現代芸術論C(メディア・アーツ論)(長嶋)

  • シラバス(2011)

  • 話題メモ

    • 初日(2011.09.28)
      • 本日のAniMusic (1) Pipe Dream
      • 本日のAniMusic (2) CGの作られ方(Pipe Dream2メイキング)
      • 「メディア・アーツ論」について
        • 目標(1)「メディアアートについて知る」
        • 目標(2)「関連の話題からいろいろ派生して考察する」
        • 遅刻厳禁 - 2限開始時刻に施錠します
        • 前の方に座らないとよく見えないので損をします
        • 録音・録画は厳禁(「ここだけ」教材も特別に紹介します)
        • 「お話」よりも、ビデオ・デモ等で間接的に体験しよう
        • 希望しても制作的な演習はありません(最終レポート課題あり)
        • 専門科目の単位取得を主目的とした3回生以上の履修登録は推奨しません(毎年、多数が落としています)
        • 毎回、最後に10分程度、Daily Reportを書く時間を取る予定です
        • "Daily Report" (出席確認・検討/議論・感想/質問・授業評価) について
        • 講義Webページは http://nagasm.org/1106/ から
      • 「メディア・アート」とは?
        • CG、アニメーション
        • ムービー(DVD/YouTube/ニコニコ動画)
        • ゲーム
        • Web作品、FLASH
        • インスタレーション
        • 空間演出、サウンドスケープ
        • パフォーマンス、ダンス
        • Computer Music
        • ネットワーク・アート
      • 「メディア・アート」から「アート」を再考しよう
        • ファイン・アートとは?
        • コンテンポラリー・アートとは?
        • テクノロジー・アートとは?
        • キネティック・アートとは?
        • 「アート」と「エンタテインメント」との関係
        • 「アート」と「ビジネス」との関係
        • 「アート」と「文化」との関係
      • 「メディア・アートでは食えない」という話
      • 世界の「メディア・アート」と乖離する、日本の文化庁/文科省/経産省の「メディア芸術」
        • 漫画は「メディア・アート」にあらず
        • オタク文化/カワイイは「メディア・アート」にあらず
        • 工業先進国として行き詰まった21世紀の日本 → コンテンツ立国として振興したい下心
        • 鳥獣戯画まで「メディア芸術」に強引に関係付ける(^_^;)
      • これから何度も登場する言葉など
        • Are Electronica
        • SIGGRAPH
        • 文化庁メディア芸術祭
        • NTT ICC
        • YCAM
        • IAMAS
        • SUAC MAF
        • IPSJ SIGMUS
        • インターカレッジ
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介
        • 竹田 悠子
        • 清水 誠一郎
        • 山口 翔
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Pipe Dream
        • AniMusicより Pipe Dream2メイキング
        • 伊藤友基子 映像作品「SUACプロモ」
        • 清水誠一郎 修了制作映像作品「中学星」
        • 清水誠一郎 DVD「中学星」CMムービー
        • 竹田悠子 アニメーション作品「ごちそうリレー」
        • 竹田悠子 アニメーション作品「こねこね寿司」
        • 竹田悠子 デジスタ出演「こねこね寿司」
        • 竹田悠子 デジスタ出演「赤富士」・イタリア進出
        • 竹田悠子 最新作
        • 卒業生の仕事より World Cupオープニング

    • 2日目(2011.10.05)
      • 本日のAniMusic (1) Stick Figures
      • 本日のAniMusic (2) Pogo Sticks (前作から数年が経過した技術的進歩を確認しよう)
      • 今年も受講者の中に3回生/4回生が多数いる事が判明しましたのでお知らせします。 この講義は毎回のDaily Reportによる出席点を重視しますので、出席が不足した場合には単位になりませんので、 あらかじめ覚悟して下さい。 就職活動をしている3/4回生はその届けを出す必要はありません。理由の如何によらず欠席は全て欠席としてカウントします。 考え方の一例ですが、毎回のDaily Reportを5点満点とすると、15回あったとして全て満点であれば75点ですが、 過去に「Daily Reportが毎回満点」という学生の事例はありません。 ここに期末のレポート課題を加えて成績評価します。試験はありません。 Daily Reportが毎回3点なら出席点の合計は45点ですので、期末レポート(例年は40点満点ほど)で15点以上を取った場合に単位となります。 毎年「卒業に必要なのでなんとか単位を欲しい」との申し出がありますが、温情による底上げはありません。 過去にも4回生が1人、期末レポートとの単純合計が59点で不可となりました。出席が少なかったので仕方ありません。
      • 「Daily Report」は単なる「感想メモ」ではありません・・・という話
      • ビデオ提示の教材を漫然と見ないようにしましょう・・・という話
      • カラオケに行った時に芸文学生ならここを見て欲しい・・・という話
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • AniMusicのPipe Dreamは面白かった。これが映像でなく実物であったらもっと驚くだろう → あります(^_^;)。作品の模様を後日、ムービーで紹介します(^_^)[Ars2008_IA_3.mp4]
        • 今回のAniMusicは打楽器系だったが、これが弦楽器とか管楽器になったらどうなるのか楽しみ → どんどん紹介しますのでご期待下さい(^_^)
        • AniMusicのPipe Dreamでボンゴが多数並んでいたが、普通はボンゴは2連なので違和感があった → 普通の人間が演奏する既存の演奏形態に囚われているようで気の毒です(^_^;)。AniMusicでは「手足が10本ずつで頭が3つ」などの、地球上の常識を離れた演奏者まで発想を飛躍させて楽しんで欲しいです
        • 自分たちと同じ世代のSUAC学生がこれらの作品を創作してきた事に驚いた → オーストリアでは国を上げて、初等教育の段階からメディアアートの教育を行っていて、子供の素晴らしい作品が生まれています。いずれ事例を紹介します
        • 映像作品には「音」が重要である、と感じた → いい視点です(^_^)。テレビやパソコンで音を消して映像を観る、という体験もお勧めします
        • 世界はアートを目指し、日本はエンタテインメントを目指す、というのでもいいのでは → 日本ではメディアアートで食えないという話からだと思いますが、海外でも事情はほぼ同じです(^_^;)
        • メディアアートとは要するにITやパソコンを活用したアートなのか → ITやパソコンの活用はメディアアートの特徴の一つではありますが必要条件でも十分条件でもありません
        • 「漫画はメディア・アートではない」「Web作品はメディアアートの一形態」という話だったが、Web漫画やフルCGの漫画はどうなのか → あの言葉の文脈は、のらくろや手塚治虫まで遡ってメディア芸術に包含しようという文化庁の姿勢を批判したものであり、最近のMANGAではメディアアートと呼べるものもあると思います
        • AniMusicは与えられた楽器セットに対して作曲されるのか? → YESです。同じ楽器セットであれば別の曲でもMIDIデータとして処理できます。他の曲ではそれぞれ楽器セットとオーケストレーションが違ってきます
        • パフォーマンスの形態のメディアアートと普通の演劇との境界は? → ここからがメディアアート、ここまでは演劇、などという境界は当然ながら存在しません。オペラや演劇やミュージカルの中にはメディアアートと言える融合・発展をしているものも多数あります
        • 次回からはなるべく前の方に座りたい → 前ほど得です(^_^)
        • 「こねこね寿司」の、手のリアリティが凄かった → あれは竹田さん本人の手です(^_^;)。そのためコマ撮りにはフットスイッチを使いました
        • 文化庁がアニメや漫画を日本の文化として海外に発信する事は良い事だと思う。ただし一般的なメディアアートと違う「メディア芸術」という概念で押し付けると誤解を生じ、発展途上のメディアアートの制作者と受け手のギャップを生み出す悪影響、という恐れがあると思う → まさにそう思います(^_^)
      • 「メディアアート」についてとりあえず調べてみてください(宿題ではありませんが今後の話に有効です)。なおWikipediaは「真実」「事実」「定説」を語っているとは限りませんので、そのつもりで接して下さい
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介 (積み残しは翌週以降に)
        • 山口 翔
      • 「SUAC MAF」とMAF2001
        • メディアアートフェスティバル(MAF)とは
        • その発端と終焉
        • MAF2001の概要
        • 映像シアター
        • インスタレーション展示
        • ライヴComputer Musicコンサート
        • CGギャラリー
        • 芸文学生スタッフの活躍
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Stick Figures
        • AniMusicより Pogo Sticks
        • 山口翔 Paper Play
        • 山口翔 風見屏風
        • 山口翔 trip
        • 山口翔 のお仕事映像集
        • MAF2001 インスタレーション全作品記録ビデオ
        • MAF2001 コンサート記録(吉田・長嶋)

    • 3日目(2011.10.12)
      • 本日のAniMusic (1) Drum Machine
      • 本日のAniMusic (2) Gyro Drums (3D-CGを表現する座標系について)
      • 履修登録者名簿の確認
      • 受講者の中の多数の3回生/4回生に再度確認です。 詳しくは2日目のところをよく読んで下さい。 この講義は毎回のDaily Reportによる出席点を重視しますので、出席が不足した場合、 あるいは日々のDaily Reportに手抜きを続けた場合には単位になりませんので、あらかじめ覚悟して下さい。 就職活動欠席などの届けを出す必要はありません。理由の如何によらず欠席は全て欠席としてカウントします。 過去に、友達が代理でDaily Reportを出した不正行為が発覚した事がありますが、そのような場合には本人も協力者もその時点で登録抹消(不可)です。
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • AniMusicは前回のボールの方が良かった → そういう人もいますが、逆もいます(^_^;)
        • MAF2001コンサートの「サイバー尺八」について詳しく知りたい → 僕も開発に関わったので、解説します
        • MAF2001の「少年少女科学クラブ」の作品は単なるインスタレーションでメディアアートでは無いのではないか → 当日に不調で稼働しなかったので解説を省略しましたが、来場者の入室をセンサで検出して、手作りの「1本弦超低音ピアノ」がビーーーンと鳴る・・・という仕掛けもあった作品なので、カテゴリに含まれます
        • YUKIのPVで猫が笑ったのもCGか(複数) → たぶんYESですが詳細不明です
        • リアルな3DCGを追求して実写に置き換える理由はあるのか → YUKIのPVの木の葉は、YUKI本人は実時間なのに木の葉だけスローモーションなので実写は不可能です。また実写であれば、たまたま顔などにかかったりするNGでの撮り直しが膨大になり、CG制作よりもコスト(手間)がかかります
        • インスタレーション作品の紹介ビデオは中途半端で、体験してみないと判りにくい → だからといって言葉だけで解説できるでしょうか。漫然とビデオを眺めて「判らない」とただ文句ばかり言う前に、理解しようとする努力をしている学生も多くいます
        • いろいろな映画の中で使われているCGについて知りたい → 自分で調べてみて下さい。僕は手持ちの資料(関与したイベントや作家本人から入手)を紹介しますが、一般の映画の資料映像を持っているわけではありません。アルスエレクトロニカの映像部門の紹介の話題の中では、関連したものを提示する予定です
        • インスタレーション作品のような形態のメディアアートが「お仕事」として依頼されて制作する、という状況はあるのか(多数) → もっとも判りやすいのは「科学館」「○○博」みたいなところでの「体験型エキジビジョン」システムです。さらに拡大すれば、アミューズメントパークにあるアトラクションもある種の発展系です。インスタレーション作品を作っていたSUAC卒業生でこのようなシステムを特注制作する会社で活躍している人もいます
        • 「trip」で実写の風景が線画に変化していくのは、そのようなソフトウェァで処理したのか → 違います。多数の後輩も手伝って、1コマ1コマの画像をペンタブレットでいちいちトレースして作っていきました
        • 後ろのカーテンはスクリーンの邪魔にならないのでメモを書くために開けていて欲しい → そうします
        • インスタレーションの事例を見て、あらためて「人間の五感」を再認識した → 重要な視点です(^_^)。いかに五感に働きかけるか、という事例は今後もいくつも紹介します
        • インスタレーションなどの作品を作って行く過程についてもっと知りたい(多数) → 「"Max5"デモ」の中で、その考え方の片鱗を紹介します
        • 「コンピュータ音楽」という用語がけっこう昔からあることに驚いた → 「コンピュータ音楽国際会議」ICMCは1978年から続いています。「コンピュータ音楽」という概念と用語は、コンピュータの歴史とほぼ同じ長さがあり、すでに60年の歴史があります(^_^)
        • MAF2001コンサートの吉田靖さんのギター1人多重演奏を人間の声でやったらどうなるのか興味がある → 僕の作品(1998)にもあります。時間があれば紹介しますが、ちょっと後になります(^_^;)
        • 山口作品「風見屏風」は、画像認識した形にジワジワと動いていくのが良かった → あれは画像認識システムの処理能力の限界で、100画素全てをスキャンするのにどうしても2秒程度かかるので、狙ったわけではなくて結果としてジワジワとなってます(^_^;)
        • 「Paper Play」や「trip」などの映像作品が出来るまでにどのくらいの時間がかかるのか → 複数の協力者がいて、また本人は何度も徹夜するほどずっと集中して2-3ヶ月かかる、というのはザラです。とんでもない時間をかけるこだわりの世界です(^_^)
        • 台所を舞台にしたAniMusicがあればいいのに → AniMusicではありませんがビンときたパフォーマンスがあるので紹介します
        • MAFでは芸文学生は運営スタッフ? → 実際には運営の中枢はコアスタッフ(一部は芸文学生)で企画遂行し、一般学生は「下働き」でした
        • MAFはどのくらいの予算なのか → 特別研究費として出た金額に合わせた規模で毎回プロデュースしてきました。MAF2001の場合には500万円ですが、コンサート(演奏者謝礼)が2/5程度、学外インスタ作家謝礼(旅費補助)で1/5程度、あと展示機材・制作材料費・機材運搬などで、スタッフは全員ボランティアのノーギャラでした
        • ライブのComputer Musicというのは、その場で操作するのか、あらかじめ作っておくのか → 事前に作っていたものをただ「再生」するのであれば簡単ですがそれではカラオケと同じなのであまり面白くありません。実際にはライブの場で起きる状況(環境の変化、演奏者の即興、ランダム生成など)に対応して、「厳密には毎回、違った音楽が生まれる」ようにしています
        • カラオケ得意です\(^o^)/ → 連絡ください。御招待します(^_^)
      • Daily Reportに対する参考ムービー等の紹介
        • (前回)「Pipe Dream」の実物版 [Ars2008_IA_3.mp4]
        • 「サイバー尺八」について
        • 台所を舞台にしたパフォーマンス(何でも題材となる) [Stomp]
      • 「メディアアートの作り方」としての"Max5"デモ
        • Max/MSP/jitter とは
        • フログラミング = リアルタイムな関係性(アルゴリズム)の構築 = システムの「神」となる作業
        • Maxのごく簡単なデモ
        • MSPのごく簡単なデモ
        • jitterのごく簡単なデモ
        • ここからComputer Musicへ
        • ここからインスタレーションへ
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介 (積み残しは翌週以降に)
        • 伊藤 裕三郎
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Drum Machine
        • AniMusicより Gyro Drums
        • 「Pipe Dream」の実物版インスタレーション作品
        • 「サイバー尺八」デモ
        • 「Stomp」より
        • HONDA CM
        • 伊藤裕三郎レポート

