MiniBioMuseの中身を見よう
1999年4月 長嶋洋一
bit別冊「コンピュータと音楽の世界」の中の記事、ICMCでの発表、
情報処理学会音楽情報科学研究会での発表、紀要原稿、などと何度も
登場しているMiniBioMuseですが、写真は全て


というものでした。ちなみに「手」の出演は、うちの奥さんです。(^_^;)
そして最近、タナカアタウと照岡さんと組んで、この改良版を今度の
夏シンポのチュートリアルで実現する、というのにからんで、久しぶりに
これを開けました。そこで、写真を撮りましたので報告します。
現物合わせ、回路図ナシ、空中配線、というあまりお手本にならない
見本ですので、良い子は真似しないで下さい。(^_^;)

MiniBioMuseは2台作ったのですが、完全に両方を平行して作らず、1台が
出来てからもう1台を作りました。そこで、こうやって並べてみると、
全体としては同じように作ったのですが、CPUカード(AKI-80)の位置が、
両方で異なっていることが判りました。(^_^;)


これは内部の様子です。AKI-80の横にあるのは、電源用の3端子レギュレータ
と、MIDI送信のための74HC05なのですが、それとAKI-80との並びが逆に
なっているだけで、別に対称になっているわけではありません。
他の回路部分は、当然ですが、同じレイアウトです。電源とかMIDIとか
の部分には、回路図もなく、その場で場当たり的に製作していることが
よーく判りますね。(^_^;)

フロントパネルにあるのは、電源スイッチ(機械式ロック付)、動作表示LED、
そして感度調整のボリュームです。リアパネルには、3本の電極へのプラグ、
筋電パルスそのものをノイズ音響信号として出力するピン出力、そして
MIDI出力コネクタ、そして外部に006P電池*2、という電源が出ています。

これは横から見たところです。左半分が照岡さんのアナログ回路、
右半分にA/DからAKI-80のあたりが載っています。LEDの下に、
アナログのフロントエンドがありますが、隠れています。(^_^;)

アナログ部分に近づいてきました。OPアンプのTL072が3個で、
あとLM324を単電源で使っています。

照岡さんのセンサ回路の出力は、整流(積分)してA/D変換します。AKI-H8と
違ってAKI-80にはA/Dがないので、CPUの上に両面テープでA/DのADC0809
を裏返しに接着して(^_^;)、そこに空中配線しています。普通の両面テープ
ではなくて、貼ると固化するやつなので、絶対に剥がれません。信じられない
でしょうが、これはこれで、とても堅牢安定なのです。(^_^;)

アナログ部分も、当然ですが空中配線です。サンハヤトのユニバーサル基板
を、ここでは銅箔面を上にしていますので、基板の下には配線はありません。
ICの足も、部品も、全てこの上に取り付けます。カットアンドトライで
定数をチューニングするアナログの場合には、よくやる方法です。回路が
Fixしているディジタルであれば、基板をこれとは裏表反対に使うのですが。

AKI-80付近のアップです。ちゃんとA/Dは、至近で電源の配線をして、
さらにパスコンも至近に入れています。スズメッキ線による空中配線は
慣れたものですが、初心者はこれをやってはいけません。(^_^;)
ここからは「おまけ」です。
幻の単行本「作るサウンドエレクトロニクス」ですが、このサイトで
Web出版しました。そこで、最終章で製作した「TTLだけで作る音源DSP」
ですが、この写真は、


というように載っていました。しかし、これは上記のものと同じで、
僕が自室でHi-8で撮影したビデオ映像からIndyでキャプチャリングして
いるので、画質はあまり良くありません。(^_^;)
ところで、幻とはいえ、CQ出版で途中まで作業していたために、このたび、
編集長より、原稿一式のCDROMとともに、出版社で撮影した基板の写真が
送られてきました。さすがに、プロが撮るとキレイです。そこで、
これをスキャナで300dpiで取り込んだ画像をJPEGとして置いて
みました。どちらがキレイかは、それぞれのコンピュータによって違うかも
しれませんが、こちらの配線もどうぞご覧下さい。(^_^)

これが全景です。D/Aコンバータにプラスマイナス5Vの電源が必要なので、
電源部分をケースに入れて別にしました。AKI-H8と比べると、全体と
してかなり大きな基板であることが判るでしょう。(^_^)

これが基板のアップです。この撮影でも、個々のTTLの型番は読めない
ようですね。(^_^;)

そしてこれが、基板裏の配線です。自分としては、かなり慎重に丁寧に
作ったな(^_^;)、と思うのですが、作った直後、デバッグまでは回路図と
ササッと対応して追えましたが、もう製作から4カ月以上経っているので、
完全に判りません。でも電源を入れれば稼働します。(^_^)
|