Raspberry Pi 日記 (part3)

長嶋 洋一


2013年7月17日(水)

渡米前日である。 「サウンドデザイン」の課題に関して2回生からのアポが1限と5限に入り、M1のリュ君のアポが2限に入り、放課後はアカペラもあるので、ここでどたばたとRaspberry Piを進める余裕は無いと見て、持参するMacBookAirに最新ソフトを移したり、明日(当日)の朝に自宅からスーツケースを持ってきてバッキングするために機材をまとめたり、持参するビデオカメラとデジカメとiPod touchなどに充電したり・・・という雑作業の一日となった。 合間があれば、昨日、相談を受けた柴野さんの映像作品のための作曲、ということになる。

そんな中、朝イチで届いたSketching MLのメイルがそこそこ、盛り上がってきた。 これは後日のためのメモであるが、今年のSketching2013の「旬な話題」になりそうである。 事の発端は、 こんなもの である。 「タイル」という小さなタグであるが、これを自分の持ち物などに付けておくと、それを紛失したり盗まれた時に、iPhone/iPadから検索してGoogle Map上で表示したり、遠隔制御で鳴らしたり出来る、というものである。 これはどういう技術なのか? というのが最初のメイルだった。

そして2-3時間のうちに、世界各地のSketching MLのメンバーからのメイルにより、これはBLE、つまり低エネルギー版BlueTooth(BLE)であろう、という事で一致した。 さらには、似たものとして こんなもの が紹介された。 こちらも小さくて丸いステッカーで、紛失したり盗まれた時に、iPhone/iPadから検索してGoogle Map上で表示したり、遠隔制御で鳴らしたり光らせたり出来る、というものである。 そしてこのコア技術としては、テキサスインスツルメンツ(TI)社が提供しているチップだろう、とも指摘された。

この技術は注目すべきものであるが、なんせBLEでは電磁波が届く範囲が狭いので、ちょうどXBeeネットワークのように、あるタイルはその近くの誰かのiPhoneと接続してネットワークに加わり、それがさらに他の人々のモバイルネットワークと繋がることで、捜している本人のiPhoneまで到達する、というネットワークの構想に繋がる、という点が重大な問題となる。 P2Pネットワーク上の「共有」によって違法コンテンツが世界中に普及しているように、このタイルと持ち主が繋がる、というために、世界中のモバイル機器が、建前としてはその上を流れている情報は暗号化されていて通過させるだけで読めない、としてそれぞれの情報を媒介し合う、という「共有」の文化は、ブライバシーの問題とどう折り合うのか、注視していく必要があるだろう。

そして一連のメイルの最後に、さすがの小林さんのメイルがあった。 こんなこと をやっています、それは金曜日(明後日、つまりSketching2013の初日)に紹介しますよ、という事だった(^_^)。 こちらもまさしくBLEの活用である。 僕はiPhone/iPadをコントローラとして使うことにあまり興味が無いのだが、iOSの枠組みをJavaScriptで回避して作れるとすれば、これは学生にとってはソソラレルところなのではないかと思う。 この最新状況を目の前で見られる、というのは、明日の渡米の楽しみがまた増えた、というところだ。


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