テルミンなど

1996年11月 長嶋洋一


RE:テルミン 96/11/06 22:01


◆昨日、テルミン奏者と一緒にお仕事したのですが、けっこう面白いものですね。
◆で、あれのMIDI版をAKI-80コントローラーのオプションとして作りたく
◆なりました。そこでお願いなのですが、(^^;)
◆いま私の手元にあるAKI-80 のプログラムは、0〜5vをチャンネルプレシャー
◆0〜127の128段階に変換させるものですが、これを(1ch分だけ)ピッチ
◆ベンド-8128〜+8128の16256段階に変換するプログラムなんて、お持ちではない
◆ですか?(^^;;

えーーと、まず、MAXを使えば、チャンネルプレッシャーinをベンドoutに
直結するだけで変換は可能です。

 (^_^;) (^_^;) (^_^;) (^_^;) (^_^;) (^_^;) (^_^;) (^_^;)

....というだけではあまりにソッケないので(^_^;)、やってみましょう。
といっても、A/Dコンバータの出力は8ビット精度しかありません。ところが
MIDIのピッチベンドは14ビット精度あります。そこで、実際には7ビット精度
あたりが実力なので(^_^;)、チャンネルプレッシャーをピッチベンドに置換
しただけのものを作ってみました。

ところが、いま僕は出張の初日でホテルです。手元にMIDIマシンの実機は
ありません。「たぶんこんなもんやろ」という程度で、机上の空論のように
プログラムを改訂してアセンブルしてみました。うまくいかなかったら、
お知らせ下さい。(^_^;)
実はベンドというのは14ビットデータの上位と下位とどちらを先にしていたか、
記憶が定かではないのです。(^_^;)(^_^;)
とりあえず「E* low high」という順であろう、という想定のもとに作ってみた
のが、以下のものです。これまでにどこまで行ったか不明なのですが(^_^;)、
これを[FMIDI003]と名付けることにしましょう。(^_^)

:0400000000000000FC
:1C10190000000000000000003E00D30000000000000000003E00D3000000000099
:0700000031FF9FF3C368000C
:1C002000220008D9ED5B00103E80B2676BDB187713CB9AED530010D908FBED4DDF
:20006600ED452100803E0077237CFE0A20F700000000000000000000000000000000000034
:2000860000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000005A
:2000A60000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000003A
:2000C600000000000000ED5EFBDB183E00320D10D31EAF320E10CD3B02CD9B01CDED00CD6A
:2000E6002301CDD10118F2ED5B06102A0410A7ED52C800000000DB19CB57C83E88B2676BBB
:200106007ED31813CB9AED530610C9ED5B04103E88B2676B7013CB9AED530410C9ED5B02E4
:20012600102A0010A7ED52C83E80B2676B4613CB9AED530210CB7828FE78FEF8D0FEF038A2
:20014600FEAF320810C978E60F320A1078E6F0320810AF320910C93A0810FE00C8FEC0C827
:20016600FED0C83A0910FE0020FE3C32091078320B10C9AF3209103A0810FE90C078320C0F
:20018600100690CD11013A0B1047CD11013A0C1047CD1101C93A17103C321710FE00C03A26
:2001A60018103CE63F321810FE1E2812FE2D2801C93A0D10E601F620320D10D31EC93A0D3F
:2001C60010E601E6DF320D10D31EC93A16103C321610FE32D8AF321610DB1ECB67C8DB1C67
:2001E600CB3F4F3A0E106F2600110F10197EB9CA2C0279773215103A0E10FE0528133A0E16
:2002060010F6D047CD11013A151047CD1101C32C023A0E10F6E047CD11010600CD11013AF3
:20022600151047CD11013A0E103C320E10FE062004AF320E103A0D10E6204F3A0E10B1D3DA
:0E0246001EF608D31E00E6F7D31E320D10C9B7
:00000001FF

仕様としては、A/D変換チャンネルり最後の第6チャンネルだけ、MIDIの6チャンネル
のピッチベンドとして送っているというつもりです。(^_^;)
バグがあれば、番号をそのままにして改訂します。お知らせ下さい。(^_^)

RE:テルミン 96/11/07 21:54


◆いよいよ禁断(^^;)のテルミンですね。実は8月?位に書き込み
◆されてからずっと楽しみにしてたのです。

そうですね。
僕も実物の演奏風景を見たのは、去年の夏シンポ?で紹介された
ビデオが最初でした。とても芸術性あふれた楽器だと思います。
楽器の特性上、バイオリンのセレナーデあたりがもっとも得意なレパですね。
頭のパンチの部分は難しいですが、尺八の曲も表現できるかもしれません。

◆さて,テルミンの原理ですが,うろ覚えなのですが,
◆外に出した電極と体との間の容量(キャパシティ)とコイルとでLC共振回路
◆を形成して発振させる。体を動かせば(電極に対する距離と面積により)容量
◆が変化して周波数が変わり,またQ(選択性)の変化で発振強度が変わり演奏
◆ができる。
◆でしたっけ?
◆ただこの容量は小さいと思いますし,そうなれば可聴域の発振にはコイルが大
◆きくなりすぎそうだし,ビート(うなり)をとっているのでしょうかねぇ?

もちろん、ビートを取っているでしょう。
このあたりに不案内な人にフォローすると、たとえば可調周波数帯域で
発振する回路のL(コイル)とかC(キャパシタ/コンデンサ)を人間の
身体の成分で制御する、というのは不可能です。時報の440Hzと880Hzの
2つのA音の間のオクターブにわたる周波数をそのままこの周波数の中間
あたりの発振回路からプラスマイナス50%以上も変える、というのは
とっても困難です。(^_^;)
そこで、たとえば100KHzの基準水晶発振回路の出力と、100KHzから外部付加
容量で1%だけ周波数を微調整できる発振回路(VXO)とをミキシングして
みると、両者の差(ビート)は0Hzから1000Hzまで完全に連続可変で発生
できるわけで、まぁテルミンはこういう原理だということです。これぞ
アナログ、ということですね。(^_^)

◆簡単にそれらしく鳴らすには,近接センサの出力を AKI->MIDI I/Fにつっこん
◆でMAXにていろいろいじれば出来そうですね。

赤外線による人体近接検出のための焦電センサは、たぶんテルミンのような
連続量の検出には向いていないと思います。まだ歪みゲージを曲げる方が
いいように思うのですが...。

◆でも,自分自身を共振回路の一部にして,体中を音の電流が駆けめぐる(^^;)
◆本来の形も快感?ですね。

実は、今年の後半にも、上記の基本的原理によってテルミンを作ってみよう
かな、と思っていたのです。
夏休みに帰省した時に、実家で「SSBトランシーバーの製作」みたいな記事から
VXO(可変周波数水晶発振回路)とかDBM(ダブルバランストモジュレータ)とかの
回路図を収集したりしていたのです。(^_^;)
しかし、連載を書いているコンピュータミュージックマガジン誌に、カメオの
テルミン発売の記事を見て、あっさりと諦めて萎えてしまいました。(^_^;)
ことアナログの世界、プロにはかなわないですから。

かといって、A/DとAKI-80でたかだか8ビットとか12ビット程度の精度のディジタル
にあのニュアンスを切り刻むのはなんとなく許せないので、ディジタル的な
アプローチもしていません。まぁこのあたりは、もしかするとむずむず
作りたくなるかもしれませんが。

RE:RE^2:テルミン 96/11/09 09:51


◆ お忙しいところ、さっそくのプログラム、ありがとうございます。m(..)m
◆ しかしながら、なぜかFMIDI003 はうんともすんとも言いません。(^^;;
◆ LEDも光らないので、バグというやつでしょうか。(^^;)

うーーん、スッパリと見事にバグですね。(^_^;)(^_^;)
やはり、実機でテストもしないで出してはいけませんねぇ。
FMIDI003というのは、たしかいちばん最初のLED点滅をFMIDI001として、
次のA/D変換のをFMIDI002としたかなぁ、ということで名付けました。
しかし、これでFMIDI003はまだ次までお預けですね。

そこでさっそく改訂しようと思ったところ...

◆ですので、今回のFMIDI003 が動いたとしても、私の考えていたものとはちょっと
◆違うと思います。せっかくいただいたのに贅沢言ってすみません。(^^;)
◆というのも、8オクターブをピッチベンドで動き回るのには、128段階では
◆荒すぎるのです。

うーむ、これは当然です。となると改訂して作るのはやめにしましょう。(^_^;)

◆16256段階だと、96÷16256=0.00590....で、けっこう微妙にウニウニ出来そうです。
◆サンプラーの方も、微妙なピッチベンドには対応しているようです(ここまで微妙か
◆どうかは聞き取れませんが、カクカクすることはないです)。

サンプラーとかは仕様によりますが、たいていの電子楽器はピッチの部分に
16ビット程度の精度を確保していますので、MIDIベンドの14ビット精度に
十分に対応しています。
テクニカルには、だいたい1.5セント程度の精度でピッチを発生するためには
ピッチ発生部分のディジタル回路としては9ビットの精度が必要です。ここに、
1オクターブあたり1ビットずつデータが増えてきますから、16ビットの
周波数データで音響合成している音源なら7オクターブにわたって1.5セント
以内の精度でピッチを作れます。MIDI規格でベンドを2バイト14ビット精度
に規定したのも、この技術的状況と対応しています。

◆なるほどなぁー、ということはこのA/Dコンバータでは、16256段階は無理という
◆ことですね。
◆ちょっと残念!。(^^;)

ということですね。廉価版の8ビットA/Dでは256段階、民生の12ビットA/Dなら
4096段階です。たいていの音源は、「*オクターブをピッチベンドで分割」と
いうことなら、この12ビット精度あたりが限界だと思います。実際には、
12ビットA/Dで検出できるほどの高精度なセンサがなかなかありませんから、
このあたりが現実的なところでしょう。
(センサ回りのアナログ技術を追求しないと実質的な精度は出ませんよ!)

