メディア・アーツ論(長嶋)

  • シラバス(2009年4月6日)

  • 話題メモ

    • 初日(2009.04.13)
      • 本日のAniMusic (1)
      • 「メディア・アーツ論」について
        • 遅刻厳禁 - 4限開始時刻に施錠します
        • 前の方に座らないとよく見えないので損をします
        • 目標(1)「メディアアートについて知る」
        • 目標(2)「関連の話題からいろいろ派生して考察する」
        • ビデオ・デモ等で間接的に体験する
        • 制作演習はありません
        • 講義のローカルルールについて
        • 毎回、最後に10分程度、Daily Reportを書く時間を取る予定
        • "Daily Report" (出席確認・検討/議論・感想/質問・授業評価) について
        • 講義Webページは http://nagasm.org/1106 から
      • 「メディア・アート」とは?
        • CG、アニメ
        • ムービー
        • ゲーム
        • Computer Music
        • インスタレーション
        • 空間演出、サウンドスケープ
        • パフォーマンス、ダンス
        • Web作品、FLASH
        • ネットワーク・アート
      • 本日のAniMusic (2) → CGの作られ方
      • 「卒展」について → M2修了制作作品
      • 「デジスタ」について → ある卒業生の3作品
      • デザイン学部「総合演習」「卒制」について → 作品現物の公開
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日の予定
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic から Pipe Dream
        • AniMusic から Future Retro (途中まで)
        • AniMusic2 から Pipe Dream2
        • AniMusic2 から Pipe Dream2メイキング
        • 清水誠一郎 「中学星」
        • 山口翔 「Paper Play」
        • 山口翔 「風見屏風」
        • 山口翔 「trip」
        • 野口佳恵 「はやくスシになりたい」

    • 2日目(2009.04.20)
      • 本日のAniMusic (1) Stick Figures
      • 今年も受講者の中に3回生以上が10人ほどいる事が判明しましたのでお知らせします。 この講義は毎回のDaily Reportによる出席点を重視しますので、出席が不足した場合には単位になりませんので、 あらかじめ覚悟して下さい。 就職活動をしている4回生はその届けを出す必要はありません。理由の如何によらず欠席は全て欠席としてカウントします。 考え方の一例ですが、毎回のDaily Reportを5点満点とすると、15回あったとして全て満点であれば75点ですが、 過去に「Daily Reportが毎回満点」という学生の事例はありません。 ここに期末のレポート課題を加えて成績評価します。試験はありません。 Daily Reportが毎回3点なら出席点の合計は45点ですので、期末レポート(例年は40点満点ほど)で15点以上を取った場合に単位となります。 毎年「卒業に必要なのでなんとか単位を欲しい」との申し出がありますが、温情による底上げはありません。 過去にも4回生が1人、期末レポートとの単純合計が59点で不可となりました。出席が少なかったので仕方ありません。
      • 「Daily Report」は単なる「感想メモ」ではありません・・・という話
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • AniMusicの音楽は楽器構成が限定されているがCGでの楽器との関係で制限があるのか → 今後のAniMusicを見て下さい。いろいろあります
        • アートとそうでないものとの境界が気になる → アートの捉え方が狭いと思います。明確な境界ってあるんでしょうか?
        • 「風見屏風」の手をかざす画像センサと風車との関係がよく分からなかった → 解説します
        • AniMusicのPipe Dreamでは、それぞれのボールが回収されるパイプは決まっているのか → YESです。それがCGというものです
        • AniMusicのPipe Dreamでは、あの部屋のいろいろなモノにスポットライトが当たっていたが、 スポットライトもスタジオの一部として作られているのか → NOです。CGでは任意の位置と動きと数のライティングを設定できますが、 その光源で照らされたらこう見える、と計算して描画する「光源」はソフトウェア上の架空の概念ですので、 「スポットライト」というモノは、それを敢えて見せようとしない場合には何もモデリングしません(作りません)
        • FLASHについて知りたい → いずれFLASH特集もやります
        • 寒かったので今後は防寒したい → そうして下さい
        • 次回から前に座ります → そうして下さい。得します(^_^)
        • SUAC学生作品だけでなくプロの仕事も見たい → たくさん見せます
        • これからも作品事例をたくさん見たい → たくさん見せます
      • 「メディアアート」についてとりあえず調べてみてください(宿題ではありませんが今後の話に有効です)
      • Wikipedia日本語版によるメディア・アート
      • WikipediaによるMedia Arts
      • パソコン音楽(MIDI)から楽器について考えてみよう : 楽器には大きく2種類(Percussive/Continuous)ある → AniMusicでも使い分けている
      • 本日のAniMusic (2) Aqua Harp / Fiber Bundles
      • 「風見屏風」のシステムの解説 : アートとテクノロジーの事例として
      • SUAC学生のアニメーション作品より ※本日はSUAC学生特集ですが次回以降はさらに拡がります
        • 短いフルCGアニメ 3作品
        • 卒制フルCGアニメ 2作品
        • 手描きアニメ 1作品
        • 紐アニメ 1作品
        • クレイアニメ 2作品
        • クレイアニメのメイキング
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic から Stick Figures
        • AniMusic から Aqua Harp
        • AniMusic2 から Fiber Bundles
        • 伊藤友基子 SUACプロモ
        • 伊藤友基子 蛙撮り
        • 平野高康 R&T 2
        • 堀江美実 Funny Space
        • 戸田達矢 Code : G
        • 川野弘道 Stay Child
        • 伴野舞 「赤い糸」
        • 斉藤真理子 「Poor Clown」
        • 小出悠美香 「もちつもたれつ」
        • 小出悠美香 「もちつもたれつ」メイキング