    • 4日目(2011.10.19)
      • 本日のAniMusic (1) Aqua Harp
      • 本日のAniMusic (2) Resonant Chamber
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 初音ミク(ボーカロイド)などもアルゴリズム作曲なのか? → NOです。あれは音楽データ打ち込み(DTM)の一種で、ライブのインタラクションや変化はなく、確定した演奏は必ず繰り返される「再生音楽」(シーケンサ)です。関連した話題を紹介します
        • 日本のメディアアートの技術は世界的にみてどうなのか → 技術としては世界先端を競争しているのですが、作品/プロジェクトとしてのレベルでは全般としてはやや見劣りします(^_^;)
        • 音のプログラミングに乱数を用いる例は判ったが、映像や照明に乱数を用いることは出来るのか? → 一例だけ上げれば「ロウソクの炎のゆらぎ」を実現するには乱数を用いたアルゴリズムで映像や照明を制御する、というのが昔から定番です
        • 既存の音楽(例えばJ-POP)をピアノの音楽に変換することは出来るのか? → 音楽情報処理の技術で言えば「採譜(transcription)」「音源分離」ということになります。サンプルを紹介します
        • 日本にもメディアアートばかりを取り上げた美術館があればいいと思った → NTTがバブル期に新宿・初台の新国立劇場に作ったICC(インターコミュニケーションセンター)というのがそれですが、NTTの凋落とともに予算規模が1桁以上縮小され、現在では虫の息です(^_^;)
        • 去年のこの講義で「モーフィング」を知ってから色々とデレビ等で気になっている。また見たい → お見せしてMJ版も紹介します
        • AniMusicのドラムを見て、叩かれた太鼓が異常に膨れたり凹んだり、現実にはあり得ないデォルメである事を再確認した → そのデフォルメが躍動感というリアリティに貢献しているので、これも一種の「強調リアリティ」です
        • コンピュータ技術によっていくらでも修正・加工できる時代だと、歌手や演奏家がそれほど熟達していなくても素晴らしい演奏のように聞かせてしまうことが出来るのだろうか → そんな事はないと思います。本物のプロは現代でも修練を重ねています。商業主義に乗った音楽の領域では、確かに素人レベルでもそれなりに受けているのも事実ですが・・・(^_^;)
        • ソフトウェアの解説などはとても理解できないが、全て理解できないと受講に支障が出て来るのか? → この講義は「こんな世界がある」という紹介がメインですので、個々のトピックについて全て理解する必要はありません。可能な範囲で理解しよう、という姿勢で吸収していけば十分です
        • ソフトウェアによって音楽が作れるのなら、作曲を目指したりピアノを持たない人でも音楽を楽しめるのがいい → 実際、音楽大学の作曲科の学生は、昔はオーケストラ曲を作曲した場合、その習作を実際に音にするのは非常に困難でしたが、ここ20年ほど、パソコンでオーケストラ曲を打ち込んで(作曲して)、何度でも疲れることなくオーケストラ編成で自動再生して修正できるので、作曲の勉強としては飛躍的に効率が向上しています
        • HONDAのCMが単なる実写でなく編集された加工映像だとすると、よくある心霊写真・心霊映像などもそうなのだろうか? → デジタルの無かった時代の写真(銀塩写真)のケースを別にすれば、現代のデジタル写真/映像については「何でも出来る」ので、「100%、作為的なヤラセCGです」と言っても過言ではないと思います
        • デザインや音楽ではMacが多いように思うが、やはりそのようなソフトを使うにはMacがいいのか → 過去にはデザイナであればMac、と言われていましたが、現在では音楽でもグラフィック/映像でも、Macでなくても充実しています。ただし僕の研究室にはMacが20台近くありますが、WindowsはXPが3台ほどです(^_^;)
        • AniMusicの「Gyro Drums」では、360度、自在に飛び回るカメラワークが圧巻で、CGの力をあらためて実感した(多数) → まさにこれがCGのいいところです。実写だとラジコンとかで飛ばすので限界があります
        • サウンドを原型を留めないほど加工するあの技術が、テレビでプライバシー保護でモザイクをかけられた人の「声」に使われているのか → YESです。エフェクタ(特にボコーダ)というものです
      • Daily Reportに対する参考ムービー等の紹介
        • ボーカロイドについての話題を色々と・・・
        • 「音源分離」の研究の紹介(1998時点・NTT研究所の例)
        • メディア編集作業の例 : 「モーフィング」と長嶋作品の例
        • 「モーフィング」がマイケルジャクソンのPVでも活躍している例
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介 (積み残しは翌週以降に)
        • 小出 悠美香 「もちつもたれつ」
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Aqua Harp
        • AniMusicより Resonant Chamber
        • ボーカロイド関係(1) Vocaloid1のサウンドデモ
        • ボーカロイド関係(2) 調教職人の仕事サンプル
        • ボーカロイド関係(3) 鏡音リンレン
        • ボーカロイド関係(4) がくっぽいど
        • ボーカロイド関係(5) 初音ミクのコンサートの模様
        • ボーカロイド関係(6) 初音ミクの声で歌い踊るロボット
        • ボーカロイド関係(7) 初音ミクの普及(米国映像)
        • ボーカロイド関係(8) ぼかりすデモ
        • ボーカロイド関係(9) ぼかりす2デモ
        • 音源分離デモ
        • 長嶋実験映像「JizoGazoDazo」
        • マイケルジャクソンのPV 「Black or White」
        • 小出 悠美香 「もちつもたれつ」
        • 小出 悠美香 「もちつもたれつ」メイキング

