Raspberry Pi 日記 (part3)
長嶋 洋一
2013年7月20日(土)
日付けでは2日スキップしているが、いま日本時間で7月20日(土)の夕方18時である。 しかしここは米国カリフォルニアのパロアルト、まだ7月20日(土)になったばかりの午前2時である(^_^;)。 ここ最近の海外出張では、基本的にセントレアに前泊して朝イチのフライトで成田に飛び、成田を午前11時あたりに出発するフライトで欧州でも米国でも出かけてきたが、今回は例外的に「当日出発・当日到着」というパターンとなった。 この便利さは、アメリカ西海岸に行くフライトだけの例外のようである。もう一昨日となるが、7月18日(木)の朝に大学に出て、午前にクルマで浜松西インターに行ってe-wingに乗り、昼過ぎにセントレアに着いて、14時台のフライトで成田に飛んで、成田を17時台という夕方に出発するサンフランシスコ行きに乗ったので、9時間半のフライトで到着したサンフランシスコは時計が戻り、まだ同じ7月18日(木)の午前11時過ぎだった。 そこからBARTとCaltrainを乗り継いでPalo Altoに来て、ホテルに15時にチェックインした。 そして翌日、7月19日(金)がSketching2013の初日であり、中身の濃い1日が終わってホテルで爆睡したものの、前夜に続いて午前1時過ぎには目が覚めて(当たり前、日本ではまだ夕方)、もう眠れないので起き出してこれを書き始めたのである。
2夜連続で睡眠時間が3時間程度とキツいが、まぁ日本から米国西海岸に行った時の時差ぼけは最もキツいので仕方ない。 実りあるSketching2013のテンションで乗り切っていこう。 日々刻々と改訂されるが、GoogleスケジュールにアップされているSketching2013の現在のところのスケジュールは これ である。 既に小林さんは初日の昨日に颯爽とプレゼンを終えたが、僕のプレゼンはいよいよ今日の午後(最も眠い時間(^_^;))である。 昨日の晩もやはり午前1時過ぎに目覚めて眠れず、深夜にホテルの部屋でコーヒーを淹れて、朝までかかって今日のプレゼンは完成させた。 Sketching2013のメンバーはGoogle Driveで互いのプレゼンPDFを共有しているが、僕は例外的に発表前なのにアップロードしていて、 これ である。
去年のSketching2012での「ジャミーズ娘+」のシートから始まり、翌月にMOM2012の機会にMac上でのPropellerの開発ツール「bst」と出会い、そこからICMC2012とアルスの旅行中に進めたのが「PropellerとXBee」であった。 そして「Propeller日記」の中で、やりかけて途中までで棚上げされていたのが、 OLED_XBeeのまとめ と OLED_XBeeの補遺 のページであった。 今日はまず、ここにタグを追加してここからジャンプするように、また今日のこの部分にもジャンプして来れるようにした。
そして秋から冬には、汎用実験/試作ツールとして「SUAC board」を開発していったが、これはPropellerを搭載するために、引き続き「Propeller日記」として書き進めた。 SUACboardの開始 から始まって無事に最初のバージョン0.5が完成し、改訂すべきバグ等もクリアになったところで、 SUACboardの最後 までで、この最後のところで「Propeller日記」を終えていた(ここにもタグを追加してここからジャンプできるように、また今日のこの部分にも続けてジャンプして来れるようにした)。
そして新たに「Raspberry Pi日記」が始まったのであるが、今月あたりからはなんとSUACboardに接続するという展開に進展したのである。 今年は獲得した予算の関係でSUACboardを改訂して試作するかまだ未定なのだが、 SUACboardの最後 のところに書いたようにホストからAKI-H8を外して、その代わりにRaspberry Piにも対応させていくような展開となっている。 そして、今回のSketching2013での僕の 発表 は、まさにここまでの推移を報告する、という事なのである(^_^)。
「Propeller日記」の「PropellerとXBee」の部分はもう完全に忘却の彼方であるが、たしかMaxプログラミングがまだ残っていた。 今回のSketching2013には、SUACboardとRaspberry Piとともにこの一式も持参したので、今日の発表に続いて、明日のショーケース(参加者全員がそれぞれデモ等をする)では紹介したいところである。 いま持参した機材を並べて、「2012年9月18日」というタイムスタンプのMaxパッチを起動してみると、確かに動いてくれたが、どうもMaxパッチはあまり美しくない。 まったく「Raspberry Pi日記」では無い(^_^;)のだが、今日はSketching2013の合間に、ここから再開していこう。
Sketching2013については、いつものように多数の写真を撮っているので、いつものようなフォトレボートのページがいずれ出来ると思われるが、昨日の初日には、会場となっているPARC(XeroxのPalo Alto Research Center)のラボ見学(※写真ナシ)なども出来たので、忘れないうちにメモしておこう。 「Sketching2013フォトレボート」のページからも、ここにリンクを張っておけばいいわけだ。 大袈裟に言えば(実はちっとも大袈裟でなく)、ここPARCは人類の叡智の一つの拠点である。 ここ でも ここ でも ここ でも ここ でも ここ でも ここ でも ここ でも ここ でも、PARCの記述はあまりに多く、伝説として語られている。 ただしPARCは単に過去の伝説でなく、いま現在も、これからの人類の未来のための研究などを推進しているのである。
