第3期「虎の穴」学生レポート集

2000年12月 長嶋洋一

大山 真澄

インターカレッジに参加して、大変刺激になったというのが一番の感想です。コンピ
ュータサウンドといっても、長嶋先生の作品しか見た事がなかったので、色々な人が
それぞれの作品を発表しているのを見て、視野が広がり、考え方も変わりました。ユー
モア溢れる作品がおおく、こんな音を使っているのかとか、こんな物で音を出してい
るのかと驚く事も多かったです。
作品を作る前に長嶋先生から、作品によっては参加させない事もあるからと言われて
いました。自分達だけで音を作るのは初めてで、毎日マックスの前に座っても何から
作っていいのかわからず、試行錯誤の状態でした。パフォーマーの人達に集まっても
らっても、プログラムに穴があったり、作り替えるのに時間がかかったりと効率の悪
い作品製作だったと思います。東京に行くまでに、参加する多くの人と知り合いにな
ろうとか多くの物を見て来ようとか、そういうことを考える余裕が全くありませんで
した。とりあえず先生からの参加停止はなかったものの、気になる点も多くあり、自
分の作った作品をコンサートとして無事終わらせる事だけが頭にありました。多少の
トラブルにくわえ手順が悪い為通しも満足に出来ませんでしたが、コンサート本番は
無事成功で終わらせる事が出来、本番が早かったので、他の作品も落ち着いてみる時
間が持て、とても有意義に参加することができました。
反省点をしては、もう少し余裕をもてるよう、スイッチの少ないパッチをくめるよう
にすること。計画的に作品作りを進めるようにすることです。インターカレッジの作
品の中で様々なものを利用して音をだしていたりしたので、私も広い視野で周りを見
て、ユーモアある作品を作ってみたいと思います。

長嶋先生とパフォーマーをやっていただした他の3虎のみなさんにはとても感謝して
います。計画的に進めていけなくて、穴埋めまで協力していただいて申し訳ないです。
風車作りについては、頼り切ってしまった高梨先生や佐藤先生にもお礼をいいたいで
す。


川崎 真澄

  私が「虎の穴」に入って半年以上がたちました。第1期のインスタレーション
“深海”では、技術造形の学生5人からスタートしましたが、第2期
“Wondering Highlander”「連画」によるコラボレーションでは、第1期虎の穴
メンバーの4人に加えて、新たに5人の学生とパフォーマー1人が加わり、静岡
大学で長嶋先生の新作の協力ということで、初めて学外発表する機会をいただき
ました。第2期は特に、私たち学生自身も、一人の立派なクリエイターである意
識と、静岡文化芸術大学の看板をしょっているという緊張感が、非常にいい刺激
となりました。

  第3期虎の穴が1・2虎と違うところとして、Team「風虎」の3人がMAX・
作曲・演出すべてを手がけ、先生はコーディネータとして調整にあたるのみ、と
いう点です。風虎組は、自分たちの他の用事をかなり犠牲にしてまでも、毎日作
品制作に取り組み、すばらしいがんばりを見せていました。そしてそのがんばり
は、完成した曲4つの風車に形となって現れていました。音楽情報科学研究会・
インターカレッジコンサートへの参加は、他の虎穴メンバーも含め大きなチャン
スであり、他大学の作品も見てみることで、自身への新たな刺激にもなったと思
います。

  第2期虎の穴の私は、“クリエイター兼パフォーマーのアシスタント”という
立場でしたが、第3期では、私自身が“パフォーマー”として、風虎3人が制作
した曲を背景にパフォーマンスをするというポジションに立ちました。だから、
風虎がつくった曲のイメージに合ったパフォーマンスをすると共に、パフォーマ
ー7人が息の合った動きをする必要もありました。パフォーマーといっても、
「大きな動きで目立てばよい」のではなく、今回のパフォーマンスのメインは、
テーマ“Windmill”の通りあくまでも風車にあり、自分の担当した虎造を筆頭に
タロ・タシ・テッドがそれぞれの味を出していくのが前提です。よって私たちパ
フォーマー7人は、担当の風車をより美しく見せるために演出をする役目という
ことになりますが、それだけではありません。そのような条件を背景としても、
私たちは『パフォーマー』ですから、一人一人が演奏者・演技者として、舞台上
で役を演じることも忘れてはなりません。よって、風車に備え付けられた光セン
サ(太陽電池シート)に対して、どんな角度で、どのくらいの距離から光を当て
るとどんな音がでるのか、また、どのくらいのタイミングで、どのくらいの光を
遮るとどんな音になるのか、などをあらかじめ知っておく必要があります。その
ために、私は「虎造」担当として、土・日返上でリハーサルに参加しました。