    • 5日目(2011.10.26)
      • 本日のAniMusic (1) Acoustic Curves
      • 本日のAniMusic (2) Cathedral Pictures
      • 実験被験者バイト募集中です。「30分で3000円(^_^)」ですので協力ヨロシク
      • くどいようで恐縮ですが、ここで受講者の中の多数の3回生/4回生に再度の指摘をしておきます。 詳しくは講義Webの2日目・3日目のところをよく読んで下さい。 この講義は毎回のDaily Reportによる出席点を重視しますが、講義の最後のDaily Reportを書く時間に早めに提出して退出する人(既に書いているのか、講義の後半の話題にまったく触れていない)に3回生/4回生がとても多いのですが、全般的に言えば2回生に比べて「中身が薄い」です。 文字数を埋めればいいという訳ではありませんが、ほんの数行だけ単なる感想を書いたものはDaily Reportとしては評価されません。 このようなDaily Reportを繰り返していると、たとえ全ての講義に出席したとしても、出席点の合計は45点程度にしかならないので、最終レポートでよほど頑張らないと単位にならない可能性が高いので、そのつもりをして下さい。
      • この講義の特性について(確認)
        • 長嶋は芸術の評論家・美学の専門家ではありません
        • 学問的・客観的・網羅的に、距離を置いて自分の関与していない事例を紹介する講義ではありません
        • シラバスに書いているように、研究者/作家としての実体験から話題提供します
        • 逆に、自分が関与して理解している事例をメイキングから紹介します
        • 自分自身がプロデュースした事例も多数紹介します。頑張って実現した事例ですので「自慢している」などと冷めて受け取らないで下さい(^_^;)
        • 一般的な事例は図書館なりネット等で自分で調べて下さい。基本的に、誰でも買ったり調べたりすれば出て来る事例は紹介しません
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 毎回AniMusicを見ているので、最近ではテレビやCMで目にする映像に、そういう視点でいろいろ気にするようになった → いい事です。ちょっとした映像の陰で多数のデザイナが苦労しているところを汲んであげて下さい(^_^)
        • モーフィングは、変化する前の画像と後の画像で、どの点を対応させるか、と多数クリックする必要がある事に驚いた。この対応点の付け方によって、違ったテイストのモーフィング映像になるのでは? → その通りです。対応点を間違うと顔が捻れたりします(^_^;)。対応点の打ち方でモーフィング映像の個性が大きく変わるので、熟練者は演出効果のある対応点を打つ、一種のデザイナとしての仕事をしています
        • マイケルジャクソンのPVのモーフィングは動画で部分的にモーフィングするなど大変なのではないか(多数) → もちろんです。僕が紹介したMorpherは10年以上も昔の、アマチュアの作ったソフトウェア(シェアフィー2000円)ですが、マイケルジャクソンのPVのモーフィングはプロ用の専用ソフト(○十万円クラス)と多数のスタッフが張り付く作業ですので、単純に比較は出来ません。日本のCMで見かけるのはその中間で、映像会社の下請けのスタジオがソコソコの費用で請け負っているので、よく見るとレベル(品質)には相当の違いがあります
        • 初音ミクなどの曲をカラオケで歌う人を見ると不思議で違和感がある → まったく同感です。いかに似せようと、あるいはデフォルメしようと、ボーカロイドの歌声というのは「制作(録音)されたものを再生」するから、聞けるし使えるのだと思います。初音ミクのライブの物足りなさもこれが原因なので、なんでせっかくの自分の声で初音ミクを真似ようとするのか理解できません。自分の声でライブに歌う、という醍醐味が削がれているようで気の毒です
        • デジタルピアノの自動演奏と、お店でピアノが自動演奏している(鍵盤が動く)仕組みはどうなっているのか → デジタルピアノは電子音源なので、自動演奏は全てデータです。カラオケと同等です。鍵盤が動く自動演奏ピアノは一種のオルゴールですが、鍵盤の下に演奏情報に対応して鍵盤を突き上げるソレノイドという磁力直進モーター(電磁石)があります。演奏情報は電子音源のものと基本的には同じです。Wikipediaによるここを調べてみて下さい
        • 学生の作品も凄かったが、もっとプロの作った作品が見たい → 大きな誤解があります。プロの作った作品は、図書館にもツタヤにもアマゾンにもYoutubeにも、多数の映像作品があります。見たいなら自分で探して見て下さい。僕が講義の中で紹介しているのは、そういうルートでは探せない、SUAC学生の作品、イベントで関与した作家の作品、コンペで入選した無名の作家の作品などで、僕の手元に映像があるものを紹介しています。この方針は今後も変わりません。市販されているDVDを講義時間の中でわざわざ見せて欲しい、というのはおかしいと思いませんか?
        • Vocaloidを開発したヤマハの剣持さんのVocaloid3の講演を聞いてみたいが、情報処理学会音楽情報科学研究会の聴講は可能か? → 可能です。内容はちょっと難しいかもしれませんが、この2月研究会では、他にも面白い音声合成関係の講演がいろいろ予定されています(僕は学科の最終合評などで参加できない可能性が高いのですが(^_^;))。→ここをチェックしておいて下さい。12月研究会(12/9-12)が終わったあたりで、次の2月研究会の開催案内、参加募集が掲載されます
        • お地蔵さんのモーフィング映像で、首のないものがあったが、どうやったのか → よく見て覚えていてくれました(^_^)。あれは「このあたりに来るだろう」と想像して対応点を打ちました。自分でも驚くほどうまく行った(前後のコマから、首をかしげて戻ったカンジになった)ので、気に入っています
        • 「もちつもたれつ」はストーリーにまず感動したが、メイキングを見て、その大変な制作過程にまた感服した → アニメーションは作家のこだわりがそのまま現れるので、今後も世界的名作アニメーション(コンペ入賞作品など)を紹介していくつもりです
        • 著作権の切れたクラシックの声楽曲をクオリティの高いボーカロイドで再現する、というのは理解できるが、現役で歌っている歌手をボーカロイドでカバーするというのは認めたくない → 歌手は歌唱印税なので、ボーカロイドやモノマネの楽曲/替え歌が売れた場合、作詞家・作曲家には収入になっても歌手には印税が入らない? らしいです。詳しくは調べてみて下さい
        • 学生の作品だけでなく、長嶋の作品も見てみたい → 僕(長嶋)は作曲家モードで作品発表(公演)もしますが、映像作家ではありません。実験映像作品とかインスタレーション作品においては、基本的に技術者・研究者として活動するので、作家onlyとは違うことを理解して下さい。作曲家モードについてはおいおい紹介していきます
        • 自分はどうあってもボーカロイドの歌声は好きになれない → 当然のことだと思います。僕も個人的には同感です。研究者として音楽情報処理の分野での成果は評価しますが、音楽愛好者としては、ちっとも好きではありません(^_^;)。あれは自分で歌えない人が代償/逃避行為として満足しているのでは・・・とも思います
        • ボーカロイドが究極的に発展したらプロの音楽家が不要になる時代が来るのだろうか → あり得ません(^_^;)
        • 脳トレのような番組で「この画像の一部が変化しています」というのも、モーフィングなのだろうか → YESです。ただしスピードがとてもゆっくりなのですが、人間の視覚の知覚認知能力において、「ゆっくりだと自覚しにくい」という時間的な性質をうまく使っています
        • 稚拙なレベルのボーカロイドで達人が調教した歌声の方が、高品位になったボーカロイドの淡白な歌声より好きだった → それが「個性」「表現」「味」ということなのだと思います
        • 「もちつもたれつ」で、ロボットの「汗」が印象的だったが、どうやっているの? → 粘性のある液体を1滴付けて撮影、拭き取ってちょっと移動させた場所に1滴付けて撮影、拭き取ってちょっと移動させた場所に1滴付けて撮影、拭き取ってちょっと移動させた場所に1滴付けて撮影、拭き取ってちょっと移動させた場所に1滴付けて撮影、拭き取ってちょっと移動させた場所に1滴付けて撮影・・・とすると、1滴の汗がタラーーーーーリ、と移動します(^_^)
      • MAF2001コンサートの補足 : ライヴComputer Musicのいろいろな形態
        • 赤松 正行
            pray for rain
            パーカッション : 小磯 敏夫
        • 東野 珠実
            "I/O" for Sho and Live Computer
            笙 : 東野 珠実
        • 中村 滋延
            Scar(チェロと電子音響とCGによるマルチメディア作品)
            チェロ : 松崎 安里子
        • 志村 哲
            Cyber尺八による《竹管の宇宙VI 鶴之巣籠考》
            Cyber尺八 : 志村 哲
            コンピュータ操作 : 池淵 隆
            音響操作 : 金森 務
        • 岡本 久
            'Balance' for Limber-Row
            Limber-Row : 岡本 久
        • 小坂 直敏
            篳篥とコンピュータのための「千重鏡」(ちへかがみ)
            篳篥 : 田渕 勝彦
        • 菅野 由弘
            MAZE ? - 能管、ピアノと電子音のための
            能管 : 一噌 幸弘
            ピアノ : 菅野 由弘
        • 水野 修孝
            <キ-ボ-ドとマルチ音源のためのエチュ-ド集>より<アダム><イヴ>
            キ-ボ-ド/ピアノ : 岡部 裕美
        • 吉田 靖
            "non title"
            ギター : yasushi yoshida
            ミキサー : kenji kasagi
        • 長嶋 洋一
            "tegoto" for Koto and live computer
            13絃箏/17絃箏 : 三好 晃子
        • 矢坂 健司
            "PG-13"
            作曲/コンピュータ : PG-13(矢坂 健司、岡田 俊一郎)
        • 莱 孝之
            ハープとコンピュータの為の"lucent aquarelle"
            ハープ : 彩 愛玲
      • 欧州ツアー2001」のお話 (2001年9月)
        • ことの遠因 : 東野珠実氏との出会い(1997)
        • ことの発端 : Johannsen教授との出会い(1998)
        • 長嶋へ国際ワークショップへの招待
        • 尺八・大師範 / 箏・師範の招請
        • 国際交流基金への申請
        • パリのワークショップ
        • カッセルのワークショップ
        • カッセルのコンサート(2回)
        • ハンブルクのコンサート
        • フォトレポート
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介 (積み残しは翌週以降に)
        • 斉藤 真理子
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicよりAcoustic Curves、Cathedral Pictures、メイキング
        • MAF2001コンサートより10作品のほんのサワリだけ(^_^;)
        • 斉藤 真理子「Poor Crown」

    • 6日目(2011.11.02)
      • 本日のAniMusic (1) Starship Groove
      • 本日のAniMusic (2) Fiber Bundles
      • 本日のAniMusic (3) Heavy Light (+メイキング)
      • 「本日のAniMusic」は今週でオシマイです。来週からは「アルスエレクトロニカ映像部門入選作品集」などを紹介します
      • 実験被験者バイトまだ募集中。「30分で3000円」ですので協力ヨロシク
      • Daily Reportに関するちょっとしたアンケート ※必ず本日のDaily Reportに付記して下さい
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • メディアアートの場合には、楽譜はあって無いようなものなのか → 楽譜については後日、話題として取り上げる予定です
        • ライブに音響を編集加工していたが、人の声で「一人合唱」みたいな事も出来るのか? → 出来ます。いろいろ音楽的にはチャレンジングな事もありますが、Computerではたいていの事は出来ます
        • 1人の演奏者の即興とシステムの反応は理解しやすいが、2人の演奏者が即興している作品では、即興とデタラメとの境界がよく判らなくなるのではないか → その通りです。関係性を判りやすく、というのを究めていくと「単なるデモンストレーション」になってしまいますが、まったく判らないとデタラメと取られるので、どのように関係性や即興性を構築するか、というのはComputer Musicの作曲においてとても重要です。即興についてはまた話題として取り上げるかもしれません
        • 赤松作品で、演奏者がパーカッションをあるリズムで叩く時に「テンポ」をどう検出判断しているのか → 最初にキックでバスドラムを蹴ります。これがフレーズの時間的起点です。その次には音符が来るか休符が来るか、両方の可能性を保持しつつさらに後までモニタして、8つ分の候補が出てきたところで全体のテンポ(音符/休符の最小単位)を決定します。それに対する「OK」「no good」の判断は、いちばん最後の8分音符が演奏された瞬間に演算します
        • 生楽器を運ぶのは大変だが、コンピュータ音楽ではデータだけ持っていけばいいので簡単なのか → 海外とかのコンサートでComputer Musicを公演する時に、そのパソコンを現地で調達する作曲家は、いません(^_^;)。事務用コンピュータであればUSBメモリでデータだけ、というのは可能ですが、Computer Musicに使うパソコンの環境(ソフトウェア、ドライバ、ツール等)は高度にカスタマイズされチューンナップされています。作曲家は必ず、使うだけの台数のパソコンを持参します。僕の「欧州ツアー2001」でも、同時に3台のノートパソコンを使うので、3台を背負って運びました
        • サイバー尺八は頭を振ってサウンドが出る/変化するのなら、素人がめちゃくちゃに頭を振っても演奏出来るのか → ほぼ不可能です。尺八演奏家の頭の振り方にも名人芸があります。素人がやってもロクなデータが出ずにスグに目が回ります(^_^;)
        • クレイアニメーション「Poor Crown」のピエロはどうやって玉の上に乗っていたのか → 玉乗りでも空を飛ぶのでも原理は同じです。細い糸(テグス)で吊ったり、細い針金で支えたりします。そしてコマ撮りした1コマごとに、Photoshopなどで背景の色でゴシゴシと糸や針金を消します。毎秒10コマであれば1秒ごとに10枚の画像にいちいちこの作業が必要です
        • 「Poor Crown」では、「こねこね寿司」と同様に、セリフも字幕も音楽も無いのに楽しめたのは、効果的な効果音のおかげだと思う → その通りです。セリフが無ければ世界中の誰でも、年齢にも関係なく楽しめます。この2人はサウンドのセンスも優れていました(^_^)
        • 作家や演奏者の名前が一度では聞き取れないので繰り返して欲しい → Daily Reportで多くのミスを散見しますが構いません。正確には後日、Webの資料で確認して下さい。いまだにAniMusicを「アブミュージック」とか書く人もいますが・・・
        • Computer Musicにおけるアドリブ(即興)の意義について考えたい。システムが整っているからこそのアドリブではないのか → おおむねYESです。きちんと構築されていないシステムでは、即興というよりもデタラメというか風任せ(無政府状態)になります。それも美学としてはアリですが、多くのComputer Music作曲家は、整った環境の中での即興性を求めているようです
        • 文化庁は伝統芸術に重点を置きすぎているのではないか → 予算的にはたぶんYESです。メディア芸術祭をやったり、新しいアートの交流などを支援するのは、文化庁の中でもかなり異端なのかもしれません。日本の伝統芸術/伝統文化は他国では支援できないので、ある部分は仕方ないかも・・・
        • Perfumeは口パクだが、あのようなエフェクトを歌手の声にかける、というのもコンピュータ音楽と言うのか → 歌手が生で歌う声にエフェクトをかける、というのはもう30年以上の歴史があり、コンピュータと関係なく専用の装置とかが色々とあります。単なる商業音楽というだけだと思います
        • メディアアートフェスティバル(MAF)に、過去の芸文の学生はどのように参加していたのか。長嶋のMAFにおける位置とは? → 僕はMAFをゼロから企画提案してSUACから予算をもらって遂行する、全体統括のプロデューサです。その下に学生有志(メディア+芸文)数名の「コアスタッフ」が組織されて、半年ぐらい前から全てを準備します。メディアの学生はインスタレーション/映像/CGパネル等の「作家」として参加したり、コアスタッフの下に貼付けてスタッフをします。芸文学生は希望者がボランティアでコアスタッフの下で一般スタッフをします。SUAC関係者は全員ノーギャラです
        • 映像作家とコラボでグラフィクスを伴うComputer Music作品を制作する場合、やはり音楽が優先されるのか → 僕の場合にはNOです。最終的な作曲で全体を統括するので、映像作家/グラフィックアーティストにはイメージだけ伝えて自由に映像パートを制作してもらい受け取ります
        • 「Poor Crown」で、メインの2人のキャラだけでなく、後ろで蜘蛛が動いているのが印象に残った(多数) → よく見ていますね。あのあたりが、作家ごとのこだわりだったり遊びだったりします(^_^)
        • 日本の伝統楽器とコンピュータの組み合わせ、というのは海外では珍しいのか → 逆です。海外の方が多いです(^_^;)。日本の伝統文化・伝統楽器というのは世界中に愛好家がいて、来日して演奏をマスターしてから海外で「日本伝統音楽の演奏家」として活躍する外国人もたくさんいます。彼等は海外の音楽とかコンピュータと合体した音楽をどんどん発表しています。音楽的に稚拙な演奏だったりする事も多いのですが、なおさら、日本人がちゃんとしたものを海外に発信する必要があるのでは・・・といつも海外で思います
        • 赤松作品のパーカッションの演奏は「音」なのか「パッド」なのか → 打楽器数が限定されているので、太鼓ごとにショックセンサを付けておけば簡単確実に検出できます
        • 毎回のAniMusicで、どこがどう進化しているのかが不明である → いつも2曲を紹介してきましたが、これまでは最初の曲は「AniMusic 1」という最初のDVDに入っている中から、2曲目はその数年後に出た「AniMusic 2」というDVDに入っている中から紹介しました。なので、1曲目のものは全て同時期の制作、2曲目も同様です。ただし11/2(これで最後)の2曲だけはいずれも「AniMusic 2」です
        • メディアアートフェスティバル(MAF)はSUACの開学からほぼ10年も続けてきたので、メディアアートについての認知がなされたのではないか → 確かに最初はSUAC事務局では誰も「メディアアート」を知らなかったので、大いなる進展がありました。しかし最近、いろいろとSUACにも変化があり、ここまで伝統として築いてきたつもりのMAFはとりあえず消えてしまいました(;_;)。大学の支援が無ければ開催することは出来ませんので当面は残念ながら諦めました
        • メディアアートフェスティバル(MAF)のようなものがあれば是非、見てみたいが今後の計画は? → 上記(;_;)↑
        • SUAC(メディア造形学科)の学生作品をいろいろ見ているが、あれは卒業制作で作っているのか? → メディア造形学科では3回生後期に「メディア造形総合演習I」、4回生前期に「メディア造形総合演習II」、4回生後期に「卒業制作研究」、と計3回、学生がそれぞれ自分のプロジェクトを個人として進める科目構成になっています。多くの力作が卒業制作ですが、3回生や4回生前期の「演習」の最終成果物としての作品にもたくさんの力作・名作があり、最後だから一番良い、ということでもないのが興味深いです。共通するのは、膨大な時間をかけてトコトン挑戦している、という事です
        • 能管や笙の現代音楽的な演奏は激しいもので驚いた → 笙(演奏家・作曲家)の 東野珠実 さんは、音楽大学の副科(もともとの本科はピアノ)で笙に出会い、その後に芸大で笙を極めて、現在でもプロの雅楽団体「伶楽舎」に所属しています。その一方で、作曲家/演奏家として活動していて、ヨー・ヨー・マのワールドツアーでも委嘱されて作曲・参加しました。伝統楽器としての笙は、12音のうち9音だけしか出ない(雅楽の音階)のですが、現代曲を演奏するために、東野さんの笙は特別に12音のうち11音まで出るようにしています。また、芸大で学んで伝統的な師弟関係で学んでいないので、伝統的な慣習を破壊した演奏が可能です。僕は別のプロの笙演奏家に演奏してもらった作品もありましたが、そこで「スタカート」「アクセント」とかの演奏技法を依頼すると、「そんな下品な演奏は出来ません」「お師匠さんに破門されます」と断固、拒否されました(^_^;)。東野さんはそのあたりは自由なので、僕の作品のために音素材を録音している時にも「笙を鳴らしながら声を出す」など、新しいテクニックをその場で開拓していきました(^_^)
      • 16世紀の音楽が21世紀にメディアアートとして蘇る
        • MAF2001瞑想空間ライヴから1曲
        • Thomas Tallis
        • 「サウンドスケープ」「空間音響」
        • 40声のモテット "Spem in alium"
        • 21世紀のアルスエレクトニカで蘇った形態とは・・・
      • 2002年の熱い夏」のお話
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusicより Starship Groove
        • AniMusicより Fiber Bundles
        • AniMusicより Heavy Light (+メイキング)
        • MAF2001瞑想空間ライヴから タリス エレミア哀歌 part1
        • 21世紀のリンツの教会で タリス 40声のモテット "Spem in alium"
        • 「宇宙人音楽」の公演の一部