...ということは、次のターゲットとしては、
 ・12ビットのA/Dを使う
 ・MIDIとしてピッチベンドで2バイト使った形式で出力
というAKI-80マシン、ということになりますかね。簡単には1チャンネル版と
いうことかなぁ。A/Dチップを代えれば、コントローラとしてはAKI-80で
まったく問題なく製作できますから、カンタンだ、というところは変わりません。

宿題とさせていただいて、いいでしょうか。(^_^;)

RE:RE^2:テルミン 96/11/09 09:51


◆今は普通のオーディオ誌になっている「無線と実験」ですが,昔は面白い記事
◆がいろいろありました。
◆無線機の自作は言うに及ばず,思い出しただけでも家庭用TVを改造してX線
◆を出せるようにして,家庭でレントゲン写真が出来る装置とか,マイクロ波で
◆ハエを焼き殺す装置とか,音楽に合わせて頭に電流を流して閃光を見て楽しむ
◆装置とか,現在では嘘のような過激なものがめじろおしでした。

そうですね。僕の記憶でも、1音1音ごとにトランジスタ発信器とLCフィルタの
微妙な定数の変化で個別の打楽器音色を作った「リズムボックス」とかを
覚えています。エンエンとmoog方式のアナログシンセサイザの製作記事を
メインに連載していたと思ったら廃刊になった「電子展望」などという雑誌
もありました。(^_^;)

RE:RE^4:テルミン 96/11/09 21:42


うーーーむ、皆んなテルミンねたにはうるさいですね。(^_^)

◆ 本物のテルミンが「無線」とすると、私の考えてるMIDI テルミンは、とりあえず
◆「有線」なので精度は問題にならないと思っていますがどうでしょう。
◆ アンテナの代わりにニクロム線です。本物に比べると貧乏くさいかも。(^^;)

無線でも有線でもニクロム線でも光ファイバでも、要は精度無限のアナログ
であるところがポイントです。これを安定確実にディジタル化しないと
いけないところが、MIDIを使う場合の最大のネックです。
アナログ方式のままなら、なんの心配もいらないのです。

◆ 楽しみにしています。(^^)
◆ 1CHで十分だとおもいます、今ある6CH分と組み合わせて使えばいいのですから。
◆ 冬休み頃になったら、チクチクさせていただきます。
◆ 今度の正月はハンダ付けですね。(^o^)

お願いします。
先日のは手持ちのソフトそのままなので6CHでしたが、ソフトをちょいと変えれば
従来の6CHはそのままで、第7,8CHを2バイトのベンドにもできます。(^_^)
また、その時に考えましょう。

◆で、本題のテルミンですが、アメリカの雑誌 Electronics Now(旧称Radio Ele
◆ctronics)の96年2月号に製作記事が載っていました。
◆作ろうと思いつつ部品は集めてみたものの、なかなか製作にかかれない今日この
◆頃です。CVアウトも付いているので、A/Dに入れてやればMIDI化も可能です。

うーーむ、その記事、こんど機会があれば見せて下さい。
秋葉原/日本橋バージョンとして、作ってみましょうか。

◆他に、日本の石橋楽器店では独自の製品を販売していて、こちらは 12,000 円が
◆定価で通信販売もしています。

ミニテルミンとかハンディテルミンとかいうやつですね。
テルミンというのは、精度や周波数帯域や音色特性や安定性などのSPECを別に
すれば、トランジスタ2個ぐらいの発振回路でもできてしまうものですから、
定価で数千円とか1万円程度のものというのは、中身は子供のおもちゃの
ミニオルガン(鍵盤付ブザー(^_^;))と同じようなものでしょう。連続した
ピッチが人体によって可変できれば「テルミン」と名乗って文句は言われない
のです。

僕はイメージとしては、あの「芸術的テルミン演奏」が頭にあるので、こういう
オモチャの実験にはあまり関わりたくない、と逃避しているのです。(^_^;)

RE:RE^4:テルミン 96/11/15 08:05


◆で、記事は昭和37年11月号にありまして、残念ながらテルミンのコピーでは
◆なく、当時最新の素子であった、CdSを使い、光の量を手で遮る等して制御し、
◆テルミンのように発振器をコントロールして演奏しよう、という物でした。
◆テルミンについては、ブロック図のみ出てました。

うーーむ、Cdsですか。なつかしいですね。
フォトダイオードやフォトトラが出るまでは、もう「光モノ」と言えば
Cdsという時代がありましたよね。
これなら、トランジスタ式なら1石か2石ですね。
....でも、ここを敢えて真空管式にして、外からあのフィラメントの
光っているところが見えるようなマシンをステージに置くと、存在感ある
かもしれません。(^_^;)
(意味もなく真空管を並べて、Performanceセンサ情報をMIDIで受けてD/A
 して電力変換して、この真空管のフィラメント電源とする、というのは
 どうでしょう。身振りと合わせて真空管がわらわら点滅する....(^_^;))

◆単に発振させただけでは波形が綺麗すぎるので、わざわざダイオードを使っ
◆て歪ませたりしてます。紙に段々濃くなる帯を書き、そこに素子を向ける事で
◆音階を出す、なんてな試みもしてますね。

現在ではなにもかもディジタルなのでピンと来ないかもしれませんが、
これはどことなく教訓的ですね。こういうアプローチは、1970年代の研究
を紹介したアメリカの記事でも読んだことがあります。

だんだん思い出してきましたが(^_^;)、当時はエフェクタと言えば「ファズ」
と「ワウ」だけしかなくて、リバーブはスプリング式、エコーと言えばテープ
式でしたよね。色々と工作したなぁ。(遠い目...)

RE:RE^4:テルミン 96/11/16 00:46


◆例えば、ディジタル信号処理ならではの物理モデリング「ウェーブガイド」を
◆アナログ回路で組んでみる、なんてのはいかがでしょう? 遅延線にはBBD
◆を使います。

うーん、こういうアイデアは僕たちの世代ならでは(^_^;)ですねぇ。
BBDなんて、CCDカメラは知っていても最近の人は知らないんじゃないかなぁ。
もっとも、内部にBBDを多数搭載して、内部的にはアナログ的にリバーブを
実現してしまうという無謀なディジタルLSIが海外メーカでありました。(^_^;)

せっかくだから、まったくのディジタル回路をヘタヘタのアナログ素子で
組んで、たまにビットエラーをする、というのを作ってみる、という手も
あるかもしれません。(^_^;)

「楽器」について考えましょう 96/11/16 11:29


時間があるので、コーヒーを飲みながらつれづれなるままに書いています。
このところ、「楽器」について考えさせられる機会に恵まれているようなの
で、オムニバスに思い付くまま、だらだらと書きます。(^_^;)
(それぞれの項目は、基本的には独立しています)

「楽器」といえば皆さんにとっても重要な関心事でしょう。
どこか、コメントできるところがあればコメントしてみて下さい。(^_^)

===================================================

まず最初に紹介するのは、以前の音情研・夏シンポで「楽器」が話題に
なった時の、◆◆さんの言葉です。僕もまったく賛成の言葉です。

 「演奏法とその修得が困難でなければ、楽器ではない」

どうしても電子楽器メーカから出て来る「新楽器」は、誰でも簡単に弾ける
とか練習が要らない、とかいう方向に行ってしまうのですが、これが
多くの作家に作品として使用されない原因になっていると思います。
誰でも簡単に弾けて、習熟度の差がなく同じ様な演奏ができるというような
「楽器」では、まぁちょっと考えてみても「芸術性」みたいな世界には
行かないですよね。(^_^;)

ちなみに僕がこれまでに作ったセンサ類でも、Performanceはいわゆる
「音楽家」に依頼しています。これは、実際にその音楽家が専門としている
楽器とは異なるとはいえ、専門家はリハーサルの過程でそのセンサの特性
を感覚的に見抜き、作曲者の意図を見事に反映させて(場合によっては意図
した以上に(^_^))くれるからです。このあたり、本当に「楽器」というもの
の本質を理解している音楽家/演奏家というのは、素晴らしいと思います。

================================================

このところの話題にあるように、静電容量でもCdsでもニクロム線でも、
とにかくアナログ原理で連続周波数を発生する発振器によって、ごくごく
簡単に「テルミン」を作ったとして、それを「楽器」に仕立てていくため
の作戦って何でしょう。

発振器の出力波形は単純な音色であっても、最近のエフェクタを駆使すれば、
 ・音色の動的フィルタリング
 ・ハーモナイザで音を厚く重ねる
 ・ディレイ、フランジャ、リバーブ等の各種エフェクト
などによって、かなり重厚な音色を実現できそうです。もっとも、せっかく
アナログで連続信号という貴重な信号を作ったのに、A/DしてDSPで信号処理
するエフェクタで時間的にサンプリングして切り刻むのでは、ポリシー的に
やや許せない人もいるでしょうけど。(^_^;)

これを固定的に使わずに、簡単なフットスイッチや別のセンサとMAXとを
組み合わせて、エフェクタのパラメータ等をどんどん演奏中に変更していけば、
かなりの「演奏」ができる「楽器」となるように思います。

...うーむ、なんだかこれは挑戦しがいがあるテーマかもしれないです。
Performerの動きと必然的に結び付いた「音」のイメージがポイントとなる
ような気がします。

====================================================

ワークショップとかの場でComputer Musicに関連して「楽器」を紹介する
時に僕が定義する「楽器」とは、以下のようなものです。この話は以前にも
書いたとは思いますが。(^_^;)
便宜上、A−Dの記号を付けてみました。

 A エネルギー源      ←−−−−↑
      ↓             ↑
 B 非線型原信号発生機構  ←−−−−↑
      ↓             ↑ リアルタイムの
 C 線型共鳴機構      ←−−−−↑ フィードバック
      ↓             ↑  (演奏)
 D 空気振動への変換機構  ←−−−−↑
      ↓             ↑
   [楽器としての音響]       ↑
     ↓    ↓         ↑
    聴衆   演奏家本人 −−−−−↑

いわゆる電子楽器では、「音源」部分というのはBとCの部分を電気信号と
してエミュレート、あるいは生成しているわけです。Bは音源波形、Cは
フィルタ、というところでしょう。(^_^)

ウインドシンセの「息」という制御が「楽器」として好まれるのは、Aの
領域をコントロールできるからです。もちろんウインドシンセのパラメータ
はBやCも制御しています。

早稲田大学の橋本先生のところの研究で、ポンプでゴム膜に空気を送って、
ゴム膜の張力をステッピングモータで制御して「歌わせる」という研究に
ついて、現状ではかなり悲惨な「演奏」にもかかわらず僕が評価・注目
しているのも、コンピュータ制御でAとBとDを全部やってしまう、という
「楽器」としてのリアリティにあるのです。

△△さんから聞いた話ですが、AMIGAのフロッピディスクドライブに、
FDCを制御してモータに異なる回転をさせることで、各種の音階を発生
させて音楽演奏する、という凄いフリーソフトがあるそうです。(^_^;)
これからのアプローチとして面白そうなのは、こういうDのところを
からめた「楽器」かもしれません。ステッピングモータに微細なパルスを
周期的に送ると、ある種のピッチを持つ振動が発生します。これを響板
のような機構に結び付けておけば、ABCD全てのある「楽器」が
できます。あとは「制御」の部分とうまく結び付けて、音楽的な演奏表現
の道具としての完成度の問題となります。インスタレーションと楽器との
境界は、現代ではかなり交錯しているのだと思います。