  私から見て虎造は、他の3つの風車の親のような役目をしています。イントロ
から中盤にさしかかるまで、まずセンサによる音の反応の仕組みを紹介します。
そしてその仕組みが分かったところで、タロ・タシ・テッドにそれぞれ固有の音
を出させます。3つの子虎風車たちが演奏を始めてからは、虎造は子虎たちの奏
でる音を引き立たせる方にまわり、しかし親としての貫禄ある音は出しつ
つ・・・というように、まるで本当の親子関係のような暖かい空間に見受けられ
ました。その親風車の担当になった私は、相方の渋谷さんはじめ、子虎担当のメ
ンバー及び風虎と、演奏するタイミング・強弱・パフォーマンスの身振りなど細
部に渡って何度も何度も話し合い、修正を加えていきました。音楽全般において
も言えることですが、常に同じ演奏ができることは当然不可能なことですから、
より完璧なものを目指すには、やはり練習の繰り返しとこまめな話し合いがポイ
ントになってくると思います。今回SUACとして初めての公演を成功させるた
めに、いくら疲れていても、3虎メンバーは、こまめなチェックと話し合いは一
回のリハごとに行い、リハをするごとにどんどんよい作品に仕上がっていきまし
た。だから、本番は子虎担当のメンバーの失敗談を聞きましたが、成功だったと
思っています。

  成功の喜びの一方で、他大学の作品のレベルの高さにも驚かされました。コン
サートについては、特にMatthew Smithさんのダイヤルのようなもので演奏した
作品が印象に残っています。途中で少しうるさいと感じるところもありました
が、今までに聞いたことのなかった音の組み合わせがあったりして、とても不思
議で、興味深い演奏でした。他の人の作品の多くは、音はおもしろく感じました
が、しばらく聞いていると眠くなってしまうような作品もあって、映像などの視
覚的なものというのは、音の比べて人の脳により強い刺激を与えるものだという
ことを発見しました。しかし逆に、視覚的なものだけというのも物足りなさがあ
るから、もし今後自分が音を使った作品をつくる機会があるときは、音と映像の
関係も考えてみたいと思います。他にも、ビデオ作品展示をしていた国立音楽大
学音楽デザイン学科の学生による作品は、ちょっとした衝撃でした。13作品全
て見学させていただきましたが、まだ私が知らないテクニックを用いた、非常に
美しい作品ばかりで、私の中にある"映像に対する関心"をより高めた体験でした。
  
  虎の穴にはいる条件として、“将来作家デビューをしたいという希望があるこ
と”というものがありますが、今回の虎の穴は、そんな気持ちをさらに奮い立た
せるような刺激がありました。作品発表してきただけ、では八王子まで行った意
味がないから、今「八王子まで行ってよかった」と思えている自分がとてもうれ
しいです。今後も、熱意と情熱がある限り、多くの未知なる世界に足を踏み入れ
ていきたいです。


鈴木 飛鳥

Performerとして…
第3期虎の穴について詳しいことを知るまでは、自分で作品を作ってみたいと
思っていたのですが、いざ話を聞くとパソコンで音の鳴るプログラムを組んだ
りすることも自分でやらなくてはいけないということで、とりあえず今の時点で
はとても無理だったので、ただいろいろな人の作品を聞きに行くよりも何かした
いなと思い、Performerになることにしました。
Team「風虎」の人たちの曲が出来上がってPerformerの練習が始まると、どんど
ん緊張してきて、いつも間違えたらどうしようとばかり思っていました。本番の
日が近づいてくると、Performerが失敗したら、見た目も良くない上に曲
のイメージが少し変わってしまうのでは?などとかってにいろいろ考え、責任重
大だ、と自分で自分の首を絞めているような状態になっていました。
本番では…なんと間違えてしまいました。リハーサルのときから入念に打ち合わ
せをしていたにもかかわらず…(間違えたときどうするかまで打ち合わせをして
ました。)本番前にタシ、テッド、タロの配置が今までと変わってしまったの
で、その事でも少し焦ってしまいました。間違えたときは、平然としていようと
言っていたのですが、平然としていれなかったような気がします。いかにも間違
えて焦っているというように見えてしまったかもしれません。間違えずにという
のは駄目でしたが、あのステージでパフォーマンスすることができ、貴重な体験
が出来ました。

コンサートにて…
まず、想像していたよりも1つの曲が長くて驚きました。個人的にはテープのも
のより生演奏のもののほうが聴いていて楽しかったです。私には、曲が単調な気
がしたものが数曲あり、聴いていて少し疲ることも時々ありました。生演奏は全
然飽きることもなく、最後までじっくり聴けました。特に大坪さんの「光の弦」
を使った作品は、手の動きに伴って音が伸びているよう見えたりと、とても興味
深かったです。あと、トロンボーンの演奏が違う感じの音になったりした作品
も、仕組みはまったく分からないけど楽しめました。

ビデオ作品を見て…
こちらは1つの作品がとても短いものがたくさんあり、内容も想像していたもの
と違うものもあって、なるほどと思いました。

これから…
次のインターカレッジコンサートには何か自分の作品を作って発表してみたいで
す。CGの映像が作ってみたいのでビデオ作品がいいなと思っていましたが、「光
の弦」をいじってみたら生演奏のものも出来るならやってみたいです。どちらに
しても、もっといろいろ勉強しなければと思っています。あと私も、自分で音の
鳴り方のプログラムなどが組めるようになれたらいいなと思います。それと、懇
親会ではもっと積極的に名刺交換ができるようにがんばりたいです。とにかく、
今回インターカレッジコンサートを観に行き、とてもよい刺激を受けることが出
来ました。


