●辻先生の記念講演 時間学の考え方 - MEM(S) model 動き(movement) 出来事(event) 意味付け(meaning) 同期化(synchronization) 時間の種類 自然の時間 生物の時間 人間の時間 社会の時間 文化の時間 この両者のマトリクスで考える →文化的時間*同期化=創造・発明 ●一般講演(1) 暦のお話・風水のお話は勘弁(^_^;) 概日リズムと照明 - 面白い 眠りにつく時間帯の照明は問題アリ ●一川氏の特別講演 時間の長さ、順序、同時性 能動的操作と知覚の時間特性 時間の中で体験はどのように変化するのか? 順応、慣れ 価値の変化 記憶 実験心理学 心理物理学(精神物理学)的測定 物理的刺激特性 → 人間の体験(知覚・認知・記憶) 心理物理学 : 知覚の一般的法則 フェヒナーの法則 刺激が大きくなると差が判りにくくなる スティーブンスの法則 刺激量と知覚量の関係が両対数だと直線 時間に関した錯覚 基本的な遅れ latency 時間の長さ、同時性、時間順序 物理的刺激と知覚認知された内容との不一致 人間の知覚認知の特性 環境への適応 - 世界の全環境を体験しているわけではない 生存に必要な判断できる種が生き残る 地球の重力環境への適応 遅過ぎても早過ぎても近くできない 適応に関係のない環境特性は知覚できない 同時に認知できる対象の数は限られる 時間に関する錯覚研究からわかること 規則性→進化の過程 : 適応戦略 潜在的危険性の予測と回避 人間そのものの理解 実験心理学から判ってきていること 同時性の判断の時間分解能 同じ刺激だと 4-9Hz 違う刺激だと 2-3Hz フラッシュラグ効果 ゆっくり動いている刺激と突然の刺激とは同時に感じられない フラッシュ(突然)刺激は遅れて知覚される 受動的実験だと大きく、能動的実験だと小さくなる 思い込み能動的実験でも小さくなる 強い刺激ほど早く処理される 注意をひく(事前に提示)場所の処理が早く行われる タイミングがずれた視聴覚刺激は2-3分もすると同時になる 練習・学習の「慣れ」の効果 → 順応 人間の認知の特性 遠い未来のことは軽くなる 近い未来は重視される
●粂氏の特別講演 時間生物学 ニューロエシックス 脳神経倫理学 感覚が意識化されるまでに300-500msecもかかる 両手を触られる感覚は腕を交叉させると混乱する 生物にとっての時間の意味は 長さの計測 タイマー 順序の決定 プログラム 同時性判定 ラッチ回路 時刻の情報 時計 季節の情報 カレンダー 生物時計 概日周期(サーカディアンリズム) サーカ 約 ディアン 1日(24時間) 時刻を知る 季節を知る(日照時間) 方角を知る 羅針盤 脳幹視床下部○○交叉 にある SCN 生物時計を構成するSCNの個々の神経細胞も概日周期を持つ 止まる時間 睡眠 ※脳の機能の一つ 冬眠 休眠 眠るのは大脳皮質、脳幹は眠らない イルカは脳の半分ずつ眠る 冬眠と増井は睡眠ではない 不眠ショウジョウバエ(ミュータント) ドーパミンを回収する部分が不調 ドーパミンが滞留してずっと起きている 覚醒剤の作用はこれと同じ 活動時間と睡眠時間とでは統計的性質が違う ほ乳類でも実験されていた 活動分布 対数分布 休眠分布 べき乗分布
●柏端氏の特別講演 哲学 「時間的なもの」のもつ3つの特徴 順序 非対称性 動性 価値づけの非対称性 「価値」ってのはよく判らない・・・ 感じ方に還元できないか 可能性の未来への分岐を是って胃にしていないか 価値゛けの時間的非対称性はそれ自体「よい」ものなのか 未来へのバイアス・近い未来へのバイアス 人間はいろいろ知ってしまっている 確率論という合理性も知ってしまっているので価値の意味付けが変わっている ●パネルディスカッション 24時間周期を持つタンパク質は淘汰の結果では? 自転周期が15時間の惑星上の生物を構成するタンパク質はたぶん15時間 生理的指標と内観的情報との関係はまだ発展途上 実験心理学→パイオニアに参考にできないか ●蔵本先生の特別講演 非線形科学 = 非線形動力学 Nonlinear Dynamics 時間とは流れるものなのか ※自由 堀口大学 待つ間の長さ 逢ふ間の短さ 時のお腹は蛇腹です 時間の矢 = エントロピー増大の法則 時間には方向性がある 動→静 構造→無構造 世界から限りなく秩序が失われ「熱的死」にいたる(ボルツマン) 不可逆過程 自然現象にたくさんある造形美 Classical thermodynamics is essentially a theory of "destruction of nature". ... such a theory has to be completed by a theory of "creation of nature". 