    • 7日目(2011.11.09)
      • 本日のArt Animation "Copy Shop"
      • 実験被験者バイトまだ募集中。「30分で3000円」ですので協力ヨロシク
      • 前回の「Daily Reportに関するちょっとしたアンケート」について
        毎回新しい話題が登場し、過去の話題を受けて新しい話を紹介するので欠席しないように、と講義冒頭でお知らせしていた筈ですが、前回11/2の出席はいつもより少なかったのが残念でした。適当にサボる人はもう出てこなくて結構です。
        さて、前回の「Daily Reportに関するちょっとしたアンケート」ですが、結果は以下のようになりました。3・4回生9人のうち「毎回必ずWebのDaily Reportをチェックしている」2人、「ときどきWebのDaily Reportをチェックしている」6人、「まったくWebのDaily Reportを見ていない」1人。2回生23人のうち「毎回必ずWebのDaily Reportをチェックしている」2人、「ときどきWebのDaily Reportをチェックしている」9人、「まったくWebのDaily Reportを見ていない」11人、「遅刻してアンケート未回答」1人。
        講義の中で推奨しているにもかかわらず、予想以上にDaily Reportをチェックしている人が少ないことに愕然としました。これでは相当の時間をかけて全員のDaily Reportを読み、コメントを書いている甲斐がありません。とりあえず今回は「前回のDaily Reportに対するコメント」をナシ、と決めました。
        今後については今後の皆さんのDaily Reportの内容から考えていきます。この講義を開学以来担当して11年目になりますが、全般的な傾向として、SUAC芸術文化学科の学生のクオリティの低下に若干の危機感を感じています。
      • 前回のDaily Reportに対するコメント なし(理由は↑)
      • 碧風祭でのメディアデザイン事例紹介「お化け屋敷」
        • メディア造形学科「お化け屋敷」の歴史
        • そのメイキング
        • その一部の実例紹介
      • 実習指導員・嶋田晃士 氏のお話
        • 学生時代
        • SUAC大学院へ
        • 作品制作・コンペ入選などの歴史
        • また新作発表へ(^_^)
      • 2002年の熱い夏」のお話
        • MAF2002の概要
        • DSPSS↓
        • SUACでの公開(jitter)が世界で一番最初(^_^)
        • 長嶋作品の公演の模様
        • Sony CMのために依頼されて作曲
        • 宇宙人音楽と人体音楽
      • MAF2002コンサート : ライヴComputer Musicのいろいろな形態
        • 由雄 正恒
            "continuo" 低音楽器とコンピュータのための
            cello : 中川 梨絵
        • 中村 文隆
            Echostique
            Tuba : 中村 文隆
        • 岡本 久
            MIDISAXと同期映像のための "Variation"
            MIDISAX : 江唐 珠美
        • 平野 砂峰旅
            SightSound -voices-
            コンピュータ、Live Electronics : 平野 砂峰旅
            ボイス : 菊池 悠子
        • 長嶋 洋一
            Berlin Power
            Bass Recorder : 長嶋 洋一
        • 佐近田 展康
            機械ミッション
            Trumpet : 曾我部 清典
        • 赤松 正行
            Grand Pianissimo
            演奏 : 赤松 正行
        • 三輪 眞弘
            SendMail v3 for Trumpet and Piano
            Trumpet : 曾我部 清典
        • 東野 珠実
            "I/O" for Sho and Live Computer 2002
            笙 : 東野 珠実
        • 後藤 英
            CsO
            パフォーマンス : 後藤 英
            VJ : 710.beppo
            グラフィック・オペレータ : 小島 一郎
        • Joshua Kit Clayton
            Interruption
            Computer : Joshua Kit Clayton
            Computer : Susan Costabile
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 嶋田晃士 「SENTEKI」「怪画のキセキ」「kodama」等
        • 長嶋洋一 「人体の音楽メイキング」「Berlin Power」
        • Copy Shop

    • 8日目(2011.11.16)
      • 本日のArt Animation "Fast Film" (+メイキング)
      • 実験被験者バイトまだ募集中。「30分で3000円」ですので協力ヨロシク
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 医療とも関係しそうな技術がアートになるのは面白い → 筋電センサに関しては、具体的に障害者支援に活用している研究者の事例も紹介します
        • 長嶋作品の中の階段の映像は本物? → CGです。音楽のフレーズ(サンプリングしたサウンドをハーモナイズして繰り返し再生)のテンポにぴったり会わせるようなプログラムで動いてます
        • 長嶋作品のバスリコーダーは何か改造していて一般には使えないのか → 吹き口のところに超小型マイクを貼り付けているだけなので楽器としては何も改造していません。ライブ演奏の音量などを検出して映像を制御しました
        • 碧風祭でのお化け屋敷はエンタテインメントとのことだったが、アートとしてのインスタレーションはどう違うのか → この境界は曖昧です(^_^;)。制作者がアート作品としてのインスタレーションである、と意識するか、今回のように学園祭でのエンタテインメントとして位置づけるかどうか、という程度です
        • お化け屋敷を来場者が体験しているような映像は無いのか? → 暗い演出のインスタレーションでもそうですが、真っ暗になってまったく判らない映像となるだけなので撮っていません。人間の視覚は非常に強力で、暗ければどんどん感度を上げて「見えて」きますが、現在のビデオではこれは不可能です(高感度暗視カメラは、ちょっと明るくなったら真っ白にフッ飛んでしまいます(^_^;))
        • 「怪画のキセキ」はでたらめに塗っていてもあの迫力は出てこないと思う → 周到に展開を構成して(コンテ)、さらに描画の力があってことの作品です(^_^)
        • Windowsでおすすめのサウンド編集ソフトを知りたい → すいませんWindowsは知りません(^_^;)。ネットの評判とかで検索して下さい
        • 「怪画のキセキ」では、描いては消し、描いては消しという繰り返しが凄かった → 消していません(^_^;)。どんどんひたすら上から描いてます
        • 長嶋作品の映像が、バスリコーダーの音が途絶えた部分でも少し動いていたが → 慣性質量というか残像のような効果も加味しているので、演奏音が止まったからといってスパッと止まるわけではありません。基本的には演奏音の音量で映像のスピードを刻々と変化制御していました
        • 長嶋作品では楽譜がキチンとあったのか? 自由気ままに演奏しているようだった → いい質問です(^_^)。自分で演奏する時には楽譜はありません。メモ程度の情報(いまどこのシーン、いまパラメータはいくつ・・・等)はコンピュータの画面に表示していますがほとんど見ません。ある意味ではそれぞれの場所で即興的に演奏しても(具体的な音がいろいろであっても)、ちゃんと全体として意図した和声やフレーズや音響となるようにプログラム(作曲)しています
        • Daily Reportが無くなるというのは淋しい(多数) → 前回はやめましたがとりあえず再開しました。今後については皆さんのレポート次第です
        • 前回の「芸文の学生のクオリティが低くなっている」というのは心外だ 。傷つくし、どうなんだろうと思う→ あくまで全般的な、ごくわずかの印象ですが、毎年毎年この講義を担当して11年目ですので相対的な推移を客観的に見ているつもりです。当人には判らないことです。学力というよりも、SUAC芸文で学ぶモチベーションとか問題意識とかについてです。過去の芸文学生はもうちょっとだけ、貪欲に問題意識を持ち、積極的に考察し発言し調査し活動していたように思います。皆さんは日々の講義にどのように立ち向かっているか、という事です。 この講義に参加するのに、教員が「読んでね」と繰り返して言っているのに、過去の芸文学生でこれほどDaiy Reportを読まないことはありませんでした。これは事実です
        • SONY CMの「人体の音楽」は面白い発想で驚いた(多数) → 人体というのは人間の表現において「最後の砦」なので、今後もいろいろやっていくつもりです。12月になったら筋電で生成するサウンドのデモを見せる予定です
        • 「copy shop」の、紙が風でめくれているのは実写かCGか → 基本的にはCGを使っていない作品なので全て実写(静止画)です
        • 「copy shop」がアニメーションフェスィバルの宣伝映像になる、というのが判らない → そんな事を言ったつもりはありません(^_^;)。広島国際アニメーションフェスティバルという世界的にも有名なイベントがあり、その組織委員会が、過去に入選した優秀アートアニメーション作品を収録した公式作品集DVDをいくつも出していて、その中から1作品、紹介したというものです。これは今後も続けます
        • SONY CMの「人体の音楽」というのはあまり聞いたことがなかった → これは当時も今も同じです(^_^;)。CMディレクターが勝手に命名して「世界には僕たちの知らない人体の音楽もあるのだ」という架空のストーリーを作っただけで、世界中で誰も「人体の音楽」というジャンルを積極的に推奨して制作しているわけではありません(^_^;)
        • 長嶋作品の映像の最初のあたりで、砂嵐のような線だけの映像はそういう素材なのか、機材が映像を切り替える時のノイズだったのか → そういう素材です(^_^;)
        • 「人体の音楽」というのは音楽と言えるのだろうか → 時間とともに変化する、自然界・森羅万象のあらゆるものをサウンド要素にマッピング(反映)させて、それを音楽だ、という姿勢は20世紀からたくさんありました。「気温の音楽」「気圧の音楽」「CO2濃度の音楽」「植物電位の音楽」「宇宙線の音楽」「経済指標(株価とか為替)の音楽」「細菌の音楽」なんでもアリです。現代美術とか美学の歴史を調べてみましょう
        • 筋肉だけでなく血流でも出来るのか → サンプルを紹介します(^_^)
      • サンプルデモ - 大気汚染の音楽
      • サンプルデモ - 血流の音楽
      • サンプルデモ - 無い腕が音楽を演奏する
      • サンプルデモ - 長嶋作品「ピアニストがピアノを弾かずに演奏」
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • ポリゴンファミリー (1)
        • ポリゴンファミリー (2)
        • BMWのCM
        • "Fast Film"
        • "Fast Film"メイキング
        • 「ペーパークラフトでガンダム」作家のメイキング等5本
        • コンピュータ音楽の研究紹介など数本
        • 長嶋作品 BioMusicStorm