田森 聖乃

<Windmillについて>
 今回は、パフォーマーとしてお手伝いという感じだったので、はっきり言って
あの作品がどんな仕組みで出来ているのかさっぱり分かりません。それに、自分
自身がパフォーマーとして出ていたので、作品も実際にどんな風になっているの
かもしっかりとは分からなかったので、作品についての感想らしい感想も言えな
くて、本当にメンバーといわれるのは申し訳ないぐらいのことしかできませんで
した。その上、実は本番でパフォーマンスを間違えてしまったところがあって、
Team「風虎」のみんなには何てお詫びしたらいいかという感じです。
 今回はパフォーマーとして出たけれど、その中で分かったのは、やっぱり私は
自分の作品として出たいということです。もし、また機会があったら自分で作品
を作りたいと思います。

<コンサートについて>
 初めてComputer Musicを聴いたけれど、私が思っていたものとは少し違ってい
ました。今回私たちがやったような、やる度変わっていく音楽ではなく、既にで
きている音楽というものが多くて、 音楽について素人の私的にはちょっとつま
らないという感じがしました。なんだか全て同じように聞こえてしまって、私は
ああいう感じの音楽は好みではないなと思いました。私が作るのなら、今回の
Windmillのようなものを作りたいと思いました。
 コンサートの中で、私が良かったと思ったのはトロンボーンを使ったWhilpool
for trombone and Mac/MaxMSPという作品です。あの作品の仕組みとかは分かる
わけもないけど、トロンボーンを吹いていろんな音が出てくるのは面白いと思い
ました。いつか、あの作品がどんな仕組みで出来ているのか分かるぐらいになれ
ればいいなと思います。

<インスタレーションについて>
 今回のInterCollegedeの中で、私が興味があったのは実はコンサートよりもイ
ンスタレーションでした。やはり私は視覚で楽しめるものが好きなので、インス
タレーションが面白いと感じました。特に、扇風機を使ったSpeaking Fansとい
う作品が好きでした。普段はしゃべり続けている扇風機が、人が近づくと扇風機
のモノマネをするというアイデアも面白くていいと思ったし、実際にしゃべって
いる扇風機もなんだかかわいくてすごく好きでした。私もあんなユーモアのある
作品を作りたいです。

<ビデオ作品について>
 今回、私が1番面白いと思ったのはビデオ作品でした。短い映像作品 が何個も
つながっているものだったけれど、CG作品が多くてすごく興味がもてました。私
も将来CGを作りたいと思っているので、CGのいろんな作品が見れて参考になった
し、音楽とCGが合わさっているのも面白いと思いました。今後もああいった映像
作品をたくさん見ていきたいし、自分でも作っていきたいと思います。

<感想>
 今回のInterCllegedeでは、今までほとんど知らなかったComputerMusicという
ものを聞く事が出来て、自分の知らなかったのもを知る経験が出来て良かったで
す。それと、自分が興味を持っている映像の作品やインスタレーションの作品が
見れて良かったです。ただ、今回は音楽がメ インになっていただけあって、私
の好きな映像やインスタレーションの作品が少なかったのが残念でした。
 これからも、もっともっといろんな作品を見ていきたいです。
 もう一つ、残念だったのはせっかくの懇親会で全く他の人たちと交流できなか
ったことです。今回は、作品を直接作っていなかっただけに何を話していいかも
わからず、全然話し掛ける事が出来ませんでした。もっと、積極的にいかなけれ
ばならなかったと思います。次の機会があったら、今度はもっと他の人たちと交
流して輪を広げていければいいなと思います。


竹森 由香

  1.パフォーマンスについて
 
 今回の 第三期虎の穴で、わたしは 初めて パフォーマンスをするという経験を
しました。パフォーマーには、一応 立候補してなったわけですが、動機はとい
うと、かなり いい加減なものだったことは 否定できません。
 まず 第一に、わたしは 東京に行きたかった。これは、わたしが 第三期虎の穴
に 参加した動機とも 大変密接に 関わっています。東京というのは、やはり い
つまでたっても わたしにとって憧れの地であるし、行われる 催しがコンサート
であるというのも魅力でした。そして、どうせ 行くのなら 何かの形で 作品に
関わりたいと思い、パフォーマーに 立候補したのです。パフォーマンスと言っ
ても、ただ ステージの上を、ライトを持って歩き回るだけと聞いていたので、
当時のわたしは、いたって気楽なものでした。
 しかし、本番が近づき、いよいよパフォーマンスの練習が始まると、わたしは
少しづつ 不安になってきました。申し訳のないことに、その少し前からはじめ
ていた アルバイトが忙しくなり、なかなか 練習に参加できない状態になってし
まったのです。しかも、パフォーマンスのほうも わたしが 考えていたほど お
気楽なものでもないことが分かり、内心 かなり焦りました。
 しかし、本番の日は あっという間にやってきて、わたしたちの出番も あっと
いう間にやってきました。そして、あっという間に終わりました。本番の反省と
しては、少しばかりとちって、飛鳥さんとぶつかり、少し迷惑をかけてしまいま
した。しかし、とくに大きな 失敗はなかったので、終わった時は 大変ほっとし
ました。
 いい加減な動機から 始めたパフォーマーでしたが、結果的には おもしろい体
験をすることができて 良かったと思います。パフォーマーとして 紹介されたと
きも、なんだかちょっと、照れくさいような うれしいような気持ちがしたのを
覚えています。