    • 3日目(2009.04.27)
      • 本日のAniMusic (1) Starship Groove (AniMusic2で初めてロボットが登場)
      • 本日のAniMusic (2) Pogo Sticks (AniMusicのスタジオから複数台が街に繰り出す)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • AniMusicの楽器音はどこか似ているが同じ人が作曲しているのか。実際の楽器演奏を録音しているのか → 実際の楽器演奏の録音では、映像に同期させる情報が抽出できません。全てのサウンドは電子楽器(シンセサイザ)の音なので似ています(カラオケの楽器音と同じです)。たぶん作曲はAniMusicプロジェクトの音楽担当の同じ人です。コンピュータで作曲(制作)するのは、シンセサイザを鳴らすためのMIDIという情報が時間的に並んだデータです。このデータをシーケンサという自動演奏ソフトに与えると音楽を生成し、AniMusicオリジナルCG生成ソフトに与えるとあのアニメーションが出来ます
        • クレイ(人形)アニメで、空中に浮いたり不安定な姿勢はどうやって実現するのか → 人形は軽く作って、内部に針金が入っていてこれで姿勢を作り台座に差し込むので不安定な姿勢も出来ます。またテグスで吊って撮影した全部のコマからいちいちPhotoshopなどでテグスを消せば空中に浮いたアニメが出来ます
        • メディアアートの作品は「動く芸術」だと思った → なるほど、一つの真実かも(^_^)
        • フルCGの制作の様子/過程をもっと知りたい/フルCG制作のソフトについて知りたい → メディア造形に友達を作って、GWS室やCG工房で行っている作業を見学させてもらって下さい。大規模なシステムなので387には持参できません
        • アニメ制作に膨大な時間がかかるのが分かったが、テレビの子供向けの30分アニメだとどのくらいの時間がかかるのか → 手法によりますが多数のスタッフの膨大な仕事で出来ています。30分アニメを例えば1人で作ったら1年ぐらいはかかります
        • 「R&T 2」や「Code : G」などのフルCGに登場するキャラクター、家具、町並みなども一つ一つ制作しているのか → YESです
        • 「蛙撮り」のカエルもモデリングしていたのか → YESです。ワイヤフレームで各部からモデリングして、ボーン(骨格)で動かして、表面の皮膚テクスチャを作って、さらにライティングをして、カメラワークを作って、それでようやく全体が出来ます
        • クレイアニメはどのくらいのフレームレートなのか → 映画は24fps(毎秒24枚)、テレビは30fpsですが、アニメーションの場合にはアニメっぽさを出す(少しギクシャクするぐらいが良い)、手作業での手間などから、15fpsとか10fpsぐらいで作ることが多いです。それでも例えば15fpsで5分間の尺のアニメーションには、15*60*5=4500枚のコマの撮影(→さらに編集、必要に応じて1枚ずつの補正)が必要となります
        • 「もちつもたれつ」を後輩とかの手を借りず1人で作ったらどのくらいかかるのか → 後輩の手伝いは作品においては些細なもので、全体の制作は実質的には完全に1人で半年以上でした
        • 今回見たアニメなどで使われた技術は全てSUACで教わったものなのか。デザインの学生は作品を制作して楽しそうで羨ましい → 講義、ゼミ、私塾、自己研鑽、などなんでもアリですが基本的には入学してから吸収したものです。デザインの学生もアイデア不足や技術不足に常に悩んでいるので、見た目ほど簡単なものではありません
        • 授業で見ている映像資料(DVD)などは貸してもらえるのか → NOです。買えるものは自分で買って下さい。教育的な用途として自費購入したDVDを見せているという状況を理解して下さい。図書館にも多数の資料があります
        • AniMusicのようなCGは完成までにどれだけの時間がかかるのか → AniMusicプロジェクトは相当な人数のスタッフからなる映像制作会社で、CG制作には膨大なコンピュータを駆使していますが、それでも7-8作品の入ったDVDを出すのに5年ほどかかっています。あの中の1曲の作品を1人で作ったら10年以上はかかるのでは(^_^;)
        • AniMusicでは任意のカメラポジションを設定できるという事だったが、「R&T 2」は違うのか → 同じです。彼のセンス(才能)は、あのカメラワークにあると思います
        • メディアアートに限らないが、何かを生み出すには、こだわりの自分の世界観のようなものが必要であると感じた → そう思います
        • 人間のものの見方(錯覚)を利用しているメディアアートはあるのか → たくさんあります。おいおい紹介します
        • CGというとフルCGのイメージしか無かったが、手描きアニメなども全部CGと言うのか → 「CG」の概念には色々とあります。手描きアニメでも1枚ずつ取り込んだ静止画にPhotoshopなどを使って加工していればある種のCGとも言えます。FLASHなど、2次元のパーツを動かすアニメーションも同様です
        • 映像作品(動画)の、画面上に映像を映し出す根本的な理屈がわからない → 最終的にムービーになった時には、時間的に細かい感覚で画面上に静止画があり次々と切り替えられているだけです。人間の眼は残像効果により脳内でこれを繋いで「動画」と認識します。この各コマの静止画をいちいち作る/撮るのがいわゆるアニメーションであり、3次元モデリングされたデータから「レンダリング」によって最終的に1コマ1コマを自動生成するのが「フルCG」です
        • アニメに入っていた色々な効果音は全て作者が作っているのか → 特殊な効果音が欲しくてスタジオで録音する場合もたまにありますが、たいていは著作権フリーの効果音ライブラリ(素材集)から使っています
        • 「もちつもたれつ」の途中とかラストシーンで、部屋の片隅の鏡に写っていたのはCGで合成したのか → NOです。ちゃんとセットとして鏡を作り、そこに写ったものをそのまま撮っています(^_^)
        • ジブリのアニメが好きだが、あれはどういう種類のアニメーションなのか → かつてはセル手描き、現在ではコンピュータ上ですが、基本的に1枚ずつの静止画を作って並べる古典的なアニメーョンです。フルCGではないので、カメラワークはコンテの段階で決定して変更できません。背景も基本的には「描き割り」(2次元の静止画)を複数の奥行きで動かしているだけです
      • 「メディアアート」についてとりあえず調べてみてください(宿題ではありませんが今後の話に有効です)
          文化庁メディア芸術プラザ (←中に専門家のレクチャーがあります)
      • 本日のAniMusic (3) "Heavy Light"
      • 本日のAniMusic (4) "Heavy Light"メイキング/クローズアップ
      • 「錯視」のお話
      • 「アニメーション(動画の原理)」のお話 → 1106研究室ページ2006年夏「アニメーション制作」シリーズをご覧下さい  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18
          → その結果の3人(入学半年の新入生)の完成ムービー作品
      • (時間が余ったら) 国際アートアニメーション名作選より
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日の予定
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic2 から "Starship Groove"
        • AniMusic から "Pogo Sticks"
        • AniMusic2 から "Heavy Light"
        • AniMusic2 から "Heavy Light"メイキング/クローズアップ
        • アニメーション特訓参加の新入生3人の映像作品(2006)
        • "Copy Shop" (2001)

    • 4日目(2009.05.11)
      • (参考資料配布) NHKより「デジスタ」の案内が届きました(^_^)
      • とりあえず今回までは「映像」only です(次回から他の領域に展開します)
      • 本日のAniMusic (1) Acoustic Curves
      • 本日のAniMusic (2) Resonant Chamber (+解説映像)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • アニメーションの制作には多数のスフッフと膨大な時間がかかると分かったが、アーティストの生活費や制作費はどうなっているのか → アート作品だけでは食えませんので、誰でもいろいろ苦労しています。「芸術家」という職業(専業)は、パトロンのいない現代では希有のものです
        • "CopyShop"のようなアート映像作品の評価基準はどうなっているのか → 一般のコンペと同じです。主催者が委嘱した専門家が審査/評価しますので、質問はそれぞれのコンペ主催者に問い合わせてみて下さい
        • 学生の映像/アニメ作品の音楽において、著作権はどうなっているのか → ありもの(CD等)を使えば当然発表できませんので、(1)自分で作曲、(2)友人に作曲してもらう(クレジットを入れる)、(3)フリー素材を使う、(4)ネット上の楽曲提供サイトから入手して作曲者の許諾を得てクレジットを入れる、(5)レーベルに依頼して許可を得る(非常に困難)、などの対応をしています
        • わざわざ「メイキング」を作る意味は? → 作品においてうっかり気付かれない部分を強調/紹介する意味、作家本人が全て制作しているところをアピールする意味、作品そのものの観賞をより深めるために作品の一部として制作、教材/教育的な意味付けとして、など色々な目的があります
        • 「もちつもたれつ」のメイキングにあった「3次元指差し装置」は手作りか? → YES
        • 2006年碧風祭の4日間の短縮映像がツボった。これを見れないか → サイズは小さくしてありますがここにあります(フルサイズは長嶋のところにあります)
        • 錯覚を利用した映像は人間の眼や視覚について知り尽くした人でないと作れないのか → NOです。まだ解明されていませんが作ることは可能です
        • "CopyShop"は白黒だったしとても古い作品に見えた → 2001年に若い監督が制作し2002年にはアカデミー賞ノミネートとなった新しい映像作品です
        • "CopyShop"の作家について知りたい。DVD化されているか? → 長嶋もDVDがあるので教材として仕入れました。作家については自分で調べて下さい
        • "CopyShop"のような実写アニメーションを制作するSUAC学生もいるのか? → YES
        • "フレーム"って何ですか? → 自分で調べて下さい
        • "CM"って何の略ですか? → 自分で調べて下さい
        • "監督"って何をする人ですか? → 自分で調べて下さい
        • 画面内に多数の役者がいる映像はどうやって作っているのか → 映像作品は全てコマの集合体なので、1コマごとに静止画として役者を合成しても、紙にプリントして役者を切り抜いて多数貼ったものをスキャンして新しいコマにしても、「同時に多数」は簡単に出来ます。ただ手間がとてつもなくかかるだけです
        • AniMusicの"Heavy Light"のクローズアップで、光線が音の減衰とともに薄く消えていたが、あの一つ一つも全て計算されて出来ているのか → YES。CGとはそういうものです(^_^)
        • 何年もかかって制作するAniMusicのようなプロジェクトでは、その途中でコンピュータや技術の進歩も激しいと思うが、途中から技術を新しくするのか、それまでの技術で制作してしまうのか → 両方あります。システムを新しくするだけで6ヶ月かかっても、想定レンダリング時間が全体で1年分短縮できるのであれば前面改訂する可能性もあります(投資コスト・収益予測・品質評価など要因は多数)
      • 前回紹介した "Copy Shop" (2001) ですが、手法は「実写 + 写真アニメ + (一部)CG」でしたので訂正します
      • 「アニメーション/映像作品」のお話(続)
        • こどもニュースより (1)手描きアニメ(3min) (2)フルCGアニメ(1min)
        • モーフィング」について → 長嶋(初映像)作品 "JizoGazoDazo" について
        • ある作家の軌跡と作品紹介 : 嶋田晃士 氏
        • SUAC学生の実写映像作品より 「朗詠」(7min) ←音楽は芸文学生(杉山陽介)
        • AniMusicについて(初回に出席していなかった人/まだ誤解している人のために)
          一般の映像作品と違って、AniMusicでは最初にまず音楽が作曲され、その演奏情報(MIDIファイル)から3次元フルCGを自動生成するためのCGソフト(モデリングデータと時間的変化を生成するオリジナルソフト)を作品として制作します。それで、個々の発音後だけでなく、画面内の楽器の発音以前から発音の瞬間に向かうCGも自然に流れます。また、音楽演奏データ/カメラワーク/照明変化などは後に自由に変更設定できるので、モデリングCGデータ(ソフト)が完成した後には、別の好きな音楽(楽器編成は共通に限定)で、何種類でも好きなシーンを自動生成(レンダリング)できます
      • "Copy Shop" の作家の作品 "Fast Film"(13min) と作家グループ本人による解説(5min)
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic から "Acoustic Curves"
        • AniMusic2 から "Resonant Chamber" (+解説)
        • 長嶋洋一 "JizoGazoDazo"
        • 嶋田晃士 大学時代作品集より
        • 嶋田晃士 SUAC大学院時代作品集より
        • 嶋田晃士 新作(ハイビジョン)「軌跡 映像表現の為のアクションフィールド」
        • 内田涼子 "朗詠"
        • "Fast Film" (2003)
        • "Fast Film" (2003) 解説映像