なお、Aから直接にDの部分をディジタルで制御してやろう、という発想
も昔からあります。たとえばディジタルを8ビットとした場合、MSBに
相当する直径1mぐらいの100Wスピーカ、bit6に相当する50cmの50Wスピーカ、
というふうにビットごとにON(前進)かOFF(後退)するスピーカを並べて、
ディジタル音響信号のビットでそのまま駆動する、というものです。
...これでうまく音響になればいいのですが、まぁ、なりません。(^_^;)

=======================================================

以前にもちょっと書きましたが、生オケを振る、という機会があって、
とても勉強になっています。先日、見学顔合せのあとで30分ほど振ったの
ですが、今月末には4時間近い練習時間を全て任されることになっています。
なかなか実力のある大学オケで、これをチャンスとばかり、僕もチャイコの
第4交響曲をじっくりとしゃぶっています。(^_^)

しかし、やはり生身の演奏者の集まったオケというのはいいですね。当然か。

スコアを縦横に眺めて、チャイコフスキーの意図した「音色」を色々と堪能
しています。ここでは、個々の「楽器」の特長や特性についても、さらに
オーケストラを一つの「楽器」と考えた上での音響に対する配慮などが、
ひしひしと伝わってきます。SC88を100台使っても、DTMでは到底無理な
世界です。まぁ当然ですけど。(^_^;)

オケでなくてバンドでも合唱でも何でもいいのですが、実際に音楽演奏に
関与することで、はじめて作曲に生かされる事は本当に多いです。そして、
たとえばComputer Musicの世界では「新楽器を作る」ことまで作曲の一部
なのですが、この場合にも参考となる事の多いこと。(^_^)

====================================================

昨日のジーベックのコンサートでは、演奏者としてはチェロ奏者が一人、
ということで、Chanさんと田中カレンさんは、「Computer Musicとチェロ」
ということで新作の作曲をジーベックから委嘱されたようです。
そこで皆さんにも、「Computer Musicとチェロ」という条件で作曲を依頼
された場合の作戦を考えてみて欲しいと思います。(^_^;)

チェロという楽器は、それはそれは表現力と個性に溢れた楽器です。人間の
声にもっとも近い、という説もあります。この楽器とComputer Musicの部分
とをどう折り合わせるか、というのは、なかなか面白い課題です。(^_^)

チェロの音色を埋没させるほどの重厚多彩な音響というのは、かえって
マイナスかもしれません。Chanさんの作品では、チェロが持続音系の
フレーズを弾く、ということと対比させるように、Percossiveな音響で
「合いの手」的な電子音響パートを多用していました。
一方、田中カレンさんの場合も、チェロと食い合わないように、かなり
低域の持続音響などを使っていました。つまり、お二人ともチェロの音色
とComputerパートの音色とを対比的に使っていたと思います。

これとは別に、敢えてチェロの音響をサンプリングした素材だけを使って、
生チェロとComputer Generatedチェロとでバトルを展開する、という手法も
多く用いられます。日本では莱さんとか小坂さん、海外ではCort Lippe
あたりが得意としている手法です。(^_^)

..もし僕だったら、どうするか、実はまだ結論が出ていません。まぁ別に
委嘱されたわけではないので構いませんが、こういうテーマを具体的に持つ
ところから、アイデアは始まることも少なくないのです。

===================================================

たまたまそういう流れになっていますが、音情研の12月例会は「20世紀の
電子楽器」というのがテーマです。オンドマルトノあり、テルミンあり、
僕のMIDI報告もあり、さらに大阪芸大のサイバースーツ?という新楽器?
の発表もあります。

興味のある方は、御一緒しましょう。新ネタとか、あるいは異なった
領域の人同士が知り合って、新しいコラボレーションが始まるチャンスと
なるかもしれません。(^_^;

RE:「楽器」について考えましょう 96/11/17


◆尺八という度難しい楽器を修得した方ならではのお言葉ですね。
◆私も「たいていの楽器は、演奏法とその修得が困難である」と感じてましたが、その
◆逆も成り立つとは考えてもみませんでした。(^^
◆本音を言うと、認めたくない言葉ですねぇ、うーん。(^^;;
◆それぞれの楽器を発明した人が「演奏法とその修得が困難」なように作ったとは思え
◆ないのですが。

ええと、言われることももっともです。
ちょっと僕の元発言に言葉が足りなかったのですが、
 「演奏法とその修得が困難でなければ、楽器ではない」
という◆◆さんの言葉は、おそらく「◆◆さんにとって」ということであり、
賛同した僕も、「自分にとって」という但し書が付きます。つまり、一般論
としての楽器に対して定義したり要求しているのではなくて、自分の音楽に
おいては、そういう意義づけをして楽器というものをとらえたい、という
意味です。

皆さん書かれているように、楽器の歴史は表現能力の拡大
とともに、「演奏のしやすさ」も追求しています。ただし、演奏しやすくなる
と、作曲家は従来は考えもしなかったような超絶技巧や変態的演奏法(^_^;)
を演奏家に要求し、また演奏家もこれに応えて楽器の可能性をともに開拓
(これは同時に音楽の可能性でもあります)してきた、という歴史は重要
だと思います。

この意味で、僕の述べた分脈は、「努力しないで音楽演奏した気になる」
という姿勢での楽器に対するアプローチ(これはえてして工房で生まれる
楽器でなく、工場で生産される楽器に多いようですが(^_^;))が、個人的に
好きではない、という程度のことだと解釈してください。

◆初めに電子音(たぶんサイン波とか矩形波)聴いたときのような、「聴いたことのな
◆い音を聞いたときの感激」を保てるような音を発する楽器を発明するのは、これだけ
◆色々なシンセ音が氾濫している今となっては大変なことでしょうね。
◆私はVLにその可能性があると思っていじってるのですが、音づくりはホントに難し
◆いです。
◆難しい故に、うまくいったら相当なモノが出来る予感があるのですけどね。

音色の探求というのは、ものすごい可能性を持っていると思うのですが、
どうにも僕は、ここにハマるのをとっても避けています。(^_^;)
でも秘かに、この冬休みには、再び電子音響にハマってみたいと思っている
のですが、メーカ製の電子楽器をその道具とするのはどうにも耐えられない
ので、信号処理ツールから全て手作りとなりそうです。一つの音素材ができる
たびに、IndyのCプログラムが2-3本ずつ増える、という、そういう世界に
なりそうです。(^_^)

◆この「困難さ」というのは「奥深さ」と言い換えることが出来るのではないかと
◆思います。もし、修得が困難な「だけ」であったらその楽器は歴史から姿を消し
◆ていると思います。しかし、その楽器に入れ込めば入れ込むほどより「いい音」
◆が出せるのであればそれだけの犠牲を払う価値はあると思います。

奥深いが何か魅かれてしまう、という楽器であれば、精進して修得しようと
いう気になるのでしょうね。(^_^)

◆上手い例ではないと思いますが、こうした部分での身体とのつながりを通じて獲
◆得していく皮膚感覚のようなものが最近のシンセといわれるものでは希薄になっ
◆てしまっているのではないかと思います。

以前に盛り上がった「猫ピアノ」の話題ではありませんが、誰が弾いても同じ
音が出る、というのは、この意味で淋しいものがあります。まぁ単音なら
いざ知らず、メロディーを奏でる、ということになれば、確かにシンセ鍵盤でも
うまい人と下手な人との差はハッキリしますが。

かつてはフルコンサートピアノの鍵盤表面には象牙が使われていて、ピアニスト
の指先の汗を程良く吸収しつつ程良く滑ったのだそうです。黒鍵は黒檀です。
そして、物理伝達機構であるアクションにも、先端に黒鉛を塗った部品が、
鹿皮を巻いた部品を突き上げつつ滑って抜ける、という微妙なところを、
ピアニストは皮膚感覚で感じ取って演奏しています。このあたり、導電ゴム
スイッチがプリントパターンをショートする、というバネ式のプラスチック
鍵盤のシンセと同じとは思えないのですが。(^_^;)

RE:RE^2:「楽器」について考えましょう 96/11/18 08:33


◆しかし、Piano の場合にはあの独特の機構による指への Feedback に加えて、馬
◆鹿でかい Body による共鳴も強力ですね。少し前に Bosendorfer の Imperial 
◆を触った(私は Piano は弾けませんので)のですが、あの溶けていくような和
◆音の響きとには驚きました。単音を Sampling して再生するときに単純に Mix 
◆して和音しているだけのいわゆる電子 Piano では到底太刀打ちできないすごさ
◆をひしひしと感じてしまいました。

ダンパーペダルを踏むと全鍵、ソステヌートペダル(まん中)を踏むとその時に
押されていた鍵盤だけ、ダンパーが浮いた状態で弦が解放されています。この
状態で、ある鍵盤を打鍵すると、その衝撃と共鳴は解放されている全部の弦との
相互作用として音響を生成します。この機構を電子楽器の音源で行うとなると、
最低限でも全鍵分の発音チャンネルは必須ということになります。ある打鍵
ごとに、各音源チャンネルのダンパー状態と打鍵された音程との共鳴関係から
それぞれの共振モードと強度を計算して駆動する...、ということです。

RE:RE^3:「楽器」について考えましょう 96/11/18 15:11


朝からIndyで音素材の加工実験をしています。サンプリングしたサウンドファイル
を加工するソフトをCで書いては処理するのですが、スピードをまったく考えずに
馬鹿正直に1バイトずつ読み込んでは計算して1バイトずつ書く、という
自作ソフトのために、1分ほどのファイル(約10MB程度)の処理に30分くらい
は平気でかかります。まだ実験段階ですが、信号処理で「使えそう」なモノが
できると、ここに音素材として、100-200個程度のファイルをたたきこんで
シェルスクリプトで無人自動変換操作を走らせるので、Indyにしても数日は
計算しっぱなし(^_^;)、というような事になります。まぁ、まだまだこれは
先のことですが。

「楽器」の話題で、なんとコメントが3件も続いていたので、Indy君が
ひたすら計算している合間を利用してコメントします。(^_^)

◆ピアノに管楽器を突っ込むというのは、その前からあったと思いますが、残響だけ
◆つなげて曲にするのは無かったように思います(現代音楽ではどうかわかりませんが)。
◆で、これをリアルタイムでやってみたいのですが。

ある音響の残響部分だけを切り出して音響素材として使う、というのは、電子音楽
では伝統的なテクニックの一つです。具体的にどの作品、とは出てこないですが、
たぶん、同様のアプローチは少なからずあったと思います。

◆楽器というもののエネルギー源のところ(Aのところ)に、このエネ
◆ルギーの発生に身体(皮膚)感覚を伴うかどうかというところ。私はこの点を重
◆視したいと思います。