    • 9日目(2011.11.30)
      • 本日のArt Animation "The Process"
      • 本日のArt Animation "The Glove"
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 「ペーパークラフトでガンダム」作家の合成写真を撮影したスタジオ(自宅?)は立派だった。この兄弟はお金持ちなのか? → 写真を撮影した兄弟もグラフィックデザイナーなので、仕事のためにあの程度のスタジオを持っているのは自然です
        • ピアノは鍵盤ごとに強弱が付けられるが私の自宅の電子キーボードは全体の音量しか調節できないので不満である → 電子キーボードでも電子オルガンでも、電子ピアノと同じように個々の鍵盤ごとに強弱を付けられるものは25年以上昔から出ています。安い製品にはその機能が付いていないだけです
        • 演奏者が全てロボットで、指揮に従ってそれらが演奏するオーケストラがあったら面白い → 1985年の筑波での科学万博には、早稲田大が開発した、楽譜をビデオカメラで読み取り、エレクトーンを両手両足で演奏するロボットが出演して小学生のオーケストラと共演しました。基本的にはとっくに出来ている技術です
        • 筋電センサの技術を医療に使うのと芸術に使うのと、どちらが先だったのか → 筋電センサの技術の発展は半導体技術と電子工学の発展で進展しています。これを芸術の人は芸術に活用しようとし、医療の人は医療に活用しようとします。どちらが先というよりも同じ技術をいろいろな領域の人が活用する、ということです
        • "Fast Film"は膨大な情報があり全部は判らなかった(多数) → 図書館にライブラリがあるかもしれませんので機会があればまた見てみましょう。僕は何度も見ていますが、いつも新しい発見があります(^_^)
        • 指揮システムのイタリアのグループで、人間の演奏者は何をしているのか → 伝統的に書かれた楽譜を見て、指揮者の指揮棒で伝統的に合奏していました。指揮棒の先端の赤外LEDには何も反応しません
        • 長嶋は何故、筋電センサの研究をしようと思ったのか → そこに筋電センサがあるからです。アナログ回路の専門家(趣味)の友人がいたこと、研究所で購入した医療用のBioMuseというセンサが300万円したことから、その友人とコラボで100分の1の部品代(3万円)のセンサを手作りしよう、と思ったのがキッカケです。その後、半導体技術の進歩をうまく取り込んで、1990年代後半から2000年代前半では世界先端のシステムとして世界各地で作品公演などをすることが出来ました(^_^)
        • 長嶋の筋電センサの作品公演で、パフォーマー(ピアニスト)に対して「鍵盤上空でエリーゼのためにをエア演奏して」と求めた理由は? → この曲である必然性は無いのですが、ハノンのように単調でなく、音域が広く、腕にいろいろな緩急のパターンの筋力がかかる曲の一例として「エリーゼのために」を示しました
        • ガンダムのペーパークラフト作家の活動を見て、オタクとメディアアーティストとの違いが判らなくなった → 「オタクのメディアアーティスト」は存在します。「オタクでないメディアアーティスト」も存在します。「メディアアーティストでないオタク」も存在します。どちらでもない人は世間の一般人多数です
        • ビデオハープは光線を「弦」として弾くということは、筋肉は関係ないのか? → 関係ありません。演奏する人間に対してまったく物理的なフィードバック(リアクション、弾いた感じ)が無い、というのがこのタイプの楽器の最大の弱点です。演奏しているのを見ているといい感じですが、弾いている本人はとても悩みつつ演奏しています。僕の作った「光の絃」を紹介デモします
        • 研究紹介のデモ等で90年代前半など古いものが多いが最近はどうなのか → 研究はもちろんずっと進んでいますが、学会のライブラリなどにまとめて公開するまでには数年から10年ほどかかるものです。最近は研究者本人がYouTube等で自分で研究公開する時代になったので、いろいろ調べてみましょう
        • polygon familyシリーズをもっと見たい → 僕が持っているのはArs Electronicaに入選したあの2本だけですが、YouTubeで検索するとたくさんあるので見て下さい
        • 指揮システムで、パートごとの音量や表情を指示することは出来るのか? → 指揮棒はあくまでその先端の軌跡だけですが、例えば指揮者が右手で指揮棒を持つとして、左手にデータグローブ(手袋型センサ)をはめて、その3次元位置と指の形状から個別のパートの音量や表情を与える、という研究は早稲田大学で1990年代の前半に行われていました
        • "Fast Film"ではアナログ的に紙を使うことで、ブレとか皺などを出したというが、CGでもブレとか皺は出来るのではないか → ほぼ出来ますが、作家のこだわりとして、どうしても紙で作りたかったという事です
        • 長嶋の筋電センサの作品公演で、筋電センサからの情報に対応して背景のCGが生成されたという事は、やるたびに違う映像なのか。そうだとすれば「一度しかない」ライブパフォャーマンスとしての面白さが増す → YESです。あのシーンの背景映像は、事前に作った映像を「再生」しているのではなくて、刻々とセンサから来る情報に対応して「生成」しているので、やるたびに厳密には違う画像を見せていることになります(^_^)
        • 紙で作られたガンダムの腕や脚を動かすのは難しいのでは → 動きません(^_^;)。あれは固定した造形作品です
        • 現在の筋電センサで、エアで「エリーゼのために」を弾くことは出来るのか → まだ出来ません(^_^;)。精度、反応速度、パターン認識能力などがまだまだ桁違いです。人間のピアノ演奏というのは、それが小学生のバイエル演奏であっても、工学・科学ではまだまだ実現できない事を簡単にやっています
      • Daily Reportに対する参考ムービー/デモ等
        • 長嶋インターフェース作品「光の絃」
        •  →そのメイキングの解説
        •  →音楽演奏での事例紹介 (Kobe、Vancouver)
        •  →インスタレーション作品としての体験デモ
      • MAF2002インスタレーション作品の紹介
      • MAF2003について
        • MAF2003は「インカレ2003」と併催
        • インターカレッジとは
        • 過去のインカレでの芸文学生の活躍
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "The Process"
        • "The Glove"
        • 「光の絃」を使った作品公演の模様(神戸)
        • 「光の絃」を使った作品公演の模様(バンクーバー)
        • YAMAHA MIBURI
        • 「いと」(ごく一部)