    • 5日目(2009.05.18)
      • テーマは「映像」から「インスタレーション」に移っていきます
      • 本日のAniMusic (1) Drum Machine
      • 本日のAniMusic (2) Gyro Drums
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • メディアアートの作家にはツールを使いこなす事が求められるのでは → その通り。道具を使いこなすのはどこでも基本です
        • アニメ制作の色塗りなど単純作業を人件費の安い海外に下請けさせていたら、将来の日本のアニメは駄目になっていくのでは? → その危惧から経済産業省や各地の自治体がいろいろ支援しています。調べてみましょう → 関連情報
        • どんどん新しい手法/技術で新しいメディアアート作品が生まれていくと、古いメディアアート作品の価値は低下していくのか? → 手法/技術は古くても価値/評価の変わらない名作というのもたくさんあります。ただし作品を動態保存・展示するのは非常に困難という問題点があります
        • "JizoGazoDazo"のモーフィングに柔らかさを感じたが、モーフィングのスピードは調節しているのか → よく見破りました(^_^)。ソフトウェア「morpher」にはモーフィングのスピードに「一定速度」「だんだん加速」「だんだん減速」「ゆっくり開始して加速し、最後は減速して静止(S字カーブ特性)」などの指定ができます。この作品ではもっともレンダリングに時間のかかる「S字カーブ」を採用したので、なめらか・柔らかな変化となっています
        • 内田涼子+安藤桜蘭 実写映像作品 "いと" をぜひ見たい(9人) → 見ましょう(^_^)
        • 嶋田氏の実写アニメーション(ハイビジョン)の細々とした金物などは本物ではなくてCG? → 本物です(^_^;)
        • 「朗詠」を見て、ドキュメンタリーとアートの境界がわからなくなった → 本人はドキュメンタリーというつもりはなく、単に映像作品として自己表現していると思います。これをアートと捉えるかどうかは見る側の問題です
        • "Fast Film"はオマージュだと思った → 正解だと思います(^_^)
        • "JizoGazoDazo"では前後の静止画の対応する17点をいちいちクリックして指定したということだが、モーフィングの素材によって指定する点数はいろいろなのか → YESです。初期状態として、静止画の四隅はそれぞれ対応しているだけで、あとは指定した対応点同士がモーフィングによって繋がりますので、少なければ少ないなりに、多ければ多いなりにそれぞれ違ったモーフィングとなります。地蔵の17点は何度か実験して決めたものです
        • 「怪画のキセキ」のサウンドトラックは映像が完成してから当てているのか → YESです。映像編集ソフトでは任意の音素材を任意の場所にいくつでも割り当てていけます
        • 1つのコンペに応募される作品数はいくつぐらいなのか → コンペによって、さらに定期的なコンペであればその都度、変わります。コンペの公式サイトでは審査結果(入賞者)の発表の際に応募総数などの情報も公開するので、調べてみて下さい
        • AniMusicでは既存の音楽にアニメーションを付けるのでなくオリジナル作曲しているのか → YES。プロジェクト全体がオリジナルですので当然です
        • 嶋田作品「kodama」の仕掛けが気になった → 典型的なインスタレーション作品ですので、おいおい詳しく解説します。この作品は10/30-11/3にSUACで開催される文化庁メディア芸術祭で復刻展示する予定ですので、実際に体験してみて下さい(^_^)
        • フルCDで個別のパーツが連携して動くのは分かったが、それぞれの形は、四角形など基本的なものはソフトにあるとして、複雑な形状はどうしているのか → 単純なパーツを複数組み合わせたものをグループ化して、そのグループ化したものを複数組み合わせたものを上の階層のグループとして定義して・・・と繰り返して、いちいち作ります。この作業はまさに創作プロセスの重要な部分となります
        • "Fast Film"を見て、作り手の映画に対する尊敬と愛情、情熱に圧倒された → これが理解されたからこそ、それぞれ素材とされた映画(スチル/音楽/)について、著作権とかのケチな文句を言われず、評価されたのではないかと思います
        • 「怪画のキセキ」では何枚の絵を描いたのか → 本人に確認しました。なんと2400枚です。(^_^)
      • SUAC学生の実写映像作品より 「いと」(13min) 
      • 長嶋Webにリンクのある映像作品の紹介
      • 「アニメーション映像を誰でも簡単に作れるソフト」の実例デモ ※アーティストはこれを越えなければならない
      • もう一つのメディアアートの潮流 : インスタレーション
      • [予告] 国際会議発表参加のため6月8日は休講の予定ですが・・・
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日の予定
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic から "Drum Machine"
        • AniMusic2 から "Gyro Drums"
        • 内田涼子+安藤桜蘭 "いと"
        • SUACインスタレーション作品デモ映像 (2000年)

