridge」を通る3番のバスが、ホテル前のバス停の1つ前で別の方向に行くことを確認して、(1)3番に乗ってこのバス停で降りる、(2)Prices Streetを3番も4番も通るので、3番を降りて4番か44番に乗り換える、といういずれかで対応することにした。
Paper Sessionが始まってみると、やはりプレゼンは「要旨」だけ簡単にトークして、その場では質疑も何もなくて、全ては発表ごとにコーナーがあって、そこで質問でも議論でもデモでも何でもあり・・・というものだった。 このスタイルの学会/国際会議はこれまで経験が無かったのだが、なかなか上手いシステムであると感心した。 要旨プレゼンが終われば皆んなそれぞれのコーナーに行くのだが、僕はInatallationの部屋で内職が続けられるという、こちらもまずまず美味しい対応が出来た。
そして午前の1時間ちょっとの間にまたまた計10人ぐらいが来てくれた。 11:50頃になってTanaka Atauを含めて御一行様が来たのだが、12時からKeynoteなのでちょっと尻切れになった。 さすがのアタウ、初めての難しいセンサのコントロールも短時間にマスターしていた。 残りは15-16時のスロットとなったが、尻切れ組はなんだか来る気マンマンで、どうもリベンジに来てくれそうだ。 ランチがあり、午後のPaper Sessionが始まったが、14時といっても身体時間は22時なので、なかなか強烈なJet Lagに襲われた。 どうも時差がずれたまま数日が経過して、そのまま帰れば元に戻る筈なのだが、過去の例としてはそんなに上手くはいかないのだ。2023年9月1日(金)
さてEdinburgh五日目、AM2023は最終4日目なのだがプログラムは午前だけとなっている。 そのPaper Sessionのテーマは「空間音響」であり、これは初日のWorkshop2と同様に僕の中でのpriorityが低いために、Installation発表を30分だけと予告していたのも取り消して(昨日と一昨日の2日間、午前午後それぞれ1時間のスロットに多数の来場者があったのは大きな収穫)、会場には行かないと決めていた日である。 さすがに3日目になって深夜/早朝の目覚めが減ってきて、起床は十分に寝た感じでの午前5時となった。 毎日、晩にホテルに戻ってくれば何もせず寝るので、この日記の記載は「前日はこうだった」という形になるが、早朝に目覚めた時に作業しているので、まぁ1日ぐらいの誤差は多めに見て欲しい。 天気を見てみると、短い時間に雨が降る可能性はあるものの、まずまずの好天であり、まだ暑いらしい日本に比べれば天国のようなEdinburgなのだ。
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その昨日については、午前も午後もInstallation展示発表にたくさんの人が来てくれて、過去のSketchingでのデモ展示との違いが鮮明になった。 Sketchingの参加者は錚々たる研究者/エンジニアなのだが、専門は「音楽」「サウンド」というわけではない。 そこでPAW-eightを使った"Deep Space Game"を体験していると、まぁインタラクティブ・マルチメディアを楽しむ普通の人たちなのだった。 ところがAMというのは、Audio Mostlyということなので、まず第一に「サウンド」に重点があり、さらに「音楽関係」の人も多い。 そこで、PAW-eightを操作している様子( フォトレポート に多数あり)を、 Sketching2019のデモ と比較すると、Sketchingの「笑顔」と違って、圧倒的に「真剣」なのだった。 センサとのインタラクションや、生成されるサウンド/グラフィクスに真摯に向き合って、この作品の深遠な世界をちゃんと理解してくれたのは、まさにAM2023ならではの事だろう。
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そして昨日の晩は、Edinburghでも有名な「The Cave」でのGala Dinnerを楽しんだ。 その様子はまぁ、 フォトレポート にたくさんある。 そして、11月からヤマハのインターンシップに来日する、という学生?院生?と知り合って(名刺が無いので名前は失念)、もしかすると Final Lecture/Workshop by YN のライヴに来てくれるカモ・・・という話になった。 せっかくなので国際文化学科に働きかけて、何かトークでもしてもらえたら面白いかもしれない。
そういうわけで、今日は渡英前から仕込んでいた上の2件、「フォース橋クルーズ」と「ビール工場見学」というお楽しみになる。 たぶんこの日記に追記するのは、またまた明日以降になるだろう。
2023年9月2日(土)
Edinburg最終日、帰国日となった。 夜中に目覚めても起きず無理に遅くしてきた起床時刻はようやく午前6時頃になったが、これで帰国後の時差ぼけ(東に行くので逆方向よりキツい)も覚悟する必要が出てきた。 昨日はほぼ予定通りだったが、AM2023にちょっちだけ出るという時間帯が無くなったので、事前に購入していた以下の「Hop-On, Hop-Off」バス(どこでも乗り降り自由の2階建て観光バス)のブルーのラインの始発に乗り込み。2階席のうち前半分がに屋根がある最前列に陣取って一周した。
