本テーマの目的は、IT時代の色々なコンテンツ、特にショートムービーやフラッシュ作品
等のマルチメディアコンテンツを制作する際に必須となる、背景音楽(BGM)パートとして、
お手軽に「使える音楽データ」を自動生成するシステムを開発することである。最終成果
として開発したシステムとアルゴリズムはWeb上でフリーに公開・発表し、フラッシュ等
の作品系コンテンツ制作支援環境と自由に統合できるように提供する。 本テーマはここ1-2年は基本的にクリエイター(とその卵)のためのシステムであるが、3年後
には到来する「クリエイション(作品創造)の大衆化」という時代的要請を視野に入れている。
ITが普及する中で、「デジカメ写真を自動スライドショー化」「ホームビデオを半自動編集 してショートムービー作品化」「お手軽ツールで創るフラッシュ作品」など、一般大衆が マルチメディア作品系コンテンツを「自分で作る」というエンターティンメントの時代が 到来する。本テーマでは、ここで問題となる音楽パートの創作を、著作権の問題をクリアし、 音楽的な専門知識を要求することなく、容易にコンテンツに適した「使える」音楽を自動生成 するためのシステムを開発する。
本テーマではこのために、(1)著作権については、自動生成アルゴリズムを採用し、本質的に
既存の楽曲情報を利用しない、(2)生成された楽曲の特徴情報を圧縮してインターネット検索
できる手法をシステムの一部とする、(3)音楽データのアルゴリズム作曲・自動生成はMIDI
情報ベースで行う、(4)関連するマルチメディア心理学研究の成果を盛り込む、(5)作品系
コンテンツの特性を見極めた自動作曲アルゴリズム・エンジンの提案、 (6)過去の音楽情報
科学研究の成果とノウハウと思い入れと情熱を注ぎ込む、 等のアプローチで開発を進める
計画である。
|