声楽や吹奏楽器では、まさにエネルギーを注入することで振動が励起されます
し、弦楽器のボウイングもエネルギーと考えています。最終的に空気振動という
音響エネルギーになる以上、人間のエネルギーが必要なわけです。

◆ところで、ポップ系のバンドで、キーボード奏者やギター奏者が(私から見ると)
◆楽器演奏に不要と思われるほどのアクションをしますね。あれは、演奏行為のエ
◆ネルギーが電気に代替されているために、あのようなアクションをしないと演奏
◆した気になれないのかなと勝手に想像していますがどうでしょう。

エレキギターの場合、エビゾッて弾くことでネックがわずかにしなって、
ピッチが微妙に変化します。指先だけのチョーキングを敢えて使わずに、
エビゾリのチョーキングをする、というのは一種の奏法でしょう。(^_^;)

キースエマーソンがハモンドB-3を持ち上げてギックリ腰になった、という
のも、ある種の音楽的表現であり、これをリモコン制御のクレーンで行った
のでは駄目なのですよね。(^_^;)(^_^;)

.....ちょっと例が古かったかなぁ。

RE:テルミンナイト 96/11/19 21:26


今日は東京のお茶の水でセミナーをしてきました。夕方、会場から
駅に戻る途中に、イシバシ楽器がありました。(^_^;)
...で、ついフラフラと入って「テルミンありますか?」と聞くと、
「これです」と、以前の夏シンポで◆◆さんが持っていたモノを示しました。
即刻「コレください」と言うと、店員がちょっと動揺していました。(^_^;)
14800円。中は、2SC1815がたった3個、原価は1000円台ですね。
下の子供が大喜び。まぁ、ウチの奥さんも呆れていましたが、どう見ても
オモチャです。僕は真面目に研究素材として買ってきたのに。(^_^;)
ところで、このケースの中にAKI-80が十分入るようなオープンスペースが
あるのですが.....。(^_^;)(^_^;)(^_^;)

RE:RE^2:テルミンナイト 96/11/20 15:01


◆なるほど、ということは単に連続発信する音が出るというだけのものではなく
◆て、それなりにちゃんとしたものだということでしょうか^^。

このイシバシオリジナルのテルミンは、アンテナが1本ですから、音量は
「出っ放し」です。トランジスタ2個でそれぞれ1MHz程度を発振させ、
一方にはアンテナが接続されていて周波数が微小変化し、3個目のトランジスタ
でミキシングしてビートを出す、というだけのものです。

◆ところで、ソフト開発にはどういったものをお使いなのでしょうか?
◆なんとなく「ハンド・アセンブルで直接ニーモニック・コードを書いている」と
◆あっさりいわれてしまいそうな気がしますが...。

ググッとプログラムを考えて、いきなりテキストエディタにインテルHEXを
打ち込んで、最後に電卓でチェックサムを計算しています。

.....というのは、もちろん嘘です。(^_^;)(^_^;)(^_^;)

秋月の2500円のアセンブラでも、十分に使えます。秋月の2500円の
Cコンパイラ体験版は、このアセンブラソースを吐き出します。

これまでは、以前に使っていた「黒子」というROMエミュレータのメーカ
であるベータシステムのアセンブラとかを使っていました。もっと以前
には、6502のアセンブラでZ80を開発した事もあります。プログラム
を一見すると6502アセンブラなのですが、実は全ての命令をマクロ定義
してZ80の機械語を対応させている、という鬼のような実験です。(^_^;)

最近ですが、上記の色々を適当に組み合わせています。スピード重視の
場合には、やはり慣れたアセンブラですね。

RE:Re*5:「楽器」について考えましょう 96/11/20 15:02


◆僕も「鍵盤以外の楽器」の製作を検討していて、そのための情報を集めている
◆うちにここにたどりつきました。

僕も、イシバシの3石テルミンにいきなりAKI-80を組み込むのではなく、
今回はちょっと懐かしのアナログテクニックで、とりあえずテルミンの
音響をアナログ的にゴージャスにしてみようかな、と考えています。(^_^)

◆僕にとっての理想の楽器っていうのは、慣れた操作でできること、それによる変
◆化の幅を調節できるもの、多少のアソビがあった方がデフォルトを出しやすくて
◆いいなぁと思っております。

デフォルト、という言葉の意味でしばし考えてしまったのですが、あまり
センシティブだとなかなか思うところで止まってくれない、という事
でしょうか。このあたりは、演奏家によってはビシバシに高感度で素人に
は思った制御ができない程のものの方が、テクニックでこれを抑え込んで
演奏する事も、ワイドダイナミックレンジで表現することもできて好き
だ、という意見もあるかもしれませんね。なかなか奥深い世界だと思います。

RE:RE^4:テルミンナイト 96/11/21 00:12


◆> 秋月の2500円のアセンブラでも、十分に使えます。
◆>....
◆なるほど。どこらへんが体験版の制限なのかよく分かりませんでしたが

このクソ安いアセンブラは、マクロがないので、マクロアセンブラでないと
嫌だよ、という人にはストレスものとなります。(^_^;)
ただし、丁寧にライブラリを自前で作って環境を構築する人なら、あまり抵抗
なく活用できます。

Cコンパイラですが、定価版は15,000円です。こちらは標準入出力stdio.h
みたいなものを完備しているのですが、いざMIDI周辺をやる場合には全く
不要なので、2500円の体験版で十分です。(^_^;)(^_^;)

このあたりは、結構、ソノ世界に慣れた人でないとピンと来ていただけない
のですが、少なくとも僕はこの会議室ではフォローさせていただきます。(^_^)

◆後は TI の低価格 DSP 学習キットなんかもあわせると面白そうなのでこちらも
◆現在調査中です

体験版として1万円程度のDSPボードを出しているのは、TIとアナログデバイセズ
ですね。僕は以前、アナログデバイセズDSPボードでリアルタイムの信号処理
システムを作って情報処理学会で発表したことがあります。まずまず使い勝手
はよかったのですが、なんせ自分で音源DSPを設計した立場から言えば、「たった
これだけの信号処理でこんなにタイムスロットを消費するの???」と唖然と
した記憶があります。やっぱり、汎用DSPでは音源LSIの処理能力の1割も実現
できたら「御」の字ですね。(^_^;)(^_^;)
(...でも、DSPのアセンブラでマイクロプログラムを書いてダウンロード
 して信号処理させようなんてのは、AKI-80のアセンブラブログラムよりも
 ちょっとだけ、さらに大変ですよ。僕は楽しくやりましたが、誰でもスグに
 DSPできる、というのは甘いかもしれません。)

最近ではFPGAが実質的に数千ゲート規模まで来ましたから、どこかで機会が
あれば、「音源LSIをソフト的にHDLで設計してFPGAで実現」というのをやって
みたいのですが、時間がなかなか取れません。(^_^;)

RE:RE^4:テルミンナイト 96/11/22 08:09


◆確かにDSPのプログラムは大変で,機能的に低いとも思いますが,安価で自由度
◆が高い "AKI-80的" な所にひかれます。

僕がやったのは、PC98スロット用ボードにアナログデバイセズのADSP2101と
いうDSPと、A/DとD/Aとワークメモリを搭載した、マイクロサイエンス社
のボードです。これは本当に超カンタンで、Indyでリアルタイム信号処理を
するよりも、さらに「安価で自由度が高い」です。PC98本体は中古の数千円
ぐらいのマシン(MS-DOS3.3あたり)でまったく十分なので、専用機として
使えますね。このボードとMIDIインターフェースボードを入れて、MIDI制御
の音源という、まさに電子楽器ができます。
僕はこのDSP用アセンブラで開発して、さらにMIDI系のCプログラムで同時に
このアセンブル結果のマイクロプログラムをDSPにダウンロードする、と
いう「道筋」まではかつて完成していますので、とっつきやすくなって
います。
...ただし、このボードがそろそろ生産中止かもしれませんが。(^_^;)

テルミンURL集 96/11/23 00:09


皆さん既にご存じだと思いますが、ICMAのホームページに、「テルミン」
というホームページがありました。
http://www.nashville.net/~theremin/TPerform.html
です。

ここにあった、「テルミン関連URL集」を紹介しておきます。HTMLそのまま
の紹介ですが。(^_^;)

Spotlight: Lydia Kavina - Learn more

Theremin Availability - Where to buy theremins

Projects and Schematics - Build your own theremin!

Where to Find Parts

Publications and Films - A Theremin Bibliography

Known Theremin Recordings

Bands Currently Using Theremins

Theremins on Exhibit 

The RCA Theremin Registry 

Photos of an RCA restoration in progress

Theremulti-Media - Sounds and Video

Upcoming Event Schedule 

Classified Ads -Buy/Sell/Trade Theremins Here

Other Theremin WWW Sites

Photos from Dr. Moog's visit to Vanderbilt

Contributors to The Theremin Home Page

alt.music.makers.theremin is here!

Photo Gallery - Contributors' Theremins

Photos of Mr. Theremin

Theremin Book

Help Wanted!

About the Theremin Home Page

まとコメですいません。(^_^;) 96/11/26 08:49


皆さんに、それぞれちょろっとだけリプライさせて下さい。(^_^)

◆ちょっと考えると逆に感じますが、私の理解が足りないかな。奏者がこうやり
◆たいト思って、思ったことがうまく音としてフィードバックされないときの方が
◆モーションが大きくなるようにも思いますが?