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そして、「フォース橋クルーズ」と「ビール工場見学」はそれぞれ、 フォトレポート にあるように無事に堪能できた。 いずれもCity Centerから1時間ほどバスに乗って現地に行く、という「遠出」なのでなかなか出来ないことだが、 Stewart Breweryはちょっと冷や汗ものだった。 バス停から現地までのGoogleMapをプリントしていたのだが、この欠点は道路の両側にあるバス停のどちらで降りたのか、という情報が欠けている事である。 確率は1/2なのだが、「バス停からちょっとの道を入る」という指示に対して、ちょうど現地で両方ともその「バス停からちょっとの道」があったので、事前に勝手に自分が思い込んでいた方向に行ったのだが、それが間違いだった(^_^;)。 300m以上、だいぶ進んで気付いたので、ここで一瞬だけ途方に暮れたが、レンタルWiFiルータを起動して、iPadでいつもはOFFにしているLocationをONにして、何年かぶりにGoogleMapアプリを起動すると、目的地と現在地が表示されて、安心して元のバス停に戻り、反対側の正しい入り口から徒歩で7-8分という現地に無事に到着できた。
起床してから1時間ほどで、この写真データまでをサーバに上げたので、今日はこれからCity Centerに出て、レッドラインかグリーンライン(ほぼ同じルート)に乗って一周したら、ぼちぼち空港に行ってみる予定である。 その後はWebを改定する余裕もなさそうなので、 フォトレポート の追記、この日記の追記、いずれも帰国後になりそうだ。
2023年9月3日(日)
さて、まず時計を見ると午前10時過ぎ、ここはブリュッセルを飛び立って約6時間、成田まであと約7時間、ウラル海上空を過ぎてアフガニスタンからモンゴルのあたりを飛んでいる機内である。 いつものように「ストレッチ+冷たいオレンジジュース+ブラックコーヒー」で強制的に目覚めて、ここからはもう寝ない(英国の身体時間だと午前2時あたり)という覚悟なのだ。
昨日の出発日についてはレッドラインで一周したぐらいだが、その車内のイアホンを日本語にしていたので知ったのは、City Centerのメインストリートを「プリンセスストリート」とずっと思い込んでいたが、これはPrinces Street、つまり過去のある時代の「2人の王子」から来ている、ということだった。 PrincessとPrincesとの違いはカタカナの日本人には見聞きしただけではわからないのだ。 そこで機内での作業としては、この日記を最初から見直して、この部分のバグを取ることからスタートして、HTMLを最初から全部ザッと眺めることになった。これまで何度となく海外出張してきたが、今回まったく初めてとなった事としては、「両替してきたポンドを全く使わず円に戻す」という新鮮な事実である。 これまでの出張でももちろんカードを使ってきたが、最近はさらに使用頻度が高いようなので、今回は両替も少なくして「3枚の50ポンド紙幣」だけを持って出国した。 そしてそのままお財布に日本円と並んで入っていたまま、つまりこの1週間、ズボンのポケットにお財布を入れているものの、小銭入れを含めて「お財布を取り出す」という行動がただの一度もなかったのだ。 これはほぼ、最近の日本での僕の日常と同じである。
老若男女を問わず、市民はバスに乗る際には、定期カード、バス用アブリ、タッチ対応クレジットカード、のいずれかをそれぞれのリーダに「かざす」事を繰り返していた。 定期でなく市内(広範囲)でバスに乗る場合、1日の最初にバスに乗ると2ポンド、もう1回乗るとまた2ポンド、ところがそれ以上はその日に何度乗っても上限4.8ポンドであり、普通はタッチ式クレジットカードは使った瞬間に決済されるのに、この4.8ポンドは夜中にまとめて1日1回決済されるようになっているのだ。 どんな店でも、カフェのコーヒーでも小額の買い物でも何でもカードでOK、ということで、小銭を準備する必要もなくなっていた。 レストランのチップは、カードリーダの画面で自分でチップ額を選ぶ(ゼロという選択肢もあり)というものだった。 この変化については、路頭にあちこち座り込んでいる物乞いの人たちが一番の被害者かもしれない。 というわけで、成田に帰国したら両替するのだが、結局、「円→ポンド」の手数料と「ポンド→円」の手数料だけが消費されることになった。 ただしこれは去年のチェコの例(チェコはまだまだ現金主義)があるので、あくまで英国での事情ということだ。2023年9月4日(月)
帰国翌日、もう今日は朝イチからお仕事していて、まず午前中に出張報告書類を提出、Amazonから届いていた部品の受領手続きなどを済ませて、最終日のデジカメのデータまで加えて フォトレポート の完成版をWebにアップした。 過去にあったパターンで、この日記に後からフォトレポートの写真リンクを入れたりして修正追記するのを今回は省略して、ひたすら前を向いて生きていくことにした。
そして引き続き、これはこの日記を見ている人だけの裏情報として、2000枚弱の全写真が並んだ フォトレポート全部版 (軽いブラクラ(^_^;))も作ってWebにアップした。 さらに、この全部版から、Installation作品の展示風景だけを抜き出した オリジナルI/Fに真剣だったりウケたりする人々の笑顔 というページもWebにアップした。 これは2015年のSketching2015とSI2015と2019年のSketching2019では「オリジナルI/Fにウケる人々の笑顔」というタイトルだったのに対して、今回初めて「真剣な人々」が加わっているのがポイントである。