ランチタイムの合間に数人ずつに別れてPARCの中を案内してもらったが、世界で初めてPARCが「マウス」というコンピュータインターフェースを生み出した、その最初のマウス(のレプリカ)にも触れた。 「イーサネット」もここPARCから生まれたとのことで、初代Xeroxコピー機の置かれた部屋の壁にある小さな扉を開けて見せてくれたのは、「世界で初めて実際に稼働したイーサネットケーブルの接合部分」であった。 壁の内側で、上下から来ている同軸ケーブルが、そこでコネクタによって接続されているだけ(^_^;)なのだが、これはまだ現役である。 今の地球上からインターネットが生まれていなかった展開を想像することは困難だが、そのインターネットの基盤技術であるイーサネットをPARCが提供しなかったらインターネットが出現していなかった可能性はとても高いのである。 そんな「聖地」で開催されているSketching2013なのだ。(^_^)
・・・ここまで書いてフト軽く眠くなり、1時間ほどウトウトしていると朝6時半になり、目覚まし時計が鳴った。 いよいよSketching2013の2日目のスタートであるが、そこに到着したメイルは以下のようなものだった。 このように 今年の3月にまた来日してSUACに来ていろいろ勉強していった、台湾・開南大学のShing-kwei Tzeng教授からのドイツ語のメイルで、この春にいろいろ手伝った作品が、無事にドイツのZKM(教授が短期レジデントで滞在して新作を作曲)での コンサート で公演されたようである(^_^)。 ドイツ語なので詳細は不明だが、プログラムによれば、旧作2作品の再演とともに、今回の新作「Tai-chi 42 postures fur Interaktive Auffuhrung ca. 7’」のところには、「Tai-Chi quen Shing-kewi Tzeng; Gotz Dipper, Ludger Brummer und Yoichi Nagashima gewidmet」と僕の名前もあり、おそらくパフォーマンスをしたShing-kewi先生の名前に続く3人は、この新作の作曲に協力した謝辞的なものなのだろう。
せっかくなので、この情報を、3月のShing-kewi先生の来日を一緒に迎えた、音楽家のRAKASU PROJECT.さんと、院生のリュ君と、2回生の金重さんと坂下さんにメイルで知らせておいた。 そしてシャワーを浴びて、いよいよ2日目のSketching2013に出発である。 続きはまた今日の深夜か明日の朝になるかもしれないが、プレゼンでアピールして、晩のパーティでは美味しいビールを飲みたいところだ。
・・・そしてここはPARCのホール、午前のセッション中である。 朝のメイルへのリプライで、さっそくRAKASU PROJECT.さんからのメイルが届いた。 ちょうどRaspberry Piを仕入れたところだということで、またミニワークショップでも出来ればいいと思う。 そして昨夜のディナーの席でPARCの研究者から仕入れた情報を本人にいま確認して、 BeagleBone Black の名前を確認して、リンクを置いたところである。 昨日からあちこちで「なんとかブラック」という単語が行き来していたのは、これだったのだ。 詳細はおいおい調べるが、このボードは35ドルのRaspberry Piとあまり違わない45ドルなのに、相当にI/Oポートが拡張されているのだという。 チップが異なるのでRaspberry Piとソフト互換という事は無いのかもしれないが、愛好者が多いならフリーのツールも充実しているかもしれない。 「Processor: AM335x 1GHz ARM Cortex-A8」ということでRaspberry Piより強力で、「2x 46 pin headers」ということで確かにI/Oが多い模様である。 「Software Compatibility : Ubuntu」とあるので、GPIOのドライバは別として、Raspberry Piとほぼ互換かもしれない。 帰国したらさっそく発注して、実験してみよう。
・・・そして昼休みとなり、午後はPARCのホールから移動して、週末はお休みのカフェテリアの一角がSketching2013の会場となった。 昼食はケータリングの業者を路上販売のワゴンごと呼ぶあたり、まさにアメリカである。 そして去年の ここ から懸案だった、OLED_XBeeのためのMaxパッチの改訂については、以下のように無事に完成して動作を確認した。 カラーを指定して、座標を設定して描画する、というその機能を実現するだけでなく、さらにMaxパッチ内の「lcd」にマウスで描画したパターンをXBeeから送る、という新たな機能拡張の要素も作りかけたところだが、これはまた、余裕がある時に進めればいい。 とりあえず、3時間後に迫ったプレゼンまでに、忘却の彼方だったOLED_XBeeをほぼ思い出せたのは収穫である。
・・・そして午後になり、以下のように無事にプレゼンを終えて(写真は最前列のMikeに撮ってもらった(^_^))、僕の次のプレゼンターは、Maxの生みの親のDevid Ziccaeri氏であった。 さすがにこの世界のスーパースターだなぁ(^_^)。 そして今日の最後は、Forbesの表紙を飾った、こちらもスーバースターの中国のEric Pan氏である。 この会社 のCEOで、スケッチングを受けて速攻で安価に量産してしまう、世界のイノペーティブ・プロダクションを裏で支える立役者である。
上の写真は夕方ホテルに帰ってきて部屋から上げたが、今日の晩はシャトルバスでパーティに向かうので、今日はたぶんここまでである。 たくさん撮ったDevid Ziccaeri氏の写真その他は、別のデジカメでまだ撮影中なので、帰国後にフォトレボートのページに上げることになる。 既に日本時間は日曜日(参議院選挙投票日)の午前10時を過ぎているが、ちゃんと不在者投票を済ませておいたので、あとは帰ってきたらYAHOOニュースでも見てみよう。
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