  2.Windmillについて

 第三期虎の穴で 最も 強く感じたことのひとつに、自分の未熟さと、風虎メン
バーとの 力の差をつくづく実感させられたことがありました。まず、林さんが
曲を作ってきたのに とても驚きましたし、大山さんは演奏の最中に パソコンで
何やら わたしには まったく理解不可能な トーナメント表のようなものを いじ
っているしで。わたしは ただただ 感心するばかりでした。

  3.情報処理学会 音楽情報科学研究会 「インターカレッジ・コンピューター
音楽コンサート」について

 自分たちの発表が 早く終わったこともあって、気持ちに余裕を持ちつつ楽しむ
ことができたと思います。わたし個人の好みとして、音楽だけよりも、それに映
像も組み合わさった ものの方が興味が合ったので、国立大の映像と音楽の作品
が 特に印象に残っています。
 中でも印象強かったのは クラッシックにあわせて、暴力的な映像が流れる作品
です。オーケストラのシンバルなどの 音に合わせて、ときどき血が飛び散った
りするのも、うまく映像と音があっていたし、血の色も あまりリアルでなかっ
たので、グロすぎなくて良かったです。全体的に ヒステリックで、ときどき ひ
どく不快な感じがするのも、面白いと思いました。
 実際に 手で触れて 体験することの出来る作品に、わたしたちと同じ遮光を使
った『音文』という作品がありました。ライトで照らされた 半紙に 毛筆で字が
書いてあり、その上に手をかざすと ヘッドフォンから 音が聞こえてくるという
作品で、なんだか 不思議な感じのするものでした。左右にあるボルトを 同時に
手で触ると、人の声が聞こえてきて、その ちょっと不気味な台詞も 雰囲気があ
って おもしろかったです。確か、「右の耳は 右の耳で。左の耳は 左の耳で。
存在しないはずの 中央の耳は・・・ 」のような感じの ことを言ってたいように
思うのですが、人の声というのは 随分印象に残るものだなぁと 感心しました。
 他の作品も とてもおもしろくて、行って良かったと おもいました。


高木 慶子

  今回、私はこの3虎に参加の意思表示をしてみたはいいが、実際には全く何の
見当もついていなかった。まず、情報処理学会音楽情報科学研究会 インターカ
レッジ・コンピュータ音楽コンサートとはいったい何なのか。日本各地の多数の
大学の学生が、それぞれに作品を発表すると言うことは聞いていた。また、大学
4年生や大学院生がほとんどで、私たちのような新設大学であり、かつ1年生と
いうことでは、なかなか参加出来ないと聞いて、私にはかなりのプレッシャーに
なった。全部で17もの大学、研究所の人たちが集まるような研究会は初めて
で、また、コンピュータ音楽の作品を発表するコンサートというのも、観るこ
と、ましてや、参加するということは当然初めてだった。前回に引き続き、私に
とっての“虎の穴”は“初めてづくし”である。
  一番の“初めて”は、やはりパフォーマンスだ。今回の3虎では、作品制作で
はなく、パフォーマンスをするというのが私の役割だった。前回の2虎の鈴木さ
んのように、激しい動きをするわけではなかったけれど、それでも、私には常に
精一杯のパフォーマンスだった。パフォーマーである間は、たくさんの人に見ら
れることは当たり前だし、2虎の時とは違って、私は演奏する立場に立った。や
っていることは“遮光”という動作だけだったけど、実際には、光を遮断して音
を出していた。それも2虎の時と同じように“生の公演”というものに基づいた
ものであった。Windmillでの動作は決まっていたけど、自分で自由に音を出せる
ところもあったので、子虎のあと二人の田森さん、鈴木さんの様子を見ながら、
それに合わせたり、ずらしてみたりといろいろと探ってやった。遮光は練習の時
でも毎回、光の具合とか遮り方によっても音が出たり、出なかったりしたし、ま
た本番直前のリハーサルでは、私のところの子虎だけ音が出ないというハプニン
グもあり、当日はかなりドキドキしていた。
  練習の時からそうだったが、パフォーマーは作品を外から見られない。見ると
したら、それはビデオで録画したものだけだ。2虎のときは、客観的にみて意見
を言ったりすることもできたが、今回はいつも作品の中に居たので、実は作品の
全貌もなかなか見えてきていなかった。ビデオで見ると、パフォーマンスの動き
や姿勢が全然そろっていなかったことがわかった。そうやって作品の全体を傍か
ら見られず、実際の生の公演を感じられないのは、パフォーマーにとっては難な
ところだなあと感じた。ごく当たり前なことではあるのだけれど、それがパフォ
ーマーになってみて改めて気づいたことだ。
  