そして、現地で仕入れたHDMCカードリーダの挙動が不審なのでバックアップせずにカメラ内に入れたまま持ち帰ったデータを無事に取り込んで、 Tanaka Atauのライヴ という動画と、その前半にトークしていたものまで含めた Tanaka Atauのライヴ(full version) という動画をYouTubeに上げた。 リンクはこの日記からだけにしておこう。
さらに、今回の英国ツアー中に寿命となったデジカメを受けて、一緒に持って行ったデジカメが引き継いだものの、最大ズームで見えてきた塵や埃を除去するために、 このように また久しぶりに分解清掃をした。 過去のデジカメ修理については、記録が ここ と ここ と ここ と ここ と ここ と ここ と ここ と ここ と ここ にあった。2023年9月5日(火)
帰国翌々日となったが、深夜に目覚めたり午後に一瞬眠くなったりすることはあっても、たかが数日という期間のため、時差ぼけはそれ程ではない感じであり、今日の午後にはリハビリを兼ねてJoyJoyヒトカラに行く予定である。 この日記の「2023年8月29日(火)」のところ、Workshop1に参加したところの最後あたりに、「スタートから45分のイントロダクションでは、Web版テキストの入り口で多くの簡単なスクリプトが紹介されたが、それを見て打ち込む余裕が無かったのは残念である」と書いていたのだが、その後、本人から イントロダクション部分 を入手していたので、ここからそのスクリプトは発掘可能(PDFなのでコピペで再打ち込み不要)である・・・と思い出した。 こうなると、どこかで「SuperCollider・復習大会」をやる事も重要なので、ここにメモしておこう。 そして1週間以上のインターバルとなったのでGuitarを弾いて指の感覚を思い出した後、昨日の フォトレポート とその派生版(全部版・「人々」版)に続いて、上のような情報を追記してWebにアップした。 これらはHTMLを加工して、オリジナルの置かれている場所に相対リンクを張るだけで、オリジナルの写真が無駄に重複散在していないのがポイントである。 長い手間をかけて、僕のサイト[nagasm.org]の内部は全てのリンクが相対リンクになっているので、これが可能なのだ。2023年9月7日(木)
昨日の午後にはM2・王さんの新楽器に向けてのアポがあり、 このように 本体上部のアクリル板に4つのSHARP赤外線距離センサを取り付けて、Arduino Microのプログラムにアナログ入力情報をコントロールチェンジのプロトコルとしてホストMax8にMIDI転送する部分まで完成させた。 照度センサのための光源として白色LEDを増設するのは来週となったが、Arduino周りのファームウェアはとりあえずこれで完成であり、王さんの作業はいよいよ「作曲」の続きとなってくる。 これまで制作してきたサウンド生成、グラフィック生成のMax8プログラムに対して、新楽器というインターフェースから届くリアルタイム・パラメータをどう「マッピング」していくか、というのがComputer Musicにおける作曲の重要なポイントなのだ。
そして今日は、何度か延期されてきた「H2A47号機打ち上げ」がYouTubeで生中継されるというので、久しぶりに眺めてみた。 なんせ前回、この日記の Part16 の「2023年3月7日(火)」のところで、「H3ロケット初号機、発射失敗 搭載衛星を軌道投入できず」という瞬間をライヴで見てしまっていたので、まさかH2では大丈夫だよな・・・と思いつつも、若干の不安があったのだ。
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なんか現地からの中継映像とかにはトラブルがあったものの、なんとか無事にここまでは成功して、1時間後ぐらいにはYAHOOニュースでも「H2A47号機打ち上げ成功 日本初の月面着陸目指す小型実証機「SLIM」など軌道投入 鹿児島」というのが流れてきた。 まぁ、当然と言えば当然なのだが、とりあえず、良かった。
そしてネットからは『布袋寅泰 ディープ・パープル「Highway Star」のカヴァーのミュージックビデオ公開』というので こんな動画 の情報が流れてきたが、いやいや、これはイケナイ(;_;)。 ネットでも、「なんだろう・・・これじゃ無い感満載」・「小泉今日子がカバーしたフィンガー5の個人授業みたいなガッカリ感w」・「途中でギブアップした」・「思ったより酷え」・「80年代風?」・「キーボードソロなし・オクターブ下げた念仏ボーカル・ドライブ感なし」・「ギターソロの一番肝心な部分がコピーできてないな」・「こんな酷いカバー初めて聴いたわ」・「スゲー酷いなこれ」・「期待して見たのにガッカリ感が半端ない」・「音が軽すぎてコレじゃない感が凄い」・「誰も得しねぇ」・「微妙なもん出したな」・「リスペクトというか愛が無い感じだな」・「誰か止めてやれよ」・「若いコが弾いてたら温故知新で偉いねってことになるが60超えた人だと中坊の時の練習曲をじじいの今やってどーすんのって話で終わる」・「うーん、いまいち」・「イントロ我慢してたが!お経唱えだしてから止めた」・「違うわこれ」・「MVがダサ過ぎて笑った」などと散々だった。 やはり、いくら天下の布袋でも、これは駄目だぁ。 現代の若者も誤魔化されず、オリジナルの これを聴け と言いたい。