    • 10日目(2011.12.7)
      • 本日のArt Animation "Regulator" ("The Process"制作グループが制作)
      • Ars Electronica入選作品から 入選「CM」2本
      • 「CM」からちょっと回り道して考える (→ YouTube)
      • 「YouTube」からちょっと回り道して考える (→ 新技術デモ) (→ ドキュメンタリー)
      • 「ドキュメンタリー」からちょっと回り道して考える (→ 2011地震) (→ JAL123)
      • 来週(12/14)はその週末のコンサートで日本初演する作品のデモ(メイキング解説・公演リハーサル)を行う予定です
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • Miburiは駄目だったがパーカッションに特化したMiburi2はまだ売れたと言ったが、見かけた事は無かった → Miburi2が最初にテレビに登場した時に、お笑い芸人が身体を張って笑いを取っていたところから推察して下さい(^_^;)。やや安くなったこと、単音でなく1人で複数のパーカッションをトリガできる事などから、ダンス系のパフォーマーが採用したようです
        • 2本のArt Animationはいずれも、やや怖かった(多数) → 明るく楽しくハッピーエンド、可愛いキャラクター頼み、などというお子様ランチは卒業しましょう
        • 「光の絃」は普通の楽器のように楽譜に基づいて演奏できるのか → 頑張れば出来るかもしれませんが、僕はそのような窮屈な使い方は想定していません
        • 社会性のある映像作品はヒヒ路に響く。もっと観たい → 他にも希望が多かったので、"The Process"を制作したグループが制作した作品"Regulator"を見ます。15分とやや長いですが、テーマはなかなかに深いものです
        • 最後のアニメーションを見て、エンタテインメントとメディアアートの違いが判らなくなった → まだこういう事を書いてくる人がいる事に驚きます。エンタテインメントとメディアアートとは「互いに違うもの」というのでなく、相当の部分で本質的にオーバーラップしています
        • 芸文+技術のコラボ映像作品「いと」を見てみたい → とても長いのと、実写ベースの映像作品ということでメディアアート的な部分が非常に薄い(いわゆる普通の現代芸術としての映像作品)ので躊躇しています。一部だけ見るとインパクトはありますがちょっと冗長な作風ですし・・・
        • "The Process"で、「モノクロなのにここまで表現するのは凄い」と言っていたが、カラーよりモノクロは難しいものなのか → 難しいです(^_^)。各画素ごとにRGBそれぞれのカラー(原色)に濃淡の強度を付けたものがフルカラーで、各画素を白から黒までの濃淡の強度を付けたものがグレースケールです。ところが"The Process"ではグレースケール(画像ファイルで言えばJPG)すら使わず、各画素は白か黒の2値だけ、という完全モノクロ(画像ファイルで言えばGIF)映像です。その陰影だけで、濃淡や3次元の空間性、さらに一部では何かしらの色彩まで感じさせる表現手法と技術は秀逸です。"Regulator"でその表現をよく見てみましょう(←ただしこの作品では、一部カラーを効果的に使っています)
        • これまでに楽器メーカが出した製品で「売れると思ったが案外売れなかった」「売れないと思っていたが意外にもヒットした」というようなものはあるか → たくさんあります(^_^;)。累々たる失敗プロジェクトの上に、一部のヒットが生まれます。企画・開発する者はなかなか予測できないところか面白いです
        • Miburiのような身体楽器は、WiiやDSやiPhoneなどゲームとタイアップしたらいいのではないか → 誰もそう考えますが、過去にゲーム業界で多数の「音楽ゲーム」「楽器インターフェース」などが発表され(相当の開発費用が必要)、ことごとく売れないで失敗した・・・という事実があります。世界的メディアアーティストの岩井俊雄さんが開発してヤマハが製造販売し2008文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞した「テノリオン」という楽器も、岩井俊雄さんが開発してニンテンドーDS用に「集大成」の鳴り物入りで発表したゲーム「エレクトロプランクトン」も、専門家の予想通りに、あまり売れませんでした。岩井さんは初代ファミコンでも音楽ゲーム「オトッキー」を監修制作しましたが、クリアするとごく簡単な「作曲モード」(簡易シーケンサ)に入れるご褒美があるものの、全編ひたすら延々と単純に横スクロールするクソゲーとして有名でした(^_^;)。ゲーム業界にとって、「音楽」「楽器」というのは、そして楽器業界/音楽業界にとって「ゲーム」というのは、各社が過去に何度も何度もトライしているものの、なかなか成功しない「鬼門」なのです。これには明確で重要な理由があります。ここでは敢えて書きませんが、その理由について深く考えてみる事は芸文学生としては、とても重要です。ヒントとして、メロディーを演奏する音の鍵盤が光ってくれて、ジャイアント馬場が1本指でも弾ける、というCMが話題になったカシオトーンがあまり売れなかった、という過去の事例が象徴的です (この話題は最終レポート課題に出す可能性があります)
        • 長嶋が研究所時代にMiburiを購入してもらいすぐにセンサ部分を切り離したとのことだが、その後はどうしたのか → センサ部分だけを高性能の身体表現センサとして使う専用システムを新たに開発して、多数の作品パフォーマンスに使いました。本体の方はまったく使わずに倉庫入り(?廃棄?)です
        • "The Glove"のラストで自分の手首を切り落としたのには驚いた → 日本人であれば三島由紀夫の「ハラキリ」の美学に通じるのでしょうか・・・
        • バンクーバーで演奏していた長嶋作品の筋電センサのパフォーマンスでは、多数の音が出ていたようだが、あれは全て筋電センサの情報だけで鳴っていたのか → YESです。両腕それぞれ8チャンネル、計16チャンネルの筋電情報がそれぞれ150ミリ秒程度ごとに送られてくるので、あのパートではそれをそのまま音階情報に割り当てて鳴らしました。つまり、システムの最大情報検出能力(サンプリング周期)を音価の最小単位(16分音符とか32分音符のように知覚される)として活用してみた、という実験的事例です
        • Miburiビデオの最後の演奏で画面にあったシャボン玉はCG合成か? → YESです
        • 独裁者ネタのように社会的テーマの映像は、今の日本であれば「脱原発」テーマなどであろうか。テレビ朝日が「脱原発」テーマの放送を断ったというニュースがあったが、日本はどこまで遅れているのだろうか → 「脱原発」「反原発」などで検索すれば判りますが、心あるアーティストはずっと昔から発信しています。一例は忌野清志郎/ブルーハーツ/浜田省吾/桜井和寿などです。調べてみましょう
      • MAF2003について
        • MAF2003のインスタ作品(空間造形学生)
        • MAF2003は「インカレ2003」と併催
        • インターカレッジとは
        • 過去のインカレでの芸文学生の活躍
        • 最近のインカレ
        • 今年のインカレ
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • 内田涼子「朗詠」
        • Art Animation "Regulator"
        • Ars Electronica入選作品「CM」2本
        • レディー・カガ
        • 「2011地震」
        • 「JAL123便」flash
        • 「ハコロ」
        • 「リアル3D」研究紹介

    • 11日目(2011.12.14)
      • インカレ2011、無事終了(^_^)
      • 本日のアニメーション インカレ参加の3作品(卒展2作品、1回生作品)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 客観的データを効果的にビジュアライズするものは「作品」と言えると思う(多数) → そう思います(^_^)
        • 作品「ハコロ」は今どうなっているのか。体験してみたい → インスタレーション作品の多くがそうであるように、展示後は解体廃棄していて、もはや存在しません(^_^;)
        • 知人に「MAFはもうやらないの? 毎年、見に行っていたのに」と聞かれたが、どうなのか? → いろいろ事情があり、しばらくは開催の予定がありません。せっかく10年続けて根付きかけてきたのに残念ですが、SUAC上層部に支援の意思が無いので仕方ありません(;_;)
        • "Regulator"はモノクロなのに立体感があったが、3DCGソフトで作られているのか → たぶんNOです
        • ハーバードのエアーで動くモノを見て、そういえばメディアアートというのは電気やコンピュータが無くてもいいのか?と思った → ハーバードのシステムは高精度にコンピュータ制御したエアーによって動いていますが、メディアアートにとって電気やコンピュータは必要条件ではありません。実例を紹介します
        • 「ジャミーズ娘+」は実際に見てみたかった → 春休みに講堂でリベンジ記録の予定がありますので観覧希望であればメイルして下さい
        • 「虎の穴」プロジェクトは面白そうだった → 過去には、たくさんの芸文学生も「虎の穴」に参加していますよ(^_^)
        • 「リアル3D」に似たもので、コンサートで噴水にレーザーを当てて文字を描く演出があったが、同じようなものか → まったく違います(^_^;)。コンサーでの演出はよくあるレーザー光のもので、20年以上前からある技術です
        • 長嶋がアルスエレクトロニカの映像を探す中に「ウンコ製造機」というのがあって、ものすごく気になった → よく一瞬で見つけましたね(^_^;)。これは重要な作品なので紹介します
        • 「インスタレーション」の定義は? → これまでに講義の中で何度も色々な言い方をしてきた筈ですので、欠席とか遅刻とかで聞き逃しているとすれば自分で調べて下さい
      • Daily Reportに対する参考ムービー/デモ等
        • アルスエレクトロニカ展示「電気もコンピュータも使わないメディアアート」の例
        • アルスエレクトロニカ入選「ウンコ製造機」の紹介 → 新カテゴリ「ハイブリッド・アート」への発展
      • 今週末にはコンサートと講演があります
      • その週末のコンサートで日本初演する作品のデモ(メイキング解説・公演リハーサル)
      • MIBURIのセンサーのデモ
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • メディア1回生・アニメ初作品「tricky paper」
        • 藤嶋未央「江戸猫景」
        • 徳田梨那「少女界」 「絵の中の世界」 「百鬼夜行の世界
        • アルスエレクトロニカ展示「電気もコンピュータも使わないメディアアート」
        • アルスエレクトロニカ入選「ウンコ製造機」

    • 12日目(2011.12.21)
      • 本日のOpening Movie バット・メセニーの「42弦ギター」演奏
      • アナウンス - 「活躍するCMディレクターがSUACに来ます」
      • アナウンス - 「初音ミクとニコニコ動画の関係者が浜松に来ます」
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • アルスエレクトロニカ入選作品「ウンコ製造機」に衝撃を受けた(多数) → ちなみに作品タイトルは違うのですが僕が勝手にムービーに「ウンコ製造機」と名付けているだけです(^_^;)
        • 自然の力を利用した作品には親しみが持てた → これは当然のことでしょう(^_^)。仕掛けが複雑だったりハイテクであることは、メディアアートにとって必要条件でも十分条件でもありませんね
        • 長嶋作品のパフォーマンスで、「触らない演奏」で個々の音の高さ(ピッチ)だけでなく強弱も変化しているように思えたが → もちろん、ピッチだけでなく音量も、さらに音色も微妙に変化するように作曲(プログラミング)しています(^_^)
        • 映像作品の紹介などで、テーマがブラックなのものが多いのは長嶋の好みなのか → 全体として「天真爛漫、ハッピー」というようなお子様ランチ的なものは少ないのも事実ですが、僕が取り上げていない、というのもある程度は真実です
        • テルミンのアンテナは接触もさせていないと思うが、長嶋作品の「両腕それぞれ8チャンネルの筋電センサ」というのは、両腕のそれぞれ8カ所の筋肉の情報を別個に検出しているのか? → YESです。テルミンのアンテナは、1本がピッチ、1本が音量の制御なので「単音楽器」ですが、僕のシステムでは同時に16個の異なるサウンドを生成して別個に制御しています
        • 50Hzの中古ドライヤーを浜松で使ったら火花が出たが、長嶋システムを浜松で「50Hz」の設定で使ったらどうなるのか → 電源ハムのノイズをキャンセルするための設定なので、浜松で50Hzにすると、環境電磁ノイズが効果的にキャンセルされなくて、センサとしては誤計測データ(ノイズ)が多くなります
        • 長嶋作品のピッチは鍵盤の音階のようになっていなくて連続していたが、普通の音階になっているコンピュータ音楽もあるのか → もちろんあります。鍵盤の音階などに対応させるのはプログラミングとしてはまったく簡単なことですが、そこから生成される音楽は古典的西洋音楽の枠組みに近い世界に限定されてしまうので、敢えて12等分平均律に限定しない作曲家が多いようです
        • 「江戸猫景」が可愛かったが、あれは1枚1枚、紙に描いたのか、コンピュータ上で描いたのか → 説明したように、あの作品では実際にいちいち紙に描いたものをスキャナでコンピュータに取り込んでアニメーションにしています。とても多数の手描きのかたまりです(^_^)
        • MIBURIセンサの性能に驚いた。あれはセーターやTシャツの上からでも使えるのか → TシャツぐらいならOKですが、厚手の衣類があるとクッションとなって、関節の角度をキレイに検出できなくなってくるので、基本は「身体に密着させること」です
        • 脳波のセンサで「何か考えたら音が出る」なんてのは出来ないか? → 1990年にすでに市販されていた「イーバ」というインターフェースは、脳波でグッと念じると明かりが灯いたりサウンドが鳴ったりしました。ちょうど、12/16-18の国際会議でも「脳波による実時間制御可能な音楽演奏インタフェース」という研究発表があったので紹介します
        • 長嶋作品のパフォーマンスはアドリブなのか、それともある音を出すための身振りのような規定があるのか → 基本的には即興でやっていますが、音楽の全体的進行の中でどのように変化するかを把握している必要があります。楽譜は無いので、基本的には作曲家本人がパフォーマンスします。アドリブで色々な情報が出た時に、どのように全体のサウンドが構成されるかを設計するプログラミングが作曲の本質です
        • いろいろなインスタレーション作品やパフォーマンスのビデオを見て来たが、長嶋作品のパフォーマンスに接してみて、やはりメディアアートは「その場」でライブに体験しないと判らない、と実感した(多数) → それは正しい理解だと思います(^_^)
        • YAMAHAのMiburiのセンサだけを取り出した長嶋システムでは、センサからの細かい情報が出ていて良く判った。これを強制的に「ドレミ・・・」にしてしまったYAMAHAの人はもっと考えて欲しいと思った → せっかく高精度の連続値が出てくるセンサなのに、本当にもったいないと思います(^_^;)
        • 長嶋作品のパフォーマンスでは、センサがケーブルでシステムに繋がっているので、自由に動き回れることは出来ないが、ワイヤレスにしたらダンスとかと融合できそうだ → 僕はセンサの情報を無線で飛ばす、というのも1993年あたりからやっています。ただしダンサーの身体表現は我々の想像を絶する強烈な衝撃が生まれるので、ちょっとした固定ではフッ飛んでしまうのを経験的に知っています(^_^;)
        • 長嶋作品で、筋肉に力を入れるとサウンドが大きくなり音色も激しくなる(歪む)のが判った → 良く見て聞いていますね(^_^)。正解です
        • 「ハイブリッドアート」というのを初めて知ったが、システムが食べ物からウンコを生み出す、というのはちっともエコではないのではないか → 「ハイブリッドカー」から「エコ」を連想しているようですが、元々ハイブリッドというのは「二つのものを組み合わせる」という意味で、エコという意味はありません。「ウンコ製造機」では、生物の体内での化学反応、という生物学/化学的な領域と、エレクトロニクスシステムでの実現、という領域のハイブリッドということです
        • 紹介された徳田Flash作品を家で体験してみたいが → すでに僕のWebにあったのでリンクを設定しておきました。前回のメモの「紹介したビデオ等」というところのリンクから体験して下さい(^_^)
        • MIBURIセンサのデモでは、ちょっと動かしただけで相当に音階が動くので、制御が難しいと思った → あのデモでは、0から127までのデータがセンサから出ているものをそのまま12等分平均律の半音単位に割り当てていたのですが、例えば「データを2で割って(余りを切り捨てて)また2倍する」という演算処理を加えると、全音間隔に粗くなります。任意のスケール(アラビア音階とか琉球音階とか日本音階とか)だけを出すようにも、YAMAHAのミブリのように「ドレミ・・・」だけにすることも、全てプログラミングで自在に出来ます(^_^)
        • 長嶋の作った筋電センサ"MiniBioMuse-III"は色々な情報が出て、あれが3万円ぐらいで出来るのは凄いと思った → あくまで部品代が3万円程度、ということで、もしこの開発を専門の特注試作会社に依頼した場合には、だいたい200万円とか300万円になります(^_^;)。ちなみにあのシステムで使っている特殊な高性能トランジスタ(東芝製)は既に製造中止になっていて、国内に残っていた最後の20個を僕が買い占めたので、もう世界で誰も同じものを作れません(16チャンネルなのでこのトランジスタを16個、使います)
        • 長嶋センサは何年も使っているようだが、修理をすることもあったのか → 数年というよりは十数年ですが、ほとんど故障・修理というのはありません(^_^;)。信頼性を高く作る、というのも技術のうちです
      • Daily Reportに対する参考ムービー/デモ等
        • Sonification研究の例
        • 「脳波演奏」研究の例
      • 先週のMIBURIのセンサーのデモに関連して
         → 開学の5ヶ月後、これで芸文学生(1期生・1回生)がパフォーマンスをした、その記録について
      • NIME04/MAF2004について
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • バット・メセニーの「42弦ギター」演奏
        • アルスエレクトロニカ入選CM映像 もう1本
        • Sonification研究の例
        • 「脳波演奏」研究の例
        • 2000年9月のSUACプロジェクト公演とメイキング
        • NIME04より オープニングパフォーマンス(東野珠実)
        • NIME04より 堀尾寛太のパフォーマンス
        • NIME04より 木村まり with "GuitarBot"