これは僕も同感です。バンド系の演奏のモーションについては、
 ・見た目のオーバーアクションで聴衆を煽りたい
 ・動作でより「音」をコントロールしたい(前回の文脈)
 ・思ったように制御できなくて、余計にオーバーアクションとなる
    (一種のフラストレーションの表現)
などの要因があります。現在の電子楽器では、3番目も大きいですね。前にも
書きましたが、スタジオでバンドの練習をしていて、たまたまいつもの
ローランドのエレピ(タッチに対してスコーン!!と音が出る)でなく、
ヤマハのクラビノーバだったので、えらい目に会いました。(^_^;) その
機種は鍵盤のタッチを生ピアノに似せたいためか鍵盤に鉛が入っていて重く、
さらに弱打と強打に応じた音量感の差がとても貧弱で、僕はやみくもに
曲の盛り上がるところでは強打し続けました。上記のフラストレーションに
よるオーバーアクションです。
...その結果、2本で突き指して、しばらく痛かったです。(^_^;)(^_^;)

◆どういったパラメータをつけるかもセンスの別れ道ですね。実装技術との兼合
◆もあるし、まだどうするのかはっきり決まってません。

パラメータの検討と選択、そしてその実装、というのは、まさにこの手の
オリジナル楽器のポイントですね。まだ電子式の場合にはCPUのソフトで
なんとでもなるのですが、自然楽器だと、メカだけが勝負なので、このあたり
が、よりストレートに出てきます。浜松駅前の楽器博物館で、各種各年代の
これまでの楽器の変遷を眺めていると、このあたり、何百年にもわたって工房
で楽器を創りあげてきた先人のアイデアと苦労に感動します。(^_^)

◆考えることは、一緒ですねぇ。トランジスタ技術って本を読むとワンボードの
◆ペンティアムとかあって、「何に使うんだろう」って思ってましたが、こういう
◆目的に使うんですね(ちがうか^^;)

今後出て来るのは、間違いなく三菱とかが作っているJavaチップのAKI-80版
ですね。CQ出版のインターフェース誌が最近売り出しているRISCボード
(SH-1、V800)は、それまでの繋ぎというところでしょう。僕もSHボードを
編集部からもらって遊んでみようとしているのですが、どうも内部は速い
割に、MIDIとかやらせるとあまり効率が出てこないようで、記事が書けなくて
困っています。(^_^;) 「AKI-80とこれだけ違う」という記事ならいいのです
が、「AKI-80とこれしか違わない」(^_^;)というのではねぇ。

◆学生時代に「ホーミーは鼻から息を吸いながら口から吐くので発声がとぎれる
◆ことはない」と勉強したと思ったのですが、この番組に出ていた「達人」は息継
◆ぎしていましたね(^^;

うーーん、たしかこの「循環奏法」というのは、尺八など笛系の楽器の
奏法だったのでは?
「声」でこれができる、というのはちと無理なような気がするのですが。
皆さん、どうでしょう。

ちょっとハードなソフトの話(^_^;) 96/11/28 09:17


いま、京阪電車で大阪から京都に向かっています。この時間を利用して、
ちょっとまとめてみましょう。(^_^)

◆プログラミング環境のよさとか、そういうのでの差はないんでしょうか?
◆直にI/OをいじるだけのMIDIなんかだとそういう差は出ないんでしょうね

あまり深入りするのは適切でないのですが、これまであまり
触れなかったので、紹介がてら、「ボードマイコンのプログラミング環境」
について、書きます。

とりあえずここで話題となっているのは、AKI-80と共立の倍速Z80カード、
という8ビットCPUのカードマイコン、そしてATOM8で活用したPIC、
さらに今回紹介したインターフェース発売のRISCボード(SH-1,V800)
というあたりです。

まず最初に、AKI-80以外についてコメントしておきましょう。僕は開発
キットは持っているのですが、まだ時間がなくてPICはやっていません。
それからインターフェースのRISCボードですが、こちらはCコンパイラの
体験版と、パソコンとRS-232-Cで接続してオンボードのモニタROMとで
実現するエミュレータがセットになっています。つまり、プログラムを
Cで開発できますが、これをROM化することはできません。(^_^;)
このRISCボードでなにかMIDI機器を作った場合、いちいちWindowsパソコン
をつながないと使えない(^_^;)(^_^;)のです。それで、どうもイマイチ
没頭できない原因ともなっています。
組み込み用途としてROM化(プログラムを書いたROMをソケットに入れて、
電源ONでその用途として走るスタンドアロンマシン)にするには、別途に
数十万円ぐらいの本格的なツールが必要らしいです。これじゃ、せっかく
値頃なボードとして出しても、あまり使われないように思うのですが。

さてAKI-80ですが、中枢のCPUはLSI機能を搭載しているものの、基本的には
ザイログのZ80です。1980年頃には既に現役だったこのCPUがまだ生きている
というのは驚異的なものです。Pentiumは15年ももたないでしょう。(^_^;)
そして昔も今も、プログラミングの基本はアセンブラです。

たとえばこの会議室で紹介して既に◇◇さんが作ったアナログ入力MIDI出力
センサのプログラムだと、ごく一部「MIDI入力でソフトスルー、あるいは
センサ入力に変化があって、MIDIで送信すべきデータとしてバッファに
溜まっていれば、バッファから1バイトだけMIDI出力する」というサブルーチン
(メインループ内で必ずコールされる)のアセンブラソースは、

====================================================================
tx_data_check:
        ld      de,(tx_end)
        ld      hl,(tx_top)
        and     a                       ; CY <-- 0
        sbc     hl,de
        ret     z
        io_set  sio_a,00000000b         ; Resister Point = 0
        in      a,(sio_a+1)
        bit     2,a
        ret     z
        ld      a,10001000b
        or      d
        ld      h,a
        ld      l,e
        ld      a,(hl)
        out     (sio_a),a
        inc     de
        res     3,d
        ld      (tx_end),de
        ret
====================================================================

となります。(^_^;) ここではFIFOバッファのサイズは2048バイトです。

こういうアセンブラプログラムをテキストエディタで書いて(僕はワープロ
を使わないので、この記事を書いているのも、AKI-80プログラムを書くのも、
LaTeXで論文原稿を書くのも、ホームページのHTMLを書くのも、皆んな
Windowsでは秀丸、MacではJeditです)、あとはアセンブラでアセンブル
して、リンカでリンクして、出来たインテルHEXをROMライタに送って焼いて
完成です。(^_^)

上の例ではマクロとかちらっと使っていますが、秋月の2500円のアセンブラ
ではマクロはありません。まぁ、マクロは必須ということではないので、
秋月アセンブラでもほぼ十分です。

さて、これではあまりに大変だ、という人はC言語での開発を考えること
になります。たとえば、以下のプログラムは秋月の2500円のCコンパイラで
書いて、実際にAKI-80で走っているプログラムです。

====================================================================
main(){
        int midi;
        initial();
        disp_string( 0, "MIDI =          ");
        while(1){
                tx_midi_check();
                lcd_disp_check();
                midi = rx_midi_check();
                if( midi < 256 ){
                        tx_midi_set( midi );
                        midi_display( midi );
                }
        }
}
====================================================================

もちろん色々と省略していますが、initial()で初期設定して、LCDパネルに
「MIDI = 」と表示させて、あとは
 ・MIDI入力をバッファに溜めてソフトスルー出力
 ・このMIDI入力情報をLCDパネルで表示出力
している、ということが判るでしょう。

ところが実際には、上のCプログラムが走るためには、かなりの準備が必要
となります。(^_^;)
個々の関数に相当する中身は、全て実体はアセンブラでオリジナルライブラリ
として開発しています。割り込みも使っていますから、初期ルーチンも
自前のものが必要です。ただし、MIDI用途とか秋月の500円のLCDパネル
(16文字2段)とかに限定すれば、一度できてしまったライブラリは再利用
できますから、まぁソコソコ、使えます。

ただし問題となるのが、スピードです。僕は秋月のCコンパイラを解析して
みましたが、上記Cプログラムがどのようなアセンブラソースに変換
されているか、を見ると驚かされます。もともとC言語というのはそういう
ものですが、「全てがスタック渡し」なのです。まぁ、これはJavaでも
まったく同じですが。
たとえばCで「int i;」として変数を定義する、というのは、Cコンパイラ
で変換されたアセンブラソースでは10行以上で、スタック回りをいろいろ
といじります。あまりに危険で、こんなプログラムはとても書けません。
結局、僕の印象では、アセンブラよりもCで書くと、AKI-80は1ケタほど
遅くなると思います。そこで、MIDI回りタイマ回りなどはインライン
アセンブラのライブラリで書いて、ディスプレイ周辺などをCで書きます。

...あ、出町柳に着きました。では唐突に、ここまでで。(^_^;)

RE:MAXパッチ「motarin」 96/12/01 11:43


◆センサー・マニアの皆様、こんなん見つけました。
◆雑誌 Electronic Musician 96年12月号p.14 にて
◆I-Cube System (Infusion Systems社)というセンサー to MIDI の弁当箱です。
◆0 - 5V の電圧をMIDIメッセージ(Continuous Controller/SysEx)に変換します。

うーーむ、海外ではこうやって商品にしてしまうのですか。
日本のメーカでもやって欲しいですよね。もっとも、「MIDIでスポットライト
等の12個1500Wまでの電源調光を制御」という製品のカタログは見つけましたが。

◆お値段は $595

現在のレートだと6-7万円ですか。いいところですね。中身はほとんど
見えますね。AKI-80で自作すれば部品代としては15000円程度ですから、
作るか買うか、いずれも面白いと思います。
ただし、こちらではMIDI情報の形式は固定で変えられませんが、
AKI-80で作れば自由に決められます。(^_^)

RE:センサー to MIDI 96/12/02 10:20


◆>>12ビット入力
◆ これは、期待することにして、(^^)

うーーむ、なめらかなピッチベンドのために8ビット以上にするんでしたっけね。
ICを捜せば、というかいくつも安いのが出てきているので、内容としては
難しいことはないのですが。ただ時間が...。(^_^;)
12ビットA/Dの場合、CPUバスは8ビットなので、データを2回に分けて
取り込むだけです。従って、回路図としては、「データの上位/下位」
という制御ビットをA/Dに与えるだけで、あとは外見上はほぼ従来のものと
同じとなります。
そうですね、ちょっとICを調べてみようかな。お待ちください。

◆>> 加速度
◆ これが気になります。加速度センサは秋月にもありませんでしたから....。

角速度センサはムラタ、加速度センサは
三菱だったと思います。ビデオカメラとかクルマ(加速度センサは、
エアバッグのトリガ用ということで爆発的に市場が広がり、安くなって
きている訳です(^_^))に使われています。

ちなみに、日本橋の共立で扱っている、アナログデバイセズの加速度センサ
は、アンプ付きで小型金属パッケージ入りで、加速度レンジも人体の動き
にちょうどいいです。前から注目していますが、実験してみた話では、
ノイズ/ドリフトなどで、あまり使えたものではなかったようです。(^_^;)
ただし、これは15000円ほどですから、アマチュアにはもっとも手の届く
加速度センサです。

RE:RE^2:センサー to MIDI 96/12/02 22:05


◆>>ちょっとICを調べてみようかな。お待ちください。
◆ホントにすいません、お忙しいところ。お時間のある時にでもゆっくりお願い
◆します。

実は今日、自宅のすぐ近くの○ツ電波というお店でA/Dコンバータを捜した
のですが、こういうパーツは売っていませんでした。ケースとかコードとか
普通のパーツはあるのですが、ここは必要な半導体はほとんど無いです。(^_^;)