そして、ようやく先日の王座戦第1局の詳しい解説記事が出てきたので、 棋譜 を追いかけてみたが、いやいやこれは凄い。 なんという凄い将棋なのか、二度も三度も棋譜(プレイヤー)を堪能してしまった。 これは、次の対局(藤井が後手番)が楽しみになった。2023年9月8日(金)
会場が「八王子」、そして日程が来年の「2024年1月20日(土)、21日(日)」とだけ会員に告知されていた、日本音楽即興学会の第15回大会の「発表募集要項」が会員に届いた。 一昨年はオンラインでの発表、そして去年はCOVID-19が明けてハイブリッド開催だったものの某企画(大学時代の同窓会合宿)のため欠席していたので、ここは久しぶりにリアル参加をしたいと、既に宿だけ予約していたものである。 会場は 八王子市学園都市センター というところで、八王子駅から徒歩3分と至便なところで、晩にはそのスグ近所の Match Vox というライヴハウスで「パフォーマンス発表」をするらしい。 そこで、僕が過去に日本音楽即興学会で発表した記録を以下にまとめてみた。まぁ、ライヴComputer Musicをやっている限り、どうやっても「即興」に絡めたネタとする事は可能なのだが、せっかくEdinburghに行ってきたことだし、音情研もしばらく開催が無いので、ここはAM2023に絡めたテーマとしてみたい。 「大会テーマ:即興演奏の身体化」ということなので、ここはAtau Tanakaのライヴの紹介というのもそのものズバリ、と決めた。 関連して「Sensor Band Atau Tanaka」と検索すると、 Sensorband と The Digital Musician : Atau Tanaka と Prof Atau Tanaka という情報と、 ★ ★ ★ というYouTube動画リンクもゲット出来てしまった。
- 「Computer Musicにおける即興の事例紹介」、 2009年9月20日『日本音楽即興学会 第1回大会』(神戸大学)
- 「『それはよい即興、これはわるい即興』なのか、『それは即興であり、これは即興にあらず』なのか」、 2010年9月18日『日本音楽即興学会 第2回大会』(神戸大学)
- 「コンピュータ音楽/電子音響音楽における即興と評価の事例紹介」、 2011年9月18日『日本音楽即興学会 第3回大会』(神戸大学)
- 「「ライブ映像の作品」と「ライブ作品の映像」について考える」、 2012年9月23日『日本音楽即興学会 第4回大会』(神戸大学)
- 「その場で楽器を作って演奏したっていいじゃないか」、 2014年12月14日『日本音楽即興学会 第6回大会』(京都精華大学)
- 「バイオフィードバック楽器演奏とウェルビーイング」、 2015年10月31日『日本音楽即興学会 第7回大会』(神戸大学)
- 「『筋電センサ/脳波バンド/触覚センサ』楽器と即席即興集団による音楽パフォーマンスについて」、 2016年11月12日『日本音楽即興学会 第8回大会』(川崎医療福祉大学)
- 「自動運転車のためのリアルタイム作曲システムに必要な音楽ヒューリスティクスと即興性」、 2017年12月2日『日本音楽即興学会 第9回大会』(京都精華大学)
- 「即興的コンピュータ音楽における『現代音楽』の意義」、 2018年12月8日『日本音楽即興学会 第10回大会』(エリザベト音楽大学)
- 「テクノロジーによる即興の支援 --- 楽器が求める即興と様式が求める即興」、 2019年12月1日『日本音楽即興学会 第11回大会』(尚美学園大学)
- 「ライヴ・サンプリングの与える臨場感と即興感について」、 2022年1月9日『日本音楽即興学会 第13回大会』(オンライン)
そして1時間ほどあれこれかけて、上のような形に発表申し込みを完了してしまった。 日本音楽即興学会大会では、このように出したら発表が決定するわけではなくて、「採否は大会実行委員会が審査します. 結果の通知は12月中頃までを予定しています」という事になっているのだが、なんせ即興なので、トンデモ系の応募をそのまま受け入れないためのフィルタが必要なのだ。 まぁ、たぶんOKだということだが、これは結果通知が届いてから、発表の準備をしていくことになる。タイトル Embodied Sound in the Virtual 概要 筆者はこれまで、即興を中心とするライヴComputer Musicの領域で、生体情報センシング(筋電/脳波/呼吸など)による 「即興演奏の身体化」を一つのテーマとして追求してきた。1990年代後半から2000年頃に3世代にわたって開発してきた 筋電楽器"MiniBioMuse"シリーズは、友人のAtau Tanaka氏(Sensor Bandで有名)[1]がStanfordで開発した筋電楽器 "BIOMUSE"に触発されたもので、筆者の第3世代"MiniBioMuse-III"(世界各地で公演)は同氏からも賞賛され、その後も ずっと交流を続けてきた。 