    • 13日目(2012.01.11)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 脳波電極が剣山のようになっているのは何故か? → 従来の湿式(電極をジェルで頭皮に密着させる)は面倒なので、この乾式の電極では頭皮に細い針を直接突き立てます。1本では頭に突き刺さってしまう(^_^;)ので、多数を剣山のように並べて複数点で接触させる(それを10カ所ほど頭のあちこち)のでなんとか流血しませんが(^_^;)、痛くて30分程度の装着が限度だそうです。この脳波センサシステムは400万円とかするそうです
        • 木村まりさんと共演した演奏ロボットのパフォーマンスが凄かった(多数) → 説明が不足していたようで誤解も多かったのでここで解説しますので、よく読んで下さい。
          まず、全ての作曲とプログラミングが木村まりさん自身によって創作(講義の中で紹介したソフト"Max"により制作)されています。ロボットの開発者(研究者)は、「コンピュータからの制御信号に対応して、1本の弦を押さえる位置が素早く移動して押し(ギタリストの左手と同じ)、またその弦を指定された強度で素早くはじく(弾く)」(ギタリストの右手と同じ)というロボットを4台、並べて配置しています。この制御信号は全て、まりさんのプログラムからライブに送られます。カラオケのようにロボットが単に自動演奏による伴奏をしていたのではありません。
          木村まりさんのバイオリン演奏のサウンドはマイクからライブにコンピュータに取り込まれ、彼女自身が「この音響パターンに合致」と判定した条件によって、音楽の全体が進行し、また個々のロボットへの制御信号を生成し送出します。例えば、まりさんの弾くバイオリンのピッチに合わせて追従合奏していたロボットの演奏は、プログラムに記述された「ピッチ抽出」アルゴリズムによって入力音響のピッチを求めて、事前に入念に調査・リハーサルしたパラメータによって演算してロボットに送られて、弦を押さえる位置が確定し、結果としてこれがバイオリンのピッチと合っている、という事です。いわばロボットがまりさんのバイオリン演奏を「聞いて」いて、それに合わせる、という、まさにアンサンブルだったわけです。例えば、まりさんが「次の音」を弾くのをちょっと待てば、ロボットはすかさず静止して「次」を待ち続けます。
          激しいバイオリン演奏に合わせて高速に繰り返し伴奏フレーズを「演奏」するロボットの動きは、ときにはロボット全体の金属フレームと共振して、異常に振動することがあります。木村まりさんはこの現象を強調して、ロボットがリアルタイムに伴奏する中で、この共鳴がどんどん拡大するように作曲していったところ、ロボット開発者がどんなに過酷な耐久実験をしても起きなかった激しい振動が繰り返されて、リハであの金属フレームが折れる、というところまで行きました(^_^;)。それでコンサート前日、SUACの金属加工室で臨時にロボットの金属フレームを補修(修理・溶接)しました。それほど、彼女が競奏するロボットに求めた音楽的表現は激しい、という事です。(^_^)
        • 演奏ロボットと共演した木村まりさんのバイオリンのマイクに向かって叫んだらロボットは反応するのか → しません。バイオリンの音響の、さらに特定の奏法で特定のフレーズが演奏された、という事をパターン認識して音楽とロボット制御のトリガ(きっかけ)にしているので、関係ないサウンドはノイズとして除去します
        • 堀尾寛太さんのパフォーマンスが良かった(多数) → これは前年のSUACで開催したインカレで彼が発表して僕も気に入り、ぜひNIME04に応募して、と推薦したらちゃんと入選して公演できたものです。彼の一つの代表作となりました(^_^)
        • SUAC開学5ヶ月で、芸文+メディア(技術)の新入生が行ったパフォーマンスと作品制作が興味深かった(多数) → 皆んな頑張りました(^_^)。ただし、静大情報学部キャンパスに連れて行った学生たちが一番驚いた感想は、「静大の食堂(生協)が、SUACに比べて、安くて多くて美味しくて多種ある」という事実でした。これは絶対にかないません(^_^;)
        • 木村まりさんの「サブハーモニック奏法」のビデオを見てみたい(多数) → 見せます(^_^)
        • 岩井俊雄さんのNIME04基調講演のビデオを見てみたい(多数) → 見せます(^_^)
        • 人間の聴覚の異常診断能力は、多数のサンプルサウンドと達人の反応とをデータベース化することでコンピュータの自動診断システムに出来ないのか → その発想は当然ですが、単なる音だけでなく、その時の気温湿度気圧とか、サウンドを出すためのアクション(叩く、擦る、押す・・・)とか、時間的に長い間のわずかな変化などもあり、簡単には出来ないようです。生物学的には、(視覚や嗅覚はそれほどでもない)人間の聴覚は、古代の自然の中で外敵から身を守るための本能として発達してきたものです
        • 「脳波と植物」の記録があれば見てみたい → 動画はあったかちょっと不明です(^_^;)。愛する植物の鉢植えの前を作曲家本人が歩き回ると植物がわずかに反応するのをサウンドにした作品の公演のビデオはありますので見せます
        • NIMEオープニングの笙の演奏の時の上空の発光体はどうなっていたのか。普通にプロジェクタで映していたのか → 違います。64個の発光体を吊って、演奏情報とともに個別に制御していました。これを参照して下さい。このシステムを講堂の上空に作りました。「靄夜」関連の一部は紹介します
        • 笙のためのブレスセンサでは吐く息と吸う息を計測するということだが、そうすると呼吸していれば無限に続く音が出るのか → 呼気と吸気が切り替わるところでは圧力がゼロになるので瞬間的に音は途切れることになります。吹奏楽器の循環奏法(無限に吹き続ける特殊奏法)とは違います
        • 「連画」は面白かったが、急激に変化し過ぎていた気がする → 技術造形学科の新入生で、大部分が初めてフォトショップを使った初めての作品、ということで割り引いて下さい(^_^;)
      • Daily Reportに対する参考ムービー/デモ等
        • MAF2004コンサート - 東野珠実(笙)+木村まり(バンオリン)+長嶋洋一(ライブプロセッシング) - アドリブです
        • NIME04 木村まりさんの「サブハーモニック奏法」
        • NIME04 岩井俊雄さんの基調講演
        • 「植物と人間」のパフォーマンス作品
        • 「靄夜」関連いろいろ

    • 14日目(2012.01.18)
      • 本日のアニメーション (なし)
      • 最終レポート課題が出ました (このページの下の方)
      • 成績評価については2日目のところを参照して下さい (このページの上の方)
      • ここまでのDaily Reportの評価点についての質問は受け付けません。欠席した日は0点というのが確実なだけです
      • 本日は「授業アンケート」があるのでちょっと早めに終わります
      • 「数理造形」というアート↓
      • メディア造形学科・中谷クンの卒制Flashゲーム
      • 卒業生・権平クンの卒制Flashゲーム「爆発太郎」
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 鉢植えの植物に触れないのに人体が近付くと電極からの情報が変化してサウンドに変換されていたのは何故? → あれは「感情」「意思」などではなくて、近接した人体との間の静電容量の変化という単純な物理的現象です。よく、「モーツァルトを聞かせた作物はよく育つ」「音楽を聞かせた酵母菌で醸造したお酒は良質」などと言われますが、それも物理的な振動とか良好な生育環境という条件が主要因です。文系だからオカルトっぽい情報に騙されてもいいんだ、などと甘えないで下さい
        • 木村まりさんのサブハーモニック奏法は凄かった(多数)。他の楽器でも出来るのか → 可能性があるとすればいいところビオラかチェロぐらいです。弦を弓で擦る、という発音機構の無い楽器には無縁です
        • 卒展でメディア造形学科/大学院の学生作品に触れるのが楽しみである(多数) → 御期待下さい(^_^)
        • サブハーモニック奏法という現代奏法がメジャーになったらあちこちで聞かれることになるのか → まずあり得ません。バッハでも何でも完璧に弾きこなせる演奏技法を持ち、自身で作曲もし、即興も自在である木村まりさんレベルであることは、サブハーモニック奏法に挑戦する最低条件なので、そこに到達できるバイオリニストは滅多に出て来ません
        • 岩井俊雄さんのNIME04招待講演ビデオに感銘を受けた(多数) → 来てもらった甲斐がありました(^_^)
        • 岩井俊雄+坂本龍一の「ピアノから出る光」は、半透明スクリーンが無いと出来ないのか。最新技術の立体映像では出来る? → まだ配当名スクリーンは必要で、ああいう雰囲気で「見える」場所、というのはごく一部に限られます。どひからでもあのように見えるのではありません
        • 「肉入りカレーが食べたい」が気になる。是非、卒展で体験してみたい(非常に多数) → 御期待下さい(^_^)
        • 岩井さんの「エレクトロプランクトン」をやってみたい → どうぞ
        • 「髪の毛をバイオリンの弓で弾く」パタォーマンスはどうやっていたのか → 弓の部分に振動センサがあり、擦れた髪の毛の振動(音でなくて振動の情報)をコンピュータに送り、その変化に対応してサウンド(ノイズ的な音)を変化させます
        • 岩井さんのトークは英語+日本語だったが、やはり世界で活躍していくには英語は必要なのか → 当然のことです。海外で自分の作品を設置展示・発表公演しようという時に、いちいち詳細の判らない通訳を使うよりも、下手でも身振り手振りでも自分で話した方がずっとスムースだ、というのは僕もいつも実感しています。皆さんはぜひ、英語をモノにして下さい
        • ヤマハのテノリオンを使って何かやろうと思ったことはあるか? → ありません。MIBURIのセンサをバラして活用したのは、アナログな人間の身体表現センサとして活用できるからでした。テノリオンは完全にデジタルの世界なので、あれを改造しなくても自分で簡単に作れます(^_^)
        • 見崎作品「OTOkakecco」のために、4つのマウスを扱うインターフェースを作ったというが、そんなに簡単に作れるのか? → 簡単ではありません(^_^;)。専門業者に発注したら100万円以上かかります。次回に概要を紹介デモします
        • オトダマとかサウンドインスタレーションとかComputer Musicパフォーマンスなどでは使われる音律は、純正律なのか平均律なのか → たいていの場合には12等分平均律です。非常に稀ですが、音楽的な要請から敢えて純正律・ピタゴラス音律・ミーントーン音律などを選ぶ場合もあります。僕の書いた音律の解説も見て下さい
      • 「手回しオルゴール」のデモ と、メディア造形(技術造形)学科1期生の卒制作品「オルゴール」の紹介
      • 見崎作品「OTOkakecco」のために開発した「4マウス・インターフェース」の紹介
      • SUAC[メディア造形/技術造形]先輩の事例紹介
        • 野口 佳恵 「はやくスシになりたい」 ★動態保存の現物デモ
        • 山村 知世 「おはなしパネル」 ★動態保存の現物デモ
        • 大塚 理恵 「万変鏡」 ★動態保存の現物デモ