    • 6日目(2009.05.25)
      • 本日のAniMusic (1) Harmonic Voltage
      • 本日のAniMusic (2) CATHEDRAL PICTURES
      • 本日のAniMusic (3) CATHEDRAL PICTURES メイキング
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • こんなに簡単に映像が出来てしまうと、それを簡単にコピーされたら作家は著作権とかで困るのではないか → ディジタルは品質を低下させずコピーできるので作家としては死活問題ですが、その一方で、ディジタルであるからこそ、という作家同志の協力制作という文化が登場してきました。重要な話題ですので、おいおい紹介します
        • 作品「森海」で実際に使われた映像はWebにあるか? → ありません。あれは学生たちが制作した静止画データをスライドショーにして録画したビデオテープのエンドレス再生をセンサによって切り替えたものです。その静止画データはここにあります
        • メディアアートを芸術と考えるのがしっくりこない理由は、歴史が浅いから? メディアアートの特性によるもの? → 「芸術」の捉え方が狭く凝り固まっていないか自問してみて下さい
        • 「Life」というソフトは普通に買えるのか? → ここで買えます
        • 「SonyのCM風」のCGがかっこよかった。あれはSUAC生に作れるか? → それはSUAC生次第です(^_^;)
        • 「Life」の「おまかせ」が一瞬で完成したのに驚いた。あれを自分でいちいち作ったらどれだけ時間がかかるのか → 納得いくまでですのでその人によります。時間をかければかけるほど良くなります
        • SUACでインスタレーションの展示をすることはもう無いのか? → とんでもない。毎年やってます。MAFでもやります。卒展でも展示しています。碧風祭でも自主制作のインスタが展示されています
        • 作品「森海」では、新入生は何を作ったと言えるのか → 素材となる静止画は全て学生の制作ですし、造形や設置を含めて、学生はこの作品の立派な共同制作者です
        • 「GarageBand」というソフトは普通に買えるのか? → Macを買えばタダ付いてきます(^_^)。Windowsでは駄目です
        • AniMusicのドラムの皮で、いつも叩かれる場所が黒ずんでいるように見えたがそこまで作り込んでいるのか → よく見つけました(^_^)、YESです
        • 「Life」とかゃってみたいが、ソフトは高い → とんでもない。メディア造形の学生はパソコン(13-14万)と同額のソフト(13-14万)を購入していますが、これはアカデミック版(学生専用)であり、そのソフトを大人が買うと30万円します。ソフトの値段はパソコンより高いのはザラです(CGとかではパソコン用では100万円を超えるものも多数あり)。ソフトを設計開発販売するためのコストを考えれば当然のことです。ソフトの価値を分からない人に使う権利はありません
        • コンピュータが日々革新・進展する中で、コンピュータの意義とアーティストの意義は何なのか → コンピュータは単なる道具、アーティストは道具はそれなりに使いこなしながら自分の表現を求めます
        • 冒頭に見たYouTubeのこれが良かった。どんどん塗りつぶしているのはペンキ? → 基本的にはYESです。こういう落書きアートを許容する土地でないと実現できません(^_^;)
      • 作品「森海」で学生(入学して1ヶ月の新入生)が制作した静止画はここ
      • 本日のテーマ「インスタレーション」(続)
      • 国際アートアニメーション名作選より "The Glove" (実写アニメーション)
      • 国際アートアニメーション名作選より "The Process" (アニメーション)
      • [予告] 国際会議発表参加のため6月8日は休講の予定です
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日の予定
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • AniMusic から "Harmonic Voltage"
        • AniMusic2 から "CATHEDRAL PICTURES" 本編+メイキング
        • SUACインスタレーション作品デモ映像 (2001年-2002年)
        • "The Glove"
        • "The Process"

    • 7日目(2009.06.01)
      • 国際会議発表参加のため来週6月8日は休講です(補講期間に補講を行います。最終レポートはありますが試験はありません)
      • MAF2001での冥想空間のアカペラコンサートの模様 (リクエストを受けて) [14:30-14:40頃上映]
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        過去の「前回のDaily Reportに対するコメント」をまったく読んでいないと思われる「繰り返される無駄な質問」は無視するとともにDaily Reportを減点しています。また、例えば前回は「本日のテーマはインスタレーション」と宣言してインスタレーションの話題に時間をかけているのにまったく触れておらず、最後の映像作品の感想だけを書いているような人もDaily Reportを大幅減点しています。この調子で毎回の出席点が半分以下(5点満点で1点とか2点)を続けると、最終レポートが満点でも単位に届きませんので、真剣に参加しない学生はもう出席してこなくても結構です(中身の薄い、寝ていたとしか思えないようなDaily Reportを毎週読まされるのも無駄です)。ちなみに今年は例年に比べてDaily Reportの中身(考察)が薄く、先週までのところ5点満点だったDaily Reportは1枚もありません。過去には、毎回ほぼ5点満点のDaily Reportに最終レポートの評価点を合計したら110点を超えて、成績評価で100点満点という人もいたのに比べてちょっと残念です。
        • インスタレーション作品の中には、仕掛けとしては面白いがビジュアル的にもっと工夫や丁寧さが必要なものもあるのでは? → これは鋭い指摘です。作品の最終的な完成度、こだわり、仕上げ、というのは一般的な美術と同様に必要なことです
        • 「Shocking」は一度に複数の紐を引っ張ったらどうなるのか → (1)最初の紐に反応して他のほぼ同時のものを無視、(2)最初の紐の映像とサウンドを再生中に次の紐が引かれたらそれを打ち切って新しい方に対応する、(3)両方の映像ないとサウンドをそれぞれミックスして出す、などは全てソフトウェア(プログラム)で実現可能で、この関係性の設計が作品の重要な要素です。「Shocking」では(2)を採用していました(最新のイベントを優先する方式)
        • 「はち」はセンサの前に複数の人が立ったらどうなるのか → 上に同じ。この作品では(1)の戦略を取っていて、45度の整数倍の回転後、さらに新しいセンサの検出があれば、そこにさらに回転移動します
        • 人間が特定のものに触れたりして反応するインスタレーション作品は、何もしなければ反応がないので音や絵が出ないのか → とは限りません。ギャラリーに展示しておく作品では、例えば「30秒間以上、何もない場合には、周囲に人がいないと判断して、簡単な環境BGMを鳴らしたり、触れてみて下さい、というような映像を出す」というように作ることがとても多いです
        • MAFに向けて制作さりたインスタレーション作品の制作期間はどのくらいか → 講義の中でも言いましたが、作品により、1ヶ月のものも3ヶ月のものもあります。イベントプログラムに作品解説の記事を書いて提出し、印刷するのに1ヶ月以上はかかるので、開催の1ヶ月前になっても何もしていない、という作品の出展はあり得ません
        • インスタレーション作品も一種の現代美術作品と言えるのではないか → YESです。Wikipedia(日本語/英語)にはそう書いてあります
        • ギャラリーのトイレを展示空間にした作品は静止画でなく映像で見たかった → 無理です。真っ暗なので映像にはほとんど何も映りません。人間の暗闇での視力(感度)は相当なものであり、映像には記録できない「仄かな明かり」をテーマにしたインスタレーション作品は多いです
        • 作品「幸せの○」の映像を見たい → 見ます(^_^)
        • メディアアートフェスティバルに観る側でなくマネジメント側で参加してみたいと思った → 歓迎しますので長嶋にアポをとり話をしに来て下さい。開催は10/30-11/3ですが、今年の「MAF2009/文化庁メディア芸術祭浜松展」はぼちぼち具体的に動きだしますので、7月あたりをめどにスタッフを募集します。芸文学生からコアスタッフ(2人程度)としての参加を歓迎します
        • MAF2001での冥想空間のアカペラコンサートの映像を希望する(複数) → 次回冒頭、休み時間(14:30-14:40)に上映します(^_^)
        • 晩に出会いの広場に設置したという人形照明インスタ作品の電源は? → 電池でなくコンセントです。大学事務局の許可を受けて毎晩設置しました
      • 本日のテーマ「インスタレーション」(続)
      • 作品「幸せの○」のデモ映像
      • 「サウンド・インスタレーション」というジャンル ↓
      • [予告] 6/15からはもう一つのメディアアート領域「Computer Music」に入っていきます
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日の予定
      • アートアニメーション名作選より
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • T.タリス "エレミア哀歌" (part 1)
        • SUACインスタレーション作品デモ映像 (2003年-)
        • "Gone Nutty"
        • "Guard Dog"
        • "Affordance"
        • "Justice Runner"