本発表では、筆者が発表参加した国際会議"Audio Mostly 2023"(英国・エディンバラ)[2]のテーマ「Embodied Sound in the Virtual (バーチャルにおける身体化されたサウンド)」に関する2つの報告と共に議論してみたい。その第一は筆者が Installation部門で採択された作品"Deep Space Game"(マルチチャンネル触覚/触感センサを用いたインタラクティブ・ サウンド・インスタレーション)の展示発表の場での参加者の特異なリアクションに関する考察であり、その第二はAtau Tanaka氏が Music部門で採択された作品"Myogram Modular"での新しい筋電情報パフォーマンスのアプローチについての考察である。 [1] https://www.musicainformatica.org/topics/sensorband.php https://www.andrewhugill.com/thedigitalmusician/tanaka.html [2] https://audiomostly.com/2023/2023年9月10日(日)
Edinburgh2023 から帰国してちょうど1週間、時差ぼけもようやく完全に抜けた。 Final Lecture/Workshop by YN のページに関しては、 Googleフォーム にまた1人、新たな記入を確認できた。そして今日は、SUAC2期生の同窓会という予定がある。 今年は何故か、11月にも「4期生の同窓会」という予定があるが、こちらは2期生であり、調べてみると、ちゃんと9年前にも上の3番目のように開催されていたと判明した。 そこで、当初は持っていくつもりのなかった1106のデジカメを持参することにした。
- 送別会と同窓会 (2006年5月)
- SUAC同窓会パーティ (2010年4月)
- 2期生「卒業10周年」同窓会 (2014年8月)
2023年9月11日(月)
「アレ」に向けてのマジックが一昨日はM10だったのが昨日は一気にM7に減り、今朝はM5になっているという今日この頃である。 9月11日といえばセプテンバーイレブン、去年はちょうどアルスエレクトロニカに行っていて、 この日記のPart15 の「2022年9月11日(日)」のところにちらっと書いていた。 そこに書かれていたのは、COVID-19前、ICEC2018(ポーランド)に向かうドイツで、 続・Max7日記(7) の「2018年9月11日(火)」に書いていたという情報で、そのセプテンバーイレブンについてみっちり整理した情報は 続・Max7日記(2) の「2017年9月11日(月)」のところにある、というものだった。 たしかこの2017年は前年のSabbatical2016の反動で、唯一、海外出張に行かなかった(ので北海道の一人旅[稚内・礼文島・利尻島]に行った)年だった。 いやいや、日記シリーズもどんどん深くなっているのだなぁ。(^_^;)
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昨日は このように 2期生「卒業20周年」同窓会があった。 この学年は何だかよく結び付いていて、この同窓会は 前回の同窓会 に続いて二度目であり、まぁそれぞれの顔はそれ程変わってもいなかった。 みんな「三十路」から「アラフォー」へと進化していた。 そして僕はその後、フラフラと駅まで歩いていき、 浜松クラフトビールフェス に行って、美味しいビールを堪能した。 こういう休日も、いいものである。
2023年9月13日(水)
昨日は終日、王座戦第2局を見ていたものの夕方までずっと50%ずつで帰宅して、今朝になって「藤井入玉で勝利」というのを知った。 さらに今朝の朝刊では「一気にM3になった」というのもあって、ちょっと風雲急を告げてきた。 さすがに終盤はダラダラするだろう・・・と来週の月曜と火曜に予約していた大阪の東横インをキャンセルして、今日の結果が「M1」あるいは「M2」であればもうXデーは明日だ、という事で、急遽、大阪・なんばの東横インを予約した。 もしかすると、あの「ひっかけ橋」から川に飛び込むという風景をリアルに見るのかもしれないのだ。
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3限アポのM2・王さんの予定も依頼して2限に移動し、午後から大阪に向かう体制は整った。 さらに、ここには詳しく書かないもののとても重要な情報が2件届いてメイルの返信に追われ、さらにAM2023で出会った「11月末から3月までYAMAHAにインターンシップに来る」という学生(Queen Mary University of Londonの博士課程)のメイルも届いて、朝からメイル対応に追われる日となった。 なんと王座戦は214手とのことで、まだ午前には「棋譜データベース」に載っていなかったが、午後にはJoyJoyヒトカラ6時間に行く予定なので、棋譜を眺めるのは明日になるかもしれない。 以下のわかりやすい図もネットに流れていたのでここに置いておこう。
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研究室ページにあった甲子園行きの情報を発掘したのが上であるが、過去に発掘できていなかった一番上の「球場に入れず外で飲む」というのが、どうやら明日のかたちに一番近いことになりそうだ。 新幹線には予約ナシで飛び乗るつもりである。 ただし、今日マジックがまったく減らなかった場合には、明日の朝に全てをキャンセルして大阪には行かない。 そしてその場合の明後日の広島についても、勢いでホテルの予約だけはしておいた。 市内ホテルは全て満室なので、取れた東横インは広島からJRで40分であるが、まぁそんなに遠くない。 全ては勢いなのだ。