◆今、トラ技の共立の広告を見たら、ストレーンゲージを使って出来そうなので、
◆自作の方法も模索してみます。

共立のストレインゲージですか。けっこう大変ですよ。(^_^;)
山手に持っていた道具ですが、最初はあれは共立のストレインゲージを張り付けた
ブルーワーカーでした。
ところが、ストレインゲージというのは「微小曲げ」を検出するセンサなので、
15度とか20度などという角度にまで対応できないのです。(^_^;)
あと、張り付けが難しかったり(アロンアルファで密着が必要)して、
結局、これを使うのを断念したのです。共立にある全種類のゲージを
試してみたのですが。
ストレインゲージはもともと、建築物の歪みみたいな検出に向いていて、
人間の身体動作のセンシングとしては、
 ・人間は角度が変化しすぎる
 ・人間は時間的に急激に動きすぎる
という点で、あまり向いていないような気がします。コストは安くて
いいのですが。

BioMuse 96/12/04


BioMuseについて、以前の曖昧なコメントを訂正して(^_^;)、
正しいスペックなどをお知らせします。欲しい人は松下電器の、
海外製品を輸入している部所に問い合わせて下さい。たしか
300万円ほどします。(^_^;)
以下の情報は、「商品概要」というパンフからのものですので、
最新版はSPECが変わっているかもしれません。

まずセンサですが、ヘッドバンドと2本のマッスルシグナルバンド
からなります。後者は腕でも足でもOKです。ヘッドバンドの4チャンネル
とマッスルのそれぞれ2チャンネル、合計8チャンネルの同時計測を
行う、というものです。A/Dは12ビット精度で50KHzサンプリング、
ということですから、大したものではありません。頑丈なケースを
開けてみましたが、このどこで300万円も取るんだ、いい商売だなぁ、
という事で意見は一致しました。ハード回りだけなら
一桁安くても儲けがありますね。(^_^;)

計測対象は、
 ・EMG(筋肉動作)
 ・EOG(目の動き)
 ・EKG(心臓)
 ・EEG(脳波)
です。8チャンネルのアンプは任意にプログラマブルなゲインと
フィルタがあるようです。

問題はセンサ部分ですが、「人体に無害で」「長寿命で」「繰り返し
使えて」「皮膚への事前処理が不要で」という、特殊ななんというか
導電ウレタンみたいな素材のパッドみたいなものを、アタッチメントと
してバンドにはめて使います。頭でも腕でも同じものです。このあたり
が、おそらくノウハウなのでしょう。

あとは、IBM-PCを経由してマウス代わりにRS-232-Cを出したり、
MIDIを出すソフトが付いています。そして、オシロ等がまったく不要
で個々の人間に合わせた補正をできる、というソフトとか、Cプログラム
に取り込むためのライブラリとかが付いています。このあたりが
付加価値なのでしょう。しかし200万のソフトとは思えないですが。

生体情報の棚卸し(^_^;) 96/12/05


BioMuseに関連して、この冬休みから春休みにかけて製作して
いきたいモノについて考えています。
そこで、皆さんのお知恵を借りたいです。どうぞコメントお願いします。

BioMuseに関して、
◆計測対象は、
◆ ・EMG(筋肉動作)
◆ ・EOG(目の動き)
◆ ・EKG(心臓)
◆ ・EEG(脳波)
◆です。
と書きました。そこでフト思ったのが、こういう生体情報って、全部で
どのくらいあるのかな、という素朴な疑問です。(^_^;)
あと、そのセンサによる計測方法も、です。

加速度センサとか曲げセンサなど、人間の手足に「機械的に取り付ける」
センサはこれまでにも色々と議論されてきましたが、脳波などの生理的な
センサについては、まだ僕も整理されていませんでした。そこで、ここで
皆さんと一緒に、思い付くままリストアップしてみたいのです。もちろん、
将来的に「アヤシイ楽器シリーズ」という生成系につなげていきたい
という希望がありますし、あるいは分析系の研究にも参考になります。(^_^)

とりあえず、これまでの理解によって僕の知るところを書いておきますので、
補足訂正などお願いします。フォーマットは無理に揃えなくても結構です。

[体温]温度センサで計測
  (皮膚表面と内部では違うのでしょうか)
  (精神状態によって変化しやすい場所とかあるのでしょうか)

[心拍]血流の音をマイクで計測、耳たぶの血流を光センサで計測
  (心電図のように、電気的にも計測できますよね?)

[血圧]加圧機構と音響センサで計測(お医者さんの作業と同じ?)

[筋肉動作]皮膚上の離れた2点の電位差を計測

[脳波]こめかみ付近で離れた2点の電位差を計測

[呼吸]鼻/口に流量センサ?
  (静かに座っていても、精神的に興奮すると速くなるのかな?)

[目の動き]顔面の筋肉動作として、目もとの筋肉から計測できる
  (BioMuseでは「寄り目」を検出することで、奥行き方向の3次元まで)

[唾液]pHセンサ?
  (おいしい物でよだれがでる、というのを計測?(^_^;))

[皮膚表面の汗ばみ]湿度センサで計測?

[歯をくいしばる]口もとの筋肉動作を検出、あるいは圧力センサのマウスピース

[血液成分(ホルモン、糖分、塩分、カルシウム等)の変化]
  →注射針を刺さない計測方法はあるでしょうか?

[感涙(^_^;)]湿度センサ、水分センサ

[静電気の帯電]これは精神状態と関係ないかなぁ(^_^;)

[第六感][ハンドパワー][念力][気合い][怨念]うーーーむ。(^_^;)

....こうやって考えてみると、離れたところで手をひらひらさせる、
というテルミンというのは、本当にユニークな楽器だなぁ、とつくづく
感心してしまいますね。(^_^)

RE:Re:生体情報の棚卸し(^_^;) 96/12/05 22:36


◆NHKなんかでよくある、赤外線サーモカメラ(名前ははっきり覚えてませんが)
◆なんかを使っても面白そうです。体温分布もわかります。

あれは確かに使ってみたいのですが、かなり高価だったように記憶している
のですが。(^_^;)
100万とかするんじゃなかっだでしたっけ。(^_^;)

◆ゆるやかに変化すると言えば、身長や体重といったものも「生理的」に変化し
◆ますね^^;

思いっきりメシを食うと1Kg以上は簡単に増えますし、サウナに入れば
数十分でこれまた1Kgぐらい減りますしね。うーーむ、これは遅すぎますか。

◆手のひらは、緊張したり、考え事をしたり、眠くなったり、で温度が変わる
◆ようです。

内側に湿度センサを仕込んだ軍手みたいな手袋をはめましょうか。(^_^;)

RE:生体情報の棚卸し(^_^;) 96/12/06 08:11


どうもです。真打登場、というところでしょうか。(^_^)

◆>>[筋肉動作]皮膚上の離れた2点の電位差を計測
◆   電位差は電位差なんですが,筋肉からでるパルスの数を計測するような
◆   感じです。

なーるほど。発電みたいなことは無いと思っていましたが、やっと納得
しました。筋肉を動かすための神経のインパルスを測るというわけですか。
これなら、とりあえず安定に密着できるパッドのセンサと高感度アンプ、
そしてノイズ除去の手法でなんとかなりそうですね。

そうか、心電図のあの電極も、この神経パルスの電位センサなのですね。

◆>>[脳波]こめかみ付近で離れた2点の電位差を計測
◆   頭皮上ならどこでもOKです。

これは、武者先生のパーマ機もどき(^_^;)はりねずみセンサの印象から
すると、頭頂部・前頭部・後頭部などの場所、あるいは右側と左側で
違うものが出て来る、というような気がしますが、どうなんでしょう。

そうだ、

[脳波]リアルタイムで頭をCTスキャン(^_^;)

などというのもありそうですね。でも、ちょっとあまりに高価ですね。
軽く数億はいきますね。

◆>>[呼吸]鼻/口に流量センサ?
◆   鼻に付けるのはサーミスタ1個の簡単な物です。

なるほど、息の風で瞬間的に温度が低下する、ということで判るのですね。

◆>>[目の動き]顔面の筋肉動作として、目もとの筋肉から計測できる
◆  (BioMuseでは「寄り目」を検出することで、奥行き方向の3次元まで)
◆   筋肉動作というより恐らく直接「目玉」の電位を測っているんじゃ
◆  ないかと思います。(目玉は動く電池みたいなものなのです)

BioMuseの「目」は、両方の目尻にセンサを貼って、やはり筋肉から計測
しているようです。
でも、「目玉の電位を測る」というのは、どーやってやるのかなぁ。(^_^;)

◆   また角膜に光を当て,その反射で見る事もできるようです。
◆   (どこかのカメラかなにかのオートフォーカスの一部として使用
◆   されてたんじゃないでしょうか)

これは特許モノで、カメラで実際にやられていますね。Webのブラウズ
をこれでやってVRMLしたら、なかなかクルかもしれません。(^_^;)

◆[血液中の酸素量]耳たぶにセンサをつけます。
◆ 運動量というか,体の活動量がわかります。

このセンサというのは、物理量としては何を測っているのでしょうか。
血液の色(透過した光の成分)?

◆[立毛センサ]これはどう測るんでしょうね?
◆ 恐怖の際には体毛が立ちます。(^^;)

感動した時の「鳥肌」センサ、というのはどうでしょうか。(^_^;)

RE:人間の神経について 96/12/06 22:42


>それはさておき「人間の神経について」基本的な事を簡単にまとめて見ました。
>センサ作りの参考にして下さい。
>
>===================================================
>
>人の神経がどんなに重要なものかは良くご存知だと思います。
>さて,その神経なのですが,大きく3系統に分類されます。
>中枢神経系,運動神経系,自律神経系 の3種類です。
>まず中枢神経系ですが,これは脳一式(大脳,小脳,その他)です。
>次に運動神経系は体を動かす筋肉をコントロールする電線(^^;)みたいなもの
>です。
>最後の自律神経系なのですが,これはさらに交感神経系,副交感神経系に分か
>れます。この神経系は大ざっぱにいえば体の調子を整える神経と考えて下さい。
>交感,副交感神経はシーソーの様に片方が興奮している時には,もう一方は
>おとなしくしてます。
>ところで,人が怒っている(興奮した)状態では,交感神経が興奮します。
>で,どうなるかといいますと,仁王さんを想像してみて下さい。
>顔は赤くなり,目は見開き(瞳孔散大),髪の毛は逆立ち,等です。
>実際はそれに加えて,息はあらく,心臓はどきどき,体は震え,のどは乾き,
>冷や汗まで出ますよね。
>ここらへん全て交感神経のしわざです。逆にのんびりしている時には
>副交感神経が優位に立っています。(体には上の逆の現象があらわれます)
>
>次に時間的なレスポンスから考えてみます。
>一番すばやいのは文句無しに運動神経系です。
>「反射」的に危険を回避するためです。(生死がかかってますから)
>次が中枢神経系です。光や音の刺激や瞑想中の雑念,いねむり等でもすぐ脳波
>は変化します。
>一番遅いのは自律神経系です。何かでムカついたとしても「くわーっと体が
>燃えてくる」までには数分かかりますよね。
>
>しかし時間はかかるものの「自律神経系」には嘘がつけません。
>中枢神経から直接にはコントロールできないためです。
>そこが,うそ発見機などに使われるゆえんです。
>
>====================================================