非平衡開放系 入力は低エントロピー 代謝過程(エントロビー生成) ※生物はまさにコレ 出力は高エントロビー 散逸構造(Dissipative Structures) 非線形システムの特徴 創発性(要素間の関係性から生じる) emergence Simple rule が Complex behavior を有無 流れの中に置かれると動き(周期運動)が始まる ししおどし リズムが生まれる リズム現象の発展(平衡から離して行くと) 逐次分岐 → カオス カオス運動(非周期自律運動) Sensitive dependance on initial condition 予測困難性(誤差の幾何級数的増大) 同期現象 揺れる台の上に乗せたメトロノーム(別テンポ)が揃う リズムを刻むものを相互作用させると起きる 生体内の振動子集団と集団リズム 心拍 洞房結節 概日リズム 視交叉上核 同期概念の一般化 カオス振動の同期 ★ 非線形科学の他のトピック フラクタル 複雑ネットワーク ★ scale-free network 「優先的選択」原理によって成長するネットワーク 非線形科学の応用領域には限りがない 複雑系を理解するには定量的でなく定性的に攻める 特異点に注目というのは重要 トポロジーの考え方と同じ 定性的な類似点の理解にはトポロジーが重要
●一般講演(2) 自己認知と時間意識の関係性 2つの仮説 自己認知は時間意識に従属する 自己認知と時間意識は独立 視覚と体性感覚との時間的不一致→自己身体認知は阻害される 遅延自己顔の提示 遅延時間が長くなるほど「過去」と意識される 時間の現在性は感覚の不一致でも3秒ほど 皮膚癌の写真は参った(^_^;) 入眠時の照明の色光に関する研究 メラトニンの分泌→安眠 光が分泌抑制の効果→睡眠障害 昼間の実験では駄目(メラトニンが出ない) 抑うつと画像の感情価が主観的に時間評価に及ぼす影響 快・不快の感情が時間感覚に影響する 心理的時間 人間は時間そのものを知覚する特定の感覚器は持っていない 時間意識は大脳の認知過程により形成される 時間知覚 5秒以内 作動記憶が関与 時間評価 5秒以上 長期記憶が関与 予期的時間評価 追想的時間評価 ※記憶の情報量が多いと時間評価が伸びる 感情には2種ある 特性としての感情 状態としての感情 先行研究 不快画像では時間評価が長くなる 「噪」時間評価が短い ←→ 「抑うつ」時間評価が長い 抑うつ者は扁桃体の活動が高い→否定的な感情のノードが慢性的に活性 抑うつ者がいちばん時間評価が正しかった(リアリスト) スクリーニングに使えるのでは Does a Timer Exist in Escherichia coli ? 分子レベルの化学反応にタイマーがある? 概日リズムの起源につながる? ●一般講演(3) AMeDASのデータから太陽光資源の検証・予測 日照時間 日照量 太陽定数(黒点活動) ロウソクの科学 Faradayのロウソクの科学 ★本になっているので読むべし クリスマスの講演会 溶けたロウのカップが何故出来るか 日なたに置くと炎の影が見える 固体が燃えて気体になるのは炭素だけ 燃焼の結果、水が出来る ロウソクの燃焼は生命体と同じ Atkinsのロウソクの科学 ミクロで詳しく ★本になっているので読むべし 量子力学による理解 化学反応の理解にはニュートン力学でなく量子力学が必要 反応の世界 分子・原子でみる炭素の特異性 振動や形が現れる BZ反応 カオスが現れる 光合成 相転移の理論(←統計物理学) 非線形現象としてのロウソクの科学 21世紀は非線形科学でマクロに調べる ダイナミックな現象にはマクロが必要 2本のロウソクは同期する(近いと同相・離すと逆相) 引き込み 非線形振動子としてのロウソク ロウソクの上空に発生した渦が下がってくると引き込みが起きる 高速カメラでないと撮れない
時間増大する人・組織リスク 広義のヒューマンファクターの時間描写 事故発生のリスク 時間継続の面からリスク因子を分類 長い時間経過の中でリスク値はどう変動するか 組織要因→局所的要因→不安全行為→事故の顕在化 人の本性的因子 人と人との関係 組織の本性的因子 安全科学 BCP
山口における歴史・科学的試料の加速器炭素年代の研究 日本は危機管理 Crisis control ←「想定外」あり 海外はSituation management ←「想定外」ナシ 炭素年代研究の発展 質量分析 誤差10%以上 加速器 高精度で出来るようになった(1%) 隕石衝突 = 宇宙空間で液体が出来る現象 地球外元素 炭素は大事 ! 過去は破壊分析 → 非破壊分析が重要 大質量星形成領域のメタノール・メーザ強度変動におけるタイムラグと空間構造 Cepheus A という星 32m電波望遠鏡でその星からの電波を調べる 時間的変動から空間構造を メタノール・メーザ 宇宙空間である温度・密度のガスで発生 メタノール分子の回転転移 星が生まれるあたりで出る ドップラー効果でそれぞれの雲の速度がわかる VLBIで位置を調べる 200個以上のメタノール・メーザ天体を毎年観測 AU 天文単位(太陽 - 地球) 中心星の変動が等距離の雲を励起すると変化が同期する その変化のピークが11日ぐらいズレている →奥行き方向に11光日ある、と解釈できる 電波望遠鏡は昼間でも小雨でも見える