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明日の朝イチで見える場所に、「大阪行く→広島キャンセル」・「大阪行かない→大阪キャンセル」という2枚のメモを作って置いていると、午後になってようやく 棋譜 がネット上に載ったので、とりあえず二度ほどじっくり追いかけて堪能した。 上の 投了図のようにメタメタに入玉し合っている乱戦で、これは「名局」とは違うのだが、両者の気迫が十分に伝わってきた。 これでタイに戻り、まだまだ次の対局が楽しみである。
2023年9月15日(金)
昨日は遂に、 このように 9月に入って一気の11連勝でマジックが消えて「アレ」が「優勝」となった。 まぁ、18年ぶりなので、これでいいのだ。
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2023年9月16日(土)
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昨日は大阪から帰ってきて、なんとなく気が抜けて幸せな雰囲気で一日が終わった。 寝不足だったようで(記憶が無いがホテルに帰ってビールかけ中継とかを見ながらワインを1本、空けていた)、昨夜は爆睡した。 今日は、今月末にある「わたるさん送別オフ」という謎の儀式のために、William ByrdのAve Verum Corpusの楽譜をササヤに注文しようかな・・・と思ったら、なんといい時代なのか、6種類ものバージョンの楽譜 ★ ★ ★ ★ ★ ★ がゲット出来てしまった。 今回は僕はたぶん この時の演奏(2001) のSopranoでなくAltoを歌うことになると思うが、この曲はさんざんアカペラでやってきたので、初見で行けるという確信がある。
2023年9月19日(火)
先週は「2023年9月13日(水)」の日記を書いた後でJoyJoyヒトカラ6時間で61曲を完走し、その翌日には大阪に行って 18年ぶりの「アレ」 を見届けて・・・という激動の日々を過ごしたが、いよいよ後期も近付いてきて、ぼちぼち気合いを入れる時期となってきた。 ただし今日は、またまた午後からJoyJoyヒトカラ6時間であり、発熱欠席で1週スキップしたM2・王さんの新楽器の完成は明日に予定している。
ネットからは メビウスの輪を作る材料の帯に求められる最低限のアスペクト比は? という面白いネタが届き、本当にいい時代だが、 論文 もゲット出来てしまった。 メビウスの輪を切り開いた「台形」の「帯」としてのアスペクト比は「√3」となるらしい。 これは印刷して、また何かの待ち時間(ちょうど週末には7回目のCOVID-19ワクチン集団接種会場に行く)に読むことにした。
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そして久しぶりに音楽情報科学研究会のページを見てみると、「第139回研究会(30周年記念イベント)、日程:2024年3月1日(金),2日(土)、場所:はこだて未来大学」と載っていて、日時が確定していた。 こうなれば今年の1月のNLP 4回目の函館 とほぼ同一の旅程となる。 なんせセントレアから函館のANAフライトは1日1往復のAirDOしかないので、前泊・後泊を加えて3泊4日の旅程となるしかないのだ。 さっそくホテルを予約し(前回の宿のちょっと隣のスマイルホテル、未来大へのバス停は同じ)、次にANAのサイトに行ってフライトを予約して座席を指定し(往復とも[2D]というほぼ最前列)、いったんANAマイレージの10000マイルからANA12000コインに変えて、残りはカードでの支払いまでを完了させてしまった。 函館まで片道フライト1万円なら、まぁ気合いの自己負担となっても甘受できるレベルである。 宿とフライトさえ押さえれば、海外出張でも国内出張でも、ほぼ準備完了なのだ。
JoyJoyに出かける前にフト思い付いて Final Lecture/Workshop by YN のページを見てみると、なんと Googleフォーム にまた1人、新たな記入を確認できたのだが、初めてのケースとして、この人の名前に見覚えが無かった。 これはいよいよ、面白くなってきたかもしれない。2023年9月20日(水)
昨日のJoyJoyヒトカラでは、いつも持参してチェックを入れつつ(同じ曲をまた入れないため)歌う このリスト を、先週の大阪行きの荷物に残していたために「忘れる」というピンチに遭遇した。 しかし部屋でJoyJoyのフリーWiFiに繋いで、スマホのブラウザを起動して このリスト に行き着くことで、とりあえずの危機を逃れた。 ただしA4でプリントしている「紙」に比べてそれぞれが2行に折り返されて見にくく、いちいち歌った曲を手書きでメモするという面倒なこともあり、なんとか5時間で55曲を走破したところで早めに帰宅する事になった。