    • 8日目(2009.06.15)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • インスタレーション作品では、体験者がどのように振る舞うかの予想が重要だと思った → その通り(^_^)
        • 作品の制作において、自分の主張したい演出よりも、体験者を主軸に考えなければいけないのか → それだとゲーセンになってしまうので、主張すべきは主張する、という必要もあります
        • 2人以上で協力・対戦するような作品は少なかったが、それは何故? → たんなるゲームにしたくない、というのと、初めて触れる2人がそれぞれどのように振る舞うか、という想定の難易度が高まる、という理由があるかと思います
        • メディアアートでは「高度な技術を使っている = 優れた作品(評価の高い作品)」なのか? → NOでしょう(^_^;)
        • アニメーション作品の紹介で「日本的な」という意味は? → 日本人の作品であること、海外からいかにも、と思われるオタク的なテイストである事、など
        • 作品「ハコロ」の、来場者が持ち上げる箱は何で出来ていたのか → 木です。木で作り、糸ノコで文字をくり抜き、丁寧に塗装して、電子回路をいちいち内蔵しました
        • 作品「ハコロ」で、来場者が箱を持ち上げると音が出たり周囲のスクリーンからの映像が切り替わるのはどうやっているのか → それぞれの箱の下部に導電ゴムシートが貼ってあり、箱を置く部分には電極ペアが配線されていて、箱が置かれているとショート(導通)しています。この導通により、箱の内部の電子回路は明かりを消し、外部のコンピュータには箱が置かれている、というセンサ情報が行ってます。箱を持ち上げると導通が切れて(スイッチがOFF)、これにより箱は明かりをONにし、外部のコンピュータには箱が持ち上げられた、という情報が行きます。外部のコンピュータではその情報からサウンドを鳴らしたり、4台のプロジェクタそれぞれに送る映像信号を切り替えています。空間造形の学生プロジェクトということもあり、これら電子回路の部分は全て僕が作りました
        • 楽器を弾いて映像が変わったり詩の断片朗読が再生されたり、「ハコロ」のような仕掛けとかは、デザインの学生は講義で学ぶのか、自分で個人的に学ぶのか → 個人的に学ぶのは不可能です(他大学では学部というより修士レベルに近い)。デザイン学部の中では、メディア造形学科だけが長嶋の必修専門科目で全員、学びます(^_^)。ただし学んだだけで作品としてサクサク使いこなすのは非常に困難で、ゼミや自主制作などでさらに指導を受けつつ深めることが必要です
        • 松登作品や河原崎作品など、もっと地域の人や文化政策学部の学生にも体験させて欲しい → やってます。いずれも「卒展」として1週間以上(土日2回)も、朝から晩までずっと展示公開しています。展示をやっているのに来ない人に「体験させて」と言われたくありません。デザイン学部は学部全体で春休み期間中も卒展で(手伝う下級生まで)燃えて成長していますが、文化政策学部は春休みは何もなく2ヶ月も漫然と過ごしている、という事にもっと問題意識を持つといいと思います
        • 「ちゃぶ台返し用ちゃぶ台」「ガチャガチャ映像マシン」を観たい → 展示終了後には壊してますので不可能です(^_^;)
        • 長嶋の「光の絃」はシンセサイザーとは違うのか → これはセンサ(インターフェース)なので、演奏情報をコンピュータに送るだけです。その後、その情報に対応してどんな音を出すか(シンセサイザー)、さらにどんな映像変化をするか、などソフトウェアを作ることで自在です
        • 松登作品では、ストレス発散指数は音の大きさで測っていたのか → 一瞬の音量(音圧)ではなくて、刻々と時間的に音圧を積分(足しあわせ)しています。これはカラオケの「消費カロリー」とまったく同じ測り方です
        • インスタレーションは、観る人を引き寄せる、好奇心をくすぐる、という作品が良い作品だと感じた → その通り(^_^)
        • 作品「ハコロ」では、持ち上げた箱に書かれていた言葉でなく、投射される映像はそれらのイメージの色々なものが出ていたのか → YES
        • 長嶋の「光の絃」は、枠組みの中は空っぽなのか → YESです。いずれ現物を持ち込んでデモします(^_^)
        • 作品「音波」で使われていた音は、この作品のために作った音なのか → YESです。共鳴する周波数を事前に実験して、その周波数のあたりが次々と出るような特製の音楽CDを作って、現場で連続再生しました
        • 作品「音波」で、周囲の音とかに反応して周波数が変化するインスタレーションにするのは難しいのか → まったく簡単です。ただしこの作品の作者・山本さん(生産造形)の意図は、「展示され音とともに波紋が変化する」という作品を、ただ鑑賞者として眺めて欲しい、というものであり、来場者からの働きかけに反応したり現場の騒音に反応して変化する、という「インタラクティブ性」を求めていないので、出来ますがやりませんでした。コンセプトとして別なものだからです
        • 円筒形の8画面の作品は、8台のパソコンと1つの制御システムで出来ているのか → 違います。8台のうち1台は、自分のムービーを再生しながら、そのフレーム情報を刻々とネットワークに送信します。残り7台のパソコンは、ネットワークからこの情報を受けて、自分の再生するムービーのフレームをこれに合わせて(同期して)います。この「ネットワークで複数のコンピュータが情報をやりとりして共同で動作」という技術(長嶋が特別に伝授)を実際の作品に適用したのは、現在までSUAC学生作品としてはこの作品だけです
        • アニメーションの中の電車とか機械の音などはいちいち作家が作ったものなのか → プロアマ問わず使用できる、著作権フリーの音響素材集があります。これを買って、その中から使っているのがほとんどです
        • インスタレーションとは、何かアクションを起こすと音や映像などが変化するので、ゲームセンターにある銃などのゲームと仕組みは同じなのか → 狭義にはYESです。インスタレーションを「システム」と考えれば、その入力はセンサ等から得られる「外界の情報」です。ここには人間からのアクションだけでなく、自然現象(温度や気圧や騒音など)も含まれます。システム内部では、入力情報からある「関係性」(アルゴリズム)で出力の情報を生成します。リアルタイムに動く情報処理システムであることが重要です。システムの出力は「広義のディスプレイ」です。人間の、視覚、聴覚、触覚、などに情報を出力するというわけです(^_^)
        • 光のある作品は、暗い方がより効果的だと思った → 展示環境は重要です。「本当の暗黒」の必要な作品(アルスエレクトロニカ)では、真っ暗な前室に入って15分してから本当の展示室に案内されました(^_^;)
        • 古典的な造形(美術)作品では、材料への加工から全てを見て理解できるが、メディアアートでは中身の技術の部分がブラックボックスになって理解できない、置いていかれるような気がする → 全てを理解する必要はなくて、驚いたり、何かを感じたり、発見があれば十分、というコンセプトの作品も多いです。工学系の「技術デモ」であれば原理や技術の理解が必要ですが、それとはちょっと別です
        • インスタレーションには、一方的でなく、見た人に何かを発見させる、考えさせる力がある → その通り(^_^)
        • インスタレーションでは、アーティストは制作者自身だとしても、体験的に参加するお客さんもアーティストになれる → そういうコンセプトで作品制作する作家も少なくありません
        • 良いインスタレーション作品を作るには物理的な知識も必要だと思った → これを「数理造形」と呼びます。自然界には根本的に数学や物理があり、それはそのまま美しいので、数学や物理をそのまま「見える」「聞こえる」「体験する」ように制作する(恣意的な演出を廃する)というアプローチです(^_^)
        • 作品「キになる木」では、お客さんの上下の動きを検出して木が成長していたが、横に動いたらどうなる? → 鋭い指摘です(^_^;)。実はこの画像認識センサは、「前フレームと現在フレームとの差分(変化分)」をシンプルに検出しているだけですので、横に動いても、下にしゃがんでも、木は上に成長します(^_^;)
        • SUACネットショップのギャラリー展示で、参考展示されていた「ちいさな記憶」は、ケースに入っていて触れられなかったのが残念だった → あれはお客さんとのインタラクションは何もない、刻々と映像が変化するのを眺めるタイプの作品です。インスタレーション作品はインタラクション(相互作用)は必須ではなくて、ただ見ている作品もあります
        • メディア芸術祭で菅野よう子さんのライブがあるなら、スタッフでも何でもやるので関わりたい → 速報ですが、菅野よう子さんのライブは告知しなくても8万人は集まる、数千人の会場が必要、と事務所から文化庁に連絡があり、ライブは幻となりました(^_^;)。ただし、菅野よう子さんと2人の仲間の音楽家とを呼んでのシンポジウム、の可能性はまだ残っています。これとは別にスタッフを芸文学生からも募集する予定です(^_^)
      • MAFにも参加した作家・松村氏のインスタレーション事例紹介
      • 本日のテーマ「Computer Music
      • プラットフォーム "Max/MSP/jitter" について (ざっとデモ)
      • 長嶋インスタレーション作品の事例紹介「光の絃」
      • [予告] 特別講師(音楽家)を招きます(^_^) → 6月29日
      • アートアニメーション名作選より "頭山"
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "Liquid Scrupture"
        • "Water Canvas"
        • "頭山"