  私は、今回パフォーマーとしてWindmillに参加したが、参加することとは別
に、他大学の学生の作品を観ること、聴くことをとても楽しみにしていた。この
コンサートに参加する人たちは一体どういう作品を発表するのだろう、どういっ
た事を勉強しているんだろう、と想像をしていた。聞いたことのある大学や初め
て聞く名前の大学、本当にいろんな、学部学科も違う人たちの集まりで、私にと
って良い刺激になったと思う。今回の会場の東京工科大学にいけた事も良かっ
た。普段はSUAC内の世界しかほとんど知らなかった様なものだったので、以
前より広い世界を見ることが出来た。東京工科大学の整った環境に憧れを持った
りなどもした。
  他のコンサートやインスタレーションは思ったとおり、色んな用法、かたちを
とった作品群で、かなり面白かった。全体的にみて思ったことは、以前から長嶋
先生から聞いていたというのもあるかもしれないけれど、生の作品のほうがやっ
ぱり観ていて楽しいなあと思った。また、私的には聴くだけのものより、視覚的
にも何か入ってくる作品の方が面白いと思ったし、退屈しなかった。ちなみに私
の印象に残っている作品は、Speaking Fansやビデオ作品。またコンサートで
は、トロンボーンの演奏や私たちの次に発表していた(多分)Matthew Smithさ
んの作品だった。以前に虎でやっていたしくみなども使っている作品もあり、ち
ょっとは前より理解できる部分があって良かったと思う。まだまだわからないと
ころのほうが圧倒的に多いのだけれど。それでも今回のこの体験は私にとって本
当に良い経験となった。来年もまた見に行きたいと思ったし、参加もしたいと思
った。今後、5虎にも参加をするので、今回の体験を生かして、映像を作ってい
きたいと思う。また新しい世界を自分の中に取り込んでいきたい。


渋谷 美樹

 今回は、パフォーマーとして参加しました。第3期は東京工科大学で催されるイン
ターカレッジ(情報処理学会音楽情報科学研究会)で発表するということなので、か
なり楽しみにしていました。でも私は、「風虎」のような専門的な知識はないので足を
引っ張るかもしれないし、今回はパフォーマーが音楽を作り上げていくということ
だったので、パフォーマーの方に興味を持ち、面白そうだと思い、パフォーマーを選
びました。発表する会場にはコンピューターを使い慣らしている方たちが集うと聞い
たので、私たちの作品が対等に行かないまでも胸を張って発表できるのか、ちょっと
ビビッていたりしていました。

 風車の製作は、虎三のブレードの接合部分しか手伝っていなかったので、CAM室
で風車が出来上がったのを見たとき、貫禄があるな、と思いました。練習のとき、私
は初め小さい風車の担当でした。小さな風車は、姿もさることながら、回る速さもちま
ちましていたので、かわいかったです。練習を重ねるうちに私は虎三担当になってい
ました。虎三は一番大きいし目立つので、責任が大きいと思っていましたが、全部が
全部中心、と言う事ではなく、懐中電灯のアタック以外はタシ・テッド・タロウの方
が比較的重視されたので、緊張もせずに練習に取り組めました。林さん作曲の音楽を
聞いたときはただただ驚くばかりでした。林さんの曲をベースにMIDIからの音を
合わせるという構成でした。風車もそうですが、曲も知らない間に出来ていて、凄い
と思い気が引き締まりました。寧ろ何もしていないという罪悪感があったのかもしれ
ません。練習の前に1回だけパソコンを触ってみた事があったのですが、鍵盤や、音
の出る配線はともかく、風車を動かす配線の理解はさっぱりでした。やっぱり私はパ
フォーマーで精一杯頑張ろうと心に決めました。練習の最中、どうにか単調さから抜
け出せるようにビデオを撮って、皆で見たり、1回毎に少人数で作品を見て、気に
なった所や改善点を言い合ったりしました。練習は5限が終わってからだったので帰
りが9時を超えている事が多々ありましたが、充実していました。休日も大学に赴き
練習に励みました。回を重ねるうちに凝った感じになる反面、タシ・テッド・タロウ
の担当は一人なのに動きが複雑になって頑張っているのを見て二人で担当している虎
三も頑張っていこうと思いました。