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そして今日は風邪も治った王さんがやってきて、 このように 無事に「新楽器」の電子関係が完成した。 あとは個々の配線をうまく片付けて、手に持って振り回す動作に負けない/10数個のパチンコ玉がガラガラと動いても負けない、という「楽器」に上手く組み立てるのは、王さんが下宿で頑張ることになる。 ゼミの皆んなからの近況報告は、心配していないと言いつつ内心もっとも心配している吉田さん以外の全員から届いて、いよいよ後期が近付いてきた。
2023年9月21日(木)
ゼミの皆んなからの近況報告は、本命の吉田さんから「とりあえず内定した会社」に「決定」していた[※ 大学の就職室に連絡していなかった]と判明して、まぁ、一安心である。 そして、同僚の中川先生からは「添付の通り、「大学共同授業」という一般市民等を対象とした、静岡県7大学が共同して実施する講座があります。自身はその中で1回分を受け持つのですが、全体のテーマが「コロナ禍」になります。そのため、自身の担当回は「コロナ禍でデザイン系授業はどのような取り組み・工夫をしたか」というのを取り扱おうと思っております。そこでお願いになるのですが、先生がコロナ禍でおこなった授業施策や工夫等を御教示頂けないでしょうか…」というメイルが届いた。
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憎っくきCOVID-19であるが、ここはいい機会だということで、2時間ほどかけて過去のあれこれを調べて、以下のように返信した。 これで中川先生の講演に役立てば、嬉しい限りである。
いやいや、こうして見返してみると、なかなか頑張っていたのだなぁ・・・と感慨も深いが、何よりCOVID-19によってアカペラが突然に終了してしまったという悔しさは一生、忘れないのだ。全国的に全ての大学でコロナのために全講義がオンラインになったのは2020年度の前期です。ここで私が担当したのは以下の3つの科目です。 基本的には、そこで初めて行ったことは以下の教材ページを辿っていただければ全て書かれています。 基礎演習E https://nagasm.org/1106/kiso_E/index2020a.html サウンドデザイン https://nagasm.org/1106/sound/index2020.html 音楽情報科学 https://nagasm.org/1106/macs/index2020.html 私の担当する専門科目では「Max8」を使いますが、これはSUACが大学としてライセンスを得ていて、学生のPC(Win/Mac)では体験利用の1ヶ月を超えると データが保存できなくなります。しかし、世界中の教育機関/研究機関が同じトラブルに遭遇したので、開発元の米国Cycling'74社は、「アカデミック登録 している機関には9月末まで限定のライセンスを個別に発行する」という対応をとりました。 私は直接、開発元と英語でやりとりして、受講する学生は、それぞれ下宿/自宅のパソコンにこれを入れてリモート学習しました。以下がその模様です。 https://nagasm.org/1106/Max8_COVID-19/index.html 「サウンドデザイン」と「音楽情報科学」では、毎週、YouTube動画の教材を「無編集・一発撮り」で作って、詳細に用意しました。また学生からのレスポンスに いちいち個別にコメントしました。考えてみると、このの2020年前期の教材ページが、これまで24年間のSUAC教育の中で、いちばん中身が「濃い」です。 「基礎演習E」でも、 https://www.youtube.com/watch?v=cN5JWlJGH00 https://www.youtube.com/watch?v=Fp995_st7So というような作品を、学生は自宅で作りました。制作を支援して作ったブツを、構内立ち入り禁止のため、守衛所のところに来てもらって手渡ししました。ゼミ4回生も https://www.youtube.com/watch?v=kgrQtfQnpk0 というようなものを自力で作りました。 これとは別に、現在ゼミでM2の王さんですが、モロにCOVID-19の被害を受けました。2019年の9月に、私の研究生としてSUACに来たい・・・と来日して面接して、 年末の教授会でOKとなりました。ところが来日しようとしていた時にコロナで日本の扉が閉じて、ずっとZOOMでゼミに北京から参加し、さらに上記の専門科目 「サウンドデザイン」・「音楽情報科学」もオンラインで受講して、課題まで全て出しました。ZOOMゼミの様子は、 https://nagasm.org/ASL/Sketch04/index.html の「2020年4月17日(金)」から始まっています。 ゼミではいつも、最後に全員の写真を撮ったので、これを探してみると、この日記の 「2020年4月18日(土)」・「2020年4月19日(日)」・「2020年4月22日(水)」・「2020年4月25日(土)」・「2020年4月29日(水)」・「2020年4月30日(木)」、 https://nagasm.org/ASL/Sketch05/index.html の「2020年5月7日(木)」・「2020年5月13日(水)」・「2020年5月20日(水)」・「2020年5月27日(水)」・「2020年6月3日(水)」・「2020年6月10日(水)」・ 「2020年6月17日(水)」・「2020年6月18日(木)」・「2020年6月24日(水)」・「2020年7月1日(水)」・「2020年7月8日(水)」・「2020年7月15日(水)」、 https://nagasm.org/ASL/Sketch06/index.html の「2020年7月22日(水)」・「2020年7月31日(金)」・「2020年8月5日(水)」などと毎週のゼミに参加して、その間に研究生としての指導をしてきました。 