    • 9日目(2009.06.22)
      • テレミン オンドマルトノ
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • サウンド全体にイコライジングなどの操作が出来ることは分かったが、ミックスされたサウンドから特定の音を抜き出すことは出来るのか → 非常に困難です。「音源分離」という研究領域で、世界中で研究が進められています。一部の研究成果(NTT基礎研究所)をデモ紹介します
        • 職業的難聴でも仕事している音楽家はたくさんいるのか → います。聴覚が失われても作曲は可能です(ベートーベン)
        • 周囲の学生に比べて高域の聴力が悪く(聞こえず)ショックを受けた。普段から大音量で音楽を聴いていたのを反省した。治らないらしいのでこれ以上、悪化しないように注意したい。これを聞いたら耳が良くなる、という音楽はないものか → とりあえず、人工音から途絶された静寂な深山幽谷に旅してみましょう。数日も逗留すれば、「かすかな音」の重要性に気付くでしょう(^_^)
        • 若い人にだけ聞こえる音楽は出来ないか → モスキート音の着メロは売られています。老人に気付かれないらしいです
        • マックス?について詳しく知りたい → Max/MSP/jitter です。このソフトは元々、フランスの国立研究所IRCAMの音楽情報科学の研究成果として生まれたものです。解説はここをどうぞ
        • エコなメディアアートはあるのか → あります。おいおい紹介します
        • 松村さんたちのインスタレーションのアイデアが後にテレビとかで使われているが、特許とか著作権はどうなつているのか → アート作品のコンセプトだけでは独占的な権利は主張できません。必要があれば作品発表の前に基幹技術などで特許を取る会社もありますが、個人の作家ではほぼ無理です
        • インスタレーションで反応が遅いものはどうなつているのか → センサからの情報をシステムが認識するための「遅れ」Latency はこの領域の重要なテーマです。コンピュータがソフトウェアでパターン認識するにはそれなりの時間がかかるので、「リアルタイム性」に常に挑戦しています
      • 本日のテーマ「Computer Music」(続)
        • 「音楽情報科学」研究の事例紹介 - 音源分離のデモ(NTT基礎研究所) (1min35sec)
        • ライブComputer Music → センサ、新楽器、グラフィクスとの融合 → 後日
        • サウンド・インスタレーション、サウンドスケープ → 後日
        • スタジオワークのComputer Music → テープミュージック(ミュージックコンクレート、アクースマティック)
          • 事例紹介(1) 共立出版「コンピュータと音楽の世界」 付録CDROM収録の作品
            • フルート即興演奏曲 "Epsia" (3min16sec) ※ 楽譜とともに - 「楽譜」の話はまたどこかでします
            • "Epsia" を単純に時間的反転し残響を付加した "Aispe" (3min17sec) ※ 楽譜とともに
            • これだけを音響素材として制作した作品 "Bit extra issue" (5min) ※ iTunes「ビジュアライザ」とともに
          • 事例紹介(2) ソプラノの朗読音声だけを素材とした作品2つ
            • 草野3兄弟(詩人) と 草野心平 と 「鬼女」
            • ある学生(現在イラストレータ)が描いたこのサウンドのイメージ
            • "Ogress II" (10min52sec) ※ 詩とともに
            • Kymaと、ある音楽科学生(シオカワマイコ、舞子在住)と、マイコプラズマ(ゲノム解析第1号) から生まれた作品(ライブ公演の録音)
            • "Mycoplazma" (9min12sec) ※ iTunes「ビジュアライザ」とともに
          • 事例紹介(3) 「人体の音楽」
            • 「Sony ネットMDウォークマンのラジオCM」の突然の作曲依頼メイル
            • 心臓のサウンド記録
            • 筋肉のサウンド記録
            • Max/MSPによる「人体の音楽」の作曲
            • 完成したCM (シリーズ3本) (5min * 3) ※ iTunesの「ビジュアライザ」とともに
          • 事例紹介(4) 「宇宙人の音楽」
            • ジャン・カルロ・メノッティのオペラ「宇宙人グロボリンクスがやって来た」
            • 宇宙人の声をS/Hシンセで実現
            • 人間の声をMax/MSPでグロボらせる
            • オペラ公演の一部のムービー紹介
      • 来週6月29日はこの人の特別講義です(^_^)
      • 「アートアニメーション名作選より」は今週はナシ
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "オンドマルトノ"と"テルミン"
        • 音源分離のデモ紹介
        • 長嶋作品mp3からいくつか
        • 「グロボリンクス」より

    • 10日目(2009.06.29)
      • 本日は特別講義なので、Daily Reportには質問を書かずに「考察・感想」だけを書いて下さい(原則として質問には回答できません)
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • スタジオワークの音響音楽作品(5-10分)を作曲するのに1000時間をかける、その時間はどのような過程なのか → 僕の場合ですが、多数のサウンドがバラバラと出て来る(「鬼女」とか)部分の作曲については、時間軸に音響素材を貼り付けていく(再生してみれば必ず同じ)のでなく、「ランダムに音響素材を再生するプログラム」をまず作って、これを何度も走らせて試行錯誤のサウンドを作り、聞き比べて納得したものを採用します。なので、10分の曲の中の30秒のパートを作るのに、1度の試行レコーディングで1分近くかかり、これを30回やれば、試し聞きと合わせて1時間になります。だいたい、そこで使う音響素材そのものを色々なエフェクトなどを駆使して試行錯誤しながら作るのに何時間もかけてます。ということで、最終的にその30秒のパートを作るだけで何十時間もかかったりします。作曲が終盤になれば、そこまで作った数分のサウンドを何度も聞くだけでさらに時間がかかります(^_^;)
        • 映像と音楽の組み合わされた作品はどちらが先とかどちらがメインとかあるのか → 作家により色々です
        • 「マイコプラズマ」はライブ公演の録音ということは、音響操作をスタジオの切り貼りでなくリアルタイムに行ったのか → YESです。これには音響信号処理エンジンのKymaというのを活用しました(^_^)
        • iTunesのビジュアライザというのは、あらかじめ作られたムービーを再生するのでなく、その場で選択されて再生されているサウンドに反応してCGをリアルタイムに生成しているのか → YESです(^_^)
        • 電子音響音楽作品は暗い感じのものが多いのか。個人的にはもっと明るいものが好きだ → 明るく、というと単純に和声的なクラシックとかビートのあるポップ/ロック/ジャズになってしまうので、作家としても避けている傾向にあります(^_^;)
        • 「マイコプラズマ」のマイコの声以外は誰の声か → 英語の文章を自動読み上げするソフトに朗読させた自動読み上げ音声です。ピッチとか声優のタイプを選べるので色々な声を使い、さらにこのパートは事前に音響信号処理(スタジオワーク)しています
        • 人間の5感すべてに働きかけるメディアアートは無いのか → 目指している色々なプロジェクトがあります。ユニバーサルスタジオの「シュレック4D」では、3D立体映像、空間音響、身体振動、風や霧を吹き付ける、などで観客を刺激しています
        • 身体から出て来るサウンドを組み合わせて音楽が出来ないか → そういうFLASHとか、たくさんあります(^_^)
        • 「ホーミー」の、人間が一人で2つの音を同時に出す、というのが分からなかった → ネットで調べたらスグに出て来ますので調べて下さい
      • 本日のテーマ「Computer Music」(続)
      • 特別講義 RAKASU PROJECT 先生
      • 「アートアニメーション名作選より」は今週もナシ