 東京工科大学では、着いた日(16日)にもう発表だったので皆があたふたしていた
割には本番は緊張も無くいつも道りにできました。私たちは全身真っ黒だったので、
この真っ黒集団を見た人たちは違う空気を感じたに違いない。その後のMatthew
Smithさんの''Untitled'' や、トロンボーンを使った作品など濃いコンサートでし
た。トロンボーンの作品は、トロンボーンの音をあえて出さないおもしろさが良かっ
たです。パフォーマーのない音楽のみの発表では、コンピューターサウンドならでは
(?)の暗く、重い感じの作品が多いと思いました。インスタレーション・展示では、扇
風機の展示がおもしろくて一番印象に残っています。センサーで反応して歌ったり
喋ったりしていて、センサーを塞ぐと、「ぶ〜」と言うところが生き物みたいでし
た。慶応義塾大学政策の三谷さんのwakeは、「インターネット上の非言語コミュニ
ケーション」をテーマとする作品で、言葉が無いのに同じアクセスしている知らない
人とコミュニケーションできる面白い作品だと思いました。CGビデオ作品も見まし
た。1つ1つが個性溢れていて見入ってしまいました。あのような作品をいつか作り
たいと思うくらい刺激されました。17日の大坪さんのコンサートも拝見しました。
柔らかい手つきで重い音楽のコンサートでした。パンフレットに書いてある概要を読
むよりも作品を聞いてからでないと理解できないような深い盛り沢山の内容でした。

 今回の遠征は、短い期間でしたがいろいろと良い刺激をたくさん受けました。八王
子の打ち上げも盛り上がりましたが。インスタレーションでみたような作品は今の私
の技能でははるか遠いですが、少しずつでも進歩していければいいなと思いました。

ありがとうございました。


林 文恵

 今回の作品は高さ1mを超えるオランダ型風車1台と70cmの小型の二枚翼
プロペラ型の風車3台、計4台の風車を使ったなかなか大掛かりなものになった。

 大まかな仕組みを言えば、風車の回転とMIDIによる発音を光度によって制
御しよというものだ。風車の台座部分に取り付けられたソーラーパネルから値を
取得してMACへ送りMAXを使ってMIDI出力によって発音と回転の操作を
行う。

 今回は主要メンバーが三人ということもあって制作には苦労が多かった。企画
開始当初の人員募集の時に他の面子から正式決定メンバーが他にいないことを聞
いた時にはさすがに驚いた。

 この風車というアイデアはかなり初期段階からあったものだが、現在の形にい
たるまでにはかなりの変遷がある。そもそもは風車という形状も、現在のような
光量の変化を回転によって体現するという視覚的効果のみを狙ったのものではな
く、風力によって回転しそれによる発電量を値としてMACを通してMIDIに
渡すという実際に風車としての働きを利用するためのものであった。つまり光量
ではなく風力をソースとする代物だったのだ。しかし、これは今回の会場の状況
を全く考慮に入れていない発案であり、室内、しかも閉鎖された空間に於いて人
工的に風を起こししかも制御しなくてはならないという点からも、現実的とは言
えないアイデアであった為、やがて行き詰まってしまう事になった。結局実現不
可能ということで結論づいた日の帰路、主な面子で話し合っていた時に出た案が
、現在の光を使った仕組みである。最初は、案を口にした私ですら、こんなのは
戯言だろうなあ、と思っていた。私としては、自然の要素の連続的変化を取り込
んで音を鳴らすという当初の狙いを残し、何としても人が直接回すというかなし
い事態を避けたいという一心で、実現の可否を度外視していた。何しろ風車だけ
でなく光を感知する仕組みとそれを制御して風車を駆動させる仕組みを用意しな
ければならず、その上それらをMAX上から制御せねばならない。現時点の私た
ち(しかも三人!)では到底出来ないような気がしていたのだ。しかし、その部
分も諸先生方の多大なご助力と貴重な時間を犠牲にしていただいたお陰もあって
何とか実現させることが出来た。私たちの無謀な挑戦に協力してくださった多く
の人には改めてお礼を言いたい。

 風車に関しては外観にも何度か変更があった。そもそも軸受け周りと土台の部
分についてはデザインがかなり遅くまで決定しなかった。制作に割く時間が上手
く取れなかったことで風車自体がなかなか出来上がらなかったことも一因だが、
作品に対して自分たち自身が漠たるイメージしか持てず確信の持てるデザインが
見定められなかったのが主な原因ではないかと思う。3虎メンバーに協力を仰ぐ
にしてもはっきりとした意志を伝えきれぬままでいたづらに時間を無駄にした感
は否めない。反省すべき点である。そういった事もあって、建築風、木製、など
の案を経て最終的に固まったデザインというのは、イメージはメタリックそのも
の、プロペラには銀の塗装を施し、ボディはパンチメタルで作ったフレームにモ
ーターや軸受けなどすべての仕組みをおさめ、外から中のからくりが素通しに見
られるといったものであった。ここに来て漸くメタリックを基調にした透明感の
あるものという視覚的部分でのイメージが固まってきた、という訳である。しか
しここでのデザインは結局時間いっぱいまで粘ったこともあって、強度や制作に
かかる時間、材料調達などを理由に色々な点で妥協や変更を加えねばならず、そ
のままのデザインで日の目を見るにはいたらなかった。しかし、その結果完成し
た現在のボディ、スケルトンとはいかなかったものの、全身銀色で何の装飾も施
さず、むしろ大きさと存在感のみを主張するスタイルはかえって迫力があり、十
分にすばらしいものだと思う。