    • 15日目(2012.01.25)
      • 本日のオープニングmovie アルスエレクトロニカ金賞サウンドインスタレーション作品展示風景 (長嶋撮影)
      • 本日のDaily Reportについては「感想」のみ書いて下さい。「質問」等に回答する機会はありませんので質問は不可です
      • これまでの成績評価に関して(経過報告)
        • ここまで14回の講義がありました。9月中からの掲示で「この科目は例外的に初日からいきなり本論に入る」と予告したので、履修登録期間についてもDaily Reportによって出席点を付けています
        • Daily Reportについては1回5点満点で、大部分の学生はおよそ4点付近でした
        • 冒頭初日から宣言したように、この講義は15回の全てに皆勤出席することを前提にしています。1回でも休めば話題が欠落します。長嶋はそのように準備してきたので、「15回に皆勤した学生」には、平常点に加えて「5点」を加算することにしました。14回まで皆勤している学生をここでは「★」印で示します。★の学生は本日(15回目)のDaily Reportを提出すると、合計点にさらに5点が加算されます(^_^)
        • ここまで14回の出席点を合計してみたところ、以下のようになりました。既に60点以上の学生は、本日のDaily Reportも最終レポートも提出しなくても、「可」ですが少なくとも単位にはなります(^_^)
          • 最高点は65点 → 2人(2人とも★)
          • すでに60点以上なのは → 9人(うち★は8人)
          • 50-59点なのは → 15人
          • 40-49点なのは → 12人
        • 最終レポートについては30点満点で評価する予定です。ちなみに、過去11年間の最終レポート課題で満点を取った学生は1人もいません
        • 例年、4回生などで就職のために単位が欲しい、などと例外的措置を求めてくる学生がいますが、特例は一切、認めませんので承知して下さい。機械的に合計した点数が59点で「不可」となった4回生は過去に何人もいました
        • 講義時間の中で数分間、「自分の現在の得点を知りたい」という問い合わせに口頭で応えます(全員の前で回答します)。それ以降の問い合わせには一切、応じません ↓
      • 「ここまでの自分の出席点合計について問い合わせる」時間
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 「はやくスシになりたい」好評(多数) → (^_^)
        • 「おはなしパネル」好評(多数) → (^_^)
        • 子供のためのコンテンツ/ゲーム/インスタレーションであっても、実は大人も夢中になったり癒されたりすると思う → この視点は、特に21世紀の現代には重要だと思います
        • 「万変鏡」で見えていたものが実はリアルタイムに生成されているCGだと知って驚いた → これは、ちょうど小型OLEDと制御プロセッサが世の中に登場したからこそ実現できた作品です。1年前であれば想像も出来ないものでした
        • 「はやくスシになりたい」「おはなしパネル」の内部に入っているタグがTOICAと同じものだ、という事だったが、駅でちょっとタッチする間にどれだけの事をしているのか気になった → 乗り込む駅の例だと、「タッチ→タグがリーダに適応しているか(正規のタグか)確認→適応していると返信→ユーザ番号を問い合わせ→ユーザIDを返信→受け取ったユーザIDを再度確認→ユーザIDを再度返信→カードの残額を問い合わせ→カード残額を返信→最低料金より残っているか確認→乗り込み駅の情報を日時とともに送信→受け取った乗り込み駅の情報を再度確認→乗り込み駅の情報を再度送信→記憶素子に書き込み→書き込みOKか確認→書き込みOKを返信→全処理OKをJRセンターに報告」というぐらいの事を一瞬でやっています(^_^)。降りる駅では、さらにカードの残額を引き落として書き込んで確認、という処理もあります。基本的なモードでも(さらに拡張も可)、あのカード1枚で1600万人分ぐらいを識別して、預金通帳ぐらいの情報を区別して管理できます
        • MOMで1回生が制作した「足にまとわりつく球体」のインスタレーションが面白いと思った → 遠くからラジコン制御、というアナログな発想も重要だと思います(^_^)
        • 「はやくスシになりたい」で、画面内のシャリの上に、画面内に並んだネタの絵をドラッグして乗せる方が簡単ではないのか → 判ってませんね(^_^;)。それならもちろんカンタンですが、作者のこだわりは、一つ一つのネタを実際にフェルトを縫って造形として作って、手に取って触って自分で乗せる、という「体験」にこそ、あるのです。それだけのために馬鹿馬鹿しいほどの手間と時間をかける、というのが作家のこだわりです
        • 「爆発太郎」やってみたい(多数) → やってみて下さい。マニュアル等は一切、ありません。タイムアウトになればやり直しです。メディア造形学科のオタクな学生はちゃんと攻略法を試行錯誤で発見しているようです
        • 「はやくスシになりたい」で、複数のネタを組み合わせたら新しい展開があれば面白いと思った → 野口さんの次の作品は実際に「2つのアイテムを選ぶと、その組み合わせに対応したストーリーが・・・」というものでした
        • 「OTOkakecco」のために開発した「4マウス・インターフェース」はやっぱり複雑だった。チップ内に8つのコンピュータがあるのなら最大で8個のマウスまで出来るのか → 4個はそれぞれのマウスと通信しますが、あと1個はマウスのボタン状態検出に、あと2個で動作確認用ビデオモニタ出力用に、そして1個はホストコンピュータとの通信に使ったりしていますので、まぁ4個あたりが限度です(^_^;)。ここに資料があります
        • 過去の作品に活用したセンサー類の寿命は? → 部品としてはほぼ無限にあります。経年変化で使えなくなるのはパソコン(HDDはモーターがあるので摩耗)の方です
      • 「PC-based」と「スタンドアロン」の紹介 - いま進んでいる事例をサンプルとして
        • ドキュメントの事例紹介
          • マニュアル(pdf)
          • オープンソースのサイト
          • たいていは英語(^_^;)
        • PC-based
          • システムはMax/Flashなどで記述
          • 複雑な関係性を容易にプログラミングできる
          • Gainer
          • MIDI
          • Arduino
        • スタンドアロン
          • パソコンを使わずにシステムを実現
          • メーカが大量生産するシステム(組み込みシステム)は全てコレ
          • C言語などでのプログラミングが必要
          • Arduino
          • Propeller
          • AKI-H8
        • AKI-H8での実例
          • Windows(MSDOS)上で開発
          • 言語は「アセンブラ」または「C」
          • プログラミングの様子
        • RF-IDリーダでの実例
          • 第1ステップ - 「Max+Gainer」でいちいち調べてみる
          • 第2ステップ - 「AKI-H8」をホスト代わりにして高速化してGainerに接続
        • Propeller-OLEDでの実例
          • プログラミングの様子
          • 第1ステップ - サンプルを走らせてみる
          • 第2ステップ - センサを付けてみる
          • 第3ステップ - グラフィックライブラリをオリジナル化する

  • 最終レポート課題について

    1. 今年のレポートのテーマは「静岡/浜松発のメディアアート振興策」とする。
      SUACでは2001年から2010年まで、メディアアートフェスティバル(MAF)などで、メディアアートの紹介・発信を続けてきた。2009年10/30-11/3には文化庁メディア芸術祭浜松展と合体してMAF2009を開催した。 バブル崩壊後、日本でこの新しい領域のアートをメセナとして支援してきたいくつかの企業が撤退/衰退する中で、山口の美術館など、「脱・東京」とともに新しい領域のアートを支援するところも少数ではあるが出て来た。そこで、本年度は「静岡発のメディアアート振興策」または「浜松発のメディアアート振興策」というテーマでの検討・提案を課題とする。

    2. 本レポートでは、他人事のような評論的な立場でなく、十分に調査をした上で、アジアの、日本の、静岡/浜松から、世界に向けての「メディアアート振興策」を提案し、その必要性・妥当性・実現性・将来性・可能性などについて論ずることとする。事例として先行しているものを調べるのは当然であるが、「調べた事例の紹介」をいくらたくさん書いても無意味であることに注意。他所の事例紹介は簡潔に要約し、あるいはURLを末尾の「参考文献」にリストすれば十分。

    3. 内容は自由。ただし、「誰々はこう言った」をいくら引用して多数並べても、自分の意見にまとまっていなければ他者の心に響かない。他人事でなく自分が確信する立場として自分の言葉で述べることを重要視し、視点や発想において独創的・創造的・ユニークなレポートを期待する。「自分の視点・提言・肉声」の乏しい、単なる受け売り/引き写しの評論・エッセイ・感想文・調査報告などのようなレポートは大幅に減点する。何らかの「建設的・将来的な提案」が必要である。

    4. レポートは手書きとする。手書きに挑戦することの意義を重視したい。インターネットで安易に他人の情報を切り貼りする風潮への抵抗でもある。文字が美しい/読みやすいということは評価の対象ではないが、丁寧に書かれているか雑であるかは読めば判る。生まれつき字が下手であっても、丁寧に書かれたものは相手に伝わる。この心構えの部分はもちろん評価の対象である。

    5. インターネット等で調査したデータ等の資料をプリントして添付(出典を明記することを厳守)することは構わないが、これはレポートの分量としてはまったくカウントしない。単なる資料なので、中身は手書きの本文の勝負である。

    6. 下記の提出する用紙の形式に注意すること。形式不備は大幅減点ないしゼロ査定される。

      • A4」「縦配置」「横書き」「片面」の用紙を使用のこと。図表(この部分はパソコンのプリントアウトもOK。自分の手で作図/作表/描画などした図表はそのように欄外に特記し、他人の著作物を利用した場合には出典を欄外に特記すること。このいずれも書かれていない場合にはこの図表は廃棄する)を含んでもよい。

      • 第一ページ(表紙)には本文を書かずに、学籍番号など本人の情報やタイトル等、常識的に判断して必要事項を記載すること。

      • A4縦で左側に綴じるための(穴開け)スペースがあるものとする。なお、絶対にホッチキスや糊などで「綴じないこと」。ページ番号を明記する。クリップも不要である。

      • 過去に、縦書き・両面・横置きやB4・B5サイズの用紙を提出して形式不備で減点された学生がいるが、昨年から無条件に廃棄している(0点)ので注意。また一昨年も、ホッチキスで綴じて点数半減となった学生がいたので注意すること。

      • 提出は必ず、A4封筒に入れて提出すること。封筒は他人のレポートと紛れるのを避けるためだけなので、何も書かなくてよい。

    7. レポートの分量については「2000字以上」とする。分量は評価の基準ではないが、内容が乏しいものは大幅減点する。長嶋は高校3年の冬に3日間で400字詰め原稿用紙50枚、計20000字の「超芸術試論」という論文を書いた経験から、今回のテーマであれば1日缶詰めでまぁ最低でも4000字ぐらいになることを個人的には期待している。

    8. Daily Reportであまりに誤字が多かったので、「正しくない日本語は減点」という評価方針を宣言する。漢字はちゃんと辞書を引いて正しく書くこと。簡単な漢字の語句を平仮名にするのも大学生として恥ずかしいので減点する。

    9. 万一の紛失に備えてレポートのコピーを必ず手元に保存しておくこと。

    10. 提出期間は2012年1月30日(月) から 2012年2月8日(水)まで。

    11. 提出先は1106長嶋研究室のドア前に置いたレポート提出箱。

  • 関連資料・リンク