    • 11日目(2009.07.06)
      • 「ライブComputer Musicのセッティング風景」ライブ公開(^_^)
      • MAFスタッフ募集
      • 先週は特別講義だったので、「前回のDaily Reportに対するコメント」はありません
      • 補講について → 7/23(木) 2限 です
      • 本日のテーマ「Computer Music」(続)
      • ライブComputer Music → センサ、新楽器、グラフィクスとの融合
      • 「NIMEについて」(長嶋洋一の作り方) ※ 生き方は数十年かけて自分でデザインしよう
        1. 音楽好きの子供(バイオリン少年)
        2. バンドにも目覚める(中学・高校・大学)
        3. バロックにも目覚める(高校)
        4. 合唱団にも青春する(大学)
        5. 作曲にも目覚める(全て独学・大学時代には合唱曲を100曲ほど作曲)
        6. 2回生の時に作曲した作品が入選して初めての海外旅行
        7. 指揮にも目覚める(max350人を指揮)
        8. 音楽に関われる仕事を求めて就職(河合楽器)
        9. 社会人バンド/合唱団でも活動(週に5団体で指揮)
        10. 楽器の研究開発でプロのエンジニアとなる(特許20数件、カスタムLSI数種、ソフト数本、製品 数種類)
        11. 勉強のため学会(音楽情報科学研究会)に参加、木乃伊とりが木乃伊になる(^_^;)
        12. ICMCにも参加(1991,1992,1993,1994,1995,1997,1998,1999,2000,2003,2005,2007)
        13. 「技術士」の資格を2部門で取得、2足の草鞋となる
        14. 1993年 独立退社、技術士事務所開設、コンサルタントへ
        15. 大阪の研究所研究員、音楽/芸術関係の大学非常勤も(京都・神戸・静大。7年間ほど浜松から関西に毎週通勤)
        16. SUACの開学の段階から協力 → 専任教員へ(兼職)
        17. 2001年、MAF開催、欧州ツアーを主宰
        18. NIME日本開催を打診される → 準備!! (SUAC初の国際会議)
        19. NIME03にて招致宣言・作品公演・研究発表
        20. NIME04 大会委員長・研究発表
        21. NIME05 作品公演・研究発表
        22. NIME06 研究発表
        23. NIME07 作品公演・研究発表
        24. 2008からSketchingに参加、2009も参加
        25. NIME09 研究発表
      • ライブComputer Music の実例(ムービー)紹介 MAF2001 SUAC
      • ライブComputer Music の実例(ムービー)紹介 MAF2004/NIME04 SUAC
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "BioCosmicStorm-4" Yoichi Nagashima
        • NIME04より "GuitarBotana" Mari Kimura

    • 12日目(2009.07.13)
      • 本日の時間前アニメーション名作上映 "Fallen Art" (アルスエレクトロニカ2005金賞)
      • 今回は「授業アンケート」があるので15分早く終わります
      • 今後の予定
        • 7/23(木) 2限 補講です (※ NIME04での岩井俊雄さんの基調講演ビデオをほぼノーカット上映。毎年とても好評の講演記録(^_^))
        • 7/27(月) 4限 最終日 補遺特集  (最終レポート課題提示 → 提出締切は8/4の予定)
      • MAFスタッフ募集
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • 身体の動きや表情の動きの変化を察知した音楽は面白いのでは → 実例を紹介します ★1
        • 筋電センサのパフォーマンスは、筋肉の動きと出る音の関係を把握して演奏しているのか → ある身振りである音階を・・・という厳密な対応は困難があるので、身体表現の幅に対応したサウンドを生成するように作曲します。ただしリハーサルによりどのような感じの音響になるかは十分に把握しています
        • 身体のどこに筋電センサを付けても演奏できるのか → 筋肉があれば脚でも腹でも首でもどこでもOKです
        • 筋電センサのパフォーマンスに、身体障害者の意志伝達の可能性を感じた → そのような研究をしている人もいますので実例を紹介します ★2
        • SUACで開催されたNIME04では、3日間で、世界中からの発表応募がどのくらいあってどれだけ発表されたのか → 研究発表は130件ほどの応募で50件ほどが採択され(約2.5倍)、音楽作品(パフォーマンス/ライブ/インスタレーション)は90件ほどの応募から計20作品ほどが採択(4.5倍)されました
        • 木村まりさんのバイオリンと競演したロボットは、バイオリン以外の楽器とも競演できるのか → Max/MSPからMIDI制御されるロボットなので、どんな楽器のよるComputer Music作品でも、MIDIによって同じように制御/競演が可能です。ただし木村まりさんほど使いこなせる人は世界に何人もいません
        • センサを使うことで、人間だけでなく動物と競演する音楽も面白いのでは? → 「ハムスター・シーケンサ」「コックローチ・カー」 ★3
        • NIME04のスポンサー企業に、長嶋がどのような点を力アピールして口説いたのかが気になった → NIME04実施に関する資料を発掘しました
        • 筋電センサのパフォーマンスは、まさに人体の音楽だったが、「脳」でこれは出来ないのか → 脳波センサは既に実用化されていますが、脳波であるパターンを検出するのに早くて数秒、通常だと30秒から1分かかります(^_^;)ので、脳波での音楽演奏は相当に困難です 実例を紹介します ★4
        • 動物でなく植物にセンサを付けて競演できないか → 実例を紹介します ★5
        • 筋電センサは指揮のようだった。何人かでこれを付けて演奏したら楽しそう → 筋電ではありませんが身体動作センサによる新楽器MIBURIというのがありました。その失敗例を紹介します ★6
        • 学生・初心者でも扱いやすい(安い)シンセサイザーは? → ニンテンドーDSの「KORG DS-10」で、伝統的なアナログシンセサイザーとかシーケンサ(YMOテイスト)が体験できるので、調べてみて下さい。僕もこのソフトと解説本は買ってありますが使ってません(^_^;)
        • 筋電センサのパフォーマンスではノイズや電子音(テルミン風)を演奏していたが、人の声とか動物の鳴き声などを鳴らすというのもアリなのか → 身体動作のセンサと鳴らす音響とは別物ですので、そのような表現も自在です。実例を紹介します ★7 ★8
        • 長嶋Webに初音ミクの登場するYouTubeがたくさんあって驚いた → 「アナロ熊」関係であれば単なるネタの紹介です
        • 「歌うソフト」についてどう考えているか → 音楽情報科学の領域では「コンピュータに歌わせる」というテーマの歴史は長く、色々と語りたいことも紹介したいサウンド事例などもたくさんありますが、講義の残り時間で取り上げるかは微妙です(^_^;)
      • 前回のDaily Reportに関するムービー/写真の紹介
        1. NIME07より 顔の画像認識によるパフォーマンス
        2. NICTの研究者のデモ映像 生まれつき手首から先の無い人が仮想的な鍵盤を演奏する(^_^)
        3. NIME05 Reportより 「ハムスター・シーケンサ」「コックローチ・カー」
        4. NIME03 Reportより 脳波センサを使って植物と対話するパフォーマンス
        5. NIME06より 電極を付けた植物(愛でて育成)の近くを歩き回ってサウンドを鳴らす
        6. (ヤマハ MIBURIデモビデオより) ← 資料発掘したもののレンダリングが間に合わず次回以降へ(^_^;)
        7. NIME06より 身体動作でライブサンプリングした自分の声を変調する
        8. NIME06より 自作したパーカッション(音具)を叩きライブ音響信号処理するパフォーマンス
      • 本日のテーマ「Computer Music」(続)
      • ライブComputer Music の実例(ムービー)紹介 MAF2001 SUAC
      • 提示したサンプルムービー等の備忘メモ
        • "Fallen Art"
        • 前回のDaily Reportに関するムービーの紹介
        • MAF2001