 音については、本当にギリギリまで変更改訂などが続き、動作不良や振りの変
更のたびに大山さんは本当に苦労したことと思う。私は音の点では背景的に流す
BGMパートの作成に終始した。正直DTMや作曲法に関しての知識は殆ど無く
、どうなることやら自分でもひやひやしながらの制作になった。音色の変更の苦
労やそれまで他の二人が作っていたMAXでの発音部分との兼ね合いもあってか
、話し合った結果、最終的にはBGMはWAV変換しCDに焼き込んだものを使
うことになった。調整時に何度か長さの調整のために切ったり、パフォーマへの
便宜のために音を足したりということはあったが基本的には大きな変更の無いま
ま進んだように思う。しかし、自宅やMAXとの調整で使っていたミニステレオ
やラジカセではボリュームを上げてもはっきりわからなかったプチノイズが講堂
でのリハーサル時にはっきり聞こえたのにはどきりとした。それから、今回私は
BGMの調整以外では具体的なことはタイミングとボリュームの操作ぐらいしか
しておらず、MAXパッチの方はリズムなどで口出ししたくらいのもので蚊ほど
にしか関っていないのだが、やはり連続的な変化というのをあまり生かせなかっ
たことは少し残念だった。

 ともあれ当日は、リハーサル中に調整が続き実際の演奏と同じ演習は2回しか
出来なかったりしたにもかかわらず、電力供給の不安定だった風車も動かなくな
ったりすることもなくて、細かいところはともかく致命的なミスを起こさずにす
んでよかったと思っている。自分たちだけではとても出来なかったとは思うのだ
が、初めて企画段階から参加して作った物だけに、無事に終わってよかったと思
っている。


加藤 美咲

今回の制作で痛感したことは、連絡系統が不徹底していて、情報が上手く伝わらない
ことの無駄さであった。たいていにおいて、先生からもたらされる情報は大山が受け
取る。そこから私なり林なりに伝達されるわけだが、私―林間のつながりがないた
め、情報を確認する際「大山から聞いてる?」が常套句になってしまった。さらにそ
こから虎Bの人たちへ広がっていく情報は、上手く全員に行き届かなかったり、例え
伝わったとしても、伝言ゲームのように言葉がすれ違う可能性が限りなくでてくる。
皆で話し合う時間が十分にもてなかったこともあり、今回は惰性のまま不安定な連絡
系統を使わざるをえなかったが、次回からは携帯電話の連絡表を作るなりなんなりし
て、全員に安易かつ的確に伝達できる太いパイプラインを引くことがまず何よりも重
要だ。
次に、時間の無駄のことがある。風車を制作するのがいつでどれくらいに完成予定な
のか、MAXのパッチを組むのに使う時間はどれくらい必要か。そういったタイム
テーブルをきちんと組むことの肝要さを痛感した。経験が圧倒的に少なく、時間の見
積もりができないこともあったが、計画を立て、そのとおりに実行しようという意気
込みが足りなかったように思う。その際足を引っ張ったのは、やはり前に述べたよう
なメンバー間の不透明さであった。授業の関係で一緒にいることの多いメンバーとは
比較的構想を練る時間もあったが、それ以外とはミーティングを自主的に繰り返すこ
とはなく、一方的な情報の受け渡ししかできなかった。先生が設けてくれた数回に渡
る貴重なミーティングも、有効に使えたとは言いがたい。要点をまとめ、手際よく説
明する。プログラミングをしたり、造形作品の構想を練る前に、そういったプレゼン
テーションに慣れておくことが今後の作品作りに大きく影響するだろう。
その他にも、造形物の制作など、専門の先生に多大な迷惑をかけてしまった。まった
く一から自分たちの手で作り上げたものは、MAXのプログラムと、CDに焼いてB
GMに使った音楽くらいのものである。多忙な時間を割いて協力してくださった先生
方に感謝したい。
学会では、実際に他学生のコンサートやインスタレーションを目にし、色々と影響を
受けた。発想を自由にすることと、アイデアを形にすることとは別のものである。私
は他の作品から、その両方を得たように思う。展示されているさまざまなインスタ
レーションを見て回りながら、来年はどうしようかと、すでに次の作品作りに心を飛
ばしていた。また、今回はじめて先生以外のコンピュータサウンドに触れることがで
きた。
ライブで刻一刻と精製する音楽に重点をおいて制作してきたWindMillだが、現地では
CDに焼いた音楽をただ流すだけという形が思いのほか多かった。しかしいくら照明
を落としても、舞台に何もなくて音楽だけ流れているというのは寂しい。その点私た
ちのパフォーマンスは、構成は稚拙でも人が出ているというだけで躍動感があり、新
鮮な思いで楽しめる。造形物を作ることができるというのは、デザイン科ならではの
利点である。今回はステージでのパフォーマンスだったが、これからは造形もアピー
ルするインスタレーションで参加していきたい。