そして前期の大学院入試では、これ以前も以後もないのですが、「リモートで北京からSUAC大学院入試」を受ける、ということになりました。 これは、前期中ずっとリモートで研究生として学部専門科目を履修したこと、毎週のZOOMゼミも全て参加してゼミ生と交流したことも加味して、大学院教授会で特例と して認めていただきました。試験にあたっては、他の受験生との公平性や不正防止のために岩崎先生や的場先生に苦労いただきましたが、無事に合格しました。 これを受けて、来年度は院生となるということで、後期もゼミ生とZOOMで交流しました。 以下にその記録があります。 https://nagasm.org/ASL/Sketch06/index.html https://nagasm.org/ASL/Sketch07/index.html https://nagasm.org/ASL/Sketch08/index.html ところが、いざ来日しようとしたところで、2021年春に https://nagasm.org/ASL/Sketch09/index.html からのように、ベータ株?で再び日本の扉が閉じて、準備していた王さんの来日はNGとなり、入学と同時に休学して、この1年間はずっとZOOMでゼミに参加しつつ、 こっそり院生としての指導もしてきました。夏休み中もZOOMで繋がってきました。 https://nagasm.org/ASL/Sketch10/index.html https://nagasm.org/ASL/Sketch11/index.html https://nagasm.org/ASL/Sketch12/index.html そして2022年になって、ようやく2ヶ月遅れながら「扉」が開いて、1年休学の後に本当に大学院入学となりました。なので王さんの学籍番号は一人だけ、上の学年です。 https://nagasm.org/ASL/Sketch13/index.html の「2022年4月13日(水)」・「2022年4月20日(水)」・「2022年4月27日(水)」までは王さんは北京からZOOMでしたが、この日記の「2022年5月11日(水)」で 遂に、ゼミ写真のZOOM画面でなくリアルに1106研究室に来た王さんが写っています。 https://nagasm.org/ASL/Sketch13/fig3/020.jpg ゼミは一部学生はZOOM参加もOKとしたので、この時は吉田さんがZOOMで、なんかそれまでと違って、皆んなヘンな感じでした。 ここで1年遅れで王さんがM1となり、そこからさらに1年たって、いま2023年、王さんはM2となっています。 ・・・ということで現在に至っています。研究費から出していたZOOMライセンス(2200円/月)も解約しました。 コロナで全ての学会がオンラインになった時期には、出張に行けないので、ヤケクソのように発表を重ねて、例年であれば年に数回の学会発表が、この時期は年に 10件以上になりました。 https://nagasm.org/ASL/Sketch13/index.html の「2022年6月6日(月)」が再開第1号でした。 https://nagasm.org/1106/news6/20220604/real.jpg ・・・というようなところでしょうか。情報提供でした。2023年9月22日(金)
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ネットを彷徨っていて、フト到着したのは、電子情報通信学会の「電子情報通信学会 知識ベース」という「知識の森」というサイトだった。 過去にはハンドブックとして出版してきたが、電子情報通信分野は陳腐化が早いのでオンラインで・・・ということらしい。 さっそく「2群 画像・音・言語」の中に「9編 音楽情報処理」というのを発見して行ってみたが、いやいや、居並ぶ執筆者はほぼ全員、音楽情報科学研究会などでよく知っている方々だった。 さっそくそれぞれの中身を見に行ったのだが、残念ながら執筆が2011年あたりでもう相当に古いこと、そして紙面の限界からなんとも物足りないという印象が残った。 やはり、こういうのは現場で世界の先端と同時進行していくしかないのだろう。
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昨日だったか、ようやくSUACの教職員MLに Final Lecture/Workshop by YN の案内を出したが、これを受けてか、 Googleフォーム にまた1人、新しい書き込みがあった。 これで計10人、まずまずのところだが、SUAC教職員は土日のイベントにけっこう淡白(いつも出かけてくる職場に休日まで出かけたくない?)なので、これ以上はあまり増えないのかもしれない。
「日記」シリーズ の記録