    • 13日目(2009.07.23)
      • 本日の時間前ムービー YAMAHA "MIBURI" プロモビデオ
      • MAFスタッフ募集
      • 前回のDaily Reportに対するコメント
        • MAF2001のコンサートでは演奏家もプロでオファーは大変だったのではないか → SUACから作曲家には謝礼を出しましたが、多くの作曲家がその全額を演奏者の謝礼に回していました。Computer Musicの作曲家にとって、このような場(これがなかなか困難)で公演できる、という事実だけで十分というところがあります
        • 吉田靖さんのギター演奏は、足元にたくさんのエフェクタがあったように見えた → あれは全てフットスイッチ(一種のセンサ)で、ライブ音響処理は全て "Kyma" というシステムで実現しました。僕の作品でもKymaとMax/MSPとを両方使いました。Kymaについては →
        • 目の形を認識した音楽があるのなら、口の形を認識した音楽は? → NIME04のクラブコンサートでこれを使ったライブがありました(^_^)
        • 筋肉で音が出せるなら、ダンスで音楽を鳴らすことは出来ないか → よくあります(^_^;)。時間があれば"Tap Dog"というビデオを見ましょう
      • 本日のテーマ「NIME04での岩井俊雄さんの基調講演ビデオ」

    • 最終日(2009.07.27)
      • 本日の時間前ムービー "Tap Dog"より (これぞ「パフォーマンス」)
      • MAFスタッフ募集
      • 成績評価について
        ここまで13回のDaily Reportを評価しました。新学期の冒頭(入学式より前)から掲示しているように、この講義は履修登録期間である講義初日から内容に入っていく、という予告の通り、例外的に講義初日より出席点をカウントしています。今年はちょっと甘いですが、出席して提出して「何か」書いてあれば最低点(出席点)として3点を与えて、内容によってこれを4点ないし5点としました。これまで13回の全てに出席してきたのは27人。最高で既に63点を獲得するなど、この時点で最終日に欠席して最終レポートを提出しなくても単位(60点で「可」)となるのは3人、最終日に出席すれば最終レポートを提出しなくても単位になる(57点以上)のが他に4人います。既に50点以上を獲得しているのは全受講者43人のうち23人、不可が確定(最終レポートを提出する意味なし)しているのは3人です。出席が8回(25点)、9回(40/35/29点)、10回(48/41/33/35/45点)、11回(44点)という人は最終レポート(40点満点)によりますので、相当に気合いを入れて取り組んで下さい。
      • 最終レポート課題について
      • 前回のDaily Reportに対するコメント 特になし(感想がほとんど(^_^;))
      • 本日のテーマ1「コンピュータに歌わせる」
        • 音声合成と歌声合成の違い
        • VocalWriter
        • 初代ボーカロイド
        • MEIKO
        • ボーカロイド2
        • 初音ミク
        • 鏡音リン/レン
        • がくっぽいど
      • 本日のテーマ2「補遺特集」(落穂拾い)
        • NIME04のクラブコンサートより (口の形を認識して音楽演奏)
        • "Tap Dog"より (これぞ「パフォーマンス」)
      • 本日のテーマ3「FLASH作品観賞会」

  • 最終レポート課題について

    1. 今年のレポートのテーマは「国立メディア芸術総合センター(通称 国営漫画喫茶)」とする。
      SUACでは2009年10/30-11/3にしずおか国民文化祭・文化庁メディア芸術祭浜松展と合体してMAF2009を開催する。そこでのシンポジウムでもこの件についての議論をテーマとする事が検討されている。また、国立メディア芸術総合センターのプランはまさに文化庁が中心となっているものであり、昨今の国民的議論からも、本年度にこのテーマでの是非論を真剣に検討することは意義深い。
      そこで本レポートでは、他人事のような評論的な立場でなく、十分に調査をした上で、是非論の「是」「非」いずれか一方の立場を明確にとった上で、相手側の問題点についての徹底的な追求と、自分側の提案の必要性・妥当性・実現性・将来性・可能性などについて論ずることとする。

    2. 内容は自由。ただし、「誰々はこう言った」をいくら引用して多数並べても、自分の意見にまとまっていなければ他者の心に響かない。他人事でなく自分が確信する立場として自分の言葉で述べることを重要視し、視点や発想において独創的・創造的・ユニークなレポートを期待する。「自分の視点・提言・肉声」の乏しい、単なる受け売り/引き写しの評論・エッセイ・感想文・調査報告などようなレポートは大幅に減点する。

    3. 肯定論の場合、具体的な施設・イベント等の企画提案をレポートの中核にする場合には、机上の空論にならないように、スケジュール案、人員計画、予算計画などもきちんと調べて具体的に提案すること。これは芸文のアートマネジメントのプロの現場では当然のことである。

    4. 否定論の場合、この計画とは別に、日本の将来を支えるコンテンツ産業の振興や国際的なメディア芸術の発展に寄与する(国際的文化貢献)ための「代替案」を提案しなければ、ただ問題点を指摘攻撃しているだけでは不毛であるのは当然である。つまり肯定論であっても非定論であっても、何らかの「建設的・将来的な提案」は必要になる。

    5. レポートは手書きとする。手書きに挑戦することの意義を重視したい。インターネットで安易に他人の情報を切り貼りする風潮への抵抗でもある。文字が美しい/読みやすいということは評価の対象ではないが、丁寧に書かれているか雑であるかは読めば判る。生まれつき字が下手であっても、丁寧に書かれたものは相手に伝わる。この心構えの部分はもちろん評価の対象である。

    6. インターネット等で調査したデータ等の資料をプリントして添付(出典を明記することを厳守)することは構わないが、これはレポートの分量としてはまったくカウントしない。単なる資料なので、中身は手書きの本文の勝負である。

    7. 下記の提出する用紙の形式に注意すること。形式不備は大幅減点ないしゼロ査定される。

      • A4」「縦配置」「横書き」「片面」の用紙を使用のこと。図表(この部分はパソコンのプリントアウトもOK。自分の手で作図/作表/描画などした図表はそのように欄外に特記し、他人の著作物を利用した場合には出典を欄外に特記すること。このいずれも書かれていない場合にはこの図表は廃棄する)を含んでもよい。

      • 第一ページ(表紙)には本文を書かずに、学籍番号など本人の情報やタイトル等、常識的に判断して必要事項を記載すること。

      • A4縦で左側に綴じるための(穴開け)スペースがあるものとする。なお、絶対にホッチキスや糊などで「綴じないこと」。ページ番号を明記の上、クリップ等で挟むだけとする。折り畳まずにA4封筒/文書ホルダーに入れて提出してもよい。

      • 過去に、縦書き・両面・横置きやB4・B5サイズの用紙を提出して形式不備で減点された学生がいるが、今回はこれだけ強調したからには無条件に廃棄する(0点)ので注意。

    8. レポートの分量については「2000字以上」とする。分量は評価の基準ではないが、内容が乏しいものは大幅減点する。長嶋は高校生の時に3日間で400字詰め原稿用紙50枚の「超芸術試論」という論文を書いた経験から、今回のテーマであれば1日缶詰めでまぁ最低でも4000字ぐらいになることを個人的には期待している。

    9. Daily Reportであまりに誤字が多かったので、「正しくない日本語は減点」という評価方針を宣言する。漢字はちゃんと辞書を引いて正しく書くこと。簡単な漢字の語句を平仮名にするのも大学生として恥ずかしいので減点する。

    10. 万一の紛失に備えてレポートのコピーを必ず手元に保存しておくこと。

    11. 提出期間は2009年7月28日(火)17:00 から 2009年8月5日(水)18:00まで。

    12. 提出先は1106長嶋研究室のドア前に置いたレポート提出箱。

    付記 2009年8月5日(水) 18:24

    締切り1分後に研究室のドアをノックする学生がいましたが、ここで期限違反提出を受け取ると、では5分遅れ、1時間遅れの学生はどうなるのか・・・という不公平の問題があるので、無視して受け取りませんでした。

    1人だけ、ホッチキスで綴じた形式不備のレポート提出がありました。上記から無条件に点数を半分として計算することにしました。

    成績評価点の問い合わせには応じておりません。例年いるのですが、例えば「59点」となった学生が、「卒業に必要なので・・・」などと評価をねじ曲げる依頼をしてきても、一切、受付けませんのでご了承下さい。

  • 関連資料・リンク