石野 愛子

今回照明補佐として風虎に参加した空間造形の石野です。
私も1度は技術造形学科を目指した者として、今回の東京遠征はとても興味の持てる
ものでした。
実際に発表会で発表された内容やインスタで展示されていたものを見て、今どれだけ
技術が発達しているのかを思い知らされたような気がします。

インスタの中で、手をかざすとヘッドフォンから声が聞こえてくる、というものがあ
り、それがとても興味深いものだったのを覚えています。手をかざすところによって
聞こえてくる声が違ったり、両手で光をさえぎるとまた違った声が聞こえてきたり…
喋っている言葉も、普通に喋っているのではなくてテーマにそった雰囲気のある喋り
方をしていたのが凝っているなぁと思わされました。
あとは、学生が作成した映像のビデオが流されていたのを見ましたが、その一人一人
の作品の完成度の高さに驚きました。それぞれの作品がそれぞれのテーマを見る側に
感じさせ、(中には何を言いたいのか解らないものもありましたが)自分にとっても
色々収穫がありました。といっても、私にあれほどのものを作れる技術も機会もない
のですが…。

最後の発表会を見ずにホテルに帰ってしまったので残念なところもありましたが、自
腹を切ってまで行った甲斐はあったと思います。
また機会があれば是非何かお手伝いさせていただきたいものです。
とにかくお疲れさまでした。


北嶋 めぐみ

<はじめに>
 今回のプロジェクトは、生徒が主体となった始めてのコンサートだった。

 しかしながら、私は今回のプロジェクトには、企画・プログラムを行う「風虎」
のメンバーとしては参加せず、舞台に上がってパフォーマンスを行う、「アタ
ッカー」として参加した。後半には、アタッカーと遮光の演出もやった。

<アタッカー・演出>
 パフォーマーの演出は、私が今回最も関わった部分だと思う。
 アタッカーの動作の演出は、最初、ニ虎の「Wandering Highlander」のパフォ
ーマーのイメージが強くあったため、舞台を走り回ったり、飛び跳ねたりと、演
劇じみたものだった。
 しかし、それではタイミングが合わなかったので、風車の後ろに立って、光を
当てるだけの動作に変更された。
 動作を静かなものにすることで、風車の方を目立たせて、「光によって回り始
める風車」を強く表現することができた。

 3つの小さい風車の横にそれぞれ一人ずつパフォーマーがつき、照明の光を黒
い板で遮って調整し、音に変化をつける「遮光」の演出では、練習を始めたばか
りのころ、は規則正しく三つの風車を順番に遮光し、次第にそれぞれがバラバラ
に遮光をしていくようにしていた。
 しかしそれでは出だしのタイミングが掴みにくく、盛り上がりにも欠けるため、
順番を逆にして、「最初バラバラ、後規則正しく」という順に変えた。そうす
れば、最初の一人がタイミングをはかるだけで、後はスムーズにいくからだった。
 そうすることで、ゴチャゴチャしていた後半の演奏も、テンポのとれている「
曲」になった。

 アタックと遮光の練習を始めた当初は、メンバーの都合で全員がそろって練習
することができずにいて、タイミングをとるのが難しかったのが、本番に近づく
につれて自主的に練習するようになってくれて、なんとか本番に間に合わせるこ
とがでた。

 しかし、舞台の大きさを計算に入れていなかったため、本番では練習通りの位
置でアタックや遮光をすることができなかった。コードや風車に気をとられて、
スムーズにアタックをすることもできなかったた。 しかし、位置変更により、
遮光のメンバーは互いを確認できるようになり、タイミングがあわせやすくなった。

 小さなミスはあったものの、全体的に見ると、プロジェクトは成功したと思う。

<コンサート>
 インターカレッジコンサートは、とても貴重な経験となった。
 多くの人の作品を見ることができたからだ。ロビーで展示していたインスタレ
ーションは、思わず興味をひかれるものが沢山あった。
 映像と音とを組み合せた作品は、特に興味を覚えた。
 数分間の短い作品なのに、映画のようにストーリーが脳裏に浮かぶ作品が印象的だ。
 私も、映像と音を組み合せた作品を作ってみたい。

 講堂で行われたコンサートでは、キーボードを打つ音で作られた作品や、金属
音で作られた作品など「何気ない日常の物音」を扱った作品が面白いと感じた。
 曲だけという作品もあったが、何かしら舞台に変化があったほうが良いと思っ
た。ちょっとしたCGなどでも、その場の雰囲気がまったく変わったものになる
からだ。

<おわりに>
 インターカレッジコンサートは、面白いものに沢山出会うことができた。
 やはり、作品をつくる原動力は「面白いこと」だと思う。
 私も、私の作品を見た人が「面白い」と感じてくれるような、そんな作品を作
りたいと思う。
 今度はパフォーマーとしてではなく、製作者として虎プロジェクトに参加したい。

 余談だが、今回のコンサートの後、コンサートに出ていたスミス氏と少しだけ
話す機会があった。
 もう少し、英語を勉強しようと思った。
 いくら芸術は言語の壁が無いとは言っても、それを言葉に出せなければ、やは
りダメだと思う。