いやー、どうもありがとうございます。(^_^)
生体ネタのために、本屋に行って「家庭の医学」みたいな本を買ってきて
勉強しなけりゃいけなかった、もっとも肝心なところがエッセンスとして
凝縮されていますね。これは大いに助かりました。(^_^)

◆次が中枢神経系です。光や音の刺激や瞑想中の雑念,いねむり等でもすぐ脳波
◆は変化します。
◆一番遅いのは自律神経系です。何かでムカついたとしても「くわーっと体が
◆燃えてくる」までには数分かかりますよね。
◆しかし時間はかかるものの「自律神経系」には嘘がつけません。
◆中枢神経から直接にはコントロールできないためです。

うーーむ、楽器で言うと、直接的に意志を持って力学的機構センサに働きかける
というのが、これまでの加速度とか曲げセンサでしたが(テルミンもネ(^_^;))、
ここでは中枢神経と自律神経がターゲットなわけですね。なるほど。

なかなか楽しく、深い世界のようです。ハマッていってみましょう。(^_^)

RE:BioMuse 96/12/09 13:03


BioMuseに関する調査の続報です。(^_^)

■電極について

平たいボタン型の電極で、上にバンドとパチンと止めるポッチが付いています。
素材は、オーソドックスな銀−塩化銀電極が使用されています。
この電極は金属銀の表面を塩化銀でコートしたもので、再使用可能な汎用電極の
中では電気特性上、もっとも有効なものです。但しちょっと高価です。

これを包むかたちで、スポンジ状に細かい穴が貫通している多孔性の素材の
皮膜というか皮膚接触部分のカバーがあります。この穴の中にゲルを包みこみ、
それを通して電極と生体を電気的/機械的に安定して接続し、同時に装着感を
快適にする目的も達成しています。
なお使用にあたっては導電性のゲルが不可欠です。ただゲルはほおっておくと硬
化しやすく、硬化すれば導電性は無くなります。一度硬化すると、元には戻らない
場合が多いです。ゲルが硬化してしまえば被膜も交換しなくてはなりません。

■EMG(筋肉動作)

バンドに3点ほど電極のあるセンサなのですが、これはイマイチという感触
でした。測定ポイントが少な過ぎます。力こぶを測るだけなら機械的な方が
安定している、という意見です。沢山の筋肉の「協調状態」が測れなくては、
楽器のコントロ−ルまでは難しいのではないか、という意見でした。
ソフトでの解析にも限度がありますから、MAXパッチで音楽的に補正というか
最適化してやらないといけないでしょう。

RE:音情研12月 感想 96/12/16


この記事に触発されて、もう少しまともに返答すると、以下のようになります。

Computer Musicに関するシステム(ハード、ソフト、等全般)をオリジナル
に作っていると、経験的には次のような3つの段階があるように思います。

第一段階 アイデアの発見から試作版を実現するまで

 なにか、メカとかセンサの材料となるものをジャンク屋やDIY屋やバッタ屋で
 見つけるとか、MIDIシステム化したら面白そうなLSIのサンプルを入手するとか、
 MAXやIndyでプログラミングしていて「使えそうなアルゴリズム」とか信号処理
 が見つかった、というのがきっかけとなる。もちろん、漠然と「こういう
 performanceをするにはこんなものが欲しい」というアイデアから道具を
 捜すことも同じぐらいある。そしてキッカケが見つかると、とにかく実験的に
 自作してみる。首尾よく最初に動いた瞬間は快感。(^_^)

第二段階 作品のために可能なところまでSPECを欲張る

 実験/試作版として実現可能性を確認すると、今度は実際の作品に使えるところ
 まで、性能を上げたり多量の音楽情報を扱えるようにしたり、多重センサ化
 したり、ポリフォニック化/リアルタイム化したり、と性能を上げることに
 注力する。おもちゃレベルから、音楽作品でのperformanceのパートナーとなる
 レベルまで成長させることで、部分的には「市販の製品に無い」ところまで
 機能や可能性が成長する。(^_^)

第三段階 ライブ演奏のために安全なところで妥協する

 第二段階で実用レベルまでチューニングされて、そのまま本番の作品発表で
 使われるというのは、主にMIDI処理マシンなどのハード関係に限るれる。
 MAXのパッチとかIndyの信号処理ソフトなどについては、実際の作品として
 作曲しながらリハを進めて行く中で、演奏者からの激しい情報の洪水に
 ハングしたりデータに追いつかない(^_^;)、ということも少なくない。そこで
 本番では絶対に止まらないことが必要となるので、第二段階よりもやや抑制
 したレベルに機能を限定して「安全第一」のところに後退する。(^_^;)
 具体的には、独自に折り込んだMIDIプロトコルによるセンサデータの分解能
 を粗くして情報量を削減したり、ソフト/パッチの一部の機能は本番では
 カットしたり(倍精度浮動小数点演算のカオスによる音楽情報生成で作曲
 しておいて、本番ではテーブル化したりrandomで代用したり、等)、MIDI
 フィルタで不要な情報をカットしたりする。

...「技術的な限界」という言葉には、このような第二段階から第三段階
への内容的な後退、という意味も含まれています。

AKI-80の余命(^_^;) 96/12/18


「AKI-80の心臓部である東芝CPUが製造中止になる」という噂について
ですが、その後、複数のルートからの情報を得ましたのでお知らせします。
ただし、これは東芝が正式に言っていることというわけではありません
ので、できれば東芝の正式コメントが欲しいところですが....(^_^;)

東芝のこの「Z80コア周辺付」(TMP-015)は、おそらくかなり儲かってきた
と思うのです(だって、ザイログにライセンスを与えてセカンドソースを
作らせるぐらいですからねぇ...)が、最近、川崎製鉄の4倍速Z80、日立のSH、
NECのVなど、新しい技術が出てきていて、いつまでも東芝だけZ80、という
のはブランドイメージとしてよろしくない、という判断のようです。
実は東芝は東芝オリジナルのCPUコアとしてCISCもRISCも出しているので、
今後の新しい話(電機メーカ等の巨大ユーザからの引き合い)では、こちらを
薦めてTMP-015では受けない、という方針のようです。ただし、当初は乱暴に
イキナリ製造中止、と言ったところ業界からの反発が凄かったので(^_^;)、
新規の話はそちらに振るとして、当面はこれまでの製品に対する製造を
続ける、ということですので、まぁ4-5年はなんとか続きそうです。

ということで、AKI-80の余命はあと4-5年は持ちそうです。この間には、
当然、川崎製鉄のAKI版、JavaチップのAKI版など、色々と出てくるでしょう
から、結果として、僕たちはなんとか「手作りMIDI」は続けて行けるものと
思っています。秋月も共立も頑張って欲しいですね。(^_^)

RE:A/Dの情報です。 96/12/26 12:37


◆その後に秋葉原に行って、(ADC12041も含めて)どんな12ビットA/Dが
◆(できれば安価に)入手できるのか調べて来ようと思っています。

いま手元にあるMAXIMのMAX190というのをデータシートで見ていたら、
かなりスペックとしては上等で、これだとAKI-80とはもっともシンプルに
結合しそうです。1チャンネルではありますが。(^_^;)

◆今あるAKI-80 MIDI マシンで、ニクロム線テルミン(テルミンとは言えま
◆せんね ^ ^;;)を、やってみました。
◆0〜5v127段階をノートナンバーに変えるだけです。
◆シンセ側をポルタメントにすると、それなりにテルミン風の雰囲気は出ます。
◆ピッチのめちゃめちゃ良いテルミンですね。(TT)ちょっと残念。
◆音色は色々と選べて楽しいですが。
◆これがニクロム線じゃなくてアンテナだったらもっと気分がいいと思います。

なるほど、「ピッチの良いテルミン」というのは、アイロニーとしても
面白いですねぇ。グリッサンドになるわけですね。(^_^;)

◆テルミン的な表現は好きなのですが....。
◆それにしても、アンテナでしかも12ビットというのは、相当困難な事なのですね。

やってみないと判りませんが、本当の12ビット精度を「正確に」出す、と
いうのは至難の業でしょう。
ただし、CDウォークマンが「16ビットです」という程度の嘘が許される
なら、可能かも。市販の民生ディジタルオーディオ機器はだいたい14ビット
精度がいいところですからね。(^_^;)

[12bit A/D]AKI-80版(^_^) 97/01/20 17:23


ようやく、いただいていた宿題が完成しました。(^_^)
欠けていたデータシートを入手して、コンデンサをつけたらアッサリ
動いてしまいました。(^_^;)

以下、長いですが自作派のための詳細な情報を記します。等幅フォントで
ごらん下さい。お急ぎの方はスキップして下さい。(^_^;)

今回使用したA/Dは、MAXIMのMAX190というICです。12ビットデータを
8ビットのバス幅で2回に分けて出します。外付けコンデンサで自分で
発振して、あとは全てやってくれます。AKI-80は適当にデータを見に
行ってはMIDI出力しているだけです。(^_^;)

まず、回路図です。
とりあえず、今回はもっとも安いシルバーキットで作っています。ゴールド
でもまったく同じプログラムで走ります。superの場合、ピン番号とかが異なり
ますが、この言い換えについては、過去にこの会議室で詳細に紹介されて
いますので、ここでは繰り返しません。

なお、抵抗とかICとかの部品はテキスト画面では表現できないので(^_^;)、
■であらわします。図中の「+」「+」は、接続する、という意味です。
AKI-80周辺の電源とGNDのピンの処理は省略しています。


次に、プログラムです。
以下の----------で挟まれた中身だけを***.HEXと適当なファイル名にして、
ROMライタで27C256などのEPROMに焼きます。
このプログラムは、今後[FMIDI003]という名前でいきましょう。(^_^)

