エンタテイメントコンピューティング2006

2006年9月 長嶋洋一

9月15日から9月17日まで、 科学未来館で開催された エンタテイメントコンピューティング2006 に行きました。 久しぶりの東京出張であり、ちょうど狙いすました映画 「日本以外全部沈没」 も鑑賞できました。 事前情報で、体験したかったインスタを体験することもできました。 発表は既に完了している、未踏テーマの FMC3で、これが最後の学会発表です。 というのも、論文が数日後には 芸術科学会論文誌で公開される ことになったからです。

新橋からゆりかもめに乗って

テレコムセンターで降りて科学未来館へ

7階の受け付けでレジストレーションして

チュートリアルは、暗かったので写真ナシ。 帰途は、ゆりかもめの先頭に乗って写真を撮りました。

ここが発表をした会場です。始まる前なので少ないですが、ほぼ満席になりました。

デモセッションの会場風景です。

科学未来館そのものは前にも来ているので、常設展示は見ませんでした。

EC2006では、併設で インタラクティブ東京 を開催していました。 ここでは事前のWeb情報から、ぜひとも体験してみたいインスタがいくつかあり、 みっちり見ました。その会場風景です。

このインスタは、左右方向の指先の移動をキーエンスの赤外線センサで計測し、 その移動方向に合わせて指先が触れている金属板を、左右に移動させることで、 目をつぶっているとその金属板の形状が伸び縮みして知覚される、 というものでした。 実際にやってみましたが、確かに触れている楕円の円盤が横方向に面白いように 伸び縮みしていました。 目を開けると途端にこの錯覚は消えるのが面白かったです。

このインスタは、 PIRIPIRI の電極を、脳内で平衡感覚を司る「前庭」の付近に貼った、というものです。 体験希望者は「死んでもいいです」という同意書を書かされ、両耳の後ろあたりに 電極を貼ります。 左右の電極には、波形はサイン波、極性は単極、電流制限をかけたパルスが 音楽ビートと合わせて左右交互の位相で供給されます。 すると、見事に音楽と合わせて「身体が左右にグラグラ移動している感覚」 が誘起され、iPodでエンドレス再生しているビート系のミニマルミュージックがとても 楽しく体感される、というものでした。 これは PIRIPIRI の実験機でスグにでも出そうなので、機会があれば試したいと思います。

これはNTTがやっているし期待しつつ体験したのですが、ちょっと期待外れでした。 全てメカ(ステッピングモータとギアと重り)により、水平方向の往復振動で、 片方は一気に、逆方向は小刻みに、ということで偏った加速度を感じさせる、 というものでした。 一応、そういうカンジはしましたが、これはもっともっと小型のマイクロマシンにでも しないと、NTTが考えているような「水平方向に移動する感覚のケータイ」の実現には 至らないのでは・・・と思いました。

これはインスタというより実用を狙ったセンサ/ディスプレイで、 額の部分に512個並んだ電極を貼って、 PIRIPIRI と原理的には同じ電気刺激を与えます。 ここでも体験希望者は「死んでもいいです」という同意書を書かされ、額には 電圧を軽減するための人工皮膚(厚さ2-3mmほどのジェルシート)を貼った電極バンドを付けます。 512個の電極には、波形はインパルス(ある電極にパルスがある時には他511個はGND)、 極性は単極、そして電流制限をかけて300ボルトで供給されます。 8*8=64個の信号を出力するデバイスがあるそうで、これを8個並べています。 CPUは秋月のAKI-H8でした。 その上でグラスをかけて、その額の中央にあるCCDカメラで前方の風景を画像認識して、 黒い背景で2本並んだ白い棒の像が、奇麗に電圧パターンとして額に描画され、 これなら視覚障害者もその「像」を知覚できる、と納得できました。 棒を水平にしたり斜めにしても、2本の距離を近付けたり遠ざけても、 目を閉じているのに、きちんとその「風景」が額の電気刺激で見えました。 まだ商品化はされていませんが、東大の研究を離れて、ベンチャーが実用化に向けて進めているそうです。

体験したかったシリーズの最後は、岩井俊雄さんのモルフォビジョンです。 これは面白かったです。NHKはお金ありますね。

3日目の9/17の最後には、将棋の羽生さんの招待講演がある、という事で期待していたのですが、 台風が近付いてきて新幹線が止まりそうだ(夕方には実際に広島でストップ)、そして講演も たった1時間しかなく他2人との質疑応答形式だ・・・ということで、ちょっと足が遠のきました。 そこで午後に科学未来館を出て、散歩がてらフジテレビに行き、展望台とかスタジオ見学など、 「観光」して帰りました。