---------------------------------------------------------------------------
:0700000031FF9FF3C368000C
:1C002000220008D9ED5B00903E80B2676BDB187713CB9AED530090D908FBED4DDF
:20006600ED452100803E0077237CFE0A20F73ECFD31D3EF8D31D3E07D31D3E07D31C3ECF9B
:20008600D31F3EFFD31F3E07D31F3E18D31B3E04D31B3EC4D31B3E01D31B3E00D31B3E0205
:2000A600D31B3E20D31B3E18D3193E04D3193EC4D3193E01D3193E10D3193E05D3193E6868
:2000C600D3193E03D3193EC1D319ED5EFBDB183E07D31C3E06D31C3E04D31C3E00D31C3EDA
:2000E60008321290CDFD01CDF500CD2B0118F5ED5B06902A0490A7ED52C83E00D319DB1923
:20010600CB57C83E88B2676B7ED31813CB9AED530690C9ED5B04903E88B2676B7013CB9A17
:20012600ED530490C9ED5B02902A0090A7ED52C83E80B2676B4613CB9AED530290CB78289D
:200146001E78FEF8D0FEF03805AF320890C978E60F320A9078E6F0320890AF320990C93A02
:200166000890FE00C8FEC02814FED028103A0990FE00203D3C32099078320B90C978320C22
:20018600903A0890473A0A90B047CD19013A0C9047CD19013A0890FED0C03A0A90FE0FC0F9
:2001A6003A0C90E61F6F260001DD01097E321290C9AF32099078320C903A0890FE00C84727
:2001C6003A0A90B047CD19013A0B9047CD19013A0C9047CD1901C902030405060708090A61
:2001E6000C0F13181E252D36404B5764728191A2B4C7DBF0FFFFFF3A0D903C320D90FE007E
:20020600C03A1290473A0E903C320E90B8D8AF320E90DB1CCB7FC8DB1E3210903E04D31CFD
:200226003E06D31C3E07D31C3E05D31C3E01D31CDB1E3211903E05D31C3E07D31C3A1090E5
:200246006F3A119067CB25CB14CB25CB147DE67F321090CB25CB147C32119006EFCD19019B
:1B0266003A109047CD19013A119047CD19013E06D31C3E04D31C3E00D31CC912
:00000001FF
---------------------------------------------------------------------------

さて、システムの仕様です。

・MIDI入力は全てMIDI出力にソフトスルーし、ここにA/D入力をマージする
 (いつものようにリアルタイム系メッセージは軽く無視(^_^;))

・A/D入力は0.0V-5.0Vを12ビット精度で4096段階で表現する。これを4倍した
 データが、MIDIのピッチベンド情報として上位・下位それぞれ7ビット表現
 で出力される。つまり、データは最小単位が4であり、16進表記で
  0000, 0004, 0008, 000C, 0010, ........ 3FF0, 3FF4, 3FF8, 3FFC
 というように4096段階に表現される。

・A/DデータはMIDIの16チャンネル(固定)のピッチベンドとして表現される。
 MAXではbendinでなくxbendinで受けると、確かに14ビットデータとなる。

・MIDI入力のうち、「アフタータッチの16チャンネル」で定義される値で、
 A/D変換のデータをどのくらいの頻度でMIDI出力するか、を設定できる。
 MAXでは「touchout 16」に以下のパラメータを放り込めばよい。
 パラメータは下位5ビットしか見ないので、有効範囲は0から31である。
 リセット時のデフォルトは、パラメータ=6である。
      ----------------------------------------------------
     パラメータの値  1秒間のA/Dデータ数(およそ)
      ----------------------------------------------------
         0         33.1回
         1         22.1回
         2         16.6回
         3         13.2回
         4         11.1回
         5         9.5回
         6         8.3回 ←デフォルト
         7         7.4回
         8         6.7回
         9         5.6回
        10         4.5回
        11         3.5回
        12         2.8回
        13         2.2回
        14         1.8回
        15         1.5回
        16         1.3回
        17         1.1回
        18         0.9回
        20         0.7回
        22         0.5回
        24         0.4回
        26         0.3回
        30         0.2回
      ----------------------------------------------------
   (MAXでの実測値。簡単なストップウォッチですね(^_^))

果たしてどんなものか、検証していただくために、明日にこの試作マシンを
発送します。あと1個だけあるサンプルのMAX190と、このプログラム
を焼いたEPROMは、プレゼントします。(^_^)

8ビットに比べて、センサとしてピッチ情報をいじった時の4ビットの精度の
差(16倍ですね)を体感してみて、レポートをお願いします。(^_^;)
MAXの画面でモニタすると分かりますが、ほとんど何も対策していないので、
ノイズ等によるデータの揺れはなかなか壮観です。(^_^;)

それから、以前の「文献回覧プロジェクト」ではありませんが、この試作
マシンについても、同様に回覧希望の方はメイルして下さい。どうせいずれ、
◇◇さんは僕に返送するわけですから、その宛先に誰かが入っても、送料
の負担は皆んなどうせ同じ、というわけです。(^_^)
汎用1チャンネル12ビット精度A/Dコンバータとして、実験に使えます。
一時的な貸し出しということになりますが、僕がAKI-80でどんなふうに
美しくないハンダ付けをしているか、というのを見てみたい方もどうぞ。(^_^;)

RE:[12bit A/D]AKI-80版(^_^) 97/01/21 19:38


◆回路図を見ると、Max190 周り以外は前回のものと共通のようですね。

すいません、実は今回は、ポートがAとBと、以前のものと逆です。(^_^;)
というのも、たまたま配線した基板で、A/Dの近くにPBがあったものですから。
申し訳ありませんが、この点を注意して下さい。(^_^;)(^_^;)

あと、お送りする基板では、393でなく74でクロックを分周しています。
理由は、引き出しの中でそちらが先に手に触れたからです。

...我ながら、実にアバウトな作り方だなぁ。(^_^;)(^_^;)

今、△△さんマシンに着手しています。
24個もリレーとトランジスタを配線し、さらにケーブルをそれだけ引き
出して、その先でまたまたコネクタをつける、というハンダ付けの回数
は考えたくありません。(^_^;)

RE:RE^3:[12bit A/D]AKI-80版(^_^) 97/01/26 10:38


◆12bit A/D-AKI-80でいろいろやってみました。(^^)

さっそくのレポート、ありがとうございます。

◆最初は、0v〜5vにうんともすんとも言わず、あせりましたが
◆送っていただいた装置の入力ジャックの5v側とGND 側が、私の思った
◆のと逆だったことが判り(外側がプラス、中がGND )、そのようにした
◆ところ、ちゃんと動きました。

ありゃりゃりゃ。(^_^;)(^_^;)
実は僕は、あのジャックをまったく使っていなかったので、知りません
でした。普通は外がGNDですよね。すいません。またまたアバウトだぁ。(^_^;)

◆「touchout 16」がデフォルトでは、素早く変化させたときに飛び飛
◆びになりますがパラメータを0にすると、かなりガシガシ動かしても、
◆けっこう滑らかです。

パラメータ0だと、実はMIDIラインを相当の情報が流れます。受け手に
よっては死ぬところです。Indyに放り込んだら、間違いなく固まります。

◆8ビットAKI の時はピッチ幅がガタガタで、正確な音程のところに
◆ピッチを留めることが出来ませんでしたが、12ビットの方はほぼ聴感
◆上で問題ないと思いました。

そうですか。やはり、理想的には16倍の分解能ですからね。音源もキチンと
受けている、ということですね。安価な音源だと、14ビットで受けた
ベンドの、実は上位7-8ビットしか使わなかったりしますので、あまり
意味のない場合もあるかもしれません。(^_^;)

◆気になったのは、下位ビットの乱れです。(^^;) 
◆音が何もしなくても軽いトレモロになってます。(変速トレモロ)
◆これはこれで面白いとも言えますが....(^^;)
◆シンセ側をベンド幅上下2オクターブぐらいにすると、気にならなく
◆なります。

これは、ノイズとドリフトです。
お送りしたような手配線では本当は12ビット精度は無理なのです。ちゃんと
した基板で、アナログのラインとディジタルのラインを交差させず、さらに
GNDポイントも分離して、それぞれ1点アースにしなければなりません。
また、電源もむちゃむちゃnoisyですから、あの程度のドリフトは当然
です。ちゃんとやるなら、あのようなスイッチング電源でなく、MAX190
の電源だけはディジタル系と分離して、トランス式のACアダプタで9Vぐらい
のDCを与えて、オンボードの3端子レギュレータで作るべきです。これらの
方策で、おそらくドリフトは4分の1程度、つまり2ビットほど性能が
向上すると思います。

◆さて、この装置で何をやろうか考えるのが楽しいです。ニクロム
◆線も良いですがあまり美しくないですね。こういう時は温故知新で、
◆博物館あたりでもブラつくのがいいかな、と思っています。(^^)

あるいは、東急ハンズとかバッタ屋でしょうか。
ソフマップ中古店のアヤシイ雑多棚にある、大袈裟なゲーム用ジョイ
スティックコントローラなんか、どうですか。(^_^;)

RE:RE^5:[12bit A/D]AKI-80版(^_^) 97/01/30 08:45


◆自分でも作ってみました。(^^)
◆ これらのアドバイスをもとに(電源は安定化電源のキット)作ったところ
◆下位ビットの乱れは、上下1桁以内に収まりました。(^o^)
◆ アルミケースに入れて、AD IN をシールド線にしたのも良かったのかもし
◆れません。

うーーむ、これで立派なアナログ自作派宣言ですね。(^_^)
もっとも効いたのは、まぁ入力ラインのシールド線でしょう。

例のブツですが、しばらく置いておいて下さい。
話題になると、また回覧希望者が出てくるかもしれませんので。
今回の試作機も特に使う予定がないので、お邪魔でしょうが
一緒に置いておいて下さい。ツインA/Dというのもいいのでは?(^_^;)

3石テルミン回路図です 97/04/23 08:43


そういうことで、とりあえず「3石テルミン」の回路図です。独自
解析(^_^;)によるものですので、間違いがあったらごめんなさい。(^_^;)
(解析対象の某製品名については、聞かないで下さいね...(^_^;))
原理としては、ほぼ同一構成の1石発振回路がペアであり、一方はアンテナ
によって人体を近づけると周波数が変化します。およそ1MHz?ぐらいです。
そしてこれらをミキシングしてビート(差の周波数)を出している、と
いう簡単なものです。実用上は、これではあまりピッチの幅が取れないの
ですが、遊ぶだけならできます。
また、回路図中に2個所出てくる「L」というコイルですが、同じものですが
数値が不明です。パーツ屋で、直径数ミリ長さ数ミリの円筒形の適当な
コイルを買ってくればいいでしょう。(^_^;)(^_^;)

アナログ回路なので大きく描いています。等幅フォントでごらんください。
右下がりのバックスラッシュは「¥」になっています。(^_^;)
抵抗は「NNN」と、タテは「ZZZ」で描いてみました。(^_^;)


...こんなところです。(^_^;)
なんとか回路図として読めるでしょうか。
どなたかの製作レポートを期待しています。(^_^)